JP5084010B2 - 化粧料用水系分散体およびその製造方法、ならびに化粧料 - Google Patents
化粧料用水系分散体およびその製造方法、ならびに化粧料 Download PDFInfo
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ビタミンA効力を実質的に有さないカロテノイドと、炭素数5以上の二価アルコールとを含有する。
本実施形態に係る化粧料用水系分散体は、ビタミンA効力を実質的に有さないカロテノイド(以下、「成分(I)」ともいう。)と、炭素数5以上の二価アルコール(以下、「成分(II)」ともいう。)とを含有する組成物である。本実施形態に係る化粧料用水系分散体は、化粧料用基材、すなわち化粧料に配合するための中間原料として使用することができ、必要に応じて使用時に水系媒体にて希釈してもよい。
成分(I)は、ビタミンA効力を実質的に有さないカロテノイドである。成分(I)は1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ビタミンA効力を実質的に有さないキサントフィルとしては、例えば、ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、カンタキサンチン、イソゼアキサンチン、3’−ヒドロキシエキネノン、4’−ヒドロキシエキネノン、フェニコキサンチン、2−ヒドロキシカンタキサンチン、イドキサンチン、クラスタキサンチン、アドニキサンチン、アンテラキサンチン、ビキシン、カプサンチン、カプソルビン、クロセチン、β−アポ−8’−カロテナール、エチル−β−アポ−8’−カロテノイン酸、フコキサンチン、ビオラキサンチンが挙げられ、このうち、ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、およびカンタキサンチンから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらのキサントフィルはいずれも、ビタミンAとしての生物学的効力がレチノールの1/24未満である。
ビタミンA効力を実質的に有さないカロテンとしては、例えば、リコペン、3,4−デヒドロリコペン、1,2−ジヒドロ−3,4−デヒドロリコペン、1,2−ジヒドロリコペン、1,1’,2,2’−テトラヒドロリコペン、7,8,11,12−テトラヒドロリコペン、7,7’,8,8’−テトラヒドロリコペン、フィトフルエン、フィトエンが挙げられ、このうち、リコペンが好ましい。これらのカロテンはいずれも、ビタミンAとしての生物学的効力がレチノールの1/24未満である。
成分(I)の濃度は、本実施形態に係る化粧料用水系分散体の総量に対して、0.001〜1%であることが好ましく、0.01〜0.1%であることがより好ましい。成分(I)の濃度が0.001%未満であると、成分(I)の効果を発現しずらく、一方、1%を超えると、沈殿や分離が生じることがある。
成分(II)は、炭素数5以上の二価アルコールである。成分(II)は1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の一実施形態に係る化粧料用水系分散体は、乳化材をさらに含有することができる。
本実施形態に係る化粧料用水系分散体において、上記各成分を分散させるための水系媒体としては、水または水と混和する溶媒との混合媒体であることが好ましい。水溶性媒体としては、化粧料成分として使用可能な公知のアルコール等を用いることができる。
本発明の一実施形態に係る化粧料は、上記実施形態に係る化粧料用水系分散体が配合されている。
本発明の一実施形態に係る化粧料用水系分散体の製造方法は、ビタミンA効力を実質的に有さないカロテノイドおよび炭素数5以上の二価アルコールを水に分散させて粗分散液を調製する工程と、この粗分散液を高圧処理する工程とを含む。
次に、本発明を以下の実施例および試験例に基づき、さらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜3および比較例1、2の水系分散体を以下の方法により調製した。本試験例においては、成分(I)としてルテインを使用し、成分(II)として表1に示す二価アルコールをそれぞれ使用した。なお、ルテインは、ルテインを20%含有する油(商品名「フローラGLOルテイン20%懸濁液」)として配合した。なお、このルテイン含有油は通常、約1%のゼアキサンチンを含む。また、乳化材として、水素添加卵黄リン脂質(レシチン)(商品名「卵黄レシチンPL−100P」、キユーピー(株)製)を使用した。
試験例1と同様の方法にて、実施例4〜6および比較例3、4の水系分散体を調製した。なお、リコペンは、リコペンを15%含有する抽出物(商品名「Lyc-O-Mato 15%オレオレジン」)として配合した。また、乳化材として、試験例1で使用した水素添加卵黄リン脂質(レシチン)を使用した。
試験例1と同様の方法にて、実施例7〜9の水系分散体を調製した。なお、ルテインは、試験例1で使用したルテイン含有油を使用した。また、乳化材として、水素添加卵黄リン脂質(レシチン)(商品名「卵黄レシチンPL−100P」、キユーピー(株))を使
用した。さらに、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルはHLBが8〜16のもの(ポリグリセリン脂肪酸エステル(商品名「NIKKOL Decaglyn」、日光ケミカルズ(株))、ショ糖脂肪酸エステル(商品名「リョートーシュガーエステル」、三菱化学フーズ(株)))を使用した。
本試験例では、実施例1の水系分散体を用いて、下記の処方にて化粧水を調製した。具体的には、実施例1の水系分散体以外の原料を精製水に溶解させた後、これを実施例1の水系分散体と混合して、本試験例の化粧水を調製した。
1,3−ブチレングリコール 5.0(%)
グリセリン 5.0(%)
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01(%)
カミツレエキス 0.01(%)
メチルパラベン 0.1(%)
精製水 69.88(%)
――――――――――――――――――――――――――
計 100.00(%)
本試験例により得られた化粧水は使用感および保湿性に優れ、かつ、長期間にわたり沈殿物が生じず安定であった。
本試験例では、実施例2の水系分散体を用いて、下記の処方にて美容液を調製した。具体的には、実施例2の水系分散体以外の原料を精製水に溶解させた後、これを実施例2の水系分散体と混合して、本試験例の美容液を調製した。
グリセリン 20.0(%)
1,3−ブチレングリコール 10.0(%)
キサンタンガム 1.5(%)
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1(%)
加水分解卵殻膜 0.1(%)
メチルパラベン 0.1(%)
香料 適量
精製水 18.2(%)
―――――――――――――――――――――――――――
計 100.0(%)
本試験例により得られた美容液は使用感および保湿性に優れ、かつ、長期間にわたり沈殿物が生じず安定であった。
本試験例では、実施例1の水系分散体を用いて、下記の処方にてシャンプーを調製した。具体的には、精製水を70℃に加温し、該精製水および水系分散体以外の原料を該精製水と混合し、冷却して得られた液を実施例1の水系分散体と混合して、本試験例のシャンプーを調製した。
ポリオキシエチレン(3)ラウリル硫酸
トリエタノールアミン(40%) 30.0(%)
ラウリル硫酸ナトリウム(30%) 15.0(%)
ラウロイルジエタノールアミド 3.0(%)
ジステアリン酸ポリエチレングリコール 2.0(%)
ジメチコンポリオール 0.2(%)
EDTA−2Na 0.1(%)
クエン酸 0.1(%)
メチルパラベン 0.1(%)
香料 適量
精製水 29.5(%)
―――――――――――――――――――――――――――
計 100.0(%)
本試験例により得られたシャンプーは使用感に優れ、かつ、長期間にわたり沈殿物が生じず安定であった。
本試験例では、実施例1の水系分散体を用いて、下記の処方にてヘアセットローションを調製した。具体的には、実施例1の水系分散体を精製水に混合し、精製水および実施例1の水系分散体以外の原料をエタノールに溶解させた後、前記精製水と前記エタノールとを徐々に混合して、本試験例のヘアセットローションを調製した。
ポリビニルピロリドン 3.0(%)
ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル 0.1(%)
1,3−ブチレングリコール 1.0(%)
メチルポリシロキサン 0.5(%)
エチルアルコール 20.0(%)
香料 適量
精製水 65.4(%)
―――――――――――――――――――――――――――
計 100.0(%)
本試験例により得られたヘアセットローションは使用感に優れ、かつ、長期間にわたり沈殿物が生じず安定であった。
Claims (5)
- キサントフィルまたはカロテンと、炭素数5以上8以下の二価アルコールと、乳化材とを含有し、
前記キサントフィルまたはカロテンは、0.001〜1%の濃度で含まれ、
前記キサントフィルは、ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチンおよびカンタキサンチンから選ばれる少なくとも1種であり、
前記カロテンは、リコペンであり、
前記乳化材は卵黄リン脂質である、化粧料用水系分散体。 - 前記二価アルコールは、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、およびジプロピレングリコールから選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の化粧料用水系分散体。
- 請求項1または2に記載の化粧料用水系分散体が配合された化粧料。
- 請求項1または2に記載の化粧料用水系分散体が配合された水性化粧料。
- キサントフィルまたはカロテン、炭素数5以上8以下の二価アルコールおよび少なくとも卵黄リン脂質を含む乳化材を水に分散させて分散液を調製する工程と、該分散液を高圧処理する工程とを含み、
前記キサントフィルまたはカロテンは、0.001〜1%の濃度で含まれ、
前記キサントフィルは、ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチンおよびカンタキサンチンから選ばれる少なくとも1種であり、
前記カロテンは、リコペンである、化粧料用水系分散体の製造方法。
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