JP5084010B2 - 化粧料用水系分散体およびその製造方法、ならびに化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、安定性に優れた化粧料用水系分散体およびその製造方法、ならびに該水系分散体が配合された化粧料に関する。
カロテノイドは生体内において、抗酸化作用、免疫賦活作用、抗発がん作用等の各種の生理作用を示すことが知られている。このため、カロテノイドは医薬品、健康補助食品、および化粧品の成分として広く用いられており、カロテノイドを食品や化粧品の成分として配合するための各種の基材が開発されている。
例えば、特許文献1には、ビタミンA等の脂溶性物質、乳化材、ソルビトール等の糖アルコール、および水を攪拌混合した後、高圧処理をすることにより、脂溶性物質の水性液剤を調製する方法が開示されている。また、特許文献2には、油溶性成分、リン脂質類、多価アルコール等を用いてリポソーム水溶液を調製したのち、該リポソーム水溶液を凍結乾燥することにより、皮膚用化粧料基材を製造する方法が開示されている。
ところで、ビタミンA効力を有さないカロテノイド(例えば、ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、カンタキサンチン、リコペン)は、皮膚の老化、角質化、しわの発生の低減等、皮膚に対し高い生理作用を有することが知られている。しかしながら、これらのカロテノイドは実質的に水に溶解しないため、水を主成分とする化粧料にこれらのカロテノイドを配合する場合、多量の界面活性剤を使用しないと水に分散しないため、水系分散体を製造するのが通常困難である。また、仮に、水系分散体を製造できたとしても、経時的に沈殿が発生する等、安定性および均質性が低い。
特開2000−212066号公報 特開2005−179313号公報
本発明の目的は、分散状態の安定性に優れた化粧料用水系分散体およびその製造方法を提供すること、ならびに該水系分散体が配合された化粧料を提供することである。
本発明の一態様に係る化粧料用水系分散体は、
ビタミンA効力を実質的に有さないカロテノイドと、炭素数5以上の二価アルコールとを含有する。
本発明において、「ビタミンA効力を実質的に有さないカロテノイド」とは、ビタミンAとしての生物学的効力がレチノールの1/24未満のものをいい、α−カロテン、β−カロテン、クリプトキサンチンを含まない。すなわち、ビタミンA効力を実質的に有さないカロテノイドのビタミンA効力は、α−カロテン及びβ−クリプトキサンチンのビタミンA効力未満である(α−カロテン及びβ−クリプトキサンチンのビタミンA効力はレチノールのビタミンA効力の約1/24である)。
上記化粧料用水系分散体において、前記カロテノイドは、ビタミンA効力を実質的に有さないキサントフィルであることができる。この場合、前記キサントフィルはルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、およびカンタキサンチンから選ばれる少なくとも1種であることができる。
上記化粧料用水系分散体において、前記カロテノイドは、ビタミンA効力を実質的に有さないカロテンであることができる。この場合、前記カロテンは、リコペンであることができる。
上記化粧料用水系分散体において、前記二価アルコールは、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、およびジプロピレングリコールから選ばれる少なくとも1種であることができる。
上記化粧料用水系分散体は、乳化材をさらに含有することができる。この場合、前記乳化材は卵黄リン脂質であることができる。
本発明の一態様に係る化粧料は、上記化粧料用水系分散体が配合されている。
本発明の一態様に係る水性化粧料は、上記化粧料用水系分散体が配合されている。
本発明の一態様に係る化粧料用水系分散体の製造方法は、ビタミンA効力を実質的に有さないカロテノイドおよび炭素数5以上の二価アルコールを水に分散させて分散液を調製する工程と、該分散液を高圧処理する工程とを含む。
上記化粧料用水系分散体およびその製造方法は安定性および均質性に優れる。また、上記化粧料は上記化粧料用水系分散体が配合されていることにより、上記カロテノイドが均一に分散されており、かつ安定性に優れるため、抗酸化作用を持続的に発揮することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る化粧料用水系分散体およびその製造方法、ならびに該水系分散体が配合された化粧料について詳細に説明する。なお、本実施形態および後述する実施例において、「%」は「質量%」を意味する。
1.化粧料用水系分散体
本実施形態に係る化粧料用水系分散体は、ビタミンA効力を実質的に有さないカロテノイド(以下、「成分(I)」ともいう。)と、炭素数5以上の二価アルコール(以下、「成分(II)」ともいう。)とを含有する組成物である。本実施形態に係る化粧料用水系分散体は、化粧料用基材、すなわち化粧料に配合するための中間原料として使用することができ、必要に応じて使用時に水系媒体にて希釈してもよい。
1.1.成分(I)
成分(I)は、ビタミンA効力を実質的に有さないカロテノイドである。成分(I)は1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
カロテノイドは、炭化水素であるカロテンと、酸素原子を含むキサントフィルとに分類される。また、ビタミンA効力とは、生体内におけるビタミンA(レチノール)としての生物学的効力を示す指標である。
ビタミンA効力を有するカロテノイドは通常、非置換のβ−イオノン環および炭素数11以上のポリエン鎖を含む。一方、ビタミンA効力を実質的に有さないカロテノイドは、酸素原子および酸素原子含有基のうち少なくとも一方で置換されたβ−イオノン環を有するキサントフィルであるか、あるいは、β−イオノン環を含まないカロテンである。酸素原子で置換されたβ−イオノン環としては、例えば、カルボニル基で置換されたβ−イオノン環が挙げられ、酸素原子含有基で置換されたβ−イオノン環とは、水酸基で置換されたβ−イオノン環が挙げられる。
ビタミンA効力を実質的に有さないカロテノイドは、ビタミンA効力を実質的に有さないキサントフィルと、ビタミンA効力を実質的に有さないカロテンとに大別される。以下、それぞれについて説明する。
1.1.1.キサントフィル
ビタミンA効力を実質的に有さないキサントフィルとしては、例えば、ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、カンタキサンチン、イソゼアキサンチン、3’−ヒドロキシエキネノン、4’−ヒドロキシエキネノン、フェニコキサンチン、2−ヒドロキシカンタキサンチン、イドキサンチン、クラスタキサンチン、アドニキサンチン、アンテラキサンチン、ビキシン、カプサンチン、カプソルビン、クロセチン、β−アポ−8’−カロテナール、エチル−β−アポ−8’−カロテノイン酸、フコキサンチン、ビオラキサンチンが挙げられ、このうち、ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、およびカンタキサンチンから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらのキサントフィルはいずれも、ビタミンAとしての生物学的効力がレチノールの1/24未満である。
ルテインおよびゼアキサンチンは、ケールやほうれん草等の緑黄色野菜や、マリーゴールド等の植物の花弁に含まれる色素である。ルテインおよびゼアキサンチンは抗酸化作用を有し、皮膚細胞を紫外線等により発生する活性酸素から防御することにより、皮膚の老化、角質化、およびしわの発生を低減する作用を有する。また、アスタキサンチンは鮭、蟹等甲殻類や藻類等に含まれる赤色色素であり、リコペンはトマトや柿等に含まれる色素であり、これらも同様に、抗酸化作用を有する。
ビタミンA効力を実質的に有さないキサントフィルは一般に、水への親和性が低い。また、ビタミンA効力を実質的に有さないキサントフィルは、ビタミンA効力を有するカロテノイドと比較して、極性が高いため、油への親和性が低いと推察される。したがって、ビタミンA効力を実質的に有さないキサントフィルは水および油の両方に対する親和性が低い。
本実施形態に係る化粧料用水系分散体によれば、ビタミンA効力を実質的に有さないキサントフィルと、後述する炭素数5以上の二価アルコールとを含有することにより、ビタミンA効力を実質的に有さないキサントフィルの水および油の両方への親和性を高めることができるため、分散状態の安定性に優れている。
1.1.2.カロテン
ビタミンA効力を実質的に有さないカロテンとしては、例えば、リコペン、3,4−デヒドロリコペン、1,2−ジヒドロ−3,4−デヒドロリコペン、1,2−ジヒドロリコペン、1,1’,2,2’−テトラヒドロリコペン、7,8,11,12−テトラヒドロリコペン、7,7’,8,8’−テトラヒドロリコペン、フィトフルエン、フィトエンが挙げられ、このうち、リコペンが好ましい。これらのカロテンはいずれも、ビタミンAとしての生物学的効力がレチノールの1/24未満である。
本実施形態に係る化粧料用水系分散体によれば、ビタミンA効力を実質的に有さないカロテンと、後述する炭素数5以上の二価アルコールとを含有することにより、ビタミンA効力を実質的に有さないカロテンの水および油の両方への親和性を高めることができるため、分散状態の安定性に優れている。
1.1.3.配合量
成分(I)の濃度は、本実施形態に係る化粧料用水系分散体の総量に対して、0.001〜1%であることが好ましく、0.01〜0.1%であることがより好ましい。成分(I)の濃度が0.001%未満であると、成分(I)の効果を発現しずらく、一方、1%を超えると、沈殿や分離が生じることがある。
また、成分(I)の濃度は、成分(II)の濃度を100質量部としたとき、0.002〜50であることが好ましく、0.05〜5であることが好ましい。
1.2.成分(II)
成分(II)は、炭素数5以上の二価アルコールである。成分(II)は1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
成分(II)の炭素数は5〜8であることが好ましく、5〜7であることがより好ましい。また、成分(II)は、二級水酸基を有することが好ましい。
成分(II)としては、例えば、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、イソペンチルジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオールが挙げられ、このうちペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、およびジプロピレングリコールから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。成分(II)として上記二価アルコールを使用することにより、本実施形態に係る水系分散体の安定性をより高めることができる。
成分(II)の配合量は、成分(I)1質量部に対して2〜50000質量部であることが好ましく、200〜2000質量部であることがより好ましい。
また、成分(II)の濃度は、本実施形態に係る化粧料用水系分散体の総量に対して1〜50%であることが好ましく、5〜20%であることがより好ましい。
1.3.乳化材
本発明の一実施形態に係る化粧料用水系分散体は、乳化材をさらに含有することができる。
乳化材としては、保湿性に優れる点で卵黄リン脂質が好ましい。ここで、「卵黄リン脂質」とは、卵黄の構成脂質であるホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、スフィンゴミエリン、およびこれらのリゾ体の総称であり、これらを主成分とする脂質組成物をいう。卵黄リン脂質中のリン脂質含量は精製度合いにもよるが、化粧料として用いる場合、70%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。卵黄リン脂質中のリン脂質組成は、原料である卵黄に由来するが、精製により特定のリン脂質を除去したり、高めたりすることができる。また、ホスフォリパーゼA等を卵黄リン脂質に作用させることにより、卵黄リン脂質のリゾ化率を調整することができる。
また、化粧料に配合するにつき、酸化に対して安定である点で、卵黄リン脂質は水素添加されたものが好ましい。
本実施形態に係る化粧料用水系分散体において、乳化材として卵黄リン脂質を用いる場合、卵黄リン脂質の配合量は、成分(I)1質量部に対して1〜1000質量部であることが好ましく、5〜100質量部であることがさらに好ましい。
なお、卵黄リン脂質の代わりに、あるいは卵黄リン脂質とともに、界面活性剤として一般的に使用されているものを乳化材として用いることができる。このような乳化材としては、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等が挙げられる。
1.4.水系媒体
本実施形態に係る化粧料用水系分散体において、上記各成分を分散させるための水系媒体としては、水または水と混和する溶媒との混合媒体であることが好ましい。水溶性媒体としては、化粧料成分として使用可能な公知のアルコール等を用いることができる。
2.化粧料
本発明の一実施形態に係る化粧料は、上記実施形態に係る化粧料用水系分散体が配合されている。
上記化粧料の態様は特に限定されないが、皮膚(頭皮を含む)や頭髪、爪に塗布して使用される化粧料が好ましく、例えば、洗浄料、化粧水、シャンプー、リンス、ヘアトニック、養毛剤、クレンジング、シェービングローション、アフターシェーブローション、アフターサンローション、デオドラントローション、ボディローション(ハンドケアローション、フットケアローションを含む)、パーマネント液、カラーリング液、ボディシャンプー、液状入浴剤、クリーム(例えば、バニシングクリーム、コールドクリーム)、乳液、美容液、パック、リップクリーム、リップグロス、ネイルトリートメント、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー、ヘアスタイリング、ヘアパック、ボディオイル等が挙げられ、このうち化粧水、乳液、美容液等の水性化粧料がより好ましい。
3.化粧料用水系分散体の製造方法
本発明の一実施形態に係る化粧料用水系分散体の製造方法は、ビタミンA効力を実質的に有さないカロテノイドおよび炭素数5以上の二価アルコールを水に分散させて粗分散液を調製する工程と、この粗分散液を高圧処理する工程とを含む。
例えば、以下の方法にて本実施形態に係る化粧料用水系分散体を製造することができる。なお、本実施形態に係る化粧料用水系分散体の製造方法は以下の方法に限定されず、本実施形態に係る化粧料用水系分散体は種々の方法により調製することが可能である。
まず、成分(I)、乳化材、および防腐剤を成分(II)に混合、分散させ、0〜90℃(好ましくは50〜75℃)に加温し溶解させる。この混合物に水を徐々に加えて粗分散液を調製する。次に、得られた粗分散液を、高圧乳化機を用いて100〜250MPa(好ましくは150〜250MPa)の圧力で高圧処理することにより、粗分散液を均質化して、本実施形態に係る化粧料用水系分散体を製することができる。
高圧乳化機として、例えば、マントン−ゴーリン型高圧ホモジナイザー、ジェット水流反転型高圧乳化機、マイクロフルイダイザー(マイクロフルディスク社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、アルティマイザー(スギノマシン社製)等を使用することができる。
4.実施例
次に、本発明を以下の実施例および試験例に基づき、さらに詳細に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
4.1.試験例1
実施例1〜3および比較例1、2の水系分散体を以下の方法により調製した。本試験例においては、成分(I)としてルテインを使用し、成分(II)として表1に示す二価アルコールをそれぞれ使用した。なお、ルテインは、ルテインを20%含有する油(商品名「フローラGLOルテイン20%懸濁液」)として配合した。なお、このルテイン含有油は通常、約1%のゼアキサンチンを含む。また、乳化材として、水素添加卵黄リン脂質(レシチン)(商品名「卵黄レシチンPL−100P」、キユーピー(株)製)を使用した。
下記表1に示すA相の構成成分およびB相の構成成分をそれぞれ別々に混合し、70℃に加温して、A相およびB相を得た。A相の構成成分が溶解したら、B相を添加することにより粗分散液を製した。この粗分散液を高圧乳化機(ジェット水流反転型高圧乳化機)を用いて圧力150〜250MPaで均質化することにより、水系分散体を製した。
得られた水系分散体を3つに分け、4℃、40℃、および室温にそれぞれ保存して、7日後の状態を観察し、以下の基準で安定性を判定した。
S:いずれの温度帯においても、分離および沈殿のいずれも認められなかった。
B:いずれの温度帯においても、分離および沈殿のうち少なくとも一方が認められた。
なお、実施例1、2においては、30日後の状態を観察したところ、いずれも温度帯においても、分離および沈殿のいずれも認められなかった。また、実施例1においては、60日後の状態を観察したところ、分離および沈殿のいずれも認められなかった。
Figure 0005084010
4.2.試験例2
試験例1と同様の方法にて、実施例4〜6および比較例3、4の水系分散体を調製した。なお、リコペンは、リコペンを15%含有する抽出物(商品名「Lyc-O-Mato 15%オレオレジン」)として配合した。また、乳化材として、試験例1で使用した水素添加卵黄リン脂質(レシチン)を使用した。
得られた水系分散体を3つに分け、4℃、40℃、および室温にそれぞれ保存して、7日後の状態を観察し、以下の基準で判定した。
S:いずれの温度帯においても、分離および沈殿のいずれも認められなかった。
B:いずれの温度帯においても、分離および沈殿のうち少なくとも一方が認められた。
Figure 0005084010
4.3.試験例3
試験例1と同様の方法にて、実施例の水系分散体を調製した。なお、ルテインは、試験例1で使用したルテイン含有油を使用した。また、乳化材として、水素添加卵黄リン脂質(レシチン)(商品名「卵黄レシチンPL−100P」、キユーピー(株))を使
用した。さらに、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルはHLBが8〜16のもの(ポリグリセリン脂肪酸エステル(商品名「NIKKOL Decaglyn」、日光ケミカルズ(株))、ショ糖脂肪酸エステル(商品名「リョートーシュガーエステル」、三菱化学フーズ(株)))を使用した。
得られた水系分散体を3つに分け、4℃、40℃、および室温にそれぞれ保存して、7日後の状態を観察し、以下の基準で安定性を判定した。
S:いずれの温度帯においても、分離および沈殿のいずれも認められなかった。
A:いずれの温度帯においても、分離および沈殿のいずれも認められなかったが、増粘した。
Figure 0005084010
4.4.試験例4
本試験例では、実施例1の水系分散体を用いて、下記の処方にて化粧水を調製した。具体的には、実施例1の水系分散体以外の原料を精製水に溶解させた後、これを実施例1の水系分散体と混合して、本試験例の化粧水を調製した。
《処方》 実施例1の水系分散体 20.0(%)
1,3−ブチレングリコール 5.0(%)
グリセリン 5.0(%)
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01(%)
カミツレエキス 0.01(%)
メチルパラベン 0.1(%)
精製水 69.88(%)
――――――――――――――――――――――――――
計 100.00(%)
本試験例により得られた化粧水は使用感および保湿性に優れ、かつ、長期間にわたり沈殿物が生じず安定であった。
4.5.試験例5
本試験例では、実施例2の水系分散体を用いて、下記の処方にて美容液を調製した。具体的には、実施例2の水系分散体以外の原料を精製水に溶解させた後、これを実施例2の水系分散体と混合して、本試験例の美容液を調製した。
《処方》 実施例2の水系分散体 50.0(%)
グリセリン 20.0(%)
1,3−ブチレングリコール 10.0(%)
キサンタンガム 1.5(%)
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1(%)
加水分解卵殻膜 0.1(%)
メチルパラベン 0.1(%)
香料 適量
精製水 18.2(%)
―――――――――――――――――――――――――――
計 100.0(%)
本試験例により得られた美容液は使用感および保湿性に優れ、かつ、長期間にわたり沈殿物が生じず安定であった。
4.6.試験例6
本試験例では、実施例1の水系分散体を用いて、下記の処方にてシャンプーを調製した。具体的には、精製水を70℃に加温し、該精製水および水系分散体以外の原料を該精製水と混合し、冷却して得られた液を実施例1の水系分散体と混合して、本試験例のシャンプーを調製した。
《処方》 実施例1の水系分散体 20.0(%)
ポリオキシエチレン(3)ラウリル硫酸
トリエタノールアミン(40%) 30.0(%)
ラウリル硫酸ナトリウム(30%) 15.0(%)
ラウロイルジエタノールアミド 3.0(%)
ジステアリン酸ポリエチレングリコール 2.0(%)
ジメチコンポリオール 0.2(%)
EDTA−2Na 0.1(%)
クエン酸 0.1(%)
メチルパラベン 0.1(%)
香料 適量
精製水 29.5(%)
―――――――――――――――――――――――――――
計 100.0(%)
本試験例により得られたシャンプーは使用感に優れ、かつ、長期間にわたり沈殿物が生じず安定であった。
4.7.試験例7
本試験例では、実施例1の水系分散体を用いて、下記の処方にてヘアセットローションを調製した。具体的には、実施例1の水系分散体を精製水に混合し、精製水および実施例1の水系分散体以外の原料をエタノールに溶解させた後、前記精製水と前記エタノールとを徐々に混合して、本試験例のヘアセットローションを調製した。
《処方》 実施例1の水系分散体 10.0(%)
ポリビニルピロリドン 3.0(%)
ポリオキシエチレン(20)オレイルエーテル 0.1(%)
1,3−ブチレングリコール 1.0(%)
メチルポリシロキサン 0.5(%)
エチルアルコール 20.0(%)
香料 適量
精製水 65.4(%)
―――――――――――――――――――――――――――
計 100.0(%)
本試験例により得られたヘアセットローションは使用感に優れ、かつ、長期間にわたり沈殿物が生じず安定であった。

Claims (5)

  1. キサントフィルまたはカロテンと、炭素数5以上8以下の二価アルコールと、乳化材とを含有し、
    前記キサントフィルまたはカロテンは、0.001〜1%の濃度で含まれ、
    前記キサントフィルは、ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチンおよびカンタキサンチンから選ばれる少なくとも1種であり、
    前記カロテンは、リコペンであり、
    前記乳化材は卵黄リン脂質である、化粧料用水系分散体。
  2. 前記二価アルコールは、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、およびジプロピレングリコールから選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の化粧料用水系分散体。
  3. 請求項1または2に記載の化粧料用水系分散体が配合された化粧料。
  4. 請求項1または2に記載の化粧料用水系分散体が配合された水性化粧料。
  5. キサントフィルまたはカロテン、炭素数5以上8以下の二価アルコールおよび少なくとも卵黄リン脂質を含む乳化材を水に分散させて分散液を調製する工程と、該分散液を高圧処理する工程とを含み、
    前記キサントフィルまたはカロテンは、0.001〜1%の濃度で含まれ、
    前記キサントフィルは、ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチンおよびカンタキサンチンから選ばれる少なくとも1種であり、
    前記カロテンは、リコペンである、化粧料用水系分散体の製造方法。
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