JP5082998B2 - 樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

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本発明は、液晶表示装置に用いられる偏光板用保護フィルム、位相差フィルム、視野角拡大フィルム、及びプラズマディスプレイ装置に用いられる反射防止フィルム等の光学フィルム等に利用できる樹脂フィルムの製造方法、前記製造方法によって得られた樹脂フィルム、前記樹脂フィルムを透明保護フィルムとして用いた偏光板、及び前記偏光板を備えた液晶表示装置に関する。
液晶表示装置、プラズマディスプレイ装置等の各種画像表示装置で光学フィルムとして用いられる樹脂フィルムは、層厚が均一であることが求められる。このような層厚の均一な樹脂フィルムの製造方法としては、例えば、溶融流延製膜法及び溶液流延製膜法等が挙げられる。溶融流延製膜法とは、原料樹脂を加熱溶融した樹脂溶融液を支持体上に流延し、流延膜を冷却固化した後、固化された流延膜を樹脂フィルムとして巻き取る方法である。また、溶液流延製膜法とは、原料樹脂を溶媒に溶解した樹脂溶液を、走行する支持体上に流延し、流延膜を搬送しながら乾燥させた後、乾燥した流延膜を樹脂フィルムとして巻き取る方法である。これらの方法のうち、樹脂フィルムの組成を調整しやすいこと、樹脂フィルムの膜厚をより均一化しやすいこと、及び樹脂フィルムに複屈折が生じにくい等の理由により、溶液流延製膜法による製造が広く行われている。
また、液晶表示装置、特にテレビジョン受信装置として用いる液晶表示装置は、大画面化及び高画質化等が求められている。このため、位相差フィルム等による視認性のさらなる向上が求められるだけではなく、幅の広い樹脂フィルムの製造が求められている。
上記のような溶液流延製膜法によって幅の広い樹脂フィルムを製造するためには、流延膜を延伸する方法や流延膜の幅を広くする方法等が挙げられる。
流延膜を延伸する方法としては、例えば、原料樹脂として、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリビニルアルコール等を用いた場合、流延膜の幅に対して2〜4倍程度まで延伸することが可能であり、広幅の樹脂フィルムが得られる。しかしながら、この方法によれば、高延伸にすると、樹脂フィルム表面の面あれや樹脂フィルム内部のボイドが発生するおそれがあった。さらに、製造中の延伸膜が破断して、樹脂フィルムの製造が停止してしまうおそれもあった。また、偏光板用の透明保護フィルムとしても、位相差フィルムとしても使用可能なセルロースエステル系樹脂フィルムでは、高延伸にすると、破断のおそれがあるだけではなく、ヘイズが高まってしまい、光学フィルムとして使用できなかった。そこで、例えば、トリアセチルセルロースの場合、1.15倍程度までの延伸に限られており、近年、位相差フィルムに好適に用いられているセルロースアセテートプロピオネートの場合でも、1.3倍程度までの延伸に限られていた。また、樹脂フィルム表面の面あれや樹脂フィルム内部のボイドが発生すると、樹脂フィルムの透光性が低下し、液晶表示装置に適用した場合に、コントラストの低下等が発生して、高画質化が達成できないという問題もあった。
このような流延膜を延伸させる方法としては、例えば、下記特許文献1に記載されている。下記特許文献1には、走行する支持体上にセルロースアシレートドープ(樹脂溶液)を流延ダイから流延し、流延膜をフィルムとして前記支持体から剥ぎ取り、テンタ装置で前記フィルムの両側端部を把持手段により把持しながら乾燥した後、前記両側端部を切断する方法が記載されている。
また、広幅の樹脂フィルムを製造する方法の他の一例である流延膜の幅を広くする方法は、支持体の走行方向に直交する方向の端部が振動しやすいので、この振動によって、流延膜の搬送方向に直交する方向の端部も振動してしまう。このため、流延膜の端部が振動により波打ってしまい、得られた樹脂フィルムの端部に横段等の面故障が発生しやすい。このような端部に面故障が発生した樹脂フィルムであっても、特許文献1のように、端部を切断すれば、中央部を樹脂フィルムとして利用できる。しかしながら、樹脂フィルムの広幅化のために、端部を切断せずにそのまま利用したいとの要望が高まっている。
特開2006−272958号公報
特許文献1によれば、前記フィルムの幅方向における中心の厚みと前記両端端部の厚みとが所定の関係を満たすように、前記流延ダイからの前記セルロースアシレートドープの流延量を前記流延ダイの幅方向に沿って制御することによって、前記フィルムの両側端部が薄すぎることによる、把持手段による噛みちぎり等の把持不良を抑制できることが開示されている。しかしながら、延伸時の把持不良を解消できたとしても、高延伸により広幅の樹脂フィルムを得ることは困難であった。また、特許文献1に記載されているように、樹脂溶液の流延量を制御しても、得られた樹脂フィルムの端部に発生する横段等を抑制することは困難であった。
本発明の目的は、横段の発生が抑制された面故障の少ない樹脂フィルムの製造方法、前記製造方法によって得られた樹脂フィルム、前記樹脂フィルムを透明保護フィルムとして用いた偏光板、及び前記偏光板を備えた液晶表示装置を提供することである。
本発明の一態様に係る樹脂フィルムの製造方法は、透明性樹脂を溶媒に溶解させた樹脂溶液を、走行する支持体上に流延ダイから流延して流延膜を形成する流延工程と、前記流延膜を前記支持体から剥離する剥離工程と、剥離した流延膜を乾燥させる乾燥工程とを備え、前記流延ダイの吐出口の長手方向端部における前記吐出口と前記支持体との間隔が、前記吐出口の長手方向中央部における前記吐出口と前記支持体との間隔より広いことを特徴とするものである。
上記構成によれば、横段の発生が抑制された面故障の少ない樹脂フィルムを容易に製造できる。このような横段の発生が抑制された樹脂フィルムが形成される理由は、発明者らは、以下のことによると推察している。
流延ダイの吐出口と支持体との間隔が、中央部より端部のほうが広いので、支持体に流延される前の流延膜である流延リボンの端部が、中央部より伸びた状態となる。そうすると、支持体に流延された後の流延膜も、中央部より端部のほうが張力のかかった状態となり、支持体端部の振動による流延膜端部の波打ちが抑制される。よって、得られた樹脂フィルムは、端部に発生しうる横段のピッチが長くなったり、横段がほとんど発生しなかったりして、横段等の面故障が目立たなくなる。したがって、横段の発生が抑制された樹脂フィルムが得られる。
また、前記製造方法において、前記吐出口の長手方向中央部における前記流延ダイの吐出口と前記支持体との間隔をAとし、前記吐出口の長手方向端部における前記流延ダイの吐出口と前記支持体との間隔をBとした場合に、下記関係式(I)を満たすことが好ましい。
2×A ≦ B ≦ 5×A (I)
上記のように流延ダイの吐出口と支持体との間隔を規定することによって、横段の発生をより抑制できる。さらに、流延リボンが伸びすぎたときに発生する、流延膜と支持体との間に発生する泡の巻き込みも低減できる。
また、前記樹脂フィルムの幅が、1500〜2500mmであることが好ましい。このような広幅の樹脂フィルムの場合、一般的に、樹脂フィルムの端部に横段が発生しやすいが、上記の製造方法によれば、このような横段の発生を抑制できる。したがって、面故障の抑制された広幅の樹脂フィルムを得ることができる。
また、前記吐出口が、前記流延ダイの前記支持体側の稜線上に形成されており、前記稜線が、前記支持体の走行方向に略直交する方向に延びており、前記稜線が、前記吐出口の長手方向中央部が前記吐出口の長手方向端部より前記支持体に近づくような、円弧状、階段状、三角形状、又は台形状であることが好ましい。このような構成によれば、上記のような、横段の発生を抑制した樹脂フィルムの製造方法を容易に実現できる。
また、前記中央部が、前記吐出口の中央から、前記吐出口の中央から一方の端にわたる長さの10%を占める領域であり、前記端部が、前記吐出口の端から、前記吐出口の中央から一方の端にわたる長さの20%を占める領域であることが好ましい。このような構成によれば、横段の発生がより抑制された樹脂フィルムを製造することができる。
また、前記透明性樹脂が、セルロースエステル系樹脂であることが、得られた樹脂フィルムの透光性が高い点で好ましい。また、セルロースエステル系樹脂を含む樹脂フィルムは、偏光板用の透明保護フィルムとしても、位相差フィルムとしても使用可能であるので、1枚のフィルムで両機能を達成できる。
また、本発明の他の一態様に係る樹脂フィルムは、前記樹脂フィルムの製造方法によって得られることを特徴とするものである。このような構成によれば、横段の発生が抑制された面故障の少ない樹脂フィルムが得られる。このため、樹脂フィルムの端部を切断する必要がなく、広幅の樹脂フィルムが得られ、大画面化した液晶表示装置の画像表示領域にも適用できる。
また、本発明の他の一態様に係る偏光板は、偏光素子と、前記偏光素子の表面上に配置された透明保護フィルムとを備える偏光板であって、前記透明保護フィルムが、前記樹脂フィルムであることを特徴とするものである。このような構成によれば、偏光素子の透明保護フィルムとして、面故障の少ない樹脂フィルムが適用されているので、例えば、液晶表示装置に適用した際に、コントラスト等に優れた液晶表示装置の高画質化を実現できる偏光板が得られる。さらに、偏光素子の透明保護フィルムとして用いられる樹脂フィルムとして、広幅の樹脂フィルムを用いた場合、大画面化した液晶表示装置にも適用可能である。
また、本発明の他の一態様に係る液晶表示装置は、液晶セルと、前記液晶セルを挟むように配置された2枚の偏光板とを備える液晶表示装置であって、前記2枚の偏光板のうち少なくとも一方が、前記偏光板であることを特徴とするものである。このような構成によれば、面故障の少ない樹脂フィルムを備えた偏光板を用いるので、コントラスト等に優れた液晶表示装置の高画質化を実現できる。さらに、偏光板の透明保護フィルムとして、広幅の樹脂フィルムを用いた場合、大画面化を実現できる。
本発明によれば、横段の発生が抑制された面故障の少ない樹脂フィルムを容易に製造することができる。また、このような樹脂フィルムを備えた偏光板、及び液晶表示装置が提供される。
以下、本発明の樹脂フィルムの製造方法に係る実施形態について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
本実施形態に係る樹脂フィルムの製造方法は、透明性樹脂を溶解した樹脂溶液(ドープ)を、走行する支持体上に流延して流延膜(ウェブ)を形成する流延工程と、前記流延膜を前記支持体から剥離する剥離工程と、剥離した流延膜を乾燥させる乾燥工程とを備えており、いわゆる溶液流延製膜法による製造方法である。例えば、図1に示すような溶液流延製膜法による樹脂フィルムの製造装置によって行われる。なお、樹脂フィルムの製造装置としては、図1に示すものに限定されず、他の構成のものであってもよい。
図1は、無端ベルト支持体11を使用した溶液流延法による樹脂フィルムの製造装置1の基本的な構成を示す概略図である。樹脂フィルムの製造装置1は、無端ベルト支持体11、流延ダイ20、剥離ローラ13、乾燥装置14、及び巻取ローラ15等を備えている。前記流延ダイ20は、透明性樹脂を溶解した樹脂溶液(ドープ)16を前記無端ベルト支持体11の表面上に流延する。前記無端ベルト支持体11は、一対の駆動ローラ及び従動ローラによって駆動可能に支持され、流延ダイ20から流延された樹脂溶液16からなる流延膜を形成し、搬送しながら乾燥させる。そして、前記剥離ローラ13は、乾燥された流延膜を前記無端ベルト支持体11から剥離する。剥離された流延膜は、前記乾燥装置14によってさらに乾燥され、乾燥された流延膜を樹脂フィルムとして前記巻取ローラ15に巻き取る。
前記無端ベルト支持体11は、図1に示すように、表面が鏡面の、無限に移行する無端の金属製のベルトである。前記ベルトとしては、流延膜の剥離性の点から、例えば、ステンレス鋼等からなるベルトが好ましく用いられる。前記流延ダイ20によって流延する流延膜の幅は、無端ベルト支持体11の幅を有効活用する観点から、無端ベルト支持体11の幅に対して、80〜99%とすることが好ましい。そして、最終的に1500〜2500mmの幅の樹脂フィルムを得るためには、無端ベルト支持体11の幅は、1800〜3000mmであることが好ましい。また、無端ベルト支持体の代わりに、表面が鏡面の、回転する金属製のドラム(無端ドラム支持体)を用いてもよい。
図2は、流延ダイ20の周辺を示す概略斜視図である。図3は、無端ベルト支持体11の走行方向から見た流延ダイ20の側面図である。図4は、図3の切断面線VI−VIから見た流延ダイ20の断面図である。
前記流延ダイ20は、図2〜4に示すように、流延ダイ本体21とドープ供給管22とを備えている。前記ドープ供給管22は、図4に示すように、前記流延ダイ21の上端部に接続され、流延ダイ本体21内にドープ16を供給する。前記流延ダイ本体21は、ドープ16を前記無端ベルト支持体11に安定して流延させるためのマニホールド部21aと、ドープ16を吐出することによりドープ16を前記無端ベルト支持体11に流延させるための吐出口21bとを備える。
前記吐出口21bは、図4に示すように、前記流延ダイ本体21の前記無端ベルト支持体11側の稜線上に形成されている。この稜線は、図3に示すように、前記無端ベルト支持体11の走行方向に略直交する方向に延びており、前記吐出口21bの長手方向中央部が前記吐出口21bの長手方向端部より前記無端ベルト支持体11に近づくような円弧状である。すなわち、前記吐出口21bは、図3に示すように、前記吐出口21bの端部における前記吐出口21bと前記無端ベルト支持体11との間隔Bが、前記吐出口21bの中央部における前記吐出口21bと前記無端ベルト支持体11との間隔Aより広い。さらに、より具体的には、下記関係式(I)を満たすことが好ましい。
2×A ≦ B ≦ 5×A (I)
上記のような間隔にすることによって、横段の発生が抑制された面故障の少ない樹脂フィルムを容易に製造できる。間隔Bが狭すぎると、吐出口と無端ベルト支持体との間隔が、吐出口の中央部と端部とにおいて同一である従来の樹脂フィルムの製造方法と同様、樹脂フィルムの端部に横段が発生する傾向があり、端部に横段が発生すると、端部を切断する必要がある。また、間隔Bが広すぎると、前記吐出口21bから吐出され、前記無端ベルト支持体11に到達するまでの流延膜(流延リボン)が伸びすぎて、前記無端ベルト支持体11上に流延膜が形成される際に、流延膜と前記無端ベルト支持体11との間等に泡を巻き込んでしまう傾向がある。
なお、前記中央部は、前記吐出口21aの中央から、前記吐出口21aの中央から一方の端にわたる長さの10%を占める領域であり、前記端部が、前記吐出口21aの端から、前記吐出口21aの中央から一方の端にわたる長さの20%を占める領域である。
また、前記間隔Aは、前記間隔Bによって異なるが、横段や泡の巻き込みの発生をより抑制する点から、例えば、500〜3000μmであることが好ましく、600〜1000μmであることがより好ましい。また、間隔Aが狭すぎると、流延ダイ20と無端ベルト支持体11とが接触するおそれがあり、広すぎると、風などの外的な要因の影響を受けやすい傾向もある。間隔Bは、前記間隔Aによって異なるが、横段や泡の巻き込みの発生をより抑制する点から、例えば、1000〜4000μmであることが好ましく、1500〜2500μmであることがより好ましい。
前記ドープ供給管22は、図3に示すように、3本に分岐して、流延ダイ本体21に接続されているが、この本数に限定されず、1本でも、3本以外の複数本であってもよい。なお、ドープ供給管22の本数は、ドープ16を流延ダイ本体21に安定して供給する点から2〜4本程度が好ましい。
また、ドープ供給管22が複数本の場合、隣り合うドープ供給管22の、流延ダイ本体21への接続位置の中心間距離(ピッチ)Dは、ドープ16の安定供給の観点から、前記吐出口21bの幅(流延リボンの幅)Cに対して、10〜25%程度であることが好ましい。また、隣り合うドープ供給管22の間隔Dは、全て同等であることが好ましい。
また、ドープ供給管22は、図2〜4に示すように、分岐後、直角に曲がったり、曲率半径の小さい等の急激に曲がっているのではなく、滑らかに曲がっていることが好ましい。急激に曲がっていると、ドープの流れによどみができ、コンタミが発生しやすくなる傾向がある。
前記吐出口21bの幅Eは、製造する樹脂フィルムの厚さに応じて調整させることができ、例えば、300〜600μm程度に調整することが好ましい。幅Eが狭すぎると、ドープ16の送液圧力が高くなるとともに、ドープ16に微小な異物が混入した場合に、吐出口21b周辺で詰まり、流延膜に筋状の欠損が発生するおそれがある。また、幅Eが広すぎると、薄い樹脂フィルムを製造することが困難になる傾向がある。
また、前記マニホールド部21aの下端部と前記吐出口21bとの間は、スリット状になっている。そして、吐出口21bの幅(スリットの幅)Eに対する、スリット(前記マニホールド部21aの下端部と前記吐出口21bとの間)の距離Fの比(F/E)は、100〜400程度であることが好ましい。前記F/Eが小さすぎると、ドープ16がスリットを通過する時間が短くなりすぎ、ドープ16の吐出量(流延量)の制御が困難になる傾向がある。また、大きすぎると、ドープ16がスリットを通過する時間が長くなりすぎ、ドープにコンタミが発生しやすくなる傾向がある。
前記流延膜の搬送速度は、例えば、60〜120m/分程度であることが好ましい。また、前記無端ベルト支持体11の走行速度に対する、前記流延膜の搬送速度の比(ドラフト比)は、0.8〜1.2程度であることが好ましい。前記ドラフト比がこの範囲内であると、安定して流延膜を形成させることができる。例えば、ドラフト比が大きすぎると、流延膜が幅方向に縮小されるネックインという現象を発生させる傾向があり、そうなると、広幅の樹脂フィルムを形成できなくなる。
また、前記流延ダイ20は、図2〜4に示す形状のものに限定されず、吐出口21bが形成されている流延ダイ20の稜線が、吐出口21bの中央部が端部より無端ベルト支持体11に近づくような形状であればよい。例えば、図5に示すような形状が挙げられる。なお、図5は、流延ダイ20の他の形状を示す概略図である。
まず、図5(a)に示すように、前記稜線が、吐出口21bの中央部が端部より無端ベルト支持体11に近づくような階段状に形成された流延ダイ30であってもよい。この流延ダイ30の無端ベルト支持体11側の端面形状以外は、上記流延ダイ20と同様であるので、説明を省略する。また、流延ダイ30と無端ベルト支持体11との間隔A,Bも、上記流延ダイ20と同様である。
前記階段の段数は、特に制限ないが、多いほうが流延ダイ30と無端ベルト支持体11との間隔の変化が滑らかになり好ましい。例えば、5〜10段程度であることが好ましい。
次に、図5(b)に示すように、前記稜線が、吐出口21bの中央部が端部より無端ベルト支持体11に近づくような三角状に形成された流延ダイ40であってもよい。この流延ダイ40の無端ベルト支持体11側の端面形状以外は、上記流延ダイ20と同様であるので、説明を省略する。また、流延ダイ40と無端ベルト支持体11との間隔A,Bも、上記流延ダイ20と同様である。
次に、図5(c)に示すように、前記稜線が、吐出口21bの中央部が端部より無端ベルト支持体11に近づくような台形状に形成された流延ダイ50であってもよい。この流延ダイ50の無端ベルト支持体11側の端面形状以外は、上記流延ダイ20と同様であるので、説明を省略する。また、流延ダイ50と無端ベルト支持体11との間隔A,Bも、上記流延ダイ20と同様である。
前記台形の上底(短辺)は、吐出口21bの中央から、吐出口21bの中央から一方の端にわたる長さの10%を占める領域である中央部より長いことが好ましく、例えば、吐出口21bの中央から一方の端にわたる長さの5〜10%を占める領域であることが好ましい。
そして、無端ベルト支持体11上に形成された流延膜(ウェブ)を、剥離ローラ13、乾燥装置14及び巻取ローラ15等による剥離工程や乾燥工程によって、樹脂フィルムを製造することができる。後述の工程は、特に限定なく、一般的な工程であれば採用できる。具体的には、例えば、以下のような工程である。なお、本発明は、以下の工程に限定されるものではない。
まず、形成された流延膜(ウェブ)を無端ベルト支持体11で搬送しながら、ドープ中の溶媒を乾燥させる。前記乾燥は、例えば、無端ベルト支持体11を加熱したり、加熱風をウェブに吹き付けることによって行う。その際、ウェブの温度が、ドープの溶液によっても異なるが、溶媒の蒸発時間に伴う搬送速度、微粒子の分散度合、生産性等を考慮して、−5℃〜70℃の範囲が好ましく、0℃〜60℃の範囲がより好ましい。ウェブの温度は、高いほど溶媒の乾燥速度を早くできるので好ましいが、高すぎると、発泡したり、平面性が劣化する傾向がある。
無端ベルト支持体11を加熱する場合、例えば、無端ベルト支持体11上のウェブを赤外線ヒータで加熱する方法、無端ベルト支持体11の裏面を赤外線ヒータで加熱する方法、無端ベルト支持体11の裏面に加熱風を吹き付けて加熱する方法等が挙げられ、必要に応じて適宜選択することが可能である。
また、加熱風を吹き付ける場合、その加熱風の風圧は、溶媒蒸発の均一性、微粒子の分散度合等を考慮し、50Pa〜5000Paであることが好ましい。加熱風の温度は、一定の温度で乾燥してもよいし、無端ベルト支持体11の走行方向で数段階の温度に分けて供給してもよい。
無端ベルト支持体11の上にドープを流延した後、無端ベルト支持体11からウェブを剥離するまでの間での時間は、作製する樹脂フィルムの膜厚、使用する溶媒によっても異なるが、無端ベルト支持体11からの剥離性を考慮し、0.5〜5分間の範囲であることが好ましい。
また、ウェブを無端ベルト支持体11から剥離する時のウェブの全残留溶媒量は、無端ベルト支持体11からの剥離性、剥離時の残留溶媒量、剥離後の搬送性、搬送・乾燥後にできあがる樹脂フィルムの物理特性等を考慮し、30〜200質量%であることが好ましい。
前記剥離ロール13は、無端ベルト支持体101aのドープ2が流延される側の表面に接しており、無端ベルト支持体11側に加圧することによって、乾燥されたウェブが剥離される。無端ベルト支持体11からウェブを剥離する際に、剥離張力及びその後の搬送張力によってウェブは、ウェブの搬送方向(Machine Direction:MD方向)に延伸する。このため、無端ベルト支持体11からウェブを剥離する際の剥離張力及び搬送張力は、50N/m〜400N/mにすることが好ましい。
前記乾燥装置14は、複数の搬送ローラを備え、そのローラ間をウェブを搬送させる間にウェブを乾燥させる。その際、加熱空気、赤外線等を単独で用いて乾燥してもよいし、加熱空気と赤外線とを併用して乾燥してもよい。簡便さの点から加熱空気を用いることが好ましい。乾燥温度としては、ウェブの残留溶媒量により、好適温度が異なるが、乾燥時間、収縮ムラ、伸縮量の安定性等を考慮し、30℃〜180℃の範囲で残留溶媒量により適宜選択して決めればよい。また、一定の温度で乾燥してもよいし、3〜4段階の温度に分けて、数段階の温度に分けて乾燥してもよい。また、乾燥装置14内を搬送される間に、ウェブを、MD方向に延伸させることもできる。
前記乾燥装置14での乾燥処理後の樹脂フィルムの残留溶媒量は、乾燥工程の負荷、保存時の寸法安定性伸縮率等を考慮し、0.01質量%〜15質量%が好ましい。なお、本実施形態では、無端ベルト支持体11で形成されたウェブが乾燥工程14で徐々に溶媒が除去され、全残留溶媒量が15質量%以下となったウェブを樹脂フィルムと言う。
巻取装置15は、前記乾燥装置14で、所定の残留溶媒量となった樹脂フィルムを必要量の長さに巻き芯に巻き取る。なお、巻き取る際の温度は、巻き取り後の収縮によるスリキズ、巻き緩み等を防止するために室温まで冷却することが好ましい。使用する巻き取り機は、特に限定なくしようでき、一般的に使用されているものでよく、定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法等の巻き取り方法で巻き取ることができる。
なお、無端ベルト支持体11から剥離されたウェブを、ウェブの搬送方向と直交する方向(Transverse Direction:TD方向)に延伸させる延伸装置等を別途備えていてもよい。
上記のような工程によって、横段の発生が抑制された面故障の少ない樹脂フィルムが得られる。ここで得られる樹脂フィルムの幅は、大型の液晶表示装置への使用、偏光板加工時のフィルムの使用効率、生産効率の点から、1500〜2500mmであることが好ましい。
また、樹脂フィルムの膜厚は、液晶表示装置の薄型化、樹脂フィルムの生産安定化の観点等の点から、20〜70μmであることが好ましい。ここで膜厚とは、平均膜厚のことであり、株式会社ミツトヨ製の接触式膜厚計により、樹脂フィルムの幅方向に20〜200箇所、膜厚を測定し、その測定値の平均値を膜厚として示す。
以下、本実施形態で使用する樹脂溶液の組成について詳述する。
(透明性樹脂)
本実施形態で使用される透明性樹脂は、溶液流延製膜法等によって基板状に成形したときに透明性を有する樹脂であればよく、特に制限されないが、溶液流延製膜法等による製造が容易であること、ハードコート層等との接着性に優れていること、光学的に等方性であること等が好ましい。なお、ここで透明性とは、可視光の透過率が60%以上であることであり、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。
前記透明性樹脂としては、具体的には、例えば、セルロースジアセテート樹脂、セルローストリアセテート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂等のセルロースエステル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂;ポリメチルメタクリレート樹脂等のアクリル系樹脂;ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、セロファン、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、シンジオタクティックポリスチレン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等のビニル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリアリレート系樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;ポリエーテルケトンイミド樹脂;ポリアミド系樹脂;フッ素系樹脂等を挙げることができる。これらの中でも、セルロースエステル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンを含む)系樹脂が好ましい。さらに、セルロースエステル系樹脂が好ましく、セルロースエステル系樹脂の中でも、セルロースアセテート樹脂、セルロースプロピオネート樹脂、セルロースブチレート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂が好ましく、セルロースアセテートプロピオネート樹脂が特に好ましい。また、前記透明性樹脂は、上記例示した透明性樹脂を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
次に、前記セルロースエステル系樹脂について説明する。
セルロースエステル系樹脂は、アセチル基の置換度をX、プロピオニル基又はブチリル基の置換度をYとした時、XとYが下記式(II)及び(III)を満たすセルロースの混合脂肪酸エステルを有するセルロースエステル系樹脂が好ましい。
2.0≦X+Y≦2.6 (II)
0.1≦Y≦1.2 (III)
また、上記式(II)及び(III)に加えて、下記式(IV)及び(V)を満たすセルロースの混合脂肪酸エステルを有するセルロースエステル系樹脂(総アシル基置換度=X+Y)がより好ましい。
2.4≦X+Y≦2.6 (IV)
1.4≦X≦2.3 (V)
さらに、上記式(II)〜(V)に加えて、下記式(VI)及び(VII)を満たすセルロースアセテートプロピオネート樹脂又はセルロースアセテートブチレート樹脂(総アシル基置換度=X+Y)が特に好ましい。
1.7≦X≦2.3 (VI)
0.1≦Y≦0.9 (VII)
また、アシル基で置換されていない部分は通常水酸基として存在している。これらのセルロースエステル系樹脂は、公知の方法で合成することができる。アシル基の置換度の測定方法は、ASTM−D817−96の規定に準じて測定することができる。
前記セルロースエステル系樹脂の原料であるセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ(針葉樹由来、広葉樹由来)、ケナフ等を挙げることができる。また、それらから得られたセルロースエステル系樹脂はそれぞれ任意の割合で混合使用することができる。これらのセルロースエステル系樹脂は、アシル化剤が酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)である場合には、酢酸のような有機酸やメチレンクロライド等の有機溶媒を用い、硫酸のようなプロトン性触媒を用いてセルロース原料と反応させて得ることができる。
また、セルロースエステル系樹脂としては、前述のようにセルロースアセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、及びセルロースアセテートプロピオネートブチレート樹脂のようなアセチル基の他にプロピオネート基又はブチレート基が結合したセルロースの混合脂肪酸エステルが好ましく用いられる。なお、プロピオネート基を置換基として含むセルロースアセテートプロピオネート樹脂は、耐水性に優れ、液晶画像表示装置用のフィルムとして特に有用である。
セルロースエステル系樹脂の数平均分子量は、40000〜200000であることが、樹脂フィルムに成型した場合の機械的強度が強く、かつ、溶液流延製膜法において適度なドープ粘度となる点で好ましく、50000〜150000であることがより好ましい。また、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が、1.4〜4.5の範囲であることが好ましい。
(微粒子)
本実施形態で使用されるドープには、微粒子を含有させてもよい。その際、使用される微粒子は、使用目的に応じて適宜選択されるが、透明性樹脂中に含有することによって、可視光を散乱させることができる微粒子であることが好ましい。前記微粒子としては、無機微粒子であってもよいし、有機微粒子であってもよい。
前記無機微粒子としては、例えば、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等の微粒子が挙げられる。この中でも、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等の微粒子が好ましく用いられる。
また、前記有機微粒子としては、ポリメチルメタクリレート樹脂等のアクリル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、メラミン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、及びポリフッ化エチレン系樹脂等からなる微粒子が挙げられる。この中でも、架橋ポリスチレン粒子、ポリメチルメタクリレート系粒子のアクリル系樹脂微粒子等が好ましい。
また、前記微粒子は、上記例示した微粒子を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記微粒子の平均粒子径としては、0.1〜10μmであることが好ましく、0.3〜5μmであることがより好ましい。微粒子の平均粒子径が小さすぎると、微粒子による機能性を充分に発揮できない傾向がある。また、大きすぎると、微粒子による機能性を充分に発揮できないだけでなく、樹脂フィルムの透光性も低下する傾向がある。なお、微粒子の平均粒子径は、樹脂フィルムの断面をTEM観察することによっても測定できるが、レーザ回折式粒度分布測定装置等を用いて測定することもできる。
前記微粒子の含有量は、前記透明性樹脂に対して0.01〜35質量%であることが好ましく、0.05〜30質量%であることがより好ましい。微粒子の含有量が少なすぎると、微粒子による機能性を充分に発揮できない傾向がある。また、多すぎると、樹脂フィルムの透光性が低下する傾向がある。
また、微粒子の形状は、特に限定されず、球状、平板状、針状等が挙げられ、球状であることが好ましい。
(溶媒)
本実施形態で使用される溶媒は、前記透明性樹脂に対する良溶媒を含有する溶媒を用いることができる。前記良溶媒は、使用する透明性樹脂によって異なる。例えばセルロースエステル系樹脂の場合、セルロースエステルのアシル基置換度によって、良溶媒と貧溶媒とが変わり、例えばアセトンを溶媒として用いる時には、セルロースエステルの酢酸エステル(アセチル基置換度2.4)、セルロースアセテートプロピオネートでは良溶媒になり、セルロースの酢酸エステル(アセチル基置換度2.8)では貧溶媒となる。したがって、使用する透明性樹脂により、良溶媒及び貧溶媒が異なってくるので、一例としてセルロースエステル系樹脂の場合について説明する。
セルロースエステル系樹脂に対する良溶媒としては、例えば、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、ジオキソラン誘導体、シクロヘキサノン、蟻酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン等が挙げられる。これらの中でも、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物、ジオキソラン誘導体、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン等が好ましい。これらの良溶媒は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、ドープには、透明性樹脂が析出してこない範囲で、貧溶媒を含有させてもよい。セルロースエステル系樹脂に対する貧溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等の炭素原子数1〜8のアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸プロピル、モノクロルベンゼン、ベンゼン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、メチルセルソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。これらの貧溶媒は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(添加剤)
本実施形態で使用される樹脂溶液は、本発明の効果を阻害しない範囲で、透明性樹脂、微粒子及び溶媒以外の他の成分(添加剤)を含有してもよい。前記添加剤としては、例えば、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定化剤、導電性物質、難燃剤、滑剤、及びマット剤等が挙げられる。
前記可塑剤としては、特に限定なく使用できるが、例えば、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等が挙げられる。前記可塑剤を含有させる場合、その含有量は、寸法安定性、加工性の点を考慮すると、セルロースエステル系樹脂に対して、1〜40質量%であることが好ましく、3〜20質量%であることがより好ましく、4〜15質量%であることがさらに好ましい。可塑剤の含有量が少なすぎると、スリット加工や打ち抜き加工した際、滑らかな切断面を得ることができず、切り屑の発生が多くなる傾向がある。すなわち、可塑剤を含有させる効果が充分に発揮できない。
前記酸化防止剤としては、特に限定なく使用できるが、例えば、ヒンダードフェノール系の化合物が好ましく用いられる。また、前記酸化防止剤を含有させる場合、酸化防止剤の含有量は、セルロースエステル樹脂に対して質量割合で1ppm〜1.0%であることが好ましく、10〜1000ppmであることがより好ましい。
本実施形態に係る製造方法によって製造された樹脂フィルムは、その高い寸法安定性から、偏光板又は液晶表示用部材等に使用することが可能であり、この場合、偏光板又は液晶等の劣化防止のため、紫外線吸収剤が好ましく用いられる。
前記紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、且つ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。具体的には380nmの透過率が10%未満であることが好ましく、特に5%未満であることがより好ましい。前記紫外線吸収剤としては、具体的には、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤)、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物(ベンゾフェノン系紫外線吸収剤)、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物、トリアジン系化合物等が挙げられる。これらの中では、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましい。前記紫外線吸収剤の含有量は、紫外線吸収剤としての効果、透明性等を考慮し、0.1質量%〜2.5質量%であることが好ましく、0.8質量%〜2.0質量%であることがより好ましい。
前記熱安定剤としては、例えば、カオリン、タルク、けい藻土、石英、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナ等の無機微粒子、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の塩等が挙げられる。
前記導電性物質としては、特に限定はされないが、例えば、アニオン性高分子化合物等のイオン導電性物質、金属酸化物の微粒子等の導電性微粒子及び帯電防止剤等が挙げられる。前記導電性物質を含有させることによって、好ましいインピーダンスを有する樹脂フィルムを得ることができる。ここでイオン導電性物質とは、電気伝導性を示し、電気を運ぶ担体であるイオンを含有する物質のことである。
(ドープの調製方法)
次にドープを調製する方法の一例として、透明性樹脂としてセルロースエステル系樹脂を用いた場合について説明する。
ドープに前記微粒子を含有しない場合は、下記溶解方法によってドープが得られる。また、ドープに前記微粒子を含有する場合は、まず、下記溶解方法によって、セルロースエステル系樹脂を溶媒に溶解させる。そして、下記分散方法によって、その溶液に前記微粒子を分散させる。そうすることによってドープが得られる。
(溶解方法)
ドープを調製する時の、セルロースエステル系樹脂の溶解方法としては、特に限定なく、一般的な方法を用いることができる。加熱と加圧を組み合わせることによって、常圧における溶媒の沸点以上に加熱できることを利用し、常圧における沸点以上で溶媒にセルロースエステル系樹脂を溶解させることが、ゲルやママコと呼ばれる塊状未溶解物の発生を防止する点から好ましい。また、セルロースエステル系樹脂を貧溶媒と混合して湿潤又は膨潤させた後、さらに良溶媒を添加して溶解する方法も好ましく用いられる。
前記加圧は、窒素ガス等の不活性気体を圧入する方法や、密閉容器に溶媒を加熱して、前記加熱によって溶媒の蒸気圧を上昇させる方法によって行ってもよい。前記加熱は、外部から行うことが好ましく、例えば、ジャケットタイプのものは温度コントロールが容易で好ましい。
セルロースエステル系樹脂を溶解させる時の溶媒の温度(加熱温度)は、高い方がセルロースエステルの溶解性の観点から好ましいが、加熱温度を高くしようとすると、前記加圧によって容器内の圧力を高くしなければならず、生産性が悪化する。よって、前記加熱温度は、45〜120℃であることが好ましい。また、前記圧力は、設定温度で溶媒が沸騰しないような圧力に調整される。もしくは冷却溶解法も好ましく用いられ、これによって酢酸メチル等の溶媒にセルロースエステル系樹脂を溶解させることができる。
次に、得られたセルロースエステル系樹脂の溶液を濾紙等の適当な濾過材を用いて濾過する。前記濾過材としては、不溶物等を除去するために絶対濾過精度が小さい方が好ましいが、絶対濾過精度が小さ過ぎると濾過材の目詰まりが発生しやすいという問題がある。このため絶対濾過精度が0.008mm以下の濾過材が好ましく、0.001〜0.008mmの濾過材がより好ましい。
濾過材の材質は、特に制限はなく、通常の濾過材を使用することができる。例えば、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)等のプラスチック製の濾過材や、ステンレススティール等の金属製の濾過材が繊維の脱落等がなく好ましい。濾過により、原料のセルロースエステル系樹脂の溶液に含まれていた不純物、特に輝点異物を除去、低減することが好ましい。前記輝点異物とは、2枚の偏光板をクロスニコル状態にして配置し、その間に樹脂フィルムを置き、一方の偏光板の側から光を当てて、他方の偏光板の側から観察した時に反対側からの光が漏れて見える点(異物)のことであり、径が0.01mm以上である輝点数が200個/cm以下であることが好ましい。
濾過は、特に限定なく、通常の方法で行うことができるが、溶媒の常圧での沸点以上で、且つ加圧下で溶媒が沸騰しない範囲の温度で加熱しながら濾過する方法が、濾過前後の濾圧の差(差圧という)の上昇が小さく、好ましい。前記温度としては、45〜120℃であることが好ましい。前記濾圧は、小さい方が好ましく、例えば、1.6MPa以下であることが好ましい。
前記各添加剤を含有させる場合は、例えば、アルコールやメチレンクロライド、ジオキソランなどの有機溶媒に前記添加剤を溶解してからドープに添加するか、又は直接ドープ組成中に添加してもよい。また、無機粉体のように有機溶剤に溶解しないものは、添加剤とセルロースエステル系樹脂とをデゾルバーやサンドミルを使用して、セルロースエステル系樹脂中に添加剤を分散したものをドープに添加することが好ましい。
(分散方法)
得られたセルロースエステル系樹脂の溶液に前記微粒子を分散させる。分散させる方法は、特に限定なく、例えば、以下のようにして行うことができる。例えば、まず、分散用溶媒と微粒子を撹拌混合した後、分散機で分散を行う。これを微粒子分散液とする。この微粒子分散液を上記セルロースエステル系樹脂の溶液に加えて撹拌する。
前記分散用溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等の低級アルコール類が挙げられる。また、低級アルコール類に特に限定されないが、セルロースエステル系樹脂の溶液を調製する際に用いた溶媒と同様のものを用いることが好ましい。
前記分散機としては、特に限定なく使用でき、一般的な分散機を使用できる。分散機は、大きく分けてメディア分散機とメディアレス分散機に分けられるが、メディアレス分散機のほうかがヘイズが低くなる(透光性が高くなる)点から好ましい。前記メディア分散機としては、例えば、ボールミル、サンドミル、ダイノミル等が挙げられる。また、前記メディアレス分散機としては、超音波型、遠心型、高圧型等が挙げられ、高圧型分散装置が好ましい。前記高圧分散装置とは、微粒子と溶媒とを混合した組成物を、細管中に高速通過させることで、高剪断や高圧状態など特殊な条件を作りだす装置である。前記高圧分散装置としては、例えば、Microfluidics Corporation社製の超高圧ホモジナイザ(商品名マイクロフルイダイザ)、ナノマイザ社製ナノマイザ等が挙げられ、他にマントンゴーリン型高圧分散装置等も挙げられる。また、マントンゴーリン型高圧分散装置としては、例えばイズミフードマシナリ製ホモジナイザ、三和機械(株)製UHN−01等が挙げられる。
本実施形態に係る製造方法によって製造された樹脂フィルムは、樹脂フィルムの端部にも横段の発生が抑制された面故障の少ないものである。また、樹脂フィルムの幅が広い広幅の樹脂フィルムを製造しても、横段の発生が抑制され、さらに、横段の発生が抑制されるので、両端部を切断せずに、偏光板用の透明保護フィルム等の光学フィルムとして使用可能である。よって、大画面化した液晶表示装置にも適用可能な樹脂フィルムである。
(積層フィルム)
本実施形態に係る製造方法によって製造された樹脂フィルムは、他の層、例えば、ハードコート層や反射防止層等を積層して、積層フィルムにしてもよい。なお、ハードコート層は、積層フィルムの耐擦傷性を向上させるための層であり、反射防止層は、入射光の反射を低減し、入射光の反射を抑制するための層である。このような積層フィルムも、広幅の樹脂フィルムを用いるので、大画面化した液晶表示装置にも適用可能である。
(偏光板)
本実施形態に係る偏光板は、偏光素子と、前記偏光素子の表面上に配置された透明保護フィルムとを備え、前記透明保護フィルムが、前記樹脂フィルム又は前記積層フィルムである。前記偏光素子とは、入射光を偏光に変えて射出する光学素子である。
前記偏光板としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素溶液中に浸漬して延伸することによって作製される偏光素子の少なくとも一方の表面に、完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて、前記樹脂フィルム又は前記積層フィルムを貼り合わせたものが好ましい。また、前記偏光素子のもう一方の表面にも、前記樹脂フィルム又は前記積層フィルムを積層させてもよいし、別の偏光板用の透明保護フィルムを積層させてもよい。この偏光板用の透明保護フィルムとしては、例えば、市販のセルロースエステルフィルムとして、KC8UX2M、KC4UX、KC5UX、KC4UY、KC8UY、KC12UR、KC8UY−HA、KC8UX−RHA(以上、コニカミノルタオプト(株)製)等が好ましく用いられる。あるいは、セルロースエステルフィルム以外の環状オレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート等の樹脂フィルムを用いてもよい。この場合は、ケン化適性が低いため、適当な接着層を介して偏光板に接着加工することが好ましい。
前記偏光板は、上述のように、偏光素子の少なくとも一方の表面側に積層する保護フィルムとして、前記樹脂フィルムを使用したものである。その際、前記樹脂フィルムが位相差フィルムとして働く場合、樹脂フィルムの遅相軸が偏光素子の吸収軸に実質的に平行または直交するように配置されていることが好ましい。
また、前記偏光素子の具体例としては、例えば、ポリビニルアルコール系偏光フィルムが挙げられる。ポリビニルアルコール系偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させたものとがある。前記ポリビニルアルコール系フィルムとしては、エチレンで変性された変性ポリビニルアルコール系フィルムが好ましく用いられる。
前記偏光素子は、例えば、以下のようにして得られる。まず、ポリビニルアルコール水溶液を用いて製膜する。得られたポリビニルアルコール系フィルムを一軸延伸させた後染色するか、染色した後一軸延伸する。そして、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を施す。
前記偏光素子の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましく、5〜20μmであることがより好ましい。
該偏光素子の表面上に、セルロ−スエステル系樹脂フィルムを張り合わせる場合、完全鹸化ポリビニルアルコール等を主成分とする水系の接着剤によって貼り合わせることが好ましい。また、セルロースエステル系樹脂フィルム以外の樹脂フィルムの場合は、適当な粘着層を介して偏光板に接着加工することが好ましい。
上述のような偏光板は、透明保護フィルムとして、本実施形態に係る広幅の樹脂フィルムを用いることによって、大画面化した液晶表示装置にも適用可能となる。
(液晶表示装置)
本実施形態に係る液晶表示装置は、液晶セルと、前記液晶セルを挟むように配置された2枚の偏光板とを備え、前記2枚の偏光板のうち少なくとも一方が、前記偏光板である。なお、液晶セルとは、一対の電極間に液晶物質が充填されたものであり、この電極に電圧を印加することで、液晶の配向状態が変化され、透過光量が制御される。このような液晶表示装置は、偏光板用の透明保護フィルムとして、本実施形態に係る広幅の樹脂フィルムを用いることによって、大画面化が可能となる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例A]
以下に示す方法により樹脂フィルムを製造した。実施例A(実施例1〜5及び比較例1)では、吐出口と支持体との間隔の影響について検討した。
(ドープの調製)
まず、メチレンクロライド400質量部及びエタノール45質量部を入れた溶解タンクに、透明性樹脂としてセルロースアセテートプロピオーネ樹脂(アセチル基置換度:1.5、プロピオニル基置換度:1.0、総アシル基置換度:2.5)100質量部を添加し、さらに、トリフェニルホスフェート5.5質量部及びエチルフタリルエチルグリコール5.5質量部を添加した。そして、液温が80℃になるまで昇温させた後、3時間攪拌した。そうすることによって、セルロースアセテートプロピオーネ樹脂溶液が得られた。その後、攪拌を終了し、液温が43℃になるまで放置した。そして、得られた樹脂溶液を、濾過精度0.005mmの濾紙を使用して濾過した。濾過後の樹脂溶液を一晩放置することにより、樹脂溶液中の気泡を脱泡させた。このようにして得られた樹脂溶液を、ドープとして使用して、以下のように、樹脂フィルム(セルロースアセテートプロピオネートフィルム)を製造した。
(セルロースアセテートプロピオネートフィルムの製造)
まず、得られたドープの温度を35℃に、無端ベルト支持体の温度を25℃に調整した。そして、表1に示すような間隔になるように設定した流延ダイと無端ベルト支持体との位置を調整した樹脂フィルムの製造装置を用い、流延ダイから無端ベルト支持体にドープを流延した。そうすることによって、無端ベルト支持体上にウェブを形成し、ウェブの剥離時の残留溶媒量が80質量%となるように乾燥させながら、搬送した。そして、無端ベルト支持体からウェブを剥離し、剥離したウェブを延伸装置(テンター)を用いて、ウェブの両端をクリップで把持しながら、MD方向に15%延伸した。そうすることによって、セルロースアセテートプロピオネートフィルムを製造した。
なお、ウェブの幅は、C型JIS1級の鋼製スケールで幅を測定した値であり、延伸率は、以下に示す計算式より計算で求めた値である。
延伸率(%)=(延伸後のウェブの中央から端部までの幅/延伸前のウェブの中央から端部までの幅)×100
上記のようにして得られた樹脂フィルム(実施例1〜5及び比較例1)を、以下のようにして、以下の評価を行い、その結果を表1に示す。
(横段評価)
樹脂フィルムの端部に、搬送方向に垂直に延びる段(横段)が発生しているかを目視で観察し、下記の基準で評価した。
A:横断を確認できない。
B:横段を確認でき、そのピッチが5mm以上である。
C:横段を確認でき、そのピッチが5mm未満である。
(泡巻き込み評価)
樹脂フィルムに泡が巻き込まれているかを目視で観察した。
Figure 0005082998
表1からわかるように、端部における吐出口と無端ベルト支持体との間隔Bが、中央部の間隔Aより広い実施例1〜5の場合、横段が発生しないか、発生しても、ピッチ(隣り合う横段の中心間距離)が5mm以上あり、横段が目立たない。よって、偏光板用の透明保護フィルムとして使用してもほとんど問題ない。
これに対して、中央部の間隔Aと端部の間隔Bとが同じである比較例1では、横段のピッチが5mm未満であり、横段が目立ち、光板用の透明保護フィルムとして使用すると問題があった。
以上のことから、横段の発生を抑制するためには、端部の間隔Bが中央部の間隔Aより広いことがわかった。
さらに、間隔Bが間隔Aの5倍より大きい実施例4は、端部の間隔Bが広すぎて、横段が発生しないが、泡を巻き込んでしまっていた。このことから、間隔Bが間隔Aの5倍以下であることが好ましいことがわかる。
[実施例B]
製造する樹脂フィルムの幅を、表2に示す幅に変えたこと以外、上記実施例Aと同様にして樹脂フィルムを製造した。実施例B(実施例6〜8)では、樹脂フィルムの幅の影響について検討した。
得られた樹脂フィルム(実施例6〜8)を、実施例Aと同様の評価を行い、その結果を表2に示す。なお、表2には、実施例6〜8と比較するために、実施例1及び実施例5も併記している。
Figure 0005082998
表2からわかるように、間隔Bが間隔Aの3.3倍である実施例6,7は、幅が2000mm以上の広幅の樹脂フィルムを製造しても、幅が1500mmの樹脂フィルムである実施例1を製造した場合と同様、横段が発生せず、また、泡の巻き込みもない。
また、間隔Bが間隔Aの1.7倍である実施例8は、幅が2000mmの広幅の樹脂フィルムを製造しても、幅が1500mmの樹脂フィルムである実施例5を製造した場合と同様、横段がほとんど目立たず、また、泡の巻き込みもない。
以上のことから、端部の間隔Bが中央部の間隔Aより広くすることによって、樹脂フィルムの幅の広い広幅の樹脂フィルムを製造しても、横段の発生を抑制できる。
無端ベルト支持体11を使用した溶液流延法による樹脂フィルムの製造装置1の基本的な構成を示す概略図である。 流延ダイ20の周辺を示す概略斜視図である。 無端ベルト支持体11の走行方向から見た流延ダイ20の側面図である。 図3の切断面線VI−VIから見た流延ダイ20の断面図である。 流延ダイ20の他の形状を示す概略図である。
符号の説明
1 樹脂フィルムの製造装置 11 無端ベルト支持体
13 剥離ローラ 14 乾燥装置
15 巻取ローラ 20,30,40,50 流延ダイ
21 流延ダイ本体 22 ドープ供給管

Claims (6)

  1. 透明性樹脂を溶媒に溶解させた樹脂溶液を、走行する支持体上に流延ダイから流延して流延膜を形成する流延工程と、前記流延膜を前記支持体から剥離する剥離工程と、剥離した流延膜を乾燥させる乾燥工程とを備え、
    前記流延ダイの吐出口の長手方向端部における前記吐出口と前記支持体との間隔が、前記吐出口の長手方向中央部における前記吐出口と前記支持体との間隔より広いことを特徴とする樹脂フィルムの製造方法。
  2. 前記吐出口の長手方向中央部における前記吐出口と前記支持体との間隔をAとし、前記吐出口の長手方向端部における前記吐出口と前記支持体との間隔をBとした場合に、
    下記関係式(I)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の樹脂フィルムの製造方法。
    2×A ≦ B ≦ 5×A (I)
  3. 前記樹脂フィルムの幅が、1500〜2500mmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の樹脂フィルムの製造方法。
  4. 前記吐出口が、前記流延ダイの前記支持体側の稜線上に形成されており、
    前記稜線が、前記支持体の走行方向に略直交する方向に延びており、
    前記稜線が、前記吐出口の長手方向中央部が前記吐出口の長手方向端部より前記支持体に近づくような、円弧状、階段状、三角形状、又は台形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂フィルムの製造方法。
  5. 前記中央部が、前記吐出口の中央から、前記吐出口の中央から一方の端にわたる長さの10%を占める領域であり、
    前記端部が、前記吐出口の端から、前記吐出口の中央から一方の端にわたる長さの20%を占める領域であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂フィルムの製造方法。
  6. 前記透明性樹脂が、セルロースエステル系樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂フィルムの製造方法。
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