JP5082998B2 - 樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
上記のように流延ダイの吐出口と支持体との間隔を規定することによって、横段の発生をより抑制できる。さらに、流延リボンが伸びすぎたときに発生する、流延膜と支持体との間に発生する泡の巻き込みも低減できる。
上記のような間隔にすることによって、横段の発生が抑制された面故障の少ない樹脂フィルムを容易に製造できる。間隔Bが狭すぎると、吐出口と無端ベルト支持体との間隔が、吐出口の中央部と端部とにおいて同一である従来の樹脂フィルムの製造方法と同様、樹脂フィルムの端部に横段が発生する傾向があり、端部に横段が発生すると、端部を切断する必要がある。また、間隔Bが広すぎると、前記吐出口21bから吐出され、前記無端ベルト支持体11に到達するまでの流延膜(流延リボン)が伸びすぎて、前記無端ベルト支持体11上に流延膜が形成される際に、流延膜と前記無端ベルト支持体11との間等に泡を巻き込んでしまう傾向がある。
本実施形態で使用される透明性樹脂は、溶液流延製膜法等によって基板状に成形したときに透明性を有する樹脂であればよく、特に制限されないが、溶液流延製膜法等による製造が容易であること、ハードコート層等との接着性に優れていること、光学的に等方性であること等が好ましい。なお、ここで透明性とは、可視光の透過率が60%以上であることであり、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。
0.1≦Y≦1.2 (III)
また、上記式(II)及び(III)に加えて、下記式(IV)及び(V)を満たすセルロースの混合脂肪酸エステルを有するセルロースエステル系樹脂(総アシル基置換度=X+Y)がより好ましい。
1.4≦X≦2.3 (V)
さらに、上記式(II)〜(V)に加えて、下記式(VI)及び(VII)を満たすセルロースアセテートプロピオネート樹脂又はセルロースアセテートブチレート樹脂(総アシル基置換度=X+Y)が特に好ましい。
0.1≦Y≦0.9 (VII)
また、アシル基で置換されていない部分は通常水酸基として存在している。これらのセルロースエステル系樹脂は、公知の方法で合成することができる。アシル基の置換度の測定方法は、ASTM−D817−96の規定に準じて測定することができる。
本実施形態で使用されるドープには、微粒子を含有させてもよい。その際、使用される微粒子は、使用目的に応じて適宜選択されるが、透明性樹脂中に含有することによって、可視光を散乱させることができる微粒子であることが好ましい。前記微粒子としては、無機微粒子であってもよいし、有機微粒子であってもよい。
本実施形態で使用される溶媒は、前記透明性樹脂に対する良溶媒を含有する溶媒を用いることができる。前記良溶媒は、使用する透明性樹脂によって異なる。例えばセルロースエステル系樹脂の場合、セルロースエステルのアシル基置換度によって、良溶媒と貧溶媒とが変わり、例えばアセトンを溶媒として用いる時には、セルロースエステルの酢酸エステル(アセチル基置換度2.4)、セルロースアセテートプロピオネートでは良溶媒になり、セルロースの酢酸エステル(アセチル基置換度2.8)では貧溶媒となる。したがって、使用する透明性樹脂により、良溶媒及び貧溶媒が異なってくるので、一例としてセルロースエステル系樹脂の場合について説明する。
本実施形態で使用される樹脂溶液は、本発明の効果を阻害しない範囲で、透明性樹脂、微粒子及び溶媒以外の他の成分(添加剤)を含有してもよい。前記添加剤としては、例えば、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定化剤、導電性物質、難燃剤、滑剤、及びマット剤等が挙げられる。
次にドープを調製する方法の一例として、透明性樹脂としてセルロースエステル系樹脂を用いた場合について説明する。
ドープを調製する時の、セルロースエステル系樹脂の溶解方法としては、特に限定なく、一般的な方法を用いることができる。加熱と加圧を組み合わせることによって、常圧における溶媒の沸点以上に加熱できることを利用し、常圧における沸点以上で溶媒にセルロースエステル系樹脂を溶解させることが、ゲルやママコと呼ばれる塊状未溶解物の発生を防止する点から好ましい。また、セルロースエステル系樹脂を貧溶媒と混合して湿潤又は膨潤させた後、さらに良溶媒を添加して溶解する方法も好ましく用いられる。
得られたセルロースエステル系樹脂の溶液に前記微粒子を分散させる。分散させる方法は、特に限定なく、例えば、以下のようにして行うことができる。例えば、まず、分散用溶媒と微粒子を撹拌混合した後、分散機で分散を行う。これを微粒子分散液とする。この微粒子分散液を上記セルロースエステル系樹脂の溶液に加えて撹拌する。
本実施形態に係る製造方法によって製造された樹脂フィルムは、他の層、例えば、ハードコート層や反射防止層等を積層して、積層フィルムにしてもよい。なお、ハードコート層は、積層フィルムの耐擦傷性を向上させるための層であり、反射防止層は、入射光の反射を低減し、入射光の反射を抑制するための層である。このような積層フィルムも、広幅の樹脂フィルムを用いるので、大画面化した液晶表示装置にも適用可能である。
本実施形態に係る偏光板は、偏光素子と、前記偏光素子の表面上に配置された透明保護フィルムとを備え、前記透明保護フィルムが、前記樹脂フィルム又は前記積層フィルムである。前記偏光素子とは、入射光を偏光に変えて射出する光学素子である。
本実施形態に係る液晶表示装置は、液晶セルと、前記液晶セルを挟むように配置された2枚の偏光板とを備え、前記2枚の偏光板のうち少なくとも一方が、前記偏光板である。なお、液晶セルとは、一対の電極間に液晶物質が充填されたものであり、この電極に電圧を印加することで、液晶の配向状態が変化され、透過光量が制御される。このような液晶表示装置は、偏光板用の透明保護フィルムとして、本実施形態に係る広幅の樹脂フィルムを用いることによって、大画面化が可能となる。
以下に示す方法により樹脂フィルムを製造した。実施例A(実施例1〜5及び比較例1)では、吐出口と支持体との間隔の影響について検討した。
まず、メチレンクロライド400質量部及びエタノール45質量部を入れた溶解タンクに、透明性樹脂としてセルロースアセテートプロピオーネ樹脂(アセチル基置換度:1.5、プロピオニル基置換度:1.0、総アシル基置換度:2.5)100質量部を添加し、さらに、トリフェニルホスフェート5.5質量部及びエチルフタリルエチルグリコール5.5質量部を添加した。そして、液温が80℃になるまで昇温させた後、3時間攪拌した。そうすることによって、セルロースアセテートプロピオーネ樹脂溶液が得られた。その後、攪拌を終了し、液温が43℃になるまで放置した。そして、得られた樹脂溶液を、濾過精度0.005mmの濾紙を使用して濾過した。濾過後の樹脂溶液を一晩放置することにより、樹脂溶液中の気泡を脱泡させた。このようにして得られた樹脂溶液を、ドープとして使用して、以下のように、樹脂フィルム(セルロースアセテートプロピオネートフィルム)を製造した。
まず、得られたドープの温度を35℃に、無端ベルト支持体の温度を25℃に調整した。そして、表1に示すような間隔になるように設定した流延ダイと無端ベルト支持体との位置を調整した樹脂フィルムの製造装置を用い、流延ダイから無端ベルト支持体にドープを流延した。そうすることによって、無端ベルト支持体上にウェブを形成し、ウェブの剥離時の残留溶媒量が80質量%となるように乾燥させながら、搬送した。そして、無端ベルト支持体からウェブを剥離し、剥離したウェブを延伸装置(テンター)を用いて、ウェブの両端をクリップで把持しながら、MD方向に15%延伸した。そうすることによって、セルロースアセテートプロピオネートフィルムを製造した。
上記のようにして得られた樹脂フィルム(実施例1〜5及び比較例1)を、以下のようにして、以下の評価を行い、その結果を表1に示す。
樹脂フィルムの端部に、搬送方向に垂直に延びる段(横段)が発生しているかを目視で観察し、下記の基準で評価した。
A:横断を確認できない。
B:横段を確認でき、そのピッチが5mm以上である。
C:横段を確認でき、そのピッチが5mm未満である。
樹脂フィルムに泡が巻き込まれているかを目視で観察した。
製造する樹脂フィルムの幅を、表2に示す幅に変えたこと以外、上記実施例Aと同様にして樹脂フィルムを製造した。実施例B(実施例6〜8)では、樹脂フィルムの幅の影響について検討した。
13 剥離ローラ 14 乾燥装置
15 巻取ローラ 20,30,40,50 流延ダイ
21 流延ダイ本体 22 ドープ供給管
Claims (6)
- 透明性樹脂を溶媒に溶解させた樹脂溶液を、走行する支持体上に流延ダイから流延して流延膜を形成する流延工程と、前記流延膜を前記支持体から剥離する剥離工程と、剥離した流延膜を乾燥させる乾燥工程とを備え、
前記流延ダイの吐出口の長手方向端部における前記吐出口と前記支持体との間隔が、前記吐出口の長手方向中央部における前記吐出口と前記支持体との間隔より広いことを特徴とする樹脂フィルムの製造方法。 - 前記吐出口の長手方向中央部における前記吐出口と前記支持体との間隔をAとし、前記吐出口の長手方向端部における前記吐出口と前記支持体との間隔をBとした場合に、
下記関係式(I)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の樹脂フィルムの製造方法。
2×A ≦ B ≦ 5×A (I) - 前記樹脂フィルムの幅が、1500〜2500mmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の樹脂フィルムの製造方法。
- 前記吐出口が、前記流延ダイの前記支持体側の稜線上に形成されており、
前記稜線が、前記支持体の走行方向に略直交する方向に延びており、
前記稜線が、前記吐出口の長手方向中央部が前記吐出口の長手方向端部より前記支持体に近づくような、円弧状、階段状、三角形状、又は台形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂フィルムの製造方法。 - 前記中央部が、前記吐出口の中央から、前記吐出口の中央から一方の端にわたる長さの10%を占める領域であり、
前記端部が、前記吐出口の端から、前記吐出口の中央から一方の端にわたる長さの20%を占める領域であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂フィルムの製造方法。 - 前記透明性樹脂が、セルロースエステル系樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂フィルムの製造方法。
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