JP5082612B2 - ステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明はステアリング装置、特にテレスコピック位置調整機構またはチルト位置調整機構の内の少なくとも一方を備えた車両のためのステアリング装置に関する。
テレスコピック位置調整機構及びチルト位置調整機構は、それぞれ運転者の体型及び好みにあわせて、最も運転しやすい位置にステアリングホイールの前後方向位置、及び、傾斜角度を調整するための機構である。ステアリングホイールの前後方向位置、及び、傾斜角度の調整時には、一旦、コラムクランプ装置をアンクランプ状態にし、その状態でステアリングホイールの前後方向位置、及び、傾斜角度を調整したのち、再度コラムクランプ装置をクランプ状態にする。
コラムをクランプするコラムクランプ装置では、操作レバーの操作力を大きなクランプ力に変換するための増力機構として、固定カムと可動カムで構成されるカムクランプ機構が使用されることが多い。
このようなカムクランプ機構の固定カムは、可動カムのカム面に係合するカム面と、このカム面の背面側に形成されて、チルト位置調整用長溝またはテレスコピック位置調整用長溝に係合する凸部とを有している。カム面は、操作レバーの操作力を小さくするために、表面が滑らかであることが必要であり、また、コラムクランプ時に作用する大きなクランプ力に耐えるだけの、耐久性が要求される。
また、固定カムの凸部は、チルト位置調整時またはテレスコピック位置調整時に、チルト位置調整用長溝またはテレスコピック位置調整用長溝に沿って滑らかに摺動することが必要である。さらに、チルト位置調整端またはテレスコピック位置調整端で、チルト位置調整用長溝、または、テレスコピック位置調整用長溝の溝端部に、固定カムの凸部が当接した時の打音が小さいことが要求される。
このようなカム面と凸部の両方の特性を満足させるために、従来の固定カムは、カム面と凸部を焼結材で一体成形することが多いが、焼結材は高価なため、製造コストが上昇するという問題があった。
特許文献1の固定カムは、カム面と凸部の位置を周方向にずらすことで、固定カムを板金のプレス成形で一体成形して、製造コストを削減している。特許文献1の固定カムは、製造コストは削減できるが、板金のプレス成形であるため、チルト位置調整用長溝、または、テレスコピック位置調整用長溝に沿って滑らかに摺動させることが難しい。また、チルト位置調整端またはテレスコピック位置調整端で、チルト位置調整用長溝、または、テレスコピック位置調整用長溝の溝端部に、固定カムの凸部が当接した時の打音を小さくすることが難しい。
特開2003−231470号公報
本発明は、カム面の耐久性と、チルト位置調整時またはテレスコピック位置調整時の滑らかな摺動、及び、チルト位置調整端またはテレスコピック位置調整端で、チルト位置調整用長溝、または、テレスコピック位置調整用長溝の溝端部に、固定カムの凸部が当接した時の打音を小さくしたステアリング装置を提供することを課題とする。
上記課題は以下の手段によって解決される。すなわち、第1番目の発明は、車体に取付け可能な車体取付けブラケット、上記車体取付けブラケットにチルト位置又はテレスコピック位置の少なくともいずれか一方の位置が調整可能に支持されると共に、ステアリングホイールを装着したステアリングシャフトを回動可能に軸支したコラム、所望のチルト位置又はテレスコピック位置の少なくともいずれか一方の位置で上記車体取付けブラケットに上記コラムを締付けてクランプするために、上記車体取付けブラケットに形成されたチルト位置調整用長溝、または、上記コラムに形成されたテレスコピック位置調整用長溝の少なくともいずれか一方に挿通された締付けロッド、上記締付けロッドの一端に支承され上記車体取付けブラケットの一側面を上記コラムに押圧する固定カム、上記締付けロッドの一端に上記固定カムに対向して操作レバーとともに回動可能に支承された可動カム、上記固定カムと可動カムの対向する面に各々設けられ、上記固定カムに対して可動カムを相対的に軸方向に押圧するカム面を備えたステアリング装置において、上記固定カムは、上記可動カムのカム面に係合するカム面を有するカム部材、上記カム部材とは別部品で構成され、上記チルト位置調整用長溝またはテレスコピック位置調整用長溝の少なくともいずれか一方に係合する凸部によって、上記可動カムに対して相対回転不能で、上記カム部材の材料よりも硬度の小さい材料で形成された回り止め部材、上記カム部材と回り止め部材との間に形成され、回り止め部材に対してカム部材を相対回転不能に係止する第1の係止部からなるステアリング装置において、上記回り止め部材の凸部は、上記チルト位置調整用長溝に係合する第1の凸部又はテレスコピック位置調整用長溝に係合する第2の凸部の少なくとも一方からなることを特徴とするステアリング装置である。
番目の発明は、第1番目の発明のステアリング装置において、上記回り止め部材とカム部材との間に形成され、上記回り止め部材に対してカム部材を軸方向に相対移動不能に係止する第2の係止部を備えたことを特徴とするステアリング装置である。
番目の発明は、第1番目の発明のステアリング装置において、上記固定カムと可動カムとの間に形成され、固定カムに対する可動カムの回動角度を所定角度に規制する回転角度規制部材を備えたことを特徴とするステアリング装置である。
番目の発明は、第1番目の発明のステアリング装置において、上記回り止め部材の材料が合成樹脂であることを特徴とするステアリング装置である。
番目の発明は、第番目の発明のステアリング装置において、上記合成樹脂がポリアセタールまたはナイロンであることを特徴とするステアリング装置である。
番目の発明は、第番目の発明のステアリング装置において、上記合成樹脂が、ガラス繊維、カーボン繊維、ミネラルのうちの少なくとも一つを添加した合成樹脂であることを特徴とするステアリング装置である。
番目の発明は、第1番目の発明のステアリング装置において、上記回り止め部材の材料が、アルミニウム、銅、砲金、真鍮のうちの一つであることを特徴とするステアリング装置である。
番目の発明は、第1番目の発明のステアリング装置において、上記カム部材の材料が、高炭素鋼または低炭素鋼を焼き入れした材料であることを特徴とするステアリング装置である。
本発明のステアリング装置では、固定カムが、可動カムのカム面に係合するカム面を有し、高硬度な板金材料をプレス成形したカム部材と、カム部材とは別部品で構成され、チルト位置調整用長溝またはテレスコピック位置調整用長溝の少なくともいずれか一方に係合する凸部によって、可動カムに対して相対回転不能で、カム部材の材料よりも硬度の小さい材料で形成された回り止め部材と、カム部材と回り止め部材との間に形成され、回り止め部材に対してカム部材を相対回転不能に係止する第1の係止部から構成されている。
従って、カム面の耐久性が向上するとともに、チルト位置調整時またはテレスコピック位置調整時の滑らかな摺動、及び、チルト位置調整端またはテレスコピック位置調整端で、チルト位置調整用長溝、または、テレスコピック位置調整用長溝の溝端部に、固定カムの凸部が当接した時の打音を小さくすることが可能となる。
以下の実施例では、ステアリングホイールの前後方向位置と傾斜角度の両方を調整できる、チルト・テレスコピック式のステアリング装置に本発明を適用した例について説明する。
図1は本発明のステアリング装置を車両に取り付けた状態を示す全体斜視図である。図1に示すように、中空円筒状のコラム1が車体に取付けられ、このコラム1にはステアリングシャフト12が回動可能に軸支されている。ステアリングシャフト12には、その右端(車体後方側)にステアリングホイール121が装着され、ステアリングシャフト12の左端(車体前方側)には、自在継手21を介して中間シャフト22が連結されている。
中間シャフト22は、雄スプラインが形成された中実の中間インナーシャフト221と、雌スプラインが形成された中空円筒状の中間アウターシャフト222で構成され、中間インナーシャフト221の雄スプラインが、中間アウターシャフト222の雌スプラインに伸縮可能(摺動可能)に、かつ回転トルクを伝達可能に嵌合している。
さらに、中間アウターシャフト222の車体後方側が上記自在継手21に連結され、中間インナーシャフト221の車体前方側が自在継手23に連結されている。自在継手23には、ステアリングギヤ24の図示しないラックに噛合うピニオンが連結されている。
運転者がステアリングホイール121を回転操作すると、ステアリングシャフト12、自在継手21、中間シャフト22、自在継手23を介して、その回転力がステアリングギヤ24に伝達され、ラックアンドピニオン機構を介して、タイロッド25を移動し、車輪の操舵角を変えることができる。
図2は本発明の実施例1のステアリング装置の要部を示す一部を断面した正面図である。図3は図2のA−A断面図であって、車体取付けブラケットとアッパーコラムのクランプ部近傍を示す。
図2から図3に示すように、コラム1は、中空円筒状のアッパーコラム(アウターコラム)11と、このアッパーコラム11の左側(車体前方側)に、軸方向に摺動可能に内嵌したロアーコラム(インナーコラム)10で構成されている。
アッパーコラム11には、上部ステアリングシャフト12Aが回転可能に軸支され、上部ステアリングシャフト12Aの右端(車体後方側)に、上記したステアリングホイール121(図1参照)が固定されている。
本発明の実施例では、アッパーコラム11は、鋼管にディスタンスブラケットを溶接しているが、アルミダイカスト製の一体成型品であってもよい。また、軽量化を目的として、マグネシウムダイカスト製であってもよい。
アッパーコラム11の左側(車体前方側)には、アッパーコラム11を左右両側から挟み込むようにして、車体取付けブラケット3が取付けられている。車体取付けブラケット3は、車体18に固定されたアルミ合金製等の図示しないカプセルを介して、車体前方側に離脱可能に取付けられている。
アッパーコラム11は、二次衝突時にステアリングホイール121に運転者が衝突して大きな衝撃力が作用すると、カプセルから車体取付けブラケット3が車体前方側に離脱し、ロアーコラム10に案内されて車体前方側にコラプス移動し、衝突時の衝撃エネルギーを吸収する。
ロアーコラム10には、下部ステアリングシャフト12Bが回転可能に軸支され、下部ステアリングシャフト12Bの左端(車体前方側)が、図1の自在継手21に連結されている。下部ステアリングシャフト12Bは、上部ステアリングシャフト12Aとスプライン係合して、アッパーコラム11のテレスコピック位置にかかわらず、上部ステアリングシャフト12Aの回転トルクを伝達することができる。
ロアーコラム10の車体前方端には、ブラケット28が溶接によって一体的に固定され、車体18に固定された下部車体取付けブラケット26に、枢動ピン27を介してブラケット28が枢動可能に支持されている。従って、ステアリングホイール121のチルト位置(傾斜角度)を調整すると、ロアーコラム10が枢動ピン27を支点にして枢動し、ステアリングホイール121の円滑なチルト位置調整を可能にしている。
車体取付けブラケット3は、上板32と、この上板32から下方に延びる側板33、34を有している。上記アッパーコラム11には、アッパーコラム11の下方に突出して、ディスタンスブラケット13が溶接によって固定されている。ディスタンスブラケット13の側板14、15は、車体取付けブラケット3の側板33、34の内側面331、341に摺動可能に接している。
車体取付けブラケット3の側板33、34には、チルト位置調整用長溝35、36が形成されている。ディスタンスブラケット13には、図2の左右方向に延びると共に、アッパーコラム11の軸心方向に長く延びるテレスコピック位置調整用長溝16、17が形成されている。
丸棒状の締付けロッド5が、上記チルト位置調整用長溝35、36及びテレスコピック位置調整用長溝16、17を通して、図3の左側から挿入されている。締付けロッド5の左端には六角形の頭部51が一体的に形成されている。
図3に示すように、締付けロッド5の左端外周には、側板33と頭部51との間に、固定カム6、可動カム54、操作レバー55、スラスト軸受56が、側板33側から、この順で外嵌されている。締付けロッド5の右端外周には、雄ねじ58が形成されている。雄ねじ58には、ナット57の内径部に形成された雌ねじが、ワッシャー53を介してねじ込まれている。ワッシャー53の左端面が、右側の側板34を左側に押す。ワッシャー53は省略してもよく、また、ナット57とワッシャー53を一体的に成形してもよい。
図4は、本発明の実施例1の固定カム6単体を示す部品図であって、(1)は(2)の左側面図、(2)は(1)のB−B断面図、(3)は(2)の右側面図である。図5(1)は、本発明の実施例1の固定カム6の第1の凸部622がチルト位置調整用長溝35に係合している状態を示す説明図、(2)は本発明の実施例1の固定カム6の第2の凸部623がテレスコピック位置調整用長溝16に係合している状態を示す説明図である。
図3、図4に示すように、固定カム6は、カム部材61と回り止め部材62の二つの部品を嵌合して構成されている。カム部材61は、機械構造用炭素鋼(S50C〜S60C)や、炭素工具鋼(SK3〜SK5)等の高炭素鋼を焼き入れした材料で形成するのが好ましい。また、カム部材61は、クロムモリブデン鋼(SCM21〜SCM23)等の低炭素鋼を浸炭焼き入れした材料で形成しても良く、冷間圧延鋼板(SPCC)や熱間圧延鋼板(SPHC)をプレス成形しても良い。
カム部材61は、亜鉛メッキ、硬質クロムメッキ、バレル研磨、ラッピング加工等の表面処理を行って、摩擦係数を小さくし、操作レバーの操作力が軽くなるようにするのが好ましい。
回り止め部材62は、カム部材の材料よりも硬度の小さい材料、例えば、対油性が良好で摺動抵抗が小さなポリアセタール、または、ナイロン等の合成樹脂で形成するのが好ましい。回り止め部材62の強度を大きくするために、ガラス繊維、カーボン繊維、ミネラル等を添加した合成樹脂でも良い。また、回り止め部材62は、アルミニウム、銅、砲金、真鍮等の、鉄材料よりも硬度の小さい、非鉄金属でも良い。
鉄材料で成形したカム部材61を金型内に装填し、回り止め部材62の材料となる合成樹脂を充填することで、カム部材61と回り止め部材62を一体成形する、いわゆるインサート成形によって固定カム6を形成しても良い。
カム部材61は、全体が円盤状に形成され、その軸心には、締付けロッド5が貫通する円形の貫通孔612が形成され、その円筒状の外周614には、180度対向した位置(図4(1)の上下方向)に、矩形の係止溝613、613が形成されている。また、カム部材61には、可動カム54に対向する端面(図4(2)の左端面)に、可動カム54のカム面に係合するカム面611が形成されている。
回り止め部材62は、カム部材61よりも大径の円筒部621と、図4(2)で見て、円筒部621の右側に形成された矩形断面の第1の凸部622と、第1の凸部622の右側に形成された矩形断面の第2の凸部623で構成されている。
第1の凸部622と、第2の凸部623の軸心には、締付けロッド5が貫通する円形の貫通孔624が形成されている。また、円筒部621には、カム部材61の外周614に外嵌する円形孔6211が形成され、円筒部621には、180度対向した位置(図4(1)の上下方向)に、矩形の係止突起6212、6212が形成されている。
円筒部621の円形孔6211に、カム部材61の外周614を内嵌すると、円筒部621の係止突起6212、6212が、カム部材61の矩形の係止溝613、613に嵌合し、円筒部621に対してカム部材61を相対回転不能に係止する。円筒部621の係止突起6212、6212と、カム部材61の係止溝613、613によって、第1の係止部が構成されている。
第1の凸部622は、図4(2)、(3)の上下方向に平行に長く延びている。図5(1)に示すように、この第1の凸部622がチルト位置調整用長溝35に嵌入して、回り止め部材62を車体取付けブラケット3に対して回り止めする。また、アッパーコラム11のチルト位置調整時に、チルト位置調整用長溝35に沿って、回り止め部材62が摺動する。
第2の凸部623は、図4(3)の左右方向に平行に長く延びている。図5(2)に示すように、この第2の凸部623がテレスコピック位置調整用長溝16に嵌入して、回り止め部材62をディスタンスブラケット13に対して回り止めする。また、アッパーコラム11のテレスコピック位置調整時に、第2の凸部623に沿って、テレスコピック位置調整用長溝16を案内する。
図3に示すように、可動カム54の左側面に形成された凸部541、541が、操作レバー55に形成された凹部551に係合しているため、操作レバー55を手で回動操作すると、可動カム54が固定カム6に対して回動する。
操作レバー55をクランプ方向に回動すると、カム部材61のカム面611の山に可動カム54のカム面の山が乗り上げ、締付けロッド5を図3の左側に引っ張ると同時に、カム部材61、回り止め部材62を図3の右側に押す。
右側の側板34は、ワッシャー53の左端面によって図3の左側に押され、側板34を内側に変形させる。すると、右側の側板34の内側面341が、ディスタンスブラケット13の側板15を強く押す。
同時に、左側の側板33は、固定カム6の円筒部621の右端面6213によって右側に押され、側板33を内側に変形させる。すると、側板33の内側面331が、ディスタンスブラケット13の側板14を強く押す。
このようにして、アッパーコラム11のディスタンスブラケット13を、車体取付けブラケット3にチルト締付け及びテレスコ締付けすることができる。従って、車体取付けブラケット3に対してアッパーコラム11が固定され、アッパーコラム11のチルト方向の変位及びテレスコ方向の変位が阻止される。
次に、運転者が操作レバー55を締付解除方向に回動すると、車体取付けブラケット3の側板33、34が、挟持方向と反対の方向へそれぞれ弾性復帰する。そのため、アッパーコラム11は、車体取付けブラケット3の側板33、34に対してフリーな状態となる。この状態で、固定カム6の第1の凸部622をチルト位置調整用長溝35に案内させつつチルト方向に変位させて、ステアリングホイール121のチルト方向の調整を任意に行うことができる。
また、固定カム6の第2の凸部623に沿って、ディスタンスブラケット13のテレスコピック位置調整用長溝16を案内させつつ、アッパーコラム11をテレスコ方向に変位させることで、ステアリングホイール121のテレスコ方向の調整を任意に行うことができる。
実施例1では、固定カム6のカム部材61は、硬度が大きく摩擦係数の小さな材料で成形するため、耐久性が大きく、操作レバーの操作力を小さくすることができる。また、固定カム6の回り止め部材62は、カム部材61よりも硬度の小さな合成樹脂等で成形するため、チルト位置調整用長溝35またはテレスコピック位置調整用長溝16に沿って滑らかに摺動させることができる。
また、チルト位置調整端またはテレスコピック位置調整端で、チルト位置調整用長溝35またはテレスコピック位置調整用長溝16の溝端部に、第1の凸部622または第2の凸部623が当接した時の打音が小さくなる。
次に本発明の実施例2について説明する。図6は本発明の実施例2の固定カム6単体を示す部品図であって、(1)は(2)の左側面図、(2)は(1)のC−C断面図、(3)は(2)の右側面図である。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、同一部品には同一番号を付して説明する。
実施例2は、実施例1の変形例であって、回り止め部材62に対してカム部材61を相対回転不能に係止する第1の係止部の形状を変更した例である。
図6に示すように、実施例2においても、固定カム6は、カム部材61と回り止め部材62の二つの部品を嵌合して構成されている。カム部材61及び回り止め部材62の材料は、実施例1と同様であるので、詳細な説明は省略する。
カム部材61は、全体が円盤状に形成され、その軸心には、締付けロッド5が貫通する円形の貫通孔612が形成され、貫通孔612の周囲には、180度対向した位置に、貫通孔612に平行で、円形断面の係止孔615、615が形成されている。また、カム部材61には、可動カム54に対向する端面(図6(2)の左端面)に、可動カム54のカム面に係合するカム面611が形成されている。
回り止め部材62は、カム部材61よりも大径の円筒部621と、図6(2)で見て円筒部621の右側に形成された矩形断面の第1の凸部622と、第1の凸部622の右側に形成された矩形断面の第2の凸部623で構成されている。
第1の凸部622と、第2の凸部623の軸心には、締付けロッド5が貫通する円形の貫通孔624が形成されている。また、円筒部621には、カム部材61の外周614に外嵌する円形孔6211が形成されている。第1の凸部622には、180度対向した位置に、円筒形の係止突起6221、6221が形成されている。
円筒部621の円形孔6211に、カム部材61の外周614を内嵌すると、第1の凸部622の円筒形の係止突起6221、6221が、カム部材61の円形断面の係止孔615、615に嵌合し、第1の凸部622に対してカム部材61を相対回転不能に係止する。第1の凸部622の円筒形の係止突起6221、6221と、カム部材61の係止孔615、615によって、実施例2の第1の係止部が構成されている。
次に本発明の実施例3について説明する。図7は本発明の実施例3の固定カム6単体を示す部品図であって、(1)は(2)の左側面図、(2)は(1)のD−D断面図、(3)は(2)の右側面図である。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、同一部品には同一番号を付して説明する。
実施例3は、実施例1の変形例であって、回り止め部材62に対してカム部材61を相対回転不能に係止する第1の係止部の形状を変更した例である。
図7に示すように、実施例3においても、固定カム6は、カム部材61と回り止め部材62の二つの部品を嵌合して構成されている。カム部材61及び回り止め部材62の材料は、実施例1と同様であるので、詳細な説明は省略する。
カム部材61は、全体が円盤状に形成され、その軸心には、締付けロッド5が貫通する円形の貫通孔612が形成され、その円筒状の外周614には、180度対向した位置に、矩形の係止突起616、616が形成されている。また、カム部材61には、可動カム54に対向する端面(図7(2)の左端面)に、可動カム54のカム面に係合するカム面611が形成されている。
回り止め部材62は、カム部材61よりも大径の円筒部621と、図7(2)で見て円筒部621の右側に形成された矩形断面の第1の凸部622と、第1の凸部622の右側に形成された矩形断面の第2の凸部623で構成されている。
第1の凸部622と、第2の凸部623の軸心には、締付けロッド5が貫通する円形の貫通孔624が形成されている。また、円筒部621には、カム部材61の外周614に外嵌する円形孔6211が形成され、円筒部621には、180度対向した位置に、矩形の係止溝6214、6214が形成されている。
円筒部621の円形孔6211に、カム部材61の外周614を内嵌すると、円筒部621の矩形の係止溝6214、6214が、カム部材61の矩形の係止突起616、616に嵌合し、円筒部621に対してカム部材61を相対回転不能に係止する。円筒部621の係止溝6214、6214と、カム部材61の係止突起616、616によって、実施例3の第1の係止部が構成されている。
次に本発明の実施例4について説明する。図8は本発明の実施例4の固定カム6単体を示す部品図であって、(1)は(2)の左側面図、(2)は(1)のE−E断面図、(3)は(2)の右側面図である。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、同一部品には同一番号を付して説明する。
実施例4は、実施例2の変形例であって、実施例2の第1の係止部の係止孔と係止突起の配置を逆にした例である。
図8に示すように、実施例4においても、固定カム6は、カム部材61と回り止め部材62の二つの部品を嵌合して構成されている。カム部材61及び回り止め部材62の材料は、実施例1と同様であるので、詳細な説明は省略する。
カム部材61は、全体が円盤状に形成され、その軸心には、締付けロッド5が貫通する円形の貫通孔612が形成され、貫通孔612の周囲には、180度対向した位置に、貫通孔612に平行で、回り止め部材62側(図8(2)の右側)に突出する、円筒形の係止突起617、617が形成されている。また、カム部材61には、可動カム54に対向する端面(図8(2)の左端面)に、可動カム54のカム面に係合するカム面611が形成されている。
回り止め部材62は、カム部材61よりも大径の円筒部621と、図8(2)で見て円筒部621の右側に形成された矩形断面の第1の凸部622と、第1の凸部622の右側に形成された矩形断面の第2の凸部623で構成されている。
第1の凸部622と、第2の凸部623の軸心には、締付けロッド5が貫通する円形の貫通孔624が形成されている。また、円筒部621には、カム部材61の外周614に外嵌する円形孔6211が形成されている。第1の凸部622には、180度対向した位置に、円形断面の係止孔6222、6222が、軸方向に貫通して形成されている。
円筒部621の円形孔6211に、カム部材61の外周614を内嵌すると、第1の凸部622の円形断面の係止孔6222、6222に、カム部材61の円筒形の係止突起617、617が嵌合し、第1の凸部622に対してカム部材61を相対回転不能に係止する。第1の凸部622の円形断面の係止孔6222、6222と、カム部材61の円筒形の係止突起617、617によって、実施例4の第1の係止部が構成されている。
次に本発明の実施例5について説明する。図9は本発明の実施例5の固定カム6単体を示す部品図であって、(1)は(2)の左側面図、(2)は(1)のF−F断面図、(3)は(2)の右側面図である。図10は本発明の実施例5の固定カム6の第1の凸部622がテレスコピック位置調整用長溝16に係合している状態を示す説明図である。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、同一部品には同一番号を付して説明する。
実施例5は、実施例1の変形例であって、実施例1の回り止め部材62の第2の凸部623を省略した例である。
図9に示すように、実施例5においても、固定カム6は、カム部材61と回り止め部材62の二つの部品を嵌合して構成されている。カム部材61及び回り止め部材62の材料は、実施例1と同様であるので、詳細な説明は省略する。
カム部材61は、全体が円盤状に形成され、その軸心には、締付けロッド5が貫通する円形の貫通孔612が形成され、その円筒状の外周614には、180度対向した位置に、矩形の係止溝613、613が形成されている。また、カム部材61には、可動カム54に対向する端面(図9(2)の左端面)に、可動カム54のカム面に係合するカム面611が形成されている。
回り止め部材62は、カム部材61よりも大径の円筒部621と、図9(2)で見て、円筒部621の右側に形成された矩形断面の第1の凸部622で構成され、第2の凸部623は省略されている。
第1の凸部622の軸心には、締付けロッド5が貫通する円形の貫通孔624が形成されている。また、円筒部621には、カム部材61の外周614に外嵌する円形孔6211が形成され、円筒部621には、180度対向した位置に、矩形の係止突起6212、6212が形成されている。実施例5の第1の係止部は、実施例1と同様に、円筒部621の係止突起6212、6212と、カム部材61の係止溝613、613によって構成されている。
実施例5の固定カム6は、チルト位置調整だけが可能なチルト式のステアリング装置に適用して好適な構成である。すなわち、回り止め部材62の第1の凸部622は、図9(2)、(3)の上下方向に長く延び、この第1の凸部622がチルト位置調整用長溝35(図3参照)に嵌入して、回り止め部材62を車体取付けブラケット3に対して回り止めする。また、アッパーコラム11のチルト位置調整時に、チルト位置調整用長溝35に沿って、回り止め部材62を摺動させることができる。
さらに、実施例5の固定カム6は、テレスコピック位置調整だけが可能なテレスコピック式のステアリング装置に適用することもできる。すなわち、図9(3)で見て、固定カム6を90度回転して、締付けロッド5に組み込み、図10に示すように、第1の凸部622をテレスコピック位置調整用長溝16に嵌入して、回り止め部材62をディスタンスブラケット13に対して回り止めする。これによって、アッパーコラム11のテレスコピック位置調整時に、第1の凸部622に沿って、テレスコピック位置調整用長溝16を案内することができる。
次に本発明の実施例6について説明する。図11は本発明の実施例6の固定カム6単体を示す部品図であって、(1)は(2)の左側面図、(2)は(1)のG−G断面図、(3)は(2)の右側面図である。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、同一部品には同一番号を付して説明する。
実施例6は、実施例2の変形例であって、実施例2の回り止め部材62の第2の凸部623を省略した例である。
図11に示すように、実施例6においても、固定カム6は、カム部材61と回り止め部材62の二つの部品を嵌合して構成されている。カム部材61及び回り止め部材62の材料は、実施例1と同様であるので、詳細な説明は省略する。
カム部材61は、全体が円盤状に形成され、その軸心には、締付けロッド5が貫通する円形の貫通孔612が形成され、貫通孔612の周囲には、180度対向した位置に、貫通孔612に平行で、円形断面の係止孔615、615が形成されている。また、カム部材61には、可動カム54に対向する端面(図11(2)の左端面)に、可動カム54のカム面に係合するカム面611が形成されている。
回り止め部材62は、カム部材61よりも大径の円筒部621と、図11(2)で見て、円筒部621の右側に形成された矩形断面の第1の凸部622で構成され、第2の凸部623は省略されている。
第1の凸部622の軸心には、締付けロッド5が貫通する円形の貫通孔624が形成されている。また、円筒部621には、カム部材61の外周614に外嵌する円形孔6211が形成されている。第1の凸部622には、180度対向した位置に、円筒形の係止突起6221、6221が形成されている。実施例6の第1の係止部は、実施例2と同様に、第1の凸部622の係止突起6221、6221と、カム部材61の係止孔615、615によって構成されている。
実施例6の固定カム6は、実施例5と同様に、チルト位置調整だけが可能なチルト式のステアリング装置、または、テレスコピック位置調整だけが可能なテレスコピック式のステアリング装置に適用して好適な構成である。
次に本発明の実施例7について説明する。図12は本発明の実施例7の固定カム6単体を示す部品図であって、(1)は(2)の左側面図、(2)は(1)のH−H断面図、(3)は(2)の右側面図である。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、同一部品には同一番号を付して説明する。
実施例7は、実施例3の変形例であって、実施例3の回り止め部材62の第2の凸部623を省略した例である。
図12に示すように、実施例7においても、固定カム6は、カム部材61と回り止め部材62の二つの部品を嵌合して構成されている。カム部材61及び回り止め部材62の材料は、実施例1と同様であるので、詳細な説明は省略する。
カム部材61は、全体が円盤状に形成され、その軸心には、締付けロッド5が貫通する円形の貫通孔612が形成され、その円筒状の外周614には、180度対向した位置に、矩形の係止突起616、616が形成されている。また、カム部材61には、可動カム54に対向する端面(図12(2)の左端面)に、可動カム54のカム面に係合するカム面611が形成されている。
回り止め部材62は、カム部材61よりも大径の円筒部621と、図12(2)で見て、円筒部621の右側に形成された矩形断面の第1の凸部622で構成され、第2の凸部623は省略されている。
第1の凸部622の軸心には、締付けロッド5が貫通する円形の貫通孔624が形成されている。また、円筒部621には、カム部材61の外周614に外嵌する円形孔6211が形成され、円筒部621には、180度対向した位置に、矩形の係止溝6214、6214が形成されている。実施例7の第1の係止部は、実施例3と同様に、円筒部621の矩形の係止溝6214、6214と、カム部材61の係止突起616、616によって構成されている。
実施例7の固定カム6は、実施例5と同様に、チルト位置調整だけが可能なチルト式のステアリング装置、または、テレスコピック位置調整だけが可能なテレスコピック式のステアリング装置に適用して好適な構成である。
次に本発明の実施例8について説明する。図13は本発明の実施例8の固定カム6単体を示す部品図であって、(1)は(2)の左側面図、(2)は(1)のJ−J断面図、(3)は(2)の右側面図である。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、同一部品には同一番号を付して説明する。
実施例8は、実施例4の変形例であって、実施例4の回り止め部材62の第2の凸部623を省略した例である。
図13に示すように、実施例8においても、固定カム6は、カム部材61と回り止め部材62の二つの部品を嵌合して構成されている。カム部材61及び回り止め部材62の材料は、実施例1と同様であるので、詳細な説明は省略する。
カム部材61は、全体が円盤状に形成され、その軸心には、締付けロッド5が貫通する円形の貫通孔612が形成され、貫通孔612の周囲には、180度対向した位置に、貫通孔612に平行で、回り止め部材62側(図13(2)の右側)に突出する、円筒形の係止突起617、617が形成されている。また、カム部材61には、可動カム54に対向する端面(図13(2)の左端面)に、可動カム54のカム面に係合するカム面611が形成されている。
回り止め部材62は、図13(2)で見て、カム部材61の右側に形成された矩形断面の第1の凸部622だけで構成され、円筒部621及び第2の凸部623は省略されている。
第1の凸部622の軸心には、締付けロッド5が貫通する円形の貫通孔624が形成されている。第1の凸部622には、180度対向した位置に、円形断面の係止孔6222、6222が、軸方向に貫通して形成されている。実施例8の第1の係止部は、実施例4と同様に、第1の凸部622の円形断面の係止孔6222、6222と、カム部材61の円筒形の係止突起617、617によって構成されている。
実施例8の固定カム6は、実施例5と同様に、チルト位置調整だけが可能なチルト式のステアリング装置、または、テレスコピック位置調整だけが可能なテレスコピック式のステアリング装置に適用して好適な構成である。
次に本発明の実施例9について説明する。図14は本発明の実施例9の固定カム6単体を示す部品図であって、(1)は(2)の左側面図、(2)は(1)のK−K断面図である。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、同一部品には同一番号を付して説明する。
実施例9は、実施例1の変形例である。実施例1には、回り止め部材62に対してカム部材61を相対回転不能に係止する第1の係止部だけが形成されている。実施例9は、回り止め部材62に対してカム部材61を軸方向に相対移動不能に係止する第2の係止部を追加した例である。
図14に示すように、実施例9においても、固定カム6は、カム部材61と回り止め部材62の二つの部品を嵌合して構成されている。カム部材61及び回り止め部材62の材料は、実施例1と同様であるので、詳細な説明は省略する。
カム部材61は、全体が円盤状に形成され、その軸心には、締付けロッド5が貫通する円形の貫通孔612が形成され、その円筒状の外周614には、180度対向した位置に、矩形の係止溝613、613が形成されている。また、カム部材61には、可動カム54に対向する端面(図14(2)の左端面)に、可動カム54のカム面に係合するカム面611が形成されている。
回り止め部材62は、カム部材61よりも大径の円筒部621と、図14(2)で見て、円筒部621の右側に形成された矩形断面の第1の凸部622と、第1の凸部622の右側に形成された矩形断面の第2の凸部623で構成されている。
第1の凸部622と、第2の凸部623の軸心には、締付けロッド5が貫通する円形の貫通孔624が形成されている。また、円筒部621には、カム部材61の外周614に外嵌する円形孔6211が形成され、円筒部621には、180度対向した位置に、矩形の係止突起6212、6212が形成されている。
矩形の係止突起6212、6212は、カム部材61の左端面618を越えて図14(2)の左側に若干延び、また、カム部材61の係止溝613、613を越えて、カム部材61の軸心側に若干延びて、爪状の係止突起6215、6215が形成されている。
すなわち、実施例9では、回り止め部材62に対してカム部材61を相対回転不能に係止する第1の係止部が、実施例1と同様に、円筒部621の係止突起6212、6212と、カム部材61の係止溝613、613によって構成されている。また、回り止め部材62に対してカム部材61を軸方向に相対移動不能に係止する第2の係止部は、円筒部621の爪状の係止突起6215、6215が、カム部材61の左端面618を係止する構造によって構成されている。
次に本発明の実施例10について説明する。図15は本発明の実施例10の固定カム6単体を示す部品図であって、(1)は左側面図、(2)は右側面図、(3)は、可動カム54が所定角度回動して、固定カム6の回転角度規制部材に当接した状態を示す(1)相当図である。以下の説明では、上記実施例と異なる構造部分についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、同一部品には同一番号を付して説明する。
実施例10は、実施例1の変形例であって、固定カム6に対する可動カム54の回動角度を所定角度に規制する回転角度規制部材を追加した例である。
図15に示すように、実施例10においても、固定カム6は、カム部材61と回り止め部材62の二つの部品を嵌合して構成されている。カム部材61及び回り止め部材62の材料は、実施例1と同様であるので、詳細な説明は省略する。
カム部材61は、全体が円盤状に形成され、その軸心には、締付けロッド5が貫通する円形の貫通孔612が形成され、その円筒状の外周614には、180度対向した位置に、矩形の係止溝613、613が形成されている。また、カム部材61には、可動カム54に対向する端面(図15(1)の正面)に、可動カム54のカム面に係合するカム面611が形成されている。
回り止め部材62は、カム部材61よりも大径で、180度対向した位置に形成された円弧状部625、625と、図15(1)で見て、円弧状部625、625の背面側に形成された矩形断面の第1の凸部622と、第1の凸部622の背面側に形成された矩形断面の第2の凸部623で構成されている。
第1の凸部622と、第2の凸部623の軸心には、締付けロッド5が貫通する円形の貫通孔624が形成されている。また、円弧状部625、625には、カム部材61の外周614に外嵌する円弧状孔6251、6251が形成され、円弧状部625、625の内側には、180度対向した位置に、矩形の係止突起6252、6252が形成されている。
すなわち、実施例10では、回り止め部材62に対してカム部材61を相対回転不能に係止する第1の係止部が、円弧状部625、625の係止突起6252、6252と、カム部材61の係止溝613、613によって構成されている。
図15(1)に二点鎖線で示すように、可動カム54の外周には、回り止め部材62の円弧状部625、625と同一内径、同一外径の円弧状部542、542が、180度対向した位置に形成されている。
図15(1)は、操作レバー55をクランプ方向に回動し、アッパーコラム11のディスタンスブラケット13を、車体取付けブラケット3にチルト締付け及びテレスコ締付した状態を示す。
操作レバー55のクランプ方向への回動操作が完了すると、可動カム54の円弧状部542、542の円周方向の端面5421、5421が、回り止め部材62の円弧状部625、625の円周方向の端面6253、6253に当接する。従って、クランプ操作時に、固定カム6に対する可動カム54の回動角度を所定角度に規制し、過剰な負荷が固定カム6や可動カム54のカム面に作用することを防止する。
図15(3)は、操作レバー55を締付解除方向に回動し、アッパーコラム11のディスタンスブラケット13を、車体取付けブラケット3にチルト締付け解除及びテレスコ締付け解除した状態を示す。
操作レバー55のアンクランプ方向への回動操作が完了すると、可動カム54の円弧状部542、542の円周方向の端面5422が、回り止め部材62の円弧状部625、625の円周方向の端面6254、6254に当接する。従って、アンクランプ操作時に、固定カム6に対する可動カム54の回動角度を所定角度に規制するため、アンクランプ操作が完了したことが運転者に分かり、操作レバー55の操作性が向上する。
上記実施例では、ロアーコラム10がインナーコラム、アッパーコラム11がアウターコラムで構成されているが、ロアーコラム10をアウターコラム、アッパーコラム11をインナーコラムにしてもよい。
また、上記実施例では、チルト位置調整とテレスコピック位置調整の両方が可能なチルト・テレスコピック式のステアリング装置に本発明を適用した場合について説明したが、テレスコピック位置調整だけが可能なテレスコピック式のステアリング装置、または、チルト位置調整だけが可能なチルト式のステアリング装置に本発明を適用してもよい。
本発明のステアリング装置を車両に取り付けた状態を示す全体斜視図である。 本発明の実施例1のステアリング装置の要部を示す一部を断面した正面図である。 図2のA−A断面図であって、車体取付けブラケットとアッパーコラムのクランプ部近傍を示す。 本発明の実施例1の固定カム単体を示す部品図であって、(1)は(2)の左側面図、(2)は(1)のB−B断面図、(3)は(2)の右側面図である。 (1)は本発明の実施例1の固定カムの凸部がチルト位置調整用長溝に係合している状態を示す説明図、(2)は本発明の実施例1の固定カムの凸部がテレスコピック位置調整用長溝に係合している状態を示す説明図である。 本発明の実施例2の固定カム単体を示す部品図であって、(1)は(2)の左側面図、(2)は(1)のC−C断面図、(3)は(2)の右側面図である。 本発明の実施例3の固定カム単体を示す部品図であって、(1)は(2)の左側面図、(2)は(1)のD−D断面図、(3)は(2)の右側面図である。 本発明の実施例4の固定カム単体を示す部品図であって、(1)は(2)の左側面図、(2)は(1)のE−E断面図、(3)は(2)の右側面図である。 本発明の実施例5の固定カム単体を示す部品図であって、(1)は(2)の左側面図、(2)は(1)のF−F断面図、(3)は(2)の右側面図である。 本発明の実施例5の固定カムの凸部がテレスコピック位置調整用長溝に係合している状態を示す説明図である。 本発明の実施例6の固定カム単体を示す部品図であって、(1)は(2)の左側面図、(2)は(1)のG−G断面図、(3)は(2)の右側面図である。 本発明の実施例7の固定カム単体を示す部品図であって、(1)は(2)の左側面図、(2)は(1)のH−H断面図、(3)は(2)の右側面図である。 本発明の実施例8の固定カム単体を示す部品図であって、(1)は(2)の左側面図、(2)は(1)のJ−J断面図、(3)は(2)の右側面図である。 本発明の実施例9の固定カム単体を示す部品図であって、(1)は(2)の左側面図、(2)は(1)のK−K断面図である。 本発明の実施例10の固定カム単体を示す部品図であって、(1)は左側面図、(2)は右側面図、(3)は、可動カムが所定角度回動して、固定カムの回転角度規制部材に当接した状態を示す(1)相当図である。
符号の説明
1 コラム
10 ロアーコラム(インナーコラム)
11 アッパーコラム(アウターコラム)
12 ステアリングシャフト
12A 上部ステアリングシャフト
12B 下部ステアリングシャフト
121 ステアリングホイール
13 ディスタンスブラケット
14、15 側板
16、17 テレスコピック位置調整用長溝
18 車体
21 自在継手
22 中間シャフト
221 中間インナーシャフト
222 中間アウターシャフト
23 自在継手
24 ステアリングギヤ
25 タイロッド
26 下部車体取付けブラケット
27 枢動ピン
28 ブラケット
3 車体取付けブラケット
32 上板
33、34 側板
331、341 内側面
35、36 チルト位置調整用長溝
5 締付けロッド
51 頭部
53 ワッシャー
54 可動カム
541 凸部
542 円弧状部
5421 端面
5422 端面
55 操作レバー
551 凹部
56 スラスト軸受
57 ナット
58 雄ねじ
6 固定カム
61 カム部材
611 カム面
612 貫通孔
613 係止溝
614 外周
615 係止孔
616 係止突起
617 係止突起
618 左端面
62 回り止め部材
621 円筒部
6211 円形孔
6212 係止突起
6213 右端面
6214 係止溝
6215 係止突起
622 第1の凸部
6221 係止突起
6222 係止孔
623 第2の凸部
624 貫通孔
625 円弧状部
6251 円弧状孔
6252 係止突起
6253 端面
6254 端面

Claims (8)

  1. 車体に取付け可能な車体取付けブラケット、
    上記車体取付けブラケットにチルト位置又はテレスコピック位置の少なくともいずれか一方の位置が調整可能に支持されると共に、ステアリングホイールを装着したステアリングシャフトを回動可能に軸支したコラム、
    所望のチルト位置又はテレスコピック位置の少なくともいずれか一方の位置で上記車体取付けブラケットに上記コラムを締付けてクランプするために、上記車体取付けブラケットに形成されたチルト位置調整用長溝、または、上記コラムに形成されたテレスコピック位置調整用長溝の少なくともいずれか一方に挿通された締付けロッド、
    上記締付けロッドの一端に支承され上記車体取付けブラケットの一側面を上記コラムに押圧する固定カム、
    上記締付けロッドの一端に上記固定カムに対向して操作レバーとともに回動可能に支承された可動カム、
    上記固定カムと可動カムの対向する面に各々設けられ、上記固定カムに対して可動カムを相対的に軸方向に押圧するカム面を備えたステアリング装置において、
    上記固定カムは、
    上記可動カムのカム面に係合するカム面を有するカム部材、
    上記カム部材とは別部品で構成され、上記チルト位置調整用長溝またはテレスコピック位置調整用長溝の少なくともいずれか一方に係合する凸部によって、上記可動カムに対して相対回転不能で、上記カム部材の材料よりも硬度の小さい材料で形成された回り止め部材、
    上記カム部材と回り止め部材との間に形成され、回り止め部材に対してカム部材を相対回転不能に係止する第1の係止部からなるステアリング装置において、
    上記回り止め部材の凸部は、
    上記チルト位置調整用長溝に係合する第1の凸部又はテレスコピック位置調整用長溝に係合する第2の凸部の少なくとも一方からなること
    を特徴とするステアリング装置。
  2. 請求項1に記載されたステアリング装置において、
    上記回り止め部材とカム部材との間に形成され、上記回り止め部材に対してカム部材を軸方向に相対移動不能に係止する第2の係止部を備えたこと
    を特徴とするステアリング装置。
  3. 請求項1に記載されたステアリング装置において、
    上記固定カムと可動カムとの間に形成され、固定カムに対する可動カムの回動角度を所定角度に規制する回転角度規制部材を備えたこと
    を特徴とするステアリング装置。
  4. 請求項1に記載されたステアリング装置において、
    上記回り止め部材の材料が合成樹脂であること
    を特徴とするステアリング装置。
  5. 請求項に記載されたステアリング装置において、
    上記合成樹脂がポリアセタールまたはナイロンであること
    を特徴とするステアリング装置。
  6. 請求項に記載されたステアリング装置において、
    上記合成樹脂が、ガラス繊維、カーボン繊維、ミネラルのうちの少なくとも一つを添加した合成樹脂であること
    を特徴とするステアリング装置。
  7. 請求項1に記載されたステアリング装置において、
    上記回り止め部材の材料が、アルミニウム、銅、砲金、真鍮のうちの一つであること
    を特徴とするステアリング装置。
  8. 請求項1に記載されたステアリング装置において、
    上記カム部材の材料が、高炭素鋼または低炭素鋼を焼き入れした材料であること
    を特徴とするステアリング装置。
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