JP2010241187A - ステアリングコラム装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】組立て性を向上できるステアリングコラム装置を提供する。
【解決手段】ロック機構のボルト5の先端に設けられる回転カム17と、この回転カム17に爪部材16cを介して装着される固定カム16とを備え、回転カム17はカム突起17fを有し、固定カム16は、カム突起17fが係合するカム溝16eを有し、ボルト5のロック方向への回動操作時に回転カム17が回転して、カム突起17fが固定カム16のカム溝16eから離脱して表面に当接することにより固定カム16を押圧して固定ジャケット3と可動ジャケット2との間のガタを無くす。
【選択図】図3
【解決手段】ロック機構のボルト5の先端に設けられる回転カム17と、この回転カム17に爪部材16cを介して装着される固定カム16とを備え、回転カム17はカム突起17fを有し、固定カム16は、カム突起17fが係合するカム溝16eを有し、ボルト5のロック方向への回動操作時に回転カム17が回転して、カム突起17fが固定カム16のカム溝16eから離脱して表面に当接することにより固定カム16を押圧して固定ジャケット3と可動ジャケット2との間のガタを無くす。
【選択図】図3
Description
本発明は、ステアリングシャフトを回動可能に支承するコラムジャケットを備えたステアリングコラム装置に関する。
従来、ステアリングコラム装置として、可動ジャケット及び固定ジャケットからなるコラムジャケットと、ボルトを有するロック機構を介して可動ジャケットを上下方向及び軸方向に調整可能に支持するコラムブラケットと、可動ジャケットと固定ジャケットとの間のガタツキを抑制するガタ取り部材とを備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このステアリングコラム装置100は、図19に示すように、軸方向上端にステアリングホイール(図示せず)が固定されるステアリングシャフト101と、このステアリングシャフト101を回動可能に支承するコラムジャケット102と、車体103に取付けられるサポートブラケット104と、各下端がコラムジャケット102の可動ジャケット102aに固定され、サポートブラケット104に取付けられる一対の連結ブラケット105と、サポートブラケット104及び連結ブラケット105を貫通するボルト106と、サポートブラケット104の一端とボルト106の頭部106a間に介設され、ボルト106上に回転可能に組み付けられて相対回転によって軸方向寸法を変更可能なカム機構107,108と、ボルト106に回転可能に組み付けられ、カム機構107,108を操作可能な操作レバー109と、コラムジャケット102の可動ジャケット102aと固定ジャケット102bとの間のガタツキを抑制するガタ取り部材110とを備えている。ガタ取り部材110は、一対の連結ブラケット105間に介設され、ボルト106に挿通されてボルト106と一体に回転可能な円筒部111と、円筒部111より外径方向へ突出し、固定ジャケット102bを可動ジャケット102aの方向へ押圧可能なカム部112とから一体に構成されている。
上記構成では、操作レバー109をロック方向に回動させると、カム機構107,108の作動によりボルト106が図19の左側に引張られてサポートブラケット104及び連結ブラケット105が圧接することにより可動ジャケット102aがロックされる。同時に、ボルト106が回転してガタ取り部材110が連動し、カム部112が固定ジャケット102bを押圧して可動ジャケット102aに対して圧接することにより可動ジャケット102aと固定ジャケット102bとの間のガタを無くすことができる。次いで、操作レバー109をロック解除方向に回動させると、カム機構107,108の作動によりボルト106を介してサポートブラケット104及び連結ブラケット105が圧接する状態が解除されるので、可動ジャケット102aのロック状態が解除される。同時に、ボルト106が回転してガタ取り部材110が連動し、カム部112が固定ジャケット102bを可動ジャケット102aに対して押圧する状態が解除されるので、可動ジャケット102aと固定ジャケット102bとの間に隙間が発生する。
ところで、特許文献1に記載の技術にあっては、ステアリングコラム装置100を組立てる際に、ガタ取り部材110の円筒部111を一対の連結ブラケット105間に介設してボルト106に挿通するとともに、カム部112を適正な状態に芯出して固定ジャケット102bに対してセットする必要があるため、芯出しや組立て作業に煩雑な手間を要し組立て性が劣るという問題があった。
本発明は、上記事情を考慮し、組立て性の向上を図ることができるステアリングコラム装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、相対的に軸方向移動可能に設けられた可動ジャケットと固定ジャケットからなり、ステアリングシャフトを回動可能に支承するコラムジャケットと、車体側に固定され、ボルトを有するロック機構を介して前記可動ジャケットを軸方向に調整可能に支持するコラムブラケットとを備えたステアリングコラム装置であって、互いに対向する前記可動ジャケットの内面と前記固定ジャケットの外面との間に、前記ボルトのロック方向への回動操作によって前記固定ジャケットを前記可動ジャケット側に押圧するガタ押え機構を設け、該ガタ押え機構は、前記ボルトの先端の端面に、且つ回転方向に沿って回転側カム面が該ボルトと一体に設けられる回転カムと、該回転側カム面に対向配置される固定側カム面を具備し、且つ該回転カムに対して回動可能に該回転カムに保持されつつ、具備する係合部によって前記固定ジャケットの外面に該回転カムの回転方向に対して係合し、配置される固定カムとから構成され、該回転側カム面と該固定側カム面のいずれか一方に、他方に向かって突出するカム突起と、該回転側カム面と該固定側カム面の他方に、一方に対して凹形状となり、組付時に該カム突起が係合するカム溝とを有し、前記ボルトのロック方向への回動操作によって前記回転カムが回転することで、前記カム突起が前記カム溝から固定側カム面上へ摺動することにより、前記固定カムが前記固定ジャケットの方向に押圧されることを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のステアリングコラム装置であって、前記固定カムは、可撓性を有し、先端部が前記回転側カム面の裏面側に巻込んで、該回転側カム面に固定側カム面を付勢保持しつつ、該固定カムを前記回転カムに保持する爪部材を備えたことを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項2に記載のステアリングコラム装置であって、前記回転カムは、回転側カム面の裏面側に周縁に向かって徐々に薄くなるガイド部を有し、前記回転カムに前記固定カムを装着して該回転カムを相対回転させると、前記爪部材の先端部が前記ガイド部により案内されて前記回転カムの外周近傍に係合することを特徴としている。
請求項1記載の発明によれば、回転カムに固定カムを保持することによりガタ押え機構をあらかじめ一体化しておくとともに、係合部を固定ジャケットの外面に回転カムの回転方向に対して係合させることで、可動ジャケットの内面と固定ジャケットの外面との間へのガタ押え機構の組立てを容易に行なうことができる。
請求項2記載の発明によれば、ボルトのロック解除方向への回動操作によって回転カムが回転してカム突起が固定カムのカム溝内に移動するので、固定カムにより固定ジャケットを可動ジャケット側に押圧する状態が解除される。このとき、固定カムが爪部材により回転カム側へ付勢されて固定ジャケットから離隔し、可動ジャケットの軸方向への移動時に固定ジャケットが引きずられることを抑制できるので、コラムジャケットが円滑に伸縮することができ、テレスコ摺動性の向上を図ることができる。
また、固定カムと一体に設けられたの先端部が回転カムの裏面側に巻込むことで、回転カムを固定カムに装着した状態が爪部材を介して保たれる。
請求項3記載の発明によれば、回転カムを固定カムに装着して相対回転させると、固定カムと一体に設けられた爪部材の先端部がガイド部により案内されて回転カムの裏面側に係合するので、回転カム及び固定カムを円滑に組立てることができる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。図1〜図18は本発明の一実施形態を示している。
本実施形態のステアリングコラム装置1は、横断面非円形の筒状の可動ジャケット(アッパチューブ)2と、この可動ジャケット2の内部に嵌合される円筒状の固定ジャケット(ロアチューブ)3とを有しており、ステアリングコラム装置1は、図1及び図2の左方(車両前方)を下にして車体に所定角度傾斜した状態で取り付けられている。
可動ジャケット2は、固定ジャケット3に対して軸方向に移動可能であって、その下部が車体側に固定されたコラムブラケット4にボルト5によって軸方向、および軸直角方向に移動可能に取り付けられている。固定ジャケット3は、その上部が可動ジャケット2の内部に嵌合するとともに、その下端部が車体側に上下に回動可能に枢着されている。これら可動ジャケット2と固定ジャケット3によって、ステアリングシャフト6を回動可能に支承するコラムジャケットが構成されている。
上記ステアリングシャフト6は、下部がベアリング(図示せず)によって固定ジャケット3に回転可能に支持されるとともに、固定ジャケット3の下端の車体への枢着部(図示せず)を中心として上下に回動可能に支持されている。ステアリングシャフト6の上部は、ベアリング7によって可動ジャケット2に回転可能に支持されるとともに、その上端部にはステアリングホイール(図示せず)が固定されている。なお、ステアリングシャフト6は、図示を省略したがアッパシャフトとロアシャフトに軸方向に2分割されており、これらのアッパシャフトとロアシャフトは軸方向に摺動可能にスプライン嵌合しているため、ステアリングシャフト6は軸方向に伸縮することができる。また、ステアリングシャフト6の下端部は、パワーステアリング装置等の操舵装置(図示せず)に連結されている。
例えば、運転者が上記ステアリングホイールを左右に回転操作すると、その回転はステアリングシャフト6を経て上記操舵装置に伝達され、前輪(図示せず)が左右に転舵されて車両の左右何れかの方向の操舵がなされる。
ところで、本実施形態に係るステアリングコラム装置1には、運転者の体格や好みに応じてステアリングホイールの高さ位置を調整するチルト機能と、ステアリングホイールの軸方向位置(前後方向位置)を調整するテレスコピック機能とが備えられている。
そのため、コラムブラケット4には上下方向に長い円弧状のチルト孔8が形成され、可動ジャケット2には軸方向に長いテレスコ孔9が形成されており、上記ボルト5はチルト孔8とテレスコ孔9の双方に挿通している。可動ジャケット2と固定ジャケット3及びステアリングシャフト6は、ボルト5がチルト孔8内を上下に移動する範囲内で固定ジャケット3の車体への枢着部を中心として上下に回動することができ、これによってステアリングホイールの高さ位置が調整される(チルト機能)。また、可動ジャケット2とステアリングシャフト6は、テレスコ孔9の長手方向端部がボルト5に当接する範囲内で軸方向に移動することができ、これによってステアリングホイールの軸方向位置が調整される(テレスコピック機能)。
本実施形態では、ステアリングホイールの高さ位置と軸方向位置の固定(ロック)は、ステアリングシャフト6の中心と同じ高さ位置に設けられた単一のセンターロック機構によって行われ、このセンターロック機構にガタ押え機構を付加することによってガタの発生が防止される。以下にガタ押え機構を備えたセンターロック機構の構成について説明する。
図3に示すように、ボルト5は固定ジャケット3の中心と同じ高さ位置の側部に水平にコラム軸線と直交して配置されており、このボルト5は、可動ジャケット2の内側からテレスコ孔9とチルト孔8を貫通しており、スライドカム11、レバーカム10、チルトレバー12及び回り止めプレート13が挿通している。ここで、スライドカム11は、チルト孔8に係合して回転しないように支持されており、レバーカム10にはチルトレバー12が一体に回動するよう嵌合している。また、チルトレバー12には、ボルト5に一体に回動するよう異形嵌合した回り止めプレート13が固定ボルト14によってチルトレバー12と一体に回動するように取り付けられている。そして、ボルト5の端部にはナット15が螺着され、レバーカム10、スライドカム11、チルトレバー12及び回り止めプレート13がボルト5上で軸方向に位置決めされており、レバーカム10とスライドカム11の相対向する面には選択的に係合する凹部と凸部から成るカム突起(図示せず)が形成されている。
上記チルトレバー12を回動操作した場合、これと一体にボルト5とレバーカム10が回動し、レバーカム10のカム突起とスライドカム11のカム突起は凸部と凸部が係合することによって、ボルト5が図3の左方向へ移動し、ボルト5の頭部に形成された後述の回転カム17が可動ジャケット2の垂直部をコラムブラケット4の垂直部に押圧して、可動ジャケット2と固定ジャケット3及びステアリングシャフト6の上下方向の移動(チルト)と可動ジャケット2及びステアリングシャフト6の前後方向の移動(テレスコピック)をロックする。
さらに、図2及び図3に示すように、互いに対向する可動ジャケット2の内面と固定ジャケット3の外周面との間に、略円板状にそれぞれ形成される固定カム16と回転カム17から成るガタ押え機構が設けられている。
固定カム16は、固定ジャケット3と対向する一方の側が係合部として断面V字状に形成され、固定ジャケット3の軸方向に延びるとともに固定ジャケット3の円弧状の外周面に係合する係合溝16aを有し、固定ジャケット3が挿通されるカラー部材16bにより保持される。また、固定カム16は、他方の側に固定側カム面16fが形成され、この固定側カム面16fに、固定カム16と一体に設けられ、先端部が回転カム17の裏面側(後述するガイド部17c、17dが形成された面)に係合可能な一対の爪部材16cと、中心部に設けられて軸方向に延びるとともに、後述する中心軸17eが挿通される挿通孔16dと、回転カム17と対向する他方の側に設けられ、後述する一対のカム突起17fがそれぞれ係合可能な一対のカム溝16eを有している。
上記固定カム16は、固定ジャケット3と対向する一方の側の係合溝16aに固定ジャケット3の外周面が係合する状態で、回転カム17により保持されているので、回転カム17がボルト5とともに回転しても固定カム16は回転しない状態に保たれる。そして、固定カム16は、ロック解除時に固定ジャケット3の外周面に沿って軸方向に移動可能であるが、ロック時に係合溝16aの底面が固定ジャケット3の外周面に押付けられる。
上記一対の爪部材16cは、可撓性を備え、固定ジャケット3の軸方向の両側より回転カム17の裏面側に巻込んで、回転カム17を挟むように設けられており、これら一対の爪部材16cにより、回転カム17を固定カム16に対して装着する弾性部材が構成されている。
一対のカム溝16eは、図10(a)に示すように、固定側カム面16f上に軸心Oを中心として円弧状かつ対称に形成されるとともに、軸心Oより上方及び下方にそれぞれ配置されている。各カム溝16eは、図10(a),(b)に示すように、時計方向に向かうにつれて表面より次第に深くなるように底面が傾斜している。
また、ボルト5の頭部(図示せず)は、可動ジャケット2に形成されたテレスコ孔9を貫通して可動ジャケット2の内面と固定ジャケット3の外周面との間に配設されており、この頭部に回転カム17が一体に形成されている。図12,図13に示すように、回転カム17の回転側カム面17gは固定側カム面16fと、互いに平行で、かつ軸心Oから等距離をおいて配置される平坦部17a,17bを備えた小判形状に形成され、これら平坦部17a,17b間の距離は一対の爪部材16c間の距離より少し小さく設定されている。
平坦部17aの両端部には、爪部材16cの先端部を案内するガイド部17cがそれぞれ設けられ、図12(b)に示すように、ガイド部17cは平坦部17a側の一端では肉厚が薄く、他端に向かうに連れて次第に肉厚が厚くなるように底面が傾斜しているので、爪部材16cの先端部がガイド部17c上を摺動するとともに、爪部材16cが次第に弾性変形される。同様に、他の平坦部17bの両端部にも爪部材16cの先端部を案内するガイド部17dがそれぞれ設けられている。
また、回転カム17は、固定カム16と対向する回転側カム面17gより軸方向に突出し、固定カム16の挿通孔16dに挿通される中心軸17eと、平坦部17a,17bの中間位置より軸方向に突出し、一対のカム溝16eにそれぞれ係合可能な一対のカム突起17fとを備えている。
以上のように構成されたステアリングコラム装置1では、回転カム17を固定カム16に組付ける際に、図14に示すように、まず回転カム17の平坦部17a,17bを図の上下方向に立設した状態で、回転カム17を固定カム16の一対の爪部材16c間に挿入するとともに、中心軸17eの先端側を固定カム16の挿通孔16dに挿入する。このとき、図3に示すように、一対のカム突起17fが固定カム16の一方の面に当接することにより、固定カム16及び回転カム17間に隙間が形成されている。
上記のように回転カム17を固定カム16に装着した後、図14の矢印で示す方向に回転カム17を付勢すると、固定カム16の挿通孔16dに挿入される中心軸17eを回転中心として回転カム17が相対回転するとともに、一対の爪部材16cがガイド部17c,17dにより案内される。このようにして回転カム17を90度回転させると、図15に示すように、一対の爪部材16cが回転カム17の裏面側に係合し、爪部材16cの弾性力により固定カム16及び回転カム17が相対回転可能に連結される。このとき、一対のカム突起17fは一対のカム溝16eに係合するので、図5に示すように、固定カム16及び回転カム17が密着するとともに、図17及び図18に示すように、中心軸17eの先端側が固定カム16の挿通孔16dより突出する。
上記のようにして固定カム16及び回転カム17を一体化するとともにステアリングコラム装置1を組み立てた後、チルトレバー12が図1に示す位置にあるときにはセンターロック機構はロック状態にあって可動ジャケット2と固定ジャケット3及びステアリングシャフト6の上下方向の傾動(チルト)と可動ジャケット2及びステアリングシャフト6の軸方向移動(テレスコピック)はロックされている。
すなわち、チルトレバー12が図1に示す位置にあるときには、レバーカム10とスライドカム11の爪同士が係合してスライドカム11がコラムブラケット4に押圧されるため、コラムブラケット4と可動ジャケット2がスライドカム11と回転カム17によって挟持され、可動ジャケット2の移動がロックされる。
同時に、固定カム16及び回転カム17が相対回転可能に連結されているので、ボルト5の回動によって回転カム17が一体に回動して、図3及び図4に示すように、回転カム17のカム突起17fが固定カム16のカム溝16e内を移動して固定側カム面16fの平坦部に当接することにより、固定カム16及び回転カム17間に隙間が形成される。これにより、固定カム16が図3の右方向へ移動し、固定ジャケット3の外周面が可動ジャケット2の内面に押圧されるため、上下方向及び左右方向のガタの発生を防止することができる。
以上の結果、可動ジャケット2と固定ジャケット3及びステアリングシャフト6の上下の傾動(チルト)と可動ジャケット2とステアリングシャフト6の軸方向移動(テレスコピック)が確実にロックされ、さらに両ジャケット間のガタの発生が防がれてスデアリングホイールを操作する運転者に不快感を与えることがない。
次に、運転者がステアリングホイールの高さ位置や軸方向位置を調整する場合には、図1の実線位置にあるチルトレバー12を矢印a方向(時計方向)に回動させてセンターロック機構のロックを解除すれば良い。
すなわち、チルトレバー12を図1の矢印a方向に回動させると、これと一体にボルト5とレバーカム10及び回転カム17が回動するため、レバーカム10と、スライドカム11のカム突起の凸部と凸部による係合が外れるとともに、図5及び図6に示すように、回転カム17のカム突起17fがカム溝16eに係合する。この結果、コラムブラケット4及び可動ジャケット2のスライドカム11と回転カム17による挟持が解除される。このため、可動ジャケット2と固定ジャケット3及びステアリングシャフト6の上下の傾動(チルト)と可動ジャケット2とステアリングシャフト6の軸方向移動(テレスコピック)のロックが解除され、運転者はステアリングホイールの高さ位置や軸方向位置を任意に調整することができる。そして、調整後はチルトレバー12を図1の矢印b方向(反時計方向)に回動させて実線位置に戻せば、センターロック機構によりロックされてステアリングホイールの高さ位置や軸方向位置が固定される。
以上のように、本実施形態のステアリングコラム装置1によれば、回転カム17に爪部材16cを介して固定カム16を装着することによりガタ押え機構をあらかじめ一体化しておくとともに、組付時に回転カム17のカム突起17fが固定カム16のカム溝16eに係合することによりガタ押え機構がロック解除状態であることから、可動ジャケット2にガタ押え機構を組付けた後でも可動ジャケット2に固定ジャケット3の組立てを容易に行なうことができる。また、固定カム16の挿通孔16dに挿入される中心軸17eを回転中心として回転カム17が相対回転するので、回転カム17と回転カム16との芯出しが容易であり、この点でも組立て性の向上を図ることができる。
本実施形態によれば、組立て後、ボルト5のロック解除方向への回動操作によって回転カム17が回転してカム突起17fが固定カム16のカム溝16eに係合するので、固定カム16により固定ジャケット3を可動ジャケット2側に押圧する状態が解除される。このとき、固定カム16が爪部材16cにより回転カム17側へ付勢されて固定ジャケット3から離隔し、可動ジャケット2の軸方向への移動時に固定ジャケット3が引きずられることを抑制できるので、コラムジャケットが円滑に伸縮することができ、テレスコ摺動性の向上を図ることができる。
本実施形態によれば、固定カム16と一体に設けられた爪部材16cの先端部が回転カム17の外周近傍に係合するので、回転カム17に固定カム16を装着した状態が爪部材16cを介して保たれる。
本実施形態によれば、回転カム17を固定カム16に装着して相対回転させると、固定カム16と一体に設けられた爪部材16cの先端部がガイド部17c,17dにより案内されて回転カム17の外周近傍に係合するので、回転カム17及び固定カム16を円滑に組立てることができる。
なお、本実施の形態では、固定カム16にカム溝16eを設け、回転カム17にカム突起17fを設けたが、逆の構造であっても良い。
また、本実施の形態では、チルト、およびテレスコロックが可能なロック構造であるが、テレスコロックのみ可能なロック構造であっても適用が可能である。
1 ステアリングコラム装置
2 可動ジャケット
3 固定ジャケット
4 コラムブラケット
5 ボルト
6 ステアリングシャフト
16 固定カム
16c 爪部材(弾性部材)
16e カム溝
17 回転カム
17c,17d ガイド部
17f カム突起
2 可動ジャケット
3 固定ジャケット
4 コラムブラケット
5 ボルト
6 ステアリングシャフト
16 固定カム
16c 爪部材(弾性部材)
16e カム溝
17 回転カム
17c,17d ガイド部
17f カム突起
Claims (3)
- 相対的に軸方向移動可能に設けられた可動ジャケットと固定ジャケットからなり、ステアリングシャフトを回動可能に支承するコラムジャケットと、
車体側に固定され、ボルトを有するロック機構を介して前記可動ジャケットを軸方向に調整可能に支持するコラムブラケットとを備えたステアリングコラム装置であって、
互いに対向する前記可動ジャケットの内面と前記固定ジャケットの外面との間に、前記ボルトのロック方向への回動操作によって前記固定ジャケットを前記可動ジャケット側に押圧するガタ押え機構を設け、
該ガタ押え機構は、
前記ボルトの先端の端面に、且つ回転方向に沿って回転側カム面が該ボルトと一体に設けられる回転カムと、
該回転側カム面に対向配置される固定側カム面を具備し、且つ該回転カムに対して回動可能に該回転カムに保持されつつ、具備する係合部によって前記固定ジャケットの外面に該回転カムの回転方向に対して係合し、配置される固定カムとから構成され、
該回転側カム面と該固定側カム面のいずれか一方に、他方に向かって突出するカム突起と、
該回転側カム面と該固定側カム面の他方に、一方に対して凹形状となり、組付時に該カム突起が係合するカム溝とを有し、
前記ボルトのロック方向への回動操作によって前記回転カムが回転することで、前記カム突起が前記カム溝から固定側カム面上へ摺動することにより、前記固定カムが前記固定ジャケットの方向に押圧されることを特徴とするステアリングコラム装置。 - 請求項1に記載のステアリングコラム装置であって、
前記固定カムは、可撓性を有し、先端部が前記回転側カム面の裏面側に巻込んで、該回転側カム面に固定側カム面を付勢保持しつつ、該固定カムを前記回転カムに保持する爪部材を備えたことを特徴とするステアリングコラム装置。 - 請求項2に記載のステアリングコラム装置であって、
前記回転カムは、回転側カム面の裏面側に周縁に向かって徐々に薄くなるガイド部を有し、
前記回転カムに前記固定カムを装着して該回転カムを相対回転させると、前記爪部材の先端部が前記ガイド部により案内されて前記回転カムの外周近傍に係合することを特徴とするステアリングコラム装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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