JP5082433B2 - 移動体周囲危険度判定方法、装置、およびプログラム - Google Patents

移動体周囲危険度判定方法、装置、およびプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP5082433B2
JP5082433B2 JP2006349939A JP2006349939A JP5082433B2 JP 5082433 B2 JP5082433 B2 JP 5082433B2 JP 2006349939 A JP2006349939 A JP 2006349939A JP 2006349939 A JP2006349939 A JP 2006349939A JP 5082433 B2 JP5082433 B2 JP 5082433B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
obstacle
risk
collision probability
time
vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006349939A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008158969A (ja
Inventor
和昭 麻生
敏樹 金道
将弘 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2006349939A priority Critical patent/JP5082433B2/ja
Publication of JP2008158969A publication Critical patent/JP2008158969A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5082433B2 publication Critical patent/JP5082433B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、移動体の周囲に存在する障害物の情報から移動体の周囲の危険度を判定する移動体周囲危険度判定方法、装置、およびプログラムに関する。
従来、四輪自動車等の車両の安全性を高めるための技術として、車両が障害物に衝突する危険性を判定することによって衝突を防止する技術が知られている。このうち、下記特許文献1では、自車のヨーレートを検出するヨーレートセンサと、自車の速度を検出する速度検出装置と、周囲の障害物の位置や速度を検出するレーダ装置とを備えた衝突防止装置に関する技術が開示されている。
下記特許文献1に記載された技術では、ヨーレートセンサや速度センサによって自車の予測走行軌跡を求め、この予測走行軌跡の両側の所定領域を自車の予測走行エリアとして求める一方、レーダ装置によって検出された障害物の位置と速度から障害物の予測走行軌跡および予測走行エリアを求める。続いて、自車および障害物の各予測走行エリアから両者の衝突点または近接点を算出し、自車と障害物との衝突危険性を判別する。判別結果は、自車の速度制御に適用される。
特許第2799375号公報
しかしながら、上述した技術を含む従来の衝突防止技術では、予測時点における自車との衝突の危険性が小さいものの、将来的にその危険性が大きくなるような障害物を検出できない場合があった。以下、この点について、図27を参照して説明する。
図27は、自車C0および他車C1,C2が、道路R上を同じ方向へ走行している状況を示す図である。同図において、自車C0および他車C1,C2は、それぞれ速度v0およびv1,v2で走行している(v1>v0,v2>v0とする)。また、自車C0と他車C1との距離はL1,自車C0と他車C2との距離はL2であり、L1<L2を満たしている。
従来の衝突防止技術では、図27に示す状況において、例えば自車C0と他車C1,C2との衝突確率をそれぞれ計算し、この衝突確率が所定の閾値よりも大きい障害物を、自車にとって危険な障害物として検出していた。そのため、図27に示す状況では、自車C0からの距離が相対的に近い他車C1との衝突確率の方が他車C2との衝突確率よりも大きくなり、他車C1のみが危険な障害物として検出される場合があった。
ここで、自車C0および他車C1,C2が、図27に示す走行状態を維持する場合を考えると、自車C0から遠ざかっていく他車C1と自車C0との衝突確率は時間とともに低下する一方、自車C0に近づいてくる他車C2と自車C0との衝突確率は時間とともに増加する。このような場合、上述した従来の衝突防止技術では、予測時点の衝突確率のみによってその時点における衝突危険性を判別しているため、他車C2のように、予測時点では衝突確率が小さいものの、将来的に衝突確率が大きくなる障害物を、危険な障害物として検出できない場合があった。
以上説明したように、従来の衝突防止技術では、予想される自車の周囲の状況の変化をふまえた上で、自車の周囲の危険度を判定することができなかった。このため、自車にとって将来的に危険な存在となる可能性のある障害物を適確に検出することができず、移動体の走行時の安全性に重大な影響を及ぼす恐れがあった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、予想される移動体の周囲の状況の変化をふまえた上で、移動体の周囲の危険度を判定することができ、移動体の安全な走行を実現させることができる移動体周囲危険度判定方法、装置、およびプログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様は、移動体の周囲に存在する障害物の位置および内部状態を含む障害物情報を少なくとも記憶する記憶手段を備えたコンピュータが、前記移動体の周囲の危険度を判定する移動体周囲危険度判定方法であって、前記移動体の位置および内部状態に基づいて、前記移動体の進路を生成する移動体進路生成ステップと、前記記憶手段から読み出した前記障害物情報に基づいて、前記障害物がとりうる進路を確率的に予測する障害物進路予測ステップと、前記障害物進路予測ステップで予測した前記障害物がとりうる進路のうち、前記移動体進路生成ステップで生成した前記移動体の進路と干渉する進路を求めることにより、前記移動体と前記障害物との衝突確率を計算する衝突確率計算ステップと、前記衝突確率計算ステップで計算した最新の衝突確率、および当該最新の衝突確率と所定時間前の衝突確率との時間変化量を用いることにより、前記移動体の周囲の危険度を判定する危険度判定ステップと、を有することを特徴とする。
また、上記発明において、前記危険度判定ステップは、前記移動体に対して危険とみなすべき危険障害物を、前記移動体の周囲に存在する障害物の中から所定の判定基準にしたがって検出するとしてもよい。
また、上記発明において、前記判定基準は、前記時間変化量が正である場合、前記時間変化量が大きいほど、前記障害物を危険障害物として検出する際の前記最新の衝突確率の最小値が小さいとしてもよい。
また、上記発明において、前記危険度判定ステップは、前記移動体の周囲に存在する障害物の全体からなる環境の前記移動体に対する危険度を、所定の判定基準にしたがって判定するとしてもよい。
また、上記発明において、前記判定基準は、前記移動体と前記障害物との衝突確率を用いて定められる前記環境の前記移動体に対する環境危険度の時間変化量が正である場合、当該時間変化量が大きいほど、危険であると判定する際の前記環境危険度の最小値が小さいとしてもよい。
また、上記発明において、前記障害物進路予測ステップは、前記障害物の位置および内部状態に基づいて、前記障害物が時間の経過とともにとりうる位置の変化を時間および空間から構成される時空間上での軌跡として生成する軌跡生成ステップと、前記軌跡生成ステップで生成した軌跡を用いることによって前記障害物の進路の確率的な予測演算を行う予測演算ステップと、を含むとしてもよい。
また、上記発明において、前記危険度判定ステップで判定した結果に応じた情報を出力する出力ステップをさらに有するとしてもよい。
本発明の別な態様に係る移動体周囲危険度判定装置は、移動体の位置および内部状態に基づいて、前記移動体の進路を生成する移動体進路生成手段と、前記移動体の周囲に存在する障害物の位置および内部状態を含む障害物情報を少なくとも記憶する記憶手段から読み出した前記障害物情報に基づいて、前記障害物がとりうる進路を確率的に予測する障害物進路予測手段と、前記障害物進路予測手段で予測した前記障害物がとりうる進路のうち、前記移動体進路生成手段で生成した前記移動体の進路と干渉する進路を求めることにより、前記移動体と前記障害物との衝突確率を計算する衝突確率計算手段と、前記衝突確率計算手段で計算した最新の衝突確率、および当該最新の衝突確率と所定時間前の衝突確率との時間変化量を用いることにより、前記移動体の周囲の危険度を判定する危険度判定手段と、を備えたことを特徴とする。
また、上記発明において、前記危険度判定手段は、前記移動体に対して危険とみなすべき危険障害物を、前記移動体の周囲に存在する障害物の中から所定の判定基準にしたがって検出するとしてもよい。
また、上記発明において、前記判定基準は、前記時間変化量が正である場合、前記時間変化量が大きいほど、前記障害物を危険障害物として検出する際の前記最新の衝突確率の最小値が小さいとしてもよい。
また、上記発明において、前記危険度判定手段は、前記移動体の周囲に存在する障害物の全体からなる環境の前記移動体に対する危険度を、所定の判定基準にしたがって判定するとしてもよい。
また、上記発明において、前記判定基準は、前記移動体と前記障害物との衝突確率を用いて定められる前記環境の前記移動体に対する環境危険度の時間変化量が正である場合、当該時間変化量が大きいほど、危険であると判定する際の前記環境危険度の最小値が小さいとしてもよい。
また、上記発明において、前記障害物進路予測手段は、前記障害物の位置および内部状態に基づいて、前記障害物が時間の経過とともにとりうる位置の変化を時間および空間から構成される時空間上での軌跡として生成する軌跡生成手段と、前記軌跡生成手段で生成した軌跡を用いることによって前記障害物の進路の確率的な予測演算を行う予測演算手段と、を有するとしてもよい。
また、上記発明において、前記危険度判定手段で判定した結果に応じた情報を出力する出力手段をさらに備えてもよい。
本発明の別な態様に係る移動体周囲危険度判定プログラムは、上記いずれかの発明に係る移動体周囲危険度判定方法を前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明に係る移動体周囲危険度判定方法、装置、およびプログラムによれば、移動体の周囲の危険度を判定する際、移動体と周囲の障害物との最新の衝突確率、および当該最新の衝突確率と所定時間前の衝突確率との時間変化量を用いて判定を行うことにより、予想される移動体の周囲の状況の変化をふまえて移動体の周囲の危険度を判定することができ、移動体の安全な走行を実現させることができる。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(以後、「実施の形態」と称する)を説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る移動体周囲危険度判定装置の機能構成を示すブロック図である。同図に示す移動体周囲危険度判定装置1は、移動体である四輪自動車等の車両(以後、「自車」と称する)に搭載され、自車の周囲に存在する障害物の情報を用いて自車の周囲の危険度を判定する装置である。
移動体周囲危険度判定装置1は、所定の範囲に存在する物体の位置や内部状態を検知するとともに自車の位置や内部状態を検知するセンサ部2と、センサ部2が検知した自車の情報に基づいて、自車の現在位置からの進路を生成する自車進路生成部3(移動体進路生成手段)と、センサ部2が検知した自車の周囲の情報に基づいて所定の範囲に含まれる障害物を抽出する障害物抽出部4と、障害物抽出部4で抽出した障害物がとりうる進路の確率的な予測を行う障害物進路予測部5と、を備える。
また、移動体周囲危険度判定装置1は、自車進路生成部3で生成した自車進路と障害物進路予測部5で予測した障害物の進路とを用いて自車と障害物との衝突確率を計算する衝突確率計算部6と、衝突確率計算部6の計算結果を用いて、自車と衝突する危険性が高い障害物を検出する危険障害物検出部7(危険度判定手段)と、センサ部2の検知結果や衝突確率計算部6の計算結果を含む各種情報を記憶する記憶部8と、衝突確率計算部6の計算結果を記憶部8へ書き込むとともに、必要な衝突確率の情報を記憶部8から読み出して危険障害物検出部7へ出力する衝突確率入出力部9と、危険障害物検出部7の検出結果を含む各種情報を出力する出力部10と、備える。
センサ部2は、速度センサ、加速度センサ、舵角センサ、角速度センサ、画像センサ、ミリ波レーダ、レーザレーダ等のうち、自車および周囲の物体を検知可能な適当な組み合わせによって構成される。なお、センサ部2が検知する物体の内部状態とは、物体の予測に用いることができるような有益な状態のことであり、好ましくは物体の速度(速さと向きを有する)や角速度(大きさと向きを有する)等の物理量である。
記憶部8は、衝突確率計算部6が計算した自車と障害物との衝突確率を、その障害物の位置や内部状態を含む障害物情報とともに記憶する衝突確率記憶部81を有する。記憶部8は、センサ部2で検知した自車の位置や内部状態に関する情報や、自車進路生成部3で生成した自車進路の情報なども記憶する。このような記憶部8は、本実施の形態1に係る移動体周囲危険度判定プログラムや所定のOSを起動するプログラム等が予め記憶されたROM、各処理の演算パラメータやデータ等を記憶するRAMなどによって実現される。また、記憶部8は、移動体周囲危険度判定装置1に対してコンピュータ読み取り可能な記録媒体を搭載可能なインタフェースを設け、このインタフェースに対応する記録媒体を搭載することによって実現することもできる。
出力部10は、危険障害物検出部7で行われた処理結果に基づいて画像を生成し、この生成した画像を、液晶、プラズマ、有機EL等のディスプレイを用いて表示する表示部101と、危険障害物検出部7の処理結果に応じて所定の警告音を発生する警告音発生部102とを有する。
以上の機能構成を有する移動体周囲危険度判定装置1は、演算および制御機能を有するCPUを備えた電子的な装置(コンピュータ)を用いて実現される。移動体周囲危険度判定装置1が備えるCPUは、移動体周囲危険度判定プログラムを含む各種プログラムやその他の各種情報を記憶部8から読み出すことにより、本実施の形態1に係る移動体周囲危険度判定方法(後述)に関する演算処理を実行する。
なお、本実施の形態1に係る移動体周囲危険度判定プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、フラッシュメモリ、MOディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して広く流通させることも可能である。
次に、本実施の形態1に係る移動体周囲危険度判定方法について説明する。図2は、本実施の形態1に係る移動体周囲危険度判定方法の処理の概要を示すフローチャートである。以下の説明において、処理対象の物体は全て2次元平面上を移動するものと仮定して説明を行うが、本実施の形態1に係る移動体周囲危険度判定方法は、3次元空間を移動する物体に対しても適用可能である。また、一つの物体が複数の自由度を有する場合(例えば6自由度を有するロボットアームのような物体)にも適用することができる。
図2において、センサ部2は、自車の位置や内部状態を検知し、この検知した情報を記憶部8に格納する(ステップS1)。以後、物体の位置は物体の中心の値であるとする。また、物体の内部状態は、少なくとも物体の速度を含んでおり、その他に加速度や角速度などを含んでもよい。
この後、自車進路生成部3は、センサ部2の検知結果に基づいて自車の進路を生成する(ステップS2)。具体的には、自車進路生成部3は、自車が現状のまま走行した場合の軌跡を生成する。なお、センサ部2が白線等の路面環境を検知することが可能であれば、走行可能なレーンの数に応じた複数の軌跡を自車進路として生成してもよい。
移動体周囲危険度判定装置1は、ステップS1〜S2の処理と並行して、自車の周囲に存在する障害物がとりうる進路を確率的に予測する(ステップS3〜S5)。具体的には、まずセンサ部2が、自車から所定の範囲にある物体の自車に対する位置および内部状態を検知する(ステップS3)。
次に、障害物抽出部4が、センサ部2で検知した結果に基づいて所定の範囲内にある障害物を抽出し、抽出した障害物の位置や内部状態を含む障害物情報を記憶部8に書き込んで記憶させる(ステップS4)。このステップS4では、ステップS3で検知された物体のうち、所定の条件下で障害物とみなすことができる物体が抽出され、それ以外の物体は除外される。
この後、障害物進路予測部5は、記憶部8から現時刻の障害物情報を読み出し、障害物がとりうる複数の進路を確率的に予測する(ステップS5)。このステップS5では、従来知られているさまざまな手法を適用することができる。例えば、現況に応じて障害物がとりうる複数の進路に所定の確率分布を付与することによって進路予測を行ってもよい。
図3は、ステップS5において、障害物の進路に対して付与する確率分布の例を示す図である。具体的には、障害物に対して直進方向を最大とする確率分布曲線ρ1が付与された場合を図示している。この意味で、図3におけるx座標は、道路Rの幅方向の座標であり、その原点は障害物の現在位置を表している。なお、障害物に対して付与する確率分布は、例えば正規分布などに代表されるような単峰性を有していれば好ましいが、その分布関数まで限定されるものではない。
この後、衝突確率計算部6は、障害物進路予測部5で予測した障害物の進路のうち、自車進路生成部3で生成した自車の進路と干渉する進路を求めることにより、自車と障害物との衝突確率を計算する(ステップS6)。衝突確率計算部6は、自車の進路と障害物の進路との距離が所定の距離(干渉距離と呼ぶ)よりも小さくなった場合、2つの進路が干渉しあい、自車と他車とが衝突したものとみなす。干渉距離は、自車や障害物の大きさ(車両の場合には車両の幅や長さ)等の条件に応じて定められる。衝突確率計算部6の計算結果は、衝突確率入出力部9によって衝突確率記憶部81に書き込まれる。
図4は、衝突確率記憶部81における衝突確率の記憶態様を模式的に示す図である。衝突確率記憶部81は、時刻tnにおける自車と障害物Oj(j=1,2,3,・・・)との衝突確率CPj(n)を、時刻tn(nは整数)におけるテーブルTb(n)に保持している。このテーブルTb(n)では、障害物Ojの時刻tnにおける障害物情報Xj(n)と時刻tn+1における障害物情報Xj(n+1)とが、衝突確率CPj(n)とともに記録されている。このため、図5に示すように、時刻tnの障害物情報Xj(n)は、最大2つのテーブルTb(n),Tb(n−1)に重複して記録される。このような特徴を有するテーブルTb(n)を時刻ごとに構成することにより、自車と障害物Ojとの衝突確率CPj(n)を、衝突確率記憶部81に記録されている範囲で任意の過去まで順次たどっていくことができる。
図6〜図8は、2つのテーブルTb(n),Tb(n−1)に対して、時間の経過とともに情報が書き込まれいく状況を時系列順に示す図である。まず、図6は、時刻tn-1までの障害物情報と衝突確率が書き込まれた状態を示している。なお、図示はしないが、テーブルTb(n−2),Tb(n−3),・・・は、この時点(時刻tn-1)で全ての情報の書き込みが完了している。
この後、衝突確率計算部6が時刻tnの衝突確率CPj(n)を計算すると、衝突確率入出力部9は、時刻tn-1のテーブルTb(n−1)に障害物情報Xj(n)を書き込む。この際、衝突確率入出力部9は、1ステップ前の時刻tn-1の障害物情報Xj(n−1)との対応を取る。具体的には、衝突確率入出力部9は、障害物情報Xj(n)をベクトルとみなして時刻tn-1の障害物情報Xj'(n−1)との間で内積をとり、この内積が最小となる組み合わせを、同一の障害物として対応付ける。
なお、異なる時刻における障害物の対応付けを、他の方法で行ってもよい。例えば、障害物情報Xj(n)を多次元時空間上の点と見なし、この多次元時空間上の点同士の距離を所定の定義(例えばユークリッド距離)に基づいて算出し、その距離が最小となる組み合わせによって障害物の対応を取ってもよい。また、センサ部2が画像センサを有していれば、パターンマッチング等の画像認識処理によって同一障害物をトラッキングすることができる。
この後、衝突確率入出力部9は、上述した対応付けによって対応が取れた障害物について、1ステップ前の時刻tn-1の衝突確率CPj(n−1)を読み出し、危険障害物検出部7へ出力する。図7は、テーブルTb(n−1)の対応付けが済んだ状態を示している。なお、時刻tn-1と時刻tnとの間で対応が取れない障害物情報については、危険障害物検出部7へnullを出力する。このように、一般に異なる時刻間において、全ての障害物が常に1対1に対応付けられるとは限らない。
続いて、衝突確率入出力部9は、時刻tnの障害物Ojの障害物情報Xj(n)と衝突確率CPj(n)をテーブルTb(n)に書き込む。これにより、衝突確率記憶部81が記憶するテーブルTb(n),Tb(n−1)は、図8に示す状態になる。
衝突確率入出力部9は、図6〜図8を参照して説明した処理と同様の処理を繰り返し行うことにより、障害物の衝突確率および障害物情報を衝突確率記憶部81へ順次書き込んでいく。
次に、危険障害物検出部7は、衝突確率計算部6が計算した衝突確率を用いて、自車と衝突する危険性が高い危険障害物を検出する(ステップS7)。以下の説明では、最新の衝突確率をCPj(0)とし、この衝突確率に対応する時刻(現時刻)をt0とする。ステップS7において、危険障害物検出部7は、現時刻t0における衝突確率CPj(0)と、衝突確率の時間変化量ΔCPjとの2つの量を用いて危険物を検出する。ここで、時間変化量ΔCPjは、時刻t0の衝突確率CPj(0)と、それより前の時刻t-1の衝突確率
CPj(−1)の変化量として、次式(1)で定義される。
ΔCPj=CPj(0)−CPj(−1) ・・・(1)
危険障害物検出部7は、危険障害物を検出する際、時刻t0の衝突確率CPj(0)と、式(1)で定義される衝突確率の時間変化量ΔCPjとを用いることにより、危険障害物を検出する。図9は、危険障害物検出部7が危険障害物を検出する際の判定基準を模式的に示す図である。危険障害物検出部7は、時刻t0の衝突確率CPj(0)と衝突確率の時間変化量ΔCPjとの組(CPj(0),ΔCPj)が、図9の領域Sαに属している場合、障害物Ojを危険障害物と判定する。
領域Sαの境界を定める曲線αは、ΔCPj>0の領域で、衝突確率CPj(0)が、時間変化量ΔCPjの増加に伴って減少するような曲線である。このような曲線αによって境界が定められる領域Sαを判定基準とすることにより、衝突確率の時間変化量ΔCPj(>0)が大きければ大きいほど、危険障害物と判定する際の最新の衝突確率CPj(0)の最小値は小さくなり、現時刻の衝突確率が小さくても、その衝突確率の時間変化量が大きく、将来的に自車にとって危険な存在になる可能性が高い障害物を、危険障害物として早期に検出することが可能となる。
なお、危険障害物検出部7における危険障害物の判定基準は、上述したものに限られるわけでない。図10は、危険障害物検出部7が危険障害物を検出する際の別な判定基準を模式的に示す図である。危険障害物検出部7は、時刻t0の衝突確率CPj(0)と衝突確率の時間変化量ΔCPjとの組(CPj(0),ΔCPj)が、図10の領域Sβに属している場合、障害物Ojを危険障害物と判定する。
図10において、領域Sβの境界を定める曲線βは、ΔCPj>0の領域で、衝突確率CPj(0)が、時間変化量ΔCPjの増加に伴って減少していきながら一定値に近づいていくような曲線である。また、曲線βは、ΔCPj<0の領域では、CPj(0)が、ΔCPjの減少に伴って増加していきながら一定値に近づいていくような曲線である。このような挙動を示す曲線βによって境界が定められる領域Sβを判定基準として採用する場合にも、領域Sαを判定基準として採用した場合と同様に、現時刻の衝突確率が小さくても、その衝突確率の時間変化量が大きく、将来的に自車にとって危険な存在になる可能性が高い障害物を、危険障害物として検出することが可能となる。
以上説明したステップS7の後、出力部10は、危険障害物検出部7の検出結果に応じた情報を出力する(ステップS8)。具体的には、表示部101が危険障害物を表示するとともに、警告音発生部102が警告音を発生することによって危険障害物が周囲にあることを報知する。
なお、表示部101として、運転席の後方上部にプロジェクタを設置し、このプロジェクタによって自車C0のフロントガラスへの重畳表示を行ってもよい。これにより、自車C0の運転者は、危険障害物を運転しながら認識することができる。したがって、自車C0の運転者は、その認識結果を即座に運転操作へ反映させることにより、自車C0に迫りつつある危険を適確に回避することが可能となる。また、例えば自車C0に搭載されたカーナビゲーションシステムの表示画面に表示部101としての機能を具備させ、危険障害物を表示するようにしてもよいし、メーターパネルに危険障害物情報を表示するようにしてもよい。
さらに、出力部10として、自車のハンドルやシートを振動させる機能を具備させ、危険障害物を検出した場合には、ハンドルやシートを振動させることによって危険を報知するようにしてもよい。
以上説明したステップS1〜S8の処理は、所定の時間間隔で繰り返し行われ、常に最新の道路環境に即した情報が出力される。このため、本実施の形態1に係る移動体周囲危険度判定方法によれば、自車の運転者が刻々と変化する道路環境に対応して適確に操作するのを支援することができる。
ここで、本実施の形態1に係る移動体周囲危険度判定方法として、衝突確率の時間変化量まで考慮に入れることの利点について説明する。図11は、図27に示す道路環境下で、障害物としての他車C1,C2の自車C0に対する衝突確率CPj(n)の時間変化例を示す図である。まず、他車C1は、自車C0から距離L1(<Lth)だけ離れた前方を走行している。したがって、曲線201に示すように、現時点での衝突確率は高いが、同じ状況で移動を続ける場合、自車C0よりも高速で走行している(v1>v0)ため、その衝突確率は徐々に減少していく。これに対して、後続の他車C2は、自車C0から距離L2(>Lth)だけ離れた後方を走行している。したがって、曲線202に示すように、現時点での衝突確率は低いが、自車C0よりも高速で走行している(v2>v0)ため、時間が経過するにつれて衝突確率が徐々に増加していく。
従来の衝突判定技術では、例えば現時刻t0における衝突確率CPj(0)が閾値CPthを超えた場合に危険と判定していた。このため、図11に示す場合には、自車C0からの距離が近い他車C1は危険障害物と認定されるが、自車C0からの距離が遠い他車C2が危険障害物と認定されることはなかった。
これに対して、本実施の形態1に係る移動体周囲危険度判定方法によれば、最新の衝突確率CPj(0)とその衝突確率の時間変化量ΔCPjとの関係を用いることによって危険障害物の検出を行うため、将来的な危険度の変化も考慮した判定結果が得られる。例えば、危険障害物検出部7が、図9の領域Sαを判定基準として用いることによって危険障害物を検出する場合、図12に示すように、他車C2は危険障害物として検出される(点P2)が、他車C1はΔCPj<0のため危険障害物として検出されない(点P1)。他方、危険障害物検出部7が、図10の領域Sβを判定基準として用いることによって危険障害物を検出する場合、図13の点P1,P2に示すように、他車C1,C2がともに危険障害物として検出される。
このように、本実施の形態1に係る移動体周囲危険度判定方法によれば、現時点での衝突確率が低い障害物であっても、時間の経過とともに衝突確率が顕著に増加するような障害物を危険障害物として早期に検出することが可能となる。
なお、以上の説明では、衝突確率の時間変化量ΔCPjとして、隣接する時刻t-1〜t0間の衝突確率の変化量を用いて説明を行ったが、この時間変化量ΔCPjを求める際に使用する時間間隔は任意に設定することが可能である。また、3つ以上の時刻における衝突確率を用いて時間変化量を定義してもよい。
さらに、以上の説明では、自車C0と同じ方向を向いて走行している先行車を障害物として説明してきたが、例えば自車と反対方向を向いて走行している対向車を障害物とすることもできる。加えて、静止している物体を障害物とすることもできる。
以上説明した本発明の実施の形態1によれば、移動体(自車)と周囲の障害物との最新の衝突確率、および当該最新の衝突確率と所定時間前の衝突確率との時間変化量を用いて定められる判定基準にしたがって、移動体に対して危険とみなすべき危険障害物を、移動体の周囲に存在する障害物の中から検出することにより、予想される移動体の周囲の状況の変化をふまえて移動体の周囲の危険度を判定することができ、移動体に対する危険度が将来的に高くなる可能性がある障害物を早期に検出することができる。したがって、例えば危険障害物の有無に基づいて自車の制御を行う場合にも、早目に危険を回避するような制御を行うことができるようになり、移動体の安全な走行を実現させることができる。
また、本実施の形態1によれば、危険障害物を判定する際の判定基準として、衝突確率の所定の時間変化量が正である場合、その時間変化量が大きいほど、障害物を危険障害物として検出する際の最新の衝突確率の最小値が小さくなるような判定基準を用いるため、現時点では衝突確率が小さくても、将来的に衝突確率が増加傾向にある障害物を危険障害物として早期に適確に検出することが可能となる。
さらに、本実施の形態1によれば、危険障害物を検出した場合には、その危険障害物に対応する情報を出力することにより、情報の提示を受けた移動体の運転者は、運転中の近い将来に起こりうる危険を適確に回避しながら運転することが可能となる。また、危険度が増加していくような危険障害物に関しては、危険度が増加する以前の段階で各種情報の出力(早出し)を行うことができるので、運転者は余裕を持って周囲の状況の変化に対応することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2は、上記実施の形態1と同様に抽出される障害物が時間の経過とともにとりうる位置の変化を、時間および空間から構成される時空間上の軌跡として生成し、この生成した軌跡を用いて進路予測を行うことを特徴とする。本実施の形態2において、物体の位置は物体の中心の値であるとし、物体の内部状態は速度(速さv,向きθ)によって特定されるものとする。
図14は、本実施の形態2に係る移動体周囲危険度判定装置の機能構成を示すブロック図である。同図に示す移動体周囲危険度判定装置11において、障害物進路予測部12以外の構成は、上記実施の形態1に係る移動体周囲危険度判定装置1と同様である。このため、移動体周囲危険度判定装置1と同じ機能を有する部位には、それぞれ同じ符号を付してある。
障害物進路予測部12は、障害物抽出部4で抽出された個々の障害物が時間の経過とともにとりうる位置の変化を時間および空間から構成される時空間上での軌跡として生成する軌跡生成部13と、軌跡生成部13から出力される障害物の軌跡を用いることによって障害物の進路の確率的な予測演算を行う予測演算部14と、を有する。
軌跡生成部13は、所定の時間が経過するまでに障害物がとりうる軌跡を予測生成するものであり、障害物をシミュレーション上で仮想的に動作させるための操作を複数の操作から選択する操作選択部131と、操作選択部131で選択した操作を所定の時間行う物体操作部132と、物体操作部132で操作した後の障害物の位置および内部状態が所定の条件を満たしているか否かを判定する判定部133とを有する。
次に、本発明の実施の形態2に係る移動体周囲危険度判定方法について説明する。本実施の形態2に係る移動体周囲危険度判定方法は、障害物の進路の予測処理と衝突確率計算処理を除いて、上記実施の形態1に係る移動体周囲危険度判定方法と同じである(図2のフローチャートを参照)。そこで、以下の説明においては、障害物の進路予測処理(図2のステップS5に対応)および衝突確率計算処理(図2のステップS6に対応)について詳細に説明する。
図15は、障害物の進路予測処理の概要を示すフローチャートである。以下の説明では、一つの障害物に対する進路予測処理を説明するが、実際には全ての障害物に対して進路予測処理を行う。まず、軌跡生成部13が障害物の複数の軌跡を生成する(ステップS51)。
図16は、軌跡生成部13における軌跡生成処理の詳細を示すフローチャートである。図16において、センサ部2で検知した物体の総数(自車を含む)をKとし、一つの障害物Ok(1≦k≦K、kは自然数)に対して軌跡を生成する演算をMk回行うものとする(Mkは自然数)。また、軌跡を生成する時間(軌跡生成時間)をT(>0)とする。この軌跡生成時間T(および後述する操作時間Δt)を適切に定めることにより、実用的な計算時間で一連の進路予測処理を行うことが可能となる。
軌跡生成部13は、最初に障害物Okを識別するカウンタkの値を1とするとともに、同じ障害物に対する軌跡生成回数を示すカウンタmの値を1とする初期化を行う(ステップS501)。
次に、軌跡生成部13は、センサ部2が検知した結果を記憶部8から読み出し、この読み出した検知結果を初期状態とする(ステップS502)。具体的には、時間tを0とし、初期位置(xk(0),yk(0))および初期内部状態(vk(0),θk(0))を、それぞれセンサ部2からの入力情報(xk0,yk0)および(vk0k0)とする。
続いて、操作選択部131が、選択可能な複数の操作の中から、その後の時間Δtの間に行う一つの操作uk(t)を、各操作に予め付与された操作選択確率にしたがって選択する(ステップS503)。操作ukcを選択する操作選択確率p(ukc)は、例えば
k(t)として選択可能な操作の集合{ukc}の要素と所定の乱数とを対応付けることによって定義される。この意味で、操作ukcごとに異なる操作選択確率p(ukc)を付与してもよいし、操作集合{ukc}の全要素に対して等しい確率を付与してもよい。後者の場合には、p(ukc)=1/(選択可能な全操作数)となる。なお、操作選択確率
p(ukc)を、自車の位置および内部状態、ならびに周囲の道路環境に依存する関数として定義することも可能である。
一般に、操作ukcは複数の要素から構成され、障害物Okの種類によって選択可能な操作の内容が異なる。例えば、障害物Okが四輪自動車の場合、その四輪自動車の加速度や角速度は、ステアリングの切り具合やアクセルの踏み具合等によって決まる。この点に鑑みて、四輪自動車である障害物Okに対して施される操作ukcは、加速度や角速度を含む要素によって決定される。これに対して、障害物Okが人である場合には、速度によって操作ukcを指定することができる。
より具体的な操作ukcの設定例を挙げる。障害物Okが自動車の場合には、加速度を−10〜+30(km/h/sec)、操舵角を−7〜+7(deg/sec)の範囲で取り(いずれも符号で向きを指定)、障害物Okが人の場合には、速さを0〜36(km/h)、向きを0〜360(deg)の範囲で取る。なお、ここで記載した量は全て連続量である。このような場合には、適当な離散化を施すことによって各操作の要素数を有限とし、操作の集合{ukc}を構成すればよい。
この後、物体操作部132が、ステップS503で選択した操作ukcを時間Δtの間動作させる(ステップS504)。この時間Δtは、精度の上では小さい方がより好ましいが、実用上は0.1〜0.5(sec)程度の値とすればよい。なお、以下の説明において、軌跡生成時間TはΔtの整数倍であるとするが、Tの値は障害物Okの速度に応じて可変としてもよいし、Δtの整数倍でなくてもよい。
続いて、判定部133は、ステップS504で操作ukcを動作させた後の障害物Okの内部状態が所定の制御条件を満たしているか否かを判定する(ステップS505)。このステップS505で判定する制御条件は、障害物Okの種類に応じて定められ、例えば障害物Okが四輪自動車である場合には、ステップS504の動作後の速度の範囲や、ステップS504の動作後の加速度の最高車両G等によって定められる。
ステップS505の判定の結果、障害物Okの内部状態が所定の制御条件を満たしている場合(ステップS505でYes)、判定部133は、操作ukcを動作させた後の障害物Okの位置が移動可能領域内にあるか否かを判定する(ステップS506)。このステップS506で判定する移動可能領域とは、道路(車道、歩道を含む)等の領域を指す。以後、物体が移動可能領域に位置する場合を、「移動条件を満たす」と表現する。
ステップS506の判定の結果、障害物Okが移動可能領域内に位置している場合(ステップS506でYes)、軌跡生成部13は時間をΔtだけ進め(t←t+Δt)、ステップS504の動作後の位置を(xk(t),yk(t))とする一方、内部状態を
(vk(t),θk(t))とする(ステップS507)。
なお、ステップS505、S506で一つでも満足しない条件がある場合(ステップS505でNoまたはステップS506でNo)には、ステップS502に戻る。
以上説明したステップS502〜S507の処理は、軌跡生成時間Tに達するまで繰り返し行われる。すなわち、ステップS507で新たに定義された時間tがTに達していない場合(ステップS508でNo)、ステップS503に戻って処理を繰り返す。他方、ステップS507で新たに定義された時間tがTに達した場合(ステップS508でYes)、障害物Okに対する軌跡を出力し、記憶部8に格納する(ステップS509)。
図17は、時間t=0,Δt,2Δt,・・・,TでステップS503からステップS507に至る一連の処理を繰り返すことによって生成された障害物Okの軌跡を模式的に示す図である。同図に示す軌跡TRk(m)(1≦m≦Mk, mは自然数)は、空間2次元(x,y)、時間1次元(t)の3次元時空間(x,y,t)を通過する。この軌跡TRk(m)をx−y平面上に射影すれば、2次元空間(x,y)における障害物Okの予測進路を得ることができる。
ステップS509の後、カウンタmの値がMkに達していなければ(ステップS510でNo)、軌跡生成部13はカウンタmの値を1増やし(ステップS511)、ステップS502に戻って上述したステップS502〜S508の処理を軌跡生成時間Tに達するまで繰り返し行う。
ステップS510でカウンタmがMkに達した場合(ステップS510でYes)、障害物Okに対する全ての軌跡の生成が完了する。図18は、一つの障害物Okに対して生成されたMk個の軌跡TRk(1),TRk(2),・・・,TRk(Mk)からなる軌跡集合{TRk}を3次元時空間上で模式的に示す図である。軌跡集合{TRk}の要素をなす各軌跡の始点すなわち初期位置(xk0,yk0,0)は同じである(ステップS502を参照)。なお、図18はあくまでも模式図であり、Mkの値としては、例えば数百〜数万程度の値をとることが可能である。
ステップS510でカウンタmがMkに達した場合、障害物識別用のカウンタkが障害物の総数Kに達していなければ(ステップS512でNo)、そのカウンタkの値を1増やすとともに、軌跡生成回数のカウンタmの値を1に初期化し(ステップS513)、ステップS502に戻って処理を繰り返す。これに対して、カウンタkがKに達した場合(ステップS512でYes)、全ての障害物に対する軌跡生成が完了したことになるので、ステップS2の軌跡生成処理を終了し、続くステップS3に進む。
このようにして、センサ部2が検知した全ての障害物Okに対し、所定の回数の軌跡生成処理を行うことにより、3次元時空間(x,y,t)の所定の範囲内に存在する複数の障害物が取りうる軌跡の集合からなる時空間環境が形成される。図19は、時空間環境の構成例を模式的に示す説明図である。同図に示す時空間環境Env(TR1,TR2)は、図27に示す道路環境に対応するものであり、障害物O1の軌跡集合{TR1}(図19では破線で表示)および障害物O2の軌跡集合{TR2}(図19では実線で表示)からなる。本実施の形態2においては、障害物同士の相関は考慮せずに障害物ごとに独立に軌跡生成を行っているため、異なる障害物の軌跡同士が時空間上で交差することもある。
図19において、3次元時空間(x,y,t)の各領域における軌跡集合{TRk}(k=1,2)の単位体積当たりの密度は、その時空間の各領域における障害物Okの存在確率の密度(以後、「時空間確率密度」と称する)を与えている。したがって、ステップS51における軌跡生成処理によって構成された時空間環境Env(TR1,TR2)を用いることにより、障害物Okが3次元時空間上の所定の領域を通過する確率を求めることが可能となる。なお、時空間確率密度は、あくまでも時空間上における確率概念であるため、一つの物体に対して時空間上でその値の総和を取ったとき1になるとは限らない。
ところで、軌跡生成時間Tの具体的な値は、予め固定値として設定する場合には、その値Tを超えたところまで軌跡を生成すると時空間上の確率密度分布が一様になってしまい、計算しても意味がないような値とするのが好ましい。例えば、障害物が四輪自動車であり、その四輪自動車が通常の走行を行っている場合には、たかだかT=5(sec)程度とすればよい。この場合、ステップS504における操作時間Δtを0.1〜0.5(sec)程度とすると、1本の軌跡TRk(m)を生成するために、ステップS503からステップS507に至る一連の処理を10〜50回繰り返すことになる。
なお、高速道路、一般道、2車線道路などの道路の種類ごとに異なる軌跡生成時間Tを設定し、位置データを用いて現在走行中の道路の種類を地図データから読み取る方法や、画像認識等を応用した道路認識装置によって道路の種類を読み取る方法などによって切替を行うことは好ましい。
また、軌跡生成時間Tまで算出した軌跡を用いることによって時空間上の確率密度分布を統計的に評価し、分布が一定となっている場合には軌跡生成時間Tを減らし、分布が一定となっていない場合には生成時間を増やすような適応制御を行うことも好ましい。
以上説明した障害物ごとの軌跡生成処理(ステップS51)の後、予測演算部14は、各障害物が取りうる進路の確率的な予測を行う(ステップS52)。以下では、予測演算部14における具体的な予測演算処理として、障害物Okに対して生成された軌跡集合{TRk}から特定の軌跡TRk(m)が選ばれる確率を求める場合について説明するが、この予測演算が一例に過ぎないことは勿論である。
障害物Okの軌跡がMk本生成されたとき、そのうちの1本の軌跡TRk(m)が実際の軌跡となる確率p(TRk(m))は、次のように算出される。まず、障害物Okの軌跡
TRk(m)を実現するための操作列{ukm(t)}が、{ukm(0),ukm(Δt),ukm(2Δt),・・・,ukm(T)}であったとすると、時間tにおいて操作ukm(t)が選択される確率はp(ukm(t))であったので、t=0〜Tで操作列{ukm(t)}が実行される確率は、
Figure 0005082433
と求められる。したがって、障害物OkにMk本の軌跡集合{TRk}が与えられたとき、障害物Okが取りうる一つの軌跡TRk(m)が選ばれる確率p(TRk(m))は、
Figure 0005082433
となる。
ここで、全ての操作ukm(t)が等確率p0(ただし、0<p0<1)で選択される場合、式(2)は、
Figure 0005082433
となる。ここで、sはt=0からTまでの操作時間Δtの総数すなわち操作回数である。したがって、障害物Okが取りうるMk本の軌跡に含まれる軌跡TRk(m)の確率の総和はMk0 sとなり、そのうちの1本の軌跡TRk(m)が選ばれる確率p(TRk(m))は、式(4)を式(3)に代入することによって、
Figure 0005082433
となる。すなわち、確率p(TRk(m))は、軌跡TRk(m)に依存しない。
なお、式(5)において、全ての物体に対して生成する軌跡の数が同じ(M本)であるとすると、M1=M2=・・・=MK=M(定数)なので、p(TRk(m))=1/Mとなり、障害物Okによらず一定となる。この場合には、確率p(TRk(m))の値を1に規格化することによって予測演算部14における予測演算を簡素化し、より迅速に所定の予測演算を実行することが可能となる。
この後、予測演算部14は、障害物Ok(k=1,2,・・・,K)ごとに算出した確率p(TRk(m))に基づいて、3次元時空間の各領域における単位体積当たりの障害物Okの存在確率を求める。この存在確率は、軌跡集合{TRk}の3次元時空間上の時空間確率密度に対応しており、通過している軌跡の密度が高い領域は、存在確率が概ね大きい。予測演算部14における演算結果は、衝突確率計算部6へ出力される。
図20は、図19に示す時空間環境Env(TR1,TR2)に自車C0の予測進路TR0を加えることによって形成された時空間環境の構成例を模式的に示す図である。同図に示す時空間環境Env(TR0,TR1,TR2)は、自車C0,障害物O1,O2が、高速道路のような平坦かつ直線状の道路Rを+y軸方向に向かって移動している場合の時空間環境を示すものであり、図27において、他車C1を障害物O1とみなし、他車C2を障害物O2とみなした場合に対応している。
次に、上述した軌跡生成に基づく障害物の進路予測を行った場合、衝突確率計算部6が行う衝突確率の計算(図2のステップS6に対応)について説明する。
図21は、衝突確率計算処理の詳細を示すフローチャートである。以後の説明においては、説明の便宜上、自車C0に加えて障害物Ok(k=1,2,・・・,K)もすべて四輪自動車であるとし、他車Okと称する。図21に示す衝突確率計算処理は、3つのループ処理から構成されており、ステップS3で生成した自車C0の軌跡TR0と、ステップS5で予測した他車Okの全ての軌跡集合{TRk}との間の衝突確率を個別に算出する。
この際、衝突確率計算部6は、自車C0の軌跡TR0、他車Okの軌跡集合{TRk}、および自車C0と他車Okの衝突確率を評価する評価関数を用いて衝突確率の計算を行う。なお、本実施の形態2では、衝突確率計算部6が評価関数を内蔵しているものとして説明を行うが、移動体周囲危険度判定装置11に入力部を設けることにより、評価関数を外部から入力する構成としてもよい。また、評価関数を道路の種類や自車C0の速度によって適応的に変化させる構成としてもよい。
まず、衝突確率計算部6は、他車Okに対する繰り返し処理(Loop1)を開始する(ステップS601)。このLoop1では、他車識別用のカウンタkをk=1と初期化して、1回ごとの繰り返し処理が終了するたびにkの値を増やしていく。
Loop1において、移動体周囲危険度判定装置11は、他車Okごとに、ステップS5で生成した軌跡集合{TRk}の全要素TRk(m)(m=1,2,・・・,Mk)に対する繰り返し処理(Loop2)を行う(ステップS602)。この繰り返し処理では、自車C0と他車Okとが干渉する度合いを定量的に与える量として、他車識別用のカウンタkによって定められる干渉度r(k)を導入し、この干渉度r(k)の初期値を0とおく(ステップS603)。
続いて、衝突確率計算部6は、自車C0の軌跡TR0と他車Okの軌跡TRk(m)との干渉を評価する繰り返し処理(Loop3)を開始する(ステップS604)。このLoop3では、二つの軌跡TR0と軌跡TRk(m)との同時間における距離を、時間t=0,Δt,・・・,Tにおいて順次求める。各軌跡の2次元空間上の位置は、各車両の中心として定義されているため、二つの軌跡の空間的な距離が所定の干渉距離よりも小さくなった場合、自車C0の進路と他車Okの進路とが干渉し、自車C0と他車Okが衝突したとみなすことができる。
図22は、自車C0の軌跡TR0と他車Okの軌跡TRk(m)との3次元時空間上での関係を模式的に示す図である。同図に示す場合、軌跡TR0と軌跡TRk(m)とは、2点a1およびa2で交差している。したがって、この2点a1およびa2の近傍には、二つの軌跡間の同時間における距離が干渉距離よりも小さい領域A1およびA2が存在する。すなわち、二つの軌跡TR0および軌跡TRk(m)が領域A1およびA2内にそれぞれ含まれる時間では、自車C0と他車Okとが衝突したという判定がなされる。この意味で、時間t=0,
Δt,・・・,Tのうち、領域A1およびA2内を通過する数が、自車C0と他車Okとの衝突回数である。
図22からも明らかなように、本実施の形態2において形成される時空間環境は、二つの軌跡が一度衝突してもその後の軌跡が生成される。これは、物体ごとの軌跡を独立に生成しているからである。
この後、衝突確率計算部6は、自車C0と他車Okの距離を求めた結果、上述した意味において自車C0と他車Okが衝突したと判定した場合(ステップS605でYes)、干渉度r(k)の値を、
Figure 0005082433
とする(ステップS606)。ここで、第2項目ck・p(TRk(m))・F(t)について説明する。係数ckは正の定数であり、例えばck=1とおくことができる。また、
p(TRk(m))は式(3)で定義される量であり、他車Okで1本の軌跡TRk(m)が選ばれる確率である。最後のF(t)は、1回の衝突における物体間の干渉の時間依存性を与える量である。したがって、自車C0と他車Okとの間の干渉に時間依存性を持たせない場合には、F(t)の値を一定とすればよい。これに対して、自車C0と他車Okとの間の干渉に時間依存性を持たせる場合には、例えば図23に示すように、時間が経過するとともに値が徐々に小さくなっていくような関数としてF(t)を定義してもよい。図23に示すF(t)は、より直近の衝突を重要視する場合に適用される。
衝突確率計算部6は、ステップS606の後、時間tがTに達していない場合には、繰り返しを終了せず(ステップS607でNo)、tの値をΔt増加させ(ステップS608)、ステップS604に戻ってLoop3を繰り返す。
他方、衝突確率計算部6は、ステップS606の後、時間tがTに達している場合には、Loop3を終了する(ステップS607でYes)。
なお、ステップS605で自車C0と障害物Okが衝突しない場合(ステップS605でNo)には、Loop3を繰り返すか否かの判断処理(ステップS607)に直接進む。
以上説明したLoop3の繰り返し処理により、干渉度r(k)の値は、衝突回数が多いほど大きい値となる。このLoop3が終了した後、衝突確率計算部6は、Loop2を繰り返すか否かの判断処理を行う(ステップS609)。すなわち、他車Okに対して生成した軌跡のうち、自車C0の軌跡TR0との干渉評価を行っていないものがあれば(ステップS609でNo)、mをm+1とし(ステップS610)、ステップS602に戻ってLoop2を繰り返す。
これに対して、他車Okに対して生成した全ての軌跡に対して自車C0の軌跡TR0との干渉評価を行った場合(ステップS609でYes)、衝突確率計算部6は、自車C0の軌跡TR0と他車Okの全軌跡との間の干渉を評価する最終的な干渉度r(k)を付与し(ステップS611)、この付与した干渉度r(k)を出力して記憶部8へ格納する(ステップS612)。
式(6)において、係数ckをkによらずに一定(例えばck=1)とし、F(t)を定数(例えば1)とおき、自車C0の軌跡TR0と他車Okの軌跡TRk(m)との衝突回数をb0k(m)とすると、ステップS612で出力された最終的な干渉度r(k)の値は、軌跡TRk(m)ごとの確率p(TRk(m))をb0k(m)倍した値を全ての軌跡集合{TRk}の要素について和を取ったものになる。
Figure 0005082433
式(7)の右辺の和は、自車C0の軌跡TR0が他車Okが取りうる軌跡と衝突する確率に他ならない。したがって、干渉度r(k)は衝突確率に等しいかまたは比例する量である。結局、式(7)により、ある時刻における自車C0と他車Okとの衝突確率が得られる。
ステップS612に続いて、衝突確率計算部6は、Loop1を繰り返すか否かの判断処理を行う(ステップS613)。自車C0との干渉評価を行うべき他車Okが残っている場合(ステップS613でNo)、衝突確率計算部6は、kの値を1増加させ(ステップS614)、ステップS601に戻ってLoop1を繰り返す。他方、自車C0との干渉評価を行うべき他車Okが残っていない場合(ステップS613でYes)、衝突確率計算部6は、一連の衝突確率計算処理を終了する。
この後、危険障害物検出部7が、危険障害物を検出し(図2のステップS7に対応)、危険障害物に関する情報を出力部10から出力する(図2のステップS8に対応)。これら処理は、上記実施の形態1に係る障害物危険度検出方法と同じである。
以上説明した本発明の実施の形態2によれば、移動体(自車)と周囲の障害物との最新の衝突確率、および当該最新の衝突確率と所定時間前の衝突確率との時間変化量を用いて定められる判定基準にしたがって、移動体に対して危険とみなすべき危険障害物を、移動体の周囲に存在する障害物の中から検出することにより、予想される移動体の周囲の状況の変化をふまえて移動体の周囲の危険度を判定することができ、移動体に対する危険度が将来的に高くなる可能性がある障害物を早期に検出することができる。したがって、例えば危険障害物の有無に基づいて自車の制御を行う場合にも、早目に危険を回避するような制御を行うことができるようになり、移動体の安全な走行を実現させることができる。
また、本実施の形態2によれば、危険障害物を判定する際の判定基準として、衝突確率の所定の時間変化量が正である場合、その時間変化量が大きいほど、障害物を危険障害物として検出する際の最新の衝突確率の最小値が小さくなるような判定基準を用いるため、現時点では衝突確率が小さくても、将来的に衝突確率が増加傾向にある障害物を危険障害物として適確に抽出することが可能となる。
さらに、本実施の形態2によれば、障害物が時間の経過とともにとりうる位置の変化を時空間上の軌跡として生成し、この生成した軌跡を用いることにより、動いている障害物の進路の確率的な予測を精度よく行うことができる。
加えて、本実施の形態2によれば、時空間上で障害物がとりうる軌跡と自車がとりうる軌跡との干渉の程度を定量的に示す干渉度を算出し、この算出した干渉度を用いて衝突確率を求めることにより、現実として起こりうる状況下における移動体と障害物との衝突確率を、実用的な時間で計算することが可能となる。
なお、本実施の形態2において、障害物の時空間上での軌跡生成処理を行う際には、選択可能な全ての操作を動作させることによって軌跡を生成してもよい。このような軌跡生成処理を実現するアルゴリズムは、例えば縦型探索または横型探索による再帰呼出を適用することによって実現することが可能である。この場合、障害物Okの軌跡集合{TRk}の要素数すなわち軌跡の本数は、障害物Okに対する軌跡生成処理が終了するまで分からない。したがって、実行可能な操作を全探索することによって各物体がとりうる軌跡を生成する場合には、操作時間Δtにおける操作uc(t)の要素の数(操作uc(t)が連続量の場合には離散化の度合い)に応じて最適な計算量を有する探索方法を選択すればよい。
また、本実施の形態2は、高低差のある道路を走行中の自動車に適用する場合のように、4次元時空間(空間3次元、時間1次元)においても適用可能である。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3は、移動体の周囲に存在する障害物の全体を一つの環境とし、この環境の移動体に対する環境危険度を用いることによって移動体の周囲の危険度を判定することを特徴とする。
図24は、本実施の形態3に係る移動体周囲危険度判定装置21の機能構成を示すブロック図である。同図に示す移動体周囲危険度判定装置21は、危険度判定手段として、移動体の周囲の環境の危険度を判定する環境危険度判定部22を備える。その他の移動体周囲危険度判定装置21の構成は、上記実施の形態1に係る移動体周囲危険度判定装置1の構成とほぼ同じである。このため、移動体周囲危険度判定装置1と同じ機能を有する部位には、それぞれ同じ符号を付してある。
図25は、本実施の形態3に係る移動体周囲危険度判定方法の処理の概要を示すフローチャートである。図25において、ステップS11〜ステップS16の処理は、上記実施の形態1に係る移動体周囲危険度判定方法におけるステップS1〜ステップS6の処理と同じである(図2を参照)。そこで、以下では、ステップS17以降の処理について説明する。なお、障害物ごとの進路予測処理(ステップS15)、および自車と障害物との衝突確率計算処理(ステップS16)は、上記実施の形態2と同様に行ってもよい。
ステップS17において、環境危険度判定部22は、自車に対する周囲の環境の危険度を判定する(ステップS17)。具体的には、環境危険度判定部22は、まず任意の時刻t(n)における環境全体の危険度である環境危険度D(n)を、次式(8)にしたがって算出する。
Figure 0005082433
ここで、N(n)は、時刻t(n)で環境を構成する障害物の数である。CPk(n)は、時刻tnにおける自車と障害物Ok(k=1,2,・・・,N(n))との衝突確率であり、1−CPk(n)は、自車が障害物Okと衝突しない確率を与える。この意味で、式(8)の右辺第2項の積は、自車が、環境を構成する全ての障害物と衝突しない確率を与える。したがって、式(8)で定義される環境危険度D(n)は、少なくとも一つの障害物と衝突する確率に他ならない。
次に、環境危険度判定部22は、現時刻t0における環境危険度D(0)と、それより前の時刻t-1の環境危険度D(−1)の変化量として定義される環境危険度の時間変化量
ΔD=D(0)−D(−1) ・・・(9)
を用いて、現時刻t0における環境が、自車にとって危険であるか否かを判定する。
図26は、環境危険度判定部22が環境危険度を判定する際の判定基準を模式的に示す図である。環境危険度判定部22は、時刻t0の環境危険度D(0)と式(9)で定義される環境危険度の時間変化量ΔDとの組(D(0),ΔD)が、図26の領域Sγに属している場合、その環境が自車にとって危険な環境であると判定する。
領域Sγの境界を定める曲線γは、ΔD>0の領域で、環境危険度D(0)が、時間変化量ΔDの増加に伴って減少するような曲線である。このような曲線γによって境界が定められる領域Sγを判定基準とすることにより、環境危険度の時間変化量ΔD(>0)が大きければ大きいほど、危険な環境であると判定する際の最新の環境危険度D(0)の最小値は小さくなり、将来的に自車にとって危険となる可能性が高い環境を早期に検出することが可能となる。
この後、出力部10は、環境危険度判定部22の判定結果に応じた情報を出力する(ステップS18)。具体的には、表示部101が、現在が危険な環境下にあることを表示するとともに、警告音発生部102が警告音を発生することによって現在が危険な環境下にあることを報知する。
以上説明した本発明の実施の形態3によれば、移動体(自車)の周囲に存在する障害物の全体を一つの環境とみなし、移動体と周囲の障害物との最新の衝突確率、および当該最新の衝突確率と所定時間前の衝突確率との時間変化量を用いて定められる判定基準にしたがって、自車の周囲の環境の危険度を判定することにより、予想される移動体の周囲の状況の変化を大局的に捉えた上で、移動体の周囲の危険度を判定することができる。
また、本実施の形態3によれば、危険障害物を判定する際の判定基準として、移動体と障害物との衝突確率を用いて定められる環境危険度の時間変化量が正である場合、その時間変化量が大きいほど、危険であると判定する際の環境危険度の最小値が小さくなるような判定基準を用いるため、現時点では危険度が小さくても、将来的に危険度が増加する傾向にある環境を危険な環境として早期に判定することが可能となる。したがって、例えば環境の危険度に応じて自車の制御を行う場合にも、早目に危険を回避するような制御を行うことができるようになり、移動体の安全な走行を実現させることができる。
なお、環境危険度判定部22が環境危険度を判定する際の判定基準として、上記実施の形態1において説明した曲線β(図10を参照)と同様の挙動を示す曲線を境界とする領域を設定してもよい。この領域の境界を定める曲線は、ΔD>0の領域で、環境危険度D(0)が、時間変化量ΔDの増加に伴って減少していきながら一定値に近づいていく一方、ΔD<0の領域で、環境危険度D(0)が、時間変化量ΔDの減少に伴って増加していきながら一定値に近づいていく。
また、環境危険度D(n)として、式(9)以外の定義を採用してもよい。例えば、次式(10)のように、障害物Okの衝突確率CPk(n)の単純な総和によって定義される環境危険度D(n)を適用してもよい。
Figure 0005082433
この場合には、式(9)よりも計算量が少なくて済むため、現時刻における環境が、自車にとって危険な環境であるか否かを、より迅速に判定することができる。
(その他の実施の形態)
ここまで、本発明を実施するための最良の形態として、実施の形態1〜3を詳述してきたが、本発明はそれら3つの実施の形態によってのみ限定されるべきものではない。例えば、本発明を自動運転システムに適用することも可能である。この場合には、移動体周囲危険度判定装置の出力(進路予測結果または自車との衝突確率)に対応して自車を操作する操作信号を生成し、この操作信号を自車に設けられた所定のアクチュエータ装置へ送信するようにすればよい。
また、本発明に係る移動体周囲危険度判定装置において障害物の進路を予測するとき、センサ部で検知した実在の障害物に加えて、架空の障害物を配置し、この架空の障害物に対する進路予測をあわせて行うようにしてもよい。より具体的には、自車にとって好ましくない挙動を示すような架空のモデルを構成し、このモデルを所定の位置に配置して進路予測を行ってもよい。このような架空のモデルは、例えば遮蔽物等が存在して見通しが悪い交差点付近を走行する自車から検知できない位置に配置することによって、交差点から飛び出してくる可能性のある障害物との衝突等の危険を予測することが可能となる。なお、架空のモデルの情報は予め記憶部で記憶しておき、別に設ける入力部からの条件設定に応じて所望の位置に配置することができるようにしてもよい。
本発明に係る移動体周囲危険度判定装置を、車両のみの走行が前提となる高速道路などの領域で適用する場合には、各車両に車車間通信用の通信手段をあわせて具備させることにより、互いに近くを走行している車両同士が、互いの走行状況を車車間通信によって交換し合うようにしてもよい。この場合には、各車両が操作履歴を各自の記憶部で記憶しておき、その操作履歴に基づいて操作ごとの操作選択確率を付与し、この操作選択確率に関する情報もあわせて他の車両に送信するようにしてもよい。これにより、進路予測の精度が高くなり、走行中の危険を一段と確実に回避することが可能となる。
ところで、本発明では、GPS(Global Positioning System)を位置検出手段として援用することも可能である。この場合には、GPSが記憶する3次元地図情報を参照することによってセンサ部で検知した物体の位置情報や移動情報の補正を行うことができる。さらには、GPSの出力を相互に通信することによってセンサ部として機能させることも可能である。いずれの場合にも、GPSを援用することによって高精度の進路予測を実現することができ、予測結果の信頼性をさらに向上させることができる。
本発明に係る移動体周囲危険度判定装置は、四輪自動車以外の車両、人、ロボット等の移動体に搭載することも可能である。
また、本発明に係る移動体周囲危険度判定装置は、移動体に搭載されている必要はない。例えば、自車が車車間通信や路車間通信を利用可能な場合、本発明に係る移動体周囲危険度判定装置を、自車と自車の周囲の他車とインフラとを含む進路干渉評価システムから構成することができる。この場合、障害物の進路予測計算をインフラ側で行うようにし、自車については、予測計算結果をインフラ側に要求して受信し、この受信した予測計算結果に基づいた処理を行う予測計算要求車両として特定することも可能である。
以上の説明からも明らかなように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態等を含みうるものであり、特許請求の範囲により特定される技術的思想を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を施すことが可能である。
本発明の実施の形態1に係る移動体周囲危険度判定装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る移動体周囲危険度判定方法の処理の概要を示すフローチャートである。 障害物の進路に対して付与する確率分布の例を示す図である。 衝突確率記憶部における衝突確率の記憶態様を模式的に示す図である。 衝突確率を記憶するテーブルの特徴を示す図である。 時間的に隣接する衝突確率を記憶する2つのテーブルに対して、時間の経過とともに情報が書き込まれいく状況を時系列順に示す図である(その1)。 時間的に隣接する衝突確率を記憶する2つのテーブルに対して、時間の経過とともに情報が書き込まれいく状況を時系列順に示す図である(その2)。 時間的に隣接する衝突確率を記憶する2つのテーブルに対して、時間の経過とともに情報が書き込まれいく状況を時系列順に示す図である(その3)。 危険障害物検出部が危険障害物を検出する際の判定基準を模式的に示す図である。 危険障害物検出部が危険障害物を検出する際の別な判定基準を模式的に示す図である。 自車と障害物との衝突確率の時間変化例を示す図である。 図9に示す判定基準を用いた危険障害物の検出例を示す図である。 図10に示す判定基準を用いた危険障害物の検出例を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る移動体周囲危険度判定装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2に係る移動体周囲危険度判定方法における障害物進路予測処理の概要を示すフローチャートである。 障害物の軌跡生成処理の詳細を示すフローチャートである。 障害物の軌跡を3次元時空間上で模式的に示す図である。 障害物に対して生成された軌跡集合を3次元時空間上で模式的に示す図である。 複数の障害物の軌跡集合によって形成された時空間環境の構成例を模式的に示す図である。 複数の障害物の軌跡集合に自車の進路を加えることによって形成された時空間環境の構成例を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態2に係る移動体周囲危険度判定方法の衝突確率計算処理の概要を示すフローチャートである。 自車の軌跡と障害物の軌跡との3次元時空間上での関係を模式的に示す図である。 物体間の干渉の時間依存性を与える関数の例を示す図である。 本発明の実施の形態3に係る移動体周囲危険度判定装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3に係る移動体周囲危険度判定方法の処理の概要を示すフローチャートである。 環境危険度判定部が環境危険度を判定する際の判定基準を模式的に示す図である。 自車および2台の他車が道路を走行している状況を示す図である。
符号の説明
1,11,21 移動体周囲危険度判定装置
2 センサ部
3 自車進路生成部
4 障害物抽出部
5,12 障害物進路予測部
6 衝突確率計算部
7 危険障害物検出部
8 記憶部
9 衝突確率入出力部
10 出力部
13 軌跡生成部
14 予測演算部
22 環境危険度判定部
81 衝突確率記憶部
101 表示部
102 警告音発生部
131 操作選択部
132 物体操作部
133 判定部

Claims (11)

  1. 移動体の周囲に存在する障害物の位置と、該障害物の速度および/または角速度とを含む障害物情報を少なくとも記憶する記憶手段を備えたコンピュータが、前記移動体の周囲の危険度を判定する移動体周囲危険度判定方法であって、
    前記移動体の位置ならびに該移動体の速度および/または角速度に基づいて、前記移動体の進路を生成する移動体進路生成ステップと、
    前記記憶手段から読み出した前記障害物情報に基づいて、前記障害物がとりうる進路を確率的に予測する障害物進路予測ステップと、
    前記障害物進路予測ステップで予測した前記障害物がとりうる進路のうち、前記移動体進路生成ステップで生成した前記移動体の進路と干渉する進路を求めることにより、前記移動体と前記障害物との衝突確率を計算する衝突確率計算ステップと、
    前記衝突確率計算ステップで計算した最新の衝突確率、および当該最新の衝突確率と所定時間前の衝突確率との時間変化量を用いることにより、前記移動体に対して危険とみなすべき危険障害物を、前記移動体の周囲に存在する障害物の中から検出する危険度判定ステップと、
    を有し、
    前記危険度判定ステップで前記障害物を危険障害物として検出する場合の前記最新の衝突確率の最小値は、前記時間変化量が正であるとき、該時間変化量が大きいほど小さい値をとることを特徴とする移動体周囲危険度判定方法。
  2. 移動体の周囲に存在する障害物の位置と、該障害物の速度および/または角速度とを含む障害物情報を少なくとも記憶する記憶手段を備えたコンピュータが、前記移動体の周囲の危険度を判定する移動体周囲危険度判定方法であって、
    前記移動体の位置ならびに該移動体の速度および/または角速度に基づいて、前記移動体の進路を生成する移動体進路生成ステップと、
    前記記憶手段から読み出した前記障害物情報に基づいて、前記障害物がとりうる進路を確率的に予測する障害物進路予測ステップと、
    前記障害物進路予測ステップで予測した前記障害物がとりうる進路のうち、前記移動体進路生成ステップで生成した前記移動体の進路と干渉する進路を求めることにより、前記移動体と前記障害物との衝突確率を計算する衝突確率計算ステップと、
    前記移動体の周囲に存在する全ての障害物と前記移動体との衝突確率を用いて算出される危険度であって、前記移動体の周囲に存在する全ての障害物によって構成される前記移動体の周囲の環境の前記移動体に対する危険度である環境危険度に基づいて、前記環境が前記移動体にとって危険であるか否かを判定する危険度判定ステップと、
    を有し、
    前記危険度判定ステップで前記環境が危険であると判定する場合の前記環境危険度の最小値は、前記環境危険度と該環境危険度の所定時間前の環境危険度との時間変化量が正であるとき、該時間変化量が大きいほど小さい値をとることを特徴とする移動体周囲危険度判定方法。
  3. 前記障害物進路予測ステップは、
    前記障害物の位置および内部状態に基づいて、前記障害物が時間の経過とともにとりうる位置の変化を時間および空間から構成される時空間上での軌跡として生成する軌跡生成ステップと、
    前記軌跡生成ステップで生成した軌跡を用いることによって前記障害物の進路の確率的な予測演算を行う予測演算ステップと、
    を含むことを特徴とする請求項1または2記載の移動体周囲危険度判定方法。
  4. 前記軌跡生成ステップは、
    前記障害物に対する操作を複数の操作から選択する操作選択ステップと、
    前記操作選択ステップで選択した操作を所定時間動作させる物体操作ステップと、
    前記物体操作ステップで前記選択した操作を動作させた後の前記障害物の位置および前記障害物情報が当該障害物の制御に関する制御条件および当該障害物の移動可能領域に関する移動条件を満たしているか否かを判定する判定ステップと、
    を含み、
    前記複数の軌跡の各々を生成する際、前記操作選択ステップから前記判定ステップに至る一連の処理を、一つの軌跡を生成するために経過させる時間である軌跡生成時間に達するまで繰り返し行うことを特徴とする請求項記載の移動体周囲危険度判定方法。
  5. 前記危険度判定ステップで判定した結果に応じた情報を出力する出力ステップをさらに有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項記載の移動体周囲危険度判定方法。
  6. 移動体の位置ならびに該移動体の速度および/または角速度に基づいて、前記移動体の進路を生成する移動体進路生成手段と、
    前記移動体の周囲に存在する障害物の位置と、該障害物の速度および/または角速度とを含む障害物情報を少なくとも記憶する記憶手段から読み出した前記障害物情報に基づいて、前記障害物がとりうる進路を確率的に予測する障害物進路予測手段と、
    前記障害物進路予測手段で予測した前記障害物がとりうる進路のうち、前記移動体進路生成手段で生成した前記移動体の進路と干渉する進路を求めることにより、前記移動体と前記障害物との衝突確率を計算する衝突確率計算手段と、
    前記衝突確率計算手段で計算した最新の衝突確率、および当該最新の衝突確率と所定時間前の衝突確率との時間変化量を用いることにより、前記移動体に対して危険とみなすべき危険障害物を、前記移動体の周囲に存在する障害物の中から検出する危険度判定手段と、
    を備え
    前記危険度判定手段が前記障害物を危険障害物として検出する場合の前記最新の衝突確率の最小値は、前記時間変化量が正であるとき、該時間変化量が大きいほど小さい値をとることを特徴とする移動体周囲危険度判定装置。
  7. 移動体の位置ならびに該移動体の速度および/または角速度に基づいて、前記移動体の進路を生成する移動体進路生成手段と、
    前記移動体の周囲に存在する障害物の位置と、該障害物の速度および/または角速度とを含む障害物情報を少なくとも記憶する記憶手段から読み出した前記障害物情報に基づいて、前記障害物がとりうる進路を確率的に予測する障害物進路予測手段と、
    前記障害物進路予測手段で予測した前記障害物がとりうる進路のうち、前記移動体進路生成手段で生成した前記移動体の進路と干渉する進路を求めることにより、前記移動体と前記障害物との衝突確率を計算する衝突確率計算手段と、
    前記移動体の周囲に存在する全ての障害物と前記移動体との衝突確率を用いて算出される危険度であって、前記移動体の周囲に存在する全ての障害物によって構成される前記移動体の周囲の環境の前記移動体に対する危険度である環境危険度に基づいて、前記環境が前記移動体にとって危険であるか否かを判定する危険度判定手段と、
    を備え、
    前記危険度判定手段で前記環境が危険であると判定する場合の前記環境危険度の最小値は、前記環境危険度と該環境危険度の所定時間前の環境危険度との時間変化量が正であるとき、該時間変化量が大きいほど小さい値をとることを特徴とする移動体周囲危険度判定装置。
  8. 前記障害物進路予測手段は、
    前記障害物の位置および内部状態に基づいて、前記障害物が時間の経過とともにとりうる位置の変化を時間および空間から構成される時空間上での軌跡として生成する軌跡生成手段と、
    前記軌跡生成手段で生成した軌跡を用いることによって前記障害物の進路の確率的な予測演算を行う予測演算手段と、
    を有することを特徴とする請求項6または7記載の移動体周囲危険度判定装置。
  9. 前記軌跡生成手段は、
    前記障害物に対する操作を複数の操作から選択する操作選択手段と、
    前記操作選択手段が選択した操作を所定時間動作させる物体操作手段と、
    前記物体操作手段が前記選択した操作を動作させた後の前記障害物の位置および前記障害物情報が当該障害物の制御に関する制御条件および当該障害物の移動可能領域に関する移動条件を満たしているか否かを判定する判定手段と、
    を有し、
    前記複数の軌跡の各々を生成する際、前記操作選択手段による操作選択処理から前記判定手段による判定処理に至る一連の処理を、一つの軌跡を生成するために経過させる時間である軌跡生成時間に達するまで繰り返し行うことを特徴とする請求項記載の移動体周囲危険度判定装置。
  10. 前記危険度判定手段で判定した結果に応じた情報を出力する出力手段をさらに備えたことを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項記載の移動体周囲危険度判定装置。
  11. 請求項1〜のいずれか一項記載の移動体周囲危険度判定方法を前記コンピュータに実行させることを特徴とする移動体周囲危険度判定プログラム。
JP2006349939A 2006-12-26 2006-12-26 移動体周囲危険度判定方法、装置、およびプログラム Expired - Fee Related JP5082433B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006349939A JP5082433B2 (ja) 2006-12-26 2006-12-26 移動体周囲危険度判定方法、装置、およびプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006349939A JP5082433B2 (ja) 2006-12-26 2006-12-26 移動体周囲危険度判定方法、装置、およびプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008158969A JP2008158969A (ja) 2008-07-10
JP5082433B2 true JP5082433B2 (ja) 2012-11-28

Family

ID=39659778

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006349939A Expired - Fee Related JP5082433B2 (ja) 2006-12-26 2006-12-26 移動体周囲危険度判定方法、装置、およびプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5082433B2 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4964255B2 (ja) * 2009-01-13 2012-06-27 日本電信電話株式会社 自律移動ロボットの動作計画装置、方法、プログラム及び記録媒体並びに自律移動ロボットの動作制御装置及び方法
EP2289754B1 (en) * 2009-08-31 2015-04-29 Toyota Motor Europe NV/SA Vehicle or traffic control method and system
US8793046B2 (en) 2012-06-01 2014-07-29 Google Inc. Inferring state of traffic signal and other aspects of a vehicle's environment based on surrogate data
JP6316146B2 (ja) * 2014-09-03 2018-04-25 株式会社デンソーアイティーラボラトリ 移動物体位置予測装置、移動物体位置予測方法及び移動物体位置予測用コンピュータプログラム
US10049578B2 (en) 2015-06-29 2018-08-14 Hitachi, Ltd. Travel command generation device
JP6090381B2 (ja) 2015-07-29 2017-03-08 横浜ゴム株式会社 衝突防止システム
US9568915B1 (en) * 2016-02-11 2017-02-14 Mitsubishi Electric Research Laboratories, Inc. System and method for controlling autonomous or semi-autonomous vehicle
JP6736412B2 (ja) * 2016-08-10 2020-08-05 三菱重工業株式会社 目標物監視システムおよび目標物監視方法
US10800408B2 (en) * 2018-05-24 2020-10-13 Baidu Usa Llc Determining driving paths for autonomous driving that avoid moving obstacles
US11091158B2 (en) * 2018-06-24 2021-08-17 Mitsubishi Electric Research Laboratories, Inc. System and method for controlling motion of vehicle with variable speed
CN112602129B (zh) * 2018-08-30 2023-02-07 三菱电机株式会社 车载装置、信息处理方法及计算机可读取记录介质
JP7205154B2 (ja) 2018-10-16 2023-01-17 トヨタ自動車株式会社 表示装置
JP7115270B2 (ja) 2018-12-07 2022-08-09 トヨタ自動車株式会社 自動運転システム
JP7151495B2 (ja) 2019-01-16 2022-10-12 トヨタ自動車株式会社 自動運転システム
CN111613055A (zh) * 2020-05-15 2020-09-01 腾讯科技(深圳)有限公司 车辆驾驶风险的预警方法及装置
JP7276306B2 (ja) 2020-11-17 2023-05-18 トヨタ自動車株式会社 自動運転進路生成装置及び自動運転装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3145740B2 (ja) * 1991-08-29 2001-03-12 マツダ株式会社 移動車の走行状態判断装置
JP3501009B2 (ja) * 1999-03-26 2004-02-23 トヨタ自動車株式会社 車両衝突回避制御装置
JP2005227978A (ja) * 2004-02-12 2005-08-25 Denso Corp 衝突回避システム
JP4604683B2 (ja) * 2004-11-25 2011-01-05 日産自動車株式会社 危険状況警報装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008158969A (ja) 2008-07-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5082433B2 (ja) 移動体周囲危険度判定方法、装置、およびプログラム
JP4062353B1 (ja) 障害物進路予測方法、装置、およびプログラム
JP4211794B2 (ja) 干渉評価方法、装置、およびプログラム
JP4353192B2 (ja) 進路設定方法、装置、プログラム、および自動運転システム
JP4946739B2 (ja) 移動体進路取得方法、および、移動体進路取得装置
JP4396653B2 (ja) 物体進路予測方法、装置、およびプログラム
CN111670468B (zh) 移动体行为预测装置以及移动体行为预测方法
CN109313857B (zh) 周边环境识别装置
JP4743275B2 (ja) 自車進路決定方法および自車進路決定装置
JP4807385B2 (ja) 干渉評価方法、装置、およびプログラム
US8805601B2 (en) Object path prediction method, apparatus, and program, and automatic operation system
JP5323766B2 (ja) 道路の特定のレーン上に目標車両が存在する確率を見積もる方法
JP4730137B2 (ja) 移動体安全性評価方法および移動体安全性評価装置
KR101621649B1 (ko) 동적 장애물에 대한 위치 분포 정보 생성 방법, 위치 분포 정보를 이용한 차량 제어 방법 및 시스템
US20150336575A1 (en) Collision avoidance with static targets in narrow spaces
JP2013506931A (ja) 道路車両用の衝突回避システムおよび方法ならびに各コンピュータプログラム製品
CN112639849A (zh) 路径选择方法和路径选择装置
US11685379B2 (en) Vehicle control device and storage medium storing computer program for vehicle control
Dey et al. Robust perception architecture design for automotive cyber-physical systems
WO2023149003A1 (ja) 車両制御装置
EP3913392A1 (en) Method and apparatus for rear cross collision warning
JP2010224786A (ja) 衝突危険度推定装置及びプログラム
JP6838769B2 (ja) 周辺環境認識装置、表示制御装置
CN116880496A (zh) 一种移动机器人停障方法、装置、电子设备及存储介质

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090908

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110512

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110524

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110720

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120807

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120820

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5082433

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150914

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees