JP5082424B2 - 4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン、その製造方法およびその利用 - Google Patents

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本発明は、4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン、その製造方法およびその利用に関する。
4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアセテートおよび4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルブロマイドは、それぞれ、医農薬の合成中間体等として有用な化合物である。
4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコールの製造方法としては、例えば、2,3,5,6−テトラフルオロベンゼン−1,4−ジメタノールの一方の水酸基を水素化分解する方法(例えば、特許文献1参照。)が知られている。しかしながら、かかる方法は高圧の反応条件が必要であった。
4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアセテートの製造方法としては、例えば、2,3,5,6−テトラフルオロパラキシレンの一方のメチル基を酸化条件でアセテート化する方法(例えば、特許文献2参照。)が知られている。しかしながら、この方法は、反応収率が十分ではなかった。
4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルブロマイドの製造方法としては、例えば、2,3,5,6−テトラフルオロパラキシレンの一方のメチル基上の水素原子を臭素化する方法(例えば、特許文献3参照。)が知られている。しかしながら、かかる方法では反応の選択性が十分ではなかった。
特開2002−173455号公報 英国特許第2123824号明細書 特開昭59−130822号公報
このような状況の下、本発明者は、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアセテートおよび4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルブロマイドの工業的に有利な製造方法を開発すべく鋭意検討したところ、それらの共通中間体として、新規化合物である4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエンが利用できることがわかった。また、かかる新規化合物は、工業的に入手可能な4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコールから容易に得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、式(1)
Figure 0005082424
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
で示される4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(以下、4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)と略記する。);式(2)
Figure 0005082424
(式中、Rは上記と同一の意味を表す。)
で示される4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール(以下、4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール(2)と略記する。)を水素化反応に付すことを特徴とする4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)の製造方法;
4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)と硫酸水溶液とを反応させる4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコールの製造方法;
4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)と無水酢酸とを金属トリフラートの存在下に反応させる4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアセテートの製造方法;
4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)と臭素化剤とを反応させる4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルブロマイドの製造方法;
等を提供するものである。
本発明によれば、高圧の反応条件を用いることなく、工業的に入手可能な化合物を出発原料として、効率よく4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアセテートおよび4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルブロマイドを製造できる点において、工業的に有利である。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)およびその製造方法について説明する。
式(1)においてRで示される炭素数1〜6のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキル基が挙げられる。
4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)としては、例えば4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン、4−エトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン、4−n−プロポキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン、4−イソプロポキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン、4−n−ブトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン、4−イソブトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン等が挙げられる。
4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)は、4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール(2)を水素化反応に付すことにより製造できる。
4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール(2)としては、例えば4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール、4−エトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール、4−n−プロポキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール、4−イソプロポキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール、4−n−ブトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール、4−イソブトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール等が挙げられる。
かかる4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール(2)は工業的に入手可能であるが、例えば、特開2001−220360号公報等に記載の公知の方法により製造したものを用いることもできる。
4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール(2)の水素化反応は、通常、水素ガスを用いて実施される。水素ガスは、必ずしも高純度である必要はなく、反応に不活性なガスを含有していてもよい。水素ガスを用いる場合の反応温度における水素分圧は、特に限定されないが、通常、常圧〜0.8MPa、好ましくは常圧〜0.5MPaの範囲である。
4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール(2)の水素化反応は、通常、金属触媒の存在下に実施される。かかる金属触媒としては、例えばコバルト、鉄、ニッケル、白金、パラジウムおよびレニウムから選ばれる少なくとも一種の金属原子を含む触媒が用いられる。金属触媒は、上記金属またはそれらの合金をそのまま用いてもよいし、担持された金属または合金として用いてもよい。
また、かかる金属触媒として、スポンジメタル触媒を用いることもできる。ここで、「スポンジメタル触媒」は、ニッケル、コバルト等のアルカリまたは酸に不溶な金属とアルミニウム、シリコン、亜鉛、マグネシウム等のアルカリまたは酸に可溶な金属との合金から、アルカリまたは酸に可溶な金属をアルカリまたは酸で溶出させて得られる多孔性金属触媒を意味し、例えばスポンジコバルト、スポンジニッケル等が挙げられる。
かかる金属触媒のなかでも、スポンジメタル触媒が好ましく、スポンジニッケルまたはスポンジコバルトがより好ましい。
金属触媒として、金属または合金をそのまま用いる場合は、粒径の小さい金属または合金を用いることが好ましい。また、担持された金属または合金における担体としては、例えば活性炭、アルミナ、シリカ、ゼオライト等が挙げられ、入手性の点からは活性炭が好ましく、反応活性の点からは粒径の小さい担体が好ましい。
水を含む金属触媒を用いてもよい。
金属触媒の使用量は、その形態により大きく異なるが、通常、4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール(2)に対して0.1〜150重量%の範囲である。
4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール(2)の水素化反応は、通常、溶媒の存在下に実施する。かかる溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル等のエーテル溶媒;酢酸エチル等のエステル溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、tert−ブタノール等のアルコール溶媒;アセトニトリル等のニトリル溶媒;後述するイオン性液体;水;等およびこれらの混合溶媒が挙げられる。溶媒の使用量は特に制限されないが、容積効率等を考慮すると、実用的には4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール(2)に対して、通常20重量倍以下である。
また、水素ガスを用いて水素化反応を実施する場合には、比較的低い水素圧で反応を実施することができる点、および、反応終了後に4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)を容易に単離できる点において、溶媒としてイオン性液体を用いることが好ましい。
イオン性液体とは、通常、有機カチオン種とアニオン種とから構成される塩であり、その融点が100℃以下程度であり、300℃程度の高温まで安定で液体状態を保つ化合物が挙げられる。かかるイオン性液体としては、例えばアルキル置換イミダゾリウム塩、アルキル置換ピリジニウム塩、第四級アンモニウム塩、第四級ホスフォニウム塩、第三級スルホニウム塩等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。好ましくは、アルキル置換イミダゾリウム塩、アルキル置換ピリジニウム塩および第四級アンモニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、なかでもアルキル置換イミダゾリウム塩または第四級アンモニウム塩が好ましい。
アルキル置換イミダゾリウム塩としては、イミダゾリン環上の少なくとも一つの窒素原子が、置換されていてもよいアルキル基と結合したイミダゾリウムカチオンと、例えばテトラフルオロボレートアニオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)アミドアニオン、アルキルカルボキシレートアニオン、アルカンスルホネートアニオン等のアニオン種とから構成される塩が挙げられる。ここで、イミダゾリン環上の窒素原子に結合するアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基等の炭素数1〜8のアルキル基が挙げられる。かかるアルキル基上に有していてもよい置換基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜8のアルコキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;等が挙げられ、これらの置換基で置換されたアルキル基の具体例としては、クロロメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシカルボニルメチル基等が挙げられる。かかる置換されていてもよいアルキル基は、イミダゾリン環上の炭素原子にも結合していてよい。
かかるアルキル置換イミダゾリウム塩としては、例えば1−メチル−3−メチル−イミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−メチル−3−ブチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−メチル−3−イソブチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−メチル−3−メトキシエチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−エチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−ブチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−2,3−ジメチル−イミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3,5−ジメチル−イミダゾリウムテトラフルオロボレート、1,3−ジエチル−5−メチル−イミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート等のアルキル置換イミダゾリウムテトラフルオロボレートおよび前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンが塩化物イオンに代わったアルキル置換イミダゾリウムクロリド;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンが臭化物イオンに代わったアルキル置換イミダゾリウムブロミド;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがヨウ化物イオンに代わったアルキル置換イミダゾリウムヨーダイド;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがヘキサフルオロホスフェートアニオンに代わったアルキル置換イミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがビス(パーフルオロアルカンスルホニル)アミドアニオンに代わったアルキル置換イミダゾリウムビス(パーフルオロアルカンスルホニル)アミド;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがアルキルカルボキシレートアニオンに代わったアルキル置換イミダゾリウムアルキルカルボキシレート;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがアルカンスルホネートアニオンに代わったアルキル置換イミダゾリウムアルカンスルホネート;等が挙げられる。
アルキル置換ピリジニウム塩としては、例えばピリジン環上の窒素原子が前記置換されていてもよいアルキル基と結合したピリジニウムカチオンと、前記アニオン種とから構成される塩が挙げられ、例えばN−メチルピリジニウムテトラフルオロボレート、N−エチルピリジニウムテトラフルオロボレート、N−プロピルピリジニウムテトラフルオロボレート、N−ブチルピリジニウムテトラフルオロボレート、N−ブチル−4−メチルピリジニウムテトラフルオロボレート、N−イソブチルピリジニウムテトラフルオロボレート、N−ペンチルピリジニウムテトラフルオロボレート等のアルキル置換ピリジニウムテトラフルオロボレートおよび前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンが塩化物イオンに代わったアルキル置換ピリジニウムクロリド;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンが臭化物イオンに代わったアルキル置換ピリジニウムブロミド;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがヨウ化物イオンに代わったアルキル置換ピリジニウムヨーダイド;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがヘキサフルオロホスフェートアニオンに代わったアルキル置換ピリジニウムヘキサフルオロホスフェート;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがビス(パーフルオロアルカンスルホニル)アミドアニオンに代わったアルキル置換ピリジニウムビス(パーフルオロアルカンスルホニル)アミド;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがアルキルカルボキシレートに代わったアルキル置換ピリジニウムアルキルカルボキシレート;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがアルカンスルホネートアニオンに代わったアルキル置換ピリジニウムアルカンスルホネート;等が挙げられる。
第四級アンモニウム塩としては、例えば、同一または相異なる前記置換されていてもよいアルキル基4つと窒素原子とから構成されるアンモニウムカチオンと、前記アニオン種とから構成される塩が挙げられ、例えばトリメチルペンチルアンモニウムテトラフルオロボレート、トリメチルヘキシルアンモニウムテトラフルオロボレート、トリメチルヘプチルアンモニウムテトラフルオロボレート、トリメチルオクチルアンモニウムテトラフルオロボレート、トリエチルペンチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の第四級アンモニウムテトラフルオロボレートおよび前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがヘキサフルオロホスフェートアニオンに代わった第四級アンモニウムヘキサフルオロホスフェート;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがビス(パーフルオロアルカンスルホニル)アミドアニオンに代わった第四級アンモニウムビス(パーフルオロアルカンスルホニル)アミド;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがアルキルカルボキシレートアニオンに代わった第四級アンモニウムアルキルカルボキシレート;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがアルカンスルホネートアニオンに代わった第四級アンモニウムアルカンスルホネート;等が挙げられる。
第四級ホスフォニウム塩としては、例えば、同一または相異なる前記置換されていてもよいアルキル基4つとリン原子とから構成されるホスフォニウムカチオンと、前記アニオン種とから構成される塩が挙げられ、例えばトリメチルペンチルホスフォニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルホスフォニウムテトラフルオロボレートの第四級ホスフォニウムテトラフルオロボレートおよび前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがヘキサフルオロホスフェートアニオンに代わった第四級ホスフォニウムヘキサフルオロホスフェート;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがビス(パーフルオロアルカンスルホニル)アミドアニオンに代わった第四級ホスフォニウムビス(パーフルオロアルカンスルホニル)アミド;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがアルキルカルボキシレートアニオンに代わった第四級ホスフォニウムアルキルカルボキシレート;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがアルカンスルホネートアニオンに代わった第四級ホスフォニウムアルカンスルホネート;等が挙げられる。
第三級スルホニウム塩としては、例えば、同一または相異なる前記置換されていてもよいアルキル基3つとイオウ原子とから構成されるスルホニウムカチオンと、前記アニオン種とから構成される塩が挙げられ、例えばトリエチルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリブチルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリプロピルスルホニウムテトラフルオロボレート等の第三級スルホニウムテトラフルオロボレートおよび前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがヘキサフルオロホスフェートアニオンに代わった第三級スルホニウムヘキサフルオロホスフェート;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがビス(パーフルオロアルカンスルホニル)アミドアニオンに代わった第三級スルホニウムビス(パーフルオロアルカンスルホニル)アミド;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがアルキルカルボキシレートアニオンに代わった第三級スルホニウムアルキルカルボキシレート;前記各化合物のテトラフルオロボレートアニオンがアルカンスルホネートアニオンに代わった第三級スルホニウムアルカンスルホネート;等が挙げられる。
水素化反応の温度は、通常50〜200℃の範囲である。好ましくは100〜200℃、より好ましくは130〜180℃の範囲である。
水素化反応は、必要により金属触媒および溶媒の存在下、4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール(2)と水素化剤とを混合すればよく、それらの混合順序は特に限定されない。水素化剤が水素ガスであり、金属触媒または溶媒として含水物を用い、常圧条件下100℃以上で反応を実施する場合は、予め4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール(2)と金属触媒と溶媒とを混合し、該混合物を脱水処理した後に、得られた混合物と水素ガスとを接触させることが好ましい。脱水処理の方法としては、例えば、減圧下に加熱する方法や、トルエン、キシレン等の水と共沸する有機溶媒を用いて共沸脱水する方法等が挙げられる。
反応の進行は、例えばガスクロマトグラフィや液体クロマトグラフィ等の通常の分析手段により確認することができる。
反応終了後、例えば、反応混合物から金属触媒等の不溶分を濾過により除去した後、水および必要に応じて水に不溶の有機溶媒を加えて洗浄処理し、得られた有機層を濃縮処理することにより、4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)を単離することができる。水素ガスを用いて水素化反応を実施した場合には、上記単離操作を実施する前に、例えば窒素ガス等の不活性ガスで気相部を置換しておくことが、防災上好ましい。また、上記水洗処理を施す場合は、必要により水に不溶の有機溶媒を用いて実施する。ここで、水に不溶の有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル等のエーテル溶媒;酢酸エチル等のエステル溶媒;等が挙げられ、反応溶媒として水との相溶性が低いイオン性液体を用いた場合には、芳香族炭化水素溶媒または脂肪族炭化水素溶媒が好ましく用いられる。得られた4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)は、例えば蒸留、カラムクロマトグラフィ等の通常の精製手段により、さらに精製してもよい。
反応溶媒として水との相溶性が高いイオン性液体を用いた場合は、上記単離操作中の水洗処理により、通常、2層に分離し、その水層側にイオン性液体が含まれており、かかる水層を分取し、濃縮処理等を施して水を除去することにより、イオン性液体を回収できる。また、反応溶媒として水との相溶性が低いイオン性液体を用いた場合は、上記単離操作中の水洗処理において、通常、3層に分離し、そのうちイオン性液体層を分離することにより、イオン性液体を回収できる。回収されたイオン性液体は、4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール(2)の水素化反応にリサイクル使用できる。
また、反応混合物から除去した金属触媒を含む不溶分は、場合によって、そのまま、あるいは、有機溶媒、水、酸または塩基を用いて洗浄処理した後、4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール(2)の水素化反応にリサイクル使用できる。
得られた4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)は、例えば蒸留、カラムクロマトグラフィ等の通常の精製手段により、さらに精製されてもよい。
次に、4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)と硫酸水溶液とを反応させる4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコールの製造方法について説明する。
4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)は、上記4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール(2)を水素化反応に付した後の反応混合物をそのまま用いてもよい。
硫酸水溶液の濃度は、通常60〜95%、好ましくは80〜95%の範囲である。その使用量は、4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)1モルに対して、硫酸が1モル含まれる量以上であれば、通常、本発明の目的を達することができる。その上限は特にないが、あまり多すぎても経済的に不利になるため、硫酸が50モル含まれる量以下の範囲で用いる。
4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)と硫酸水溶液との反応は、通常、有機溶媒を用いることなく実施するが、反応に不活性な有機溶媒の存在下に実施してもよい。かかる反応に不活性な有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;等が挙げられる。かかる有機溶媒の使用量は、4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)に対して、通常1重量倍以下である。
反応温度は、通常、0〜100℃、好ましくは30〜80℃の範囲である。
反応は、通常、4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)と硫酸水溶液とを混合し、所定の温度に調整し、攪拌することにより実施され、その混合順序は特に限定されない。
本反応は、通常、常圧条件下で実施されるが、加圧条件下に実施してもよい。反応の進行は、例えばガスクロマトグラフィや液体クロマトグラフィ等の通常の分析手段により確認することができる。
反応終了後、例えば、反応混合物と水および必要により水に不溶の有機溶媒とを混合し、分液処理により有機層を得、次いで、該有機層を濃縮処理することにより、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコールを単離できる。ここで、水に不溶の有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル等のエーテル溶媒;酢酸エチル等のエステル溶媒;等が挙げられる。得られた4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコールは、例えば蒸留、カラムクロマトグラフィ等の通常の精製手段により、さらに精製してもよい。
次に、4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)と無水酢酸とを金属トリフラートの存在下に反応させる4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアセテートの製造方法について説明する。
4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)は、上記4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール(2)を水素化反応に付した後の反応混合物をそのまま用いてもよい。
無水酢酸の使用量は、4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)に対して、1モル倍以上であれば特に限定されず、溶媒として大過剰量用いてもよいが、通常1〜20モル倍の範囲である。
金属トリフラートとしては、例えば、アルミニウムトリフラート、スズトリフラート、銅トリフラート、亜鉛トリフラート、スカンジウムトリフラート、イットリウムトリフラート、セリウムトリフラート、イッテルビウムトリフラート、サマリウムトリフラート等が挙げられる。好ましくは、セリウムトリフラート、イッテルビウムトリフラート、サマリウムトリフラート等のランタノイド金属のトリフラートであり、より好ましくはイッテルビウムトリフラートである。かかる金属トリフラートは、通常、市販のものを用いることができるが、任意の公知の方法により調製したものを用いてもよい。
金属トリフラートの使用量は、4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)に対して、通常0.01〜0.5モル倍の範囲である。
4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)と無水酢酸との反応は、有機溶媒を用いることなく実施してもよいし、反応に不活性な有機溶媒の存在下に実施してもよい。かかる反応に不活性な有機溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;等が挙げられる。かかる有機溶媒の使用量は、4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)に対して、通常1重量倍以下である。
反応温度は、通常、0〜200℃、好ましくは50〜150℃の範囲である。
反応は、通常、4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)と無水酢酸と金属トリフラートを混合し、所定の温度に調整し、攪拌することにより実施され、その混合順序は特に限定されない。
本反応は、通常、常圧条件下で実施されるが、加圧条件下に実施してもよい。反応の進行は、例えばガスクロマトグラフィや液体クロマトグラフィ等の通常の分析手段により確認することができる。
反応終了後、例えば、反応混合物と水および必要により水に不溶の有機溶媒とを混合し、分液処理により有機層を得、次いで、該有機層を濃縮処理することにより、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアセテートを単離できる。ここで、水に不溶の有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル等のエーテル溶媒;酢酸エチル等のエステル溶媒;等が挙げられる。得られた4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアセテートは、例えば蒸留、カラムクロマトグラフィ等の通常の精製手段により、さらに精製してもよい。
最後に、4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)と臭素化剤とを反応させる4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルブロマイドの製造方法について説明する。
4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)は、上記4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール(2)を水素化反応に付した後の反応混合物をそのまま用いてもよい。
本発明における臭素化剤としては、例えば、三臭化ホウ素、三臭化アルミニウム、三臭化リン等のルイス酸性の臭素化合物および臭化水素が挙げられる。
臭素化剤の使用量は、4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)に対して、通常1〜5モル倍の範囲である。
4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)と臭素化剤との反応は、通常、溶媒の存在下に実施する。かかる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に限定されず、例えばトルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;等が挙げられる。その使用量は特に制限されないが、容積効率等を考慮すると、実用的には4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)に対して20重量倍以下である。
反応温度は、通常、−30〜50℃の範囲である。
反応は、通常、4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)、臭素化剤および必要により溶媒とを混合し、所定の温度に調整して、攪拌することにより実施され、その混合順序は特に限定されない。好ましくは、4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン(1)と溶媒との混合物中に、臭素化剤を加えていくことにより反応を実施する。かかる臭素化反応は、通常、発熱を伴うため、除熱処理により反応系中の温度を所定の温度範囲に調整しながら臭素化剤を加えていくことが、より好ましい。臭素化剤は、必要により溶媒との混合物として加えてもよい。また、臭素化剤として臭化水素ガスを用いる場合には、それを反応系中に吹き込むことにより反応を実施することができる。
本反応は、通常、常圧条件下で実施されるが、加圧条件下に実施してもよい。反応の進行は、例えばガスクロマトグラフィや液体クロマトグラフィ等の通常の分析手段により確認することができる。
反応終了後、例えば、反応混合物と水または塩基性水とを混合した後、必要に応じて水に不溶の有機溶媒を混合し、分液処理することにより、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルブロマイドを含む有機層を得、該有機層を濃縮処理することにより、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルブロマイドを単離することができる。ここで、水に不溶の有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル等のエーテル溶媒;酢酸エチル等のエステル溶媒;等が挙げられる。得られた4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルブロマイドは、例えば蒸留、カラムクロマトグラフィ等の通常の精製手段により、さらに精製してもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
実施例1
還流冷却管を付した50mlフラスコに、アルドリッチ社から市販されているスポンジコバルトのスラリー(Raney(W.R.グレイス社の登録商標)2700 Cobalt)5.0g、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール5.0gおよび1−メチル−4−ブチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート5gを仕込み、8kPaまで減圧して80℃に昇温し、水分除去を行った。脱水後、フラスコ内の気相部を窒素置換した後、水素で置換し、水素を満たした1L容積のゴム風船をフラスコに取り付け、160℃に昇温し、同温度で攪拌しながら4時間保温・攪拌した。反応後、室温まで冷却し、ヘキサン20gと水20gを加え、ろ過により不溶分を除去した後、ろ液を攪拌・静置し、分液処理により有機層を分取した。ヘキサン20gを用いた水層からの抽出処理を2回行い、全てのヘキサン層を合一し、濃縮処理することにより、4.5gの薄黄色オイルを得た。H−NMRおよびガスクロマトグラフ質量分析の結果から、当該オイルの主成分は、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエンと同定され、ガスクロマトグラフィ面積百分率法により分析したところ、その純度は98%であった。収率は95%であり、原料が3%回収された。
<4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエンのスペクトルデータ>
GC−MS:M+=208
H−NMR(δppm、CDCl、TMS基準):2.29(s,3H)、3.39(s,3H)、4.56(s,2H)
実施例2
実施例1において、用いるスポンジコバルト展開液量を4.5gとし、加熱時間を8時間とした以外は、実施例1と同様な操作を行い、薄黄色オイルを4.6g得た。ガスクロマトグラフィ面積百分率法により分析したところ、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエンの純度は99%であった。収率は98%であり、原料が2%回収された。
実施例3
還流冷却管を付した50mlフラスコに、アルドリッチ社から市販されているスポンジコバルトのスラリー(Raney(W.R.グレイス社の登録商標)2700 Cobalt)900mg、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール1.12gおよびトリオクチルメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド5gを仕込み、8kPaまで減圧して80℃に昇温し、水分除去を行った。脱水後、フラスコ内の気相部を窒素置換した後、水素で置換し、水素を満たした1L容積のゴム風船をフラスコに取り付け、150℃に昇温し、同温度で攪拌しながら5時間保温・攪拌した。反応後、室温まで冷却し、ヘキサン5gと水10gを加え、ろ過により不溶分を除去した後、ろ液を攪拌・静置したところ、有機層、イオン性液体層、水層の3層に分離した。分液処理により有機層とイオン性液体層とをそれぞれ分取した。ヘキサン5gを用いたイオン性液体層からの抽出処理を2回行い、全ての有機層を合一し、濃縮処理することにより、916mgの薄黄色オイルを得た。ガスクロマトグラフィ面積百分率法により分析したところ、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエンの純度は98%であった。収率は86%であり、原料が4%回収された。
実施例4
200ml耐圧反応管に、アルドリッチ社から市販されているスポンジコバルトのスラリー(Raney(W.R.グレイス社の登録商標)2700 Cobalt)4.5g、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール5.0gおよびトルエン15gを仕込み、反応管内の気相部を窒素置換した後、0.4MPaの水素で2回置換した。反応管の水素圧をゲージ圧0.4MPaとした後、150℃に昇温し、同温度で攪拌しながら18時間保温・攪拌した。ゲージ圧は最大で0.8MPaとなったのち、0.6MPaまで低下した。反応後、室温まで冷却し、水10gを加え、ろ過により不溶分を除去した後、トルエン10gで触媒を洗浄し、ろ液と洗液を合わせて、分液処理により有機層を得、濃縮処理することにより、4.7gの薄黄色オイルを得た。ガスクロマトグラフィ面積百分率法により分析したところ、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエンの純度は94%であった。収率は95%であった。
実施例5
還流冷却管を付した50mlフラスコに、アルドリッチ社から市販されているスポンジコバルトのスラリー(Raney(W.R.グレイス社の登録商標)2700 Cobalt)900mg、4−イソプロポキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール1.0gおよび1−メチル−4−ブチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート3gを仕込み、8kPaまで減圧して80℃に昇温し、水分除去を行った。脱水後、フラスコ内を気相部を窒素置換した後、水素で置換し、水素を満たした1L容積のゴム風船を取り付け、160℃に昇温し、同温度で攪拌しながら6時間保温・攪拌した。反応後、室温まで冷却し、ヘキサン5gと水10gを加え、攪拌・静置し、分液処理により有機層を分取した。ヘキサン5gを用いた水層からの抽出処理を2回行い、全ての有機層を合一し、濃縮処理することにより、980mgの薄黄色オイルを得た。ガスクロマトグラフ質量分析の結果から、当該オイルの主成分は、4−イソプロポキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエンと原料の混合物と同定され、ガスクロマトグラフィ面積百分率法により分析したところ、4−イソプロポキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエンの収率は14%であり、原料が85%回収された。
<分析結果>GC−MS:M+=236
実施例6
50mlフラスコに、実施例1で得た4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエンを含むオイル190mgおよび90%硫酸2gを仕込み、50℃に昇温し、同温度で30分間保温・攪拌した。反応後、室温まで冷却し、水10gで希釈したのち、酢酸エチル5gを加え、得られた有機層をガスクロマトグラフィ内部標準法にて分析したところ、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコールの収率は85%であった。
実施例7
50mlフラスコに、実施例1で得た4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエンを含むオイル200mgおよびクロロホルム2gを仕込み、20℃に冷却し、同温度で攪拌しながら、三臭化ホウ素750mgとクロロホルム2gとの混合液を30分かけて滴下し、滴下終了後さらに同温度で1時間保温・攪拌した。反応後、反応混合物を氷冷しながら、水10gを加えて攪拌した後、クロロホルム層をガスクロマトグラフィ内部標準法にて分析したところ、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルブロマイドの収率は94%であった。
実施例8
50mlフラスコに、実施例1で得た4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエンを含むオイル104mg、無水酢酸1gおよびイッテルビウムトリフラート100mgを仕込み、140℃に加温し、同温度で1時間保温・攪拌した。反応後、反応混合物に、酢酸エチル5gと水5gを加えて攪拌した後、酢酸エチル層をガスクロマトグラフィ内部標準法にて分析したところ、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアセテートの収率は87%であった。
4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコール、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアセテートや4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルブロマイドは、医農薬の合成中間体等として重要な化合物である(例えば、特開2000−63329号公報参照。)。かかる化合物を工業的に有利に製造できる点において、本発明は産業上の利用可能性を有する。

Claims (11)

  1. イオン性液体の存在下に式(2)
    Figure 0005082424
    (式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
    で示される4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコールを水素化反応に付すことを特徴とする式(1)
    Figure 0005082424
    (式中、Rは上記と同一の意味を表す。)
    で示される4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエンの製造方法。
  2. 水素ガスを用いて水素化反応を実施する請求項1に記載の製造方法。
  3. 金属触媒の存在下に水素化反応を実施する請求項またはに記載の製造方法。
  4. 金属触媒が、スポンジコバルトである請求項に記載の製造方法。
  5. イオン性液体が、アルキル置換イミダゾリウム塩または第四級アンモニウム塩である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により、式(1)で示される4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエンを得、得られた式(1)で示される4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエンと硫酸水溶液とを反応させる4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアルコールの製造方法。
  7. 硫酸水溶液の濃度が、60〜95%である請求項6に記載の製造方法。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により得られた式(1)で示される4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエンと無水酢酸とを金属トリフラートの存在下に反応させる4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアセテートの製造方法。
  9. 金属トリフラートが、ランタノイド金属のトリフラートである請求項8に記載の製造方法。
  10. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により、式(1)で示される4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエンを得、得られた式(1)で示される4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエンと臭素化剤とを反応させる4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルブロマイドの製造方法。
  11. 臭素化剤が、三臭化ホウ素である請求項10に記載の製造方法。
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