JP5081814B2 - 家族性複合型高脂血症の検出方法 - Google Patents

家族性複合型高脂血症の検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、家族性複合型高脂血症の検出・診断方法に関する。
低密度リポ蛋白(LDL)は血液中におけるコレステロール運搬の主役であり、動脈硬化性疾患の危険因子である。LDLの中でも特に粒子サイズが小さく平均的なLDLより高比重な、小粒子低比重リポ蛋白(以下、「small,dense LDL」という)は動脈硬化惹起性が通常のLDLより高くなることが知られている。
家族性複合型高脂血症(Familial combined hyperlipidemia , 以下「FCHLという」)はWHOの型別高脂血症ではIIb型の表現型を基盤とするが、食事等の影響によりIIa、IV型にも変動し、家族の高脂血症も一定の型を示さず、IIa、IIb、IV型の種々の表現型を呈する遺伝性高脂血症として定義されたものである。FCHLは動脈硬化性疾患を起こしやすい原発性高脂血症のひとつであり、頻度は約100人に1例程度と極めて高く、FCHLの30%以上が冠動脈疾患を起こすと言われている。
電気泳動を用いた解析より、FCHLの患者検体の血液中ではsmall,dense LDLが存在することが指摘されている(非特許文献1、2および3を参照)。small,dense LDLの存在は血液検体の電気泳動像をデンシトメーターを用いて解析するとLDLのメインピークが25.5nm以下となることにより示される。このことは、LDLの質が小粒子化していることを示している。また、FCHLでは超低比重リポ蛋白(VLDL)が合成過剰となることからLDLコレステロールに比しアポ蛋白Bが相対的過剰となり、アポ蛋白B/LDLコレステロール比が上昇することが指摘されている(非特許文献3を参照)。small,dense LDLではLDL粒子中のコレステロール含量比率が低下する一方、アポ蛋白BはLDL1粒子分子に必ず1分子存在するため、アポ蛋白B/LDLコレステロール比の上昇はsmall,dense LDLの存在を間接的に表しているとも言える。
しかしながら、上記のようなLDLの質を求める方法では、small,dense LDL以外の通常サイズのLDLがsmall,dense LDLと共に上昇した場合、small,dense LDLの存在を精度良く特異的に検出することができず、家族性複合型高脂血症であるか否かの診断を見誤る可能性がある。また、アポ蛋白Bの測定値のみを用いた場合では高レムナント血症なども含めて評価されてしまうため検出の精度が低くなる。
Journal of Lipid Research 2002;43:598-603 Circulation 2004;109:2980-2985 厚生労働省特定疾患原発性高脂血症調査研究班平成12年度研究報告書 2000:37-41
本発明は、家族性複合型高脂血症の優れた検出・診断方法の提供を目的とする。
本発明者等は鋭意検討した結果、small,dense LDL中のコレステロール値がFCHL患者検体中では非常に高くなることを見いだした。また、従来の電気泳動によるLDLサイズ測定や、アポ蛋白B/LDLコレステロール2項目測定値の比の計算では時間、費用の面からも負担が大きいが、本発明の方法によれば、FCHLの検出を簡便に行うことができる。
すなわち、本発明はFCHLの患者検体中のsmall,dense LDLコレステロールを測定することにより、家族性複合型高脂血症を検出・診断する方法を提供するものである。
さらに、本発明はFCHLにおける動脈硬化症等のイベントが起こる危険性を評価・判定する方法およびFCHLにおける動脈硬化が重症か否かを評価・判定する方法を提供するものである。
本発明は具体的には以下の方法およびキットを提供する。
[1] 被験者から採取した被検体試料中のsmall,dense LDLコレステロール濃度を測定することを含む、家族性複合型高脂血症を検出する方法。
[2] 被検体試料中のTGまたはLDL-Cのレベルが正常レベルである患者から採取した被検体試料中のsmall,dense LDLコレステロール濃度を測定することを含む、[1]の家族性複合型高脂血症を検出する方法。
[3] small,dense LDLコレステロール濃度の測定が、被検体試料中のsmall,dense LDLをそれ以外のLDLと分離する、またはそれ以外のLDLを反応させコレステロールを消去する第1工程、およびsmall,dense LDL以外のLDLを分離または消去した後でsmall,dense LDL中のコレステロールを測定する第2工程からなる[1]または[2]の家族性複合型高脂血症を検出する方法。
[4] 被検体試料が血清または血漿であり、血清または血漿中のsmall,dense LDLコレステロール定量値が40mg/dLを超えた場合に家族性複合型高脂血症に羅患していると判断する、[1]〜[3]のいずれかの方法。
[5] 被験者から採取した被検体試料中のsmall,dense LDLコレステロール濃度を測定することを含む、家族性複合型高脂血症患者において動脈硬化性疾患を起こす危険性を判定する方法。
[6] 被験者から採取した被検体試料中のsmall,dense LDLコレステロール濃度の増加が、前記被験者の動脈硬化性疾患を起こす危険性の増加を示す、[5]の家族性複合型高脂血症において動脈硬化性疾患を起こす危険性を判定する方法。
[7] small,dense LDLコレステロール濃度の測定が、被検体試料中のsmall,dense LDLをそれ以外のLDLと分離する、またはそれ以外のLDLを反応させコレステロールを消去する第1工程、およびsmall,dense LDL以外のLDLを分離または消去した後でsmall,dense LDL中のコレステロールを測定する第2工程からなる[5]または[6]の家族性複合型高脂血症にいて動脈硬化性疾患を起こす危険性を判定する方法。
[8] 被検体試料が血清または血漿であり、血清または血漿中のsmall,dense LDLコレステロール定量値が40mg/dLを超えた場合に家族性複合型高脂血症患者において動脈硬化性疾患を起こす危険性があると判定する、[5]〜[7]のいずれかの方法。
[9] small,dense LDLコレステロールの測定用試薬を含む、家族性複合型高脂血症検出用キット。
実施例1に示すように、FCHLの患者群では健常群に比べて明らかにsmall,dense LDLコレステロール値が高値となる。さらに実施例2に示すように、FCHL患者検体の脂質項目を測定した場合、TGが高値の場合やLDL-Cが高値の場合など、個々人により高脂血症の型が異なる。しかしながら、small,dense LDLコレステロール値はいずれの場合でも高値となり、small,dense LDLコレステロール値の測定によりFCHLの検出が的確に行えることがわかる。
本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願2006-127591号の明細書および/または図面に記載される内容を包含する。
健常群およびFCHL群のsmall,dense LDLコレステロール平均値を示す図である。 FCHL群および非FCHL群に対する、small,dense LDLコレステロール値をカットオフ値とした場合のROC曲線を示す図である。 本発明の方法によるsd LDL-C値をカットオフ値として用いてFCHLを検出する方法(図3A)と、LDLサイズによる方法(図3B)、アポ蛋白BとLDLコレステロールの比による方法(図3C)またはLDLサイズもしくはアポ蛋白BとLDLコレステロールの比による方法(図3D)と比較した結果を示す図である。
本発明では血清または血漿を被検試料として用いる。
また本発明では、FCHLに羅患しているかどうかを検出・診断するためにsmall,dense LDLコレステロール測定値を用いる。
small,dense LDLとは一般的にはLDL画分のうち直径が約22.0〜約25.5nmの亜分画、比重1.040〜1.063の亜分画を指す。LDLを大きさにより亜分画に分けているのは、LDLのうち粒子径が小さいものが冠動脈硬化等の動脈硬化惹起性が高く、LDLの中でもより悪性度が高いので、LDLの中でも小さいものを分別測定する必要があったからである。LDL内で直径分布や比重分布は連続しており、比重がどの程度以上のものが特に悪性度が高いというように明確に区別できるものではない。従って、上記の比重1.040〜1.063という値もsmall,dense LDLの特性として確立したものではなく、広く用いられており確立した値といえるLDLの比重範囲1.019〜1.063を中央点で分けたものである。例えば、別の報告では1.044〜1.060に分画される(Atherosclerosis:106 241-253 1994)。small,dense LDLの比重をどの範囲にするかは、報告者により若干の違いがあるが、いずれもその範囲で分別した場合のsmall,dense LDLの存在が臨床的な悪性度と関連している。
small,dense LDLの測定法として古くから用いられてきた方法として電気泳動法がある。これはポリアクリルアミドゲルを用いてLDLの移動度や粒子直径を測る方法であり、small,dense LDLの存在は確認できるが、特定成分の定量を行うものではない(JAMA, 260, p.1917-21, 1988 動脈硬化, 25, p.67-70, 1997)。また、NMRを用いてLDL粒子数を測定する方法がある(Handbook of lipoprotein Testing, 2nd ed, Rifai N, Warnick GR, Dominiczak MH, eds p.609-623, AACC Press ,Washington, DC, 2000.)。これはLDL総重量が同じでもLDLが小型化していれば粒子数が増加するとの考えのもと間接的にsmall,dense LDLを行うものであるがsmall,dense LDLの一成分を直接測定するものではない。
small,dense LDLコレステロールの測定方法としては、超遠心法(Atherosclerosis, 48 p.33-49, 1993: Atherosclerosis,106, p.241-253, 1994等)、電気泳動後デンシトメーターを用いてピーク面積を定量する方法(Atherosclerosis, 125, p.231-42 1996)、HPLCを用いてLDLを細分化し、small,dense LDL分画のコレステロールを定量する方法(Handbook of lipoprotein Testing, 2nd ed, Rifai N, Warnick GR, Dominiczak MH, eds p.647-669, AACC Press ,Washington, DC, 2000.)がある。さらに、アガロース電気泳動において泳動後のゲルを脂質染色し、その染色パターンをコンピューター解析しリポ蛋白を定量する方法がある(特開2000-356641号公報)。上記測定法でもsmall,dense LDLコレステロールを定量することによりFCHLの診断を行うことが可能であるが簡便性、汎用性に劣り日常検査の場で用いるのは難しい。また、測定値をコンピューター解析にて用いる場合には測定値は計算により求める概算値であり、正確性に問題がある。
本発明者らはポリアニオンと二価陽イオンからなる分離剤を用いてLDLを通常サイズのLDLとsmall,dense LDLに分離し、その後LDLコレステロール測定用試薬を用いてsmall,dense LDLコレステロールを定量する方法(臨床病理,25,p.406-413,2004)を提供している。本発明では上記small,dense LDLコレステロールの測定法を好適に用いることができる。
例えば、臨床病理,25,p.406-413,2004の記載に従って、以下のようにしてsd LDL中コレステロールの測定を行うことができる。血清または血漿を試料とし、ポリアニオンと二価陽イオンからなる分離剤と混合した場合、通常サイズのLDLの他、VLDL、カイロミクロンなどは凝集物を形成し、遠心分離やフィルター等により反応系から除去される。反応液中には凝集物を形成しないsd LDLおよびHDLが残る。この反応液にLDLコレステロール直接測定法の原理を利用した2試薬系の自動分析装置対応の試薬を作用させる。第1反応ではLDL以外のリポタンパク質に作用する界面活性剤の存在下でコレステロールエステラーゼ及びコレステロールオキシダーゼを作用させ、生じた過酸化水素を消去することにより、反応液中のHDLコレステロールのみが消去される。続く第2反応では試料中のsd LDL中コレステロールの測定を行う。これは、例えば、少なくともLDLに作用する界面活性剤を加え、第1工程で加えたコレステロールエステラーゼ及びコレステロールオキシダーゼの作用により生じた過酸化水素を定量することにより行うことができる。
本発明の方法は、FCHLを検出・診断する方法であるが、該方法は、FCHLをスクリーニングする方法でもある。また該方法は、FCHLが原因となる動脈硬化症等の心血管イベントの発生確率、すなわち心血管イベントが起こる危険性を判定・評価する方法でもある。例えば、検体試料中のsmall,dense LDLコレステロールの濃度に応じて、心血管イベントの発生の確率が低い、中程度、または高いと判断できる。また、測定値とイベントが発生する頻度を関連付けることにより、確率を数値で示すことも可能である。
また、本発明の方法により、FCHLにおける動脈硬化症等のイベントが起こる危険性を評価・判定することができ、さらにFCHLにおける動脈硬化が重症か否かを評価・判定することができる。
small,dense LDLコレステロールの定量値がFCHLに罹患していない健常人よりも増加している場合、例えば、健常人のsmall,dense LDLコレステロールの平均値は20mg/dLであるが、血清中のsmall,dense LDLコレステロールの定量値が30〜50mg/dL、好ましくは40mg/dLを超える場合、FCHLに羅患していると判断され、さらに動脈硬化性疾患の危険性が高くなるものと判断される。ただし、FCHL診断の基準値については民族等により異なることが考えられるためこの限りではない。また、FCHLと診断されたヒトの中でもsmall,dense LDLコレステロール測定値が45mg/dL、50mg/dLと高くなるに従い、動脈硬化が重症化していると考えられ、心筋梗塞等の動脈硬化性疾患を発症する危険性が高いと判定し得る。
本発明のsmall,dense LDLコレステロールをマーカーとしてFCHLを検出し、または動脈硬化性疾患の危険性を評価・判定する方法によれば、従来の脂質マーカーでは測定できないFCHLを検出することができ、また従来の脂質マーカーでは評価・判定できない動脈硬化性疾患の危険性を評価・判定することができる。すなわち、FCHL患者において、TG、LDL-CおよびHDL-Cのいずれか1つ、2つ、またはすべて、好ましくは、TGおよびLDL-Cの一方または両方が正常レベルであっても、small,dense LDLコレステロールが正常レベルより高い場合がある。すなわち、本発明は、TG、LDL-C、HDL-C等の従来の脂質マーカーでは検出できないFCHLを検出することができる、FCHLの検出方法である。ここで、正常レベルとは、臨床的に正常と判定された被験者から採取した検体試料中のサンプル濃度と統計的に有意な差がないレベルをいう。
以下、本発明の詳細について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
動脈硬化性疾患を発症していない男性および女性健常人360名、および本人、家族歴からFCHLに羅患していることが確認されている9例を用いてsmall,dense LDLコレステロールの測定を行った。small,dense LDLコレステロールの測定はsd LDL-C「生研」(デンカ生研社製)を使用した。
その結果を図1に示す。図1に示すように、健常群に比べてFCHL群では明らかにsmall,dense LDLコレステロール値が上昇している。本結果はsmall,dense LDLコレステロール定量によりFCHL疾患を良好に検出することができることを示すものである。
[実施例2]
実施例1で用いたFCHL患者群において検体中の各種脂質パラメーターの比較を行った。small,dense LDLコレステロールの測定は実施例1と同様の試薬を使用した。中性脂肪、LDL-コレステロール、HDL-コレステロールの測定は酵素法を使用した。
その結果を表1に示す。表1に示すように、FCHL患者検体以外では一般に高値をもって動脈硬化性疾患と診断する脂質マーカーTGまたはLDL-Cが、FCHL患者検体では低値となる場合があるが、いずれの症例もsmall,dense LDLコレステロール値は高値となる。このことはsmall,dense LDLコレステロールが従来の脂質マーカーに比べて特異性に優れたFCHL診断のための測定マーカーとなることを示すものである。
Figure 0005081814
[実施例3]
糖尿病、冠動脈疾患のない健常人1345例のsd LDL-Cをsmall,dense LDLコレステロールの測定はsd LDL-C「生研」(デンカ生研社製)を用いて測定した。
FCHLの疾患定義である家族歴、本人の高脂血症を用いてFCHL、非FCHLを特定・群分けし、sd LDL-Cのカットオフ値を変動させたときの感度および特異性を測定してROC曲線を描いた(図2)。
その結果、ROC曲線上左上(点A)のsd LDL-Cが40mg/dLのとき、感度92.3%、特異性88.3%となった。感度と特異性が共に優れて高いこの値をカットオフ値として仮に定めた。
[実施例4]
実施例3で求めたようにsd LDL-C値40mg/dLをカットオフ値として用いてFCHLを検出する方法と、既存のFCHLを検出する方法であるLDLサイズによる方法、アポ蛋白BとLDLコレステロールの比による方法と比較した。LDLサイズによる方法とは粒子径25.5nm未満LDLの存在すれば陽性とする方法であり、アポ蛋白BとLDLコレステロールの比による方法とはApoB/LDL-C>1.0を陽性とする方法(動脈硬化性疾患診療ガイドライン2002年版、日本動脈硬化学会編)である。
その結果を図3に示す。図3A〜図3Dにおいて、確定診断の欄は、FCHLの疾患定義である家族歴、本人の高脂血症を用いてFCHL、非FCHLを特定・群分けした場合の検体数を示し、+がFCHLと診断された検体の数であり、−が非FCHLと診断された検体の数である。図3Aの本発明 sdLDL>40mg/dLの欄は本発明の方法によりsd LDL-C値をカットオフ値(40mg・dL)として用いてFCHL、非FCHLを特定・群分けした場合の検体数、図3BのLDLサイズの欄はLDLサイズによる方法によりFCHL、非FCHLを特定・群分けした場合の検体数、図3CのApoB/LDL>10の欄はアポ蛋白BとLDLコレステロールの比をカットオフ値(10)として用いてFCHL、非FCHLを特定・群分けした場合の検体数、図3Dは、LDLサイズもしくはアポ蛋白BとLDLコレステロールの比をカットオフ値(10)として用いてFCHL、非FCHLを特定・群分けした場合の検体数を示す。+はそれぞれの方法によりFCHLと診断された検体の数、−はFCHLと診断されなかった検体の数を示す。図3A〜図3Dに示すように、本発明の方法、LDLサイズによる方法、アポ蛋白BとLDLコレステロールの比を用いる方法、LDLサイズもしくはアポ蛋白BとLDLコレステロールの比をカットオフ値(10)として用いる方法の感度・特異性は、それぞれ92.3%・88.3%、30.8%・91.5%、7.7%・97.5%および30.8%・90.6%であった。本発明法であるsd LDL-C値を用いた診断の方が既存の方法に比べて感度・特異性の点から良好な結果が得られた。
実施例3および4の結果より、sd LDL-Cが40mg/dLのときFCHLに羅患していると判断され、さらに動脈硬化性疾患の危険性が高くなるものと判断することができると言える。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。

Claims (7)

  1. 被験者から採取した被検体試料中のsmall,dense LDLコレステロール濃度を測定することを含み、
    該被検体試料が血清または血漿であり、血清または血漿中のsmall,dense LDLコレステロール定量値が40mg/dLを超えた場合に家族性複合型高脂血症に羅患していると判断するための、家族性複合型高脂血症を検査する方法。
  2. 被検体試料中のTGまたはLDL-Cのレベルが正常レベルである患者から採取した被検体試料中のsmall,dense LDLコレステロール濃度を測定することを含む、請求項1記載の家族性複合型高脂血症を検査する方法。
  3. small,dense LDLコレステロール濃度の測定が、被検体試料中のsmall,dense LDLをそれ以外のLDLと分離する、またはそれ以外のLDLを反応させコレステロールを消去する第1工程、ならびにsmall,dense LDL以外のLDLを分離または消去した後でsmall,dense LDL中のコレステロールを測定する第2工程からなる請求項1または2に記載の家族性複合型高脂血症を検査する方法。
  4. 被験者から採取した被検体試料中のsmall,dense LDLコレステロール濃度を測定することを含み、
    該被検体試料が血清または血漿であり、血清または血漿中のsmall,dense LDLコレステロール定量値が40mg/dLを超えた場合に家族性複合型高脂血症患者において動脈硬化性疾患が生じる危険性があると判断するための、家族性複合型高脂血症患者において動脈硬化性疾患を起こす危険性を検査する方法。
  5. 被験者から採取した被検体試料中のsmall,dense LDLコレステロール濃度の増加が、前記被験者の動脈硬化性疾患を起こす危険性の増加を示す、請求項記載の家族性複合型高脂血症において動脈硬化性疾患を起こす危険性を検査する方法。
  6. small,dense LDLコレステロール濃度の測定が、被検体試料中のsmall,dense LDLをそれ以外のLDLと分離する、またはそれ以外のLDLを反応させコレステロールを消去する第1工程、ならびにsmall,dense LDL以外のLDLを分離または消去した後でsmall,dense LDL中のコレステロールを測定する第2工程からなる請求項4または5に記載の家族性複合型高脂血症において動脈硬化性疾患を起こす危険性を検査する方法。
  7. 血清または血漿中のsmall,dense LDLコレステロールの測定用試薬を含み、血清または血漿中のsmall,dense LDLコレステロール定量値が40mg/dLを超えた場合に家族性複合型高脂血症に羅患していると判断する方法に使用するための、家族性複合型高脂血症検査用キット。
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