JP6454950B1 - 粥状動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高いと判定する易酸化性VLDL(VLDL susceptibility to oxidation)および易酸化性LDL(LDL susceptibility to oxidation)の簡便な測定方法および測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本願発明は、採取した血清・血漿をそのまま、またはチォール基阻害剤を添加しまたは添加しない検体をそれぞれ一定温度に加熱(インキュベ−ション)し、加熱前後の小粒子LDL、小粒子LDLコレステロールまたはsmall dense LDLコレステロール(sLDLc)をそれぞれ測定し、結果をそれぞれ比較し増加する増加量が優位例えば1.5倍または増加率が優位例えば50%以上あることにより粥状動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞のリスクがより高いと判断する間接的な易酸化性VLDLや易酸化性LDLの測定方法および測定試薬とその装置を提供する。
【選択図】図2
Description
TCやTGおよびリン脂質は、脂質のまま血流中に存在することができないので、リポ蛋白質のCM、VLDL、LDLなどに格納され血流を介して隅々の細胞に搬送される。従って、個々の細胞がTCやTG、リン脂質を必要とするときまたは代謝を促進するため当該細胞は、細胞膜表面に係留して存在するリポ蛋白リパーゼ(LPL)や肝性リパーゼ(HTGL)を分泌し、CMやVLDL、IDL、LDL中のTGを加水分解し、現われたアポB100(apoB100)やアポEを認識しB/E受容体(アポB/アポEレセプター)を介して直ちに細胞(Cells)中に取込まれる。細胞内でVLDLまたはIDL、LDL、sLDLは、脂肪酸(fatty acid)とグリセロール(glycerol)、コレステロール(cholesterol)などにそれぞれ分解されエネルギーとして消費される他、脂肪として蓄積または酵素や細胞膜の原料またはホルモンや新たに生成するVLDLやLDLの原料として再利用される。
特に特許文献3は、sLDLcの出現において40mg/dL以上であれば、家族性複合型高脂血症(FCHL)と診断する方法であるが、臨床において、一時的にsLDLcの増加はよくあることであり、例えば腎透析時または心臓カテーテル術実施時におけるヘパリン投与で、大量の小粒子LDLやsLDLcが一時的に血中に出現することから、小粒子LDLやsLDLcの存在や増加だけをもってFCHLと診断することができないし、小粒子LDLやsLDLcの出現そのものが、心筋梗塞や脳梗塞の原因物質と断定することもできない。
しかし動脈硬化巣において起こっている現象は概ね解明されリポ蛋白質の酸化が最も怪しいということになっている。中でも小粒子LDLが不安定で酸化されやすいと記載した先行技術は、たくさんあるが、酸化されやすいことと小粒子LDLの出現に関わる関連を明確に説明した先行技術がない。すなわち小粒子LDLが心筋梗塞の原因物質であるという主張は、小粒子LDLが殆どないFH患者やII a型脂質異常症またはLDLc値が健常域で小粒子LDLがない脂質健常者にも粥状動脈硬化による心筋梗塞が出現しており、LDLcや小粒子LDLそのものの存在が心筋梗塞の直接的原因物質と断言できる根拠に対する説明ではなかった。
また、脳梗塞発症の患者は、小粒子LDLが無いまたは少ない人も多く、II a型脂質異常症またはLDLcが健常域で小粒子LDLがない脂質健常者群とPAGEの濃度図が酷似していた。
そこで発明者たちは、IDLや小粒子LDLが酸化されやすいという説明を補強する必要があると考え研究を続けた。
ヒトの各細胞は、食後CMやVLDLを取り込むとき、アポCをLPLの活性化因子としてLPLやHTGLを分泌し、CMやVLDL、LDL粒子中のTGを加水分解して粗くなった直後の粒子中のアポB100やアポEを認識し、細胞表面にあるアポBレセプターやアポEレセプター(B/Eレセプター、総称してLDLレセプターということもある)により、CMやVLDL、IDL、LDLをそれぞれ細胞に取り込む。
しかしLDL中のTG含有比は10%と低く(表1)細胞に取り込まれなかったLDLは大部分残っており、これが血中のホスホリパーゼ等によりリン脂質(レシチン)の脂肪酸が加水分解された場合に、小粒子LDLが出現すると発明者たちは考えた。LDL中のフリーコレステロール(FC)がHDLに付属して存在するレシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ(LCAT、非特許文献7)により抜き取られただけで小粒子LDLが出現するという解釈は成り立たない。
なお小粒子LDLの出現が、LPLやHTGLによるTGの加水分解だけでないことは、最近発売されたPCSK9阻害薬(特許文献19)を投与すると劇的にLDLや小粒子LDLが減少することにより証明される。
ならばどこでLDLが酸化されたかについては明らかにされていない。
そこで我々発明者たちは、VLDLやLDLが、LPLやHTGLによりTGが加水分解を受けた直後、B/Eレセプターに取り込まれなかったVLDL、LDLが酸化されると考え、それらを、酸化されやすいVLDL(易酸化性VLDL、VLDL susceptibility to oxidation)および酸化されやすいLDL(易酸化性LDL、LDL susceptibility to oxidation)と呼ぶことにした。
マクロファージに取り込まれた酸化またはアセチル化されたLDLは、血管壁特に動脈硬化巣に吸収され、粥状動脈硬化を促進する(非特許文献1)。また脳梗塞は、粥状動脈硬化が脳血管に起こった場合や他の動脈硬化巣から剥がれた血栓や細胞の一部が、脳動脈を閉塞させた場合に発生する。
すなわち血中に現れた、IDLや小粒子LDLは、加水分解された直後の易酸化性VLDLまたは易酸化性LDLが存在していた事を示す証拠だったということになる。なお酸化またはアセチル化されたVLDLやLDLを単に変性VLDLまたは変性LDLと呼ぶこともある。
採血後の血清や血漿を37℃2時間加熱(以後インキュベーションという)後、出現した小粒子LDLは、脂質を必要とする細胞に直接触れることがないため、それらが細胞に吸収されることはない。その上LDL中のTGの含有比率が10%程度(表1)であることから、TGが加水分解されただけで小粒子LDLが出現したと結論付けるには、出現した小粒子LDLが多すぎる。
したがって我々発明者たちは、加水分解された直後のVLDLまたはLDLが何らかの要因でホスホリパーゼ(ホスホリパーゼの1種であるLCATを含む)が活性化されリン脂質の脂肪酸を加水分解した結果、小粒子LDLが出現したと推定する以外にないことを発見した。
言い替えると、インビトロにおいて、37℃2時間のインキュベーションで出現した小粒子LDLは、VLDLまたはLDL内のFCとリン脂質の脂肪酸がHDL粒子に転送されたものを含むが、インキュベーションにより増加したHDLコレステロール量は微量であり(表3)、小粒子LDLすべてがLCATによりHDLに転送されたものであるということはできないからである。
インビトロにおいて、37℃2時間インキュベーション後、FH患者や陳旧性心筋梗塞患者の検体に出現した小粒子LDLは、血清または血漿中に存在する残余のLPLやHTGLさらにホスホリパーゼなどがかなりあって、LDL中のTGやリン脂質が加水分解され出現したものと考えられる。しかし37℃2時間インキュベーション後、HDLが極端に増えているわけではない(表3)からLCATとHDLの作用のみにより小粒子LDLが出現したと言うこともできない。そこで発明者たちは、FH患者や陳旧性心筋梗塞患者の検体に、チォール基(R−SH)阻害剤(非特許文献6)を加え、37℃2時間インキュベーションした後、PAGE法でリポ蛋白質を泳動した結果、新たな小粒子LDLが現れなかったことから、小粒子LDLの出現にはホスホリパーゼ(LCATを含む)が関与していると推定した。
したがってインビトロで、37℃2時間インキュベーション後出現したまたは増加したIDLや小粒子LDLは、LDL中のTGがLPLやHTGLにより加水分解されただけでなく、ホスホリパーゼにより加水分解されたリン脂質の脂肪酸が抜けたものであるということができる。
すなわちLDL中のTGの含有比率が8〜11%程度(表1)であり、37℃2時間のインキュベーションで、LDL中のTGが残余のLPLやHTGLにより加水分解されたとしてもその量は、限られている。したがってLPLやHTGLによってすべてのIDLや小粒子LDLが産生されたと言い切れず、かつLCATによりリン脂質の脂肪酸とFCがHDLに抜き取られたため全ての小粒子LDLが出現したとも言い切れない(インキュベーション後HDLcがそれほど増加していないことによる。表3)。
したがってLDLが小粒子化されたのは、LDL中のホスホリパーゼが何らかの要因により活性化されリン脂質が水解され小粒子LDLが出現したと考えるのが妥当である。
したがって元々脂質健常者には、LCATやHDLが働くまでもなく易酸化性VLDLや易酸化性LDLが殆ど存在しない上に、例え残っていたとしてもその量は僅かで、それはLCATとHDLの作用により酸化される前に小粒子LDLになっていると思われるが、この小粒子LDLは、極微量で検出できる量でなかったと言える。
による心筋梗塞を起こした患者(FHやII a型脂質異常症の患者に限らず)のLDL粒子内は、TGが少ない状態である。そして大量のヘパリンを投与してもLDL自体が消滅することがないことからLPLやHTGLの作用だけで小粒子LDLが出現したと説明することができない。
しかし易酸化性VLDLや易酸化性LDLを取り込むべき細胞(レセプター)がないインビトロで、被検検体(血清または血漿)を37℃で2時間インキュベーションすると、脂質健常者に出現しない小粒子LDLが、FH患者や粥状動脈硬化により心筋梗塞を起こした患者群(II a型に限らない)に出現したことは(表3)、LDL中のホスホリパーゼがリン脂質の脂肪酸を加水分解したため出現したと見ることができる。
その治療法として採られているIDLや小粒子LDL低下療法(非特許文献11)は、易酸化性VLDLまたは易酸化性LDLが酸化される前に無くそうとする治療法であり論理的に非常に有効である事が証明されている。
すなわち非特許文献11による治療法は、易酸化性VLDLまたは易酸化性LDLが血中を循環している間に酸化修飾を受けることを予め防止し、マクロファージに取り込まれることを事前になくそうとする治療法であったことが解る。
しかし、この治療法も本願発明の37℃2時間インキュベーション前後の小粒子LDLの出現または増加を確認して行えばさらに心筋梗塞や脳梗塞の予防に役立つと思われる。
単に小粒子LDLまたは小粒子LDLコレステロール、sLDLcの存在や出現だけでなく、インキュベーション後の小粒子LDLの増加量または増加率を調べることによって、より正確に心筋梗塞や脳梗塞のリスクの存在を知ることができる。
本願発明の検査法による心筋梗塞や脳梗塞のリスクは、インキュベーション後の小粒子LDLまたはsLDLcの増加量が1.5倍以上または増加率が50%以上であると限定するものではなく、増加量や増加率を適時選択することができる。しかも増加量が2倍を超えたり増加率が100%をこえた時には、さらに心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まっていると判断できる。なお、診断の判断基準であるカットオフ値は、小粒子LDLまたはsLDLc測定法など特許請求項4記載の測定法別に、心筋梗塞や脳梗塞のリスクとして、それぞれ設定することが必要である。
ただし、各分画の種類や名称は、上記に限定されるものではなく、たとえばsLDLとvs・LDLを統合して小粒子LDLと称することもできる。
以上により、心筋梗塞患者または心筋梗塞を起こす恐れのある患者と脂質健常者を識別できることがわかった。
最適インキュベーション温度と時間は、37℃2時間であるが、請求項4の測定法の測定感度により、30℃から40℃で、30分から4時間としても測定可能である。またはインキュベーションをする代わりに数日間室温保存した検体と冷蔵保存した検体の小粒子の増加量または増加率を調べることも可能である。
図1と図2を比較すると37℃2時間インキュベーション後明らかに小粒子LDLの増加があり、かつその増加率が2倍以上あった。
なおチォール基阻害剤を予め真空採血管に入れておくことで、血清・血漿を分割したりする作業を簡略化することもできる。
すなわちVLDLやIDLが異常に蓄積することにより易酸化性VLDLやIDLが酸化され、マクロファージにとらえられた結果、粥状動脈硬化が進み心筋梗塞を発症する疾患群である。ただし、III型脂質異常症群は元々LDLが異常に低く小粒子LDLもほとんど認められない場合がある。したがって37℃インキュベーションで出現する小粒子LDLが少ない場合もあり得るが、インキュベーション前後の増加率が例えば2倍を超えていれば、III型脂質異常症を考慮して、本願測定法によるリスク判定を行うことができる。したがって見逃されやすいWHOのIII型脂質異常症の判定を正確に行う必要性がある。
しかし、VLDL中のTGがLPLやHTGLにより加水分解され、易酸化性VLDLが酸化等の変性を受けた場合、マクロファージにとらえられ動脈壁に蓄積し粥状動脈硬化を惹起させる。ただしまれに代謝不良でIV型の患者が一時的にV型の病態を呈する場合があり、WHOの型判定が欠かせない。
ただし、本症例のようにLDLや小粒子LDLが少なくても、III型脂質異常症群と同様に、インキュベーション前後の増加率が例えば1.5倍を超えていれば、V型脂質異常症を考慮して、本願測定法によるリスク判定を行うことができる。
ただしインキュベーション前後の増加率は、V型脂質異常症の場合に、例えば2.0倍を超えていたとき、リスクがあると判断することもできる。
したがって見逃されやすいWHOのV型脂質異常症の判定を正確に行う必要性がある。
なぜ脂質健常人のLDL分画より移動度が遅いLDL分画を持つ患者がいるのか現在のところ不明であるが、本願測定法によるリスクの判定法は、採血後の血清や血漿中にLPLやHTGLおよびホスホリパーゼが残存していることが前提であり、何らかの理由でLPLなどが少ない場合には、本願測定法によるリスク判定法の例外となる。
したがってこの種の検体は、食後の検体で検査することも選択肢となる。
なお、小粒子LDL量が少なくても、LDLの移動度が遅い検体の場合は、インキュベーション前に較べ後の増加率が、1.5倍を超えている場合、心筋梗塞のリスクが高いと判断することができる。
ただし、この疾患群の中に、粥状動脈硬化が直接的な原因とならない疾患、例えば高血圧症、冠攣縮、心不全患者などが含まれるので、これらとの鑑別は必要である。
本願発明は、小粒子LDLが出現する機序が2通りあることを提言した。
その1つはII a型脂質異常症に代表される血清や血漿に元々小粒子LDLが殆んどない群と、他方II bやIV型脂質異常症に代表される血清や血漿に日常的に小粒子LDLが見られる群を区別し、双方とも本願発明を実施することにより、粥状動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞になる可能性を、その発症前に知ることができ、予防や治療に利用できる簡便な方法となる。
LDLcが140mg/dL以上がこの基準に当てはまる。しかし、この基準により治療すれば、心筋梗塞などが予防できるというものではない。見方を変えればこの診断基準を守れば心筋梗塞は予防できるというものでもない。
本願発明は、心筋梗塞や脳梗塞発症のメカニズムの一端を明らかにしたものであり、心筋梗塞や脳梗塞のリスクがある人とない人を簡単な検査で区別しょうとするもので、TCやLDLcまたはsLDLc量の大小で判断する従来の方法とは異なる検査方法である。
従って本願発明の効果は、今まで不完全であった心筋梗塞や脳梗塞の予防をさらに前進させる効果を持つ。例えば本願発明で心筋梗塞や脳梗塞のリスクの大きい人には、発症前から易酸化性VLDLや易酸化性LDLの酸化防止剤等の投与や治療薬の選択または新たな治療薬の開発、さらに酸化等防止を目的とした食品の開発、マクロファージの免疫学的療法などの開発が促進され、新しい治療薬・予防法・治療法の開発が進展し、心筋梗塞や脳梗塞を予防ができることになり、社会的にも経済的にも非常に大きな効果が期待できる。
ただあまり長時間インキュベーションすると脂質健常者にもsLDLcが出現するので注意が必要である。
測定法としては、被験検体に何種類もの試薬を添加する方法で、本当に小粒子LDLを測定しているかどうかは別として、インキュベーション前後の測定値の差を小粒子LDLが出現した、または増加した、または増加率が優位であったとして、心筋梗塞発症や脳梗塞のリスクが高まったと判断することができる。
ただ本直接定量法は、測定の最終段において、コレステロールオキシダーゼ等酵素試薬を使用している関係で、測定時被験検体と試薬を37℃にインキュベーションする行程が含まれているのでインキュベーション前の検体も、この測定行程で少しLDLが小粒子化している可能性があるが、インキュベーション前後の測定値の差(増加率を含む)を見る検査として、心筋梗塞や脳梗塞発症のリスクの有無を調べることはできる。本実施例においてもカットオフ値は適
なお、チォール基阻害薬として下記の試薬も使用できる(非特許文献6)。
HMCS (N−[6−Maleimidiocaproyloxy]sulfosuccinimide,sodium salt)やGMBS (N−4[Maleimidobutyryloxy]sulfosuccinimide,sodium salt)、EMCS(N−[6−Maleimidocaproyloxy]sulfosuccinimide,sodium salt)、SIAB(N−SuccinimidylSulfosuccinimidyl{4−iodoacetyl Succinimidyl aminobenzoate)、LC−SPDP(Succinimidyl 6−[3’{2−pyridyyldithio}−propionamide Succinimidyl}−propionamide]hexanoate)。
なお小粒子LDLを検出する装置として、必ずしもガウス波形近似法を使用しなければならないと特定するものではなく、一定の相対移動度(RM値)で分画して小粒子LDLが出現したとして検出することも可能である。
PCSK9阻害薬は、LDLを、細胞に転送するレセプターを阻害する酵素を疎害するため、LDLを急激に減少させることができる。
しかし、PCSK9阻害薬の使用は、LDLcが高く心筋梗塞発症のリスクが高い患者に限り(ホモのFH患者を除く)使用が認められているが、現在、どういう患者が心筋梗塞の発症リスクが高いのか明確に特定されていない。本検査法は、PCSK9阻害薬投与する条件の一つとして利用することができる。
(2)ガウス波形近似のグラフ
(3)標準検体の濃度図(実線)
(4)グラフの横軸(nm)
(5)インキュベーション前の患者の生化学データ
(6)インキュベーション前の患者のLDL粒子径
(7)インキュベーション前の小粒子LDLコレステロール値
(8)濃度図の縦軸(吸光度)
(9)インキュベーション後の患者の生化学データ
(10)インキュベーション後のLDL粒子径
(11)インキュベーション後の小粒子LDLコレステロール値
Claims (4)
- 食前または食後、患者から採取した血液を血清や血漿に分離したのち、小粒子LDLや小粒子様LDLまたは小粒子LDLコレステロールや小粒子様LDLコレステロールまたはsmall dense LDLコレステロールを測定し、かつ当該同一検体の血清や血漿を一定温度に一定時間加温(インキュベーション)し、再び小粒子LDLや小粒子様LDLの出現を確認または小粒子LDLコレステロールや小粒子様LDLコレステロールまたはsmall dense LDLコレステロールを測定し、インキュベーション後に、優位な増加量である1.5倍または優位な増加率である50%以上になった時、粥状動脈硬化による心筋梗塞および脳梗塞にかかりやすいとする測定方法。
- 食前または食後、患者から採取した検体を血清や血漿に分離したのち、2分割し、その一方に予めレシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼの酵素活性を阻害するチオール基阻害剤を一定量加えるか、あるいは2分割せずあらかじめチォール基阻害剤を一定量加えた、または加えない真空採血管を用いてそれぞれ採取し血清や血漿にした検体を、それぞれ一定温度に一定時間加温(インキュベーション)しまたは、3日から1週間室温で保管した後、それぞれ小粒子LDLや小粒子様LDLまたは小粒子コレステロールや小粒子様LDLコレステロールまたはsmall dense LDLコレステロールを測定し、測定結果をそれぞれ比較しチオール基阻害剤を入れない方の検体の測定結果に、小粒子LDLや小粒子様LDLまたは小粒子コレステロールや小粒子様LDLコレステロールまたはsmall dense LDLコレステロールの優位な増加量である1.5倍または優位な増加率である50%以上になった時、粥状動脈硬化による心筋梗塞および脳梗塞にかかりやすいとする測定方法。
- 被験検体を一定温度にインキュベーションする温度は、30℃から40℃で、インキュベーションする時間は30分から4時間とすることを特徴とする請求項1、請求項2の粥状動脈硬化による心筋梗塞および脳梗塞にかかりやすいとする測定方法。
- 請求項1、請求項2、請求項3の測定方法が、下記のいずれかまたは複数個含む測定方法。
1 ポリアクリルアミドゲルディスク電気泳動(PAGE)法
2 高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法
3 PAGE法およびHPLC法で得られた濃度図にガウス波形近似を施し、小粒子LDLの出現または小粒子LDLコレステロールまたはsmall dense LDLコレステロールを測定する方法
4 イオンモビリティスペクトロメトリ分析(Ion mobility spectrometry:IMS)法
5 動的光散乱粒度分布測定(DLS)法
6 リポ蛋白質の一部を沈殿または分離させる試薬とコレステロールを測定する試薬を使用し小粒子LDLまたはsmall dense LDLコレステロールを測定するコレステロール直接測定法
7 アガロースゲル電気泳動(AGE)法
8 濃度勾配型グラジュエントゲル電気泳動(GGE)法
9 超遠心分離装置で小粒子LDLを分離分取した後、コレステロールを測定する方法
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金野好恵: "閉塞性動脈硬化症(ASO)に対する加温式里沙キュレーション法(DFサーモ)の効果", 日本アフェレシス学会雑誌, vol. 24, no. 1, JPN6018029108, 28 February 2005 (2005-02-28), pages Page.91-98 * |
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