JP5080780B2 - ドア - Google Patents
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そして、通常の使用状態においては、防犯上の観点から、ドア表面側から施錠状態が目視確認できないことが好ましく、その為の具体的な構成としては、ドア本体3の鍵設置部3a側の辺hにおいて、ドア本体3とドア枠1との隙間Sを目隠しして、前記デッドボルト3bの出退状況がドア表面側から見ることができないようにするカバープレート部3Aが、ドア本体3の前記辺の全長にわたって形成されているものがあった。
前記カバープレート部3Aは、前記ドア本体の表面プレートをドア端面よりドア枠1側へ延出させることでドア本体と一体に構成されており、ドア本体3との境界はドア表面側から判らないように形成されていた。
尚、この様な従来技術に関しては、当業者の間で広く知られているものであるが、該当するドアに関して詳しく言及した特許文献などは見あたらないので、先行技術文献は示していない。
しかし、例えば、室内で火災やその他の緊急事態等が発生し、施錠されたドアを室外側から開けて室内に入って救出しなければならないような場合、前記デッドボルトを室外側から切断具(例えばエンジンカッター)で切断すれば、容易にドアを開けることができるが、従来のドアにおいては、前述の通り、カバープレート部がドア本体と境目の無い状態に一体に形成されているから、その裏側のデッドボルトの位置や、ドア本体とドア枠との隙間の位置すら正確に認識できず、デッドボルトのみを速やかに切断することは非常に困難であった。
即ち、デッドボルトの近傍のドア本体やドア枠等も含めて手当たり次第に切断しないと、結果的にデッドボルトを切断することができず、迅速なドア開放が困難であるといった問題点がある。
また、切断具は、正確にデッドボルトの切断を行えるようになり、切断位置近傍のドア枠や、ドア本体を無闇に切断具で傷つけることを防止でき、デッドボルト等の一部の部品を交換するだけで、またドアとして使用できるようになるから経済性も高い。
また、着色部は、例えば、ドア本体が形成された後から、ペイントや塗装等による簡単な工程によって形成することができるから、経済的に目印部を形成することが可能となる。
更には、着色部は、ドアと前記隙間との現場位置関係に対応するように、前記カバープレート部上に後加工で形成できるから、一定寸法のカバープレートを備えたドア本体を使用しながら、着色部の位置のみを異ならせるだけで、ドアと前記隙間との位置関係が異なる複数種の出入り口に、それぞれ対応させることが可能となる。その結果、ドアの兼用化を叶えることができ、部品点数の減少と大量生産等の作用によってコストダウンを図ることが可能となる。
また、切断具によるカバープレートの切断に伴っては、切断抵抗が大きい部分より小さい部分の方へ切断刃は逃げる性質があるから、他の部分より薄肉に形成してある目印部への切断刃の誘導作用を利用することができ、より正確な位置の切断を行うことが可能となる。
また、切断具によるカバープレートの切断に伴っては、切断抵抗が大きい部分より小さい部分の方へ切断刃は逃げる性質があるから、他の部分より低強度の材料で形成してある目印部への切断刃の誘導作用を利用することができ、より正確な位置の切断を行うことが可能となる。
その結果、何らかの理由(例えば、火災やその他の緊急事態の発生)で、カバープレート部、及び、デッドボルトを切断具で切断して、ドアを開けたような場合、前記カバープレート部とデッドボルトとを新しいものに部品交換するだけで、ドア本体は、元々のものをそのまま使用することが可能となる。
従って、コストアップの防止を図ることが可能となる。
また、カバープレート部として、異なる意匠のものを複数製作しておき、ニーズに合わせて表情の異なるカバープレート部をドア本体に取り付けることで、商品バリエーションが豊富で意匠性の高いドアを経済的に提供することが可能となる。
また、切断刃によるカバープレート部の切断時に、ドア本体の端面やドア枠部分に刃が接触しない分、切断抵抗が少なくなって、よりスピーディーにデッドボルトの切断を実施することが可能となる。
図1〜3は、本発明のドアDの一実施形態を示すものであり、ドアD1は、例えば、高層住宅における玄関ドアとして設置されている。
前記ドアD1は、図に示すような矩形板形状のドア本体3で構成されており、玄関躯体に固定されたドア枠1に対して、左右一方の端部が、縦軸芯のヒンジ2を介して揺動開閉(外開き)自在に取り付けられている(図2、図3参照)。そして、左右他方の端部となるドア遊端部fには鍵設置部3aが設けてあり、鍵設置部3aでの施錠操作によって、ドア枠1の鍵受け部1aにデッドボルト3bが係入して施錠される。
また、両縦枠部1Aの内、ドア遊端側の縦枠部1Aには、前述の鍵受け部1aや、ラッチ受け部1dが形成されている。
尚、ドア遊端部f側の縦枠部1Aにおける室外側表面の内、後述するドアのカバープレート部3Aが被さる部分は、ドア表面より室内側へ窪んだ段部1eとして構成されている。
また、ドア遊端部fには、上下ほぼ中間部にドアノブ3cが設けられ、そのドアノブ3cの上下に、それぞれ前記鍵設置部3aが設けられている。
ドアノブ3cを開閉操作するに伴って、ドア遊端部fの端面からラッチ3dが出退し、前記ドア枠1のラッチ受け部1dに嵌入するように構成されている(図3参照)。
また、鍵設置部3aを施錠操作するに伴って、ドア遊端部fに納まっていた前記デッドボルト3bがドア遊端部f端面から突出し、前記ドア枠1の鍵受け部1aに係入するように構成されている。そして、鍵設置部3aを施錠解除操作するに伴って、前記デッドボルト3bは、前記鍵受け部1aから抜けてドア遊端部f内に戻る。
このカバープレート部3Aは、図3に示すように、ドア本体3を閉めた状態においては、前記ドア枠1の前記段部1e上に重なり、ドア遊端部f端面とその端面が対向するドア枠1の鍵受け部1aとの間の隙間Sをドア表面側から目隠しすることができ、防犯効果を高めている。
そして、カバープレート部3Aの表面には、前記隙間Sの位置を示す目印部Mが設けられている。
当該実施形態においては、前記目印部Mは、前記ドア遊端部f側の辺hの全長の内、上下両鍵設置部3aにわたって且つその近傍を含む範囲に設けられた凹みM1で構成されている。
具体的には、前記下地フレーム4の一部が、図2に示すように、カバープレート部3Aの下地となっており、その下地フレーム4の外周を覆う状態に化粧鋼板からなる第1化粧材6Aと、ステンレス板からなる第2化粧材6Bとを重ねて張設してあり、前記目印部Mに相当する箇所について、前記第二化粧材6Bのみをスリット状に切り欠いてある。この切欠き幅寸法W1は、切断具(例えば、エンジンカッター等)の切断刃7の厚み寸法W2以上で、且つ、前記隙間Sの幅寸法W0以下に設定してある。この切欠きによって生じた凹みM1によって、前記目印部Mが構成されている。
尚、前記第1化粧材6Aは、ドア表面部Pの全幅にわたって設けてある一方、前記第2化粧材6Bは、ドア表面部Pの全幅の内、ドア遊端部f側の一部の幅範囲にのみ設けられており、特に、第2化粧材6Bは、第1化粧材6A上に接着材で着脱自在に取り付けられている。
また、カバープレート部3Aの切断に際しては、前記凹みM1が、切断刃7のずれ止め効果を発揮することに加えて、第2化粧材6Bを切り欠いて形成してあるからその部分が他の部分より薄肉になり、切断時間の更なる短縮を図る効果がある。そして、目的のデッドボルト3bにターゲットを絞った切断ができれば、ドア本体3の端面やドア枠1の縦枠部1Aに傷を付けることを回避でき、前記化粧材6と、デッドボルト3bのみを新規なものに付け替えるだけでドアを復旧することができる。
図4、図5は、本発明のドアDの二つ目の実施形態を示すものである。尚、このドアD2について、先の実施形態と異なる構成を主に説明し、同様の説明の重複を避けるものであるから、特に、記載が無い構成に関しては、先の実施形態に準ずるものである。
そして、前記第2化粧材6Bの山部8と谷部9とは、カバープレート部3Aの上下全長にわたって形成されている。また、第2化粧材6Bには、前記目印部Mとなる凹みM2とは別の位置にも、装飾的に、同様の凹凸を形成してあり、意匠性の高いドアが構成されている。
図6は、本発明のドアDの三つ目の実施形態を示すものである。尚、このドアD3について、先の実施形態と異なる構成を主に説明し、同様の説明の重複を避けるものであるから、特に、記載が無い構成に関しては、先の実施形態に準ずるものである。
具体的には、目印部Mを境として左右の部分の色を変えることで、それらの境界線が目印部となる。そして、化粧材6としては、前記第1化粧材6Aのみを使用してあり、例えば、ドア枠1を「黒色」に着色する一方、第1化粧材6Aの表面色を「灰色」に着色し、第1化粧材6Aにおける目印位置よりドア遊端部f側の部分を、ドア枠1と同様の「黒色」に着色し、この第1化粧材6A上の「灰色」と「黒色」との境界の着色部M3が、前記隙間Sの位置を示すように構成されている。
以下に他の実施の形態を説明する。
両開きドアの場合の一例を、図7、図8に示す。このドアD4は、片袖付きドアとして構成してあり、ドア枠1の一方の縦枠部1Aに取り付けられたドア本体3と、他方の縦枠部1Aに取り付けられた袖ドア12とが、互いに揺動開閉自在な状態に設置されて構成されている。ドア本体3に関しては、先の実施形態で説明したものと同様のものを採用することができる。また、袖ドア12は、閉めた状態で先の実施形態で説明したドア枠1と同様の働きを行えるように構成されている。その一例として、袖ドア12には、ドア枠1の鍵受け部1aに相当する鍵受け部12aや、ドア枠1の戸当たり部1bに相当する戸当たり部12bや、ドア枠1のラッチ受け部1dに相当するラッチ受け部12dが設けられており、戸当たり部12bには、戸当たりシール材12cも設けられている。
従って、前記カバープレート部3Aによって目隠しする隙間Sは、図8に示すように、閉めた状態のドア本体3の鍵設置部3a側の端面と、その端面が対向する袖ドア12の鍵受け部12aとの間の隙間に形成されている。即ち、前記隙間Sとは、ドア本体3とドア枠1との間に形成されることに限らず、この両開きドアのように、ドア本体3と袖ドア12との間に形成されることもある。更には、両開き形式でも、ドア枠の中央に支柱を備えた構造の場合にはドア本体と支柱との間に前記隙間Sが形成されることもあり、要するに、本発明に係わる前記隙間Sとは、閉めた状態のドア本体3の鍵設置部3a側の端面と、その端面が対向する固定側の鍵受け部との間の隙間を指す。
〈2〉 前記目印部Mは、先の実施形態で説明した第2化粧材6Bに形成したスリット状の切欠きからなる凹みM1や、山部8と谷部9とからなる凹凸形状による凹みM2や、色分けによる境界線や線そのものを周りと異なる色で描いた着色部M3で構成するものに限らず、例えば、凹みによる目印部Mの場合、図9(イ)、(ロ)、図10(ハ)、(ニ)に示すように、カバープレート部3Aに、奥窄み形状に傾斜した周壁10aを備えた溝10を形成し、この溝10によって目印部Mを構成するものであってもよい。この形態によれば、前記周壁10aによって前記切断刃7を溝底へ誘導する作用が期待でき、より正確な位置でデッドボルト3bを切断することが可能となる。
また、カバープレート部3Aに、図11(ホ)、(ヘ)に示すように段部11を形成し、この段部11によって目印部Mを構成するものであってもよい。段部11の場合は、段部11の隅部に切断刃を宛って切断することで、位置ずれせずに正確な位置でデッドボルトを切断することが可能となる。
一方、目印部Mを設けてあるカバープレート部3Aの構造に関しては、先の実施形態で図示したように下地フレーム4の延出基板部分の表裏両面を化粧材の金属板で挟む状態に形成したものに限るものではなく、例えば、図10、図11に示すように、単独の金属板、若しくは、二枚の金属板を折り曲げ形成してカバープレート部3Aを形成するものであってもよい。
因みに、ドアは、開閉方向を右開き・左開きの何れに設定されていてもよい。
〈3〉 前記目印部Mは、ドア本体3の上下全長に設けるものに限らず、一部に設けるものであってもよい。但し、鍵設置部3aの設けられている位置、又は、その近傍に設けてあることが好ましい。また、鍵設置部3aは、各ドアによって一定位置ではないことがあり、それぞれの配置状態によって対応する位置が異なる。
〈4〉 前記目印部Mは、他の部分より薄肉にすることで切断時間の短縮と、切断位置の精度向上を図れることを先の実施形態で説明したが、この薄肉に替えて、例えば、目印部Mの部分を、他の部分より低強度の材料(例えば、低強度金属や合成樹脂等)で構成するものであっても同様の効果を期待することができる。更には、薄肉と低強度材料との両方を採用するものであってもよい。
3 ドア本体
3A カバープレート部
3a 鍵設置部
h 辺
M 目印部
M1 凹み
M2 凹み
M3 着色部
P ドア表面部
S 隙間
W0 隙間の幅寸法
W1 切欠き幅寸法(目印部の幅寸法に相当)
Claims (7)
- 閉めた状態のドア本体の鍵設置部側の端面とその端面が対向する固定側の鍵受け部との間の隙間をドア表面側から目隠しするカバープレート部が、前記ドア本体の鍵設置部側の辺における全長、又は、ほぼ全長にわたってドア表面部に設けられているドアであって、
前記カバープレート部の表面に、前記隙間の位置を示す目印部として、奧窄み形状に傾斜した周壁を備えたV溝が設けられているドア。 - 前記目印部は、着色部を備えて構成されている請求項1に記載のドア。
- 前記目印部は、他の部分より薄肉に形成してある請求項1又は2に記載のドア。
- 前記目印部は、他の部分より低強度の材料で形成してある請求項1〜3の何れか一項に記載のドア。
- 前記鍵設置部は、前記ドア本体の遊端部側に設けてあり、前記目印部は、前記ドア本体の遊端部辺全長の内、鍵設置部近傍位置に設けられている請求項1〜4の何れか一項に記載のドア。
- 前記カバープレート部は、ドア本体に対して着脱自在に設けられている請求項1〜5の何れか一項に記載のドア。
- 前記目印部の幅寸法は、前記隙間の幅寸法以下に形成してある請求項1〜6の何れか一項に記載のドア。
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