JP5080190B2 - 外壁施工構造 - Google Patents
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図8に示すように、外壁板92は、寸法調整外壁板920として適宜切断されて、開口部96のサッシ961の上部に配される。寸法調整外壁板920の切断端部921が、端部施工金具93を介して接着剤91でもって胴縁95に固定されている。端部施工金具93の前方屈曲部932は、切断端部921に当接されている。胴縁95は、構造躯体90に固定されている。また、サッシ961と寸法調整外壁板920との目地部に、シーリング材963が施され、バックアップ材964は、シーリング材963の後方に設けられている。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、外観意匠性、耐候性、施工性に優れた外壁施工構造を提供することを目的としている。
外壁板を複数枚上下合いじゃくり接合しつつ留め付け金具によって建物の構造躯体に留め付けてなる外壁施工構造において、
該複数枚の外壁板のうち、上下幅を調整するために切断された切断端部を有する寸法調整外壁板については、該切断端部が端部施工金具によって構造躯体に固定されており、
該端部施工金具は、構造躯体に固定される背板部と、該背板部の一端から前方へ屈曲した前方屈曲部と、を有し、
該背板部を前記寸法調整外壁板の裏側面に接着させると共に、前方屈曲部を該寸法調整外壁板の切断端面に当接させている
ことを特徴としている。
前記端部施工金具の背板部は、前方屈曲部形成側の端部とその反対側の端部においてそれぞれ構造躯体に当接する第1当接部と第2当接部と、該第1当接部および第2当接部の間において前方に隆起され前記寸法調整外壁板の裏側面に当接される板裏当接部とから構成され、さらに、
前記端部施工金具の前方屈曲部は、水平部と、該水平部の一端から下方へ屈曲した前面部とから構成され、
該水平部を寸法調整外壁板の切断端面に当接させている
ことを特徴としている。
前記端部施工金具の前方屈曲部は、さらに、前記前面部の一端から後方へ屈曲し、構造躯体に当接する第3当接部を有する
ことを特徴としている。
シーリング材が、前記端部施工金具の前方屈曲部の前面部の前方に配されている
ことを特徴としている。
外壁板が、焼成基材からなる窯業系外壁板である
ことを特徴としている。
また、上記のように切断端部についても、釘打ちを行う必要がない。そのため、釘打ち施工の場合のように、その後の補修塗装の必要がない。よって、施工効率を向上させ、施工コストを低減することができる。
さらに、外壁板に対して傷をつけるおそれもない。漏水がおこるおそれもない。外壁板の耐候性を充分に確保することができる。
さらにまた、シーリングを施工する前に、バックアップ材を目地部の後方の所定の位置に設ける必要もない。端部施工金具がバックアップ材の機能を有する。そのため、バックアップ材が不要となる。さらなる施工効率の向上がある。
したがって、本発明によれば、外観意匠性、耐候性、施工性が優れた外壁施工構造を提供することができる。
図1、図2、図3、図5、図6に、本発明の実施の形態にかかる外壁施工構造の一部を示す。
図4に、本発明の実施の形態にかかる外壁施工構造で使用される端部施工金具を示す。
図7に、本発明の実施の形態にかかる外壁施工構造で使用される端部施工金具の変形例を示す。
なお、本明細書において、「前」とは建築物の外側方向を、「後」とは建築物の内側方向をいう。また、上記外壁材などに関しては、壁面に取り付けた状態において、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」、「水平」、「垂直」などの表現を用いている。
本例の外壁施工構造1は、図2に示すように、外壁板2が複数枚上下合じゃくり接合されている。また、外壁板2が留め付け金具5によって建物の構造躯体10に留め付けられている。
上部下実21は、下側に配される外壁板2の上辺に形成される。また、下部上実22は、上側に配される外壁板2の下辺に形成される。留め付け金具5は、上部下実21と、下部上実22と、を係止した状態で、構造躯体10に固定されている。
そこで、寸法調整外壁板20の切断端部23については、端部施工金具3を介して構造躯体10に固定されている。
背板部31には、背板部31の前方屈曲部32形成側の端部とその反対側の端部においてそれぞれ構造躯体10に当接する第1当接部311と、第2当接部312と、第1当接部311および第2当接部312の間において前方に隆起した板裏当接部310と、を有している。
また、前方屈曲部32には、水平部320と、該水平部の一端から下方へ屈曲した前面部321と、該前面部の一端から後方へ屈曲した構造躯体に当接する第3当接部322と、を有している。
そして、背板部31の板裏当接部310と寸法調整外壁板20の裏側面26とは、接着剤11によって互いに接着される。
かりに、ここで、接着剤11の塗布量が多すぎて、板裏当接部310の下方に接着剤11がはみ出しても、前方に隆起した板裏当接部310と第1当接部311との間の空間に接着剤11はとどまるので、後述するシーリング材163と切断端面231との付着に影響を与えない形状としている。
また、板裏当接部310の一部に孔を設け、接着剤11を後方に、はみ出させることもできる。この場合、板裏当接部310と裏側面26と胴縁13との、3つを接着剤でもって固定することができる。よって、寸法調整外壁板20をさらに強固に構造躯体10に固定することが可能となる。
そして、留め付け金具5は、下側の外壁板2の上部下実21を下板係止部54によって係止する。留め付け金具5は、上側の外壁板2の下部上実22を支承部52によって支承すると共に上板係止部53によって係止している。より具体的には、上板係止部53は、外壁板2の下部上実22における後方に形成された後方係止部221を係止している。
また、留め付け金具5は、構造躯体10に固定された縦胴縁131に、釘56やビスなどの固定具によって、固定されている。
上記留め付け金具5の基板部51は、図2に示すように、下地材である胴縁13に当接する下地当接部511と、該下地当接部511に対して前方に隆起して外壁板2の裏側面26に当接する板裏当接部510とを有する。この下地当接部511と板裏当接部510との前後幅が、基板部51の前後幅d2となる。
そして、図2、図3に示すごとく、外壁板2と胴縁13との間に、端部施工金具3の背板部31の前後幅d1及び留め付け金具5の基板部51の前後幅d2と同等の間隔(例えば5mm程度)の通気層18が形成される。
端部施工金具3は、例えば、左右幅wが約1836mm、上下幅hが60mm程度の横長形状を有するものとすることができる。また、背板部31の前後幅d1は約5mm、前方屈曲部32の水平部320の長さaは約13mmとすることができる。したがって、寸法調整外壁板20の切断端面231を8mm程度の幅でもって充分に支持することができる。
図4に示すように、端部施工金具3は、背板部31の第2当接部312において、ビス孔33(直径5mm)を柱間隔などに合わせて、複数個設けている。
また、あえて図示しないが、前方屈曲部32の前面部321の前方の表面において、シーリング材の3面接着を防止しボンドブレーカーとして機能するテープ(フィルム)を、その表面に貼着することもできる。
図1、図2に示すように、上記胴縁13と上記構造躯体10との間には、透湿防水シート14が介在している。また、サッシ162と構造躯体10とにわたって防水テープ165を貼着して、雨水の浸入を防いでいる。
本例は、図5に示すように、窓などを配設する開口部16の下側における外壁施工構造1の例である。
すなわち、端部施工金具3は、開口部16の下側に配された寸法調整外壁板20の切断端部23に配設される。
そして、該切断端部23に端部施工金具3が配設されている。
また、切断端部23とサッシ162との間にはシーリング材163が配設されている。該シーリング材163の後方には端部施工金具3の前方屈曲部32の前面部321が配設されている。
その他は、実施例1と同様である。
本例は、図6に示すように、軒天部17の下側における外壁施工構造1の例である。
すなわち、端部施工金具3は、軒天材171の下側に配された寸法調整外壁板20の切断端部23に配設される。
そして、該切断端部23に端部施工金具3が配設されている。
また、切断端部23と軒天材171との間にはシーリング材163が配設されており、該シーリング材163の後方には端部施工金具3の前方屈曲部32の前面部321が配設されている。
その他は、実施例1と同様である。
本例は、下屋根の棟側の取り合い部における外壁施工構造1の例であり(図示せず)、端部施工金具3は、上記取り合い部に配された寸法調整外壁板20の切断端部23に配設される。
本例においては、胴縁13と構造躯体10との間には、前方透湿防水シート141と一枚の雨押えと後方防水紙とが介在している。
また、切断端部23と雨押えとの間にはシーリング材163が配設されている。該シーリング材163の後方には端部施工金具3の前方屈曲部32の前面部321が配設されている。
その他は、実施例1と同様である。
本例は、下屋根の流れ側の取り合い部における外壁施工構造1の例である(図示せず)。
この場合、寸法調整外壁板20の切断端部23は、寸法調整外壁板20の左右幅方向に対して傾斜している。この傾斜した切断端部23に沿って上記端部施工金具3が配設されている。したがって、端部施工金具3も構造躯体10に対して傾斜した状態で固定されている。
その他は、実施例4と同様である。
本例は、オーバーハング部(垂れ壁部)における外壁施工構造1の例である(図示せず)。
すなわち、端部施工金具3は、オーバーハング部に配された寸法調整外壁板20の切断端部23に配設される。
また、切断端部23とオーバーハング水切との間にはシーリング材163が配設されている。該シーリング材163の後方には端部施工金具3の前方屈曲部32の前面部321が配設されている。
その他は、実施例1と同様である。
また、胴縁の断面形状は、実施例で示した長方形断面などがあげられる。風圧力などに対する強度が充分であり、容易に変形しない形状のものであれば、いかなる形状でもよい。胴縁が木製にあっては長方形断面が、金属製にあっては、軽量化が可能なC形や略ハット状断面が、望ましい。
10 構造躯体
11 接着剤
13 胴縁
131 縦胴縁
132 横胴縁
14 透湿防水シート
16 開口部
161 サッシ
162 サッシ
163 シーリング材
165 防水テープ
17 軒天部
171 軒天材
18 通気層
2 外壁板
20 寸法調整外壁板
21 上部下実
22 下部上実
221 後方係止部
23 切断端部
231 切断端面
26 裏側面
3 端部施工金具
31 背板部
310 板裏当接部
311 第1当接部
312 第2当接部
32 前方屈曲部
320 水平部
321 前面部
322 第3当接部
33 ビス孔
34 ビス
5 留め付け金具
Claims (5)
- 外壁板を複数枚上下合いじゃくり接合しつつ留め付け金具によって建物の構造躯体に留め付けてなる外壁施工構造において、
該複数枚の外壁板のうち、上下幅を調整するために切断された切断端部を有する寸法調整外壁板については、該切断端部が端部施工金具によって構造躯体に固定されており、
該端部施工金具は、構造躯体に固定される背板部と、該背板部の一端から前方へ屈曲した前方屈曲部と、を有し、
該背板部を前記寸法調整外壁板の裏側面に接着させると共に、前方屈曲部を該寸法調整外壁板の切断端面に当接させている
ことを特徴とする外壁施工構造。 - 前記端部施工金具の背板部は、前方屈曲部形成側の端部とその反対側の端部においてそれぞれ構造躯体に当接する第1当接部と第2当接部と、該第1当接部および第2当接部の間において前方に隆起され前記寸法調整外壁板の裏側面に当接される板裏当接部とから構成され、さらに、
前記端部施工金具の前方屈曲部は、水平部と、該水平部の一端から下方へ屈曲した前面部とから構成され、
該水平部を寸法調整外壁板の切断端面に当接させている
ことを特徴とする請求項1に記載の外壁施工構造。 - 前記端部施工金具の前方屈曲部は、さらに、前記前面部の一端から後方へ屈曲し、構造躯体に当接する第3当接部を有することを特徴とする請求項2に記載の外壁施工構造。
- 請求項1から3のいずれか一項に記載の外壁施工構造であって、
さらに、シーリング材が、前記端部施工金具の前方屈曲部の前面部の前方に配されていることを特徴とする外壁施工構造。 - 外壁板が、焼成基材からなる窯業系外壁板であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の外壁施工構造。
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