JP5079210B2 - シーリング材組成物 - Google Patents

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Description

本発明はシーリング材組成物、詳しくは、サンド調表面の窯業系サイディングボードの目地に用いた場合、窯業系サイディングボードのサンド調表面外観と硬化したシーリング材組成物の表面状態とが意匠上、違和感がなく調和する、シーリング材組成物に関する。
近年窯業系サイディングボードに重厚な高級感のある外壁イメージを創り出すために、窯業系サイディングボードの表面に、ざらつき感のある微細な凹凸模様の風合いを施したサンド調(砂岩調、砂まき調)塗装を施し、高級感を付与したものが使用されるようになってきている。しかし、上述の高級感のある外壁材を施工した場合に従来の不定形シーリング材を使用すると、シーリング材表面が光沢を有し、かつ平滑となってしまうため、目地が浮きでたような仕上がりになってしまうという問題が生じる。このためサイディングボード表面と調和させるためシーリング材表面に凹凸を作り出し、あるいはさらに艶消し性を付与することでサンド調外壁と調和した外観を有するシーリング材の開発が進められてきた。例えば、平均粒径が0.1〜2.0mmで空隙率が40〜85%である無機多孔質性膨張体を配合する方法(特許文献1、第2頁参照)、平均粒径100μm以上のバルーンと、融点35℃以上の第1級及び/又は第2級アミンを配合する方法(特許文献2、第2頁参照)などが知られている。
上記した従来の方法のうち、粒径100μm以上のバルーンを配合する方法ではバルーンの配合量の増加とともに硬化後のシーリング材のモジュラスが高くなり、伸長性が低下する傾向が強くなるため、特に窯業系サイディングボードの目地のように低モジュラス、高伸長のシーリング材硬化物性が要求される用途(例えば特開平10−219960号公報を参照)においては好ましくない。一方、バルーン以外の粒径100μm以上の硅砂など非球状粒子を使用しても、やはり配合量の増加とともに硬化後のシーリング材のモジュラスが高くなり、伸長性が低下する傾向が強くなる。
特開2001−59083号公報 特開2001−164237号公報
本発明は、サンド調の窯業系サイディングボード目地に使用した場合、該外壁と調和した外観を有し、かつ窯業系サイディングボード目地に要求される低モジュラス・高伸長という物性を有するシーリング材組成物を提供することを課題とする。
本発明のシーリング材組成物は、上記の課題を解決すべく、ざらつき感のある凹凸、あるいはさらに艶消し性を付与したシーリング材組成物である。
即ち、本発明は、サンド調の窯業系サイディングボードの目地に使用するシーリング材組成物において、平均粒径がともに100〜500μmのバルーンと非球状粒子とを、シーリング材組成物に対し合計で1〜20vol%含有し、かつバルーンと非球状粒子の体積比率が1/5〜5/1、好ましくは1/2〜2/1であることを特徴とするシーリング材組成物に関する。
本発明のシーリング材組成物によれば、硬化後の物性が低モジュラス、高伸長性を有し、四季を通して均質な艶消し性を奏するので、サンド調の高級感のあるサイディングボードの目地に好適に用いることができる。
以下に本発明の実施の形態を説明する。本発明のシーリング材組成物を使用するサンド調の窯業系サイディングボードとは、主原料としてセメント質原料および繊維質原料を用いて板状に成形し養生・硬化させた主として建築物の外装材として用いるボードであって、その表面がざらつき感のある微細な凹凸模様の風合いを有するボードである。該ボードの種類としては例えば木繊維補強セメント板系、繊維補強セメント板系、繊維補強セメント・珪酸カルシウム板系がある。また、その目地とは、サンド調の窯業系サイディングボード相互、あるいは、サンド調の窯業系サイディングボードと他の部材の取合い部分の継目に存在する隙間のことである。
ここで、サンド調とは、前述の通りその表面がざらつき感のある微細な凹凸模様の風合いを有するものをいい、砂岩調、砂壁状、砂まき風、砂まき調、割石調などと称されるものも含まれる。これらサンド調の風合いを前記窯業系サイディングボードに付与する手段としては、比較的粒径の大きい骨材を含有する塗料を塗装し骨材を塗装表面に現れるようにする方法が一般的であるが、このような方法に限らず、前記サンド調の風合い有する窯業系サイディングボードのことをサンド調の窯業系サイディングボードという。
本発明のシーリング材組成物に用いるバルーンとは、球状体の粒子であって内部が中空のものである。このバルーンの素材としては、ガラス、シリカ、シラス、セラミックなどの無機質の材料、および、サラン、エポキシ樹脂、ポリスチレン、アクリル樹脂、フェノール樹脂などの有機質の材料が挙げられる。なお、これらのみに限定されるものではなく、無機質の材料と有機質の材料とを複合させたものや、バルーンの表面を各種の表面処理剤で処理したものを使用することもできる。例えば、有機質のバルーンを炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンなどでコーティングすることや、無機質のバルーンをシランカップリング剤で表面処理することなどが挙げられる。用いるバルーンの平均粒径は100〜500μmであり、好ましくは平均粒径が200〜400μmである。平均粒径が100μm未満のものはシーリング材組成物表面の凹凸が小さくなりサンド調のサイディングボード表面と調和せず、500μmを越えるとシーリング材組成物の硬化表面の凹凸が大きくなり、粉塵が付着しやすくなる傾向にある。
本発明のシーリング材組成物に用いる非球状粒子とは、球状体以外の形状を有する粒子のことをいい、立方形、直方形、鱗片状、繊維状、針状、不定形などの真球状でない異形形状の粒子が使用できる。非球状粒子の素材としては寒水石、粒状炭酸カルシウム、珪砂、珪石粉末、シリカ、ガラス粉、ゴム粉、粉砕したシーリング材硬化物、マイカ、プラスチック粉、木粉、金属粉、繊維などが挙げられるが、自然界に存在するものから粉砕加工した粒子物が望ましい。また、コストの観点から無機質粒子の使用が好ましく、シーリング材組成物の色相に影響を与えにくい寒水石もしくは粒状炭酸カルシウムの使用が特に好ましい。用いる非球状粒子の平均粒径は100〜500μmであり、特に、平均粒径が200〜400μmのものが好ましい。平均粒径が100μm未満だとシーリング材組成物の硬化表面の凹凸が小さすぎサンド調の窯業系サイディングボードとの違和感を解消しにくく、一方、500μmを越えると凹凸が大きすぎ、かえってシーリング材が目立ってしまう傾向にある。
本発明のシーリング材組成物に用いる非球状粒子として好ましいものは、上記のように寒水石もしくは粒状炭酸カルシウムであり、方解石、石灰石、大理石を粉砕するなどして製造した主成分が炭酸カルシウムからなる白色系の骨材が挙げられる。寒水石もしくは粒状炭酸カルシウムは、低モジュラス、高伸長の物性を奏し、サンド調のサイディングボードの目地用シーリング材組成物に好適である。しかも、色相が白っぽいため該粒子の色が目立たず、該粒子を含有せしめたシーリング材組成物において任意の色調に調整することができる。
本発明のシーリング材組成物に用いるバルーンと非球状粒子の含有量は、シーリング材組成物に対し合計で1〜20vol%であり、好ましくは5〜15vol%の範囲である。使用量が1vol%未満ではシーリング材組成物の表面にサンド調の窯業系サイディングボードと調和した意匠性を付与することが困難となる。また20vol%を越えるとシーリング材組成物の粘度が高くなりすぎ作業性が低下するとともにシーリング材組成物の硬化物の物性が硬くなり伸びも低下する傾向となり、サンド調の窯業系サイディングボードの目地に用いるシーリング材組成物として好ましくない場合がある。
また、本発明のシーリング材組成物中におけるバルーンと非球状粒子の体積比率は1/5〜5/1であり、好ましくは1/2〜2/1の範囲である。バルーン/非球状粒子の体積比率が1/5未満だと、シーリング材組成物の硬化物のモジュラスが高くなる傾向にある。また、5/1を越えると伸長性が低下するとともに、やはりモジュラスが高くなり伸長性も低下する傾向にある。このようにバルーンと非球状粒子をシーリング材組成物中に一定体積比率で含有させることで、それぞれの単独配合では得られない、窯業系サイディングボードの目地用途に最適な低モジュラス、高伸長のシーリング材組成物を得ることができる。
バルーンと非球状粒子を一定範囲の体積比率で併用するとシーリング材組成物の硬化物のモジュラスが低下し高伸長の物性が得られる理由については定かではないが、同種の粒子を配合するのに比べ異種形状の粒子を併用したほうがシーリング材組成物の硬化物中での粒子相互の接触・干渉が少なくなり、シーリング材組成物の硬化物全体としても変形の自由度が高まることが考えられる。
本発明のシーリング材組成物は、艶消し剤としてアミン化合物を含有すると、硬化後のシーリング材に艶消し性を付与できサイディングボードとの違和感をより減らすことができるため好ましく、耐候性に優れたシーリング材組成物が得られる。
このようなアミン化合物としては、例えば、2−エチルヘキシルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ココアルキルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、トリメチルシクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン 、1,7−へプタンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン 、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,13−トリデカンジアミン、1,14−テトラデカンジアミン、1,15−ペンタデカンジアミン、1,16−ヘキサデカンジアミン、1,17−ヘプタデカンジアミン、1,18−オクタデカンジアミン、1,19−ノナデカンジアミン、1,20−エイコサンジアミン、1,21−ヘンティコサンジアミン、1,22−ドコサンジアミン、1,23−トリコサンジアミン、1,24−テトラコサンジアミン、イソホロンジアミン、ジアミノジシクロへキシルメタン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、キシレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノビフェニル、2,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、2,4−ジアミノフェノール、2,5−ジアミノフェノール、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,3−トルエンジアミン、2,4−トルエンジアミン、2,5−トルエンジアミン、2,6−トルエンジアミン、3,4−トルエンジアミン、ジアミノジエチルフェニルメタン、ポリオキシエチレンジアミン 、ポリオキシプロピレンジアミン、トリ(メチルアミノ)へキサン、ジラウリルアミン、ジステアリルアミン、メチルラウリルアミン、N,N’−ジラウリルプロピルアミン、N,N’−ジステアリルブチルアミン、N−ブチル−N’−ラウリルエチルアミン、N−ブチル−N’−ラウリルプロピルアミン、N−ラウリル−N’−ステアリルブチルアミン、N−ラウリルプロピレンジアミン 、N−ステアリルプロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メチルアミノプロピルアミンなどを挙げることができる。
これらのアミン化合物は1種又は2種以上の混合物として用いることができ、融点が35℃以上のアミン化合物および/または融点が20℃以下のアミン化合物を用いることが好ましい。特に、融点が35℃以上のアミン化合物(通常、常温では固体)と融点が20℃以下のアミン化合物(通常、常温で液状)の各群から選ばれるそれぞれ1種又は2種以上を組合せて用いることが好ましい。
本発明において、融点が35℃以上のアミン化合物を艶消し剤として用いた場合、夏場の高温雰囲気下での硬化後においても優れた艶消し性を付与することができる。
このような融点が35℃以上のアミン化合物としては、融点35℃以上の芳香族または脂肪族に属する任意のものを使用することができ、例えば4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノビフェニル、2,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、2,4−ジアミノフェノール、2,5−ジアミノフェノール、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,3−トルエンジアミン、2,4−トルエンジアミン、2,5−トルエンジアミン、2,6−トルエンジアミン、3,4−トルエンジアミン等の芳香族アミン化合物、1,12−ドデカンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,14−テトラデカンジアミン、1,16−ヘキサデカンジアミン、ステアリルアミン等の脂肪族アミン化合物が挙げられる。
本発明のシーリング材組成物に用いる艶消し剤として用いるアミン化合物として、特に好ましい例は、前記融点が35℃以上の固体アミン化合物の表面に微粉体を固着させた微粉体コーティングアミンである。微粉体を固着させることにより、より高温の雰囲気でも安定に均質に艶消し効果を奏する。従って、微粉体コーティングアミンは夏場時、特に目地温度が60℃以上の高温下での硬化後においても優れた艶消し性を付与できる。
微粉体コーティングアミンの製造方法としては、平均粒径が20μm以下の前記固体アミン化合物に平均粒径が2μm以下の微粉体を、該固形アミン化合物と微粉体の重量比が1/0.001〜0.5となるように固着させて、表面の活性アミノ基を被覆したものであって、例えば固形アミン化合物を中心粒径20μm以下に粉砕しつつ、同時にこれに微粉体を加えてその中心粒径2μm以下となるように混合粉砕するか;または予め中心粒径20μm以下に微粉砕した固形アミン化合物を中心粒径2μm以下の微粉体と共に、高速衝撃式混合攪拌機、圧縮せん断式混合攪拌機または噴霧乾燥装置を用いて固形アミン化合物の表面に微粉体を固着させることにより製造することができる(特開2000−117090号参照)。かかる固形アミン化合物は、中心粒径20μm以下、好ましくは3〜15μmに調整される。上記微粉体としては、無機系微粉体または有機系微粉体の中から任意に使用することができる。例えば無機系微粉体としては酸化チタン、炭酸カルシウム、クレー、シリカ、ジルコニア、カーボン、アルミナ、タルク等、また有機系微粉体としてはポリ塩化ビニル、ポリアクリル樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用できる。使用量は、固形アミン化合物と微粉体の重量比が1/0.001〜0.5、好ましくは1/0.002〜0.4となるように選定する。かかる微粉体コーティングアミンの使用量は通常、シーリング材組成物に対して0.05〜3重量%、好ましくは0.1〜2重量%の範囲で含有させればよい。0.05重量%未満では、高温下での硬化物表面の艶消し効果が十分に発揮されず、また3重量%を越えると、シーリング材組成物硬化表面に白化現象が発生し、表面外観上の難点となる傾向にある。
また、前記艶消し剤として使用するアミン化合物は、融点が20℃以下のアミン化合物であってもよい。該アミン化合物を用いると、冬場の低温雰囲気下においてもシーリング材に艶消し性を安定して付与することができる。
本発明のシーリング材組成物に用い得る融点が20℃以下のアミン化合物としては、炭素数が8〜18の飽和または不飽和アルキル鎖分布を有するアミン化合物が好ましく、これらは例えばココナッツ油(やし油)、パーム核油、パーム油など植物性油脂を原料として得られる。炭素数が8〜18の飽和または不飽和アルキル鎖分布を有し融点20℃以下のアミン化合物を使用することにより、冬場の5℃以下の低温下においても硬化後のシーリング材組成物表面を均質な艶消し状態とすることが可能となる。
特に、炭素数8のオクチル鎖7%程度、炭素数10のデシル鎖7%程度、炭素数12のラウリル鎖51%程度、炭素数14のテトラデシル鎖19%程度、炭素数16のセチル鎖8%程度、炭素数18のステアリル鎖2%程度、炭素数18のオレイル鎖6%程度のアルキル鎖分布を有し、融点が異なる複数種のアミン化合物を含む約16℃のココアルキルアミン(ココナットアミンなどとも称される)を使用すると、冬場時、特に5℃以下の低温雰囲気下においてもシーリング材組成物の硬化表面に安定して均質な優れた艶消し性を付与できる。炭素数が8〜18の飽和または不飽和アルキル鎖分布を有し融点20℃以下のアミン化合物の使用量は通常、シーリング材組成物に対して0.05〜2重量%、好ましくは0.1〜1重量%の範囲で含有させればよい。0.05重量%未満では、シーリング材組成物の硬化表面の艶消し効果が発揮されない場合があり、また2重量%を越えても艶消し効果が発揮されない傾向にある。
特に、艶消し剤として、融点が35℃以上のアミン化合物(とりわけ微粉体コーティングアミン)と融点が20℃以下のアミン化合物(とりわけココアルキルアミン)を併用すると、夏〜冬の四季を通じ高温(50℃)から低温(5℃)までの幅広い温度範囲にわたりシーリング材組成物の硬化表面に均質な艶消し性を付与でき、サンド調の窯業系サイディングボード表面と目地部シーリング材組成物表面とを調和させることができるので好ましい。併用する場合の融点が35℃以上のアミン化合物(とりわけ微粉体コーティングアミン)と融点が20℃以下のアミン化合物(とりわけココアルキルアミン)の重量比率は、20/1〜1/10であることが好ましく、4/1〜1/2であることが特に好ましい。重量比率が20/1を超えると低温下(5℃)でシーリング材組成物の硬化表面に均質な艶消し状態を付与することが困難な場合があり、また、1/10未満だと高温下(60℃)でシーリング材組成物の硬化表面に均質な艶消し状態を付与することが困難となる傾向にある。
本発明のシーリング材組成物に用いるポリマーとしては、シーリング材組成物に適当な従来公知の任意のポリマーを主成分として使用できる。このようなポリマーの具体例には、変成シリコーンポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリウレタン系ポリマー、ポリサルファイド系ポリマー、変成ポリサルファイド系ポリマー、アクリル系ポリマー、ポリイソブチレン系ポリマー、SBRやブチルゴム等のゴム系ポリマー等が含まれ、一液型又は二液型として調整する。なかでも、加水分解性シリル基含有ポリマーを主成分とするシーリング材組成物が物性、作業性、耐候性、接着性、硬化性などの観点から好ましい。
加水分解性シリル基含有ポリマーとしては、例えば変成シリコーンポリマー、アルコキシシリル基を有するアクリル系ポリマー、アルコキシシリル基を含有するポリイソブチレンポリマーが挙げられ、これらの1種または2種以上を使用に供してよい。前記加水分解性シリル基含有ポリマーとして、変成シリコーンポリマーおよび/またはアクリル系ポリマーを使用すると、低モジュラス、高伸長の物性に調整でき、しかも耐候性に優れ、窯業系サイディングボードの目地のシーリング材に適したものが得られるため好ましい。
本発明のシーリング材組成物に用いる変成シリコーンポリマーとは、ポリオキシアルキレンエーテルを主鎖骨格とし、かつ末端もしくは側鎖に加水分解性基(例えば水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基など)を有するシリル基をもつ液状ポリマーを指称する。なかでも、ポリオキシプロピレンエーテルを主鎖とし、数平均分子量が9000〜25000のものが好ましい。
変成シリコーンポリマーの代表的市販品としては、例えば(株)カネカ製のMSポリマーシリーズ(「MSポリマー S−203」など)や旭硝子(株)製「エクセスター」(登録商標)シリーズがある。
また、アルコキシシリル基を有するアクリル系ポリマーとは、主鎖骨格が少なくとも(メタ)アクリル酸エステル単位で構成され[要すれば、(メタ)アクリル酸エステル単位以外に、(メタ)アクリル酸エステルと共重合しうる単量体(例えば炭素数4〜12のオレフィン、ビニルエーテル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類など)の単位が含まれていてもよい]、分子中にアルコキシシリル基を含有するポリマーであり、例えば、
(i)特公平3−80829号公報に開示の、(a)アクリル酸アルキルエステル(アルキル炭素数は好ましくは2〜4)(例えばエチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート等)と、(b)ビニルアルコキシシラン(例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン等)および(メタ)アクリロキシアルコキシシラン(例えばγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等)の群から選ばれる1種または2種以上の混合物とを、連鎖移動剤としてメルカプトアルコキシラン(c)(例えばγ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等)の存在下で、ラジカル共重合[通常、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、α,α’−アゾビスイソバレロニトリル、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキシドなど重合開始剤を用いて公知の塊状重合、溶液重合などの手法;あるいはレドックス触媒、例えば、遷移金属塩、アミン等と過酸化物系開始剤を組合せたレドックス重合法により]させることによって製造されるもの(通常、数平均分子量3000〜100000、1分子中の平均アルコキシシリル基数1.5〜3個);および
(ii)特公平4−69667号公報に開示の、ビニル系モノマー[例えばエチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクレート、プロピルアクリレート、ペンチルアクリレート、ステアリルアクリレートなどのアクリレート;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートなどのメタクリレート;スチレンもしくはその誘導体(α−メチルスチレン、クロルメチルスチレンなど);ジエチルフマレート、ジブチルフマレート、ジプロピルフマレートなどのフマル酸ジエステル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化エチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニレンなどのハロゲン化ビニル類等]100部(重量部、以下同様)に、アルコキシシリル基含有ジスルフィド化合物[例えばビス(トリメトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(メチルジメトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(メチルジエトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(プロピルジメトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(プロピルジエトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(ジメチルメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(ジメチルエトキシシリルプロピル)ジスルフィド等]0.05〜50部を加え、必要に応じて有機溶媒(トルエン、キシレン、ヘキサン、酢酸エチル、ジオクチルフタレートなど)中で光重合(常温乃至50〜60℃で、4〜30時間の光照射)に付すことによって製造されるものが挙げられる。
また、アルコシキシリル基含有ポリイソブチレン系ポリマーとは、主鎖骨格が少なくともイソブチレン単位で構成され[要すれば、イソブチレン単位以外に、イソブチレンと共重合しうる単量体(例えば炭素数4〜12のオレフィン、ビニルエーテル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類など)の単位が含まれていてもよい]、分子両末端にアルコキシシリル基を含有し、好ましくは数平均分子量1000〜40000で常温ワックス状ないし高粘度液状のものを指称し、一般に、イニファー法と呼ばれるカチオン重合法で得られる全末端官能型イソブチレン系ポリマーを用いることにより製造することができる(特開平8−231758号公報参照)。代表的な市販品としては、式:
Figure 0005079210

[式中、nは5〜400およびmは5〜400である]
の化学構造を有する、(株)カネカ製の「エピオン」(登録商標)シリーズが例示される。
本発明のシーリング材組成物に用いる加水分解性シリル基含有ポリマーとして、変成シリコーンポリマーおよび/またはアクリル系ポリマーを使用すると耐候性に優れ、低モジュラス、高伸長の物性に調整でき好ましい。特に変成シリコーンポリマー中で重合して得られるアルコキシシリル基を含有するアクリル系ポリマーとして市販されているアクリル変性系変成シリコーンポリマー(市販品としては、例えば(株)カネカの「MSポリマー S−943」等)を使用すると、シーリング組成物中の成分相互の相溶性が良好で、変成シリコーンポリマーとの相互作用ないし、アルコキシシリル基の加水分解による架橋反応により耐候性を向上し得、かつ低モジュラス、高伸長の物性に調整できるので特に好ましい。
本発明においては、かかる加水分解性シリル基含有ポリマーに加えて、高温・高圧で連続塊状重合によって得られる、常温液状の官能基を有さない無溶剤型アクリル系ポリマーを配合するのが好ましい。このような無溶剤型アクリル系ポリマーを使用することにより、低モジュラス、高伸長の物性に調整でき、作業性にも優れる。上記常温液状の官能基を有さない無溶剤型アクリル系ポリマーは、官能基を有しないアクリル系モノマー[例えば前記のアルコキシシリル基含有アクリル系ポリマーの重合法(ii)で用いるようなアクリレートやメタクリレート]を用い、例えば400℃付近の高温・高圧で連続塊状重合(開始剤は極少量もしくは不要、連鎖移動剤は不要)により、極めて短い反応時間(5分程度)で製造することができ、100%ポリマーおよび低Tgの常温液状を呈し、かつ変成シリコーン系ポリマーとの相溶性が良好で(∵組成分布・分子量分布が狭い)、シーリング材の粘度粘性を調整して作業性を良好にし、更に、優れた耐候性を向上させる。市販品として例えば東亞合成(株)製、「ARUFON(登録商標)UP−1000」等がある。
また、前記アクリル系ポリマーが、変成シリコーンポリマー中で重合されたアルコキシシリル基含有アクリル系ポリマーと、高温・高圧で連続塊状重合により得られる常温液状の官能基を有さない無溶剤型アクリル系ポリマーとの併用であると好ましい。常温液状の官能基を有さない無溶剤型アクリル系ポリマーは、可塑剤代替効果があり、硬化したシーリング材は低モジュラス、高伸長の物性を奏し、又、作業性と耐候性の向上に寄与する。
本発明のシーリング材組成物に用い得る他の成分としては、前記成分以外の各種充填剤、可塑剤、硬化触媒、およびその他添加剤などを挙げることができる。
充填剤としては、前記した平均粒径100〜500μmのバルーンおよび非球状粒子とは異なるものであって、例えば重質炭酸カルシウム、脂肪酸処理炭酸カルシウム、ヒュームシリカ、沈降性シリカ、カーボンブラック、タルク、マイカ、クレー、ガラスビーズ、シラスバルーン,ガラスバルーン,シリカバルーン,プラスチックバルーンなどのバルーン、ガラス繊維,金属繊維などの無機繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維などの有機繊維、ホウ酸アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、チタン酸カリウム、グラファイト、針状結晶性炭酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、二ホウ化チタン、クリソタイル、ワラストナイト等の針状結晶性フィラー、などが使用できる。
可塑剤としては、例えばフタル酸ジエステル類、エポキシ化ヘキサヒドロフタル酸ジエステル類、アルキレンジカルボン酸ジエステル類、アルキルベンゼン類が使用できる。
硬化触媒としては、例えばジオクチル酸スズ、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズビスアセチルアセトナート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジエチルヘキサノエート、ジブチルスズジオクテート、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズビスエトキシシリケート、ジオクチルスズオキサイドなどのスズ系触媒やテトライソプロピルチタネート、テトラn−ブチルチタネートおよびこれらの部分加水分解縮合物、チタンジイソプロピルビスアセチルアセテート、チタンジイソプロピルビスエチルアセトアセテートなどのチタン系触媒等が使用できる。
その他の添加剤としては、着色剤(ベンガラ、酸化チタン、カーボンブラック、他の着色顔料、染料など)、有機溶剤(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、リグロイン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、n−ヘキサン、ヘプタンや、イソパラフィン系高沸点溶剤など)、安定剤(アルコキシシリル基含有ポリマーを主成分とするシーリング材組成物においては、メタノール、エタノールなど)、密着剤(アミノシラン、メルカプトシラン、エポキシシランなどのシランカップリング剤、エポキシ化合物など)、老化防止剤(ヒンダードフェノール類、メルカプタン類、スルフィド類、ジチオカルボン酸塩類、チオウレア類、チオホスフェイト類、チオアルデヒド類など)、揺変剤、水分保給剤(水、無機塩類の水和物など)、紫外線吸収剤・光安定剤(ベンゾトリアゾール類、ヒンダードアミン類など)、酸化防止剤(ヒンダードフェノール類など)、揺変剤(コロイダルシリカ、有機ベントナイト、脂肪酸アマイド、水添ひまし油など)等を適量範囲で使用できる。
かかる構成から成る本発明のシーリング材組成物は、上記配合成分を一括混合した一液型、あるいは上記加水分解性シリル基含有ポリマー含有の基材と硬化触媒含有の硬化剤の二液型、またはさらに着色剤と可塑剤等からなるトナーを別の1成分とした三液型として使用し得る。
以下に実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。実施例等において、特に明記のない限り、記載された単位は重量を基準とする。

[製造例1:微粉体コーティングアミンの製造]
中心粒径約8μmの1,12−ドデカンジアミン(融点71℃)76.9部と中心粒径約0.02μmの超微粒子酸化チタン23.1部を混合し、高速衝撃式混合撹拌機(日清エンジニアリング(株)製、Hi−Xミキサー)にて複合化処理することにより、中心粒径約8μmの1,12−ドデカンジアミンの表面に、中心粒径約0.02μmの超微粒子酸化チタンが固着してなる微粉体コーティングアミン100部を得た。
[実施例1:シーリング材組成物の調製]
下記表1の実施例1に示す重量部数の脂肪酸処理炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、変成シリコーンポリマー、アクリルポリマー、アルキルベンゼン、シランカップリング剤、老化防止剤、揺変剤を、加熱および減圧装置付のプラネタリーミキサー(遊星式撹拌混合機)に仕込み30分間撹拌した。次いで真空減圧下60℃で1時間混合撹拌し、さらに安定剤を加えて真空減圧下5分間撹拌混合した。室温に冷却後、顔料、硬化触媒、バルーン、寒水石、アミン化合物を配合し真空減圧下10分間混合撹拌し1成分型のシーリング材組成物を得た。
[実施例2〜3:シーリング材組成物の調製]
実施例1におけるバルーンと寒水石の配合比率を変えること以外は実施例1と同様にして、シーリング材組成物を得た。
[実施例4(参考例):シーリング材組成物の調製]
実施例1における寒水石に替えて珪砂を配合すること以外は実施例1と同様にして、シーリング材組成物を得た。
[実施例5:シーリング材組成物の調製]
実施例1におけるココアルキルアミンに替えてラウリルアミンを配合すること以外は実施例1と同様にして、シーリング材組成物を得た。
[実施例6:シーリング材組成物の調製]
実施例1におけるココアルキルアミンに替えてオクチルアミンを配合すること以外は実施例1と同様にして、シーリング材組成物を得た。
[実施例7(参考例):シーリング材組成物の調製]
実施例1における微粉体コーティングアミンに替えて、1,12−ドデカンジアミンを配合すること以外は実施例1と同様にして、シーリング材組成物を得た。
[実施例8:シーリング材組成物の調製]
実施例1におけるココアルキルアミンを配合しないこと以外は実施例1と同様にして、シーリング材組成物を得た。
[実施例9:シーリング材組成物の調製]
実施例1における加水分解性シリル基含有ポリマーAに替えて加水分解性シリル基含有ポリマーBを配合すること以外は実施例1と同様にして、シーリング材組成物を得た。
[実施例10:シーリング材組成物の調製]
実施例1におけるアクリルポリマーに替えてジイソノニルフタレートを配合すること以外は実施例1と同様にして、シーリング材組成物を得た。
[比較例1〜3:シーリング材組成物の調製]
実施例8におけるバルーンと寒水石の体積配合比率を1/5〜5/1の範囲外に変えること以外は実施例1と同様にして、シーリング材組成物を得た。
Figure 0005079210
表1中、
注1)神島化学工業(株)製、「カルシーズPLS−505」(平均粒径0.1μm)
注2)備北粉化工業(株)製、「重炭300M」(平均粒径6.0μm)
注3)(株)カネカ製、「MSポリマー S−943」(変成シリコーンポリマーの中でアルコキシシリル基を含有するアクリル系ポリマーを重合することで得られるアクリル変性タイプの変成シリコーンポリマー)
注4)(株)カネカ製、「MSポリマー S−203」(変成シリコーンポリマー)
注5)東亞合成(株)製、「ARUFON(登録商標)UP−1000」(高温・高圧の連続塊状重合により得られた常温液状の官能基を有さない無溶剤型アクリル系ポリマー)
注6)新日本石油化学(株)製、「アルケン200P」
注7)チッソ(株)製、「サイラエース(登録商標)S−220」、「サイラエース(登録商標)S−210」、「サイラエース(登録商標)S−320」の等量混合物
注8)旭電化工業(株)製、「アデカスタブ(登録商標)AO−60」、「アデカスタブ(登録商標)LA−62」、「アデカスタブ(登録商標)LA−32」の等量混合物
注9)楠本化成(株)製、「ディスバロン(登録商標)#6500」(ポリアマイドワックス)
注10)メタノール
注11)酸化チタン/鉄黄/弁柄/カーボンブラック/ジイソノニルフタレート=40/5/1/0.3/50(重量比率)の混合物
注12)ジブチルスズビスアセチルアセトナート/ジブチルスズビストリエトキシシリケート=1/2(重量比率)の混合物
注13)太平洋セメント(株)製、「イースフィアーズ(登録商標)SL350」
注14)(株)ニッチツ製、「NSK−1」
注15)花王(株)、「ファーミン(登録商標)CS」
Figure 0005079210
表2に、実施例1〜10および比較例1〜3における、シーリング材組成物中のバルーンと非球状粒子の体積濃度と体積比率を示す。
[性能試験]
(1)サンド調サイディングボードとの調和性
ニチハ(株)製サンド調窯業系サイディングボード「モエン」(厚み12mm)を50mm角に切断しその2枚をポリエチレンシートの上に15mmの間隔で平行に並べる。このようにしてできる幅15mm×深さ12mm×長さ50mmの目地に各シーリング材組成物を打設する。次に20mm角のポリエチレン製のバックアップ材を用い表面をならして仕上げる。このようにして作製した試験体を下記の試験に付する。結果を表3に記載する。
i)凹凸感
上記試験体を23℃で24時間静置しシーリング材組成物を硬化させ、硬化表面の凹凸状態を目視にて判定する。
判定基準:
〇;サンド調の凹凸感がある、×;サンド調の凹凸感がない
ii)艶消し性
上記試験体を23℃、50℃、60℃、5℃で24時間静置しシーリング材組成物を硬化させ、硬化表面の光沢(艶)の有無を目視にて判定する。
○;艶なし、△やや艶あり、×;艶あり
iii)色調
上記試験体を23℃で24時間静置しシーリング材組成物を硬化させ、硬化表面の色調を目視にて判定する。
〇;均一な色調、△;色調がやや均一でない、×;色調が均一でない
(2)押出し性
JIS A1439:2004「建築用シーリング材の試験方法」の「5.14試験用カートリッジによる押出し試験」に準拠して試験する。測定温度は23℃とする。
(3)引張り接着性
JIS A1439:2004「建築用シーリング材の試験方法」の「5.20引張接着性試験」に準拠して試験する。なお、被着体はアルミ板を使用しプライマーとしてサンスター技研(株)製「US−1」を使用する。また耐熱試験における加熱条件は80℃×14日とする。
(4)耐候性
フレキシブルボード上に各シーリング材組成物を0.2mm厚に打設し、20℃で7日間および35℃,相対湿度95%で7日間の養生後、サンシャインウェザーメーター(ブラックパネル温度63℃、降雨時間120分中18分)にセットし、経時にてシーリング材表面の指触白化(指に白色が付くか付かないか)を調べ、指に白色が付くまでの時間(h)を終了時間とする。
Figure 0005079210
表3は実施例1〜10および比較例1〜3における、シーリング材組成物の性能試験結果を示す。
表1〜3の結果から、バルーンと非球状粒子を本発明の範囲で含有せしめると驚くべきことにシーリング材組成物の硬化物性が低モジュラス、高伸長という予期せぬ効果が認められる。また、融点が35℃以上の微粉体コーティングアミンを配合せしめると高温下(50℃、60℃)の艶消し性に優れ、さらにココアルキルアミンを使用すると低温下(5℃)の艶消し性を付与できることが認められる。また、アルコキシル基を有するアクリル系ポリマーの使用により、耐候性に優れることが認められる。

本発明の主たる態様および好ましい態様は、以下を包含する。
〔1〕サンド調の窯業系サイディングボードの目地に使用するシーリング材組成物において、平均粒径がともに100〜500μmのバルーンと非球状粒子とを、シーリング材組成物に対し合計で1〜20vol%含有し、かつバルーンと非球状粒子の体積比率が1/5〜5/1であることを特徴とするシーリング材組成物。
〔2〕前記バルーンと非球状粒子との体積比率が1/2〜2/1であることを特徴とする上記〔1〕に記載のシーリング材組成物。
〔3〕前記シーリング材組成物が、艶消し剤としてアミン化合物を含んでなる上記〔1〕または〔2〕に記載のシーリング材組成物。
〔4〕前記アミン化合物が、融点が35℃以上のアミン化合物および/または融点が20℃以下のアミン化合物である上記〔3〕に記載のシーリング材組成物。
〔5〕前記融点が35℃以上のアミン化合物が、固形アミンの表面に微粉体を固着させてなる微粉体コーティングアミンである上記〔4〕に記載のシーリング材組成物。
〔6〕前記融点が20℃以下のアミン化合物が、炭素数が8〜18の飽和または不飽和アルキル鎖分布を有するアミン化合物である上記〔4〕または〔5〕に記載のシーリング材組成物。
〔7〕前記炭素数が8〜18の飽和または不飽和アルキル鎖分布を有するアミン化合物が、ココアルキルアミンである上記〔6〕に記載のシーリング材組成物。
〔8〕前記非球状粒子が、寒水石もしくは粒状炭酸カルシウムである上記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載のシーリング材組成物。
〔9〕前記シーリング材組成物の主成分が加水分解性シリル基含有ポリマーである上記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載のシーリング材組成物。
〔10〕前記加水分解性シリル基含有ポリマーが、変成シリコーンポリマーおよび/またはアクリル系ポリマーである上記〔9〕に記載のシーリング材組成物。
〔11〕前記アクリル系ポリマーが、変成シリコーンポリマー中で重合されたアルコキシシリル基含有アクリル系ポリマーである上記〔10〕に記載のシーリング材組成物。
〔12〕前記アクリル系ポリマーが、高温・高圧で連続塊状重合により得られる常温液状の官能基を有さない無溶剤型アクリル系ポリマーである上記〔10〕に記載のシーリング材組成物。
〔13〕前記アクリル系ポリマーが、変成シリコーンポリマー中で重合されたアルコキシシリル基含有アクリル系ポリマーと、高温・高圧で連続塊状重合により得られる常温液状の官能基を有さない無溶剤型アクリル系ポリマーとの併用である上記〔10〕に記載のシーリング材組成物。

Claims (5)

  1. サンド調の窯業系サイディングボードの目地に使用するシーリング材組成物において、シーリング材組成物の主成分は変成シリコーンポリマーおよび/または変成シリコーンポリマー中で重合されたアルコキシシリル基含有アクリル系ポリマーであって、ここで変成シリコーンポリマーはポリオキシアルキレンエーテルを主鎖骨格とし、かつ末端もしくは側鎖に加水分解性基を有するシリル基をもつ液状ポリマーであり、平均粒径がともに100〜500μmのバルーンと非球状粒子とを、シーリング材組成物に対し合計で1〜20vol%含有し、ここで非球状粒子は寒水石もしくは寒水石以外の粒状炭酸カルシウムであり、かつバルーンと非球状粒子の体積比率が1/2〜2/1であって、固形アミンの表面に微粉体を固着させてなる微粉体コーティングアミン並びに充填剤として重質炭酸カルシウムおよび脂肪酸処理炭酸カルシウムをさらに含むことを特徴とするシーリング材組成物。
  2. 前記シーリング材組成物が、融点が20℃以下のアミン化合物をさらに含んでなる請求項1に記載のシーリング材組成物。
  3. 前記融点が20℃以下のアミン化合物が、炭素数が8〜18の飽和または不飽和アルキル鎖分布を有するアミン化合物である請求項に記載のシーリング材組成物。
  4. 前記炭素数が8〜18の飽和または不飽和アルキル鎖分布を有するアミン化合物が、ココアルキルアミンである請求項に記載のシーリング材組成物。
  5. 温・高圧で連続塊状重合により得られる常温液状の官能基を有さない無溶剤型アクリル系ポリマーをさらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載のシーリング材組成物。
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