JP7292284B2 - 密封剤組成物 - Google Patents
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Description
特許文献2は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと酸素硬化性不飽和化合物とからなる硬化性組成物にカーボンブラックを配合することにより上塗り塗料の付着性を向上させることを開示している。
(A)反応性ポリマー
(B)粒径0.015~2mmの球状粒子および
(C)硬化触媒
を含み、粒子(B)を密封剤組成物に対して0.05~15容積%含有する密封剤組成物に関する。さらに密封剤組成物の硬化物も提供する。
[(A)反応性ポリマー]
反応性ポリマーとして、任意の反応性基を含有する反応性ポリマーを使用できる。反応性基は加水分解性シリル基、イソシアネート基、エポキシ基、アミノ基、水酸基などから選択される少なくとも1つであってよい。反応性基としては、加水分解性シリル基またはイソシアネート基が物性、作業性、耐候性、接着性、硬化性などの観点から好ましい。
反応性ポリマーの量は、密封剤組成物に対して、5~60重量%、例えば10~50重量%、特に15~40重量%であってよい。
密封剤組成物は、粒径0.015~2mmの球状粒子(B)を含めた粒子を含有する。密封剤組成物に含まれる粒子は、球状粒子(B)のみであるか、あるいは球状粒子(B)に加えて他の粒子を含む。球状粒子(B)の量は、密封剤組成物に対して、0.03~20容積%、好ましくは0.05~15容積%であり、例えば3~14容積%であってよい。球状粒子(B)は一種または二種以上であってよい。球状粒子(B)が二種以上(特に二種)である場合、球状粒子(B)の合計量は密封剤組成物に対して15容積%以下であってよく、例えば12容積%以下、好ましくは0.05~7.5容積%(例えば、0.1~3.0容積%)である。球状粒子(B)が一種である場合、球状粒子(B)の量は密封剤組成物に対して0.05~5.5容積%であってよく、例えば、0.1~3.0容積%である。密封剤組成物が球状粒子(B)を含むことで表面積が大きくなり、密封剤組成物表面に塗布される塗料などの塗布物の接着性が向上する。粒子径が大きいほどその傾向が顕著になる。
粒子(B)は、
(B1)粒径0.8mm~2mmの第1球状粒子、および
(B2)粒径0.1mm~0.8mm未満の第2球状粒子
の組み合わせであってよい。第1球状粒子(B1)および第2球状粒子(B2)のそれぞれの体積基準粒度分布測定(HORIBA製CA-950V2でレーザー回折・散乱法)において、横軸を粒径、縦軸を粒子の存在比率としてプロットして得られる粒子の存在比率のチャートは単一の極大値を上記粒径の範囲に有することが好ましい。
密封剤組成物は、その他の粒子として、粒子(B)以外の他の粒子(B’)を含んでもよい。他の粒子(B’)の量は、粒子(B)100重量部に対して、1~500重量部、例えば2~100重量部、特に3~50重量部(特別に5~40重量部)であってよい。あるいは、他の粒子(B’)の量は、密封剤組成物に対して、0~70重量%、例えば0.1~60重量%、特に1~50重量%であってよい。
密封剤組成物に含まれる粒子が、粒子(B)のみからなってよく、あるいは粒子(B)および他の粒子(B’)のみからなってよい。
密封剤組成物は硬化触媒(C)を含む。硬化触媒(C)は錫化合物であってよく、4価の錫化合物であることが好ましい。
(C1)シリル基含有硬化触媒および
(C2)シリル基非含有硬化触媒
を組み合わせて用いてもよい。硬化触媒としていずれも使用可能であるが、触媒(C2)を用いると接着性が向上するがアミンと併用された場合にブルーミングの問題が生じることがある。触媒(C1)および触媒(C2)を併用することでアミンと併用してもブルーミングの問題なく接着性を向上させることができる。硬化触媒(C1)と硬化触媒(C2)との重量比(触媒(C1)/触媒(C2))は1/10~10/1が好ましく、3/10~10/3がより好ましく、7/10~10/7がさらに好ましい。
シリル基含有硬化触媒(C1)は、例えば、ジブチル錫アルコキシシリケート、ジオクチル錫アルコキシシリケートなどのアルキル錫アルコキシシリケートであってよく、例えば、ジブチル錫ビストリアルコキシシリケート、ジブチル錫ビスジアルコキシシリケート、ジブチル錫トリアルコキシシリケート、ジブチル錫ジアルコキシシリケートであり、好ましくはジブチル錫ビストリアルコキシシリケートであり、より好ましくはジブチル錫ビストリエトキシシリケートである。アルキル錫アルコキシシリケートにおけるアルコキシ基またはアルキル基の炭素数は1~8であってよく、好ましくは1~4、より好ましくは1~2である。
シリル基非含有硬化触媒(C2)は、例えば、ジオクチル酸錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジエチルヘキサノエート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイドなどの錫系硬化触媒やテトライソプロピルチタネート、テトラn-ブチルチタネートおよびこれらの部分加水分解縮合物、チタンジイソプロピルビスアセチルアセテート、チタンジイソプロピルビスエチルアセトアセテートなどのチタン系硬化触媒などであってよい。
密封剤組成物は融点が-30~120℃である2級または1級アミン(D)を含むことが好ましい。これにより、密封剤組成物の硬化物表面のテカリを軽減できる。アミン(D)の具体例はラウリルアミン、ステアリルアミン、フェニルアミン、ベンジルアミン、デカンジアミン、ドデカンジアミンであってよい。
アミン(D)の量は、密封剤組成物に対して、0.01~10重量%、例えば0.1~5重量%、特に0.2~3重量%であってよい。
密封剤組成物は可塑剤(E)を含んでよい。可塑剤(E)は反応性可塑剤または非反応性可塑剤であってよい。
密封剤組成物は、上記以外にその他の添加剤(F)を含有してよい。その他の添加剤(F)として、着色剤、有機溶剤(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、リグロイン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、n-ヘキサン、ヘプタンや、イソパラフィン系高沸点溶剤など)、密着剤(ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アミノシラン、メルカプトシラン、エポキシシランなどのシランカップリング剤、ポリオキシアルキレン骨格を有するグリシジルエーテルなどのエポキシ化合物など)、老化防止剤(ヒンダードフェノール類、メルカプタン類、スルフィド類、ジチオカルボン酸塩類、チオウレア類、チオホスフェイト類、チオアルデヒド類など)、水分保給剤(水、無機塩類の水和物など)、紫外線吸収剤・光安定剤(ベンゾトリアゾール類、ヒンダードアミン類など)、酸化防止剤(ヒンダードフェノール類など)、揺変剤(コロイダルシリカ、有機ベントナイト、脂肪酸アマイド、水添ひまし油など)などが挙げられる。
密封剤組成物の塗布表面は特有の突出部を有する風合いが現れることで意匠性に優れる。
塗布表面は表面に突出部を有してよい。塗布表面に高さ10~300μmおよび/または500μm以上の突出部を有することが好ましい。
密封剤組成物の硬化は公知の方法により行われる。例えば、空気中の水分により硬化が開始する。硬化表面は上記突出部を有する。
塗布物との付着性を以下の試験方法と基準で判断した。
密封剤の硬化物表面に塗布物を塗布し、23℃・50%RH×14日養生を行う。次に、JIS K 56001999「塗料一般試験方法」の「5-6付着性(クロスカット法)」に基づき、塗布物表面にカッター(すきま間隔4mm、マス目の数25)を入れた後、ガムテープを貼り付けて上向きに1回瞬時に引き剥がし、剥がれたマス目の数を記録した。
◎:2マス以下の剥がれ:付着性とても良好
○:9マス以下の剥がれ:付着性良好
×:10マス以上の剥がれ:付着性不良
テカリ性を以下の試験方法と基準で判断した。
密封剤を23℃・50%RH×14日にて硬化させた硬化物表面を、光沢度計(コニカミノルタ(株)製GM268)にて入射角60°の光沢度を記録した。
○:テカリ無し:光沢度0~10
×:テカリ有り:光沢度11以上
ブルーミング性を以下の試験方法と基準で判断した。
密封剤を23℃・50%RH×14日間の養生を行い、密封剤の硬化物表面に、白い結晶物(10μm未満の白い粉)が満遍なく付着しているかの有無を目視にて確認する。
○:結晶物の付着あり
×:結晶物の付着あり
作業性は以下の2つの試験方法と基準で判断した。
JIS A 14392016「建築用シーリング材の試験方法」の「5.1スランプ試験」に準拠して試験をする。なお、試験温度は50℃とする。JIS A 14392016「建築用シーリング材の試験方法」の「5.18可使時間試験」に準拠して試験をする。なお、試験温度は23℃、50%RHとする。
○:スランプが1mm以内、且つ可使時間が4時間以内:作業性が良好
×:スランプが1mm以上、且つ可使時間が4時間を超える:作業性が不良
マイクロスコープ(キーエンス製VHX-1000)を用いて密封剤の硬化物表面における突出部の高さ(最底部から最頂部までの長さ)を測定し、その最大値を求めた。
密封剤の硬化物表面の風合いを、粒径0.3~0.8mmの珪砂含有塗布物に対する一体感として、以下の基準で評価した。珪砂含有塗布物はJIS A69092014「4種類及び呼び名」に示される、砂壁状、ゆず肌状またはスタッコ状と称され得る外観を有しており、特に、外装厚塗材スタッコ状と称され得る外観を有する。
1)高さ500μm以上の突出部の個数(基本的に大粒径のものを測定)
2)高さ10~500μm未満の突出部の個数
を測定した。
風合いの評価基準は次のとおりである。
1)が5個/cm2未満かつ、2)が10個/cm2未満:×
1)が5個/cm2以上かつ、2)が10個/cm2未満:△-○
1)が5個/cm2未満かつ、2)が10個/cm2以上:△-○
1)が5個/cm2以上かつ、2)が10個/cm2以上:○
1)が10個/cm2以上かつ、2)が10個/cm2以上:◎
その他、表面にむらや筋などが有る場合:×
硬化触媒と密着剤を除く、下記表1の実施例1に示す重量部数の配合成分をプラネタリーミキサーにて60分撹拌した後、真空減圧下80℃で2時間撹拌した。次に、30℃まで冷却後、密着剤、硬化触媒を配合し、真空減圧下30℃以下で15分撹拌をして、密封剤組成物を得た。得られた密封剤組成物の比重は約1.4であった。得られた密封剤組成物に対して上記試験を行った。結果を表1に示す。
配合成分を表1および2に示すとおりに代えたこと以外は実施例1と同様にして、密封剤組成物を得た。得られた密封剤組成物に対して上記試験を行った。得られた密封剤組成物の比重は約1.4であった。結果を表1および2に示す。
ポリマー:(株)カネカ製「S810」(変成シリコーンポリマー)
可塑剤:新日本理化(株)製「DINP」(フタル酸ジイソノニル)
充填剤:白石カルシウム(株)製「CCR-B」(表面脂肪酸処理した非球状炭酸カルシウム)(一次粒子径0.08μm)
密着剤:チッソ(株)製、「サイラエース(登録商標)S-220」、「サイラエース(登録商標)S-210」
添加剤:(株)アデカ製「アデカスタブ(登録商標)AO-60」、「アデカスタブ(登録商標)LA-32」
1級アミン化合物:花王(株)製、「ファーミン20D」(1級脂肪アミン)
硬化触媒x:日東化成(株)製「ネオスタン(登録商標)U-303」(ジブチル錫ビストリエトキシシリケート)
硬化触媒y:日東化成(株)製「ネオスタン(登録商標)U-220」(ジブチル錫アセチルアセトナート)
球状粒子a:スリーエム・ジャパン(株)製、「GB301s」(ガラスビーズ)(粒径35~45μm、真比重2.5)
球状粒子b:ポッターズ・バロティーニ(株)製「GB503M」(ガラスビーズ)(粒径1400μm~2000μm、真比重2.5)
球状粒子c:ポッターズ・バロティーニ(株)製「GB603M」(ガラスビーズ)(粒径2000~3350μm、真比重2.5)
球状粒子d:ブライト標識工業(株)製「Y-1014」(ガラスビーズ)(粒径1000~1400μm、真比重2.5)
球状粒子e:水野陶土(株)製「レックス500」(アルミナ)(粒径300~700μm、真比重1.06)
球状粒子f:ポッターズ・バロティーニ(株)製「GB103T」(ガラスビーズ)(粒径300~700μm、真比重2.5)
球状粒子g:ブライト標識工業(株)製「Y-0812」(ガラスビーズ)(粒径850~1180μm、真比重2.5)
鱗片状粒子:北斗産業(株)製「GB-AKH50」(マイカ)(中心粒径50μm、真比重2.9)
Claims (10)
- (A)加水分解性シリル基またはイソシアネート基を有する反応性ポリマー
(B1)粒径0.8~2.0mmの球状粒子
(B2)粒径0.1~0.8mm未満の球状粒子および
(C)硬化触媒
を含み、
粒子(B1)を密封剤に対して0.05~15容積%、
粒子(B2)を密封剤に対して0.05~15容積%含み、
反応性ポリマー(A)がポリエーテル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリウレタン系ポリマー、ポリサルファイド系ポリマー、アクリル系ポリマー、ポリイソブチレン系ポリマー、またはゴム系ポリマーから選択された少なくとも1種である、密封剤組成物。 - (B’)粒径1μm~1.5mmの鱗片状粒子
を含む、請求項1に記載の密封剤組成物。 - 反応性ポリマー(A)が加水分解性シリル基を有する、請求項1または2に記載の密封剤組成物。
- 球状粒子(B1)および球状粒子(B2)が、表面処理剤で処理されていてもよい、無機粒子、有機粒子または有機無機複合粒子から選択された少なくとも1種である、請求項1~3のいずれか1項に記載の密封剤組成物。
- 重量平均分子量が1000~50000である反応性ポリマー(A)を密封剤組成物に対して5重量%以上含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の密封剤組成物。
- 塗布表面において高さ10~500μm未満の突出部を5個/cm2以上有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の密封剤組成物。
- 塗布表面において高さ500μm以上の突出部を10個/cm2以上有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の密封剤組成物。
- 硬化触媒(C)が
(C1)シリル基含有硬化触媒および
(C2)シリル基非含有硬化触媒
を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の密封剤組成物。 - 融点が-30~120℃である2級または1級アミンを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の密封剤組成物。
- 硬化触媒(C)が4価の錫化合物である、請求項1~9のいずれか1項に記載の密封剤組成物。
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