JP5077165B2 - エンジンオイル温度の推定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載されるエンジンのオイル温度を推定するのに用いて好適な、エンジンオイル温度の推定装置に関するものである。
従来より、エンジンのオイル温度を、オイル温度センサを用いて直接的に検出するのではなく、エンジンの冷却水の温度を用いて推定する技術が知られている。このような技術を開示する文献としては、例えば、以下の特許文献1が挙げられる。
また、この特許文献1においては、オイル温度を推定する際に、オイル温度の初期値(油温初期値)を算出する手法も開示されている。
より具体的には、同文献の〔0038〕〜〔0041〕段落および〔図6〕のフローチャートには、第1油温初期値補正係数(KTOILTW)および第2油温初期値補正係数(KTOILPTA)をテーブルから検索し、これらの補正係数(KTOILTW,KTOILPTA)を用いて、油温初期値(TOILPST)を算出する旨が記載されている。
特許3448772号公報
しかしながら、特許文献1に開示された上記の手法では、油温初期値を得るための制御が複雑であるという課題がある。
つまり、オイル温度の初期値(油温初期値)は、オイル温度自体(油温)を推定する際に必要となる情報であるため、エンジン始動後、可及的速やかに得ることが必要となる。しかしながら、特許文献1のような制御ロジックでは、ECU(30)による油温初期値(TOILPST)の算出が遅れ、このため、油温推定値(TOILP)の算出が遅れるおそれがある。
ECU(30)の処理能力を向上させることで、油温初期値(TOILPST)および油温推定値(TOILP)の算出を高速化するという手法も考えられるものの、このような手法では、ECU(30)自体のコストが増大してしまう。
また、同文献の技術においては、第1油温初期値補正係数(KTOILTW)および第2油温初期値補正係数(KTOILPTA)を得るためのテーブルを用意する必要があるという課題もある。
さらに、近年、地球環境保護等の観点から、ガソリンとアルコールとの混合物を燃料として用いる混合燃料用エンジンを搭載した車両、いわゆる、FFV(Flexible Fuel Vehicle)が注目を集めている。そして、このFFVにおいては、空燃比に基づくエンジンのフィードバック制御の内容をオイル温度に応じて細かく補正する必要がある。これは、所定のオイル温度域(例えば、25〜80℃)でオイルパン中のガソリン又はエタノールとオイルとの間での共沸に起因するものである。
つまり、オイル温度の推定が遅れたり、或いは、その推定精度が低下したりすると、FFVにおいては特に、排ガス性能の低下を招いたり、エンジンの出力性能の低下することによるドライバビリティの低下が著しくなったりするといった課題が生じる。
もちろん、混合燃料用エンジンではなく、一般的なガソリンエンジンであっても、混合燃料用エンジン程ではないにせよ、推定されたオイル温度に応じて、空燃比フィードバック制御の補正を行なうことで、排ガス性能やドライバビリティの向上を図ることが可能である。
換言すれば、オイル温度を、適時且つ高精度に推定することは、エンジンの種類によらず、強く求められているのである。
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、エンジンのオイル温度を推定する際の演算負荷を軽減し、且つ、部品点数の増大を招くことなく、オイル温度の推定精度を高めることが出来る、エンジンオイル温度の推定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のエンジンオイル温度の推定装置(請求項1)は、車両に搭載されたエンジンの冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、該エンジンの始動時における該エンジンのオイル温度である初期オイル温度を推定する初期オイル温度推定手段と、該初期オイル温度推定手段により推定された該初期オイル温度を用いて該エンジンのオイル温度を推定するオイル温度推定手段とを備え、該初期オイル温度推定手段は、該エンジンの始動時において該冷却水温度検出手段により検出された該エンジンの冷却水温度である始動時冷却水温度と、該エンジンの停止時において該オイル温度推定手段により推定された該エンジンのオイル温度である停止時オイル温度とを比較し、該停止時オイル温度の方が該始動時冷却水温度よりも低い場合には、該停止時オイル温度を該初期オイル温度として用い、該始動時冷却水温度の方が該停止時オイル温度よりも低い場合には、該始動時冷却水温度を該初期オイル温度として用いることを特徴としている。
また、請求項2記載の本発明のエンジンオイル温度の推定装置は、請求項1記載の内容において、該エンジンを冷却する冷却水の放熱を行なうラジエータと、該エンジンと該ラジエータとの間に介装され、閉状態で該エンジンと該ラジエータとの間で該冷却水を流通させず、開状態で該エンジンと該ラジエータとの間で該冷却水を流通させる冷却水バルブとを備え、該オイル温度推定手段は、該冷却水バルブが該閉状態の場合、第1係数を該冷却水温度の変化に対して適用した一次遅れ処理を施し且つ該初期オイル温度を用いて該オイル温度を推定し、該冷却水バルブが該開状態の場合、第2係数を該エンジンの回転数および負荷によって定まる駆動時収束オイル温度に対して適用した一次遅れ処理を施し且つ該初期オイル温度を用いて該オイル温度を推定することを特徴としている。
また、請求項3記載の本発明のエンジンオイル温度の推定装置は、請求項1または2記載の内容において、該エンジンにおいて燃料を噴射する燃料噴射手段と、燃料カット条件が成立すると該燃料噴射手段による燃料噴射を禁止する燃料カット制御を実行する燃料カット制御手段とを備え、該オイル温度推定手段は、該冷却水バルブが閉状態で該燃料カット制御手段により該燃料カット制御が実行されている場合、第3重み付けを該エンジンの回転数によって定まるオイル温度である被駆動時収束オイル温度に対して適用した一次遅れ処理を施すことにより該エンジンのオイル温度を推定することを特徴としている。
また、請求項4記載の本発明のエンジンオイル温度の推定装置は、請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の内容において、該エンジンにおいて燃料を噴射する燃料噴射手段と、燃料カット条件が成立すると該燃料噴射手段による燃料噴射を禁止する燃料カット制御を実行する燃料カット制御手段とを備え、該オイル温度推定手段は、該冷却水バルブが開状態で該燃料カット制御手段により該燃料カット制御が実行されている場合、第4重み付けを該エンジンの回転数によって定まる被駆動時収束温度対して適用した一次遅れ処理を施すことにより該エンジンのオイル温度を推定することを特徴としている。
また、請求項5記載の本発明のエンジンオイル温度の推定装置は、請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の内容において、該エンジンは、ガソリンとアルコールとの混合物を燃料として用いる混合燃料用エンジンであることを特徴としている。
本発明のエンジンオイル温度の推定装置によれば、エンジンのオイル温度を推定する際の演算負荷を軽減し、且つ、部品点数の増大を招くことなく、オイル温度の推定精度を高めることが出来る。(請求項1)
また、エンジンのオイル温度を推定する際の演算負荷を軽減しながら、オイル温度の推定精度を高めることが出来る。(請求項2)
また、エンジンが、燃料カット制御の実行中という例外的な運転状況下であっても、エンジン自体の温度変化を反映したオイル温度を正確に推定することが出来る。(請求項3および4)
また、混合燃料用エンジンを搭載した車両、いわゆる、FFV(Flexible Fuel Vehicle)においても排ガス性能やドライバビリティが低下することを防ぐことが出来る。(請求項5)
以下、図面により、本発明の一実施形態に係るエンジンオイル温度の推定装置について説明すると、図1はその全体構成を示す模式的なブロック図、図2〜図5はその動作を示す模式的なフローチャート、図6および図7はその動作を示す模式的なタイムチャートである。
図1に示すように、車両10にはガソリン成分とアルコール成分とが混じりあった燃料(即ち、混合燃料)11を燃料として用いる混合燃料エンジン(エンジン)12が搭載されている。また、この車両10には、混合燃料11を貯える燃料タンク18が搭載されている。
したがって、この車両10は、いわゆる、FFVと呼ばれる種類の車両である。なお、この車両10に搭載されたエンジン12は、ガソリン成分のみを含む燃料(つまり、ガソリン燃料)またはアルコール成分のみを含む燃料(つまり、アルコール燃料)を用いることも出来る。なお、現在市場で給油可能な混合は、ガソリン15%−アルコール85%の混合燃料(E85)と、通常のガソリン100%燃料(E0)である。
このエンジン12は、いずれも図示しない4つのシリンダを有しており、また、これらのシリンダには、それぞれ、インジェクタ(燃料噴射手段)13が設けられている。
これらのインジェクタ13は、デリバリパイプ14に固定され、エンジン12の吸気ポート(図示略)に混合燃料11を噴射するものである。また、デリバリパイプ14は、燃料タンク1の内部と連通する燃料管路15と接続され、図示しない燃料ポンプから送出された混合燃料11を各インジェクタ13に分配することが出来るようになっている。
また、このエンジン12は水冷式のエンジンであって、冷却水管路を介してラジエータ16が接続されている。
さらに、この冷却水管路とエンジン12との間には、サーモスタット(冷却水バルブ)17が設けられている。
このサーモスタット17は、冷却水の温度WTが所定の水温閾値WT_th以上になるとその内部のワックス(図示略)が膨張することで開状態となり、エンジン12とラジエータ16との間で冷却水を流通させることが出来るようになっている。また、このサーモスタット17は、冷却水温度WTが水温閾値WT_th未満になるとその内部のワックスが収縮することで閉状態となり、エンジン12とラジエータ16との間で冷却水流通させないようになっている。
なお、この水温閾値WT_thは、75〜90℃程度に設定されている。
また、このエンジン12には、水温センサ(冷却水温度検出手段)21,回転数センサ(回転数検出手段)22およびスロットルバルブポジションセンサ(エンジン負荷検出手段)23とが設けられている。
これらのうち、水温センサ21は、サーモスタット17の冷却水入口の近傍に設けられたセンサであって、エンジン12の冷却水温度(冷却水温度)WTを検出するようになっている。なお、この水温センサ21によって検出された冷却水温度WTは、後述するECU(Electronic Control Unit)30によって読み込まれるようになっている。
回転数センサ22は、エンジン12の回転数NEを検出するセンサであって、検出結果NEはECU30によって読み込まれるようになっている。
スロットルバルブポジションセンサ23は、エンジン12のスロットルバルブ(図示略)の開度θthを検出するセンサであって、この検出結果θthはECU30によって読み込まれるようになっている。
また、この車両10には、図示しないアクセルペダルポジションセンサが設けられている。このアクセルペダルポジションセンサは、アクセルペダル(図示略)の位置、即ち、ドライバによるアクセルペダルの踏込み量Accを検出するセンサである。なお、このアクセルペダルポジションセンサによる検出結果Accも、ECU30によって読み込まれるようになっている。
そして、この車両10には、ECU30が設けられている。
このECU30は、いずれも図示しない、メモリおよびCPU(Central Processing Unit)を備える電子制御ユニットである。
さらに、このECU30は、いずれもソフトウェアとして、オイル温度推定部(オイル温度推定手段)31,初期オイル温度推定部(初期オイル温度推定手段)32,燃料噴射制御部(燃料噴射制御手段)33および燃料カット制御部(燃料カット制御手段)34を備えている。
また、ECU30のメモリには、A係数マップ35,B係数マップ36,C係数マップ37,D係数マップ38,E係数マップ39,通常時オイル温度マップ41および燃料カット時オイル温度マップ42が設けられている。
これらのうち、オイル温度推定部31は、サーモスタット17の開閉状態とインジェクタ13による燃料噴射状態とに応じて、エンジン12に用いられるエンジンオイルの温度OTを推定するものである。
より具体的に、このオイル温度推定部31は、サーモスタット17が閉状態であり、且つ、インジェクタ13により燃料噴射が行われている場合、以下の式(1)を用いてオイル温度OTを演算推定するようになっている。
OT(n)=Kot_cls×OT(n−1)+(1−Kot_cls)/(1−Kwt_cls)×(WT(n)−Kwt_cls×WT(n−1)) ・・・(1)
OT(n):オイル温度の今回演算値
OT(n−1):オイル温度の前回演算値
WT(n):冷却水温度の今回検出値
WT(n−1):冷却水温度の前回検出値
Kot_cls:オイル温度用なまし係数(A係数)
Kwt_cls:冷却水温度用なまし係数(B係数)
ここで、オイル温度の今回演算値OT(n)は、オイル温度推定部31により、ECU30のメモリ内へ記録されるようになっている。つまり、ECU30のメモリ内に記録されたオイル温度の今回演算値OT(n)が、上式(1)を用いた次回演算時において、オイル温度の前回演算値OT(n−1)として用いられるようになっている。
冷却水温度の今回検出値WT(n)は、水温センサ21の検出結果をオイル温度推定部31が読み込むことで得られるようになっている。
A係数Kot_clsは、サーモスタット17が閉状態である場合におけるオイル温度の前回演算値OT(n−1)に対する係数であって、オイル温度推定部31によりA係数マップ35から読み出されるようになっている。
B係数Kwt_clsは、サーモスタット17が閉状態である場合における冷却水温度の前回演算値WT(n−1)に対する係数であって、オイル温度推定部31によりB係数マップ36から読み出されるようになっている。
また、オイル温度推定部31は、回転数センサ22により読み込まれたエンジン回転数NEと、スロットルバルブポジションセンサ23から読み込まれたスロットルバルブ開度θthとをA係数マップ35に適用することで、その時点におけるエンジン12の運転状態に適合した、A係数Kot_clsを読み出すようになっている。
換言すれば、A係数マップ35は、エンジン回転数NEと、スロットルバルブ開度θth(即ち、エンジン12の負荷)とに基づいてA係数Kot_clsを規定するように構成されている。
そして、上式(1)において、「(1−Kot_cls)/(1−Kwt_cls)」という項を第1重み付けという。
つまり、オイル温度推定部31は、この第1重み付けを冷却水温度WTに対して適用した一次遅れ処理を施すことにより、エンジン12のオイル温度OTを推定するようになっている。
一方、サーモスタット17が開状態で、且つ、インジェクタ13による燃料噴射が行われている場合、オイル温度推定部31は、以下の式(2)を用いてオイル温度OTを推定するようになっている。
OT(n)=Kot_opn×OT(n−1)+(1−Kot_opn)×OTmap ・・・(2)
OT(n):オイル温度の今回演算値
OT(n−1):オイル温度の前回演算値
OTmap:オイル温度のマップ値(駆動時収束オイル温度)
Kot_opn:オイル温度用なまし係数(C係数)
オイル温度のマップ値OTmapは、インジェクタ13による燃料噴射が行なわれている場合において収束するオイル温度OTを示すものであって、オイル温度推定部31により通常時オイル温度マップ41から読み出されるようになっている。
より具体的に、オイル温度推定部31は、回転数センサ22により読み込まれたエンジン回転数NEと、スロットルバルブポジションセンサ23から読み込まれたスロットルバルブ開度θthとを、通常時オイル温度マップ41に適用することで、その時点におけるエンジン12の運転状態に適合した、燃料噴射制御実行中におけるオイル温度マップ値OTmapを読み出すことが出来るようになっている。
換言すれば、通常時オイル温度マップ41は、エンジン回転数NEと、スロットルバルブ開度θth(即ち、エンジンの負荷)とに基づいて、オイル温度マップ値OTmapを規定するように構成されている。
つまり、サーモスタット17が開状態である場合、冷却水はラジエータ16を通過するため、冷却水温度WTは、エンジン12の回転数NEおよび負荷(即ち、スロットルバルブ開度θth)によって定まる収束冷却水温度WTconに収束する。
もちろん、サーモスタット17が開状態であっても、オイル自体がラジエータ16内を流れるわけではない。
しかしながら、冷却水温度WTが収束冷却水温度WTconに収束する以上、オイル温度OTも、エンジン12の回転数NEおよび負荷(即ち、スロットルバルブ開度θth)によって定まるオイル温度(即ち、オイル温度マップ値OTmap)に収束するのである。
C係数Kot_opnは、サーモスタット17が開状態である場合におけるオイル温度の前回演算値OT(n−1)に対する係数であり、且つ、サーモスタット17が開状態である場合におけるオイル温度マップ値OTmapに対する係数としても用いられるものである。
また、このC係数Kot_opnは、オイル温度推定部31により、回転数センサ22から読み込まれたエンジン回転数NEと、スロットルバルブポジションセンサ23から読み込まれたスロットルバルブ開度θthとが、C係数マップ37に適用されることで、その時点におけるエンジン12の運転状態に適合した、C係数Kot_opnが読み出されるようになっている。
換言すれば、C係数マップ37は、エンジン回転数NEと、スロットルバルブ開度θth(即ち、エンジン12の負荷)とに基づいてC係数Kot_opnを規定するように構成されている。
そして、上式(2)において、「(1−Kot_opn)」という項を第2重み付けという。
つまり、オイル温度推定部31は、この第2重み付けを駆動時収束オイル温度OTmapに対して適用した一次遅れ処理を施すことにより、エンジン12のオイル温度OTを推定するようになっている。
ここで、上述の式(1)と式(2)とを比較しながら、改めて両式について説明する。
式(1)においては、冷却水温WTに関するパラメータである、冷却水温度の今回検出値WT(n)および係数Kwt_clsが用いられている。
そして、式(1)が用いられる場合というのは、つまり、サーモスタット17が閉状態である場合である。この場合、冷却水は、ラジエータ16を通過しないため、冷却水温度WTが時々刻々と変化している状況にある。このため、この式(1)においては、冷却水温度の今回検出値WT(n)および係数Kwt_clsといった冷却水温WTに関するパラメータを考慮した上でオイル温度OTの推定が行われるようになっているのである。
これに対し、式(2)においては、これらの冷却水温WTに関するパラメータが用いられず、オイル温度マップ値OTmapが用いられている。
そして、式(2)が用いられる場合というのは、つまり、サーモスタット17が開状態である場合である。この場合、冷却水がラジエータ16を通過するため、冷却水温度WTは、エンジン12の回転数NEおよび負荷(即ち、スロットルバルブ開度θth)によって定まる収束冷却水温度WTconに収束する。
次に、燃料カット制御が実行されている場合に着目した点を説明する。
サーモスタット17が閉状態で、且つ、インジェクタ13により燃料噴射が禁止されている、即ち、燃料カット制御部34により燃料カット制御が実行されている場合、オイル温度推定部31は、以下の式(3)を用いてオイル温度OTを推定するようになっている。
OT(n)=Kot_clsm×OT(n−1)+(1−Kot_clsm)×OTmap_m ・・・(3)
OT(n):オイル温度の今回演算値
OT(n−1):オイル温度の前回演算値
OTmap_m:燃料カット制御実行中におけるオイル温度のマップ値(被駆動時収束オイル温度)
Kot_clsm:オイル温度用なまし係数(D係数)
燃料カット制御実行中におけるオイル温度のマップ値OTmap_mは、インジェクタ13による燃料噴射が禁止されている場合において収束するオイル温度OTを示すものであって、オイル温度推定部31により燃料カット時オイル温度マップ42から読み出されるようになっている。
より具体的に、オイル温度推定部31は、回転数センサ22により読み込まれたエンジン回転数NEを、燃料カット時オイル温度マップ42に適用することで、その時点におけるエンジン12の運転状態に適合した、燃料カット制御実行中におけるオイル温度マップ値OTmap_mを読み出すことが出来るようになっている。
換言すれば、燃料カット時オイル温度マップ42は、スロットルバルブ開度θth(即ち、エンジンの負荷)によらず、エンジン回転数NEのみに基づいて、オイル温度マップ値OTmap_mを規定するように構成されている。
つまり、サーモスタット17が閉状態で且つ燃料カット制御の実行中である場合、冷却水はラジエータ16を通過しないものの、冷却水温度WTは、エンジン12の回転数NEのみによって定まる収束冷却水温度WTcon_mに収束する。
そして、冷却水温度WTが収束冷却水温度WTcon_mに収束する以上、被駆動状態にあるエンジン12のオイル温度OTも、エンジン12の回転数NEのみによって定まるオイル温度(即ち、燃料カット制御実行中におけるオイル温度マップ値OTmap_m)に収束するのである。
D係数Kot_clsmは、燃料カット制御が実行されている場合(即ち、エンジン12が被駆動状態にある場合)で且つサーモスタット17が閉状態である場合におけるオイル温度の前回演算値OT(n−1)に対する係数であり、且つ、サーモスタット17が閉状態で燃料カット制御が実行されている場合におけるオイル温度マップ値OTmap_mに対する係数としても用いられるものである。
また、このD係数Kot_clsmは、オイル温度推定部31により、回転数センサ22により読み込まれたエンジン回転数NEが、D係数マップ38に適用されることで、その時点におけるエンジン12の運転状態に適合した、D係数Kot_clsmが読み出されるようになっている。
換言すれば、このD係数マップ38は、スロットルバルブ開度θth(即ち、エンジンの負荷)によらず、エンジン回転数NEのみに基づいてD係数Kot_clsmを規定するように構成されている。
そして、上式(3)において、「(1−Kot_clsm)」という項を第3重み付けという。
つまり、オイル温度推定部31は、この第3重み付けを被駆動時収束オイル温度OTmap_mに対して適用した一次遅れ処理を施すことにより、エンジン12のオイル温度OTを推定するようになっている。
他方、サーモスタット17が開状態で、且つ、インジェクタ13により燃料噴射が禁止されている、即ち、燃料カット制御部34により燃料カット制御が実行されている場合、オイル温度推定部31は、以下の式(4)を用いてオイル温度OTを推定するようになっている。
OT(n)=Kot_opnm×OT(n−1)+(1−Kot_opnm)×OTmap_m・・・(4)
OT(n):オイル温度の今回演算値
OT(n−1):オイル温度の前回演算値
OTmap_m:燃料カット制御実行中におけるオイル温度のマップ値(被駆動時収束オイル温度)
Kot_opnm:オイル温度用なまし係数(E係数)
ここで、燃料カット制御実行中におけるオイル温度のマップ値OTmap_mは、式(3)における場合と同様であるので、ここではその説明を省略する。
E係数Kot_opnmは、燃料カット制御が実行されている場合(即ち、エンジン12が被駆動状態である場合)で且つサーモスタット17が開状態である場合におけるオイル温度の前回演算値OT(n−1)に対する係数であり、且つ、燃料カット制御が実行されている場合におけるオイル温度マップ値OTmap_mに対する係数としても用いられるものである。
また、このE係数Kot_opnmは、オイル温度推定部31により、回転数センサ22により読み込まれたエンジン回転数NEが、E係数マップ39に適用されることで、その時点におけるエンジン12の運転状態に適合した、E係数Kot_opnmが読み出されるようになっている。
換言すれば、E係数マップ39は、スロットルバルブ開度θth(即ち、エンジンの負荷)によらず、エンジン回転数NEのみに基づいてE係数Kot_opnmを規定するように構成されている。
そして、上式(4)において、「(1−Kot_opnm)」という項を第4重み付けという。
つまり、オイル温度推定部31は、この第4重み付けを被駆動時収束オイル温度OTmap_mに対して適用した一次遅れ処理を施すことにより、エンジン12のオイル温度OTを推定するようになっている。
初期オイル温度推定部32は、エンジン12の始動時におけるエンジン12のオイル温度である初期オイル温度OT_0を推定するものである。そして、上述のオイル温度推定部31は、この初期オイル温度推定部32により推定された初期オイル温度OT_0を用いてエンジン12のオイル温度OTを推定するようになっている。
より具体的に、この初期オイル温度推定部32は、始動時冷却水温度WT_start(定義は後述)と、停止時オイル温度OT_stop(定義は後述)とを比較し、停止時オイル温度OT_stopの方が始動時冷却水温度WT_startよりも低い、即ち、下式(5)が成立する場合には、停止時オイル温度OT_stopを上記の初期オイル温度OT_0として用いるようになっている。
WT_start>OT_stop ・・・(5)
WT_ start始動時冷却水温度
OT_stop:停止時オイル温度
ここで、始動時冷却水温度WT_startは、エンジン12の始動時において水温センサ21により検出された冷却水温度である。
また、停止時オイル温度OT_stopは、エンジン12の前回停止時においてオイル温度推定部31により推定されたエンジン12のオイル温度OTである。
一方、初期オイル温度推定部32は、始動時冷却水温度WT_startの方が停止時オイル温度OT_stopよりも低い、即ち、下式(6)が成立する場合には、始動時冷却水温度WT_startを初期オイル温度OT_0として用いるようになっている。
WT_start<OT_stop ・・・(6)
た、初期オイル温度推定部32は、車内に備えられたイグニッションスイッチ(図示略)がオフからオンになると、エンジン12の始動が開始されたと認識するようになっている。
燃料噴射制御部33は、エンジン12の各インジェクタ13に対してパルス信号を送ることで、これらの各インジェクタ13から混合燃料を噴射させるものである。
燃料カット制御部34は、燃料カット条件(以下の(i)および(ii)の両方)が満たされると、燃料噴射制御部33の作動を停止させることで、各インジェクタ13による混合燃料の噴射を禁止するものである。
(i)アクセルペダルの踏込み量Accが実質的にゼロであること
(ii)エンジン回転数NEが設定アイドル回転数以上であること
一方、この燃料カット制御部34は、燃料カット条件(上述の(i)および(ii)の少なくともいずれか一方)が満たされなくなると、燃料噴射制御部33の作動を再開させ、各インジェクタ13による混合燃料の噴射禁止をキャンセルするようになっている。
本発明の一実施形態に係るエンジンオイル温度の推定装置は上述のように構成されているので、以下のような作用および効果を奏する。
まず、初期オイル温度OT_0の設定制御について、図2のフローチャートを用いて説明する。
初期オイル温度推定部32は、イグニッションスイッチ(図示略)がオフからオンになった時点において(ステップS11)、水温センサ21により検出された冷却水温WTを読み込む(ステップS12)。なお、ここで読み込まれた冷却水温WTが、式(6)の始動時冷却水温WT_startである。
その後、初期オイル温度推定部32は、ステップS12で得られた始動時冷却水温WT_startが停止時オイル温度OT_stop以上であるか否かを判定する(ステップS13)。なお、この停止時オイル温度OT_stopは、式(5)を説明する際に上述したように、エンジン12の前回停止時においてオイル温度推定部31により推定されたエンジン12のオイル温度OTである。また、この停止時オイル温度OT_stopは、ECU30の図示しないメモリ内に記録されている。
そして、始動時冷却水温WT_startが停止時オイル温度OT_stop以上である場合(ステップS13のYesルート)、初期オイル温度推定部32は、メモリ内から読み込まれた、停止時オイル温度OT_stopを初期オイル温度OT_0として設定する(ステップS14)。
一方、初期オイル温度推定部32は、始動時冷却水温WT_startが停止時オイル温度OT_stop未満である場合(ステップS13のNoルート)、始動時冷却水温WT_startを初期オイル温度OT_0として設定する(ステップS15)。
ここで、図6に示すタイムチャートを用いて、改めて、初期オイル温度OT_0の設定について説明する。なお、この6に示す場合において、燃料カット制御部34による燃料カット制御は実行されていない。
また、この図6においては、冷却水温度WTの変化を破線の特性線LWTで示し、オイル温度OTの変化を実線の特性線LOTで示す。
図6示すように、イグニッションスイッチがオフからオンになるとエンジン12が始動し(時点t0)、その後、冷却水温WTもオイル温度OTも共に上昇する。もっとも、特性線LWTおよびLOTで示すように、冷却水温度WTの変化率は、オイル温度OTの変化率よりもかなり大きく、冷却水温度WTとオイル温度OTとの差(温度差)は徐々に広がってゆく。これは、冷却水とオイルとでは熱伝導率が異なっていることに起因するものであり、より具体的には、冷却水がオイルよりも熱せられやすく冷めやすいという特性を有することによるものである。
そして、冷却水温度WTが水温閾値WT_thに達する前にイグニッションスイッチがオンからオフになると(時点t1)、このとき、オイル温度OT(即ち、停止時オイル温度OT_stop)は、冷却水温度WT(即ち、停止時冷却水温度WT_stop)よりも小さくなる。この現象も、冷却水温度WTの変化率が、オイル温度OTの変化率よりもかなり大きいことによるものである。
そして、再び、イグニッションスイッチがオフからオンになり、エンジン12が再始動する際(時点t2)、初期オイル温度推定部32は、エンジン12の前回停止時においてオイル温度推定部31により推定されたオイル温度OT、即ち、停止時オイル温度OT_stopを、初期オイル温度OT_0として設定する。
これは、オイル温度OTと冷却水温度WTとの間には、上式(5)として示す関係が成立していることに起因するものであり、この場合、初期オイル温度推定部32は、停止時オイル温度OT_stopを、初期オイル温度OT_0として設定する。
また一般に、イグニッションスイッチがオフからオンになるとエンジン12が始動し、その後、冷却水温WTもオイル温度OTも共に上昇する。その後、冷却水温度WTは、水温閾値WT_thに達すると、所定の温度(収束冷却水温度WTcon)に収束してゆく。このため、エンジン12の運転期間が比較的長くなると、オイル温度OTが冷却水温度WTを上回ることとなる。
このため、その後、イグニッションスイッチがオンからオフになると、冷却水温度WT(即ち、停止時冷却水温度WT_stop)は、オイル温度OT(即ち、停止時オイル温度OT_stop)よりも小さくなる。
その後、再び、イグニッションスイッチがオフからオンになり、エンジン12が再始動すると、初期オイル温度推定部32は、水温センサ21により検出された水温WT、即ち、始動時冷却水温度WT_startを、初期オイル温度OT_0として設定する。
これは、オイル温度OTと冷却水温度WTとの間には、上式(6)として示す関係が成立しており、この場合、初期オイル温度推定部32は、始動時冷却水温度WT_startを、初期オイル温度OT_0として設定することによるものである。
つまり、図6に示すように、エンジン12の前回停止時(時点t1)において、オイル温度OT(即ち、停止時オイル温度OT_stop)が、冷却水温度WT(即ち、停止時冷却水温度WT_stop)よりも低い場合、その後、再びエンジン12が運転しない限り、オイル温度OTが冷却水温度WTよりも大きくなる事態は生じないのである。
一方、エンジン12の前回停止時において、冷却水温度WT(即ち、停止時冷却水温度WT_stop)が、オイル温度OT(即ち、停止時オイル温度OT_stop)よりも低い場合、その後、再びエンジン12が運転しない限り、冷却水温度WTがオイル温度OTよりも大きくなる事態は生じないのである。
このように、エンジン12を再始動した際(図6の時点t2)において、ECU30が取得し得るのは、停止時オイル温度OT_stopおよび始動時冷却水温度WT_startの2つのパラメータであるが、初期オイル温度推定部32は、これら2つのパラメータのうち最も小さいものを、初期オイル温度OT_0として設定するようになっているのである。
つまり、初期オイル温度OT_0を、過度に高く或いは低く設定してしまうと、当然にオイル温度OTの推定結果そのものの精度が落ちてしまう。しかしながら、本発明によれば、初期オイル温度OT_0を、エンジン12の再始動時における実際のオイル温度OTに出来るだけ近似させることで、上記のようなデメリットを排しながら、オイル温度推定部31によるオイル温度OTの推定精度を高めることが出来るのである。
また、FFV用のエンジン12においては、空燃比フィードバック(いわゆる、Oフィードバック)制御量に基づいて燃料中のアルコール成分の濃度推定を行なうことが一般的である。しかしながら、オイル中に含まれる燃料(いわゆる、オイル希釈燃料)が、オイル温度OTが上昇するにつれて蒸発し、シリンダ内へ流入すると、空燃比はリッチ化する。つまり、この場合、Oフィードバック制御量が、蒸発したオイル希釈燃料によって乱されることとなり、Oフィードバック制御量に基づいた燃料中のアルコール成分の濃度推定の精度が低下するのである。
もっとも、オイル温度OTに応じたオイル希釈燃料の蒸発量が推定出来れば、燃料中のアルコール成分量の推定精度が低下することを防ぐことが出来るのであるが、この場合、オイル温度OTを正確に推定することが前提となる。
そして、本発明によれば、オイル温度OTを正確に推定することが出来るので、FFV用のエンジン12におけるアルコール成分の濃度推定を正確に行うことに大きく寄与することが出来るのである。
なお、オイル温度OTが比較的低い場合、希釈燃料の蒸発率は比較的小さく、その後、オイル温度OTが上昇するにつれて、希釈燃料の蒸発率は大きくなっていく。もっとも、エンジン12の暖機が完了し、オイル温度OTが十分に高くなった場合、希釈燃料の多くは蒸発してしまっているため、蒸発率は高くとも蒸発量はさほど大きくない。
換言すれば、エンジン12の暖機を行なっている間におけるオイル温度OTを正確に得ることが強く求められているのであるが、本発明はこのような要望に応えることが可能である。
次に、オイル温度OTの推定制御について、図3〜図5のフローチャートを用いて説明する。
まず、図3のステップS21において、オイル温度推定部31は、回転数センサ22によって検出されたエンジン12の回転数NEが所定のアイドル下限回転数NE_MIN(例えば、500〜600rpm程度)を下回ると、エンジン12がストール或いは始動中であると判定する(ステップS21のYesルート)。
この場合、オイル温度推定部31は、現在のオイル温度、即ち、オイル温度の今回演算値OT(n)が、図2のステップS14またはS15において初期オイル温度推定部32により得られた初期オイル温度OT_0であると推定する。
一方、オイル温度推定部31は、エンジン12の回転数NEが所定のアイドル下限回転数NE_MIN以上になると、エンジン12がストール或いは始動中ではなく、エンジン12が運転中であると判定する(ステップS21のNoルート)。
ここで、冷却水温度WTが水温閾値WT_th未満である場合(ステップS23のYesルート)、サーモスタット17は閉状態であり、エンジン12によって熱せられた冷却水はラジエータ16内を流通せず、エンジン12内を循環する。
そしてこのとき、燃料噴射制御部33からインジェクタ13に出力されるパルス信号のパルス幅INJ_PWがゼロではない、換言すれば、燃料カット制御部34が作動しておらず、インジェクタ13により混合燃料の噴射が行なわれている場合(ステップS24のYesルート)、オイル温度推定部31は、上述の式(1)を用いて、オイル温度の今回演算値OT(n)を演算する(ステップS25)。
一方、冷却水温度WTが水温閾値WT_th以上である場合(ステップS23のNoルート;図へ(P1))、サーモスタット17が開状態となり、エンジン12によって熱せられた冷却水がラジエータ16内を流通する。
このとき、燃料噴射制御部33からインジェクタ13に出力されるパルス信号のパルス幅INJ_PWがゼロより大きく、インジェクタ13により混合燃料の噴射が行なわれていれば(ステップS26のYesルート)、オイル温度推定部31は、上述の式(2)を用いて、オイル温度の今回演算値OT(n)を演算する(ステップS27)。
他方、サーモスタット17が開状態であり(ステップS23のNoルート;図へ(P1)、燃料噴射制御部33からインジェクタ13に出力されるパルス信号のパルス幅INJ_PWがゼロである、即ち、燃料カット制御部34により燃料カット制御が実行されており、インジェクタ13による混合燃料の噴射が行なわれていない場合(ステップS26のNoルート;図5へ(P4))、オイル温度推定部31は、上述の式(4)を用いて、オイル温度の今回演算値OT(n)を演算する(ステップS29)。
また、サーモスタット17が閉状態であり(図3のステップS23のYesルート)、且つ、燃料カット制御部34により燃料カット制御が実行されており、インジェクタ13による混合燃料の噴射が行なわれていない場合(ステップS24のNoルート;図4へ(P2))、オイル温度推定部31は、上述の式(3)を用いて、オイル温度の今回演算値OT(n)を演算する(ステップS28)。
このように、本発明の実施形態に係るエンジンオイル温度の推定装置によれば、エンジン12のオイル温度OTを推定する際、ECU30の演算負荷が高くなることを避けながら、且つ、部品点数の増大を招くことなく、オイル温度OTの推定精度を高めることが出来る。
また、エンジン12の始動時におけるエンジン12のオイル温度である初期オイル温度OT_0を正確に演算することで、オイル温度OTを推定の精度を高めることが出来る。
また、エンジン12が、燃料カット制御の実行中という例外的な運転状況下であっても、エンジン12自体の温度変化を反映したオイル温度OTを正確に推定することが出来る。
また、混合燃料用エンジン12を搭載した車両10、いわゆる、FFVにおいて、オイル温度OTの推定精度が低下すると、排ガス性能の低下や、エンジン12の出力性能が低下することによるドライバビリティの低下が著しくなるが、本発明によれば、オイル温度OTの推定を正確に行うことで、FFVにおいても、排ガス性能やドライバビリティが低下することを効果的に防ぐことが出来る。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが出来る。その一例を以下に示す。
上述の実施形態においては、エンジン12の回転数NEを回転数センサ22により検出する場合について説明したが、クランク角センサの出力信号を用いることでECU30がエンジン回転数NEを演算するようにしてもよい。
上述の実施形態においては、サーモスタット17がワックス式であり、水温閾値WT_thが1つだけ設定された場合を例に取って説明したが、このような実施形態に限定するものではない。例えば、ワックス式のサーモスタット17に代えて電気式のサーモスタットを用いるとともに、水温閾値WT_thとして、第1閾値WT_th1と、第1閾値よりも低い温度を示す第2閾値WT_th2とを設定してもよい。
そして、冷却水温WTが第1閾値WT_th1を上回ると開状態となり、冷却水温WTが第2閾値WT_th2を下回ると閉状態となるように、この電気式サーモスタットをチューニングすることで、サーモスタットの開閉ハンチングを防ぐようにしてもよい。
また、上述の実施形態においては、エンジン12が混合燃料用エンジンである場合を例にとって説明したが、このような場合に限定するものではない。例えば、ガソリンエンジンであっても良いし、ディーゼルエンジンであっても良い。
また、上述の実施形態においては、A係数マップ35が、エンジン回転数NEと、スロットルバルブ開度θth(即ち、エンジン12の負荷)とに基づいてA係数Kot_clsを規定するように構成した。また、オイル温度推定部31が、回転数センサ22により読み込まれたエンジン回転数NEと、スロットルバルブポジションセンサ23から読み込まれたスロットルバルブ開度θthとをA係数マップ35に適用することで、その時点におけるエンジン12の運転状態に適合した、A係数Kot_clsを読み出す場合について説明したしかしながら、このような場合に限定するものではない。例えば、A係数マップ35を設けず、A係数Kot_clsをエンジン回転数NEに応じて補正するようにしてもよい。
同様に、上述の実施形態においては、C係数マップ37が、エンジン回転数NEと、スロットルバルブ開度θth(即ち、エンジン12の負荷)とに基づいてC係数Kot_opnを規定するように構成した。また、オイル温度推定部31が、回転数センサ22により読み込まれたエンジン回転数NEと、スロットルバルブポジションセンサ23から読み込まれたスロットルバルブ開度θthとをC係数マップ37に適用することで、その時点におけるエンジン12の運転状態に適合した、C係数Kot_opnを読み出す場合について説明した。しかしながら、このような場合に限定するものではなく、例えば、C係数マップ37を設けず、C係数Kot_opnをエンジン回転数NEに応じて補正するようにしてもよい。
また、上述の実施形態においては、スロットルバルブ開度θthをエンジン12の負荷を示すものとして取り扱った場合について説明したが、このような場合に限定されるものではない。例えば、エンジン12のエアフローセンサ(図示略)の検出結果から得られた充填効率をエンジン12の負荷を示すものとして取り扱うようにしても良い。
本発明の一実施形態に係るエンジンオイル温度の推定装置の全体構成を示す模式的なブロック図である。 本発明の一実施形態に係るエンジンオイル温度の推定装置の動作を示すフローチャートであって、オイル温度初期値を求める場合を示す。 本発明の一実施形態に係るエンジンオイル温度の推定装置の動作を示すフローチャートであって、オイル温度を求める場合を示す。 本発明の一実施形態に係るエンジンオイル温度の推定装置の動作を示すフローチャートであって、オイル温度を求める場合を示す。 本発明の一実施形態に係るエンジンオイル温度の推定装置の動作を示すフローチャートであって、オイル温度を求める場合を示す。 本発明の一実施形態に係るエンジンオイル温度の推定装置の動作を示すタイムチャートであって、エンジンの運転期間が比較的短い場合を示す
符号の説明
10 車両
12 混合燃料用エンジン(エンジン)
13 インジェクタ(燃料噴射手段)
16 ラジエータ
17 サーモスタット(冷却水バルブ)
21 水温センサ(冷却水温度検出手段)
31 オイル温度推定部(オイル温度推定手段)
32 初期オイル温度推定部(初期オイル温度推定手段)
34 燃料カット制御部(燃料カット制御手段)
WT 冷却水温度
OT オイル温度
NE エンジン回転数
θth エンジン負荷
OTmap_m 駆動時収束オイル温度
OTmap_m 被駆動時収束オイル温度
Kot_cls サーモスタット閉状態で燃料噴射中における、オイル温度用なまし係数(A係数)
Kwt_cls サーモスタット閉状態で燃料噴射中における、冷却水温度用なまし係数(B係数)
Kot_opn サーモスタット開状態で燃料噴射中における、オイル温度用なまし係数(C係数)
Kot_clsm サーモスタット閉状態で燃料カット中における、オイル温度用なまし係数(D係数)
Kot_opnm サーモスタット開状態で燃料カット中における、オイル温度用なまし係数(E係数)

Claims (5)

  1. 車両に搭載されたエンジンの冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、
    該エンジンの始動時における該エンジンのオイル温度である初期オイル温度を推定する初期オイル温度推定手段と、
    該初期オイル温度推定手段により推定された該初期オイル温度を用いて該エンジンのオイル温度を推定するオイル温度推定手段とを備え、
    該初期オイル温度推定手段は、
    該エンジンの始動時において該冷却水温度検出手段により検出された該エンジンの冷却水温度である始動時冷却水温度と、該エンジンの停止時において該オイル温度推定手段により推定された該エンジンのオイル温度である停止時オイル温度とを比較し、
    該停止時オイル温度の方が該始動時冷却水温度よりも低い場合には、該停止時オイル温度を該初期オイル温度として用い、
    始動時冷却水温度の方が該停止時オイル温度よりも低い場合には、該始動時冷却水温度を該初期オイル温度として用いる
    ことを特徴とする、エンジンオイル温度の推定装置。
  2. 該エンジンを冷却する冷却水の放熱を行なうラジエータと、
    該エンジンと該ラジエータとの間に介装され、閉状態で該エンジンと該ラジエータとの間で該冷却水を流通させず、開状態で該エンジンと該ラジエータとの間で該冷却水を流通させる冷却水バルブとを備え
    該オイル温度推定手段は、
    該冷却水バルブが該閉状態の場合、第1係数を該冷却水温度の変化に対して適用した一次遅れ処理を施し且つ該初期オイル温度を用いて該オイル温度を推定し、
    該冷却水バルブが該開状態の場合、第2係数を該エンジンの回転数および負荷によって定まる駆動時収束オイル温度に対して適用した一次遅れ処理を施し且つ該初期オイル温度を用いて該オイル温度を推定する
    ことを特徴とする、請求項1記載のエンジンオイル温度の推定装置。
  3. 該エンジンにおいて燃料を噴射する燃料噴射手段と、
    燃料カット条件が成立すると該燃料噴射手段による燃料噴射を禁止する燃料カット制御を実行する燃料カット制御手段とを備え、
    該オイル温度推定手段は、
    該冷却水バルブが閉状態で該燃料カット制御手段により該燃料カット制御が実行されている場合、第3重み付けを該エンジンの回転数によって定まるオイル温度である被駆動時収束オイル温度に対して適用した一次遅れ処理を施すことにより該エンジンのオイル温度を推定する
    ことを特徴とする、請求項1または2記載のエンジンオイル温度の推定装置。
  4. 該エンジンにおいて燃料を噴射する燃料噴射手段と、
    燃料カット条件が成立すると該燃料噴射手段による燃料噴射を禁止する燃料カット制御を実行する燃料カット制御手段とを備え、
    該オイル温度推定手段は、
    該冷却水バルブが開状態で該燃料カット制御手段により該燃料カット制御が実行されている場合、第4重み付けを該エンジンの回転数によって定まる被駆動時収束温度対して適用した一次遅れ処理を施すことにより該エンジンのオイル温度を推定する
    ことを特徴とする、請求項1〜3いずれか1項に記載のエンジンオイル温度の推定装置。
  5. 該エンジンは、ガソリンとアルコールとの混合物を燃料として用いる混合燃料用エンジンである
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のエンジンオイル温度の推定装置。
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