JP5077086B2 - 照明光学系および画像投影装置 - Google Patents

照明光学系および画像投影装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5077086B2
JP5077086B2 JP2008155719A JP2008155719A JP5077086B2 JP 5077086 B2 JP5077086 B2 JP 5077086B2 JP 2008155719 A JP2008155719 A JP 2008155719A JP 2008155719 A JP2008155719 A JP 2008155719A JP 5077086 B2 JP5077086 B2 JP 5077086B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light source
light
optical system
led light
dichroic mirror
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008155719A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009300772A (ja
Inventor
靖昌 澤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Advanced Layers Inc
Original Assignee
Konica Minolta Advanced Layers Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Advanced Layers Inc filed Critical Konica Minolta Advanced Layers Inc
Priority to JP2008155719A priority Critical patent/JP5077086B2/ja
Publication of JP2009300772A publication Critical patent/JP2009300772A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5077086B2 publication Critical patent/JP5077086B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Projection Apparatus (AREA)
  • Video Image Reproduction Devices For Color Tv Systems (AREA)

Description

本発明は、変調素子への照明光を出射する照明光学系および変調素子で変調された照明光を投影する画像投影装置に関する。
従来から、映像を鑑賞するための装置として、光源から出射された光を変調素子により変調して、画像をスクリーン等に投影する画像投影装置がある。この画像投影装置の照明光学系として、例えば、波長の異なる複数の発光ダイオード等の光源からの光をプリズムやダイクロイックミラー等の光合成部により合成して変調素子に導く構成のものが知られている。
従来の画像投影装置の照明光学系の例として、例えば非特許文献1に開示されているものについて図5を用いて説明する。図5は、従来の照明光学系の一部の構成を説明するための図である。図5に示すように、従来の照明光学系は、ダイクロイック面を直角略垂直に交差された二枚のダイクロイックミラー123a、123bと、ミラー125と、複数の光源121R、121G、121Bと、その前面にそれぞれ配置されたコリメータレンズ122R、122G、122Bと、コンデンサーレンズ124と、ロッドインテグレータ126とを備えている。このような、照明光学系において、光源121Bから出射された光はダイクロイックミラー123aで反射し、さらにダイクロイックミラー123bで反射する。また、光源121Gから出射された光はダイクロイックミラー123aを透過し、ダイクロイックミラー123bで反射する。また、光源121Rから出射された光はミラー125で反射し、ダイクロイックミラー123bを透過する。このようにして、光源121R、121G、121Bから出射された、すべての光は同一の光軸に合成され、コンデンサーレンズ124およびロッドインテグレータ126に入射される。このように、非特許文献1に記載の照明光学系はプリズムを備えることなく、複数の光源からの光を合成して出射する。図示はしていないが、合成された光は変調素子に導かれ、変調素子により変調されて、投影光学系によりスクリーンに拡大して投影される。
また、従来の他の照明光学系として、例えば特許文献1には、交差された2枚のダイクロイックミラーを有し、1つの光源として複数のLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)チップがアレイ状に配置されたLED光源を用いた照明光学系が開示されている。2枚のダイクロイックミラーを用いることで、ダイクロイックミラーの交差部においては、それらのギャップに起因する損失が生じるが、特許文献1の照明光学系においては、複数のLEDチップを用いることにより、光源の出力を大きくているため、照明光学系から出射される光の出力が低くなりすぎることはなく、十分明るい光を出射することができる。
また、従来のさらに他の照明光学系として、例えば特許文献2には、2枚のダイクロイックミラーを交差させた光合成部を用いずに、プリズムを光合成部として用いている照明光学系が開示されている。一般的に、プリズムにおいては、2枚のダイクロイックミラーを用いた場合の交差部に生じるようなギャップが極めて小さいことから、損失を低減できるが、P偏光成分の反射を確保する事が困難であるという問題がある。つまり、光源として用いるLEDが、ランダム偏光を発光する場合は、偏光成分による損失が発生するため、効率のよい色合成ができない。しかし、特許文献2に開示された照明光学系は、このような偏光成分による損失が少ないプリズムを備えて構成される。それにより、特許文献2に開示された照明光学系は、損失が少なく、効率のよい色合成が可能である。
SID 04 DIGEST 26.1:RGB LED Illuminator for Pocket−Sized Projectors 特開2005−316406号公報 特開2004−70018号公報
しかし、非特許文献1に開示された照明光学系では、各色光の合成において、各色光を反射する回数が多く、光路長が長くなり、大型化すると共に効率が悪くなるという問題がある。また、特許文献1に開示された照明光学系では、用いるLEDの数が多くなるため、コストが高くなる上、電力消費量も増加するという問題がある。しかも、複数の光源を用いる場合、それらの光路の合成において損失が生じやすい。また、発光面積が同程度である単一のLEDを用いる場合よりも、複数の光源を用いる場合の方が効率的にはかなり不利である。また、特許文献1に示された構成に、単一のLEDを用いた場合は、ダイクロイックミラーの交差部におけるギャップによる損失が避けられない。また、特許文献2に開示された照明光学系は、プリズムを用いているが、プリズムはコストが高い上に重量が重い。したがって、照明光学系自体のコストも高くなるうえ、重たいという問題がある。しかも、P偏光成分の損失など、ダイクロイック特性による損失が避けられない。
また、各色光の各光源の出力が異なっているため、照明光学系において、これら各色光の光量バランスを調整する必要がある。具体的には、青色光、赤色光、緑色光の各LED光源のうち、青色光の光源の出力が、他の2つの光源に比べて高すぎることから、例えば、白色表示とするためには、青色光源にくらべて出力の低い赤色光源および緑色光源の発光デューティ比を大きくとる必要があり、パルス発光の特性が生かしきれていない。パルス発光を有効に用いるためには、照明光学系において、各色光の光量のバランスを調整できる構成とすることが望ましい。
本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、低損失であり、各色光の光量のバランスがよく、小型化が可能な照明光学系およびそのような照明光学系を備えた画像投影装置を提供することである。
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様に係る照明光学系は、第1色光を発光する第1LED光源と、第2色光を発光する第2LED光源と、第3色光を発光する第3LED光源と、前記第1色光、前記第2色光および前記第3色光を同一の光軸に合成する、光合成部とを備えた照明光学系であって、前記光合成部は、前記第1色光を透過し、前記第2色光を反射することにより前記第1色光および前記第2色光を合成する第1ダイクロイックミラーと、前記第1ダイクロイックミラーにより合成された前記第1色光および前記第2色光を透過し、前記第3色光を反射することにより前記第1色光、前記第2色光および前記第3色光を合成する第2ダイクロイックミラーとを有し、前記第1ダイクロイックミラーの法線と、前記第2ダイクロイックミラーの法線とのなす角度が、60度以上90度未満である。
このように、第1ダイクロイックミラーおよび第2ダイクロイックミラーをそれぞれの法線のなす角度が60度以上90度未満となるように配置することで、第1色光の光路長を短くし、かつ他の色光の光路を確保することができる。これにより、第1色光の効率を向上させることができるため、各LED光源の発光効率の差により生じる各色光の光量のバランスをよくすることができ、小型化も可能である。また、第1ダイクロイックミラーおよび第2ダイクロイックミラーの交差部を光路とする必要はないことから、光量損失は生じない。また、光合成部をダイクロイックミラーによって構成することから、プリズムを使った場合のように重量が重くなることはない。
また、上述の照明光学系において、前記第1ダイクロイックミラーに入射する前記第2色光の光軸と、前記第2ダイクロイックミラーの法線とのなす角度が75度以上であることが好ましい。
これにより、第1ダイクロイックミラーに入射する第2色光の光軸を第2ダイクロイックミラー面に略沿うように配置することができる。そのため、第1ダイクロイックミラーを、より第2LED光源側へと近づけることができるため、第1LED光源をより出射側に寄せることができ、第1色光の光路長を短くできる。
また、上述の照明光学系において、前記第2LED光源の発光効率は、前記第1LED光源および前記第3LED光源のいずれの発光効率よりも高く、前記第1LED光源から被照明部までの光路長をL1とし、前記第2LED光源から前記被照明部までの光路長をL2とし、前記第3LED光源から前記被照明部までの空気換算の光路長をL3とすると、
L3≦L1<L2
の関係を満たすことが好ましい。
これにより、発光効率の高い第2色光の光路長に比べて、他の色光の光路長が短いことから、第2色光以外の色光の効率を向上させることができる。
また、上述の照明光学系において、前記第1LED光源の発光効率は、前記第3LED光源の発光効率よりも高いことが好ましい。
これにより、発光効率が低い第3色光の光路長が他の色光の光路長に比べて短くなるので、第3色光の効率を向上させることができる。
また、上述の照明光学系において、前記第2LED光源が発光する前記第2色光は青色光であり、前記第1LED光源が発光する前記第1色光は赤色光または緑色光であり、前記第3LED光源が発光する前記第3色光は赤色光または緑色光のうち、前記第2色光と異なる色光であることが好ましい。
これにより、最も発光効率のよい青色LED光源から出射される青色光を、最も効率の悪い光路に配置できる。したがって、適切な白表示を行う場合に、各色光の発光デューティ比をバランスよく、最適の大きさにできる。それにより、色度と明るさのパフォーマンスのよい照明光を出射できる。
また、上述の照明光学系において、前記第1色光は緑色光であり、前記第1色光の光軸と前記第1ダイクロイックミラーの法線とのなす角度が45度未満であることが好ましい。
これにより、第1ダイクロイックミラーを透過する緑色光の損失を少なくできる。ここで、緑色光を透過し青色光を透過する第1ダイクロイックミラーにおいて、緑色光と青色光とは発光波長が比較的近いことから、緑色光の透過においてはカットオフ波長に対する入射角依存性の影響が大きい。つまり、入射角度が大きいと、ダイクロイックミラー特性の入射角依存性損失が大きくなり、色合成による損失が大きくなる。
また、上述の照明光学系において、前記第1ダイクロイックミラーおよび前記第2ダイクロイックミラーは、互いに異なる屈折率を有する層が交互に積層された多層体を備え、前記第1ダイクロイックミラーおよび前記第2ダイクロイックミラーの少なくとも一方の前記多層体のうち、屈折率の低い層の屈折率は1.8以上であることが好ましい。
これにより、第1ダイクロイックミラーおよび第2ダイクロイックミラーの少なくとも一方におけるカットオフ波長に対する入射角依存性を小さくすることができる。具体的には、多層体における各層の平均屈折率が高くなるような材料で構成されたダイクロイックミラーは、カットオフ波長に対する入射角依存性が小さい。ここで、第1ダイクロイックミラーおよび第2ダイクロイックミラーにおいて、2つの色光の一方を反射させ、他方を透過させる場合に、各色光の波長帯が接近している場合は、カットオフ波長に対する入射角依存性が小さいほうが好ましい。したがって、例えば緑色光および青色光の一方を反射させ、他方を透過させる、ダイクロイックミラーは、多層体のうち、屈折率の低い層の屈折率を1.8以上とすることが好ましい。
また、上述の照明光学系において、前記第1LED光源、前記第2LED光源および前記第3LED光源は、それぞれ単一であり、前記第1LED光源、前記第2LED光源および前記第3LED光源のそれぞれから入射された光を略平行光とするコリメータ光学系をそれぞれ有していることが好ましい。
これにより、それぞれのLED光源から出射された光は、コリメータ光学系により、発光光束がコリメートされてから、各ダイクロイックミラーに入射する。そのため、ダイクロイックミラーにおける、カットオフ波長に対する入射角度依存性の影響が小さい。したがって、光量の損失が少ない。
また、上述の照明光学系において、前記第1LED光源、前記第2LED光源および前記第3LED光源における各前記コリメータ光学系は、互いに共通形状の部品を有していることが好ましい。
これにより、同一形状の部品を用いることができることから、コストダウンになる。
また、上述の照明光学系において、さらに、前記光合成部により同一の光軸に合成された前記第1色光、前記第2色光および前記第3色光の光束を集光する集光光学系と、前記集光光学系の集光位置に入射端を有し、入射された光を均一な強度分布に変換して射出するロッドインテグレータと、前記ロッドインテグレータから射出された光を被照明部側に導くリレー光学系とを有することが好ましい。
これにより、変調素子の必要な領域に均質に効率よく照明光を照射できる。
また、上述の照明光学系において、前記第3LED光源のコリメータ光学系の焦点距離をFLとし、前記集光光学系の焦点距離をFCとし、前記第3LED光源から前記ロッドインテグレータの入射端までの空気換算の光路長をP3とすると、
1.8×(FL+FC)≦P3≦2.2×(FL+FC)
の関係を満たすことが好ましい。
これにより、最も効率を要求される色光が第3色光である場合に、第3LED光源の配置を最も効率のよい配置とすることができる。このような配置とすることで、コリメータ光学系と集光光学系により、第3LED光源の発光部と、ロッドインテグレータの入射端とを光学的に共役とすることができる。また、第3LED光源側とロッドインテグレータ側との両方を、テレセントリックな関係にできるので、角度分布幅をあまり広げずにロッドインテグレータに光束を入射させ、効率よく照明できる。
また、上述の照明光学系において、前記第1LED光源、前記第2LED光源および前記第3LED光源は、順次発光することが好ましい。
このように、各LED光源を順次発光させることで、色時分割によりカラー画像を表示できる。LED光源は、パルス発光させることにより、連続発光時より多くの電流を流し、明るく発光させることができるので、このような時分割照明に適している。
また、本発明の一態様に係る画像投影装置は、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の照明光学系と、前記照明光学系からの照明光を変調する変調素子と、変調された照明光を投影する投影光学系とを備えている。
これにより、色再現性、色バランスの良い明るい投影画像を得ることができる。
また、上述の画像投影装置において、前記照明光学系および前記投影光学系のうち少なくとも1つは、可変絞り機構を有し、前記可変絞りの開口状態に応じて、前記第1LED光源、前記第2LED光源および前記第3LED光源の発光光量比が異なることが好ましい。
これにより、絞りを調整することで変化する各色光の光量比を、各LED光源の発光光量比を絞りに応じて変化させることで補正し、安定した色再現が可能となる。なお、発光光量比を変化させるには、具体的には、各LED光源に投入する電流を変化させる、または各色光の発光デューティ比を変化させる等の方法がある。
なお、絞りを調整することで、各色光の光量比が変化する原因は、各色光の光路長条件が異なるため、各色光のN.A.(Numerical Aperture:開口数)分布の状態が異なり、各色光の光学系の瞳内での強度分布が異なるためである。これにより、絞りを変化させると各色光の色バランスが変化する。
本発明によれば、低損失であり、各色光の光量のバランスがよく、小型化が可能な照明光学系およびそのような照明光学系を備えた画像投影装置を提供することができる。
以下、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
本発明の実施の形態に係る画像投影装置について説明する。まず、本発明の実施の形態に係る画像投影装置の構成について説明する。図1は本実施の形態に係る画像投影装置の構成を説明するための図である。また、図2は本実施の形態に係る照明光学系の一部における各部材の配置を示した図である。
図1に示すように、実施の形態に係る画像投影装置100は、照明光学系2と、全反射プリズム6と、変調素子であるDMD(Digital Micromirror Device)7と、投影光学系8と、コントローラ9と、絞り制御部10と、DMD駆動回路11と、赤色LED駆動回路12Rと、緑色LED駆動回路12Gと、青色LED駆動回路12Bとを備えて構成されている。
照明光学系2は、光源である赤色LED光源(第3LED光源)21R、緑色LED光源(第1LED光源)21Gおよび青色LED光源(第2LED光源)21Bと、これらに対応する、複数のレンズにより構成される各コリメータ光学系22R、22Gおよび22Bと、赤色LED光源21R、緑色LED光源21Gおよび青色LED光源21Bからの各色光を同一の光軸に合成するための光合成部である第1ダイクロイックミラー23aおよび第2ダイクロイックミラー23bと、集光光学系24と、ロッドインテグレータ26と、リレー光学系27と、可変絞り28と、エントランスレンズ29とを備えている。
赤色LED光源21R、緑色LED光源21Gおよび青色LED光源21Bは、それぞれ赤色LED駆動回路12R、緑色LED駆動回路12Gおよび青色LED駆動回路12Bに制御されて発光面から各色光を発光する。各LED光源21R、21G、21Bの発光面の形状は、例えばアスペクト比が約16:9の約4.6mm×約2.6mmの長方形であり、DMD7の表示領域(例えば、20.7mm×11.7mm)と略相似形である。コリメータ光学系22R、22Gおよび22Bは赤色LED光源21R、緑色LED光源21Gおよび青色LED光源21Bからの各色光を略平行光にして第1ダイクロイックミラー23aまたは第2ダイクロイックミラー23bに入射させる。これら、コリメータ光学系22R、22Gおよび22Bは、いずれも、例えば3枚の投影側に凸の正メニスカスレンズにより構成され、焦点距離は例えば約15.2mmとすればよい。コリメータ光学系22R、22Gおよび22Bは、いずれも共通形状の部品により構成されることとすればよい。これにより、同一形状の部品を用いることができることから、コストダウンになる。
第1ダイクロイックミラー23aは、青色光を反射し、緑色光を透過する性質を有していればよい。また、第2ダイクロイックミラー23bは、赤色光を反射し、青色光および緑色光を透過する性質を有していればよい。より具体的には、第1ダイクロイックミラー23aは、緑色光を透過し、青色光を反射することにより緑色光および青色光の光軸を合成する。また、第2ダイクロイックミラー23bは第1ダイクロイックミラー23aにより合成された緑色光および青色光を透過し、赤色光を反射することで、緑色光、青色光および赤色光の光軸を合成する。
ここで、第2ダイクロイックミラー23bが反射する赤色光は、透過する青色光および緑色光のいずれに対しても発光波長が比較的離れているが、第1ダイクロイックミラー23aが反射する青色光は、透過する緑色光に対して発光波長が比較的近い。具体的には、青色光の発光波長は465nm程度であり、緑色光の発光波長は525nm程度であり、赤色光の発光波長は625nm程度である。このように、2つの色光の一方を反射させ、他方を透過させる場合に、各色光の波長帯が接近している場合は、カットオフ波長に対する入射角依存性が小さいほうが好ましい。したがって、このような場合は、第1ダイクロイックミラー23aは、青色光の反射帯域から緑色光の透過帯域へと遷移するカットオフ波長(透過率50%)の入射角依存度ができるだけ小さいものが好ましい。したがって、第1ダイクロイックミラー23aは、緑色光におけるカットオフ波長に対する入射角依存性ができるだけ小さいものが好ましい。つまり、緑色光の入射角が大きくなっても、反射されずに透過されることが好ましい。そこで、より具体的に、第1ダイクロイックミラー23aの構成について、表1を用いて説明する。
Figure 0005077086
表1は、第1ダイクロイックミラー23aの構成材料の一例を示すものである。第1ダイクロイックミラー23a、異なる屈折率の材料が周期的に積層された多層体を有する構造である。表1には、第1ダイクロイックミラー23aの各層の材料構成を示している。第1ダイクロイックミラー23aは、0層〜28層の構造であり、各層の物理膜厚の単位はnmである。表1に示すように、第1ダイクロイックミラー23aは、白板ガラス(0層)とSiO(28層)との間に、屈折率が1.8であり、SiOおよびNbの混合材料により形成された低屈折率層と、屈折率が2.3であり、Nbにより形成された高屈折率層とが交互に形成されている。ここで、カットオフ波長に対する入射角依存性を小さくするためには、平均屈折率が高くなるような材料を用いて多層体を構成したほうがよい。つまり、低屈折率層の屈折率を高くすればよい。例えば、低屈折率層は屈折率が1.8以上とすることが好ましい。
このような構成の第1ダイクロイックミラー23aの透過率特性について図3を用いて説明する。図3は第1ダイクロイックミラーの透過率特性および各色光の発光波長を示したグラフである。図3の横軸は波長(nm)を示し、縦軸は透過率(%)を示している。二点差鎖線は、第1ダイクロイックミラー23aに対して、入射角が30度の入射光の透過率である。また、一点鎖線は、第1ダイクロイックミラー23aに対して、入射角が20度の入射光の透過率である。また、細い実線は、第1ダイクロイックミラー23aに対して、入射角が40度の入射光の透過率である。また、細い破線は青色光の発光波長を示しており、太い破線は緑色光の発光波長を示しており、太い実線は赤色光の発光波長を示している。図3からわかるように、緑色光および赤色光の波長帯域において、すべての入射角の透過率が、略100%である。これは、緑色光および赤色光は、これらの入射角で入射しても第1ダイクロイックミラー23aにおいては、透過されることを示している。しかし、青色光の波長帯域においては、すべての入射角の透過率が低く、反射されることを示している。つまり、第1ダイクロイックミラー23aは、表1に示した構成とすることで十分であることがわかる。なお、入射角度が大きくなるほど、カットオフ波長の入射角依存性の影響を受けるので、緑色光の第1ダイクロイックミラー23aに対する入射角は45度未満とすることが好ましい。なお、緑色光はコリメートされてから、第1ダイクロイックミラー23aに入射するが、入射時の緑色光は±10度程度の角度分布を持っているので、効率よく色合成するために、本実施の形態においては、緑色光の入射角度を30度としている。
集光光学系24は、これら光軸が合成された緑色光、青色光および赤色光を集光して、ロッドインテグレータ26へと入射させる。集光光学系24は、例えば2枚の光源側に凸の正メニスカスレンズからなり、焦点距離は例えば約26mmである。
ロッドインテグレータ26は、その入射端を集光光学系24の集光位置に有し、集光光学系24から出射された光の強度分布を均一にする。例えば断面が四角形の角柱形状のガラスであり、一方の端面から内部に入射された光を側面において繰り返し全反射させることで入射光の照度分布を均一にして出射させる。なお、ロッドインテグレータ26は、中空構造であり、その内面が鏡面である構成のものでもよい。なお、ロッドインテグレータ26の断面形状は、例えば約7.9mm×約4.4mmであり、赤色LED光源21R、緑色LED光源21Gおよび青色LED光源21Bにおける光源像に合致するように配置されている。それにより、赤色LED光源21R、緑色LED光源21Gおよび青色LED光源21Bからの光は効率よくロッドインテグレータ26に入射する。例えば、ロッドインテグレータ26の入射端には、各コリメータ光学系22R、22Gおよび22Bと集光光学系24により、約7.9mm×約4.4mmのLED光源像が形成される。
ここで、図2を参照して、第1ダイクロイックミラー23a、第2ダイクロイックミラー23b、赤色LED光源21R、緑色LED光源21G、青色LED光源21B、コリメータ光学系22R、22G、22B、集光光学系24およびロッドインテグレータ26における、より具体的な配置について説明する。
本実施の形態においては、赤色LED光源21R、緑色LED光源21G、青色LED光源21Bのうち、青色LED光源21Bの発光効率が相対的に高いことから、青色LED光源21Bの効率を下げてでも、他の色の効率を上げることとした。具体的には、赤色光の光路長は長くせずに、赤色LED光源21R側とロッドインテグレータ26側との両方を、テレセントリックな関係としている。また、緑色光は光路長が長くなり、テレセントリックな関係も多少崩れるが、それらを極力抑えることで、効率を確保している。また、青色光は光路長を長くとり、テレセントリックな関係も崩れているため、効率が落ちるが、白色表示の時の色バランス等を考慮するとトータルで照明光の明るさは増加する。
具体的には、第1ダイクロイックミラー23aの法線と、第2ダイクロイックミラー23bの法線とのなす角度は60度以上90度未満である。より好ましくは、60度以上80度以下である。また、上述の照明光学系において、前記第1ダイクロイックミラーに入射する青色光の光軸と、第2ダイクロイックミラー23bの法線とのなす角度が75度以上とすることが好ましい。これにより、緑色光の光路長をより短縮できる。つまり、第1ダイクロイックミラー23aに入射する青色光の光軸を第2ダイクロイックミラー23b面に略沿うように配置することができる。そのため、第1ダイクロイックミラー23aを、より青色LED光源21B側へと近づけることができるため、緑色LED光源21Gをよりロッドインテグレータ26側に近づけることができる。それにより、緑色光の光路長を短くできる。
図2に示すように、緑色LED光源21Gは、緑色光が第1ダイクロイックミラー23aおよび第2ダイクロイックミラー23bを透過する光路に配置される。より具体的には、緑色光は、第1ダイクロイックミラー23aに入射角30度で入射し、透過している。青色LED光源21Bから発光された青色光は、第1ダイクロイックミラー23aにおいて反射される。具体的には、青色光は、入射角30度で第1ダイクロイックミラー23aに入射し、反射される。このような配置としたことで、緑色光と青色光とは同一光軸に合成される。第2ダイクロイックミラー23bは、その法線が第1ダイクロイックミラー23aの法線と67.5度となるように配置されている。したがって、第2ダイクロイックミラー23bの法線は、青色LED光源21Bから発光された青色光の光軸とは82.5度の角度になる関係で配置されている。したがって、第1ダイクロイックミラー23aにより合成された青色光と緑色光との光軸は、第2ダイクロイックミラー23bに入射角37.5度で入射し、透過する。赤色LED光源21Rから発光された赤色光は、第2ダイクロイックミラー23bにおいて反射される。具体的には、赤色光は第2ダイクロイックミラー23bに入射角37.5度で入射し、反射される。これにより、赤色光は、同一光軸に合成された青色光および緑色光と、同一光軸に合成される。
本実施の形態においては、このように、第1ダイクロイックミラー23aおよび第2ダイクロイックミラー23bの交差部に光が入射することがないので、光量損失が生じない。また、プリズムを用いる必要がないので、重量化および大型化しない上、偏光特性による損失も少ない。また、第1ダイクロイックミラー23aへの緑色光の入射角度を小さくできるため、第1ダイクロイックミラー23aでの入射角度に依存する損失も生じない。
また、青色LED光源21Bの発光効率は、赤色LED光源21Rおよび緑色LED光源21Gいずれの発光効率よりも高く、緑色LED光源21Gは赤色LED光源21Rよりも発光効率が高い。このことから、各LED光源21R、21G、21Bから被照明部間での空気換算の光路長を、L1、L2、L3とした場合に、
L3≦L1<L2
の関係を満たすことが好ましい。これにより、各LED光源21R、21G、21Bの発光効率を考慮して、各色光の効率のバランスを調整することができる。なお、各LED光源21R、21G、21Bから被照明部間での光路長とは、各LED光源21R、21G、21Bからロッドインテグレータ26の入射端までをいう。
例えば、ロッドインテグレータ26の入射端から赤色LED光源21Rまでの空気換算の光路長は、83.4mmであり、ロッドインテグレータ26の入射端から緑色LED光源21Gまでの空気換算の光路長は、98.4mmであり、ロッドインテグレータ26の入射端から青色LED光源21Bまでの空気換算の光路長は、115.5mmとすればよい。
ここで、各色の光源像がロッドインテグレータ26の入射端に形成されているが、赤色光に関しては、光源側とロッドインテグレータ26側との両方をほぼテレセントリックな関係で結像され、角度の拡がりが抑えられ、以降の光学系での伝達ロスが少ない構成となっている。このようなテレセントリックな関係となる各部材の配置について図4を用いて説明する。
ここで、図4はロッドインテグレータとLED光源の位置関係を示す図であって、図4(A)は赤色LEDとロッドインテグレータの位置関係を示す図であり、図4(B)は緑色LEDまたは青色LEDとロッドインテグレータの位置関係を示す図である。なお、図4においては、コリメータ光学系22R、22G、22Bおよび集光光学系24は模式的に薄肉レンズで表している。図4(A)に示すように、コリメータ光学系22Rの焦点距離をFLとし、集光光学系24の焦点距離をFCとすると、コリメータ光学系22Rおよび赤色LED光源21R間の距離をFLとし、コリメータ光学系22Rおよび集光光学系24間の距離をFL+FCとし、集光光学系24およびロッドインテグレータ26間の距離をFCとなる状態にすればよい。この場合、赤色LED光源21R発光面に対して垂直に発光した光線は、ロッドインテグレータ26に垂直に入射し、角度分布が広がることなく入射する。したがって、赤色LED光源からロッドインテグレータ26の入射端までの空気換算の光路長をP3とすれば、
1.8×(FL+FC)≦P3≦2.2×(FL+FC)
の条件に合うように配置すればよい。これにより、赤色LED光源側とロッドインテグレータ26側との両方をほぼテレセントリックな関係で結像される。このような配置とすることで、相対的に放射強度の強い、LED発光面に垂直に出射する光線の角度分布を広げることなく、N.A.(Numerical Aperture:開口数)の値を大きくすることなくロッドインテグレータ26に入射することができる。それにより、これらの光線をDMD7への照明光として十分利用できる。また、赤色LED光源21Rの像がロッドインテグレータ26の入射面に結像され、効率よくロッドインテグレータ26内へと導入される。
また、例えば、緑色光および青色光の各LED光源21G、21Bからロッドインテグレータ26の入射端まで光路長は、赤色光の前記光路長に比べると長くなる。具体的には、各コリメータ光学系22G、22Bと集光光学系24との距離が伸びる。この伸びた距離をαとすると、各LED光源21G、21Bと各コリメータ光学系22G、22Bと集光光学系24との位置関係は、図4(B)に示すようになる。つまり、各コリメータ光学系22G、22Bおよび各LED光源21G、21B間の距離がFLであり、各コリメータ光学系22G、22Bと集光光学系24間の距離がFL+FC+αであり、集光光学系24とロッドインテグレータ26間の距離がFCとなる。これにより、各LED光源21G、21Bの発光面から垂直に出射した光線は、その出射位置(像高)に従い入射角δでロッドインテグレータ26に入射する。これにより、DMD7を照明する光線の角度分布がδ分増加することになる。そこで、緑色光、青色光の光路長はαだけ伸びているが、このαの値を小さくし、テレセントリックな状態からのずれ角δを小さくすることが好ましい。例えば、上述のように、緑色光の入射角度を30度としていることから、第1ダイクロイックミラー23aの法線と緑色光の光軸とのなす角度は30度である。この角度を小さくすることで、緑色LED光源21Gをよりロッドインテグレータ26の近くに配置できる。
リレー光学系27は、複数のリレーレンズで構成されていて、ロッドインテグレータ26から出射された光を通過させ、可変絞り28へと出射する。可変絞り28は、絞りを調整するものであり、絞り動作をさせるための絞りモータ28aを備えている。つまり、可変絞り28は、リレー光学系27から出射された光の光束を規制する。例えば、絞りはF2.5と、F8とに切り換えることができればよい。明るさを優先する時は、絞り開口を開いてF2.5にし、より多くの光線がスクリーンに到達できるようにする。また、コントラストを優先する時は、絞り開口を閉じてF8にし、迷光成分をカットすることによりコントラストを改善できる。なお、リレー光学系27および可変絞り28の光軸は、ロッドインテグレータ26の光軸と一致している。また、例えば、リレー光学系27の倍率は約2.7倍で、DMD7面に形成される光源像の大きさは、例えば約21.3mm×約11.9mmである。
エントランスレンズ29は全反射プリズム6に貼り合わされていて、可変絞り28からの光をテレセントリックにする。なお、エントランスレンズ29を設けず、全反射プリズム6の入射面を曲面に加工することで、全反射プリズム6にエントランスレンズ29と同じ機能を持たせてもよい。
全反射プリズム6は、第1プリズム6aおよび第2プリズム6bを備えており、これらの境界にはエアギャップが形成されていて、このエアギャップによって入射した光は、その入射角度によって、全反射されるか透過されるか決定される。エントランスレンズ29から全反射プリズム6の第1プリズム6aに入射した光は、前記エアギャップとの境界である臨界面6cにおいて全反射されるように全反射プリズム6は設置されている。そして、臨界面6cで反射された光は第1プリズム6a中を伝播して、全反射プリズム6の外部に出射され、DMD7に照射されるように設置される。なお、ロッドインテグレータ26の出射端とDMD7の表示領域とは共役であり、ロッドインテグレータ26の出射端の形状とDMD7の表示領域の形状とは略相似形である。これにより、DMD7の表示領域を効率よく照らすことができる。
DMD7は変調素子である。DMD7は表示する画像の画像信号に応じて、駆動される複数の微小ミラーを有している。これら微小ミラーのそれぞれは1画素に対応し、マトリクス状に配置されている。そして、全反射プリズム6から供給される光を画像信号に応じて変調する。具体的には、微小ミラーは、矩形の表示領域に対して45度の角度をなす偏向軸を有し、画像信号に応じて±12度傾斜する。これにより、微小ミラーに照射された光の反射方向を変化させることができる。微小ミラーの偏向方向は画像信号に応じて変化する。DMD7の一方の傾斜状態で反射された光は、全反射プリズム6を経由して、投影光学系8を通過する方向に進行する。他方の傾斜した状態で反射された光は、全反射プリズム6を経由して、投影光学系8に入射しない方向あるいは投影光学系8を透過しない方向に反射される。なお、DMD7の代わりに例えば反射型や透過型の液晶表示装置で変調素子を構成することも可能である。
投影光学系8は、DMD7にて変調された光を、被投影面であるスクリーン(図示せず)上に拡大して投影するための光学系である。例えば、投影光学系8は、焦点距離は22.6mmから45.2mmまで変更可能な2倍ズームレンズで、同じ投射距離で画面サイズを2倍まで変更することができることとすればよい。また、投影光学系8は、絞りを調整する可変絞り8aと、その可変絞り8aを動作させるための絞りモータ8bとを備えて構成され、投影光学系8中において光の光束を規制する。例えば、絞りはF2.5と、F8とに切り換えることができればよい。明るさを優先する時は、絞り開口を開いてF2.5にし、より多くの光線がスクリーンに到達できるようにする。また、コントラストを優先する時は、絞り開口を閉じてF8にし、迷光成分をカットすることによりコントラストを改善できる。
絞り制御部10は、コントローラ9からの指令に応じて絞りモータ28aおよび8bの動作を制御するものであり、それにより可変絞り28および8aの絞り量を調整する。DMD駆動回路11は、DMD7の変調動作を制御する。DMD7は上述したように、微小ミラーを有し、その微小ミラーの傾斜角度を変えることで、照射される光の反射方向を変化させることで、スクリーンに投影するか否かを選択するものである。そこで、DMD駆動回路11はコントローラ9からの指令により、所望の画像がスクリーンに投影されるように、DMD7の各微小ミラーの傾斜方向を制御する。赤色LED駆動回路12R、緑色LED駆動回路12Gおよび青色LED駆動回路12Bは、コントローラ9からの指令により、赤色LED光源21R、緑色LED光源21Gおよび青色LED光源21Bの発光を制御する。赤色LED光源21R、緑色LED光源21Gおよび青色LED光源21Bは、パルス発光がなされているが、これらの発光デューティ比を調整することで、所望とする様々な色を表現することができる。コントローラ9からの指令により、赤色LED駆動回路12R、緑色LED駆動回路12Gおよび青色LED駆動回路12Bは、赤色LED光源21R、緑色LED光源21Gおよび青色LED光源21Bの発光デューティ比を調整する。
コントローラ9は、絞り制御部10、DMD駆動回路11、赤色LED駆動回路12R、緑色LED駆動回路12Gおよび青色LED駆動回路12Bを制御して、画像投影装置100全体の動作を制御する。
次に、実施の形態に係る画像投影装置100の動作について説明する。コントローラ9は、映像信号を入力し、この映像信号に同期し、1フレームまたは1フィールドの期間を分割するためのタイミング信号を生成し、DMD駆動回路11に送る。DMD駆動回路11は、このタイミング信号に応じて、赤用画像信号、緑用画像信号、青用画像信号を生成して、各色用の画像信号を順次切り換えて出力し、この画像信号に基づいてDMD7を駆動する。その結果、DMD7では、1フレームまたは1フィールドの期間中で、個々の微小ミラーが、順次駆動される。
一方、コントローラ9は、DMD7の各微小ミラーの駆動タイミングに同期して、赤色LED光源21R、緑色LED光源21Gおよび青色LED光源21Bがそれぞれ順次点灯するように、赤色LED駆動回路12R、緑色LED駆動回路12Gおよび青色LED駆動回路12Bを制御する。その結果、DMD7において各微小ミラーの駆動タイミングに同期して、赤色LED光源21R、緑色LED光源21Gおよび青色LED光源21Bがそれぞれ点灯し、各色の光が順次切り換えられ、各コリメータ光学系22R、22G、22Bを経て、第1ダイクロイックミラー23aまたは第2ダイクロイックミラー23bにおいて透過・反射され、集光光学系24、ロッドインテグレータ26、リレー光学系27を介して、全反射プリズム6を経て、DMD7に結像される。DMD7に結像された赤、緑、青の各画像が順次切り換えられ、投影光学系8によりスクリーンに投影される。また、コントローラ9は、絞り制御部10を制御することで、絞りモータ28a、8bを駆動させて、絞り28、8aの絞り量を調整し、画像のコントラストあるいは明るさ等を制御する。
なお、赤色LED光源21R、緑色LED光源21Gおよび青色LED光源21Bの発光強度を制御して、例えば、いずれか2つのLEDを同時に発光したり、特定のLEDの発光強度を低下させたり、またすべてのLEDの発光強度を低下させる等することで、輝度を制御してもよい。
なお、各色光の光路長が異なり、各色光における角度成分の分布状態が異なることから、絞りを調整することで各色光の相対的な光量比率が異なり、色調が変化する。例えば、発光デューティ比が青:緑:赤=1:1:1のとき、絞りがF2.5での光量比が青:緑:赤=0.9:1:1.1で所定の白を表現しているとする。これを、F8に絞ると、各色光の光量比が例えば、青:緑:赤=0.8:1:1.2と変化し、そのままの発光状態では、青が少なく赤の多い、いわゆる色温度の低い白になり、F2.5の場合と同じ白を表現できない。この場合には、青の発光時の投入電流を0.9/0.8≒1.1倍にすることにより光量を1.1倍にし、赤の発光時の投入電流を1.1/1.2≒0.9倍にすることにより光量を0.9倍にすればよい。それにより、青:緑:赤=0.9:1:1.1の光量比にすることができ、F2.5の場合と同じ白を表現できる。なお、投入電流を変える代わりに、発光デューティ比を青:緑:赤=1.1:1:0.9としても同様の効果が得られる。
以下に、本実施の形態に係る画像投影装置と、前述の非特許文献1、特許文献1および特許文献2に記載の画像投影装置についてシミュレーションを行い、測定した結果を示す。なお、各画像投影装置のLED光源には、Luminus社のLED光源である、Phlatlight(登録商標); PT120を想定した。そして、このLED光源を定格電圧、推奨電流にて駆動した場合の明るさシミュレーションを行った。一例として、白表示の場合の色度を
(x,y)=(0.314,0.351)
とした。なお、これはデジタルシネマにおいて基準とされる色度に順じている。このとき、本実施の形態に係る画像投影装置では、明るさが645ルーメンで、発光デューティ比は、
R:G:B=34.6%:48.1%:17.3%
となった。
また、非特許文献1の構成に係る画像投影装置では、明るさが585ルーメンで、発光デューティ比は、
R:G:B=34.9%:48.6%:16.5%
となった。この構成の場合、LED光源からロッドインテグレータまでの光路長が比較的長いため、光軸上での伝達効率は本実施の形態に係る画像投影装置と同等であるが、光軸から離れた箇所から発光される光束の伝達効率は低いため、本実施の形態に係る画像投影装置に比べて暗くなっている。
また、特許文献1の構成では、明るさが621ルーメンで、発光デューティ比は、
R:G:B=35.9%:48.0%:16.1%
となった。この構成の場合、LED光源からロッドインテグレータまでの光路長において、赤色光の光路長は、本実施の形態に係る画像投影装置の構成と同等であり、この点について効率はよいが、交差されたダイクロイックミラーの交差部のギャップによる損失のため、本実施の形態に係る画像投影装置に比べて伝達効率は低く、暗くなっている。
また、特許文献2の構成では、明るさが612ルーメンで、発光デューティ比は、
R:G:B=32.6%:51.9%:15.5%
となった。この構成の場合、LED光源からロッドインテグレータまでの光路長において、赤色光の光路長は、本実施の形態に係る画像投影装置の構成と同等であり、しかも、ダイクロイックミラーの交差部によるギャップがほとんど無く、この点について効率はよいが、ダイクロイックミラー特性による損失のため、本実施の形態に係る画像投影装置に比べて伝達効率は低く、暗くなっている。
以上のように、本実施の形態に係る画像投影装置は、上記従来の画像投影装置に比べて明るいという結果が得られた。
また、LED光源を定格で駆動させ、例えば、デジタルシネマが基準とする色度の白を表示させると、青が過剰となる傾向がある。そのため、その分、赤や緑の発光デューティ比が大きくなるが、あまり発光デューティ比が大きくなると、冷却が十分にできなくなり、発光効率の低下を招く。そこで、発光デューティ比は50%以下に抑えることが望ましい。
また、青色光の発光デューティ比があまり小さくなると、時分割で階調表現している場合に十分に階調が表現できなくなる恐れがあるので、少なくとも青色光の発光デューティ比は20%以上とすることが望ましい。また、青色光の発光デューティ比を十分に確保しようとすると、青色LED光源に供給する電流を減らすなどの低出力化が必要となる。また、青の発光デューティ比が大きくなると、その分、緑色光および赤色光の発光デューティ比が小さくなり、その結果、明るさが大幅に低下することとなる。
この点からも、本実施の形態に係る画像投影装置は、青色光の発光デューティ比が比較的に大きいため、上記従来の画像投影装置に比べて、より明るく、階調豊かな投影画像を得ることができる。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
本実施の形態に係る画像投影装置の構成を説明するための図である。 本実施の形態に係る照明光学系の一部における各部材の配置を示した図である。 第1ダイクロイックミラーの透過率特性および各色光の発光波長を示したグラフである。 ロッドインテグレータとLED光源の位置関係を示す図であって、図4(A)は赤色LEDとロッドインテグレータの位置関係を示す図であり、図4(B)は緑色LEDとロッドインテグレータの位置関係を示す図である。 従来の照明光学系の一部の構成を説明するための図である。
符号の説明
2 照明光学系
6 全反射プリズム
6a 第1プリズム
6b 第2プリズム
6c 臨界面
7 DMD
8 投影光学系
8a、28 可変絞り
8b、28a 絞りモータ
9 コントローラ
10 絞り制御部
11 DMD駆動回路
12R 赤色LED駆動回路
12G 緑色LED駆動回路
12B 青色LED駆動回路
21R 赤色LED光源
21G 緑色LED光源
21B 青色LED光源
22R、22G、22B コリメータ光学系
23a 第1ダイクロイックミラー
23b 第2ダイクロイックミラー
26、126 ロッドインテグレータ
24 集光光学系
27 リレー光学系
28 可変絞り
28a 絞りモータ
29 エントランスレンズ
100 画像投影装置
121R、121G、121B 光源
122R、122G、122B コリメータレンズ
123a、123b ダイクロイックミラー
124 コンデンサーレンズ
125 ミラー

Claims (14)

  1. 第1色光を発光する第1LED光源と、第2色光を発光する第2LED光源と、第3色光を発光する第3LED光源と、前記第1色光、前記第2色光および前記第3色光を同一の光軸に合成する、光合成部とを備えた照明光学系であって、
    前記光合成部は、前記第1色光を透過し、前記第2色光を反射することにより前記第1色光および前記第2色光を合成する第1ダイクロイックミラーと、前記第1ダイクロイックミラーにより合成された前記第1色光および前記第2色光を透過し、前記第3色光を反射することにより前記第1色光、前記第2色光および前記第3色光を合成する第2ダイクロイックミラーとを有し、
    前記第1ダイクロイックミラーの法線と、前記第2ダイクロイックミラーの法線とのなす角度が、60度以上90度未満であることを特徴とする照明光学系。
  2. 前記第1ダイクロイックミラーに入射する前記第2色光の光軸と、前記第2ダイクロイックミラーの法線とのなす角度が75度以上である請求項1に記載の照明光学系。
  3. 前記第2LED光源の発光効率は、前記第1LED光源および前記第3LED光源のいずれの発光効率よりも高く、
    前記第1LED光源から被照明部までの光路長をL1とし、前記第2LED光源から前記被照明部までの光路長をL2とし、前記第3LED光源から前記被照明部までの空気換算の光路長をL3とすると、
    L3≦L1<L2
    の関係を満たす請求項1または請求項2に記載の照明光学系。
  4. 前記第1LED光源の発光効率は、前記第3LED光源の発光効率よりも高い請求項3に記載の照明光学系。
  5. 前記第2LED光源が発光する前記第2色光は青色光であり、前記第1LED光源が発光する前記第1色光は赤色光または緑色光であり、前記第3LED光源が発光する前記第3色光は赤色光または緑色光のうち、前記第2色光と異なる色光である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の照明光学系。
  6. 前記第1色光は緑色光であり、前記第1色光の光軸と前記第1ダイクロイックミラーの法線とのなす角度が45度未満である請求項5に記載の照明光学系。
  7. 前記第1ダイクロイックミラーおよび前記第2ダイクロイックミラーは、互いに異なる屈折率を有する層が交互に積層された多層体を備え、前記第1ダイクロイックミラーおよび前記第2ダイクロイックミラーの少なくとも一方の前記多層体のうち、屈折率の低い層の屈折率は1.8以上である請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の照明光学系。
  8. 前記第1LED光源、前記第2LED光源および前記第3LED光源は、それぞれ単一であり、前記第1LED光源、前記第2LED光源および前記第3LED光源のそれぞれから入射された光を略平行光とするコリメータ光学系をそれぞれ有している請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の照明光学系。
  9. 前記第1LED光源、前記第2LED光源および前記第3LED光源における各前記コリメータ光学系は、互いに共通形状の部品を有している請求項8に記載の照明光学系。
  10. さらに、前記光合成部により同一の光軸に合成された前記第1色光、前記第2色光および前記第3色光の光束を集光する集光光学系と、
    前記集光光学系の集光位置に入射端を有し、入射された光を均一な強度分布に変換して射出するロッドインテグレータと、
    前記ロッドインテグレータから射出された光を被照明部側に導くリレー光学系とを有する請求項8または請求項9に記載の照明光学系。
  11. 前記第3LED光源のコリメータ光学系の焦点距離をFLとし、前記集光光学系の焦点距離をFCとし、前記第3LED光源から前記ロッドインテグレータの入射端までの空気換算の光路長をP3とすると、
    1.8×(FL+FC)≦P3≦2.2×(FL+FC)
    の関係を満たす請求項10に記載の照明光学系。
  12. 前記第1LED光源、前記第2LED光源および前記第3LED光源は、順次発光する請求項1ないし請求項11に記載の照明光学系。
  13. 請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の照明光学系と、前記照明光学系からの照明光を変調する変調素子と、変調された照明光を投影する投影光学系とを備えた画像投影装置。
  14. 前記照明光学系および前記投影光学系のうち少なくとも1つは、可変絞り機構を有し、前記可変絞りの開口状態に応じて、前記第1LED光源、前記第2LED光源および前記第3LED光源の発光光量比が異なる請求項13に記載の画像投影装置。
JP2008155719A 2008-06-13 2008-06-13 照明光学系および画像投影装置 Expired - Fee Related JP5077086B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008155719A JP5077086B2 (ja) 2008-06-13 2008-06-13 照明光学系および画像投影装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008155719A JP5077086B2 (ja) 2008-06-13 2008-06-13 照明光学系および画像投影装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009300772A JP2009300772A (ja) 2009-12-24
JP5077086B2 true JP5077086B2 (ja) 2012-11-21

Family

ID=41547731

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008155719A Expired - Fee Related JP5077086B2 (ja) 2008-06-13 2008-06-13 照明光学系および画像投影装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5077086B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5428081B2 (ja) * 2010-01-29 2014-02-26 カシオ計算機株式会社 プロジェクタ
JP5648372B2 (ja) * 2010-08-25 2015-01-07 ウシオ電機株式会社 光源装置
JP2012141483A (ja) * 2011-01-05 2012-07-26 Mitsubishi Electric Corp Led光源装置の設計方法及びled光源装置
JP5389057B2 (ja) * 2011-01-07 2014-01-15 亞洲光學股▲ふん▼有限公司 プロジェクタ光源モジュール
WO2013114665A1 (ja) * 2012-02-02 2013-08-08 三菱電機株式会社 集光光学系および投写型画像表示装置
WO2015129720A1 (ja) * 2014-02-28 2015-09-03 コニカミノルタ株式会社 色分解合成プリズムおよびそれを用いた光学系、プロジェクタ
KR101798158B1 (ko) * 2016-05-27 2017-11-15 에스케이텔레콤 주식회사 광원 장치 및 이를 포함하는 영상투사장치

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH075419A (ja) * 1993-02-18 1995-01-10 A G Technol Kk 投射型カラー液晶光学装置
JP2004070018A (ja) * 2002-08-07 2004-03-04 Mitsubishi Electric Corp 投写装置の照明光学系構造及び投写装置
JP3944648B2 (ja) * 2003-11-28 2007-07-11 セイコーエプソン株式会社 照明装置及びプロジェクタ
JP2007256679A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 Sharp Corp 投射型画像表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009300772A (ja) 2009-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5914878B2 (ja) 光源装置及び投写型表示装置
US7857458B2 (en) Image display device and image projection device
JP5077086B2 (ja) 照明光学系および画像投影装置
US9606428B2 (en) Illuminating optical device, projector and method of controlling an illuminating optical device
US20070297061A1 (en) Optical Integrator, Illuminator and Projection Type Image Display
US20120002172A1 (en) Light source apparatus and projection display apparatus
US9823559B2 (en) Light source device, projector and control method of light source device
JP2017009981A (ja) 照明装置及び画像投射装置
JP2018136506A (ja) 照明装置、画像投射装置
US20220026045A1 (en) Lighting apparatus and projection-type image display apparatus
JP4183663B2 (ja) 照明装置及び投写型映像表示装置
JP5034779B2 (ja) 照明装置及びプロジェクタ
JP2022085665A (ja) 光源装置、画像投射装置および光源光学系
JP5098291B2 (ja) 照明装置及び画像投影装置
JP2018031864A (ja) 照明装置及びプロジェクター
JP2014215480A (ja) 光学ユニットおよび投射型表示装置
CN112424687A (zh) 照明装置和投影仪
JP6021200B2 (ja) プロジェクターおよびその制御方法
JP7108838B2 (ja) プリズム装置及び投写型映像表示装置
JP2007127955A (ja) 照明装置及び投写型画像表示装置
JP2016099585A (ja) 光学装置および画像投射装置
JP2006301208A (ja) 画像投影装置及び画像投影方法
JP2005077814A (ja) 照明装置及び投射型表示装置
JP2007279436A (ja) 投射型画像表示装置
US20170272714A1 (en) Projector

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110418

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120726

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120731

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120813

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150907

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5077086

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees