JP5076420B2 - 測定装置および材料試験機 - Google Patents

測定装置および材料試験機 Download PDF

Info

Publication number
JP5076420B2
JP5076420B2 JP2006257609A JP2006257609A JP5076420B2 JP 5076420 B2 JP5076420 B2 JP 5076420B2 JP 2006257609 A JP2006257609 A JP 2006257609A JP 2006257609 A JP2006257609 A JP 2006257609A JP 5076420 B2 JP5076420 B2 JP 5076420B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
measurement
signal
bridge
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006257609A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008076300A (ja
Inventor
博志 辻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Priority to JP2006257609A priority Critical patent/JP5076420B2/ja
Publication of JP2008076300A publication Critical patent/JP2008076300A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5076420B2 publication Critical patent/JP5076420B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)
  • Measurement Of Force In General (AREA)

Description

本発明は、計測対象の物理的変化に応じて変化する信号を交流電圧信号に重畳して出力するようにした搬送波型の測定装置およびその測定装置を使用した材料試験機に関する。
従来から、抵抗式ひずみゲージを含むブリッジ回路と測定器とを有し、これらをケーブルなどで接続した搬送波型ひずみ測定装置が知られている(特許文献1)。
このような測定装置では、ブリッジ回路からの計測信号の高周波成分をローパスフィルタで除去した後に、フーリエ変換により周波数分析を行い、搬送波の周波数帯域の信号を抽出している。
特開2005−195509号公報
しかしながら、上述したデジタル回路では次のような問題がある。
単に所定値以上の周波数帯域の信号を除去した後にフーリエ変換を行う場合、周波数の高い試験、すなわち高速試験では変換精度が悪い。また、搬送波の周波数帯域の近傍周波数帯域に雑音が含まれているときなどは、搬送波に重畳されている計測信号から特定周波数の信号成分を精度よく取り出せない。
請求項1に係る測定装置は、計測対象の物理的変化に応じた信号を出力する検出回路と、所定周波数および所定振幅の交流電圧を発生する交流電圧発生回路と、前記交流電圧を前記検出回路に印加したとき前記検出回路から得られる交流検出信号を入力し、入力したその交流検出信号に対して所定のウェーブレット変換処理を施すウェーブレット変換回路と、前記ウェーブレット変換回路から出力された信号を入力し、入力したその信号にフーリエ変換処理を施すことにより前記交流検出信号の抵抗成分および容量成分に対応したベクトル成分を検出するベクトル測定回路とを備え、前記ウェーブレット変換処理におけるスケーリング係数aと、前記交流電圧の前記所定周波数fとは、a=4fの関係を有することを特徴とする
請求項2に係る測定装置は、請求項1に記載の測定装置において、さらに加えて、前記ベクトル測定回路により検出されたベクトル成分を所定の補償位相分だけ回転させることにより、前記物理的変化を反映した成分値を算出する位相補償回路を備えることを特徴とする。
請求項に係る測定装置は、請求項1または2に記載の測定装置において、前記検出回路は、前記計測対象の物理的変化を抵抗値または容量値変化に変換するホイートストーンブリッジであることを特徴とする。
請求項に係る材料試験機は、請求項1から3のいずれか1項に記載の測定装置と、試験片を負荷する負荷アクチュエータと、前記測定装置で測定した測定信号に基づいて前記アクチュエータを制御して前記試験片を負荷する制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、フーリエ変換による周波数分析によって搬送波周波数近傍の帯域の計測信号を精度良く計測することができる。
図1は、本発明を適用したロードセル型荷重測定装置の一実施の形態の概略構成を示すブロック図である。この実施の形態の測定装置は、搬送波に検出信号を重畳して取り出すようにした測定装置であり、校正用ブリッジ16を含む測定回路10と、ロードセルブリッジ20と、電源回路30とを備えている。測定回路10は接続ケーブル61によりにロードセルブリッジ20に接続され、接続ケーブル62により材料試験機50に接続されている。
この実施の形態による測定装置の概要をまず説明する。搬送波である交流電圧信号を抵抗ブリッジに印加した場合、その抵抗変化による出力端子間の電位差は、(抵抗成分による電位差Δvr+容量成分による電位差Δvc)として表される。電位差ΔvrとΔvcは90度位相がずれている。このような前提に基づいて、次の(i)の補償処理と、(ii)の計測処理を行って、抵抗成分による実電位差ΔvrAを算出する。
(i)補償処理:
測定回路10に容量成分の影響を受けない校正用ブリッジ16を接続し、抵抗成分による電位差Δvrの位相を予め測定する。この位相は搬送波に対する位相遅れであり、補償位相θvと呼ぶ。
(ii)計測処理:
(ii-1)測定回路10にケーブ61を介してロードセルブリッジ20を接続し、容量成分の電位差が重畳された計測信号を取得する。この計測信号をフーリエ変換し、抵抗成分による電位差Δvrと容量成分による電位差Δvcとを分離して算出する。
(ii-2)抵抗成分による電位差Δvrの位相を補償処理で得た補償位相θvだけ回転、すなわちずらし、抵抗成分による実際の電位差ΔvrAを算出する。
したがって、校正用ブリッジ16は、ケーブル61などの容量成分による遅れを補償するものではない。
材料試験機50はたとえば引張・圧縮材料試験機であり、コントローラ51によって、試験機全体が制御される。コントローラ51には、試験結果などを表示するモニタ52と、入力装置53と、試験片を負荷するアクチュエータ54とを備えている。コントローラ51は、測定回路10からの計測信号を入力して周知の信号処理を行い、材料試験機の試験速度、試験方法などを制御する。また、入力装置53は、ユーザの入力操作により、後述する補償指令を出力するとともに、試験開始時は試験指令を出力する。
測定回路10は、デジタル演算回路11と、デジタル演算回路11のデジタル出力信号をアナログ信号に変換するDA変換器12と、ローパスフィルタ13と、交流増幅器14と、リレー15と、校正用ブリッジ16とを備える。
また、測定回路10は、校正用ブリッジ16またはロードセルブリッジ20から入力される信号を増幅する交流増幅器17と、ローパスフィルタ18と、アナログ測定信号をデジタル信号に変換するAD変換器19とを備えている。リレー15は交流増幅器14および交流増幅器17を校正用ブリッジ16に接続するか、ロードセルブリッジ20に接続するかを切り替えるものである。
リレー15は、図2に示すように、フォトMOSスイッチSW1〜SW8を有している。材料試験機50の入力装置53から補償指令が指示されると、スイッチSW1〜スイッチSW4が閉じ、スイッチSW5〜スイッチSW8が開き、校正用ブリッジ16が測定回路10に接続される。入力装置53から試験開始指令が指示されると、スイッチSW1〜スイッチSW4が開き、スイッチSW5〜スイッチSW8が閉じ、ロードセルブリッジ20が測定回路10に接続される。すなわち、リレー15は、ブリッジを択一的に測定回路10に接続する切換器であり、計測中はロードセルブリッジ20が接続され、校正中は校正用ブリッジ16が接続される。
校正用ブリッジ16は、測定回路10の最終出力段と入力初段に設けられ、アナログ回路の容量成分による位相遅れθ1と、デジタル回路のデータホールドによる位相遅れθ2を補償するための校正回路である。ここで、データホールドによる位相遅れθ2とはいわゆるデジタル回路におけるZ変換による遅れである。本明細書では、上述した2つの位相遅れθ1+θ2を、説明の便宜上、トータル遅れθと呼ぶものとする。
校正用ブリッジ16は、ホイートストーンブリッジを構成する4つの抵抗R11〜R14と、抵抗R11に並列接続される付加抵抗R21および抵抗R14に並列接続されるR22と、付加抵抗R21およびR22を抵抗R11およびR12に接続するか切り離すかを制御するスイッチSW11およびスイッチSW12とを備えている。スイッチSW11およびスイッチSW12が閉成されると、付加抵抗R21およびR22が抵抗R11およびR12に並列接続され、ブリッジの平衡状態が変更される。
なお、校正用ブリッジ16は、抵抗成分だけで構成されて浮遊容量が発生しないようにされ、また、リレー15と校正用ブリッジ16とを接続する基板上のパターン回路も抵抗成分だけで構成されて浮遊容量が発生しないようにされている。したがって、校正信号は抵抗成分による電位差だけを表すことになる。
ロードセルブリッジ20は、4つの抵抗R1〜R4をブリッジ接続したホイートストーンブリッジであり、図示しないロードセル内に設けられ、試験片に発生する負荷荷重に応じた抵抗値変化を表す信号を出力する。なお、校正用ブリッジ16の付加抵抗R21,R22の抵抗値は、実試験時にロードセルブリッジ20の抵抗値変化幅に応じた大きさの抵抗値である。
交流増幅器14からロードセルブリッジ20や校正用ブリッジ16へ出力される電圧信号は、所定周波数、所定振幅の搬送波信号である。ロードセルブリッジ20や校正用ブリッジ16から出力されて交流増幅器17で増幅される電圧信号は、搬送波にブリッジ抵抗値変化分の信号が重畳された電圧信号である。デジタル演算回路11は、この電圧信号から搬送波成分を除去し、抵抗値変化に応じた計測信号を得る。なお、計測信号は、ロードセルブリッジ20が平衡状態のときにゼロに校正される。
デジタル演算回路11は、図3に示すように、所定周波数、所定振幅の正弦波である搬送波信号(交流電圧信号)をDA変換器12に出力する。そのため、デジタル演算回路11は、キャリア発生回路111と、正弦波生成回路112と、振幅調整回路113とを備えている。正弦波生成回路112は、キャリア発生回路111で発生する周波信号に基づいて正弦波を生成する。振幅調整回路113は、正弦波生成回路112から出力される正弦波の振幅を、ロードセルブリッジ20や校正用ブリッジ16に対応した振幅に調整してDA変換器12に出力する。
また、デジタル演算回路11は、AD変換器19からのデジタル計測信号を入力し、その入力信号に対して計測処理を施し、上位装置、たとえば、材料試験機のコントローラ51へ計測信号を出力する。そのため、デジタル演算回路11は、ウェーブレット変換回路114と、フーリエ変換回路115と、位相調整回路116と、振幅調整回路117と、オフセット調整回路118とを備えている。ウェーブレット変換回路114と、フーリエ変換回路115は、キャリア発生回路111と同期が取られている。
ウェーブレット変換回路114はノイズフィルタである。ウェーブレット変換回路114によりノイズ除去された計測信号はフーリエ変換回路115に入力される。フーリエ変換回路115は周波数分析を行い、キャリア周波数に対応した周波数帯域の計測信号を算出する。
後述する式(10)に示すように、入力される計測信号を複素空間で表すと、フーリエ変換回路115は、図4を参照して後で説明するように、抵抗成分による信号値を実軸の値、容量成分による信号値を虚軸の値として算出する。すなわち、後述する式(16)に示すように、抵抗成分の電位差Δvr(x座標値)と容量成分の電位差Δvc(y座標値)とを分離して算出する。ここで、容量成分による信号値とは、上述したように、アナログ回路の種々の容量成分に起因して生ずる遅れと、デジタル回路のデータホールドに起因する遅れによって生じる信号成分値、すなわち、トータル遅れによって生じる信号成分値を意味する。
図4は、横軸を実軸、縦軸を虚軸とした複素座標系としてブリッジ出力信号を説明する図である。搬送波にブリッジ出力信号を重畳させてブリッジ出力の変化成分を計測する場合、測定系内のアナログ回路の容量成分による遅れと、デジタル回路のデータホールドによる遅れを総合したトータル遅れθが生じる。このとき、トータル遅れθの影響を受けた信号は、抵抗成分を表す信号に対して90度の位相遅れを持つ。図4の座標系では、実軸上の値が抵抗成分によるもの、虚軸上の値がトータル遅れ成分によるものとして表される。
位相調整回路116は、計測に先立って予め測定した上記補償位相θvを記憶しており、測定された計測信号の位相を調整する。すなわち、位相調整回路116は、記憶している補償位相θvだけ、抵抗成分による電位差Δvrの位相を調整し、上述した座標値xを算出する。この座標値xが抵抗成分による実電位差ΔvrAである。振幅調整回路117は、実電位差ΔvrAに所定のゲインを与える回路である。ゲインは、計測に先立って行われた校正処理で決定される。オフセット調整回路118は、振幅調整された計測値に対して、材料試験機のつかみ具などの自重成分をキャンセルするオフセット値を調整する。このオフセット値も計測に先立って行うオフセット処理で予め算出される。オフセット調整された計測値は、材料試験機などの上位装置に出力される。
このような測定装置によって行われる位相遅れの影響を補償する動作について説明する。なお、この補償動作は、測定処理に先だって行われる。リレー15に補償指令を入力し、スイッチSW1〜スイッチSW4を閉じ、スイッチSW5〜スイッチSW8を開いて、測定回路10を校正用ブリッジ16に接続する。このとき、校正用ブリッジ16のスイッチSW11およびスイッチSW12は開いておく。この状態で、所定周波数、所定振幅の搬送波信号を交流増幅器14から校正用ブリッジ16に印加する。校正用ブリッジ16から出力された計測信号は、デジタル演算回路で信号処理され計測信号を得る。すなわち、デジタル演算回路11のフーリエ変換回路115は、入力信号をフーリエ変換して得られた計測値を座標値(x1,y1)として記憶する。この計測値は図4でベクトルAvで示されている。
次いで、校正用ブリッジ16のスイッチSW11およびスイッチSW12を閉じ、この状態で所定周波数、所定振幅の搬送波信号を交流増幅器14から校正用ブリッジ16に印加する。校正用ブリッジ16から出力された計測信号は、デジタル演算回路11で信号処理され計測信号を得る。すなわち、デジタル演算回路11のフーリエ変換回路115は、入力信号をフーリエ変換して得られた計測値を座標値(x2,y2)として記憶する。この計測値は図4でベクトルBvで示されている。デジタル演算回路11の位相調整回路116は、座標値(x1,y1)と座標値(x2,y2)とに基づいて、ベクトルAvとベクトルBvの差をベクトル差Bv−Avとして求める。そして、位相調整回路116は、このベクトル差Bv−Avに基づいて上述した補償位相θvを算出して記憶する。
図4を参照すると次のように説明することができる。
図4において、ベクトルAvは、平衡状態の校正用ブリッジ16から出力される計測信号を表し、ベクトルBvは、付加抵抗R21およびR22を平衡状態の校正用ブリッジ16に付加してバランスを崩した状態で校正用ブリッジ16から出力される計測信号を表す。ベクトルAvとベクトルBvとの差分であるベクトル差Bv−Avは、交流電圧信号の基準位相に対してθvだけ遅れている。このθvは、搬送波の位相に対する抵抗成分による電位差の位相遅れ、すなわち補償位相θvである。
試験を開始する場合、リレー15に試験指令を入力し、スイッチSW1〜スイッチSW4を開き、スイッチSW5〜スイッチSW8を閉じて、測定回路10をロードセルブリッジ20に接続するとともに、所定周波数、所定振幅の搬送波信号を交流増幅器14からロードセルブリッジ20に印加する。アクチュエータ54を駆動して試験片に負荷を加え、ロードセルブリッジ20から出力される計測信号をデジタル演算回路11で信号処理して計測信号を得る。デジタル演算回路11のフーリエ変換回路115は、座標値(x3,y3)として記憶する。この計測値は図4でベクトルCvで示されている。位相調整回路116は、座標値x3の値を、予め記憶した補償位相θvに基づいて補正して座標値x4をたとえば次式により算出し、ロードセル計測値として記憶する。
X4=a×x3+b×y3
ただし、a,bは、a=x2-x1,b=y2-y1
概念的には、ベクトルCvの方向を、補償動作で記憶した補償位相θvだけ戻したベクトルCvrを算出し、ベクトルCvrの座標値x4を算出する。
次に、ウェーブレット変換回路114の信号処理について説明する。
マザーウェーブレットφ(t)を次式(1)で表す。
Figure 0005076420
また、スケーリング係数をa,時間シフト量をbとして、ウェーブレット変換関数ψ(t)を次式(2)で定義する。
Figure 0005076420
入力される信号f(t)を、
Figure 0005076420
と表すと、ウェーブレット変換関数ψ(t)に対する入力信号f(t)のウェーブレット変換Φ(t)は、次式(4)で計算される。
Figure 0005076420
ここで、
Figure 0005076420
のとき,f(t)=0となる時刻tにおいて、ψ(t)=0となるためには、
Figure 0005076420
であり、式(5)を次式(6)のように書き直すことができる。
Figure 0005076420
したがって、スケーリング係数aは、
Figure 0005076420
となる。ただし、fは入力信号f(t)の周波数[Hz]である。
f=10kHzのときのウェーブレット変換関数ψ(t)は、
Figure 0005076420
したがって、フーリエ変換回路115の入力信号f(t)は次式(9)で表すことができる。
Figure 0005076420
図3のフーリエ変換回路115について詳細に説明する。上述したように、フーリエ変換回路115は、以下に示す式(12)、(13)に示すように座標(x,y)を算出する。
入力信号f(t)を、
Figure 0005076420
とすると、入力信号f(t)のフーリエ変換F(ω)は、
Figure 0005076420
で表される。このとき、入力信号の座標(x,y)は、
Figure 0005076420
で求められる。
式(12)に式(11)を代入して書き直すと、x座標は次式(14)で表される。
Figure 0005076420
同様に、y座標は次式(15)で表される。
Figure 0005076420
したがって、入力信号の座標(x,y)は、
Figure 0005076420
のように求めることができる。
ウェーブレット変換関数ψ(t)とフーリエ変換回路115の入力信号f(t)のグラフを図5に示す。図5から分かるように、符号L1で示すウェーブレット変換関数ψ(t)は、L2で示す入力信号f(t)と非常に強い相関を示す。図6は、ウェーブレット変換回路114の出力信号であるψ(t)×f(t)のグラフであり、このようなウェーブレット変換を施した信号を入力信号とすることにより、フーリエ変換回路115は、キャリア発生回路111で発生するキャリア発振周波数近傍の帯域の計測信号のみを精度良く計測することができる。
図7は、フーリエ変換処理に先立て入力信号に対してウェーブレット変換処理を施すことによる効果を示している。すなわち、フーリエ変換前にウェーブレット変換を施さない場合の結果をL11で示し、フーリエ変換にウェーブレット変換を施した場合の結果をL12で示している。図7から分かるように、曲線L12では、キャリア周波数を越えると周波数応答性が極端に落ちていることが分かる。
以上説明した実施の形態による測定装置では次の作用効果を奏することができる。
(1)測定回路10の最終出力段と入力初段に校正用ブリッジ回路16を設け、試験に先立って、搬送波である交流電圧信号の位相を基準として、抵抗成分による電位差の位相遅れを補償位相θvとして算出して記憶するようにした。計測時に得られた抵抗成分の計測信号の位相を補償位相θvだけずらし、その抵抗成分の実計測値を算出するようにした。その結果、本実施の形態の測定装置では、測定回路10とロードセルブリッジ20とを接続するケーブルなどの浮遊容量の影響を受けることがない。したがって、接続ケーブの引き回しが変わっても、検出値に影響がない。
(2)フーリエ変換処理の前処理として、従来のローパスフィルタに代えてウェーブレット変換によるフィルタリング処理を施した。これにより、フーリエ変換回路115は、ウェーブレット変換が施された入力信号に対して周波数分析を行い、搬送波の周波数帯域の計測信号に応答性を良くして計測信号を抽出することができる。その結果、搬送波周波数近傍の帯域の計測信号を精度良く計測することができる。また、搬送波周波数近傍の帯域のノイズを確実に分離することができる。
(3)従来のように、フーリエ変換回路の前段にローパスフィルタを設け、搬送波の周波数以上の周波数を除去する場合には、搬送波の周波数を変更すると、ローパスフィルタを構成するデジタルフィルタのパラメータも変更する必要があった。しかし、ローパスフィルタに代えてウェーブレット変換によるフィルタリング処理を施すことにより、搬送波の周波数が変更されても、従来のデジタルフィルタのパラメータ変更処理が不要である。
以上の実施の形態による測定装置では、ロードセルブリッジについて説明したが、搬送波型測定回路であれば、差動トランス式伸び計や静電容量式ロードセルなどについても本発明を適用できる。ブリッジ回路も必須ではない。また、ウェーブレット変換回路のマザーウェーブレットを(2)式で定義したが、搬送波の周波数帯域近傍の周波数応答を向上させるマザーウェーブレットであれば、他の式で定義するマザーウェーブレットを使用することも可能である。
本発明は、その特徴を損なわない限り、以上説明した実施の形態に何ら限定されない。
本発明の実施の形態に係る測定装置を材料試験機に使用する場合の一例を示すブロック図 図1のリレー15と校正用ブリッジ16の詳細を示す回路図 デジタル演算回路11の詳細を示すブロック図 複素座標系のベクトルで表す計測信号を説明する図 ウェーブレット変換関数ψ(t)とフーリエ変換回路115の入力信号f(t)を示すグラフ ウェーブレット変換回路114の出力信号であるψ(t)×f(t)のグラフ ウェーブレット変換処理を施すことによる効果を説明する図
符号の説明
11 デジタル演算回路 15 リレー
16 校正用ブリッジ 20 ロードセルブリッジ
50 材料試験機 114 ウェーブレット変換回路
115 フーリエ変換回路

Claims (4)

  1. 計測対象の物理的変化に応じた信号を出力する検出回路と、所定周波数および所定振幅の交流電圧を発生する交流電圧発生回路と、前記交流電圧を前記検出回路に印加したとき前記検出回路から得られる交流検出信号を入力し、入力したその交流検出信号に対して所定のウェーブレット変換処理を施すウェーブレット変換回路と、前記ウェーブレット変換回路から出力された信号を入力し、入力したその信号にフーリエ変換処理を施すことにより前記交流検出信号の抵抗成分および容量成分に対応したベクトル成分を検出するベクトル測定回路とを備え、前記ウェーブレット変換処理におけるスケーリング係数aと、前記交流電圧の前記所定周波数fとは、a=4fの関係を有することを特徴とする測定装置。
  2. 請求項1に記載の測定装置において、さらに加えて、前記ベクトル測定回路により検出されたベクトル成分を所定の補償位相分だけ回転させることにより、前記物理的変化を反映した成分値を算出する位相補償回路を備えることを特徴とする測定装置。
  3. 請求項1または2に記載の測定装置において、前記検出回路は、前記計測対象の物理的変化を抵抗値または容量値変化に変換するホイートストーンブリッジであることを特徴とする測定装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の測定装置と、試験片を負荷する負荷アクチュエータと、前記測定装置で測定した測定信号に基づいて前記アクチュエータを制御して前記試験片を負荷する制御手段とを備えることを特徴とする材料試験機。
JP2006257609A 2006-09-22 2006-09-22 測定装置および材料試験機 Active JP5076420B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006257609A JP5076420B2 (ja) 2006-09-22 2006-09-22 測定装置および材料試験機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006257609A JP5076420B2 (ja) 2006-09-22 2006-09-22 測定装置および材料試験機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008076300A JP2008076300A (ja) 2008-04-03
JP5076420B2 true JP5076420B2 (ja) 2012-11-21

Family

ID=39348517

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006257609A Active JP5076420B2 (ja) 2006-09-22 2006-09-22 測定装置および材料試験機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5076420B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5333335B2 (ja) * 2010-04-23 2013-11-06 株式会社島津製作所 材料試験機
US11821875B2 (en) * 2018-07-31 2023-11-21 Shimadzu Corporation Material testing machine

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5923898U (ja) * 1982-08-04 1984-02-14 株式会社島津製作所 材料試験装置
JP2000136988A (ja) * 1998-10-30 2000-05-16 East Japan Railway Co レール波状摩耗検出手法
JP3260717B2 (ja) * 1999-03-12 2002-02-25 米沢日本電気株式会社 動き検出装置
JP3730435B2 (ja) * 1999-03-26 2006-01-05 株式会社東芝 波形信号解析装置
JP2003329514A (ja) * 2002-05-10 2003-11-19 Denso Corp ノックセンサ信号処理装置及びその設計方法
JP3792229B2 (ja) * 2004-01-08 2006-07-05 株式会社東京測器研究所 搬送波型ひずみ測定方法
JP2005331255A (ja) * 2004-05-18 2005-12-02 Shimadzu Corp 材料試験機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008076300A (ja) 2008-04-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7331209B2 (en) Transducer acceleration compensation with frequency domain amplitude and/or phase compensation
JP5420387B2 (ja) 電圧検出装置
US20100161268A1 (en) Device for vibration compensation of the weight signal of a weighing sensor
JPH03233327A (ja) ロードセル型重量測定装置
Elster et al. Analysis of dynamic measurements and determination of time-dependent measurement uncertainty using a second-order model
JP2011502014A5 (ja)
JP6554423B2 (ja) Lvdtセンサ
JP4807207B2 (ja) 測定装置および材料試験機
JP5076420B2 (ja) 測定装置および材料試験機
TWI405951B (zh) 陀螺儀控制方法
EP3391003A1 (en) Pressure sensor drift detection and correction
CN112666400A (zh) 可自动补偿寄生电容的电容测量电路及其使用方法和应用
JP3792229B2 (ja) 搬送波型ひずみ測定方法
Beug et al. Dynamic bridge standard for strain gauge bridge amplifier calibration
JP2004245822A (ja) 触覚情報検出方法および触覚情報検出システム
EP2989512B1 (en) Apparatus and method for applying a load to a material
JP6202452B1 (ja) 非接触型基板検査装置及びその検査方法
JP2002156308A (ja) 振動台及びその制御装置、並びに制御方法
JP7407617B2 (ja) 加速度測定装置および加速度測定方法
JP6245183B2 (ja) アナログ信号処理回路、物理量測定装置および材料試験機
RU2487344C2 (ru) Способ контроля свойств объекта из электропроводящих материалов
JP2923293B1 (ja) ひずみ測定方法
JP4210708B1 (ja) 音響式容積計又は音響式体積計による測定方法
JP2992599B2 (ja) ブリッジ測定装置
JP4803098B2 (ja) 材料試験機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090410

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110816

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111012

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120403

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120703

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20120710

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120731

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120813

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150907

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5076420

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150907

Year of fee payment: 3