JP5074812B2 - 出荷システムおよび出荷方法 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば、製造工場においてライン生産される自動車用のエンジンである出荷予定物の出荷に用いて好適な出荷システムおよび出荷方法に関する。
例えば、複数種の自動車用のエンジンを生産する生産システムにおいては、通常、予め策定された生産計画に基づき、図5(A)に示すように、ワーク51をそれぞれ一見ランダムな順番で組付けライン2に流して部品の組付等を行う。ここで、図5(A)は、従来のエンジンの生産システムの構成を概略的に示す説明図である。
その後、組付けが完了した出荷予定物1としてのエンジンは、テストベンチ(テスト装置)52において燃料・冷却水の投入後、始動操作され、一台ずつこの状態でチェック(検査)や調整を受ける。このような工程を経て完成したエンジンは、種類別に収容具(例えばパレット)53に収容された状態で出荷までストック部(出荷場)5にストック(保管)され、出荷時に行き先別に出荷用収容具(例えば出荷パレット)に積み替えられる。
しかし、近年では、エンジンに組み付ける種々の部品に関しての加工等の精度が飛躍的に向上したことにより、エンジンに燃料・冷却水を投入して一台ずつ始動させなくとも、外部からモータでエンジンを回し、負荷状態(圧縮比、抵抗、回転等)をチェックすることで、エンジンの良否を判定できるようになった。
但し、官能試験(音、振動やオイル・水漏れの確認試験)のためには実際にエンジンを始動させる必要があることから、図5(B)に示すように、数十台(例えば50台)に一台の割合で官能試験(ファイアリングテスト)を行っている。尚、図5(B)は、従来のエンジンの生産システムの改良例の構成を概略的に示す説明図であり、この図において、6はファイアリングテストのための検査部である。
前記生産システムでは、エンジンの始動が必要なテスト(ファイアリングテスト)を全てのエンジンについてではなく一部のみについて行うようにしてあるので、エンジンの始動に伴う温暖化ガス等の発生を抑えることができ、自然環境面で好適化を図ることができる。
ところで、図5(B)に示す前記生産システムでは、エンジンの官能試験を上述したような抜取検査により行うため、全エンジンを複数のロットに分ける。そして、ロットを構成する一部のエンジンがファイアリングテストをパスすれば、ロット全体の品質が保証されることから、ロットの一部のエンジンについて行ったファイアリングテスト(抜取検査)の結果からロット全体の合否を判定する。
しかし、前記生産システムでは、ファイアリングテストの結果に基づく合否が判明していないロットを構成するエンジン1が前記ストック部5にストックされることがあり、このような未保証エンジンが人為的ミス等により出荷されるおそれがある。そして、斯かる出荷が行われた場合、出荷先やその後において甚大な人災等を引き起こしかねない。
本発明は上述の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、品質保証のための抜取検査に基づいて保証された出荷予定物のみを出荷し、未保証の出荷予定物の出荷を確実に防止することができる出荷システムおよび出荷方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る出荷システムは、複数ロットを構成する出荷予定のエンジンを搬送するラインと、当該ラインを経たエンジンをストックするストック部と、前記エンジンを抜取検査する検査部とを備えた出荷システムであって、
前記抜取検査は、実際にエンジンが始動操作された状態で音、振動及びオイル・水漏れの確認試験を行うためのものであり、
また、エンジンを始動させることなく外部からモータでエンジンを回して、少なくとも圧縮比、抵抗及び回転に基づき負荷状態をチェックすることで、エンジンの良否を判定するテスト装置を前記検査部の上流側に設ける一方、
抜取検査に合格したエンジンの識別情報を入力する第1入力手段と、
この第1入力手段により入力された識別情報から抜取検査を受けた前記エンジンと同一ロットを構成するエンジンの識別情報に前記抜取検査の結果を関連付ける情報管理手段と、前記ストック部にあるエンジンの識別情報を入力する第2入力手段と、
この第2入力手段により入力された識別情報に前記抜取検査の結果が関連付けてあれば出荷が可と判定し、関連付けていなければ出荷を不可と判定する出荷判定手段とを備え、
さらに、
前記情報管理手段は、前記テスト装置にてチェックを受けたエンジンの識別情報及びテスト結果を入力するよう構成されていることを特徴としている(請求項1)。
また、本発明に係る出荷システムが、複数ロットを構成する出荷予定のエンジンを搬送するラインと、当該ラインを経たエンジンをストックするストック部と、前記エンジンを抜取検査する検査部とを備えた出荷システムであって、
前記抜取検査は、実際にエンジンが始動操作された状態で音、振動及びオイル・水漏れの確認試験を行うためのものであり、
また、エンジンを始動させることなく外部からモータでエンジンを回して、少なくとも圧縮比、抵抗及び回転に基づき負荷状態をチェックすることで、エンジンの良否を判定するテスト装置を前記検査部の上流側に設ける一方、
抜取検査をしたエンジンの識別情報および当該抜取検査の結果を入力する第1入力手段と、
この第1入力手段により入力された識別情報から抜取検査を受けた前記エンジンと同一ロットを構成するエンジンの識別情報に前記抜取検査の結果を関連付ける情報管理手段と、
前記ストック部にあるエンジンの識別情報を入力する第2入力手段と、
この第2入力手段により入力された識別情報に前記抜取検査の結果が関連付けてあれば、その抜取検査の結果に基づいて出荷の可否を判定し、関連付けていなければ出荷を不可と判定する出荷判定手段とを備え、
さらに、
前記情報管理手段は、前記テスト装置にてチェックを受けたエンジンの識別情報及びテスト結果を入力するよう構成されていることを特徴としていてもよい(請求項2)。
一方、上記目的を達成するために、本発明に係る出荷方法は、ライン搬送された後、ストック部にストックされ、また、検査部により抜取検査されるエンジンを出荷する出荷方法であって、抜取検査に合格したエンジンの識別情報が第1入力手段により入力されるステップと、この第1入力手段により入力された識別情報を基に、抜取検査を受けた前記エンジンと同一ロットを構成するエンジンの識別情報が情報管理手段により前記抜取検査の結果に関連付けられるステップと、前記ストック部にあるエンジンの識別情報が第2入力手段により入力されるステップと、出荷判定手段によって、第2入力手段により入力された識別情報に前記抜取検査の結果が関連付けられてあれば出荷が可と判定し、関連付けられていなければ出荷を不可と判定するステップとを有し、
さらに、前記抜取検査は、実際にエンジンが始動操作された状態で音、振動及びオイル・水漏れの確認試験を行うためのものであり、
また、抜取検査の前に、テスト装置にて、エンジンを始動させることなく外部からモータでエンジンを回して、少なくとも圧縮比、抵抗及び回転に基づき負荷状態をチェックすることで、エンジンの良否を判定するステップを有するとともに、
前記テスト装置にてチェックを受けたエンジンの識別情報及びテスト結果を前記情報管理手段に入力するステップを有することを特徴としている(請求項3)。
また、本発明に係る出荷方法が、ライン搬送された後、ストック部にストックされ、また、検査部により抜取検査されるエンジンを出荷する出荷方法であって、抜取検査をしたエンジンの識別情報が第1入力手段により入力されるステップと、この第1入力手段により入力された識別情報を基に、抜取検査を受けた前記エンジンと同一ロットを構成するエンジンの識別情報が情報管理手段により前記抜取検査の結果に関連付けられるステップと、前記ストック部にあるエンジンの識別情報が第2入力手段により入力されるステップと、出荷判定手段によって、第2入力手段により入力された識別情報に前記抜取検査の結果が関連付けられてあれば、その抜取検査の結果に基づいて出荷の可否を判定し、関連付けられていなければ出荷を不可と判定するステップとを有し、
さらに、前記抜取検査は、実際にエンジンが始動操作された状態で音、振動及びオイル・水漏れの確認試験を行うためのものであり、
また、抜取検査の前に、テスト装置にて、エンジンを始動させることなく外部からモータでエンジンを回して、少なくとも圧縮比、抵抗及び回転に基づき負荷状態をチェックすることで、エンジンの良否を判定するステップを有するとともに、
前記テスト装置にてチェックを受けたエンジンの識別情報及びテスト結果を前記情報管理手段に入力するステップを有することを特徴としていてもよい(請求項4)。
請求項1〜4に係る発明では、品質保証のための抜取検査に基づいて保証された出荷予定のエンジンのみを出荷し、未保証のエンジンの出荷を確実に防止することができる出荷システムおよび出荷方法が得られる。
すなわち、請求項1,3に係る発明では、第1,第2入力手段、情報管理手段および出荷判定手段によって、ストック部にある出荷予定のエンジンが、抜取検査に基づいて保証されたものか否かを判定することができるので、未保証のエンジンの誤出荷を確実に防止することができる。
加えて、請求項2,4に係る発明では、第1入力手段により抜取検査の結果の合否を入力するようにしてあるので、抜取検査に不合格であった出荷予定のエンジンと同一ロットを構成する出荷予定のエンジンをストック部から積極的に排除することができ、未保証のエンジンの誤出荷を防止するという点でより効果を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る出荷システムおよび出荷方法を概略的に示す説明図、図2(A)は前記出荷システムおよび出荷方法の出荷対象である出荷予定物の構成を概略的に示す説明図、図2(B)は図2(A)に示す出荷予定物を出荷するための前記出荷システムの作動および出荷方法を概略的に示す説明図、図3(A)〜(E)は前記出荷システムの要部の作動を概略的に示す説明図、図4は前記出荷システムの出庫情報盤により管理されるデータの構成を概略的に示す説明図である。
この実施の形態に係る出荷システムおよび出荷方法は、未保証の出荷予定物1の誤出荷を防止するためのものであり、この出荷システムおよび出荷方法を用いるための前提となる構成について図1を参照しながら説明する。
図1に示す出荷システムは、出荷予定物1としてライン生産された複数種の自動車用エンジンを出荷するためのものである。そして、出荷予定物1は、図1に示すように、それぞれ組付けパレットPに保持された状態で、搬送装置(例えばコンベア)等により構成された組付けライン2を経て生産され、シリンダブロックにクランク(クランク軸)、ヘッド(シリンダヘッド)、カム(カム軸)の組付け等を適宜に行うことにより構成されている。
上記のように組付けライン2を経た出荷予定物1は、テストベンチ(テスト装置)3にて外部からモータで回されて駆動状態とされ、このときの負荷状態(圧縮比、抵抗、回転等)がチェックされる。その後、出荷予定物1は搬送装置(例えばコンベア)等により構成された搬送ライン4によりストック部5へと移送され、このストック部5において種類別に並んだ状態でストック(保管)される。
また、一部の出荷予定物1は、テストベンチ3を経た後、抜取検査(ファイアリングテスト)のための検査部6に送られ、この検査部6において燃料・冷却水の投入後、始動操作され、この状態で官能試験(音、振動やオイル・水漏れの確認試験)が行われ、その後、前記搬送ライン4を経てストック部5へと移送される。尚、検査部6にて検査された出荷予定物1を、搬送ライン4に送らず、ストック部5に直接移送してもよいことはもちろんである。
そして、出荷時には、前記ストック部5にストックされた複数種の出荷予定物1のうち、一又は二以上の出荷予定物1が選択され、出荷用収容具(例えばパレット)に収容された状態で出荷される。
以上の出荷システムの構成は従来と変わるところはない。そして、以下に、この出荷システムの特徴的構成について説明する。
まず、前記出荷システムは、検査部6において抜取検査に合格した出荷予定物1の識別情報を入力する第1入力手段7と、この第1入力手段7により入力された識別情報から抜取検査を受けた前記出荷予定物1と同一ロットを構成する出荷予定物1の識別情報に前記抜取検査の結果を関連付ける情報管理手段としての情報盤8と、前記ストック部5にある出荷予定物1の識別情報を入力する第2入力手段9と、この第2入力手段9により入力された識別情報に前記抜取検査の結果が関連付けてあれば出荷が可と判定し、関連付けていなければ出荷を不可と判定する出荷判定手段としての出荷指示装置(例えばプログラマブルコントローラ(SLC)が組み込まれたコンピュータ)10とを備えている。尚、情報盤8および出荷指示装置10は一体化してあってもよい。
また、各出荷予定物1にはそれぞれ固有の識別情報を格納した情報媒体(図示していない)を設けてある。ここで、前記識別情報には、出荷予定物1固有の識別番号、出荷予定物1の種類を示す情報(種類記号)の他、出荷予定物1の製造時期(例えば製造日時)等が含まれている。また、前記情報媒体は、例えばバーコードが印字されたラベルやICタグ等であり、ラベルである場合には出荷予定物1またはこれを保持するパレットPに対して貼着すればよく、ICタグである場合には適宜の結束部材を用いて出荷予定物1またはこれを保持するパレットPに取り付ける等すればよい。
そして、前記情報媒体に格納された識別情報は、前記第1入力手段7,第2入力手段9によって手動で(または自動的に)読取入力され、通信ユニット(例えば、通信ソフトを組み込んだ装置)11,12を介して情報盤8へと無線または有線通信により送られる。ここで、前記第1、第2入力手段7,9は、情報媒体から識別情報を読み取ることができるバーコードリーダやICタグリーダ等であり、通信ユニット11,12に対して着脱自在となっている。本実施形態では、前記第1、第2入力手段7,9はそれぞれハンディーターミナルである。尚、第1入力手段7と通信ユニット11とを一体化してあってもよく、同様に、第2入力手段9と通信ユニット12とを一体化してあってもよい。
次に、前記出荷方法の説明を兼ねて前記出荷システムの作動について図1〜図4を用いて説明する。以下では、計15台でA,B,Cの三種類ある出荷予定物1を出荷システムにより出荷する場合の作動を説明し、出荷予定物1は搬送ライン4を流れる順に5台で1ロットとしてある。すなわち、図2(A)では、右端側にある出荷予定物1(A−1)が先頭として搬送ライン4を流れるのであり、先頭から5台目の出荷予定物1(B−2)までが第1ロット、6台目の出荷予定物1(A−3)から10台目の出荷予定物1(A−5)までが第2ロット、11台目の出荷予定物1(B−4)から15台目の出荷予定物1(A−7)までが第3ロットとなっている。また、各出荷予定物1には、図2(A)に示すように、識別情報として、No.1〜No.15までの識別番号とA,B,Cのいずれかの種類を示す種類記号とが与えられており、この識別情報は上述したように前記情報媒体に格納されている。
まず、図1および図2(A)に示すように、各出荷予定物1は、組付けライン2を経てテストベンチ3にてチェックを受け、このテスト結果は出荷予定物1の識別情報と共にテストベンチ3から情報盤8へと有線または無線通信で送られ記録される。すなわち、テストベンチ3には、出荷予定物1の情報媒体から前記識別情報を読み取るための読取装置(図示していない)を設けてあり、この読取装置としては、前記第1、第2入力手段7,9と同様の構成のものを用いることができる。
ここで、前記情報盤8には、図4に示すように、「E/G No.」と記載した識別番号欄8aと、「E/G 種類」と記載した種類記号欄8bと、「テストベンチ結果」と記載したテスト結果欄8cと、「ファイアリング結果」と記載した抜取検査結果欄8dと、「出荷」と記載した出荷可否欄8eとを有するデータベースを設けてあり、各出荷予定物1についての識別番号、種類記号、テスト結果、抜取検査結果、出荷の可否に対応するデータを記録すること(書き込み)ができるように構成してある。
そして、前記テストベンチ3から情報盤8へと送られる前記識別情報およびテスト結果のうち、識別情報は前記識別番号欄8aと種類記号欄8bに書き込まれ、テスト結果はテスト結果欄8cに書き込まれる。尚、図4には、テスト結果(合格)をテスト結果欄8cに「OK」と書き込んである例を示してある。
一方、図3(A)に示すように、前記テストベンチ3を経て搬送ライン4に至った出荷予定物1は順次ストック部5へと向かうが、第1ロットの最後尾の出荷予定物1(B−2)は抜取検査のために搬送ライン4から取り出されて検査部6に移載される(図3(B)参照)。そして、この検査部6において出荷予定物1の官能試験(ファイアリングテスト)が行われ、この試験に合格すれば、図2(B)に示すように、第1入力手段7により上記出荷予定物1の情報媒体から読み取った識別情報と抜取検査結果とが情報盤8へと送られる。そして、情報盤8では、前記識別情報を照合した上、抜取検査結果が適宜に書き込まれる。尚、図4には、抜取検査結果(合格)を抜取検査結果欄8dに「OK」と書き込んである例を示してある。
これに対して、第1ロットの1台目から4台目の出荷予定物1は抜取検査を受けないため、抜取検査結果欄8dには「−」と書き込まれるだけであるが、第1ロットの5台目の出荷予定物1が抜取検査を合格すると、第1ロットの5台全ての品質が保証できたとして、出荷可否欄8eには出荷可能であることを意味する「OK」が書き込まれる。すなわち、情報盤8では、第1入力手段7により入力された識別情報から抜取検査を受けた前記出荷予定物1と同一ロット(第1ロット)を構成する他の4台の出荷予定物1の識別情報に前記抜取検査の結果が関連付けられることになる。
その後、図3(C)に示すように、検査部6において試験に合格した出荷予定物1は搬送ライン4に戻され、ストック部5に向かう。ここで、検査部6における試験には、搬送ライン4を流れる出荷予定物1が検査部6前を3台通過する時間がかかるため、搬送ライン4に戻された出荷予定物1(B−2)は、第2ロットの前3台の出荷予定物1に続いて流れることになる。
そして、図3(D)、(E)に示すように、第2ロットについても第1ロットと同様に、5台目の出荷予定物1(A−5)のみが抜取検査を受けることになる。すなわち、第2ロット、第3ロットについても、第1ロットと同様の処理が行われることになる。
尚、図3(E)には、第2ロットの最後尾の出荷予定物1(A−5)が検査部6において検査中であると共に、第3ロットの1台目の出荷予定物1がストック部5にストックされた状態を示してあり、この図から明らかなように、ストック部5には、A,B,Cの種類毎に縦一列に出荷予定物1が並べられる。
また、図2(B)には、第3ロットの4台目の出荷予定物1(B−5)がテストベンチ3においてテスト中であると共に、第2ロットの最後尾の出荷予定物1(A−5)が検査部6において検査中であり、かつ、第3ロットの3台目の出荷予定物1(A−6)が検査部6の前を通過し、第3ロットの2台目の出荷予定物1まで(計11台の出荷予定物1)がストック部5にストックされた時点の状態を示してあり、さらに、この時点の状態に対応する情報盤8のデータが図4に示されている。
そして、この時点では、図4のテスト結果欄8cに示すように、第1ロット、第2ロットの計10台の出荷予定物1は全てテストベンチ3における試験を合格しており、また、図4の抜取検査結果欄8dに示すように、第1ロットの最後尾の出荷予定物1(B−2)は抜取検査にも合格している。そのため、図4の出荷可否欄8eに「OK」と示してあるように、第1ロットの5台の出荷予定物1は全て出荷が可と判定されている。これに対して、図4の抜取検査結果欄8dに示すように、第2ロットの最後尾の出荷予定物1(A−5)は抜取検査の結果がまだ出ていない(情報盤8に送られていない)ため、図4の出荷可否欄8eに「NG」と示してあるように、第2ロットの5台の出荷予定物1は全て出荷が不可と判定されている。
従って、図2(B)に示すように、ストック部5にある第1ロットの4台の出荷予定物1(A−1,A−2,B−1,C−1)を出荷用収容具13に収容して出荷しようとする場合、第2入力手段9および通信ユニット12により前記4台の出荷予定物1の情報媒体から読み取った識別情報を情報盤8に送信すれば、いずれの出荷予定物1についての出荷も出荷指示装置10が可と判定し、その旨が第2入力手段9の図示していない表示部(例えばディスプレイ装置)に表示される。また、仮に、ストック部5にある第2ロットの出荷予定物1を出荷しようとして、第2入力手段9および通信ユニット12によりその出荷予定物1の情報媒体から識別情報を情報盤8に送信すれば、出荷指示装置10が出荷を不可と判定し、その旨が第2入力手段の表示部に表示される。そして、出荷作業者は前記表示部の表示に従うことにより、未保証の出荷予定物1の誤出荷を確実に防止することができる。
そして、第2入力手段9の表示部により出荷が可と表示され、この表示に従って出荷予定物1を出荷した場合には、通信ユニット12に第2入力手段9をセットし、出荷した出荷予定物1の識別情報(出荷実績(履歴))を情報盤8に送信し、情報盤8から該当する情報が削除されることになる。
また、上記実施の形態では、各ロットの数を5台としてあるが、5台に限るものではない。さらに、前記検査部6の抜取検査を、各ロットの最後尾の出荷予定物1のみについて行ったが、各ロットのいずれの出荷予定物1を抜取検査してもよく、その数も一つに限られない。
また、上記実施の形態では、第2入力手段9および通信ユニット12により、ストック部5にある出荷予定物1の情報媒体から読み取った識別情報を情報盤8に送信して、出荷指示装置10において出荷の可否を判定していたが、これに限らず、例えば、出荷指示装置10において出荷が可と判定された出荷予定物1の識別情報を情報盤8から通信ユニット11を介して第2入力手段9に送信し、この第2入力手段9において、出荷予定物1から読み取った識別情報と出荷が可と判定された出荷予定物1の識別情報とを照合することにより、識別情報を読み取った出荷予定物1の出荷の可否を表示部に表示するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、第2入力手段9の表示部に、出荷指示装置10の判定結果を表示させるようにしてあるが、これに限らず、第2入力手段9以外に表示部を設けて、この表示部に出荷指示装置10の判定結果を表示させてもよい。例えば、出荷指示装置10に表示部を設けることができる。
また、上記実施の形態では、第1入力手段7により、検査部6における抜取検査に合格した出荷予定物1の識別情報のみを読取入力するようにしているが、これに限らず、抜取検査に不合格であった出荷予定物1の識別情報も読取入力し、情報盤8へは、出荷予定物1の識別情報の他に抜取検査の結果も、通信ユニット11を介して送信するようにしてもよい。この場合、前記情報盤8において、この第1入力手段により入力された識別情報から抜取検査を受けた前記出荷予定物1と同一ロットを構成する出荷予定物1の識別情報を割り出し、これらの識別情報に前記抜取検査の結果を関連付けるようにすればよく、また、前記出荷指示装置10により、第2入力手段により入力された識別情報に前記抜取検査の結果が関連付けてあれば、その抜取検査の結果に基づいて出荷の可否を判定(抜取検査が合格なら出荷が可、不合格なら出荷は不可と判定)し、関連付けていなければ出荷を不可と判定するようにすればよい。このように構成した場合には、抜取検査に不合格であった出荷予定物1と同一のロットを構成する出荷予定物1のチェックを積極的に行うことができるようになる。
本発明の一実施の形態に係る出荷システムおよび出荷方法を概略的に示す説明図である。 (A)は前記出荷システムおよび出荷方法の出荷対象である出荷予定物の構成を概略的に示す説明図、(B)は(A)に示す出荷予定物を出荷するための前記出荷システムの作動および出荷方法を概略的に示す説明図である。 (A)〜(E)は前記出荷システムの要部の作動を概略的に示す説明図である。 前記出荷システムの出庫情報盤により管理されるデータの構成を概略的に示す説明図である。 (A)は従来のエンジンの生産システムの構成を概略的に示す説明図、(B)は従来のエンジンの生産システムの改良例の構成を概略的に示す説明図である。
1 出荷予定のエンジン
2 組付けライン
4 搬送ライン
5 ストック部
6 検査部
7 第1入力手段
8 情報盤
9 第2入力手段
10 出荷指示装置

Claims (4)

  1. 複数ロットを構成する出荷予定のエンジンを搬送するラインと、当該ラインを経たエンジンをストックするストック部と、前記エンジンを抜取検査する検査部とを備えた出荷システムであって、
    前記抜取検査は、実際にエンジンが始動操作された状態で音、振動及びオイル・水漏れの確認試験を行うためのものであり、
    また、エンジンを始動させることなく外部からモータでエンジンを回して、少なくとも圧縮比、抵抗及び回転に基づき負荷状態をチェックすることで、エンジンの良否を判定するテスト装置を前記検査部の上流側に設ける一方、
    抜取検査に合格したエンジンの識別情報を入力する第1入力手段と、
    この第1入力手段により入力された識別情報から抜取検査を受けた前記エンジンと同一ロットを構成するエンジンの識別情報に前記抜取検査の結果を関連付ける情報管理手段と、前記ストック部にあるエンジンの識別情報を入力する第2入力手段と、
    この第2入力手段により入力された識別情報に前記抜取検査の結果が関連付けてあれば出荷が可と判定し、関連付けていなければ出荷を不可と判定する出荷判定手段とを備え、 さらに、
    前記情報管理手段は、前記テスト装置にてチェックを受けたエンジンの識別情報及びテスト結果を入力するよう構成されていることを特徴とする出荷システム。
  2. 複数ロットを構成する出荷予定のエンジンを搬送するラインと、当該ラインを経たエンジンをストックするストック部と、前記エンジンを抜取検査する検査部とを備えた出荷システムであって、
    前記抜取検査は、実際にエンジンが始動操作された状態で音、振動及びオイル・水漏れの確認試験を行うためのものであり、
    また、エンジンを始動させることなく外部からモータでエンジンを回して、少なくとも圧縮比、抵抗及び回転に基づき負荷状態をチェックすることで、エンジンの良否を判定するテスト装置を前記検査部の上流側に設ける一方、
    抜取検査をしたエンジンの識別情報および当該抜取検査の結果を入力する第1入力手段と、
    この第1入力手段により入力された識別情報から抜取検査を受けた前記エンジンと同一ロットを構成するエンジンの識別情報に前記抜取検査の結果を関連付ける情報管理手段と、
    前記ストック部にあるエンジンの識別情報を入力する第2入力手段と、
    この第2入力手段により入力された識別情報に前記抜取検査の結果が関連付けてあれば、その抜取検査の結果に基づいて出荷の可否を判定し、関連付けていなければ出荷を不可と判定する出荷判定手段とを備え、
    さらに、
    前記情報管理手段は、前記テスト装置にてチェックを受けたエンジンの識別情報及びテスト結果を入力するよう構成されていることを特徴とする出荷システム。
  3. ライン搬送された後、ストック部にストックされ、また、検査部により抜取検査されるエンジンを出荷する出荷方法であって、抜取検査に合格したエンジンの識別情報が第1入力手段により入力されるステップと、この第1入力手段により入力された識別情報を基に、抜取検査を受けた前記エンジンと同一ロットを構成するエンジンの識別情報が情報管理手段により前記抜取検査の結果に関連付けられるステップと、前記ストック部にあるエンジンの識別情報が第2入力手段により入力されるステップと、出荷判定手段によって、第2入力手段により入力された識別情報に前記抜取検査の結果が関連付けられてあれば出荷が可と判定し、関連付けられていなければ出荷を不可と判定するステップとを有し、
    さらに、前記抜取検査は、実際にエンジンが始動操作された状態で音、振動及びオイル・水漏れの確認試験を行うためのものであり、
    また、抜取検査の前に、テスト装置にて、エンジンを始動させることなく外部からモータでエンジンを回して、少なくとも圧縮比、抵抗及び回転に基づき負荷状態をチェックすることで、エンジンの良否を判定するステップを有するとともに、
    前記テスト装置にてチェックを受けたエンジンの識別情報及びテスト結果を前記情報管理手段に入力するステップを有することを特徴とする出荷方法。
  4. ライン搬送された後、ストック部にストックされ、また、検査部により抜取検査されるエンジンを出荷する出荷方法であって、抜取検査をしたエンジンの識別情報が第1入力手段により入力されるステップと、この第1入力手段により入力された識別情報を基に、抜取検査を受けた前記エンジンと同一ロットを構成するエンジンの識別情報が情報管理手段により前記抜取検査の結果に関連付けられるステップと、前記ストック部にあるエンジンの識別情報が第2入力手段により入力されるステップと、出荷判定手段によって、第2入力手段により入力された識別情報に前記抜取検査の結果が関連付けられてあれば、その抜取検査の結果に基づいて出荷の可否を判定し、関連付けられていなければ出荷を不可と判定するステップとを有し、
    さらに、前記抜取検査は、実際にエンジンが始動操作された状態で音、振動及びオイル・水漏れの確認試験を行うためのものであり、
    また、抜取検査の前に、テスト装置にて、エンジンを始動させることなく外部からモータでエンジンを回して、少なくとも圧縮比、抵抗及び回転に基づき負荷状態をチェックすることで、エンジンの良否を判定するステップを有するとともに、
    前記テスト装置にてチェックを受けたエンジンの識別情報及びテスト結果を前記情報管理手段に入力するステップを有することを特徴とする出荷方法。
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