JP5074670B2 - スズ粉含有コロイド液の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スズ粉含有コロイド液及びその製造方法に関する。さらに詳細には、クロム等の金属の混入がなく、一定の分散性を有し、かつ超微細なスズ粉を含有するスズ粉含有コロイド液及びその製造方法に関する。
現在、多層プリント配線板のビアホール充填用やプリント配線板へのIC部品等の部品実装時の位置決めに用いる導電性接着剤の構成粉体として、半田粉が広く用いられている。
この半田粉は、いわゆる鉛フリー半田素材で構成されたものであることが一般化している。従来の半田は、スズ63重量%、鉛37重量%の共晶半田が用いられてきた。ところが、テレビのブラウン管に代表される家電製品部品、その他電子機器中に含まれる鉛が、廃棄された後に水質汚染を起こす等の環境負荷の大きさが問題になり、家電製品等に含まれるトータル鉛量を削減する観点から、上記のように鉛フリー半田の使用が主流となってきたのである。
半田粉等は金属微粒子粉末から構成されており、このような金属微粒子粉末の製造方法としては、機械的粉砕法、アトマイズ法、気相還元法、ガス蒸発法等があるが、上記半田粉又は半田粉を構成するスズ粉の製造には、特許文献1(特開2000−15482号公報)に示されるように、アトマイズ法を用いるのが一般的である。このアトマイズ法は、スズ等の金属を含有する溶液を霧化し、この霧化溶液を個々の液滴とし、さらにこの液滴を冷却することで製造するものである。この製造方法で得られる半田粉やスズ粉の利点は、湿式法で得られる粉体と比べて、粉粒の分散性に優れているという点にある。
しかしながら、アトマイズ法で製造されるスズ粉は、粒度分布が極めてブロードであり、かつ粉粒を微粒化しようとしたときの粒度分布の限界が1μm〜10μmの範囲にあるのが一般的であり、粗粒を含むことなく、電子顕微鏡で直接観察したときの平均粒径が5μm以下の微粒粉を得ることが困難である。このようなブロードな粒度分布を持ち、平均粒径が5μmを超えるスズ粉に関しては、次のような問題が存在している。
すなわち、第1の問題は、ブロードな粒度分布を持ち、平均粒径が5μmを超えるスズ粉を用いた導電性ペーストでは、微細回路形成及び微小ビアホールの穴埋め性に欠けるという欠点が存在する。
第2の問題は、アトマイズ法で得られた粗いスズ粉を、多層プリント配線板のビアホールの充填用に用いると、ビアホール内の充填性に劣ることになる。しかも、粒径が大きいため低温での焼結性が劣るため、そのビアホールの外層に位置する外層回路との接続信頼性が失われる場合がある。
以上のことから、従来のアトマイズ法で得られるスズ粉と同様の用途で使用でき、微小配線回路の微小ビアホールの穴埋め性に優れ、低温融着性を確保できる微粒のスズ粉が求められてきたのである。
特許文献2には、金属化合物溶液に還元剤を添加して金属微粒子を析出沈殿させる際に、最初に独立分散状態にあるナノレベルの核を生成させ、この核をもとに還元金属を析出させる方法が記載されており、その実施例では、銀及びパラジウムについて100nm〜200nmの核粒子が得られるとされている。
この特許文献2には、スズが金属種の一つとして例示されているが、スズ微粒子を得るには、還元剤の影響が大きく、例示されているヒドラジン等のヒドラジン類や硫酸第一鉄等の金属塩類を用いる方法では、粒子分散性に優れた状態で100nmレベルのスズ粉末を得ることが困難であり、また実施例も示されていない。
一方、特許文献3には、2価のクロムイオン溶液を還元剤として用い、スズ粒子の凝集を抑制する保護剤の存在下で、スズ化合物溶液に2価クロムイオン溶液を加えてスズを還元析出させ、平均粒径100nm以下の金属スズ粒子が得られるとされている。
特開2000−15482号公報 特開平10−317022号公報 特開2003−306707号公報
しかしながら、上記特許文献3に開示の製造方法では、ナノサイズのスズ粉が製造可能であるが、得られるスズ粉にクロムの混入の懸念が生じる。近年、クロム等の環境汚染物質の電子機器、電子部品への使用規制が強化されており、クロムを含有するスズ粉を用いて導電性ペーストとして半田材料の代替えとすることが出来ない状況が生じている。
従って、本発明の目的は、市場の要求を鑑み、使用が忌避されるクロム等の異種金属の混入がなく、良好な分散性を有し、かつ超微細なスズ粉を含むスズ粉含有コロイド液及びその製造方法を提供することにある。
そこで、本発明者等は、検討の結果、非水溶液中のスズイオンを特定の還元剤を用いることによって、クロム等の異種金属の混入がなく、一定の分散性を有する超微細なスズ粉が得られることに想到した。
スズ粉含有コロイド液の製造方法: 本発明は、極性を有する非水溶液に可溶性スズ化合物を添加してスズイオン含有溶液を調製し、次いで該スズイオン含有溶液を攪拌しつつ、水素化ホウ素ナトリウム溶液を緩やかに添加することを特徴とするスズ粉含有コロイド液の製造方法を提供する。
本発明に係る上記製造方法において、上記水素化ホウ素ナトリウム溶液の添加時間は10分〜120分であることが好ましい。
本発明に係る上記製造方法において、上記非水溶液はメタノール又はエタノールであることが望ましく、水分含有量は30重量%以下であることが好ましい。
本発明に係る上記製造方法において、上記可溶性スズ化合物の濃度が0.001モル/l〜0.5モル/lであることが好ましい。
本発明に係る上記製造方法において、上記可溶性スズ化合物1.0モルに対して、上記水素化ホウ素ナトリウムを0.5モル〜5.0モル添加することが好ましい。
本発明に係る上記製造方法において、上記水素化ホウ素ナトリウムの濃度が1.0モル/l以下であることが好ましい。
本発明に係る上記製造方法において、還元析出したスズ粒子の分散性を向上させるために分散剤を添加してもよく、これら分散剤としては、ケトン類、アミン類、ポリオール類、エーテル類から選ばれる1種又は2種以上であることが望ましい。
本発明に係る上記製造方法において、上記可溶性スズ化合物1.0モルに対して、上記分散剤を3.0モル以下添加することが好ましい。
本発明におけるスズ粉含有コロイド液は、微粒のスズ粉が大気雰囲気中で酸化されにくく、微粒スズ粉の長期間保存が可能である。そして、そこに含まれるスズ粉は、クロム等の異種金属を含有せず、また平均粒径2.0μm以下、さらには1.0μm以下の微細な微粉であり、かつ良好な分散性を有する。また、本発明に係る製造方法により、工業的生産性に優れ、上記スズ粉含有コロイド液を効率よく安定して大量生産することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
スズ粉含有コロイド液
本発明において、スズ粉含有コロイド液は、平均粒径(DIA)が2.0μm以下、好ましくは0.01〜1.0μmのスズ粉を含有する。スズ粉の平均粒径が2.0μmを超えると、上記したアトマイズにより得られるスズ粉と同様に、微細回路形成及び微小ビアホールの穴埋め性に欠ける等の問題が生じる。この平均粒径は、スズ粉粒子をFE−SEM(電界放射型走査電子顕微鏡)又はSEM(走査型電子顕微鏡)により撮像し、その像からスズ微粉粒子の直径を測り、撮像倍率から換算して、直接的にスズ粉粒子の粒径を複数個(例えば20個〜100個)測定し、その平均値(DIA)により求められる。
上記スズ粉は、その製造方法に起因するクロム等の金属を含まない。ここで金属を含まないとは、スズ粉中の各不純物含有量が概ね5.0ppm以下であることを意味する。このように有害な金属を含まないことによって、使用環境悪化等の不具合を回避することができる。
また、上記スズ粉の体積累積粒径平均値(D50)/平均粒径(DIA)で表される凝集度は5以下であることが望ましい。上記凝集度が5を超えると、粒子分散性が悪く、ペースト化できない、もしくはペースト化できても充填性が極めて悪い等の問題がある。上記体積累積粒径平均値(D50)は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した値である。
このD50/DIAで規定される凝集度は、下記の理由から採用したパラメータである。すなわち、D50の値は、真に粒子の一つ一つの径を直接観察したものではない。殆どの金属粉を構成する粒子は、個々の粒子が完全に分離した単分散粉ではなく、複数個の粒子が凝集して集合した状態になっているからである。レーザー回折散乱式粒度分布測定法は、凝集した粒子をも一個の粒子(凝集粒子若しくは一次粒子)として捉えて、体積累積粒径を算出していると言い得る。
一方、平均粒径(DIA)は、走査型電子顕微鏡を用いて観察される金属粉の観察像を画像処理することにより得られる。この平均粒径(DIA)はFE−SEM又はSEM観察像から直接測定し倍率で換算した粒径であり、一次粒子が確実に捉えられることになるが、粒子の凝集状態の存在を全く反映させていないことになる。
これらのことを鑑みて、本発明者等は、D50とDIAとを用いて、D50/DIAで算出される値を凝集度として捉えることとした。すなわち、同一製造条件のスズ粉において、D50とDIAとの値が同一精度で測定できるものと仮定して、上述した理論で考えると、凝集状態のあることを測定値に反映させるD50の値はDIAの値よりも大きな値になると考えられる。
このとき、D50の値は、金属粉の粒子の凝集状態が全くなくなると、限りなくDIAの値に近づいてゆき、凝集度であるD50/DIAの値が1に近づく。凝集度が1となった段階で、粒子の凝集状態が全く無くなった単分散粉と言える。
本発明に係る上記スズ粉の最大粒径(Dmax)は5.0μm以下であることが望ましい。最大粒径(Dmax)は5.0μmを超えると、導電性ペーストとしたときに、微細回路形成及び微小ビアホールの穴埋め性に欠け、またビアホールの内部に充填した場合に、融着温度が高くなり、収縮挙動による寸法変化が大きく、そのビアホールの外層に位置する外層回路との接続信頼性が失われる傾向となる。上記最大粒径(Dmax)は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した値である。
(本発明に係るスズ粉含有コロイド液の製造方法)
次に、本発明に係るスズ粉含有コロイド液の製造方法について説明する。本発明に係る製造方法では、極性を有する非水溶液に可溶性スズ化合物を添加してスズイオン含有溶液を調製する。可溶性スズ化合物は特に制限されず、塩化第一スズ(SnCl・2HO)、硫酸スズ(SnSO)等が挙げられるが、取り扱い性等の点から塩化第一スズが好ましく用いられる。
ここに用いられる極性を有する非水溶液としては、アルコール、グリコール等が挙げられるが、メタノール、エタノールが好ましく用いられる。反応性から考えるとエタノールが最適である。アルコールでもプロパノール等は、スズ化合物、水素化ホウ素ナトリウムの溶解度が低いという問題がある。
また、極性を有する非水溶液中の水分含有量は30重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることがさらに好ましい。水分含有量が30重量%を超えると、未反応のスズ化合物が残留し、またスズ水酸化物等の副反応が進行し易くなる。
上記可溶性スズ化合物の濃度は、好ましくは0.001モル/l〜0.5モル/l、さらに好ましくは0.005モル/l〜0.1モル/lである。濃度が0.5モル/lを超えると、凝集が起こりやすく、0.001モル/l未満では効率が悪くなると共に、反応性が低くなり、収率が低下する。
上記非水溶液にスズ粒子の分散性を向上させるための分散剤をさらに添加してもよい。これら分散剤としては、ケトン類、アミン類、ポリオール類、エーテル類から選ばれる1種又は2種以上を用いる。ケトン類としてはアセチルアセトン、シクロヘキサノン、アミン類としてはエタノールアミン、ポリオール類としてはグリセリン、エーテル類としてはジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタートを用いることが好ましい。これら分散剤の添加量は、上記可溶性スズ化合物1.0モルに対して、上記分散剤3.0モル以下であることが好ましい。上記分散剤の添加量が3.0モルを超えても、それ以上のスズ粒子の粒子分散性向上効果は得られず、粒子分散性が悪化する場合もあり、経済的に不利でもある。
次いで、上記のようにして得られたスズイオン含有溶液を攪拌しつつ、水素化ホウ素ナトリウム溶液を緩やかに添加する。ここで言う水素化ホウ素ナトリウム溶液とは、水素化ホウ素ナトリウムを、アルコール又はアルコールと水との混合溶媒に溶解させたものである。このアルコールとしては、メタノール、エタノール等が用いられる。最も好ましくは、溶媒にエタノールを単独で使用することが好ましい。しかしながら、これらアルコールを水と混合して用いることも可能である。水を用いることで、溶媒に係るコスト増を防ぎ、より安価で高品質の製品の供給が可能となる。そして、水とアルコールとを同時に用いる場合には、添加終了後の溶液に於いて、アルコールと水の配合割合は、重量比でアルコール/水=2.5以上となるようにすることが好ましい。より好ましくは、4.0以上である。これは、本来水分量は、少ない方が好ましいからである。即ち、ここで言う重量比の値が2.5未満となるように水を増量すると、製品コストとしては安価になるが、高品質のスズ粉を得ることが出来ず、粒度分布がブロードになり、且つ、最終的なスズ粉含有コロイド液としての保存性も悪くなる。一方、水の量を可能な限り減少させることが好ましいのは当然であるが、製品品質を維持したままコストを可能な限り削減することを考えると、アルコール/水=20程度が上限値とみなせる。以上に述べたような溶媒を用いた水素化ホウ素ナトリウム溶液をスズイオンの還元剤として用いることで、クロム等の異種金属の混入が防止でき、良好な分散性を有する微細なスズ粉が得られる。
上記水素化ホウ素ナトリウム溶液の添加時間は10分〜120分であることが好ましい。添加時間が10分未満では、一時に一括添加した場合と同様に生成するスズ粉の粉粒同士が凝集する。また、添加時間が120分を超えても、粉粒の凝集を防止し、粒子分散性を高めるという意味での効果は向上しなくなり、経済的に不利である。
上記水素化ホウ素ナトリウムは、上記可溶性スズ化合物1.0モルに対して、0.5モル〜3.0モル添加することが好ましい。水素化ホウ素ナトリウムの添加量が0.5モル未満では、未反応のスズ化合物が多量に残留し、析出する粉粒が凝集しやすくなる。一方、水素化ホウ素ナトリウムの添加量が3.0モルを超えても、スズ粉の析出が速くなりすぎて、析出する粉粒同士の凝集が激しくなり、いずれも好ましくない。
本発明に係る上記製造方法において、還元剤としての上記水素化ホウ素ナトリウムの濃度が1.0モル/l以下であることが好ましく、0.01モル/l〜0.5モル/lの範囲であることが、より好ましい。水素化ホウ素ナトリウムの濃度が1.0モル/lを超えると、スズ濃度に対して還元剤濃度が高すぎ、還元析出速度が過剰になり、析出する粉粒同士の凝集が激しくなる。一方、水素化ホウ素ナトリウムの濃度が0.01モル/l未満の場合には、スズイオンの還元析出速度が遅く、工業的生産性を満足しない。
工業的には、スズイオン含有溶液(A液)と水素化ホウ素ナトリウム溶液(B液)の2液をそれぞれ調製し、バッチ式又は連続式でA液にB液を添加し、スズ粉含有コロイド液を製造することが好ましい。
このようにして得られた本発明におけるスズ粉含有コロイド液は、静置し、上澄液を取り除き、エタノール等の溶媒で数回リパルプ洗浄を行い、必要に応じ遠心分離を行い、スズ粉を濾別採取する。また、必要に応じて、セラミック膜フィルター、高分子膜フィルター等を用いて濾過、洗浄しても良い。このようにして得られるスズ粉は、例えば導体ペーストとし、半田の構成材料とされる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を具体的に説明する。
表1に示されるように、2リットルビーカーにエタノール800g(1000ml)と塩化第一スズ・2水和物16g(0.07モル)とを混合し、スズ化合物濃度0.07モル/lの溶液を調製し、これをA液とした。エタノール500mlに水素化ホウ素ナトリウム(SBH)5g(0.13モル)を溶解し、SBH溶液を調製し、これをB液とした。
A液を攪拌しながらB液を30℃で20分で添加し、さらに20分攪拌を行い、その後、リパルプ洗浄を行ったスズ粉を、テルピネオール90wt%と純水10wt%との混合溶媒中に入れ、スズ粉含有コロイド液を調製した。得られたスズ粉の平均粒径(DIA)、体積累積粒径平均値(D50)、最大粒径(Dmax)及び不純物含有量を測定した。結果を表2に示す。
平均粒径DIA(μm)については、上述した方法によって測定した。また、体積累積粒径平均値(D50)、最大粒径(Dmax)は、スズ粉0.1gをSNディスパーサント5468の0.1%水溶液(サンノプコ社製)と混合し、超音波ホモジナイザ(日本精機製作所製 US−300T)で5分間分散させた後、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置 Micro Trac HRA 9320−X100型(Leeds+Northrup社製)を用いて測定した。
また、不純物含有量(ppm)は、スズ粉を塩酸酸性溶液で全溶解し、その溶液をイオンプラズマ発光分光分析装置(ICP)で分析し、その分析値から算出した。
表1に示されるように、実施例1でSBH溶液の調製に用いたエタノール500mlに代えて、エタノール400ml及び水100mlの混合溶液を用いた以外は、実施例1と同様にしてスズ粉含有コロイド液を調製した。得られたスズ粉の平均粒径(DIA)、体積累積粒径平均値(D50)、最大粒径(Dmax)及び不純物含有量を実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。
表1に示されるように、A液に、分散剤としてアセチルアセトン10g(0.01モル)をさらに添加した以外は、実施例1と同様にしてスズ粉含有コロイド液を調製した。得られたスズ粉の平均粒径(DIA)、体積累積粒径平均値(D50)、最大粒径(Dmax)及び不純物含有量を実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。
比較例
(比較例1)
表1に示されるように、実施例1でSBH溶液の調製に用いたエタノール500mlに代えて、水500mlを用いた以外は、実施例1と同様にしてスズ粉含有コロイド液を調製した。得られたスズ粉の平均粒径(DIA)、体積累積粒径平均値(D50)、最大粒径(Dmax)及び不純物含有量を実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。
(比較例2)
表1に示されるように、A液にB液を一括で添加した以外は、実施例3と同様にしてスズ粉含有コロイド液を調製した。得られたスズ粉の平均粒径(DIA)、体積累積粒径平均値(D50)、最大粒径(Dmax)及び不純物含有量を実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。
(比較例3)
特開2003−306707号公報に記載の方法によりスズ粒子を調製した。
塩化第一スズ・2水和物10gとポリビニルピロリドン30gを純水2リットルに溶解させ、塩酸を用いて溶液のpHを1.0以下に調整し、これを母液とした。
三塩化クロム・6水和物30gを純水1リットルに溶解させ、クロム水溶液を調製した。上記母液にクロム水溶液を亜鉛粉末中を通して添加し、スズ粒子を合成した。得られたスズ粉の平均粒径(DIA)、体積累積粒径平均値(D50)、最大粒径(Dmax)及び不純物含有量を実施例1と同様に測定した。結果を表2に示す。
Figure 0005074670
Figure 0005074670
表2の結果から明らかなように実施例1〜3により得られたスズ粉は、平均粒径(DIA)が0.1μmオーダーにあり、最大粒径(Dmax)も3μm以下であり、凝集度も3.5以下と良好な範囲にある。
これに対して、比較例1では、還元反応において白色沈殿が多数生じ、最大粒径(Dmax)が7μmオーダーとなった。また、比較例2では、得られたスズ粉は凝集が著しく固まり状となった。比較例3は、還元剤として三塩化クロム・6水和物を用いたものであるが、得られたスズ粉中に、環境汚染物質として忌避されるクロムが混入していた。
本発明におけるスズ粉含有コロイド液によって、クロム等の金属を含まず、一定の分散性を有し、超微細なスズ粉が得られる。従って、このスズ粉を用いた導電性ペーストは、半田材料等の代替素材として好適に使用される。そして、本発明におけるスズ粉含有コロイド液から分離して得られるスズ粉は、微粒で粒子分散性に優れているため、多層プリント配線板のビアホールの充填用、プリント配線板へのIC部品等の部品実装時の位置決めに用いる導電性接着剤の用途に好適である。また、本発明に係る製造方法は、複雑且つ特殊な方法を採用しているものではなく、新たな設備投資も必要としない。従って、既存の設備を用いての工業的生産性に優れ、本件発明に係るスズ粉含有コロイド液を効率よく安定して大量生産することが可能となる。

Claims (9)

  1. 極性を有する非水溶液に可溶性スズ化合物を添加してスズイオン含有溶液を調製し、次いで該スズイオン含有溶液を攪拌しつつ、水素化ホウ素ナトリウム溶液を緩やかに添加することを特徴とするスズ粉含有コロイド液の製造方法。
  2. 上記水素化ホウ素ナトリウム溶液の添加時間が10分〜120分である請求項1に記載のスズ粉含有コロイド液の製造方法。
  3. 上記非水溶液がメタノール又はエタノールであり、水分含有量が30重量%以下である請求項1又は請求項2に記載のスズ粉含有コロイド液の製造方法。
  4. 上記可溶性スズ化合物の濃度が0.001モル/l〜0.5モル/lである請求項1〜請求項3のいずれかに記載のスズ粉含有コロイド液の製造方法。
  5. 上記可溶性スズ化合物1.0モルに対して、上記水素化ホウ素ナトリウムを0.5モル〜5.0モル添加する請求項1〜請求項4のいずれかに記載のスズ粉含有コロイド液の製造方法。
  6. 上記水素化ホウ素ナトリウムの濃度が1.0モル/l以下である請求項1〜請求項5のいずれかに記載のスズ粉含有コロイド液の製造方法。
  7. 上記非水溶液に分散剤を添加する請求項1〜請求項6のいずれかに記載のスズ粉含有コロイド液の製造方法。
  8. 上記分散剤は、ケトン類、アミン類、ポリオール類、エーテル類から選ばれる1種又は2種以上である請求項7に記載のスズ粉含有コロイド液の製造方法。
  9. 上記可溶性スズ化合物1.0モルに対して、上記分散剤を3.0モル以下添加する請求項7又は請求項8に記載のスズ粉含有コロイド液の製造方法。
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