JP5073737B2 - 燃料電池発電システム - Google Patents

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Description

本発明は、長寿命の燃料電池発電システムに関するものである。
近年、パソコン、携帯電話などのコードレス機器の普及に伴い、その電源である電池には、ますます小型化、高容量化が要望されている。現在、リチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が高く、小型軽量化を図り得る電池として実用化されており、ポータブル電源としての需要が増大している。しかし、このリチウムイオン二次電池は、一部のコードレス機器に対して、十分な連続使用時間を保証することができないという問題がある。
上記問題の解決に向けて、例えば固体高分子型燃料電池(PEFC)などの燃料電池の開発が進められている。燃料電池は、燃料および酸素の供給を行えば連続的に使用することが可能である。そして、正極と、負極と、電解質としての固体高分子電解質とからなる膜・電極接合体(MEA)を備え、正極活物質に空気中の酸素、負極活物質に水素を用いるPEFCは、リチウムイオン二次電池よりもエネルギー密度が高い電池として注目されている。
しかし、現在の燃料電池では、運転を停止しても、燃料電池内に残留する水素により、正極および負極の触媒粒子の成長や、触媒粒子を担持させる炭素粉末の酸化などが生じる。これにより、長期間の使用で正極および負極が劣化するという問題を生じるため、電極の長寿命化が課題とされている。上記正極および負極の劣化のメカニズムは明確ではないが、電池内に残留する水素により、各MEAの開回路電圧が1V近くに達するため、正極では触媒の粒子成長や炭素粉末の酸化が起こり、一方、負極では水素と漏れ込む酸素との燃焼反応などが生じて、正極と同様に触媒の粒子成長や炭素粉末の酸化が起こるのではないかと推測される。
上記のような燃料電池内に残留する水素に起因する正極および負極の劣化を防止する方法も検討されている。例えば、特許文献1および特許文献2には、水素を燃料とする燃料電池発電システムにおいて、システム停止後に、残留水素を消費するために、燃料電池の有する各MEAに外部抵抗を接続し、残留水素による放電を行う方法が提案されている。
更に、特許文献3には、出力用燃料電池とは別に、出力用燃料電池から外部に排出される残留水素を消費するための処理用燃料電池を、ガス排出口に配置する方法が提案されている。
特開平11−26003号公報 特開2003−115305号公報 特開2007−80721号公報 WO2006/073113号パンフレット
しかしながら、特許文献1〜特許文献3に開示された技術は、燃料電池内に余剰の水素が流入することを防ぐものではない。このため、例えば、特許文献4に記載されたように、水素発生物質と水との化学反応を利用して水素を供給する場合には、燃料電池の作動停止、すなわち、燃料電池から外部負荷への電力供給の停止と同時に、水素供給源からの水素供給を完全に停止することは難しいため、余剰水素の消費のために長時間MEAを作動させる必要が生じる。このような場合には、発電を続けることによる電極の劣化が徐々に進行することになる。また、燃料電池の中で、水素ガスの流れの上流側にあるMEA、すなわち、水素ガスの供給源により近いMEAは、水素ガスの下流側、あるいは、水素ガス排出口により近いMEAに比べ、より多くの水素ガスにさらされるため、劣化を生じやすい。特に、特許文献4に記載されたような水素供給源を用いる場合には、多くの余剰水素が燃料電池に流入する可能性があり、各MEAの間で特性のばらつきが生じるのを防ぐため、余剰水素の燃料電池への流入を抑制する必要性が高くなる。
本発明は、酸素を還元する正極と、水素を酸化する負極と、前記正極と前記負極との間に配置された固体電解質膜とを含む第1の膜・電極接合体を含む燃料電池と、前記燃料電池に水素を供給する燃料流路とを含む燃料電池発電システムであって、前記燃料電池は、前記第1の膜・電極接合体を複数含み、前記燃料流路に、前記システムの内部に存在する水素の少なくとも一部を除去することが可能な水素除去装置が接続されており、前記水素除去装置は、酸素を還元する正極と、水素を酸化する負極と、該正極と該負極との間に配置された固体電解質膜とを含む第2の膜・電極接合体を含むことを特徴とする。
本発明によれば、燃料電池の作動停止後に水素供給源から燃料電池内に流入する余剰水素を低減することができる。これにより、余剰水素による燃料電池の劣化を抑制し、燃料電池の長寿命化を図ることができる。
図1は、本発明の実施態様1の燃料電池発電システムの構成例を示す概略図である。 図2は、本発明の実施態様1の燃料電池発電システムの別の構成例を示す概略図である。 図3は、本発明の燃料電池発電システムに係る燃料電池の一例を示す模式断面図である。 図4は、本発明の燃料電池発電システムに係る水素供給源の一例を示す模式図である。 図5は、本発明の燃料電池発電システムに係る水素除去装置の一例を示す模式断面図である。 図6は、本発明の実施態様2の燃料電池発電システムの構成例を示す概略図である。 図7は、本発明の実施態様2の燃料電池発電システムの別の構成例を示す概略図である。 図8は、本発明の実施態様2の燃料電池発電システムのさらに別の構成例を示す概略図である。 図9は、本発明の実施態様2の燃料電池発電システムのさらに別の構成例を示す概略図である。 図10は、本発明の実施態様2の燃料電池発電システムのさらに別の構成例を示す概略図である。 図11は、本発明の実施態様3の燃料電池発電システムの構成例を示す概略図である。 図12は、本発明の実施態様3の燃料電池発電システムの別の構成例を示す概略図である。 図13は、本発明の実施態様3の燃料電池発電システムのさらに別の構成例を示す概略図である。 図14Aは、実施例1の燃料電池発電システムにおいて、燃料電池を構成する膜・電極接合体の平面図であり、図14Bは、図14Aの断面図である。 図15は、実施例1の燃料電池発電システムにおいて、燃料電池を構成する正極パネルプレートの平面図である。 図16は、実施例1の燃料電池発電システムにおいて、燃料電池を構成する正極端部集電プレートの平面図である。 図17は、実施例1の燃料電池発電システムにおいて、燃料電池を構成する正極集電プレートの平面図である。 図18Aは、実施例1の燃料電池発電システムにおいて、燃料電池を構成する正極絶縁プレートの平面図であり、図18Bは、図18AのI−I線断面図である。 図19Aは、実施例1の燃料電池発電システムにおいて、燃料電池を構成する燃料タンク部の平面図であり、図19Bは、図19AのII−II線断面図であり、図19Cは、図19AのIII−III線断面図である。 図20は、実施例1の燃料電池発電システムにおいて、燃料電池を構成するシール材の平面図である。 図21Aは、実施例1の燃料電池発電システムにおいて、水素除去装置を構成する膜・電極接合体の平面図であり、図21Bは、図21Aの断面図である。 図22は、実施例1の燃料電池発電システムにおいて、水素除去装置を構成する正極集電板の平面図である。 図23Aは、実施例1の燃料電池発電システムにおいて、水素除去装置を構成するタンク部の平面図であり、図23Bは、図23AのIV−IV線断面図であり、図23Cは、図23AのV−V線断面図である。 図24は、実施例1の燃料電池発電システムにおいて、水素除去装置を構成するシール材の平面図である。 図25は、実施例1の燃料電池発電システムの構成を示す概略図である。 図26は、実施例5の燃料電池発電システムの構成を示す概略図である。 図27は、実施例5の燃料電池発電システムの発電試験において、燃料電池に出入りするガスの流速の時間変化を示すグラフである。 図28は、実施例5の燃料電池発電システムの発電試験において、膜・電極接合体の電圧値の時間変化を示すグラフである。 図29は、逆流防止部を設けなかった以外は実施例5の燃料電池発電システムと同様に構成したシステムの発電試験において、燃料電池に出入りするガスの流速の時間変化を示すグラフである。
以下、図面に基づき本発明の実施形態と実施例とを説明する。図1〜図26では、同一部分または同一機能を有する部分には、原則として同一符号を付け、重複する説明を省略する場合がある。
(実施形態1)
図1は、本発明の燃料電池発電システムの一例を示す概略図である。1は燃料電池であり、電気的に直列に接続された複数の第1の膜・電極接合体(MEA)100を有しており、本発明の燃料電池発電システムが適用される電子機器などの外部負荷4に接続されている。2は、燃料電池1へ燃料である水素を供給するための水素供給源としての水素製造装置である。燃料電池1と水素製造装置2との間には、燃料流路6が形成されており、燃料流路6の途中に、水素除去装置3が配置されている。7はストップバルブであり、燃料電池1の作動停止に合わせて閉じることで、水素製造装置2から燃料電池1への水素の供給を遮断し、また、燃料電池1の作動開始に合わせて開くことで、水素製造装置2から燃料電池1への水素の供給を可能とするためのものである。
水素除去装置3は、外部負荷4がオフになった時、すなわち、燃料電池1から外部負荷4への電力供給が停止した際に作動させる。これによって、水素製造装置2から燃料電池1への水素供給が継続してしまう場合や、ストップバルブ7によって水素供給を停止しても燃料電池1内へ余剰水素が流れ込んでしまう場合に、水素除去装置3により、燃料電池1へ向かう水素を除去することが可能となる。その結果、燃料電池1内への水素供給がなくなるか、または、その供給量が大幅に低減される。また、水素製造装置2から供給される余剰水素の量よりも、水素除去装置3の水素除去の能力が高い場合は、水素製造装置2からの水素だけでなく、燃料電池1の内部に残存する余剰水素も除去することができる。
水素除去装置3は、燃料電池1の作動中に作動させることもできる。例えば、水素供給量が、燃料電池1での発電に必要とされる水素の量を超える場合に、水素除去装置3を作動させて余剰の水素を除去し、燃料電池1への水素供給量を調整することもできる。
本発明の燃料電池発電システムは、ストップバルブ7を備えなくてもよいが、ストップバルブ7を備える場合には、図1に示すように、水素製造装置2と水素除去装置3との間に配置することが好ましい。また、図1では、外部負荷4が、スイッチ(S)を介して燃料電池1に接続された構成を示しているが、外部負荷4は燃料電池1に直接接続した状態で構成してもよい。
また、水素供給源としての水素製造装置2は、本発明の燃料電池発電システムに備えられていてもよく、本発明の燃料電池発電システムとは別の構成となってもよい。
また、図2は、本発明の燃料電池発電システムの他の例を示す概略図である。図2の燃料電池発電システムは、図1に示される燃料電池発電システムの燃料電池1に備えられた個々のMEA100に、リード体などにより抵抗10を接続した例であり、その正極と負極とは、抵抗10を介して電気的に導通させることができる。
図2に示す燃料電池発電システムでは、外部負荷4への電力供給が終了し、燃料電池1の作動が停止した際に、個々のMEA100の正極−負極間を繋ぐリード体に設けたスイッチ(s)を接続して正極と負極とを導通させる。これにより燃料電池1内に残留している水素を燃料として、個々のMEA100が発電を行うため、燃料電池1内の余剰水素を消費することができる。余剰水素の処理に、水素除去装置3と、燃料電池1内のMEA100とを併用することにより、水素除去装置3のみを作動させるよりも、システム内部の余剰水素をより速く消費することができるため、余剰水素による燃料電池1の劣化をより一層抑制して、燃料電池1を更に長寿命化することができる。加えて、水素除去装置3の小型化、簡略化を図ることができる。
図2の燃料電池発電システムでは、燃料電池1の各MEA100における正極と負極とを、抵抗10を介して接続しているが、抵抗10の抵抗値は、例えば、燃料電池1の作動停止後に、MEA100の正極−負極間の電圧が0.1Vまで低下するのに要する時間が1分以内となるよう設定すればよい。また、MEA100の正極と負極とは、抵抗10を用いずにリード体で直接導通させてもよい。また、燃料電池1の全てのMEA100において、正極と負極とを電気的に導通させるよう構成する必要はなく、少なくとも1つのMEA100において、正極と負極とが電気的に導通されるよう構成してもよい。例えば、水素製造装置2に近い、水素の流れの上流側に配置されたMEA100の1つあるいは複数を、余剰水素の処理に利用すれば、下流側にあるMEA100に余剰水素が流入するのを防ぐことができる。また、下流側にあるMEA100を余剰水素の処理に利用してもよく、特性劣化を生じやすい上流側のMEA100に比べて、下流側のMEA100の発電時間を長くすることにより、燃料電池1の全体として、各MEA100の特性劣化を均一に進行させ、特性のばらつきを抑制するようにしてもよい。
図3は、本発明の燃料電池発電システムに係る燃料電池(燃料電池モジュール)の一例を示す模式断面図である。図3は断面図であるが、各構成要素の理解を容易にするために、一部の構成要素については、断面であることを示す斜線を付していない。また、図3では、MEAの正極と負極とを電気的に導通させるための構成については、示していない。
図3の燃料電池1は、正極拡散層101および正極触媒層102からなる正極と、固体電解質膜103と、負極拡散層105および負極触媒層104からなる負極とが、順次積層されてなるMEA100を3個備えており、これらのMEA100が平面状に配置されている。
それぞれのMEA100の正極側には、正極集電プレート24、25a、25b、正極絶縁プレート22、および正極パネルプレート20が順次配置されている。また、それぞれのMEA100の負極側には、負極集電プレート26、27a、27b、負極絶縁プレート23、および負極パネルプレート21が順次配置されている。
そして、全てのMEA100が、正極パネルプレート20と負極パネルプレート21とに挟持されて一体化している。また、図3では明らかにしていないが、隣り合うMEA100同士は、正極集電プレート24、25a、25bと負極集電プレート26、27a、27bとの電気的接続によって、直列に接続されている。
正極集電プレート24、25a、25b、正極絶縁プレート22および正極パネルプレート20には、燃料電池1の外部の酸素を正極に導入するための酸素導入孔が複数設けられている。そして、正極集電プレート24、25a、25bの酸素導入孔、正極絶縁プレート22の酸素導入孔、および正極パネルプレート20の酸素導入孔により、正極パネルプレート20の外表面からMEA100の正極拡散層101にまで到達する正極開口部30が複数形成されており、これら正極開口部30から、燃料電池1の外部の酸素(空気)が拡散により正極拡散層101に供給される構造となっている。
また、図3の燃料電池1では、負極集電プレート26、27a、27b、負極絶縁プレート23および負極パネルプレート21には、燃料タンク部29内の燃料を負極に導入するための燃料導入孔が複数設けられている。そして、負極集電プレート26、27a、27bの燃料導入孔、負極絶縁プレート23の燃料導入孔、および負極パネルプレート21の燃料導入孔により、負極パネルプレート21の燃料タンク部29側表面からMEA100の負極拡散層105にまで到達する負極開口部31が複数形成されており、これら負極開口部31から、燃料タンク部29内の燃料が負極拡散層105に供給される構造となっている。
図3の燃料電池1では、正極パネルプレート20と負極パネルプレート21、更には燃料タンク部29は、ボルト32とナット33によって固定されている。また、図3において、28aおよび28bはシール材である。
正極拡散層101および負極拡散層105は、多孔性の電子伝導性材料などから構成され、例えば、撥水処理を施した多孔質炭素シートなどが用いられる。正極拡散層101や負極拡散層105の触媒層側には、更なる撥水性向上および触媒層との接触性向上を目的として、フッ素樹脂粒子〔ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂粒子など〕を含む炭素粉末のペーストが塗布されている場合もある。
正極触媒層102は、正極拡散層101を介して拡散してきた酸素を還元する機能を有している。正極触媒層102は、例えば、触媒を担持した炭素粉末(触媒担持炭素粉末)と、プロトン伝導性材料とを含有している。また、必要に応じて、樹脂などのバインダを更に含有していてもよい。
正極触媒層102に用いる触媒としては、酸素を還元できるものであれば特に制限はないが、例えば、白金微粒子が挙げられる。また、上記触媒は、鉄、ニッケル、コバルト、錫、ルテニウムおよび金よりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素と白金との合金で構成される微粒子などであってもよい。
上記触媒の担体である炭素粉末としては、例えば、BET比表面積が10〜2000m2/gであり、平均粒子径が20〜100nmのカーボンブラックなどが用いられる。炭素粉末への上記触媒の担持は、例えば、コロイド法などで行なうことができる。
上記炭素粉末と上記触媒との含有比率としては、例えば、炭素粉末100質量部に対して、触媒が5〜400質量部であることが好ましい。このような含有比率であれば、十分な触媒活性を有する正極触媒層が構成できるからである。また、例えば、炭素粉末上に触媒を析出させる方法(例えば、コロイド法)で触媒担持炭素粉末が作製される場合には、炭素粉末と触媒とが上記含有比率であれば、触媒の径が大きくなりすぎず、十分な触媒活性が得られるからである。
正極触媒層102に含まれるプロトン伝導性材料としては、特に制限はないが、例えば、ポリパーフルオロスルホン酸樹脂、スルホン化ポリエーテルスルホン酸樹脂、スルホン化ポリイミド樹脂などのスルホン酸基を有する樹脂を用いることができる。ポリパーフルオロスルホン酸樹脂としては、具体的には、デュポン社製の「ナフィオン(登録商標)」、旭硝子社製の「フレミオン(登録商標)」、旭化成工業社製の「アシプレックス(商品名)」などが挙げられる。
正極触媒層102におけるプロトン伝導性材料の含有量は、触媒担持炭素粉末100質量部に対して、2〜200質量部であることが好ましい。プロトン伝導性材料が上記の量で含有されていれば、正極触媒層において十分なプロトン伝導性が得られ、電気抵抗値が大きくなりすぎず、電池性能の良好な燃料電池を得ることができるからである。
正極触媒層102に用いるバインダとしては、特に制限はないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(E/TFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)およびポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)などのフッ素樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレン、ポリエステル、アイオノマー、ブチルゴム、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体およびエチレン・アクリル酸共重合体などの非フッ素樹脂などを用いることができる。
正極触媒層102におけるバインダの含有量は、触媒担持炭素粉末100質量部に対して、0.01〜100質量部であることが好ましい。バインダが上記の量で含有されていれば、正極触媒層について十分な結着性が得られ、電気抵抗値が大きくなりすぎず、電池性能の良好な燃料電池を得ることができるからである。
負極触媒層104は、負極拡散層105を介して拡散してきた水素などの燃料を酸化する機能を有している。負極触媒層104は、例えば、触媒を担持した炭素粉末(触媒担持炭素粉末)と、プロトン伝導性材料とを含有している。必要に応じて、樹脂などのバインダを更に含有していてもよい。
負極触媒層104に用いる触媒は、水素などの燃料を酸化できれば特に制限はなく、例えば、正極触媒層102に用いる触媒として例示した前述の各触媒を用いることができる。負極触媒層104に用いる炭素粉末、プロトン伝導性材料、およびバインダについても、正極触媒層102に用いる炭素粉末、プロトン伝導性材料、およびバインダとして例示した前述の各材料を用いることができる。
固体電解質膜103は、プロトンを輸送可能であり、且つ電子伝導性を示さない材料で構成された膜であれば、特に制限はない。固体電解質膜103を構成し得る材料としては、例えば、ポリパーフルオロスルホン酸樹脂、具体的には、デュポン社製の「ナフィオン(登録商標)」、旭硝子社製の「フレミオン(登録商標)」、旭化成工業社製の「アシプレックス(商品名)」などが挙げられる。その他、スルホン化ポリエーテルスルホン酸樹脂、スルホン化ポリイミド樹脂、硫酸ドープポリベンズイミダゾールなども、固体電解質膜103の材料として用いることができる。
図4は、本発明の燃料電池発電システムに係る水素供給源の一例を示す模式図である。図4に示す水素供給源は、水素発生物質に対して連続的または断続的に水を供給し、水素発生物質と水とを反応させて水素を発生させる機構を有する水素製造装置の構成例である。
水素供給源である水素製造装置2は、水素発生物質34aを収容する水素発生物質収容容器34と、水35aを収容する水収容容器35とを備えており、水素発生物質収容容器34に、水収容容器35から水35aを供給し、水素発生物質収容容器34内において水素発生物質34aと水35aとを反応させて水素を製造する。よって、水素発生物質収容容器34は、水素発生物質34aと水35aとの反応容器としての役割も担っている。水素発生物質収容容器34で発生した水素は、水素導出パイプ39、40で構成される燃料流路を経て、燃料電池に供給される。
水収容容器35から水素発生物質収容容器34に水35aを供給する水供給パイプ38には、水供給ポンプ36が設けられている。水収容容器35に収容する水35aは、中性の水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液など、少なくとも水を含む液体であればよく、使用する水素発生物質34aとの反応性などに応じて好適なものを選択すればよい。
水素発生物質収容容器34および水収容容器35は脱着式とすることもできる。これにより、水素発生物質収容容器34内の水素発生物質34aが消費されつくしたり、水収容容器35内の水35aがなくなったりした場合に、これらを取り外し、水素発生物質34aが充填された水素発生物質収容容器34や水35aが充填された水収容容器35を新たに取り付けることで、再び水素製造を行うことが可能となる。
水素発生物質収容容器34に収容される水素発生物質34aとしては、特に制限はないが、水と120℃以下の低温で反応して水素を発生し得るものが望ましい。例えば、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウムといった金属;アルミニウム、ケイ素、亜鉛、およびマグネシウムより選ばれる1種以上の元素を50質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上含有する合金;金属水素化物;などが好適に使用できる。
上記金属や合金からなる水素発生物質は、表面に酸化皮膜を形成して安定化する。このため、反応性を高めるためには、水素発生物質の粒径をできるだけ小さくし、反応面積を大きくすることが好ましい。例えば、水素発生物質粒子の平均粒径は、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。また、粒子形状は、反応効率を高めるためにフレークであることが好ましい。粒径が小さすぎると、嵩密度が小さくなり、充填密度が低下するだけでなく、取り扱いが困難になるため、水素発生物質の粒径は、0.1μm以上とすることが好ましい。
平均粒径の測定方法としては、例えば、レーザー回折・散乱法などを用いることができる。具体的には、水などの液相に分散させた測定対象物質にレーザー光を照射することによって検出される散乱強度分布を利用した粒子径分布の測定方法である。レーザー回折・散乱法による粒子径分布測定装置としては、例えば、日機装株式会社製の「マイクロトラックHRA」などを用いることができる。
また、水素発生物質として用い得る金属水素化物としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素カリウムなどが挙げられる。これらの金属水素化物は、アルカリ水溶液中では比較的安定であるが、触媒が存在する場合、速やかに水と反応して水素を発生することができる。触媒としては例えばPt、Niなどの金属や酸などを用いることができる。
水素発生物質は、上記例示のものを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記水素発生物質は、水との反応性を高めるため、水と混合された状態で加熱してもよく、加熱された水を供給してもよい。
また、上記水素発生物質を、水と反応して発熱する発熱物質(水素発生物質以外の物質)と共に用いることにより、低温(例えば5℃程度)の水を供給しても、上記発熱物質の発熱によって反応系内の温度を高めて、迅速な水素発生を可能とし得る。
水と反応して発熱する発熱物質は、例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウムなど、水との反応により水酸化物となるか、あるいは、水和することにより発熱するアルカリ金属またはアルカリ土類金属の酸化物、塩化物、硫酸化合物などを例示することができる。また、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化リチウムなどの金属水素化物などのように水との反応により水素を生成するものは、前述の通り、水素発生物質として使用することが可能であるが、発熱物質としても用いることができる。
特に、水素発生物質として、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウムといった金属や、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、およびマグネシウムの中の1種以上の元素を主体とする合金を使用する場合には、上記発熱物質を併用することが好ましい。他方、水素発生物質として上記金属水素化物を用いる場合には、発熱物質を併用しなくても、比較的良好な速度で水素を製造できるが、発熱物質を併用して、更に水素発生速度を高めてもよい。
水素発生物質収容容器34は、水素を発生させる水素発生物質34aを収納可能であれば、その材質や形状は特に限定されないが、水の供給口や水素の導出口以外から水や水素が漏れない材質や形状が好ましい。具体的な容器の材質としては、水および水素を透過しにくく、且つ120℃程度に加熱しても容器が破損しない材質が好ましく、例えば、アルミニウム、鉄などの金属、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの樹脂を用いることができる。また、容器の形状としては、角柱状、円柱状などが採用できる。
水収容容器35については特に制限はなく、例えば、従来の水素製造装置と同様の水を収容するタンクなどが採用できる。
水収容容器35中の水35aが、水供給パイプ38を通じて水素発生物質収容容器34に供給されることで、水素発生物質収容容器34内の水素発生物質34aと反応して水素を発生するが、水素発生物質収容容器34内に存在する未反応の水が、発生した水素中に混入し、これらの混合物が水素導出パイプ40を通じて燃料電池側に流入する場合がある。
そこで、水素製造装置2には、燃料電池に水素を供給する燃料流路の途中に、凝縮水分離器37を設けることが好ましい。図4に示すように、水素発生物質収容容器34から排出される水素ガスは、水素導出パイプ39を通って凝縮水分離器37に導入される。この間、水素ガスに含まれる水分は、水素導出パイプ39内で冷却され凝縮水となる。凝縮水は、重力によって凝縮水分離器37の下部に落下するため、水素ガスを水と分離することができる。分離された水素ガスは、水素導出パイプ40を介して燃料電池側に供給される。
また、図4に示すように、凝縮水分離器37と水収容容器35とを水回収パイプ41で連結すれば、凝縮水分離器37で分離した水を水収容容器35に回収することができる。分離した水を回収することにより、水素発生のために供給する水の効率的な利用が可能となり、水収容容器35をよりコンパクトにすることができる。
図5は、本発明の燃料電池発電システムに係る水素除去装置の一例を示す模式断面図である。図5では、水素除去装置3のみを断面で示しているが、水素除去装置3の各構成要素の理解を容易にするために、一部の構成要素については、断面であることを示す斜線を付していない。
図5に示す水素除去装置3は、正極と負極とを電気的に導通させることができるよう構成された第2のMEA200を備えている。MEA200は、酸素を還元する正極触媒層202と、水素を酸化する負極触媒層204とを有しており、更に、正極触媒層202と負極触媒層204との間に固体電解質膜203を備えている。また、正極触媒層202の固体電解質膜203と接する面の反対側には、正極拡散層201が積層されており、負極触媒層204の固体電解質膜203と接する面の反対側には、負極拡散層205が積層されている。これらは図3で説明した燃料電池1に係る第1のMEA100と同様の材料で構成することができる。
MEA200は、正極拡散層201の上部に配置された正極集電板42と、負極拡散層205の下部に配置された負極集電板43とで挟持されており、正極集電板42と負極集電板43とは、例えばボルト50とナット51により固定されている。44はシリコンゴムなどからなるシール材であり、45はタンク部(水素タンク部)である。
水素除去装置3は、燃料流路である水素導出パイプ40aを介して水素製造装置2と連結され、水素製造装置2から供給される水素は、水素除去装置3の内部を通過し、燃料流路である水素供給パイプ40bを介して燃料電池に供給される。
正極集電板42および負極集電板43は、例えば、白金、金などの貴金属や、ステンレス鋼などの耐食性金属、またはカーボンなどから構成されている。また、耐食性向上のために、それらの材料の表面にメッキや塗装が施されている場合もある。
正極集電板42には複数の空気孔42aが形成されており、これら空気孔42aを通じて大気中の酸素がMEA200の正極に供給されるようになっている。一方、タンク部45へ流入する余剰の水素は、負極集電板43に形成された複数の水素導入孔43aを通じてMEA200の負極に供給される。
正極集電板42の端部には正極リード線46が、負極集電板43の端部には負極リード線47が、それぞれ接続されている。また、これらのリード線46、47は、抵抗48およびスイッチ49を介して接続されている。そして、燃料電池1の作動が停止した時、すなわち外部負荷が切断された時に、スイッチ49をオンにしてMEA200の正極−負極間を導通させることで、水素除去装置3内に流入する余剰の水素を消費できる。これにより、水素除去装置3から水素供給パイプ40bを経て燃料電池へ向かう余剰の水素を完全に無くすか、またはその量を大幅に低減することができる。
図5に示す水素除去装置3では、MEA200の正極と負極とを、抵抗48を介して接続しているが、抵抗48の抵抗値は、例えば、燃料電池の作動停止後に、MEA200の正極−負極間の電圧が0.1Vまで低下するのに要する時間が1分以内となるよう設定すればよい。また、MEA200の正極と負極とは、抵抗48を用いずにリード体で直接導通させるのでもよいし、得られる電流を二次電池に充電するか、機器の作動に利用するのであってもよい。
また、水素除去装置3と燃料電池とを連結する水素供給パイプ40bには、水素製造装置2から燃料電池へ向かう余剰水素を燃料電池発電システムの系外に排出できるようにコックなどの排出部を設けていてもよい。この場合には、上記排出部によって、燃料電池の作動停止時に水素製造装置2から燃料電池へ流入する余剰水素を燃料電池発電システムの系外に排出して、上記水素による燃料電池の劣化をより確実に防止することができる。水素をそのまま系外に排出すると、引火などの危険を生じる場合もあるが、水素除去装置3により、外部に排出される余剰水素を低減すれば、上記危険を回避することも可能である。
(実施形態2)
上記実施形態1の燃料電池発電システムにおいて、燃料電池1の気密性を高くした場合には、水素除去装置3を作動させると、燃料電池1内の残留水素が消費されて内圧が低下し過ぎる場合がある。内圧の必要以上の低下を防ぐため、本発明の燃料電池発電システムでは、ある程度残留水素が消費された段階で、外気を燃料電池1内に取り込むようにしてもよい。例えば、燃料流路6などにコックなどの外気導入部を設けていてもよい。また、以下に示す、流路切替え部により、燃料電池1への水素の流入と外気取り込みとを切替え可能としてもよい。
図6は、上記流路切替え部を設けた本発明の燃料電池発電システムの一例を示す概略図である。図6の燃料電池発電システムは、燃料流路6の途中に流路切替え部5を設け、燃料電池1に逆流防止弁9を設けた以外は、図1に示される燃料電池発電システムと同様の構成を有する。
図6では、水素製造装置2および水素除去装置3から燃料電池1へ向かう水素の流通を可能とする状態を示しているが、流路切替え部5を矢印の方向に90度回転させることにより、燃料流路6内の水素の流通を不可能にして、水素除去装置3から燃料電池1への水素の流入を遮断し、且つ燃料電池1内へ外気を取り込み可能とすることができる。8aおよび8bは開閉弁であり、流路切替え部5を図6に示す状態から矢印の方向に90度回転させた際に、燃料電池1内へ取り込む外気量を調節するためのものである。また、逆流防止弁9は、燃料電池1の内部から系外に向けて、気体を一方向のみに流すことを可能とする弁である。水素製造装置2から燃料電池1へ過剰な水素を供給した場合に、逆流防止弁9が作動すれば、この水素を系外へ排出することができ、且つ燃料電池1の運転時には外気が燃料電池1内に入るのを防ぐことができる。水素除去装置3だけでは過剰な水素を処理できない場合であっても、逆流防止弁9が作動すれば、外部に水素を排出することができる。あるいは、逆流防止弁9の向きを逆にし、燃料電池1内の圧力が低下した場合に、外気を燃料電池1内に取り込むことができるようにしてもよい。
また、7はストップバルブであり、燃料電池1の作動停止に合わせて閉じることで、水素製造装置2から燃料電池1への水素の供給を遮断し、また、燃料電池1の作動開始に合わせて開くことで、水素製造装置2から燃料電池1への水素の供給を可能とするためのものである。
水素除去装置3の作動に関しては、実施態様1の燃料電池発電システムの水素除去装置と同様に行うことができる。
燃料電池1の運転停止後の流路切替え部5による流路の切替えは、水素除去装置3が作動してから、ある程度の時間が経過した後に行うことが好ましい。図6に示す流路切替え部5を、図6に示す状態から矢印の方向に90度回転させた状態では、水素除去装置3から流路切替え部5に向かう流路は、流路切替え部5により系外へ開放されている。このため、水素除去装置3から流出する水素が系外に排出される場合もあるが、水素除去装置3による水素除去がある程度進んだ状態、すなわち燃料流路6内の残留水素がある程度消費された後に切替えを行えば、系外に排出される水素量を低減することができる。
流路切替え部5としては、気密性を有するものであって、2つの経路を切替え得る機能を有するものであれば特に限定されないが、燃料電池発電システムの重量面やコスト面、レイアウト面などを考慮すると、3方向弁や4方向弁が好適に用いられる。また、これらを例えば電気的に駆動可能な電磁弁とすることで、電気的に制御することもできる。
流路切替え部5の構成材料としては、気密性と耐腐食性とを有するものであれば特に限定されないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(E/TFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などの耐熱性フッ素樹脂;ポリプロピレン、ポリアセタール樹脂;などが好適である。
開閉弁8a、8bおよび逆流防止弁9は、必ずしも備えなくてもよいが、備えることが好ましい。開閉弁8aは、燃料電池1に向かう方向のみにガスを流すことのできる逆流防止弁であってもよく、開閉弁8bは、系外に向かう方向のみにガスを流すことのできる逆流防止弁であってもよい。更に、図6では、外部負荷4が、スイッチ(S)を介して燃料電池1に接続された構成を示しているが、外部負荷4は燃料電池1に直接接続した状態で構成してもよい。
また、図7は、流路切替え部を設けた本発明の燃料電池発電システムの他の例を示す概略図である。図7の燃料電池発電システムは、図6に示される燃料電池発電システムの燃料電池1に備えられた個々のMEA100に、リード体などにより抵抗10を接続した例である。各MEA100の正極と負極とは、抵抗10を介して電気的に導通させることができる。図7の燃料電池発電システムにおける各構成要素の作動条件などは、図2あるいは図6に示される燃料電池発電システムと同様の設定とすることができる。
図6および図7に示す構成の燃料電池発電システムでは、流路切替え部5による流路の切替えは、外部負荷4をオフにした直後(すなわち、外部負荷4への電力供給の停止後)に行ってもよいが、系外への水素排出量を低減するため、水素除去装置3またはMEA100の利用により残留水素が低減した後に行うことが好ましい。具体的には、燃料電池1の個々のMEA100の少なくとも1つの電圧が1V以下、より好ましくは0.5V以下に低下した後に流路切替え部5を作動させることが望ましい。また、燃料電池1全体の電圧で流路切替え部5の切替え時期を判断する場合には、燃料電池1の開回路電圧が、水素の流通時の1/2以下に低下してから、流路切替え部5を作動させることが望ましい。
一方、燃料電池1の気密性が高い場合には、燃料電池1内の残留水素が消費されて内圧が低下し過ぎる場合があるため、残留水素の消費が進行しすぎない段階で流路切替え部5を作動させることが好ましい。具体的には、燃料電池1の全てのMEA100の電圧が0.2V以上である状態で流路切替え部5を作動させることが好ましい。また、燃料電池1全体の電圧で流路切替え部5の切替え時期を判断する場合には、燃料電池1の開回路電圧が、水素の流通時の1/10まで低下する前に、流路切替え部5を作動させることが好ましい。
通常、燃料電池1内の残留水素濃度は均一ではなく、水素の流れの上流側のMEA100が残留水素による劣化を受け易いので、水素製造装置2に最も近いMEA100の電圧に応じて、流路切替え部5を作動させることがより好ましい。
更に、図8は、本発明の燃料電池発電システムの他の例を示す概略図である。図8に示す燃料電池発電システムでは、開閉弁8bと水素除去装置3とを接続して循環経路11を構成し、循環経路11内が異常圧力となった場合にのみ、循環経路11内の水素が系外に排出できるよう逆流防止弁12を設けている以外は、図7に示す燃料電池発電システムと同様の構成である。
図6および図7に示す燃料電池発電システムでは、開閉弁8bを通過した水素は系外に排出されるが、図8に示す燃料電池発電システムでは、循環経路11を経て水素除去装置3に再び送り込むことができる。そのため、系外へ排出される水素量を低減でき、水素除去効率をより高めることができる。
また、図9は、本発明の燃料電池発電システムの他の例を示す概略図である。図9に示す燃料電池発電システムは、図8に示す燃料電池発電システムの逆流防止弁9に代えて、流路切替え部13を設けた例である。流路切替え部13には、逆流防止弁14と開閉弁15とが接続されている。
図9の燃料電池発電システムでは、燃料電池1の作動時には、流路切替え部13は、燃料電池1側と逆流防止弁14側とで流路を形成するように設定され、燃料電池1内への外気の流入を逆流防止弁14で防止する。そして、燃料電池1の作動停止後には、流路切替え部13を矢印の方向に90度回転させ、開閉弁15を開いて、燃料電池1内へ外気を取り込むことができる。そのため、図9の燃料電池発電システムでは、例えば、図7や図8で示す構成の燃料電池発電システムよりも、燃料電池1内のガス置換をより迅速に行うことができる。
流路切替え部は、図6〜図8に示すように1つだけ設けてもよく、図9に示すように複数設けてもよいし、また、図9の流路切替え部5を省略し、流路切替え部13のみを設けても構わない。しかし、燃料電池1の作動停止後に燃料電池1内への水素の侵入をより確実に遮断できる点で、流路切替え部は、少なくとも水素除去装置3と燃料電池1との間に設けることがより好ましい。また、流路切替え部5を作動させる条件は、図8、図9および後述する図10に示す構成の燃料電池発電システムにおいても、図6および図7に示す構成の燃料電池発電システムについて説明した条件と同条件とすることができる。
また、図10は、本発明の燃料電池発電システムの他の例を示す概略図である。図10に示す燃料電池発電システムは、燃料電池1の作動停止後に、流路切替え部5、13から燃料電池1内に外気を取り込む際に、システム内の残留水素を強制的に排気可能とするためのブロア16、17を設置した例である。また、各MEA100には、逆流防止弁18が接続されている。
図10の燃料電池発電システムでは、燃料電池1の作動時にはブロア16、17は停止しておき、燃料電池1の作動停止後に、流路切替え部5、13を矢印の方向に90度回転させて流路を切替えると共に、ブロア16、17を駆動させて、流路内に強制的に外気を導入する。この際、ブロア16、17による外気の流入方向が、いずれも燃料電池1内に外気を導入する方向である場合、各MEA100に逆流防止弁18を設けた排気路を設けておくと、上記排気路を通じて僅かに残留した水素を燃料電池1外に排気することができる。
一方、例えば、ブロア16を、外気をシステム内に取り込むように駆動させ、ブロア17を、システム内の気体をシステム外に排気するように駆動させて、燃料電池1内のガス置換を行うこともできる。この場合には、開閉弁8a、15によって、排気量などの調整が可能である。
このように、図10に示す構成の燃料電池発電システムでは、図6〜図9に示す構成の燃料電池発電システムよりも迅速に燃料電池1内のガス置換を行うことができる。
(実施形態3)
燃料電池内部の圧力変動に対応することができる本発明の実施形態のうち、実施形態2とは異なる実施形態の一例を以下に示す。
図11は、内部圧力調整部を設けた本発明の燃料電池発電システムの一例を示す概略図である。図11の燃料電池発電システムは、燃料電池1に内部圧力調整部を設けた以外は、図1に示される燃料電池発電システムと同様の構成を有する。
図11に示す燃料電池発電システムは、燃料電池1内の燃料流路6と燃料電池1の外部とを通気経路57で繋いでいる。58aおよび58bは、内部圧力調整部としての逆流防止部であり、逆流防止部58aは、燃料電池1内のガス(水素)を燃料電池1の外部へ排気する方向のみに流路を開放でき、逆流防止部58bは、燃料電池1の外部から燃料電池1内に外気を取り込む方向のみに流路を開放できる。
また、7はストップバルブで、燃料電池1の作動停止に合わせて閉じることで、水素製造装置2から燃料電池1への水素の供給を遮断し、また、燃料電池1の作動開始に合わせて開くことで、水素製造装置2から燃料電池1への水素の供給を可能とするためのものである。
水素除去装置3は、外部負荷4がオフになった時、すなわち、燃料電池1から外部負荷4への電力供給が停止した際に作動させる。これによって、水素製造装置2から燃料電池1への水素供給が継続してしまう場合や、ストップバルブ7によって水素供給を停止しても燃料電池1内へ余剰水素が流れ込んでしまう場合に、水素除去装置3により、燃料電池1へ向かう水素を除去することが可能となる。その結果、燃料電池1内への水素供給がなくなるか、または、その供給量が大幅に低減される。
また、水素製造装置2から供給される余剰水素の量よりも、水素除去装置3の水素除去の能力が高い場合は、水素製造装置2からの水素だけでなく、燃料電池1の内部に残存する余剰水素も除去することができる。
水素除去装置3は、燃料電池1の作動中に作動させることもできる。例えば、水素供給量が、燃料電池1での発電に必要とされる水素の量を超える場合に、水素除去装置3を作動させて余剰の水素を除去し、燃料電池1への水素供給量を調整することもできる。
また、水素製造装置2から燃料電池1への水素供給量の変動などにより、燃料電池1の内部の圧力が高くなり過ぎた場合には、逆流防止部58aが作動して燃料電池1内のガスを燃料電池1外へ排出することができる。
一方、水素除去装置3による水素消費などにより、燃料電池1の内部の圧力が低くなり過ぎた場合には、逆流防止部58bにより、燃料電池1内に外気を素早く取入れることができる。これらの作用によって、燃料電池1の内部の圧力変動による燃料電池1の破損を防ぎ、燃料電池1の出力を安定に保つことができる。
本発明の燃料電池発電システムでは、逆流防止部58aおよび58bは、いずれか一方のみ備えていてもよいが、両者を設置していることが好ましい。
本発明の燃料電池発電システムに用い得る逆流防止部としては、気密性を有するものであって一方向の通気孔機能を有するものであれば特に限定されないが、平行移動する弁体を有するリフト型逆止弁、蝶番運動をする弁体を有するスイング型逆止弁、球状の弁体を有するボール弁などの方向逆止弁;減圧弁、安全弁、逃がし弁(チェックバルブ)などの、一定の圧力変動以上で自然に弁によるガスが排出される構造を有する圧力制御弁;などが好適に用いられる。また、上記例示の弁を電気的に駆動可能な電磁弁とすることで、燃料電池からのガスの排気や燃料電池内への外気の取り込みを電気的に制御することもできる。
逆流防止部における開放開始作動圧力の好適値は、燃料電池発電システムの大きさなどによって変動し得るが、例えば、ゲージ圧で1.0MPa以下であることが好ましい。また、燃料電池発電システムが、燃料電池1内の燃料流路から燃料電池1の外部へ排気する方向のみに流路を開放する逆流防止部58aと、燃料電池1の外部から燃料電池1の内部の燃料流路に外気が流入する方向のみに流路を開放する逆流防止部58bの両者を備えている場合における、逆流防止部58aおよび58bの開放開始作動圧力の差圧値の好適値も、燃料電池発電システムの大きさによって変動し得るが、0〜0.5MPaであることが好ましい。逆流防止部58aおよび58bの開放開始作動圧力に差を付ける場合には、燃料電池1の作動中に燃料電池1内に外気が取り込まれることによる出力低下を防止するため、逆流防止部58bの開放開始作動圧力を、逆流防止部58aの開放開始作動圧力よりも高くすることが好ましい。
逆流防止部の構成材料としては、気密性と耐腐食性とを有するものであれば特に限定されないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(E/TFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などの耐熱性フッ素樹脂;ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール樹脂;などが好適である。
また、図12は、本発明の燃料電池発電システムの他の例を示す概略図である。図12の燃料電池発電システムは、図11に示される燃料電池発電システムの燃料電池1に備えられた個々のMEA100に、リード体などにより抵抗10を接続した例を示している。各MEA100の正極と負極とは、抵抗10を介して電気的に導通させることができる。図12の燃料電池発電システムにおける各構成要素の作動条件などは、図2あるいは図11に示される燃料電池発電システムと同様の設定とすることができる。
図12の燃料電池発電システムでは、外部負荷4をオフにし、個々のMEA100において、正極−負極間を繋ぐリード体に設けたスイッチ(s)をオンにして燃料電池1内の残留水素を消費すると、燃料電池1内の圧力が低下する。この場合、逆流防止部58bが自動的に開放され、燃料電池1内に外気を取り込んで内圧の低下を防止する。このため、燃料電池1の破損を防ぐことができる。
図11や図12に示す燃料電池発電システムのように、通気経路57をT字状に分岐させる場合には、逆流防止部58aによって燃料電池1内の燃料流路6から燃料電池1の外部へ水素などを排気する際に、燃料電池1内で発生した水などが通気経路57内に侵入して逆流防止部58bの機能を低下させることもある。このような場合には、逆流防止部58aに接続する通気経路と、逆流防止部58bに接続する通気経路とを、後述する図13のように、別々に設ければよい。
また、本発明の燃料電池発電システムには、逆流防止部58aおよび58bのいずれか一方あるいは両方を複数個設けてもよい。
図13は、本発明の燃料電池発電システムの他の例を示す概略図である。図13に示す燃料電池発電システムでは、別々の通気経路57a、57bを備え、逆流防止部58aのガス放出側で、通気経路57aはT字状に分岐している。分岐した通気経路57aの一端には、通気経路57a側から外部に排気する方向のみに流路を開放する逆流防止部58cが設置されており、他の一端は水素除去装置3と接続され循環経路60を形成している。循環経路60には、水素除去装置3に流入する方向にのみ流路を開放する逆流防止部58dが設置されている。図13の燃料電池発電システムでは、燃料電池1の通気経路57aから逆流防止部58aを経て排出された余剰のガスを、循環経路60を経由し、逆流防止部58dを経て水素除去装置3に導入することができる。そのため、燃料電池1から通気経路57aを経て燃料電池1外に排出される水素の量を減らすことが可能であり、水素除去効率をより高めることができる。
図13の燃料電池発電システムでは、システムの大きさによって、逆流防止部58a、58c、58dの開放開始作動圧力の差圧値の好適な範囲が変動し得るが、逆流防止部58aと逆流防止部58cとの差圧値、逆流防止部58aと逆流防止部58dとの差圧値、逆流防止部58cと逆流防止部58dとの差圧値のいずれについても、0〜0.5MPaであることが好ましい。また、逆流防止部58a、58c、58dの開放開始作動圧力に差を付ける場合には、開放開始作動圧力の大きさの関係が、58c>58a>58dであることが好ましい。
これまで図1〜図13を用いて本発明を説明したが、図1〜図13は、本発明の一例を示したものに過ぎず、本発明の燃料電池発電システムは、図1〜図13に示すものに限定される訳ではない。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。
(実施例1)
<燃料電池の作製>
まず、図3に示す構造の燃料電池を作製した。第1のMEA100には、図14A、Bに示す構成のものを用いた。図14AはMEA100の平面図、図14BはMEA100の断面図であり、図14Bでは各構成要素の理解を容易にするために、断面であることを示す斜線を省略している。MEA100の正極および負極には、カーボンクロス上にPt担持カーボンを塗布した電極(E−TEK社製「LT140E−W」、Pt量:0.5mg/cm2)を用いた。また、固体電解質膜103には、デュポン社製の「ナフィオン112」を用いた。各電極の大きさは25mm×92mm、固体電解質膜の大きさは29mm×96mmとした。
燃料電池1の作製に用いた正極パネルプレート20の平面図を図15に示す。正極パネルプレート20には、ステンレス鋼(SUS304)製で厚みが2mmのものを用いた。図15において、30aは酸素導入孔であり、図3において正極開口部30を形成する。53は、正極パネルプレート20と負極パネルプレート21とをボルト32とナット33で固定するためのネジ穴である。正極パネルプレート20には、各MEA100の正極拡散層101と対応するように、酸素導入孔30aとして、1×13mmの長方形型の穴を、各々上下に6個、左右に12個、合計72個を1セットとして、合計3セット配置した。負極パネルプレート21も正極パネルプレート20と同様の材質、形状とした。すなわち、パネルプレートにおける開口は、正極では正極開口部30を形成する酸素導入孔となり、負極では負極開口部31を形成する燃料導入孔となる。
また、燃料電池1の作製に用いた正極集電プレート(正極端部集電プレート)24の平面図を図16に、正極集電プレート25a、25bの平面図を図17に示す。図16および図17において、30bは酸素導入孔であり、図3において正極開口部30を形成する。また、図16に示す正極端部集電プレート24には、正極集電端子部54が設けられており、図17に示す正極集電プレート25a、25bには正極直列接続タブ55がそれぞれ2つ設けられている。
正極集電プレート24、25a、25bには、ニッケルに金メッキを施した厚み0.3mmのものを用い、酸素導入孔30bおよびネジ穴53の形状および配置は、正極パネルプレート20における酸素導入孔およびネジ穴と同様とした。また、負極端部集電プレート26は正極端部集電プレート24と同様の材質、形状とし、負極集電プレート27a、27bは正極集電プレート25a、25bと同様の材質、形状とした。すなわち、集電プレートにおける開口は、正極では正極開口部30を形成する酸素導入孔となり、負極では負極開口部31を形成する燃料導入孔となる。
燃料電池1の作製に用いた正極絶縁プレート22を図18A、Bに示す。図18Aは正極絶縁プレート22の平面図である。また、図18Bは図18AのI−I線断面図であるが、ネジ穴53の配置を点線で示しており、この配置の理解を容易にするために、断面であることを示す斜線を省略している。正極絶縁プレート22は、金属製の正極パネルプレート20と、正極集電プレート24、25a、25bとの間に配置され、これらのプレート間を絶縁するためのものである。図18A、Bにおいて、66は正極集電プレート24、25a、25bを収めるための凹部である。
正極絶縁プレート22には、ガラスエポキシ樹脂製で厚みが0.5mmのものを用いた。酸素導入孔30cおよびネジ穴53の形状および配置は、正極パネルプレート20における酸素導入孔およびネジ穴と同様とした。また、負極絶縁プレート23は正極絶縁プレート22と同様の材質、形状とした。すなわち、絶縁プレートにおける開口は、正極では正極開口部30を形成する酸素導入孔となり、負極では負極開口部31を形成する燃料導入孔となる。
燃料電池1の作製に用いた燃料タンク部29を図19A、B、Cに示す。図19Aは燃料タンク部29の平面図である。また、図19Bは図19AのII−II線断面図、図19Cは図19AのIII−III線断面図であるが、これらの断面図ではネジ穴53の配置を点線で示していることから、この配置の理解を容易にするために、断面であることを示す斜線を省略している。
燃料タンク部29は、燃料をMEA100の負極へ供給したり、燃料を保持するために設けるものであり、燃料を供給するための燃料供給口67と、燃料を排出するための燃料排出口68を設けており、さらに、燃料の供給が各MEA100に均一に行われるように、燃料流通ガイド部69を設けている。燃料は、タンク内部70に保持される。
燃料タンク部29には、ガラスエポキシ樹脂製で厚み3mmのものを用いた。中央のタンク内部70の深さは2mmとした。
燃料電池1の作製に用いたシール材28a、28bの平面図を図20に示す。シール材28a、28bは、MEA100の上下に配置するものであり、その際、MEA100の電極はシール材28a、28bに設けた孔72に収まり、固体電解質膜103のうち電極部分からはみ出た部分は、シール材28a、28bに挟まれる。このような構成とすることで、燃料と空気中の酸素とを隔離して、燃料電池1を良好に機能させることが可能となる。シール材28a、28bには直列接続タブ接触エリア71を設けてあり、この部分で正極集電プレートの正極直列接続タブと負極集電プレートの負極直列接続タブとを電気的に接触させ、各MEA100を直列に接続する。
シール材28a、28bには、シリコンゴム製で厚み0.2mmのものを用い、MEA100の電極を収めるための孔72の大きさは26mm×93mmとした。
以上の各部材を図3に示す順序で積層し、ボルト32とナット33を用いて一体化し、MEA100を3個直列に接続して燃料電池1を作製した。また、各MEA100には、正極および負極にリード体を取り付け、10Ωの抵抗およびスイッチをこれらのリード体に接続して、正極−負極間を導通可能とした。
<水素除去装置の作製>
次に、図5に示す構造の水素除去装置3を作製した。第2のMEA200には、図21A、Bに示す構成のものを用いた。図21AはMEA200の平面図、図21BはMEA200の断面図であり、図21Bでは各構成要素の理解を容易にするために、断面であることを示す斜線を省略している。MEA200の正極、負極および固体電解質膜には、燃料電池1の第1のMEA100における正極、負極および固体電解質膜と同じものを用いた。各電極の大きさは30mm×60mm、固体電解質膜の大きさは34mm×64mmとした。
水素除去装置3の作製に用いた正極集電板42の平面図を図22に示す。図22において、73は、水素除去装置3の正極集電板42、負極集電板43およびタンク部45をボルト50とナット51で固定するためのネジ穴である。また、正極集電板42の端部には、正極リード線46が接続されている。
正極集電板42には、ニッケルに金メッキを施した厚み2mmのものを用いた。正極集電板42には、MEA200の正極拡散層201と対応するように、空気孔42aとして、1×13mmの長方形型の穴を、各々上下に4個、左右に15個、合計60個配置した。負極集電板43も正極集電板42と同様の形状、材質とした。すなわち、集電板における開口は、正極では空気孔42aとなり、負極では、図5に示される水素導入孔43aとなる。
水素除去装置3の作製に用いたタンク部45を図23A、B、Cに示す。図23Aはタンク部45の平面図、図23Bは図23AのIV−IV線断面図、図23Cは図23AのV−V線断面図である。タンク部45は、水素製造装置2から水素除去装置3に流入する水素を保持し、MEA200の負極へ上記水素を供給するために設けるものであり、水素を供給するための水素供給口75と、水素を排出するための水素排出口76を備えている。水素は、タンク内部74に保持される。図23Aにおいて、73はネジ穴である。
タンク部45には、ガラスエポキシ樹脂製で厚み3mmのものを用いた。中央のタンク内部74の深さは2mmである。
水素除去装置3の作製に用いたシール材44の平面図を図24に示す。シール材44は、シリコンゴム製で厚みが0.2mmであり、MEA200の電極を収めるため、31mm×61mmの大きさの孔77が形成されている。図24において、73はネジ穴である。
以上の各部材を図5に示す順序で積層し、ボルト50とナット51を用いて一体化した。さらに、正極集電板42および負極集電板43に、それぞれ、正極リード線46および負極リード線47を取り付け、20mΩの抵抗48およびスイッチ49をこれらのリード線に接続して、MEA200の正極−負極間を導通可能とした。
<水素製造装置の作製>
次に、図4に示す構成の水素供給源である水素製造装置2を作製した。水素発生物質収容容器34には、内容積50cm3のポリプロピレン製の角柱状の容器を用いた。水供給パイプ38、水素導出パイプ39、40、および水回収パイプ41には、内径2mm、外径3mmのポリプロピレン製のパイプを用いた。水素発生物質収容容器34に、水素発生物質である平均粒径3μmのアルミニウム粉末19.7gと、発熱物質である酸化カルシウム2.5gの混合物を入れた。水収容容器35には、内容積50cm3のポリプロピレン製の角柱状の容器を用い、その中に水を45g入れた。凝縮水分離器37には、内容積30cm3のポリプロピレン製の角柱状の容器を用いた。
<燃料電池発電システムの組み立て>
以上の燃料電池1、水素製造装置2および水素除去装置3を用いて、図25に示す構成の燃料電池発電システムを組み立てた。図25に示す燃料電池発電システムは、3つのMEA100を用い、ストップバルブ7を設置しなかった以外は、図2に示す燃料電池発電システムと同様の構成である。燃料電池1と水素除去装置3との間を連結する水素供給パイプ(図5における水素供給パプ40b)には、内径2mm、外径3mmのポリプロピレン製のパイプを用いた。
<発電試験>
上記燃料電池発電システムを用いて、25℃で発電試験を行った。水素製造装置2の水供給ポンプ36により、水収容容器35内の水35aを水素発生物質収容容器34へ供給して水素を発生させ、燃料電池1に水素を供給した。外部負荷4により、2.0Vの定電圧で燃料電池1を作動させ、4時間発電を行った。発電終了後に、外部負荷4を切断し、さらに水供給ポンプ36による水供給を停止し、同時に水素除去装置3のスイッチ49をオンにした。また、各MEA100に設けたスイッチ(s)も同時にオンにし、MEA100の正極と負極を電気的に導通させた。翌日、水素発生物質収容容器34および水収容容器35を取り外し、新たに水素発生物質および水を各容器に同量再投入し、上記と同じ条件で再び発電を開始した。この試験を毎日繰り返し実施した。
(比較例1)
水素除去装置3を設置しなかった以外は、実施例1と同様にして燃料電池発電システムを作製し、実施例1と同条件で発電試験を繰り返し実施した。
実施例1および比較例1の燃料電池発電システムについて、1回目の発電試験の発電出力を基準にして、発電出力が1回目の発電出力の80%に低下するまでに繰り返すことのできる発電試験の回数を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0005073737
表1に示す通り、実施例1の燃料電池発電システムでは、1回目の発電出力の80%以上を維持できる発電回数が94回であった。一方、比較例1の燃料電池発電システムでは14回であった。実施例1や比較例1の燃料電池発電システムで採用している水素供給源のように、水素発生物質と水が反応して水素を発生する方式の水素供給源の場合には、水素発生物質と水との接触を止めた後も、しばらく水素が発生し続ける。比較例1の燃料電池発電システムの場合、水素除去装置がないために、長時間に渡って水素が燃料電池へ供給される。このため、比較例1では、正極および負極において、触媒粒子の成長や炭素粒子の酸化などが生じて劣化が進行したと思われる。一方、実施例1の燃料電池発電システムでは、水素除去装置によって上記劣化が抑制されたために、比較例1の燃料電池発電システムよりも長期間、燃料電池の特性を維持することができたと思われる。
(実施例2)
実施例1の燃料電池発電システムにおいて、水素除去装置3と燃料電池1とを接続する燃料流路に流路切替え部を設け、さらに、燃料電池1に逆流防止弁を設けることにより、図7に示される燃料電池発電システムと同様のシステムを構成した。ただし、本実施例のシステムでは、3つのMEA100を用い、ストップバルブ7は設置していない。
<発電試験>
実施例2の燃料電池発電システムを用いて、25℃で発電試験を行った。水素製造装置2の水供給ポンプ36により、水収容容器35内の水35aを水素発生物質収容容器34へ供給して水素を発生させ、燃料電池1に水素を供給した。外部負荷4により、2.0Vの定電圧で燃料電池1を作動させ、4時間発電を行った。発電終了後に、外部負荷4を切断し、さらに水供給ポンプ36による水供給を停止し、同時に水素除去装置3のスイッチ49をオンにした。また、各MEA100に設けたスイッチ(s)も同時にオンにし、MEA100の正極と負極を電気的に導通させた。さらに、燃料電池1の各MEA100の電圧が1V以下になった時に、流路切替え部5を作動させ流路を切替えた。
(実施例3)
燃料電池1の各MEA100に設けられたスイッチ(s)を作動させなかった以外は、実施例2と同様にして発電試験を行った。
(実施例4)
流路切替え部5を作動させない以外は、実施例3と同様にして発電試験を行った。
(比較例2)
比較例1の燃料電池発電システムにおいて、さらに各MEA100に設けられたスイッチ(s)を作動させなかった以外は、実施例1と同様にして発電試験を行った。
実施例2〜4および比較例2の発電試験において、燃料電池1の作動停止後、すなわち外部負荷4をオフにした後に、燃料電池1の電圧変化を測定し、電圧が1.5Vに降下するまでに要する時間を求めた。その結果を表2に示す。
Figure 0005073737
水供給ポンプ36の停止後も、水素製造装置2から燃料電池1側への水素供給が暫く続いたため、表2に示すように、水素除去装置3を持たない比較例2の燃料電池発電システムでは、電圧降下にかなりの時間を要した。一方、水素除去装置3を有する実施例2〜4の燃料電池発電システムでは、水素除去装置3により燃料電池1内に流入する水素を大幅に低減できたため、燃料電池1の電圧を短時間で低下させることができた。特に、燃料電池1の各MEA100も水素除去に利用した実施例2の燃料電池発電システムでは、より短時間での余剰水素の処理が可能となった。
実施例2および実施例3の燃料電池発電システムでは、流路切替え部5の動作により、燃料電池1への水素流入を防ぐことができたが、流路切替え部5を作動させなかった実施例4の燃料電池発電システムでは、しばらくの間、水素除去装置3により消費されない水素が燃料電池1に流入し続けた。従って、水素除去装置の能力によっては、水素除去装置と流路切替え部を併用することが望ましい。
(実施例5)
実施例1の燃料電池発電システムにおいて、水素製造装置2と水素除去装置3の間にストップバルブ7を設け、さらに、燃料電池1に逆流防止部58a、58bを設けることにより、図26に示される燃料電池発電システムを構成した。逆流防止部58a、58bとしてはチェックバルブを用いた。また、逆流防止部58a、58bの両端の通気経路をそれぞれ合流させて通気経路57、81とし、逆流防止部58a、58bを経由して出入りするガスの流速を測定するため、通気経路81にはマスフローメーター82を接続した。マスフローメーター82には、KOFLOC社製の「マスフローMODEL3660」を使用した。
<発電試験>
実施例5の燃料電池発電システムを用いて、25℃で発電試験を行った。水素製造装置2の水供給ポンプ36により、水収容容器35内の水35aを水素発生物質収容容器34へ供給して水素を発生させ、燃料電池1に水素を供給した。外部負荷4により、2.0Vの定電圧で燃料電池1を作動させ、4時間発電を行った。発電開始から40分後に、燃料電池1の水素製造装置2側のMEA100の電圧値(A)と、通気経路57側のMEA100の電圧値(B)の測定を開始し、200秒間測定を継続した。
また、発電開始から500秒後に、マスフローメーター82により、燃料電池1に出入りするガスの流速の測定を開始し、発電開始から3000秒後まで測定を継続した。上記発電試験での、燃料電池1に出入りするガスの流速の時間変化を図27に示す。また、燃料電池1の水素製造装置2側のMEA100の電圧値(A)、および通気経路57側のMEA100の電圧値(B)の変化を図28に示す。それぞれの電圧値は、モニタリング開始時の値を基準とする相対値で示している。
チェックバルブ(逆流防止部58a、58b)を設置している実施例5のシステムでは、図27に示されるように、ガスの流速が全体的に安定しており、一方、瞬間的に大きな圧力変動があった場合は、開弁してガスを通気し、圧力変動を効果的に抑制していることがわかる。このため、図28に示されるように、安定して燃料電池1を作動させることができた。比較のため、逆流防止部58a、58bを設けずに、通気経路57と81とを直接接続して構成した燃料電池発電システムにおけるガスの流速の時間変化を図29に示すが、ガスの流速は、全体的にマイナス側に振れつつ大きく変動しており、燃料電池1内に供給される水素の圧力変動によって、燃料電池1の内圧が変動しやすいことがわかる。このため、燃料電池1の出力は、燃料電池1内に供給される水素の圧力変動の影響を受けやすくなる。
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、上記以外の形態としても実施が可能である。本出願に開示された実施形態は一例であって、これらに限定はされない。本発明の範囲は、上述の明細書の記載よりも、添付されている請求の範囲の記載を優先して解釈され、請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更は、請求の範囲に含まれるものである。
本発明の燃料電池発電システムでは、燃料電池の作動停止時における水素による燃料電池の劣化を、比較的簡易な機構で抑制できるため、システムの小型化も容易である。よって、本発明の燃料電池発電システムは、高機能のポータブル型電子機器の電源用途を始めとして、従来の燃料電池が適用されている各種用途に好ましく用いることができる。
1 燃料電池
2 水素製造装置
3 水素除去装置
4 外部負荷
5、13 流路切替え部
6 燃料流路
7 ストップバルブ
8a、8b、15 開閉弁
9、12、14、18 逆流防止弁
10 抵抗
11 循環経路
16、17 ブロア
100 第1の膜・電極接合体
200 第2の膜・電極接合体

Claims (11)

  1. 酸素を還元する正極と、水素を酸化する負極と、前記正極と前記負極との間に配置された固体電解質膜とを含む第1の膜・電極接合体を含む燃料電池と、
    前記燃料電池に水素を供給する燃料流路とを含む燃料電池発電システムであって、
    前記燃料電池は、前記第1の膜・電極接合体を複数含み、
    前記燃料流路に、前記システムの内部に存在する水素の少なくとも一部を除去することが可能な水素除去装置が接続されており、
    前記水素除去装置は、酸素を還元する正極と、水素を酸化する負極と、該正極と該負極との間に配置された固体電解質膜とを含む第2の膜・電極接合体を含むことを特徴とする燃料電池発電システム。
  2. 前記燃料電池の作動時に、前記水素除去装置により、前記燃料電池に供給される水素流量を調整することのできる請求項1に記載の燃料電池発電システム。
  3. 前記第1の膜・電極接合体の前記正極と前記負極とを、電気的に導通させることのできる請求項1に記載の燃料電池発電システム。
  4. 前記第2の膜・電極接合体の前記正極と前記負極とを、電気的に導通させることのできる請求項に記載の燃料電池発電システム。
  5. 前記燃料電池への水素の流入と外気の取り込みとを切替えることができる流路切替え部をさらに含み、
    前記流路切替え部は、前記燃料電池と前記水素除去装置との間の前記燃料流路に配置されている請求項1に記載の燃料電池発電システム。
  6. 前記燃料電池への水素の流入と外気の取り込みとを切替えることができる流路切替え部をさらに含み、
    前記流路切替え部は、前記燃料電池と前記水素除去装置との間の前記燃料流路に配置され、
    少なくとも1つの前記第1の膜・電極接合体の電圧が1V以下に低下した後に、前記流路切替え部を作動させて前記システムの内部に外気を取り込む請求項1に記載の燃料電池発電システム。
  7. 前記燃料電池への水素の流入と外気の取り込みとを切替えることができる流路切替え部をさらに含み、
    前記流路切替え部は、前記燃料電池と前記水素除去装置との間の前記燃料流路に配置され、
    全ての前記第1の膜・電極接合体の電圧が0.2V以上の状態で、前記流路切替え部を作動させて前記システムの内部に外気を取り込む請求項1に記載の燃料電池発電システム。
  8. 逆流防止部をさらに含み、
    前記逆流防止部は、前記燃料電池の内部の余剰の水素を外部に放出させることのできる請求項1に記載の燃料電池発電システム。
  9. 逆流防止部をさらに含み、
    前記逆流防止部は、外気を燃料電池の内部に取り込むことのできる請求項1に記載の燃料電池発電システム。
  10. 水素供給源をさらに含む請求項1に記載の燃料電池発電システム。
  11. 前記水素供給源は、水と反応して水素を発生する水素発生物質である請求項10に記載の燃料電池発電システム。
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