JP2008210697A - 燃料電池発電システムの停止保管方法およびプログラム並びに燃料電池発電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】直流電源や直流電源の稼動に必要な電力が不要なシステムに適用可能な方法により、燃料電池スタック内部の酸素分圧低下効果を長期にわたって持続可能であり、システムの長期停止時でも酸化剤極の触媒劣化を防止して発電効率の向上に寄与でき、しかも、システム構成に制約を受けることなく経済的に優れた燃料電池発電システムとその停止保管方法並びにプログラムを提供する。
【解決手段】燃料電池スタック1を外部負荷5から固定抵抗7に切り替えた後、酸化剤極入口補助バルブ6eを閉止し、セル1Bの単電池電圧を低下させる。そして、セル1Bの平均単電池電圧が0.1V近傍まで低下した時点で、酸化剤供給ライン13に設けた酸化剤極入口バルブ6cを閉止して、その他のセル1Aの酸化剤極1bに関しても空気の供給を停止する。
【選択図】図1

Description

燃料電池発電システムの発電停止後に実施される停止保管技術に係り、特に、システムの停止保管に際して燃料電池内の酸化剤極を長期間還元雰囲気に保持可能な燃料電池発電システムの停止保管方法およびプログラム並びに燃料電池発電システムに関するものである。
燃料電池発電システムとは、水素等の燃料と空気等の酸化剤を燃料電池に供給して、電気化学的に反応させることにより、燃料の持つ化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換して外部へ取り出す発電システムである。この燃料電池発電システムは、比較的小型の構成で実現でき、しかも発電効率が高い。また、発電に伴って発生する熱を温水や蒸気として回収することにより、コージェネレーションシステムとしての運用が可能である。したがって、環境調和が重視される近年、大きな注目を集めている。
このような燃料電池発電システムにおいて、実際に発電機能を担っている燃料電池としては、電解質の違い等により様々なタイプのものが提案されている。具体的には、電解質に固体高分子電解質膜を用いた固体高分子形燃料電池等が知られている。固体高分子形燃料電池は、低温動作性や高出力密度等の特徴から、一般家庭用を視野に入れた小型コージェネレーションシステム、あるいは電気自動車用の動力源としての用途に適している。そのため、今後さらに市場規模が拡大することが予想されており、性能および信頼性の向上を図るべく、開発がなされている。
ここで、固体高分子形燃料電池を用いた発電システムについて、一般家庭用の小型コージェネレーションシステムを例にとり、図6を参照して簡単に説明する。燃料電池発電システムは、燃料電池スタック1、改質装置2、電気制御装置3、空気ブロワ4、外部負荷5、制御装置10等から構成されている。
このうち、改質装置2は、都市ガスやLPG等に代表される炭化水素系燃料を水蒸気改質して水素含有ガスである改質ガスを製造する装置である。燃料電池スタック1は、電解質(図示せず)を挟んで配置した燃料極1aと酸化剤極1bとを有するセルを複数積層して構成される。燃料電池スタック1では、改質装置2で製造された改質ガスを燃料として燃料極1aに取り入れると共に、空気ブロワ4により送り込まれる大気中の空気を酸化剤として酸化剤極1bに取り入れて、両者の電気化学反応によって起電力を発生させている。電気制御装置3は、燃料電池スタック1で発生した電気エネルギーを外部負荷5に供給する装置である。
また、燃料電池スタック1において、燃料極1a側には、燃料極1aに燃料を供給する燃料供給ライン11と、燃料極1aから燃料を排出する燃料排出ライン12が接続されている。また、酸化剤極1b側には、酸化剤極1bに酸化剤を供給する酸化剤供給ライン13と、酸化剤極1bから酸化剤を排出する酸化剤排出ライン14が接続されている。
上記の各ライン11〜14には次のようなバルブ6a〜6dが設置されている。燃料極1aの入口側には燃料供給ライン11を閉止する燃料極入口バルブ6aが設けられている。酸化剤極1bの入口側には酸化剤供給ライン13を閉止する酸化剤極入口バルブ6cが設けられている。一方、燃料極1aの出口側には燃料排出ライン12を閉止する燃料極出口バルブ6bが設けられ、酸化剤極1bの出口側には、酸化剤排出ライン14を閉止する酸化剤極出口バルブ6dが設けられている。
制御装置10は、燃料電池発電システムの制御用に特化したプログラムを記憶させたマイコンにより実現されており、改質装置2、電気制御装置3、空気ブロワ4といった各装置の起動・停止、並びにバルブ6a〜6dの開閉を制御するように構成されている。なお、図6中の一点鎖線は、システム制御装置10と各部との間でやり取りされる制御指令などの信号を示している。
ところで、上記のような燃料電池発電システムを運転する場合、燃料電池スタック1の燃料極1aへの燃料投入が前提となる。このため、単位燃料供給量に対する発電量で発電効率が定義されることになり、この発電効率が高いほど、燃料使用量を削減することができるので、ユーザメリットは向上する。したがって、燃料電池スタック1の発電効率が燃料電池発電システムの性能を示す指標となっている。燃料電池スタック1は、運転に伴う様々な要因により経時的に電圧が低下するので、結果として発電効率が低下する。すなわち、燃料電池スタック1の経時的な電圧低下を抑制することが、発電効率の高い燃料電池発電システムを実現する上で、最も重要なポイントとなっている。
また、燃料電池発電システムは、ユーザの電力需要に応じて定期的に起動停止と再起動を繰り返して運用するが、停止保管時には燃料および酸化剤の供給を停止する。その際、燃料電池スタックの燃料極と酸化剤極に対し外部から空気の混入が避けられない。燃料極と酸化剤極の両極に酸素が存在する状態のままで、燃料電池発電システムを起動した場合に、燃料極に水素含有ガス、つまり改質ガスを供給すると、局所的に酸化剤極触媒の劣化が生じることがあり、燃料電池スタックの電圧低下を引き起こす。
このような酸化剤極の触媒劣化による燃料電池スタックの電圧低下を防ぐには、酸化剤極の酸素分圧を予め低減させておくことが有効である。酸化剤極の酸素分圧低減方法としては、燃料電池発電システムの起動前に窒素等で置換する方法や、燃料の供給時に固定負荷を接続して酸化剤極の残存酸素を消費する方法等が知られている。
また、燃料電池システムの停止保管時に酸化剤極を酸素雰囲気に保持していると、酸化剤極の高電位保持に起因する触媒のシンタリング、さらは燃料極への酸素の透過による電解質膜の劣化が発生する。このため、発電システムの起動前や、燃料の供給時に限らず、システムの停止保管時にも、酸素分圧を低減して酸化剤極を還元雰囲気にしておくことが好ましいと言える。
現状では、システムの発電停止時に窒素パージ等により酸化剤極の酸素分圧を低減させた後、燃料電池を密封する方法が知られている。しかし、この方法では、シール材の経年劣化やシール機能の限界等の問題から、停止保管時に外部から微量の空気が徐々に燃料電池スタック内部に混入してしまう。その結果、酸化剤極が還元雰囲気に保持される時間が短くなり、長期停止に対応できないという問題があった。
そこで、例えば特許文献1記載の技術のように、燃料電池の燃料極に水素含有ガスを供給すると共に、前記燃料極から外部回路を経由して、燃料極へ直流電流を流す直流電流通電操作を実施し、酸化剤極に水素含有ガスを充填させ、その後に燃料電池を密封する方法が提案されている。この方法によれば、封入された水素により停止保管時に外部から購入した酸素を消費することができるので、酸化剤極内部を長期間にわたって還元雰囲気に保持することが可能である。
特開2006−147250号公報
しかしながら、特許文献1に記載した方法では、直流電流通電操作を行うことからも明らかなように、直流電源と、直流電源を稼動させる電力が不可欠であった。したがって、直流電源を備えたシステムまたは直流電源を稼動させる電力に余裕のあるシステムにしか適用することができない。そのため、システム構成に制約を受け、経済的に不利となっていた。
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであり、直流電源や直流電源の稼動用電力が不要なシステムに適用可能な方法により、燃料電池スタック内部の酸素分圧低下効果を長期にわたって持続可能であり、システムの長期停止時でも酸化剤極の触媒劣化を防止して発電効率の向上に寄与でき、しかも、システム構成に制約を受けることなく経済的に優れた燃料電池発電システムとその停止保管方法並びにプログラムを提供することを目的とするものである。
本発明は、上記の目的を達成するために、電解質を挟んで配置した燃料極と酸化剤極とを有する単電池を複数積層して構成される燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに燃料および酸化剤をそれぞれ供給する燃料供給ラインおよび酸化剤供給ラインと、前記燃料電池スタックへ供給された燃料および酸化剤をそれぞれ排出する燃料排出ラインおよび酸化剤排出ラインを備えた燃料電池発電システムにおいて、その発電停止過程で、次のような操作を行うことを特徴としている。
まず、燃料電池スタックを固定抵抗に接続し、続いて燃料電池スタックへの酸化剤供給量を絞ることで、酸化剤極中の酸素濃度を低下させ、さらに一部のセルでは酸素の還元反応に引き続き、燃料極から電解質膜を介して移動したプロトンの還元反応により水素を生成するようにしたものである。なお、本発明は、燃料電池発電システムの停止保管方法と、そのコンピュータプログラム並びに燃料電池発電システムを包含している。
以上のような本発明では、燃料電池発電システムの発電停止過程で、酸化剤供給量を絞って一部のセルの起電力を低下させた後、酸化剤ラインを閉止し、最後に燃料ラインを閉止することで、燃料極に供給した燃料中の水素を電気化学的に酸化剤極に移動させ、この水素によって停止保管時に外部から混入した酸素を消費することができる。したがって、燃料電池スタック内部の酸素分圧低下を実現することができ、酸化剤極内部を長期間にわたって還元雰囲気に保持することが可能である。
本発明によれば、直流電源を備えたシステムまたは直流電源を稼動させる電力に余裕のあるシステムでなくとも、長期にわたり燃料電池スタック内部の酸素分圧の上昇を抑えることができ、システム構成の制約を受けることなく、酸化剤極の触媒劣化を防止して、発電効率の向上を図った燃料電池発電システムとその停止保管方法、停止保管プログラムを提供することができる。
[代表的な実施形態]
以下、本発明の代表的な実施形態について図1〜図5を参照して説明する。図1は本発明による燃料電池発電システムの構成図であり、図中の実線はガス配管の結線図、破線は電気配線の結線図をそれぞれ示している。なお、図1において図6に示した従来の燃料電池発電システムと同一の構成部材に関しては、同一符号を付して説明は省略する。
また、システムの主要構成部材である燃料電池スタックは本来、任意数のセル積層体であるが、図1では便宜的に、動作の異なる2つのグループを代表した2セル分1A、1Bのみを図示している。図2は本実施形態の停止保管方法における発電停止操作手順を示すフローチャート、図3は本実施形態による停止保管後のシステムの起動操作手順を示すフローチャートである。さらに、図4は本実施形態のタイミングチャート、図5は本実施形態の効果を示すグラフである。
[構成]
図1に示すように、本実施形態の燃料電池スタック1には、電気制御装置3を介して固定抵抗7が外部負荷5と切り替え可能に接続されている。また、酸化剤供給ライン13は分岐されており、燃料電池スタック1の内、半数のセル(図1ではセル1B)の酸化剤極1bへの酸化剤供給ライン13側に、酸化剤極入口補助バルブ6eが取り付けられている。なお、システム制御装置10は、本発明による停止保管用に特化したプログラムを記憶させたマイコンにより実現されている。
[発電停止操作手順]
続いて、図2のフローチャートを用いて、本実施形態の停止保管に関する発電停止操作手順を説明する。燃料電池発電システムの発電中に発電停止指令がなされた場合には、まず燃料電池スタック1を外部負荷5から固定抵抗7に切り替える(ST101)。その後、酸化剤極入口補助バルブ6eを閉止し(ST102)、セル1Bの単電池電圧を低下させる。
そして、セル1Bの平均単電池電圧が0.1V近傍まで低下した時点で(ST103のYES)、酸化剤供給ライン13に設けた酸化剤極入口バルブ6cを閉止して(ST104)、その他のセル1Aの酸化剤極1bに関しても空気の供給を停止する。それと同時に、酸化剤排出ライン14に設けた酸化剤極出口バルブ6dを閉止する(ST105)。
これにより、燃料電池スタック1の電圧を低下させ、燃料極1aを基準とした平均単電池電圧が0Vに低下した時(ST106のYES)、燃料極1aへ燃料である改質ガスの供給を停止する(ST107)と共に、燃料極入口および出口バルブ6aおよび6bをそれぞれ閉止し(ST108)、燃料電池スタック1を密封した。
[停止保管後の起動操作手順]
他方、本実施形態に係る発電システムの停止保管中に、起動指令がなされた場合の操作について、図3のフローチャートを用いて説明する。すなわち、燃料極入口および出口バルブ6aおよび6bを開き(ST201)、改質ガスの供給を開始(ST202)した後、酸化剤極1bの出入口バルブおよび補助バルブ6c〜6eを開いて(ST203)、酸化剤として空気を酸化剤極1bに供給する(ST204)。そして、燃料電池スタック1の平均セル電圧が0.9Vに到達した後(ST205のYES)、燃料電池スタック1に対する接続を固定抵抗7から外部負荷5に切り替えて(ST206)、発電を開始する。
[作用]
次に、上記構成の燃料電池発電システムの作用を説明する(図4のタイムチャート参照)。図4のタイミングチャートでは、システム制御装置10からシステム各部への制御指令のタイミングおよび燃料電池スタック1のスタック電圧、スタック電流の時間的な変化を示している。
すなわち、燃料電池スタック1が発電状態にあるとき、燃料極1aに燃料として水素リッチな改質ガスを、酸化剤極1bに酸化剤である空気をそれぞれ供給し、かつ外部負荷5に対し電力を供給している。このような発電状態から発電停止状態に移行する際、システム制御装置10からの指令により、外部負荷5を固定抵抗7に切り替える。したがって、スタック電圧に応じた負荷電流が流れ、引き続き発電が継続される。
ここで、酸化剤極入口補助バルブ6eを閉止することで、セル1Bの酸化剤極1bに対する空気供給を停止する。これにより、セル1Bの酸化剤極1bでは、残留酸素が消費され、これに伴って、酸化剤極1bの電位が燃料極1aの電位である水素基準電位近傍まで低下する。このとき、酸化剤極1bでは、以下のような反応が生じている。
(化1)
1/2O+2H+2e → H
その後、セル1Bの酸化剤極1b中の酸素濃度低下が進むにつれて、燃料極1aへ供給された水素の酸化により生じたプロトンが酸化剤極1bへ移動し、酸化剤極1bでは酸素の還元反応ではなく、燃料極1aから電解質膜を介して移動してきたプロトンの還元反応が生じ、これにより水素が生成する。
(化2)
2H+2e → H
すなわち、空気供給を停止したセル1Bの酸化剤極1bは水素で充填されることになる。その後、酸化剤極入出口バルブ6cおよび6dをそれぞれ閉止することにより、セル1Aの酸化剤極1bに対する空気供給も停止する。つまりセル1Aでも酸素還元反応によって酸素が消費され、燃料電池スタック1の電圧がゼロV近傍まで低下するまでは、スタック電圧に応じた還元電流が流れる。
結果として、セル1Aの酸化剤極1bは、空気中の酸素が取り除かれた窒素ガスを主成分とする気体で充填される。この間、先に空気供給を停止したセル1Bでは、セル1Aと同一の還元電流が流れ、水素の生成が継続して生じる。スタック電圧の低下が進み、ゼロV近傍まで低下すると、燃料電池スタック1の負荷電流はゼロAとなり、上記反応は停止する。スタック電圧がゼロV近傍となった時点で燃料極入出口バルブ6a、6bを閉止し、燃料極には水素リッチガスを充填した。
上記一連の操作によって、セル1Bの酸化剤極1bでは水素が充填され、セル1Aの酸化剤極1bでは窒素が充填され、全セル1A、1Bの燃料極では水素リッチガスが充填される。酸化剤極1bに関しては、セル1A、1B共に出口マニホールドが共通であるため、時間経過と共に、セル1Bで生成された水素がセル1A側にも充填されていき、窒素と水素の混合雰囲気となる。
したがって、上記発電システムでは、直流電源、あるいは直流電源の稼動用電力が不要であり、また発電停止過程において水分の電気分解を行う場合のような燃料極1aの高電位保持を伴わずとも、燃料極1aに供給した水素リッチガスを電気化学的に酸化剤極1bに移動させることで、燃料極1aだけでなく酸化剤極1bにも水素含有ガスが充填される。このようにして両極1a、1bに封入された水素によって、停止保管時に外部から酸素が混入したとしても、これを消費することができ、停止保管時における燃料極1aと酸化剤極1bにおける酸素分圧の上昇を防ぐことができる。
[効果]
続いて、本実施形態の効果に関して、図5のグラフを参照して説明する。図5は、本実施形態の燃料電池発電システムについて、燃料電池スタックを構成する酸化剤極触媒の有効表面積の変化を、サイクル試験後の燃料極触媒有効表面積の初期に対する比として(つまり初期値を100%として)、それぞれ示したものである。図5のグラフは、12時間の発電と12時間の停止保管を1サイクルとした起動停止サイクルを60回実施したときのデータである。なお、本実施形態では電池起動停止前後の窒素等の不活性ガスによるパージは省略した。
また、図5では本実施形態のデータの他に、比較例のデータを示している。この比較例は、燃料電池システムの発電停止操作時に、負荷遮断後に酸化剤極について窒素パージを実施して、酸素分圧を十分に低下させた後に燃料極および酸化剤極の出入口に設けられたバルブを閉止し、燃料電池スタックを密封して保管した従来の停止保管方法を採用した燃料電池システムについて、起動停止サイクル試験を実施した結果についても示してある。なお、比較例1において、停止操作方法以外はすべて同一の条件とした。
図5のグラフから明らかなように、比較例では停止起動回数が10回を超えると酸化剤極1bの触媒劣化に伴う触媒有効表面積の低下は顕著である。これに対して本実施形態は、停止起動回数が60回に達しても、酸化剤極1bの触媒劣化に伴う触媒有効表面積は全く低下していない。これは、本実施形態の燃料電池発電システムの停止保管方法において、停止保管時に外部から混入した酸素が、燃料極1aだけでなく酸化剤極1bにも予め封入された水素によって消費されたため、停止保管時の酸素分圧上昇を抑制した結果であると考えられる。
したがって、停止保管時に酸素分圧の上昇に伴う高電位保持による触媒のシンタリングや、起動時に両極に酸素が混入した状態で水素リッチガスを供給したときに見られる酸化剤極の触媒劣化を抑制でき、酸化剤極の触媒有効表面積の低下を防止している。このような触媒劣化の防止を実現することで、燃料電池スタック1の発電効率の低下を抑えることが可能となり、発電システムとして優れた性能を発揮することができる。
しかも、本実施形態によれば、直流電源を備えたシステムまたは直流電源を稼動させる電力に余裕のあるシステムでなくとも、上記の効果を獲得することが可能であり、システム構成の制約を受けることなく、さらなるコンパクト化や経済性の向上を図ることができる。
[他の実施形態]
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内であれば、他にも多種多様な変形例が実施可能である。例えば、上記実施形態では、外部負荷5から固定抵抗7への切り替え後、酸化剤極1bの電圧値を0.1V近傍まで低下させてから、完全に酸化剤ラインを閉止しているが、このときの一部セルの起電力の電圧値は、適宜選択可能である。また、酸化剤極入口補助バルブ6eの閉止によって空気供給を停止するセル数等は適宜変更可能である。
本発明の代表的な実施形態の構成図。 本実施形態における停止操作手順を示すフローチャート。 本実施形態における起動操作手順を示すフローチャート。 本実施形態の作用を示すタイミングチャート。 本実施形態の効果を示すためのグラフ。 一般的な燃料電池発電システムの構成図。
符号の説明
1…燃料電池スタック
1A、1B…セル
1a…燃料極
1b…酸化剤極
2…改質装置
3…電気制御装置
4…空気ブロワ
5…外部負荷
6a…燃料極入口バルブ
6b…燃料極出口バルブ
6c…酸化剤極入口バルブ
6d…酸化剤極出口バルブ
6e…酸化剤入口補助バルブ
7…固定抵抗
10…システム制御装置
11…燃料供給ライン11
12…燃料排出ライン
13…酸化剤供給ライン
14…酸化剤排出ライン

Claims (4)

  1. 電解質を挟んで配置した燃料極と酸化剤極とを有するセルを複数積層して構成される燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに燃料および酸化剤をそれぞれ供給する燃料供給ラインおよび酸化剤供給ラインと、前記燃料電池スタックから燃料および酸化剤をそれぞれ排出する燃料排出ラインおよび酸化剤排出ラインを備えた燃料電池発電システムの発電停止および停止保管を行う燃料電池発電システムの停止保管方法において、
    前記燃料電池発電システムの発電停止過程で、
    前記燃料電池スタックを固定抵抗に接続する固定抵抗接続操作と、
    前記酸化剤供給ラインにおける前記燃料電池スタックへの酸化剤供給量を絞って一部のセルの起電力を所定の電圧値まで低下させる起電力低下操作と、
    前記起電力低下操作の後、前記酸化剤供給ラインおよび前記酸化剤排出ラインを閉止する酸化剤ライン閉止操作と、
    すべてのセルの起電力を0V近傍まで低下させた後に前記燃料供給ラインおよび前記燃料排出ラインを閉止する燃料ライン閉止操作を行うことを特徴とする燃料電池発電システムの停止保管方法。
  2. 前記酸化剤供給ラインを分岐して一方にバルブを設けておき、
    前記起電力低下操作では、前記バルブを閉めることにより一部のセルに対する酸化剤の供給を停止する操作を行うことを特徴とする請求項1記載の燃料電池システムの停止保管方法。
  3. 電解質を挟んで配置した燃料極と酸化剤極とを有するセルを複数積層して構成される燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに燃料および酸化剤をそれぞれ供給する燃料供給ラインおよび酸化剤供給ラインと、前記燃料電池スタックから燃料および酸化剤をそれぞれ排出する燃料排出ラインおよび酸化剤排出ラインを備えた燃料電池発電システムに関し、コンピュータを利用して前記燃料電池発電システムの停止保管操作をコンピュータに実現させる燃料電池発電システムの停止保管プログラムにおいて、
    コンピュータを利用することにより、前記燃料電池スタックを固定抵抗に接続する固定抵抗接続機能と、
    前記酸化剤供給ラインにおける前記燃料電池スタックへの酸化剤供給量を絞って一部のセルの起電力を所定の電圧値まで低下させる起電力低下機能と、
    前記起電力低下ステップの後、前記酸化剤供給ラインおよび前記酸化剤排出ラインを閉止する酸化剤ライン閉止機能と、
    すべてのセルの起電力を0V近傍まで低下させた後に前記燃料供給ラインおよび前記燃料排出ラインを閉止する燃料ライン閉止機能、をコンピュータに実現させることを特徴とする燃料電池発電システムの停止保管プログラム。
  4. 電解質を挟んで配置した燃料極と酸化剤極とを有するセルを複数積層して構成される燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに燃料および酸化剤をそれぞれ供給する燃料供給ラインおよび酸化剤供給ラインと、前記燃料電池スタックから燃料および酸化剤をそれぞれ排出する燃料排出ラインおよび酸化剤排出ラインを備えた燃料電池発電システムにおいて、
    前記燃料電池スタックを固定抵抗に接続する固定抵抗接続手段と、
    前記酸化剤供給ラインにおける前記燃料電池スタックへの酸化剤供給量を絞って一部のセルの起電力を所定の電圧値まで低下させる起電力低下手段と、
    前記起電力低下ステップの後、前記酸化剤供給ラインおよび前記酸化剤排出ラインを閉止する酸化剤ライン閉止手段と、
    すべてのセルの起電力を0V近傍まで低下させた後に前記燃料供給ラインおよび前記燃料排出ラインを閉止する燃料ライン閉止手段が設けられたことを特徴とする燃料電池発電システム。
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