JP5073465B2 - 半導体パッケージ用基板の製造法 - Google Patents
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Description
しかし、半導体の高集積化等に伴って、プリント配線板の高密度化の必要性、電気的ノイズ問題、ショート・オープンの電気検査の必要性等から、電解ニッケル・金メッキ用の給電バスラインがそれらの邪魔になっている。その解決のため、無電解ニッケル・金メッキが検討され、一部実用化されているが、ニッケルの腐食(一般にブラックニッケルと呼ばれる、金ストライクメッキによる腐食)やニッケル中のリン成分(半田接合時のリン高濃度層の生成による接合強度の劣化)の問題が指摘されている。そのため、電解ニッケル・金メッキであって、バスラインのないプリント配線板が必要となっている。そのような技術は、バスラインをなくす代わりに、ソルダーレジスト形成後、全面無電解銅メッキし、半導体搭載面のみ無電解銅メッキ層を除去後、半田ボール搭載面の全面無電解銅メッキ層から導通ビアを通して半導体搭載面に電流を流し、半導体搭載面にあるワイヤボンドパッドに電解ニッケル・金メッキし、最終的に無電解銅層はエッチングにより除去するものである(例えば特許文献1,2参照)。
ここにバスラインとは、プリント配線板の所定位置にソルダーレジストが開口された銅パッド表面に、電解ニッケル・金メッキするために必要な給電用のワークパネル内配線のことである。即ち、完成したプリント配線板においては不要であるが、プリント配線板を作成する上で、銅パッド表面に電解ニッケル・金メッキするのに必要な、ワークパネル外部からパネル内に導かれ最終的に銅パッドに至る、電気的に接続させるための、プリント配線板ワークパネル内の配線のことを指す。
また、半導体搭載面とは、半導体パッケージ用プリント配線板において、半導体を搭載し、該半導体と該パッケージ用プリント配線板を接続する面を指す。半田ボール搭載面とは、半導体搭載面とは逆の面であり、プリント配線板(マザーボードと呼ばれる電子・電気機器に組み込まれる主プリント配線板)に接続される半田ボールを搭載する面を指す。
すなわち本発明は、銅張り積層板や多層積層板等の基板材料を、穴明けし、パネルメッキ法、パターンメッキ法等によりパターン形成することで得られる、銅メッキされたビアにより表裏導通された回路基板に、
1)ソルダーレジストパターンの形成工程
2)ソルダーレジストの表面粗化工程
3)パラジウム触媒を付着させる工程
4)無電解銅メッキの工程
5)半田ボール搭載面にエッチングレジスト兼メッキレジストを形成する工程
6)エッチングレジスト兼メッキレジストの形成されていない半導体搭載面の無電解銅メッキのエッチング工程
7)エッチングレジスト兼メッキレジストの形成されていない半導体搭載面のパラジウム除去工程
8)エッチングレジスト兼メッキレジストが形成されておらず、かつソルダーレジストが開口した銅部分への電解ニッケル・金メッキ工程
9)エッチングレジスト兼メッキレジストを除去する工程
10)半田ボール搭載面の無電解銅メッキのエッチング工程
11)エッチングレジスト兼メッキレジストに覆われていた半田ボール搭載面のパラジウム除去工程
を行うことを特徴とする半導体搭載面の一部に電解ニッケル・金メッキされたパッドを有する半導体パッケージ用基板の製造法である。
また、
12)銅露出部の表面処理工程
を引き続いて行うことを特徴とする半導体パッケージ用基板の製造法である。
更に、上記ソルダーレジストの表面粗化工程が、過マンガン酸塩溶液処理、クロム酸塩処理、微粒子による物理的処理から選ばれる1種以上による半導体パッケージ用基板の製造法である。
更に、上記各パラジウム除去工程が、硝酸・塩素イオン・カチオン性ポリマー系、硝酸塩・無機酸又はその塩系、メルカプト化合物系、含窒素脂肪族有機化合物・含ヨウ素無機化合物系や塩酸系除去液を用いる半導体パッケージ基板の製造法である。
更に、上記銅露出部の表面処理工程が、有機防錆処理、無電解金メッキ、無電解スズメッキ、半田処理から選ばれる1種である半導体パッケージ用基板の製造法である。
また、
13)前記5)半田ボール搭載面にエッチングレジスト兼メッキレジストを形成する工程において、該エッチングレジスト兼メッキレジストの一部に開口部を設け、7)エッチングレジスト兼メッキレジストの形成されていない半導体搭載面のパラジウム除去工程と、8)部分電解ニッケル・金メッキ工程の間に、
7−2)エッチングレジスト兼メッキレジストの開口部のエッジが、開口部を閉塞しない側から被る第2のメッキレジストを形成する工程
を追加することを特徴とする半導体パッケージ用基板の製造法である。
更には、上記の製造法を用いて製作されたことを特徴とする半導体パッケージ用基板であり、その半導体パッケージ用基板を用いて、半導体を実装した半導体パッケージである。
粗化処理しないと、無電解銅メッキが剥げ落ち、部分電解ニッケル・金メッキでの導通性の確保異常ばかりでなく、工程内での汚染物質となり、問題となる。
7−2)半田ボール搭載面のエッチングレジスト兼メッキレジストの開口部のエッジ部が被るメッキレジストを形成する工程を追加することについては、以下のケースに対応できる。
半田ボール搭載面に電解ニッケル・金メッキすべき部分がある場合は、局部的にメッキリード線が必要であるが、エッチングレジスト兼メッキレジストに開口部を設ける。開口部の大きさは、ソルダーレジストの開口部より大きくする。しかし、その状態ではエッチングレジスト兼メッキレジストの開口部周辺に電解ニッケル・金メッキが付着するため、無電解銅メッキとパラジウムの除去後、第2のメッキレジストを第1のメッキレジストの開口周辺部を覆うように配置する。電解ニッケル・金メッキすべき部分としては、個片切断用のマーク等がある。このマーク等は微小な面積であり、後からこの箇所のみを電解ニッケル・金メッキする場合、メッキ厚の調整が難しいため、同時にメッキするのが好ましい。
その後、エッチボンドCZ−8100(メック株式会社製)にてパターン銅を表面凹凸化処理し、PSR−4000AUS308(太陽インキ株式会社製)をロールコーティング・乾燥(乾燥後20μt厚)後、パターンマスクを介してUV露光し、現像(炭酸ソーダ水溶液)して開口部のあるソルダーレジスト層を形成した。その後、ジェットスクラブ(パーミス#240、60秒)処理し、ソルダーレジスト表面を粗化し、アクチベータネオガントU(アトテック株式会社製)により全面にパラジウム触媒を付着し(0.1mg/dm2)、プリントガントP−DK(アトテック株式会社製)により全面に無電解銅メッキ(1μm厚)した。その後、ドライフィルムをラミネートし、露光し、現像して、電気端子部以外の半導体搭載面のドライフィルムを除去し、一方の半田ボール面は全面ドライフィルムを残した後、CPE−810(三菱ガス化学株式会社製)にて半導体搭載面の無電解銅メッキ層をエッチングした。更に、メックリムーバーPJ−9710(メック株式会社製)により同部分のパラジウム除去処理を行った。その後、電解ニッケル・金メッキを半導体搭載面のワイヤボンドパッドに施した。この電解メッキの給電は、ワークパネルの端に設けた端子部に外部から給電し、該端子部から非半導体搭載面の無電解銅層、更には表裏導通穴を通して半導体搭載面に給電され、回路を通して電解メッキすべきパッドに給電される。その後、全てのドライフィルムを苛性ソーダ液により剥離した後、再度CPE−810により無電解銅層をエッチングし、更にメックリムーバーPJ−9710によりパラジウムの除去処理を行った。その後、シアン金カリウム液であるIM−GOLD PC(日本高純度化学株式会社製)を用いて無電解置換金メッキを施し、半田ボール面のボールパッドの表面処理を行った。なお、本ワークパネル内の半田ボール面に評価用の櫛形パターンを配置し、その部分にはソルダーレジストが被らないデザインとした。
以上により作成されたプリント配線板を解析・評価した結果以下であった。
(1)無電解ニッケルメッキの析出性評価:
パラジウムの残存は微量のため分析が困難であり、パラジウムの残存を確認する方法として、無電解ニッケルメッキを施す手法を取った。
無電解ニッケルメッキ工程を通したが、ソルダーレジスト表面やソルダーレジスト開口部等、全ての箇所で金属表面以外のニッケル析出は見られなかった。
(2)ソルダーレジスト開口部のライン−ライン間絶縁性評価
ソルダーレジストの開口エッジ部が中央に掛かる、ライン/スペース=40/40μmのくし型パターン部を用い、荷電下吸湿絶縁性評価(評価処理条件:HAST/110℃×85%RH×264時間処理前後の電気絶縁抵抗値測定)を行った結果、処理前/2×1012Ω、処理後/3×1011Ω・・・5×108Ω以上であり、良好。
作成されたプリント配線板を解析・評価した結果以下であった。
(1)無電解ニッケルメッキの析出性評価:
無電解ニッケルメッキ工程を通したところ、金属表面以外では、部品搭載面および半田ボール面のソルダーレジスト表面にニッケル析出は見られた。
(2)ソルダーレジスト開口部のライン−ライン間絶縁性評価
ソルダーレジストの開口エッジ部が中央に掛かる、ライン/スペース=40/40μmのくし型パターン部を用い、荷電下吸湿絶縁性評価(評価処理条件:HAST/110℃×85%RH×264時間処理前後の電気絶縁抵抗値測定)を行った結果、処理前/2×1012Ω、処理後/3×106Ω・・・5×108Ω以下であり、不良。
2 銅箔
3 パラジウム
4 無電解銅めっき
5 バイアホール
6 電気端子穴
7 導体回路
8 ソルダーレジスト
9 ジェットスクラブ処理
10 めっきレジスト
11 電解ニッケル
12 電解金
13 有機防錆皮膜
14 ワイヤボンドパッド
15 半田ボールパッド
Claims (5)
- 銅メッキされたビアにより表裏導通された回路基板に、
1)ソルダーレジストパターンの形成工程
2)ソルダーレジストの表面粗化工程
3)パラジウム触媒を付着させる工程
4)無電解銅メッキの工程
5)半田ボール搭載面にエッチングレジスト兼メッキレジストを形成する工程
6)エッチングレジスト兼メッキレジストの形成されていない半導体搭載面の無電解銅メッキのエッチング工程
7)エッチングレジスト兼メッキレジストの形成されていない半導体搭載面のパラジウム除去工程
8)エッチングレジスト兼メッキレジストが形成されておらず、かつソルダーレジストが開口した銅部分への電解ニッケル・金メッキ工程
9)エッチングレジスト兼メッキレジストを除去する工程
10)半田ボール搭載面の無電解銅メッキのエッチング工程
11)エッチングレジスト兼メッキレジストに覆われていた半田ボール搭載面のパラジウム除去工程
を行い、7)及び11)におけるパラジウム除去工程において用いる除去液が、
メルカプト化合物系
塩酸系
からなる群から選択されるいずれか1種以上であることを特徴とする半導体搭載面の一部に電解ニッケル・金メッキされたパッドを有する半導体パッケージ用基板の製造法。 - 前記エッチングレジスト兼メッキレジストに覆われていた半田ボール搭載面のパラジウム除去工程に引き続き、
12)銅露出部の表面処理工程
を行うことを特徴とする請求項1記載の半導体パッケージ用基板の製造法。 - 前記ソルダーレジストの表面粗化工程が、過マンガン酸塩溶液処理、クロム酸塩処理、微粒子による物理的処理から選ばれる1種以上によることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体パッケージ用基板の製造法。
- 前記銅露出部の表面処理工程が、有機防錆処理、無電解金メッキ、無電解スズメッキ、半田処理から選ばれる1種である請求項2又は3記載の半導体パッケージ用基板の製造法。
- 前記半田ボール搭載面にエッチングレジスト兼メッキレジストを形成する工程において、該エッチングレジスト兼メッキレジストの一部に開口部を設け、前記エッチングレジスト兼メッキレジストの形成されていない半導体搭載面のパラジウム除去工程と部分電解ニッケル・金メッキ工程の間に、
7−2)エッチングレジスト兼メッキレジストの開口部のエッジが、開口部を閉塞しない側から被る第2のメッキレジストを形成する工程
を追加することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導体パッケージ用基板の製造法。
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JP2007312018A JP5073465B2 (ja) | 2007-12-03 | 2007-12-03 | 半導体パッケージ用基板の製造法 |
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