JP5073120B2 - ターボ用ウェストゲートアクチュエータ - Google Patents

ターボ用ウェストゲートアクチュエータ Download PDF

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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Description

【技術分野】
【0001】
この発明は、アクチュエータ軸の一端に弁を開閉するリンクを取り付けたターボ用ウェストゲートアクチュエータ(WGA)に関する。
【背景技術】
【0002】
ガソリンエンジン車では、今後の燃費規制の強化に伴い、エンジンのダウンサイジングによる燃費改善手段としてターボチャージャ搭載のニーズが高まっている。従来のターボ用アクチュエータにおいては、空圧(正圧・負圧)を駆動源としているが、この空圧(正圧・負圧)式アクチュエータでは、
・エンジン排圧の影響により位置を保持しにくい(位置保持が不安定、精度が悪い)
・過給時以外に動作できない(過給時以外に動作するためには、別途ポンプ等必要)
等の課題があった。
【0003】
また、ターボ用ウェストゲートアクチュエータにおいては、過給圧の高精度制御のニーズがあり、従来の空圧(正圧・負圧)式アクチュエータに対して電制駆動式アクチュエータが増加傾向にある。特に、ガソリンエンジンのダウンサイジング化に際しては、ターボ用ウェストゲートアクチュエータの電制化がキーであり、この電制駆動式アクチュエータとしては特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】
特開2007−262964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この特許文献1に記載されている電制駆動式アクチュエータは、ウェストゲートバルブからの熱伝導によるアクチュエータロッドの熱膨張及び電動モータ部の熱害を抑制するもので、電動モータ部で駆動される直線駆動軸の先端側にはこれを前進方向に付勢する付勢機構と、アクチュエータロッド基端側にはこれを後退方向に付勢する付勢機構が設けられているが、上記空圧(正圧・負圧)式アクチュエータの課題を解消することについては開示されていない。
【0006】
この発明は上記のような課題を解消するためになされたもので、位置保持の安定化・高精度化及び過給時以外の動作を可能にするターボ用ウェストゲートアクチュエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るターボ用ウェストゲートアクチュエータは、アクチュエータ軸の端面とモータ軸の端面とを当接させて分離可能に連結したアクチュエータ本体およびモータ本体とを備え、アクチュエータ本体は前記アクチュエータ軸を常時閉弁方向に付勢する付勢部材を備え、モータ本体は、ロータの回転力をモータ軸の直線駆動力に変換する変換部を備えたものであり、当接させるアクチュエータ軸の端面とモータ軸の端面とを円弧面としたことを特徴とし、アクチュエータ軸の一端に弁を開閉するリンクを取り付けたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、アクチュエータ軸の端面とモータ軸の端面とを当接させて分離可能に連結した構成であるので、アクチュエータ軸の揺動運動はアクチュエータ本体側で吸収でき、モータ本体へ伝達することがなく該モータ本体に悪影響を与えることがない。アクチュエータ軸の端面とモータ軸の端面とを当接させる構成であるから、組立性に優れ、アクチュエータ軸とモータ軸を安価に得ることができる。この結果、位置保持の安定化・高精度化及び過給時以外の動作を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】 この発明のターボ用ウェストゲートアクチュエータを示す閉弁状態の縦断面図である。
【図2】 この発明のターボ用ウェストゲートアクチュエータを示す開弁状態の縦断面図である。
【図3】アクチュエータ軸とモータ軸の当接部の拡大図である。
【図4】アクチュエータ軸とモータ軸の当接部の変形例を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態に係るターボ用ウェストゲートアクチュエータを示す閉弁状態の縦断面であり、アクチュエータ軸1の端面とモータ軸2の端面とを当接させて分離可能に連結したアクチュエータ本体3およびモータ本体4とを備え、アクチュエータ本体3は前記アクチュエータ軸を常時閉弁方向に付勢する付勢部材5を備え、モータ本体4は、ロータ6の回転力をモータ軸2の直線駆動力に変換する変換部7を備えた構成である。
【0010】
アクチュエータ本体3は内部にアクチュエータ軸1を軸線方向に移動自在に支持する軸受け部8を有する。アクチュエータ軸1はモータ軸2と当接する端部周面に細径溝1aをリング状に有し、この細径溝1aに少なくとも2分割された楔部材9を係合させ、この楔部材9に中心の筒部10aを係合させてバネ受け部材10が取り付けられ、このバネ受け部材10とアクチュエータ本体3との間にアクチュエータ軸1を常時閉弁方向に付勢するコイルバネ等の付勢部材5が設けられている。このため、アクチュエータ軸1とモータ軸2とは分離されていても、モータ軸2の動作時は、アクチュエータ軸1が付勢部材5の付勢力によってモータ軸2に常時当接し、両軸は一体となって動作する。
【0011】
アクチュエータ本体3から外部に突出したアクチュエータ軸1の端部(一端)には、軸19を支点に回動するL字型リンク18の一端がピン軸19aで屈曲自在に取り付けられている。従って、L字型リンク18が軸19を支点に回動すると、そのL字型リンク18の他端に設けられた弁20が開弁する。
【0012】
モータ本体4は内部にステータコア11を有し、このステータコア11にはほぼ等間隔にステータコイル15が設けられている。ステータコア11の内部には同軸にマグネット12を備えたロータ6が設けられ、ロータ6の中心にネジ穴14が形成されている。このマグネット12の外面とステータコア11の内面との間には図示しない所定のギャップが形成されている。
ロータ6の上下部は回転軸受け16a,16aによりモータ本体4に回転可能に支持されている。また、モータ本体4の外部には、ステータコイル15に給電するための電源供給端子部17が形成されている。
【0013】
次に動作について説明する。
図1は閉弁状態を示すもので、この状態でロータ6が回転すると、そのロータ中心穴のネジ穴14と螺合しているモータ軸2のネジ部2aが該ネジから駆動力を受けるため、モータ軸2はロータ下部のスリット穴4aに挿通した回り止め部2bによって回転することなく、アクチュエータ軸1を押圧しながら直線移動してモータ本体4の外に突出する。このモータ軸2で押圧されたアクチュエータ軸1は付勢部材5の付勢力を強めながらアクチュエータ本体3から突出してL字型リンク18の一端を押圧する。このため、L字型リンク18は軸19を支点に回動して、図2に示すように弁20を開弁状態となる。
【0014】
また、図2の開弁状態において、ロータ6を上記とは逆方向に回転させると、そのロータ中心穴のネジ穴14と螺合しているモータ軸2のネジ部2aが該ネジから図1の場合とは逆方向の駆動力を受けるため、モータ軸2はロータ下部のスリット穴4aに挿通した回り止め部2bによって回転することなく、直線移動してモータ本体4内に後退する。モータ軸2が後退すると、このモータ軸2に追従して、アクチュエータ軸1が付勢部材5の復元力によってアクチュエータ本体3内に後退する。この後退に伴って、L字型リンク18が反時計方向に回動し、図1に示すように弁20を閉弁させる。この閉弁状態において、アクチュエータ軸1の後退動作は停止する。一方、モータ軸2はアクチュエータ軸1から離れた所定位置まで後退したことが不図示のセンサ等で検出されることでロータ6が停止し、図1に示す閉弁状態となる。
【0015】
アクチュエータ軸は上記の動作過程において、L字型リンク18の回動によって軸線に対し横方向に押されて、図3に示す斜線示のように傾くが、アクチュエータ軸の端面とモータ軸の端面とが円弧状で当接しているので、モータ軸は軸方向に寸法ずれを生じることがない。また、アクチュエータ軸の端面とモータ軸の一方の端面の面積を大きくしたので、図4に示す斜線示のようにアクチュエータ軸の大きな傾きを許容する。
【0016】
なお、上記実施の形態1では、アクチュエータ軸の駆動源として、ロータ6の回転力をモータ軸2の直線駆動力に変換するモータを例示したが、例えば、通電するとモータ軸が直線軸上を移動する電制アクチュエータ(リニアソレノイド等のアクチュエータ)を利用することもできる。
【0017】
以上のように、この実施の形態によれば、アクチュエータ軸の端面とモータ軸の端面とを当接させて分離可能に連結した構成であるので、モータの電気的なコントロールによりバルブの開閉動作を制御することができ、エンジン排圧の有無及び影響に関係なくバルブを安定的に動作させることが可能である。この場合、アクチュエータ軸の端面とモータ軸の端面とを円弧面に構成しているので、動作中にアクチュエータ軸が傾いても、モータ軸は軸方向の寸法がずれることがない。また、その一方の端面の面積を大きくすることにより、アクチュエータ軸の大きな傾きを許容することができる。
【0018】
また、この構成ではアクチュエータ本体3内のアクチュエータ軸1、付勢部材5、軸受け部8、バネ受け部材10の基本コンセプトは従来(空圧式)のアクチュエータ本体と同じである。つまり、アクチュエータ本体は従来のままで、駆動源のみ空圧式から電制式へ変更することになる。これはレイアウトに影響し、電制式は従来の空圧式と同じ直動式タイプであり、駆動源が空圧式から電制式へ変更しているだけなので搭載性も良い。
【0019】
そして、モータ本体4とアクチュエータ本体3が締結していない(分離可能である)から、ターボ用ウェストゲートアクチュエータの閉弁用途はアクチュエータ本体で行うことを基本としており、モータ本体は開弁に作用するだけでよく、電流消費量を少なくすることが可能である。その他に、モータ部とアクチュエータ部が締結していないことにより、アクチュエータ軸1の揺動運動をモータ本体4へ伝達することなくアクチュエータ本体3側で吸収できる。
【0020】
アクチュエータ軸の揺動運動はアクチュエータ本体側で吸収でき、モータ本体へ伝達することがなく該モータ本体に悪影響を与えることがない。アクチュエータ軸とモータ軸とを当接させる構成であるから、組立性に優れ、アクチュエータ軸とモータ軸を安価に得ることができる。この結果、ターボチャージャに設けたウェストゲートバルブの位置保持の安定化・高精度化及び過給時以外の動作を可能にする。
【0021】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。

Claims (2)

  1. アクチュエータ軸の一端に弁を開閉するリンクを取り付けたターボ用ウェストゲートアクチュエータにおいて、
    前記アクチュエータ軸の端面とモータ軸の端面とを当接させて分離可能に連結したアクチュエータ本体およびモータ本体とを備え、
    前記アクチュエータ本体は、前記アクチュエータ軸を常時閉弁方向に付勢する付勢部材を備え、
    前記モータ本体は、通電により直線軸上を移動する上記モータ軸を備え
    当接させる前記アクチュエータ軸の端面と前記モータ軸の端面とを円弧面としたことを特徴とするターボ用ウェストゲートアクチュエータ。
  2. 当接させるアクチュエータ軸の端面とモータ軸の端面の一方の面積を大きくしたことを特徴とする請求項記載のターボ用ウェストゲートアクチュエータ。
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