JP5072289B2 - 気密端子 - Google Patents

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Description

本発明は、高圧密閉容器等の内外で電気信号を接続するための気密端子に関し、特に、高圧密閉容器内の電気素子と容器外部との間で電気信号を導通させるための小型で高耐圧の多端子型気密端子に関するものである。
従来、内外において圧力差のある容器に用いられる気密端子としては、例えば、図9に示すような、円形の天板部101aと、その外周から下方に絞り加工された外筒部101bと、外筒部から下方斜め外方に広がるフランジ部101cと、天板部101aの略中央部から下方に筒状に絞り加工された内筒部101dとから成る金属外環101の内筒部101dに、鉄−クロム合金等から成る端子ピン103を挿通し、端子ピン103の表面と内筒部101dの内周面との間をガラス102によって封止したものがある(例えば、特許文献1参照)。
このような気密端子を密閉容器に取り付ける方法としては、密閉容器に形成された円形の取り付け穴に、容器の内側から天板部101aが容器外側となるように気密端子を挿入することによって行なわれる。そして、取り付け穴のエッジにフランジ部101cの外周が線接触された状態とし、この線接触部分に通電することによって線接触部分を溶融させて密閉容器に気密端子を溶接することによって行なわれる。
また、最小限の占有スペースで多数の金属線材を真空容器内に導入するフィードスルーが提案されている(例えば、特許文献2)。このフィードスルーを図10に示す。フィードスルーには、幅50mm×長さ90mm×厚み1mm程度の大きさのセラミックプリント基板104上に240本程度の配線が形成されたものが用いられている。配線は銅に金コートされたものであり、このセラミックプリント基板104表面にポリイミド樹脂105をコートするとともに、接着剤106によってコバールケース107内に接着することによってフィードスルーが構成されている。そして、コバールケース107は真空フランジ108に電子ビーム溶接され、真空容器に取り付けられる。
特開平4−132885号公報 特開2000−260364号公報
しかしながら、図8に示す従来の気密端子では、端子ピン103は内筒部101dに1本ずつしか設置できないために、端子ピン103の数が多くなると気密端子が大型化してしまうという問題点があった。
例えば、金属外環101に加工可能な内筒部101dの最小穴径は3mmφ、最小穴ピッチは6mm程度であり、端子ピン103をそれぞれの内筒部101dに3本挿通させた3端子の気密端子とすると、気密端子の天板部101aの最小直径は15mmφになってしまう。
また、高圧密閉容器の内圧が高くなると、圧力で金属外環101が変形し、端子ピン103を封止するガラス102に応力が集中するため、ガラス102にクラックが生じて気密封止が破れやすいという問題点があった。さらに、端子ピン103が太さを有することによって端子ピン103とガラス102との接合面が広くなり、特に応力が集中しやすいこの接合面においてガラス102が剥離して封止が破れやすいという問題点があった。
このように、図9に示す気密端子は、耐圧性が低く、小型化できないという問題点があった。
一方、図10に示す従来のフィードスルーにおいては、限られたスペースに多数の金属配線を形成できるので、端子数が多くても小型なフィードスルーとできるものの、セラミックプリント基板104とコバールケース107とを接着剤106で接着しているために、内圧が高くなると、セラミックプリント基板104が低圧側に押し出されるようなせん断応力が接着剤106に働いて封止が破れやすく、気密性が損なわれやすいという問題点があった。
したがって、本発明は上記従来の問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、高圧密閉容器に適した、多端子化が容易で小型高耐圧性の気密端子を提供することにある。
本発明の気密端子は、圧力隔壁の内外方向に挿通されるセラミック製の絶縁基体と、該絶縁基体の内部に前記内外方向に配された複数のメタライズ配線層と、前記絶縁基体の前
記メタライズ配線層と交差する両端面に設けられた前記メタライズ配線層の導出部とを具備し、前記両端面のうち低圧力側の端面外周部が前記圧力隔壁によって係止される係止面とされており、前記絶縁基体は円柱状であり、鍔状に突き出した第一の大径部が外周面の低圧力側に、第二の大径部が前記外周面の高圧力側に設けられているとともに、前記第一の大径部と前記第二の大径部との間に小径部が形成されていることを特徴とする。
本発明の気密端子において、好ましくは、前記第一の大径部と前記小径部との間に前記第一の大径部から前記小径部に向けて細くなる内側テーパー部が設けられていることを特徴とする。
本発明の気密端子において、好ましくは、前記第一の大径部の外側端面に前記絶縁基体の端面と連続するように前記導出部に向けて細くなる外側テーパー部が設けられていることを特徴とする。
本発明の気密端子において、好ましくは、前記メタライズ配線層の前記導出部は、前記絶縁基体の前記両端面から突出する突出部表面に設けられており、前記メタライズ配線層の配線方向に前記メタライズ配線層が延設されて成ることを特徴とする。
本発明の気密端子において、好ましくは、前記メタライズ配線層の前記導出部は、前記メタライズ配線層に沿って内面にメタライズ層が形成された溝とされており、この溝に端子ピンが取り付けられていることを特徴とする。
本発明の気密端子は、圧力隔壁の内外方向に挿通されるセラミック製の絶縁基体と、この絶縁基体の内部に内外方向に配された複数のメタライズ配線層と、絶縁基体のメタライズ配線層と交差する両端面に設けられたメタライズ配線層の導出部とを具備し、両端面のうち低圧力側の端面外周部が圧力隔壁によって係止される係止面とされており、絶縁基体は円柱状であり、鍔状に突き出した第一の大径部が外周面の低圧力側に、第二の大径部が外周面の高圧力側に設けられているとともに、第一の大径部と第二の大径部との間に小径部が形成されていることから、絶縁基体内部のメタライズ配線層によって圧力隔壁の内外において導通をとることができるとともに、絶縁基体に対して大きな圧縮応力が働いても、セラミックス自体が約2000MPaもの高い圧縮強度を有するために、絶縁基体の係止面において高圧力を十分支えることができるとともに、第一の大径部と第二の大径部の間の小径部にOリングを取り付けることができ、圧力隔壁側に設けるべき貫通開口の形状を簡易なものとすることができる
本発明の気密端子において、好ましくは、第一の大径部と小径部との間に第一の大径部から小径部に向けて細くなる内側テーパー部が設けられていることから、密閉容器内の流体圧力が高くなったとしても、Oリングが内側テーパー部の次第に径が太くなる低圧側に向けて押されるように移動して変形し、Oリングによる気密封止性を高めることができる。
本発明の気密端子において、好ましくは、第一の大径部の外側端面に絶縁基体の端面と連続するように導出部に向けて細くなる外側テーパー部が設けられていることから、係止面が傾斜面となり圧力隔壁側にもこの係止面を受ける傾斜面を設けることによって高い耐圧性を確保できる気密端子とすることができる。
本発明の気密端子において、好ましくは、メタライズ配線層の導出部は、絶縁基体の両端面から突出する突出部表面に設けられており、メタライズ配線層の配線方向にメタライズ配線層が延設されて成ることから、メタライズ配線層およびその導出部の形成が容易になる。また、端子ピンの取り付けも容易になる。
本発明の気密端子において、好ましくは、メタライズ配線層の導出部は、メタライズ配線層に沿って内面にメタライズ層が形成された溝とされており、この溝に端子ピンが取り付けられていることから、端子ピンの固定が容易になるとともに、端子ピンの接合強度を高めることができる。
本発明の気密端子について、以下に詳細に説明する。図1は本発明の気密端子の実施の形態の一例を示す斜視図であり、図2は図1の気密端子を圧力隔壁に装着した際の気密端子の中心軸を含む垂直面における断面図、図3は本発明の気密端子の実施の形態の他の例を示す斜視図、図4は図3の気密端子を圧力隔壁に装着した際の気密端子の中心軸を含む垂直面における断面図、図5は本発明の気密端子の実施の形態のさらに他の例を示す斜視図、図6は図5の気密端子を圧力隔壁に装着した際の気密端子の中心軸を含む垂直面における断面図、図7は図1の気密端子を例に端子ピンを設ける場合の実施の形態の一例を示す斜視図、図8は本発明の気密端子の実施の形態の他の例を示す斜視図である。
これら図において、1はセラミック製の絶縁基体、1aは絶縁基体1の端面、1bは絶縁基体1の外周面、1cは端面1aから突出する突出部、1dは突出部1cに設けられた溝、2は絶縁基体1の内部に配されたメタライズ配線層、2aはメタライズ配線層の導出部、4は絶縁基体1の外周面低圧力側に鍔状に突き出した第一の大径部、5は絶縁基体1の外周面高圧力側に鍔状に突き出した第二の大径部、6は第一の大径部4と第二の大径部5との間の小径部、7は第一の大径部4の外側端面に絶縁基体1の端面1aと連続するように設けられた外側テーパー部、8は第一の大径部4と小径部6との間に設けられた内側テーパー部、9は端子ピンである。
本発明の気密端子は、図1,図2の実施の形態例に示すように、セラミックスから成る絶縁基体1と、絶縁基体1の内部を貫通するように絶縁基体1の両端面1a,1a間に亘って内部に配されるとともに絶縁基体1の両端面1a,1aに導出された導出部2aを備えた複数のメタライズ配線層2とから成る。
また、本発明の気密端子は、好ましくは、図3,図4の実施の形態例に示すように、上記構成の気密端子において、絶縁基体1の両端面1a,1a側において、外周面1bから鍔状に突き出した第一の大径部4と第二の大径部5とが設けられ、両大径部4,5の間に小径部6が形成される。さらに好ましくは、第一の大径部4と第二の大径部5とはほぼ同じ外径となるように形成される。これによって、圧力隔壁に設けられた貫通開口に対し、気密端子を同軸状に装着し易くできる。
また、本発明の気密端子は、好ましくは、図5,図6の実施の形態例に示すように、第一の大径部4と小径部6との間に内側テーパー部8が設けられる。さらに好ましくは、第一の大径部4の外側端面(端面1a側)に、絶縁基体1の端面1aと連続するように導出部2または突出部1cに向けて細くなる外側テーパー部7が設けられる。
また、本発明の気密端子は、好ましくは、図7の他の実施の形態例に示すように、内面にメタライズ層が形成された溝1dに端子ピン9が取り付けられて成る。
絶縁基体1は、圧力が加わる方向に十分な厚みを有する柱状に形成するのが好ましい。特に長さ方向と直交する横断面形状が円形,楕円形となるように形成すると、圧力が加わることによって外周面1bの特定部分、例えば角部に応力が集中し難くなるので好ましい。なお、図1において、絶縁基体1の長さ(両端面1a,1aの間の距離)が太さ(長さ方向に直交する断面の径)よりも長く描いてあるが、長さは圧力容器の所定圧力に依存してこれに耐え得る十分なものとすればよく、太さは内部に配されるメタライズ配線層2の配置や本数等に依存して決めればよい。したがって、必ずしも長さが太さよりも長いものとする必要はない。
メタライズ配線層2は、絶縁基体1の両端面1a,1a間に亘って絶縁基体1の内部に配される。好ましくは、絶縁基体1の両端面1a,1aには突出部1cが設けられ、この突出部1cの表面に端面1aから延長させてメタライズ配線層2が延設され、このメタライズ配線層2の終端部が導出部2aとされる。メタライズ配線層2は、このように突出部1cを設けて一方の導出部2aから他方の導出部2aに亘って一平面上に配置されるように配置すると、メタライズ配線層2の形成が容易になる。
なお、突出部1cは、図1,図3,図5に示すように、円柱を縦半分に切り取ったような形状にされている。このように略半円柱状の突出部の直径方向にメタライズ配線層2を配列することにより、最もメタライズ配線層2の配線数を多く形成できる。しかしながら、必ずしもこの形状に限るものではなく、例えば、図8に示すように、直方体状に突き出した突出部1cとし、互いに対向する表面1e,1fにそれぞれ導出部2aを設けた形状としてもよい。このような突出部1cの両表面1e,1fに導出部2aを配置することにより、導出部2aを多く配置することができ、多端子の気密端子とすることができる。
また、突出部1cには内面にメタライズ層が形成された溝1dを設け、これをメタライズ配線層2と接続することによって、この溝1d内面のメタライズ層をメタライズ配線層2の導出部2aとするのが好ましい。図1,図3,図5においては、溝1dの内面に設けられた導出部2aは、溝1dの底面側でメタライズ配線層2と一体に接続されている。そして、図7に示すように、円柱状等の端子ピン9の下面側を溝1d内に嵌め込むようにして導出部2aと端子ピン9とを半田付け等により接続する。これにより、溝1d内に十分な半田を保持することができ、端子ピン9と導出部2aとを強固に接続することができる。また、溝1dは端面1a側の手前で途切れるように形成されている。そして、溝1aの内面に当接させて端子ピン9を嵌め込むようにして取り付けることによって、端子ピン9の位置決めが容易になる。
また、メタライズ配線層2の導出部2aの露出する表面には、ニッケル(Ni)めっき等を施しておくのが好ましい。これによって、メタライズ層表面が酸化等によって腐食されるのを防止するとともに、半田やロウ材等を用いて端子ピン9やリード線等を強固に接合することができる。
図1において、メタライズ配線層2は、複数のメタライズ配線層2同士の間隔を一定にして、一方の導出部2aから他方の導出部2aに亘って一直線状に形成されているが、メタライズ配線層2同士の間隔を変化させ、メタライズ配線層2を屈曲したものとして形成しても何等問題はない。例えば、導出部2aにおいて互いに隣接するメタライズ配線層2同士の間隔が広く、絶縁基体1の内部において間隔が狭くなるように形成してもよい。これによって、端子ピン9等を取り付ける導出部2aの接続スペースを十分に確保するのが容易になる。また、メタライズ配線層2がセラミックスから成る絶縁基体1に覆われていない導出部2aにおけるメタライズ配線層2同士の沿面絶縁距離を十分に確保することができる。同時に、メタライズ配線層2が絶縁基体1に覆われている絶縁基体1の内部においてメタライズ配線層2の間隔を狭くし、小径部6の径を細いものとすることができる。
図1〜7において、メタライズ配線層2は3本が一平面上に並列に配置された例が示されているが、メタライズ配線層2の配線数は3本に限ることはなく、また、図8に示すように、これらメタライズ配線層2を多層に形成することによって、多端子の気密端子とすることができる。また、多層に形成され、セラミック絶縁層を介して隣接するこれらメタライズ配線層2同士をメタライズ配線層2の両端部等において貫通導体等で接続してもよい。これによって、抵抗値の低いメタライズ配線層2とすることができる。
また、両端面1a,1aのうち圧力隔壁の外側となる低圧力側(図においては紙面右側)に近い端面1aの外周部は、図2,図4に示すように、圧力隔壁11に設けられた貫通開口の小径部と大径部との間の段差11bに当接されることによって係止される係止面とされる。高圧力の圧力容器内から低圧力の圧力容器外に向けて加わる圧力をこの係止面によって受けて、気密端子が容器外へ飛び出さないように支持される。端面1aと外周面1bとの間の角部は、C面カットまたはR面カット等の面取りを施すのが好ましく、角部にクラックが入り難くなる。
ここで、図5,図6に示すように、端面1aから第一の大径部4の外側端面にかけて突出部1cに向けて細くなる外側テーパー部7を設けた場合、この外側テーパー部7の外周部が係止面となり、圧力隔壁11の小径部と大径部との間に設けられた傾斜面11aに当接されて気密端子が支持される。このように、高圧側と低圧側とを結ぶ気密端子の軸方向に加わる圧力に対して係止面が傾斜するように設けられることにより、気密端子に加わる圧力が気密端子の軸方向とこれに直角な方向とに分解されるために、気密端子の耐圧性を向上させることができる。ここで、外側テーパー部7と軸方向とが成す角度は30°〜60°とするのが望ましく、この角度は、絶縁基体1の両端面1a,1a間の長さもしくは小径部6の長さを調整することにより所要のものとすることができる。
絶縁基体1の外周面1bと圧力隔壁11に設けられる貫通開口の内周面との間には、圧力隔壁11と気密端子との間の気密性を保持するためにOリング12が装着される。図4の実施形態においては、小径部6にOリング12を装着し、密閉容器の圧力隔壁11に設けられた貫通開口の段差部11bに絶縁基体の端面1a(係止面)が突き当たるまで押し込むことによって気密端子が装着される。また、内側テーパー部8が設けられている場合、図6に示すように、内側テーパー部8によって気密端子の外周面1bと貫通開口の内周面との間の距離が高圧力側から低圧力側に向けて次第に小さくなるので、Oリング12の気密封止性が向上する。ここで、内側テーパー部9と軸方向とが成す角度は5°〜20°とするのが望ましい。
このように、第一の大径部4および第二の大径部5を設け、その間の小径部6にOリング12を装着することにより、圧力隔壁11側の貫通開口の内周面は、例えば、大径部と小径部とを形成するだけの簡単な構造にでき、気密端子の取り付け構造全体の加工が容易になる。すなわち、図2に示すような大径部と小径部との間にさらに中径部を形成する複雑な貫通開口の内周面構造とする場合に比して、貫通開口の内周面形状を単純な構造とできて加工が容易になる上に、貫通開口の内側の限られたスペース内において内周面形状を加工するのに比して、気密端子の外周面1bの加工の方は非常に容易に行なうことができるという利点がある。
本発明の気密端子において、絶縁基体1は、アルミナセラミックス系、ガラスセラミックス系等のセラミックスから成る。また、メタライズ配線層2は、絶縁基体1がアルミナセラミックス系から成る場合は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)等の金属を主成分とし、ガラスセラミックス系から成る場合は、銀(Ag)、銅(Cu)等の金属を主成分とするメタライズ金属などを用いることができる。
一例として、絶縁基体1がアルミナセラミックスから成り、メタライズ配線層2がWメタライズから成る場合、例えば以下のようにして形成する。すなわち、粒径約2μmのアルミナ(Al)粉末93質量%と、二酸化珪素(SiO),酸化マグネシウム(MgO),酸化カルシウム(CaO)等から成る焼結助剤7質量%とに、トルエン等の有機溶剤、ポリビニルブチラール等のバインダー、分散剤を加え、これをアルミナボールと共にボールミルに入れて粉砕、混合しスラリーとする。その後、これをドクターブレード法にてテープ成形し、有機溶剤を揮発させてアルミナグリーンシートに加工する。一方、Wメタライズ層は、粒径約1μmのW粉末とエチルセルロース等のバインダーとテルピネオール等の有機溶剤とを混合してWメタライズペーストを作製する。
そして、アルミナグリーンシートを適当な大きさに切断し、アルミナグリーンシート上のメタライズ配線層2が配される所定位置にWメタライズペーストを、例えば、配線幅0.3mm、配線間の幅0.5mmでスクリーン印刷する。さらに導出部2aが溝1d内に設けられる場合は、溝1dとなるスリット状の開口を所定位置に形成したグリーンシートを用意し、開口の内面にもWメタライズペーストを塗布する。
その後、これらのグリーンシートを積層して熱圧着することにより、積層体を作製する。この積層体を適当な大きさに切断し、約1600℃の加湿水素−窒素雰囲気で焼成することによって、メタライズ配線層2が内部に配されたセラミック焼結体を得る。そして、焼結体の外形を研削機で所望の形状に研削することによって、本発明の気密端子が完成する。
絶縁基体1とメタライズ配線層2とは同時焼成で一体的に形成されるので、絶縁基体1とメタライズ配線層2との双方に対して圧縮応力が均一に働き、メタライズ配線層2と絶縁基体1を構成するセラミックスとの間に応力集中が生じることは無い。したがって、メタライズ配線層2とセラミックスとが剥離して気密封止が破れるようなことがなく、気密端子の耐圧性を高めることができる。
また、圧力隔壁11の内外方向に配されたメタライズ配線層2がセラミックス製絶縁基体1の内部に埋設されているために、メタライズ配線層2が圧力容器内部のガス成分と接触することがない。従って、たとえばガス中に含まれる微量の水蒸気などがメタライズ配線層2に吸着する恐れはなく、絶縁性が確保される。
さらに、メタライズ配線層を厚膜印刷法で形成できるために気密端子の小型化が可能となるとともに、絶縁基体を多層積層体として形成することができるため、小型多端子の気密端子とすることが容易である。
本発明の気密端子の具体的実施形態の例として、図1の実施の形態例では、絶縁基体1は、直径5mm、長さ12mmの円柱状であり、その両端面1a,1aには、直径3mm、長さ3mmの円柱を半分に切断した半円柱形状の突出部1cが突き出すように加工されている。
導出部2aは、幅0.3mm、長さ2mm、深さ0.5mmの溝1dの内面にメタライズ層が形成されたもので実現した。なお、露出した導出部2aのメタライズ層表面には、端子ピン9やリード線を容易かつ強固に半田付けするために、無電解もしくは電解Niめっきを3μm程度施した。
図2の実施の形態では、図1の実施の形態の絶縁基体1の外周面1b中央部を研削機で研削し、第一の大径部4の外周直径が5mm、長さ2.5mmに、第二の大径部5の外周直径が5mm、長さ2mmに、小径部6の外周直径が3mm、長さ7.5mmになるように加工した。
図3の実施の形態では、図1の実施の形態の絶縁基体1の中央部を研削機で研削し、第一の大径部4の外周直径が5mm、長さ1mmに、第二の大径部5の外周直径が5mm、長さ2mmに、小径部6の外周直径が3mm、長さ3.8mmになるように加工するとともに、さらに第一の大径部4の外側端面に外側テーパー部7を軸方向に対して45°の角度で、内側テーパー部8を小径部6側に向けて10°の角度で形成した。
以上のようにして、最終的に大径部の外周において5mmφ、小径部3mmφ、全長18mmの気密端子において、絶縁基体1中に3本のメタライズ配線層2を形成した小型の気密端子を作製した。
そして、高圧密閉容器の厚さ20mmの圧力隔壁11に、大径部の直径5.2mm、小径部の直径3.5mmの貫通開口を設けて本発明の気密端子を取り付けた。まず、第一の大径部5に隣接する導出部2aには温度センサーや圧力センサー等の各種センサーまたはその他の電子部品や電子回路を半田付けする。そして、絶縁基体1の外周面1bにOリング12を装着し、圧力隔壁11の貫通開口に、絶縁基体1の端面1a外周部の係止面が密閉容器の貫通開口内面に設けた段差部11bまたは傾斜面11aに突き当たるまで押込んで本発明の気密端子を高圧密閉容器に装着した。
このような高圧密閉容器に水素ガスを充填し耐圧試験をしたところ、図1の実施形態の気密端子においては、70.8MPa、図3の実施形態の気密端子においては97.3MPa、図5の実施形態の気密端子においては、121.4MPaの高圧水素ガスを充填しても水素ガスがリークすることがなく、本発明の気密端子は小型で多端子でありながら、高い耐圧性を有するものであることを確認することができた。このように、本発明の気密端子は、内外の圧力差が60MPa〜120MPaの気体や液体等の流体を収容する高圧密閉容器等に好適に用いることができるものである。なお、図9の従来の気密端子の耐圧性は10〜20MPa程度、図10の従来のフィードスルーの耐圧性は5〜10MPa程度であり、本発明の気密端子の耐圧性能が非常に優れたものであることがわかる。
本発明の気密端子の実施の形態の一例を示す斜視図である。 図1の気密端子を圧力隔壁に装着する場合の例を示す断面図である。 本発明の気密端子の実施の形態の他の例を示す斜視図である。 図3の気密端子を圧力隔壁に装着する場合の例を示す断面図である。 本発明の気密端子の実施の形態の他の例を示す斜視図である。 図5の気密端子を圧力隔壁に装着する場合の例を示す断面図である。 本発明の気密端子に端子ピンを取り付けるときの実施の形態の例を示す斜視図である。 本発明の気密端子の実施の形態の他の例を示す斜視図である。 従来の気密端子の例を示す断面図である。 従来の気密端子の他の例を示す断面図である。
符号の説明
1:絶縁基体
1a:端面
1b:外周面
1c:突出部
1d:溝
2:メタライズ配線層
2a:導出部
4:第一の大径部
5:第二の大径部
6:小径部
7:外側テーパー部
8:内側テーパー部
9:端子ピン
11:圧力隔壁
11a:傾斜面
11b:段差部
12:Oリング

Claims (5)

  1. 圧力隔壁の内外方向に挿通されるセラミック製の絶縁基体と、
    該絶縁基体の内部に前記内外方向に配された複数のメタライズ配線層と、
    前記絶縁基体の前記メタライズ配線層と交差する両端面に設けられた前記メタライズ配線層の導出部とを具備し、
    前記両端面のうち低圧力側の端面外周部が前記圧力隔壁によって係止される係止面とされており、
    前記絶縁基体は円柱状であり、鍔状に突き出した第一の大径部が外周面の低圧力側に、第二の大径部が前記外周面の高圧力側に設けられているとともに、前記第一の大径部と前記第二の大径部との間に小径部が形成されていることを特徴とする気密端子。
  2. 前記第一の大径部と前記小径部との間に前記第一の大径部から前記小径部に向けて細くなる内側テーパー部が設けられていることを特徴とする請求項記載の気密端子。
  3. 前記第一の大径部の外側端面に前記絶縁基体の端面と連続するように前記導出部に向けて細くなる外側テーパー部が設けられていることを特徴とする請求項または請求項記載の気密端子。
  4. 前記メタライズ配線層の前記導出部は、前記絶縁基体の前記両端面から突出する突出部表面に設けられており、前記メタライズ配線層の配線方向に前記メタライズ配線層が延設されて成ることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の気密端子。
  5. 前記メタライズ配線層の前記導出部は、前記メタライズ配線層に沿って内面にメタライズ層が形成された溝とされており、該溝に端子ピンが取り付けられていることを特徴とする請求項記載の気密端子。
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