JP5071434B2 - ヒートポンプ式給湯機 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒートポンプ式給湯機に関するものである。
従来のヒートポンプ式給湯装置では、タンクの上部に沸き上げた湯を取り入れる給湯口を備えると共に、下部に水を取り出す取水口を備えている。そして、ヒートポンプ式給湯装置により加熱された湯の温度が再加熱判定温度より低い場合には、バイパス回路を通過させてタンクに戻さずに再度加熱する。また、加熱された湯の温度が再加熱判定温度より高い場合には、タンク上部の給湯口に循環し、利用側に給湯するか、タンクに貯留している(例えば、特許文献1参照)。
ここで、再加熱判定温度は任意に設定され、この温度の湯を貯湯タンクに給湯した場合に、貯湯タンク内の貯湯温度の低下を招くおそれのある温度が設定される。
特開2002−48398号公報(第3―4頁、図1)
ヒートポンプ式給湯機は、タンクに温水を貯留する沸き上げ運転開始から冷凍サイクル内の冷媒の状態が安定するまでに数十分の時間を必要とし、冷媒の状態が安定するまでの出湯温度は安定時に比べて低いという特徴を有する。
ヒートポンプ式給湯機により加熱された温水の温度が再加熱判定温度より低い場合に、タンク上部の給湯口からタンクに流入させると、タンク上部に貯留されている温度の高い水と混合されるため、貯留されている温水の温度が低下する。そのため、特許文献1では、冷凍サイクルで加熱された温水が再加熱判定温度よりも低い場合にはバイパス回路を通過させて再加熱し、貯湯タンク内の貯湯温度の低下を招くおそれのある温度よりも高い温度の温水が得られるようになってから給湯口に循環している。
ところが従来のヒートポンプ式給湯装置においては、以下のような課題がある。
再加熱された水の温度が再加熱判定温度に到達したとき、流路がバイパス回路から給湯口に切り替えられる。そのため、切り替え後に水冷媒熱交換器に流入する水温は、一度も加熱されていないタンク下部の水温と同等となる。再加熱運転中に水冷媒熱交換器に流入する水温は、タンク下部の水温よりも高く、再加熱判定温度、例えば55℃程度よりも低い温度であったが、流路が切り替えられたことによって加熱前の水温、例えば10℃〜17℃程度となる。このように流路の切り替え前後で水冷媒熱交換器に流入する水温が急激に低下する。これにつれて、冷凍サイクル内の冷媒の状態も変化する。即ち、冷凍サイクルで加熱された温水の温度が再加熱判定温度よりも高くなって流路を切り替えた後に、水冷媒熱交換器に流入する水温が低下し、冷媒状態も変化することで、水冷媒熱交換器で加熱されて流出する加熱後の水温は再加熱判定温度以下となる可能性がある。その結果、流路を給湯口側からバイパス回路側に再度切り替えて再加熱運転をすることになる。このように、流路の切り替え前後における水冷媒熱交換器に流入する水温の急激な変化により、冷凍サイクルの冷媒状態が不安定になり、流路を頻繁に切り替えることになったりして動作が不安定になったり、目標の出湯温度を得ることができないという課題があった。
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、沸き上げ運転開始時の不安定な状態でも、冷凍サイクルを安定した冷媒状態に保持しつつ、タンクに目標温度の温水を貯湯することができるヒートポンプ式給湯機を得ることを目的とする。
この発明に係るヒートポンプ式給湯機では、圧縮機、水冷媒熱交換器、減圧手段、及び空気熱交換器を環状に接続し冷媒を循環させる冷媒回路と、上部に上部接続口及び下部に下部接続口を有し前記水冷媒熱交換器で加熱された温水を貯留するタンク、前記水冷媒熱交換器と前記タンク間で送水するポンプ、前記水冷媒熱交換器で加熱された水を前記上部接続口から前記タンクに貯留する第1の流路、前記水冷媒熱交換器で加熱された水を前記水冷媒熱交換器に再び流入させる第2の流路、及び前記第1の流路と前記第2の流路とを切り替える流路切替手段、を有する給湯水回路と、前記水冷媒熱交換器の水出口付近を通過する水温を検出する温度検出手段と、前記流路切替手段及び前記ポンプの回転数を制御する運転制御手段と、を備え、前記運転制御手段は、前記温度検出手段で検出した水の温度が所定温度よりも低い場合に前記第2の流路を循環するように前記流路切替手段を作動させ、前記温度検出手段で検出した水の温度が前記所定温度以上の場合に前記第1の流路を循環するように前記流路切替手段を動作させると共に、前記第2の流路から前記第1の流路に切り替えることによって前記水冷媒熱交換器の水入口側に生じる流入水の温度低下に応じ、切り替え前の前記水冷媒熱交換器の水入口温度(Twin1)、前記タンク内の最下部の貯湯水温度(Twin2)、前記水冷媒熱交換器の水出口温度(Twout1)としたとき、(Twout1−Twin1)/(Twout1−Twin2)で表される比率から定まるポンプの回転数に低下させることで前記水冷媒熱交換器に流入する水の量を減少させる流路切り替え運転を行うことを特徴とするものである。

本発明に係るヒートポンプ式給湯機によれば、タンクをバイパスして再加熱する第2の流路からタンクへ貯留する第1の流路に切り替えるときに、水冷媒熱交換器の水入口側に生じる流入水の温度低下に応じ、水冷媒熱交換器に流入する水流量を減少させる、または水冷媒熱交換器に流入する冷媒量を増加させるので、流路を切り替えても水冷媒熱交換器の水出口側の出湯温度が大幅に低下するのを防止して、頻繁な流路切り替えを防ぎ、タンクに目標温度の温水を貯湯することができるヒートポンプ式給湯機が得られる。
本発明の実施の形態1に係るヒートポンプ式給湯機の構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態1に係る三方弁とポンプの制御を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係り、流路切り替え前後の水冷媒熱交換器に流入及び流出する水の水温を示す説明図であり、縦軸に水温(℃)を示す。 本発明の実施の形態1に係り、流路切り替え運転におけるポンプの回転数制御の動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係り、流路切り替え運転におけるポンプの回転数制御を行なったときのポンプの回転数の変化(図5(a))、及び出湯温度の変化(図5(b))を示すグラフであり、横軸に時間、縦軸にポンプの回転数(図5(a))及び出湯温度(℃)(図5(b))を示す。 本発明の実施の形態1に係り、タンクの上部の水の温度を所定温度としてポンプの回転数制御を行なったときのポンプの回転数の変化(図6(a))、及び出湯温度の変化(図6(b))を示すグラフであり、横軸に時間、縦軸にポンプの回転数(図6(a))及び出湯温度(℃)(図6(b))を示す。 本発明の実施の形態2に係る三方弁と圧縮機の制御を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係り、流路切り替え運転における圧縮機の回転数制御の動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係り、流路切り替え運転における圧縮機の回転数制御を行なったときの圧縮機の回転数の変化を示すグラフであり、横軸に時間、縦軸に圧縮機の回転数を示す。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係るヒートポンプ式給湯機の構成を示す概略図である。ヒートポンプ式給湯機は、ヒートポンプユニット100と、タンクユニット200とを備えている。ヒートポンプユニット100内には、圧縮機1、水冷媒熱交換器2、減圧手段である膨張弁3、及び空気熱交換器4を順次環状に接続し加熱側媒体として冷媒を循環させる冷媒回路101(ここでは冷凍サイクルと称する)、及び空気熱交換器4に外気を送風する送風機5とが搭載されている。一方、タンクユニット200内には、水冷媒熱交換器2とタンク7間で負荷側媒体である水を送水するポンプ6と、ポンプ6により送水されて水冷媒熱交換器2で加熱された温水を貯留するタンク7と、流路を切り替える流路切替手段として三方弁8が搭載されている。三方弁8は、水冷媒熱交換器2の水出口2bに接続される1つの流入口と、上部接続口7aに接続される流出口と水冷媒熱交換器2の水入口2aに接続される流出口の2つの流出口を有する。そして、2つの流出口のいずれか一方を選択して、流路を形成する。即ち、水冷媒熱交換器2で加熱された水を上部接続口7aからタンク7に貯留する第1の流路(9b、9c)と、水冷媒熱交換器2で加熱された水を水冷媒熱交換器2に再び流入させる第2の流路(9b、9g)とを切り替える機能を有する手段である。水冷媒熱交換器2と、ポンプ6と、タンク7と、三方弁8とを接続配管9a〜9f、及びバイパス配管9gで接続することによって給湯水回路201が構成されている。タンク7の上部には上部接続口7a、下部には下部接続口7bを設ける。なお、ポンプ6は、必ずしもタンクユニット200に設置する必要はなく、ヒートポンプユニット100側に搭載してもよい。
なお、図1のヒートポンプ式給湯機の概略図には、給湯水回路201のタンク7に貯留した温水を、例えば風呂などに供給する給湯装置は省略してある。また、給湯水回路201に水を供給する回路なども省略してある。また、圧縮機1から吐出する冷媒の圧力や温度を変化させられるように、圧縮機駆動装置(図示せず)をインバータ制御のDCブラシレスモータを使用して回転数を可変としたものとするが、複数台の圧縮機1を組合せて、この組合せを切換えて全体の能力を可変としてもよい。また、圧縮機1の吸入側に冷媒音を低減させるサクションマフラーのような容器、圧縮機1の吐出側に流出した潤滑油を回収する装置など、図1の構成に他の目的の構造を付加してもよい。即ち、図1は基本的な回路だけを説明している。このヒートポンプ式給湯機の冷凍サイクル101を循環する冷媒としては、高温出湯ができる冷媒、例えば、二酸化炭素、R410A、プロパン、プロピレンなどの冷媒が適しているが、特にこれらに限定されるものではなく他の冷媒を用いてもよい。図中、冷凍サイクル101内の矢印は加熱側媒体である冷媒の流れ方向を示し、給湯水回路201内の矢印は負荷側媒体である水の流れ方向を示す。
また、ヒートポンプ式給湯機は複数の箇所に温度検出手段を備え、各設置場所の水温や冷媒の温度や周囲温度を検出している。例えば、ヒートポンプユニット100内には、給湯水回路201において、入水温度センサ10aを水冷媒熱交換器2の水入口2a側、出湯温度センサ10bを水冷媒熱交換器2の水出口2b側に設け、それぞれ設置場所を通過する水温を検出する。また、ヒートポンプユニット100の外郭またはその近傍に設けた外気温度センサ10cは、ヒートポンプユニット100の設置場所の周囲の外気温度を計測する。冷凍サイクル101においては、吐出温度センサ10dを圧縮機1の出口側、吸入温度センサ10eを圧縮機1の入口側に設ける。また、蒸発器として動作する空気熱交換器4の入口部から中間部には、蒸発温度センサ10fを設ける。温度センサ10d、10e、10fによって、それぞれ配置場所の冷媒温度を計測する。また、タンクユニット200内のタンク7表面には貯湯温度センサ10g〜10jが設けられており、タンク7内の水の温度を計測する。貯湯温度センサ10g〜10jはタンク7の上下方向に例えば等間隔に設置され、タンク7内に貯留されている温水の温度を計測するのであるが、通常はタンク7の下部から上部に向かって水の温度は高くなるような温度分布となる。
ヒートポンプユニット100内には、運転制御手段としての運転制御装置11が設けられている。運転制御装置11は、例えばマイクロコンピュータなどで構成され、各温度センサ10a〜10jなどで検出した計測情報や、ヒートポンプ式給湯機の使用者からリモコン装置などにより指示される運転指令情報を入力し、それらの情報の内容に基づいて、ヒートポンプ式給湯機の冷媒回路101及び給湯水回路201における動作を制御する。例えば、冷媒回路では、圧縮機1の運転方法、例えばオン/オフや回転数を制御したり、膨張弁3の開度を制御する。さらにまた、給湯水回路201では、ポンプ6の運転方法、例えばオン/オフや回転数を制御したり、三方弁8の接続流路を制御する。
次に、このヒートポンプ式給湯機の運転動作について説明する。ここで、沸き上げ運転とは、予め設定されている目標貯湯温度の水を、予め設定されている必要水量だけタンク7に貯留する運転である。そのための動作としては、冷凍サイクル101と給湯水回路201とを動作させ、基本的には、下部接続口7bからポンプ6で低温の水を流出させて水冷媒熱交換器2に送水し、水冷媒熱交換器2で冷媒と熱交換することにより水を目標貯湯温度に沸き上げて、タンク7の上部接続口7aよりタンク7内に戻す。なお、沸き上げ運転開始時には、冷凍サイクル101は停止状態から運転状態になるのであるが、冷媒が安定して循環するまでに数分〜30分程度の時間が必要である。これは、圧縮機1の運転状態が立ち上がり時に安定しないことや、冷凍サイクル101を構成する各機器を暖めるために熱量が使われるためである。
ヒートポンプユニット100の冷凍サイクル101において、圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒は、水冷媒熱交換器2で給湯水回路201側へ放熱(水を加熱)しながら温度低下する。このとき高圧側冷媒圧力が臨界圧以上であれば、冷媒は超臨界状態のまま気液相転移しないで温度低下して放熱する。また、高圧側冷媒圧力が臨界圧以下であれば、冷媒は液化しながら放熱する。つまり、冷媒から放熱された熱を負荷側媒体(ここでは、給湯水回路201を流れる水)に与えることで給湯加熱(沸き上げ)を行う。給湯加熱後の水冷媒熱交換器2から流出した高圧低温の冷媒は、膨張弁3を通過する。
膨張弁3を通過した冷媒は、ここで低圧気液二相の状態に減圧される。膨張弁3を通過した低圧気液二相の状態の冷媒は空気熱交換器4に流入し、そこで送風機5で送風される外気から吸熱し、蒸発ガス化される。空気熱交換器4を出た低圧ガス冷媒は、再び圧縮機1に吸入されて循環し冷凍サイクル101を形成する。
一方、給湯水回路201側では、タンク7内の水が、ポンプ6によりタンク7の下部接続口7bから導かれ、接続配管9d、9e、9fを通過して水冷媒熱交換器2に送水される。そして、ここで冷媒と熱交換して加熱(沸き上げ)され、三方弁8が第1の流路、ここでは接続配管9bと接続配管9cを接続している場合には接続配管9a〜9cを通過してタンク7の上部接続口7aからタンク7内に流入する。または、三方弁8が第2の流路、ここでは接続配管9bとバイパス配管9gを接続している場合には、接続配管9a、9b、バイパス配管9g、ポンプ6を通過して水冷媒熱交換器2に再び流入して再加熱される。
水冷媒熱交換器2での熱量計算式を式(1)及び式(2)に示す。式(1)は冷媒側の加熱能力Qrを示す計算式であり、式(2)は水側の加熱能力Qwを示す計算式である。
Qr=Gr*(hgin―hgout) ・・・(1)
Qr:水冷媒熱交換器2における冷媒側の加熱能力{kW}
Gr:水冷媒熱交換器2の冷媒流量{kg/s}
hgin:水冷媒熱交換器2の冷媒入口における冷媒のエンタルピ{kJ/kg}
hgout:水冷媒熱交換器2の冷媒出口における冷媒のエンタルピ{kJ/kg}
Qw=Gw*Cp*(Twout−Twin) ・・・(2)
Qw:水冷媒熱交換器2における水側の加熱能力{kW}
Gw:水冷媒熱交換器2の水流量{kg/s}
Cp:水の熱容量{kJ/kg・K}
Twout:水冷媒熱交換器2の水出口2bにおける水の温度(出湯温度){K}
Twin:水冷媒熱交換器2の水入口2aにおける水の温度(給水温度){K}
運転時に水冷媒熱交換器2では、式(1)で表されるQrと式(2)で表されるQwとは、理想的にはQr=Qwを満たしつつ、Twinで流入した水がTwoutに加熱されて、流出する。
次に、このヒートポンプ式給湯機での通常制御運転について説明する。まず、回転数等で制御される圧縮機1の運転容量及びポンプ6の回転数は、外気温度センサ10cで計測検知される周囲の外気温度や入水温度センサ10aで計測検知される給水温度の情報等に基づいて調整される。つまり、それらの情報に基づいて、加熱能力及び出湯温度センサ10bで計測検知される水冷媒熱交換器2の水出口2bにおける水の温度(出湯温度)が、予め定められた目標値である目標出湯温度となるように調整制御される。この目標出湯温度は、タンク7に貯留する温度の目標値、即ち目標貯湯温度とほぼ同一の温度であり、使用環境から予め設定されている。具体的には、外気温度と、使用者からリモコンにて指示される運転指令情報、例えば目標給湯温度と使用量などから設定されるか、あるいはリモコン内もしくは運転制御装置11に設けられたマイクロコンピュータにて過去の給湯使用量から算出される蓄熱エネルギー(貯湯量)を確保できるように設定される。また、目標出湯温度は予め範囲が決められており、例えば65℃から90℃の範囲に設定されている。ヒートポンプ式給湯機の設置状況から、水冷媒熱交換器2から出湯した水がタンク7に送水される間に損失が生じる場合には、目標出湯温度を損失分だけタンク7に貯湯する目標貯湯温度よりも高く設定しておいてもよい。
そして、目標出湯温度範囲の最大値、例えば65℃から90℃の範囲では、90℃で所定の加熱能力を確保できれば、目標出湯温度の範囲内で所定の加熱能力を確保できる。水冷媒熱交換器2の加熱能力を左右する圧縮機1の回転数は、例えば外気温度と給水温度やタンク7の容量などに基づき、ヒートポンプ式給湯機として要求される加熱能力を満足するように、予め試験運転によってMAPで与えられる。このMAPに基づいて圧縮機1の回転数を調整することで、どのような目標出湯温度においても所定の加熱能力を確保することができる。言いかえれば圧縮機1の出力は、どのような外部条件に対しても給湯機として要求される温水の温度を何時でも確保できる加熱能力を準備しており、この結果、常に所望の温度の温水を得ることができる。また、圧縮機1の回転数は、圧縮機耐久性の観点から上限回転数および下限回転数が設けられている。
膨張弁3の開度は、圧縮機1からの吐出温度が所定値(目標吐出温度)になるように制御される。目標吐出温度は、目標出湯温度を確保できる温度とするため、目標出湯温度より高い温度、即ち目標出湯温度+α(℃)に設定されている。値αは、例えば外気温度や目標出湯温度の関数とする。このように目標出湯温度に応じた目標吐出温度とすることで、要求された出湯温度を確保することができる。また、圧縮機耐久性や冷凍機油劣化などの観点から、通常、吐出温度には上限温度が設けられている。
給湯水回路201の水流量に係るポンプ6の回転数は、冷凍サイクル101が安定してからの通常制御運転では、出湯温度センサ10bで計測検知される水冷媒熱交換器2からの出湯温度が、目標出湯温度となるように制御される。冷凍サイクル101側では膨張弁3の開度によって吐出温度が目標出湯温度+α(℃)に制御されることで、冷凍サイクル101側の加熱能力が一定に維持されているため、給湯水回路201の水流量を制御すれば確実に目標出湯温度を確保することができる。ポンプ6の回転数も信頼性の観点から上限回転数及び下限回転数が設けられている。
次に、本実施の形態のヒートポンプ式給湯機に係り、沸き上げ運転開始時の三方弁8とポンプ6の制御方法について説明する。
図2は、本実施の形態に係る三方弁8とポンプ6の制御を示すフローチャートであり、運転制御装置11の動作である。沸き上げ運転開始時には、冷凍サイクル101の状態がある程度安定するまで、例えば略2〜10分程度、水冷媒熱交換器2で加熱された水の出湯温度が目標出湯温度まで上昇しない。また、一度目標出湯温度になっても、しばらくは不安定な状態が続く。沸き上げ運転開始時のポンプ6の回転数は、例えば加熱能力、給水温度、目標出湯温度などに基づいて予めMAPなどで設定されている所定の回転数が初期設定される。そして、給湯水回路201としては、水冷媒熱交換器2から流出した水が、タンク7に流入することなくバイパス配管9gを通過してポンプ6に戻るように、第2の流路(9b、9g)に三方弁8を切り替える。このとき、負荷側媒体である水は、ポンプ6、接続配管9e、9f、水冷媒熱交換器2、接続配管9a、9b、三方弁8、バイパス配管9gと流れ、ポンプ6に再び循環する(ST1)。
その後、運転制御装置11は、一定時間、例えば30秒ごとに出湯温度センサ10bで出湯温度を検出する(ST2)。ここでは、例えば目標出湯温度以上に加熱された場合にタンク7に温水を貯留するとする。そこで、ST3の所定温度には目標出湯温度を設定する。検出した出湯温度と目標出湯温度を比較して(ST3)、出湯温度センサ10bで検出した出湯温度が目標出湯温度よりも低い場合にはこの状態のままで運転する。
式(1)で表されるQrは運転開始から徐々に増加する。その時のQrに応じてTwoutがしだいに上昇する。また、タンク7に貯留せずに水冷媒熱交換器2に再循環する流路なので、Twinも給水温度から徐々に上昇する。このため、再循環を行なわない場合よりも早くTwoutが目標出湯温度に達する。この間、ポンプ6の回転数は初期設定した回転数で運転する。
そして、運転制御装置11は、出湯温度センサ10bで検知された出湯温度が目標出湯温度以上に到達した時点で、第1の流路、即ち接続配管9bと接続配管9cとを接続するように三方弁8をバイパス配管9gから接続配管9cへ流路を切り替えて、上部接続口7aよりタンク7に貯留する(ST4)。このとき、負荷側媒体である水は、ポンプ6、接続配管9e、9f、水冷媒熱交換器2、接続配管9a、9b、三方弁8、接続配管9cを通って、上部接続口7aよりタンク7の上部から貯留される。また、三方弁8の切替とほぼ同時に、流路切り替え運転として、ポンプ6の回転数を制御する。ポンプ6の回転数を制御することで、水冷媒熱交換器2に流入する水の流量を減少させる(ST5)。そして、冷凍サイクル101が安定したら、沸き上げ運転開始時の流路切り替え運転におけるポンプ6の回転数制御を終了し、通常制御運転に移行する(ST6)。ここでは、所定時間、例えば数分間継続して水冷媒熱交換器2から流出する水の温度、即ち出湯温度の変動が数℃、例えば±2℃程度になったら、冷凍サイクル101が安定したとみなす。
図3は水冷媒熱交換器2の水側の温度の一例を示している。ここで、図2のST3における所定温度は、例えば目標出湯温度で例えば65℃とする。三方弁8の切り替え前におけるアは水冷媒熱交換器2の水出口2bにおける水の温度(出湯温度)Twout1で、例えば65℃、ウは水冷媒熱交換器2の水入口2aにおける水の温度Twin1で、例えば40℃とする。ST4で第1の流路(接続配管9b、9c)に切り替えた後には、エで示す水冷媒熱交換器2の水入口2aにおける水の温度Twin2は、タンク7の下部のほぼ給水温度の水、例えば17℃になる。例えば、給水温度が40℃で65℃の温水を出湯しているときに、突然に給水温度が低下したとして計算した。ここで、冷凍サイクル101は起動状態であり、周波数は安定時と同様だが、能力はまだ最大になっていないとしている。そして、給水温度だけが突然に変化し、圧縮機周波数、LEVの開度、及び水の流量であるポンプ6の回転数は変化しないとして、式(1)及び式(2)から計算すると、イに示すように水冷媒熱交換器2の水出口2bにおける水の温度(出湯温度)Twout2は、例えば49.9℃程度に下降することになる。
従来装置では、出湯温度が低下すると、また三方弁8を切り替えて再加熱循環回路になることになり不安定な運転となる。これに対して本実施の形態では、図3に示すTwout2をオに示すように65℃を保持できるように、ポンプ6の回転数を変化させる。即ち、第2の流路(9b、9g)から第1の流路(9b、9c)に切り替える場合に、水冷媒熱交換器2の水入口2a側に生じる流入水の温度低下に応じ、水冷媒熱交換器2に流入する水の量を減少させる。
図4は本実施の形態に係り、流路切り替え運転を示すフローチャートであり、第2の流路(9b、9g)から第1の流路(9b、9c)への切り替え時のポンプ6の回転数制御(図2ではST5)の動作の一例を詳しく示すフローチャートである。ST11に示すように、三方弁8の切替とほぼ同時にポンプ6の回転数を、例えば流量が1/2程度に低下させるように変更する。ST11では、三方弁8を切り替えたことで水冷媒熱交換器2の水入口2aに生じる流入水の温度低下に応じ、水冷媒熱交換器2で水が受ける熱量が変化しないようにポンプ6の回転数を低下し水流量を減少させて運転する。具体的には、三方弁8を切り替える直前における入水温度センサ10aで計測した入水温度(Twin1)と、タンク7内の最下部における貯湯センサ10gで計測した貯湯水の温度(Twin2)との温度低下に応じ、ポンプ6の回転数を低下させる。式(2)で、(Twout1−Twin1)よりも(Twout1−Twin2)では温度差が大きくなるのであるが、Qwが切り替え前後でほぼ一定となるようにGwを小さくする。即ち、ポンプ6の回転数を小さくすればよい。
式(1)、式(2)から
Gw2/Gw1=(Twout1−Twin1)
/(Twout1−Twin2)・・ (3)
Gw1:切り替え前の水の流量{kg/s}
Gw2:切り替え後の水の流量{kg/s}
となる。式(3)を満たす水の流量になるようにポンプ6の回転数を低下させればよい。
これは、予め、シミュレーションや試験を行なって、目標出湯温度(所定温度)Twout1、切り替え前の流入水温度Twin1、切り替え後の流入水温度Twin2が推定できる場合には、これを記憶しておくことで容易にポンプ6の回転数の変化量を知ることができる。
次に、出湯温度センサ10bで出湯温度を検出し(ST12)、検出した出湯温度と目標出湯温度とを比較する(ST13)。出湯温度が目標出湯温度近傍になるように、計測した出湯温度と目標出湯温度の温度差に応じて、ポンプ6の回転数を増加または減少または固定に制御する(ST14)。そして、ST12の出湯温度検出に戻る。ST13で出湯温度と目標出湯温度とを比較した結果、所定時間、例えば数分の間、安定して目標出湯温度近傍になったら、流路切り替え運転におけるポンプ6の回転数制御を終了する。ここで、目標出湯温度近傍とは、例えば目標出湯温度の±2℃程度としているが、これに限るものではない。
図5は、ポンプ6の回転数制御を行なったときのポンプの回転数の変化(図5(a))、及び出湯温度の変化(図5(b))の一例を示すグラフであり、横軸に時間、縦軸にポンプの回転数(図5(a))及び出湯温度(℃)(図5(b))を示す。ここで、時間軸は沸き上げ運転開始時を0とし、目標出湯温度を例えば65℃とする。沸き上げ運転を開始すると、冷凍サイクル101を構成する大きな熱量を持っている機器、例えば圧縮機1や熱交換器2、4が温まるに従って圧縮機1の冷媒の吐出温度が上昇する。これにつれて水冷媒熱交換器2の水出口2bにおける出湯温度が徐々に上がって、点Aで目標出湯温度以上の出湯温度が得られる。このため、三方弁8を切り替えると共にポンプ6の回転数制御を行なう。図5(a)に示すように、点Aで流路切り替え運転として、ポンプ6の回転数制御を開始し、点Bで終了している。点Aを過ぎてポンプ6の回転数を回転数Cに低下させ、タンク7の下部接続口7bから接続配管9d、9e、9f、水冷媒熱交換器2に循環する水の流量を減少する。水冷媒熱交換器2で水が受ける熱量は大幅には変化しないので、図5(b)に示すように、出湯温度の大幅な低下は防止される。このとき、回転数Cを小さめに設定しておくと、出湯温度が高くなるので、出湯温度の低下を確実に防ぐことができる。
この後、出湯温度が安定して目標出湯温度の近傍になるように、ポンプ6の回転数を増加または減少または固定する。一旦出湯温度が上昇しても、まだ冷凍サイクル101は完全に安定しているわけではない。安定するにつれて、ポンプ6の回転数は次第に上昇し、水の流量は増加する。出湯温度が安定して目標出湯温度の近傍になった時点(点B)で、通常制御運転(ST6)におけるポンプ6の回転数制御を行なう。ここで通常制御運転は、例えば図4のST12〜ST14の制御と同様である。また、図4のST11〜ST14に示す制御を行なった後、大幅な変動が生じない場合には、通常制御運転で、ポンプ6の回転数をほぼ一定とするように運転してもよい。
出湯温度が安定して目標出湯温度の近傍になった時点(点B)では、ヒートポンプユニット100を構成する機器の中で、圧縮機1や熱交換器2、4などの大きな熱容量を持っている機器が十分に温められた状態である。このため、冷媒が水に与えられる加熱量はほぼ一定となり、そのまま効率よく水冷媒熱交換器2で水に供給される状態となる。この加熱量に対して水冷媒熱交換器2に流入する水の温度がほぼ一定なら、水の流入量及び水出口2bの水の温度、即ち出湯温度は安定してほぼ一定となる。
三方弁8を第2の流路(9b、9g)から第1流路(9b、9c)に切り替えても、冷凍サイクル101の運転状態がそのままの場合には冷媒が水に与える熱量は変化しない。このため、三方弁8を切り替える前と同じ流量で水冷媒熱交換器2に流入させると、水冷媒熱交換器2に流入する水の温度低下に応じて、出湯温度が下がってしまう。従来装置の制御では、再度三方弁8を第2の流路(9b、9g)に切り替えることになる。このように流路を頻繁に切り替えるような運転は、冷凍サイクル101の冷媒の状態が安定することを妨げることにもなる。本実施の形態では、三方弁8の切り替え時にポンプ6の回転数を低下させることで、冷媒側の運転状態を変化させることなく、出湯温度が低下するのを防止することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、沸き上げ運転開始時の冷凍サイクル101の運転状態が不安定で出湯温度が目標出湯温度よりも低いときには再加熱し、目標出湯温度以上の温水が得られた後に流路を切り替えてタンク7に貯留する。このため、タンク7に貯留されている温水の温度を低下させることなく、温水をタンク7に貯留することが可能となる。さらに、三方弁8の切り替えとほぼ同時にポンプ6の回転数を低下するので、切り替え時の状態の変化に対応でき、頻繁な流路切り替えを防ぎ、タンクに目標温度の温水を貯湯することができる信頼性の高いヒートポンプ給湯機を得ることができる。
図5のグラフは一例であり、点Aでポンプ6の回転数を低下させすぎると出湯温度は目標出湯温度よりも高くなる可能性がある。そこで、ST11でポンプ6の回転数を低下した後に、図4のST14に示すように、出湯温度と目標出湯温度を比較してポンプ6の回転数を増加または減少または固定に制御すると、冷凍サイクル101で得られた熱量を有効に利用できる。
なお、試験やシミュレーションで予め三方弁8を切り替えて水冷媒熱交換器2に流入する水の温度が変化したときの現象を把握して、時間に対するポンプ6の回転数をパターン化しておいてもよい。その場合には、一定時間毎に出湯温度を計測しなくてもポンプ6の回転数制御を行なうことができる。
上記構成例では、三方弁8の切り替えを出湯温度センサ10bで検知される温度が目標出湯温度以上に到達した時点としたが、タンク7に設置された貯湯温度センサ10g〜10jにより検知される最高温度以上となった時点で切り替えてもよい。タンク7内には上部に高温、下部に低温という温度分布になっているので、実際には一番上部に取り付けられている貯湯温度センサ10jで計測された温度が、タンク7内に貯留されている水の最高温度を示す。タンク7内に貯留されている水の温度の最高値以上の水をタンク7に貯留するように切り替えても、タンク7に貯留されている水の温度を下げることなく、冷凍サイクル101で得られた熱量を無駄なくタンク7に貯留することができる。
この場合には、図2のST3における「所定温度」の代わりに「貯湯温度センサ10jで計測された温度」とすればよい。図6は、本実施の形態に係り、タンク7の上部の水の温度を所定温度としてポンプの回転数制御を行なったときのポンプの回転数の変化(図6(a))、及び出湯温度の変化(図6(b))を示すグラフであり、横軸に時間、縦軸にポンプの回転数(図6(a))及び出湯温度(℃)(図6(b))を示す。
タンク7の上部に貯留されている温水の温度が、例えば45℃であるとする。沸き上げ運転開始時には、図2のST1に従って、第2の流路(9b、9g)を接続してポンプ6に再循環させて運転する。出湯温度が貯湯温度センサ10jで計測された温度である45℃よりも低い場合には、この状態のままで運転する。
そして、運転制御装置11は、出湯温度センサ10bで検知された出湯温度が貯湯温度センサ10jで計測された温度以上に到達した時点で、接続配管9bと接続配管9cとを接続するように三方弁8を切り替えて、上部接続口7aよりタンク7に貯留する(ST4)。このとき、負荷側媒体である水は、ポンプ6、接続配管9e、9f、水冷媒熱交換器2、接続配管9a、9b、三方弁8、接続配管9cを通って、上部接続口7aよりタンク7に貯留される。また、三方弁8の切替と同時に、水冷媒熱交換器2に流入する水の流量を低下させるために、流路切り替え運転におけるポンプ6の回転数制御を行なう(ST5)。
このとき、ポンプ6の回転数は、水冷媒熱交換器2に流入する水の温度低下に応じて、式(3)を満たす水の流量になるようにポンプ6の回転数を低下させればよい。図6(a)でポンプ6の回転数Eに低下させ、この後には、図4のST13,ST14と同様、計測した出湯温度が目標出湯温度になるように、ポンプ6の回転数を増減すればよい。このときの目標出湯温度は、タンク7に貯留する温度の目標値、即ち目標貯湯温度とほぼ同一の温度であり、使用環境から予め設定されている。具体的には、外気温度と、使用者からリモコンにて指示される運転指令情報、例えば目標給湯温度と使用量などから設定されるか、あるいはリモコン内もしくは運転制御装置11に設けられたマイクロコンピュータにて過去の給湯使用量から算出される蓄熱エネルギー(貯湯量)を確保できるように設定される。ここでは、例えば65℃程度とする。
このように、沸き上げ運転開始時には、タンク7の上部に貯留されている水の温度以上の温水をタンク7に貯留するように構成すれば、温水を得るために使った熱量を有効にタンク7内に貯留することができる。即ち通常は、タンク7の上部に貯留されている水の温度<目標出湯温度であり、図5に示した構成例では再加熱するように循環させていた熱量をタンクに蓄えることができる。また、水冷媒熱交換器2に流入する水の温度が高くなると、冷凍サイクル101のCOP効率が低下することもあるが、この構成例では図5に示した構成例に比べて、水冷媒熱交換器2に流入する水の温度は低くなるので、冷凍サイクル101の効率が低下するのを防止できる。
即ち、圧縮機1、水冷媒熱交換器2、減圧手段3、及び空気熱交換器4を環状に接続し冷媒を循環させる冷媒回路101と、水を貯留するタンク7、タンク7の下部に設けた下部接続口7bから取り出した水を水冷媒熱交換器2の水入口2aに流入させ水冷媒熱交換器2で加熱して水冷媒熱交換器2の水出口2bから流出する水をタンク7の上部に設けた上部接続口7aからタンク7に流入させる主水流路(9d、9e、9f、9a、9b、9c)、主水流路(9d、9e、9f、9a、9b、9c)の水冷媒熱交換器2の水出口2bとタンク7の上部接続口7aを接続する配管から分岐部12aで分岐してタンク7の下部接続口7bと水冷媒熱交換器2の水入口2aを接続する配管の合流部12bにバイパス配管9gにて接続し、水冷媒熱交換器2の水出口2bから流出した水をバイパス配管9gを介して再び水冷媒熱交換器2の水入口2aに流入させる再循環流路(9e、9f、9a、9b、9g)、分岐部12aに設けられ主水流路(9d、9e、9f、9a、9b、9c)と再循環流路(9e、9f、9a、9b、9g)とを切り替える流路切替手段8、合流部12bと水冷媒熱交換器2の水入口2aとの間に設けられ主水流路(9d、9e、9f、9a、9b、9c)及び再循環流路(9e、9f、9a、9b、9g)に水を循環させるポンプ6、を有する給湯水回路201と、水冷媒熱交換器2の水出口2b付近を通過する水温を検出する温度検出手段10bと、運転制御手段11と、を備え、運転制御手段11は、温度検出手段10bで検出した水の温度が所定温度よりも低い場合に再循環流路(9e、9f、9a、9b、9g)を循環するように流路切替手段8を動作させ、温度検出手段10bで検出した水の温度が前記所定温度以上の場合に主水流路(9d、9e、9f、9a、9b、9c)を循環するように流路切替手段8を動作させると共に、ポンプ6の回転数を低下させることにより、流路を切り替えてタンク7内の水の温度を低下を防止でき、さらに切り替え時の状態の変化に対応でき、頻繁な流路切り替えを防ぎ、タンク7に目標温度の温水を貯湯することができる信頼性の高いヒートポンプ給湯機を得ることができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、三方弁8の切り替え時に出湯温度を安定させるために、ポンプ6の回転数を低下させたが、本発明の実施の形態2では、圧縮機1の回転数を増加させる。即ち、水冷媒熱交換器2の流入する水の温度の低下に応じて、水冷媒熱交換器2で供給する冷媒の熱量を増加させるように圧縮機1の回転数を増加させてもよい。これにより、水冷媒熱交換器2に流入する水温が急激に低下しても、水冷媒熱交換器2で冷媒が水に与える熱量が増加するため、出湯温度を低下させることなく、タンク7に貯留することができる。即ち、三方弁8の切り替え時に圧縮機1の回転数を増加させることで、負荷側媒体である水側の運転状態を変化させることなく、出湯温度が低下するのを防止し、出湯温度を安定させて加熱することができる。
図7は、本実施の形態に係る三方弁8と圧縮機1の制御を示すフローチャートである。図において、図2と同一符号は同様の処理を示す。沸き上げ運転開始時の圧縮機1の回転数は、例えば容量、給水温度、外気温度などに基づいて予めMAPなどで設定されている所定の回転数に初期設定するのであるが、動作の応答を考慮し、徐々にMAPで得られた回転数になるように制御する。ポンプ6の回転数も、例えば容量、給水温度、目標出湯温度などに基づいて予めMAPなどで設定されている所定の回転数が初期設定される。そして、給湯水回路201としては、水冷媒熱交換器2から流出した水が、タンク7に流入することなくバイパス配管9gを通過してポンプ6に戻るように、第2の流路(9b、9g)に接続する。このとき、負荷側媒体である水は、ポンプ6、接続配管9e、9f、水冷媒熱交換器2、接続配管9a、9b、三方弁8、バイパス配管9gと流れ、ポンプ6に再び循環する(ST1)。そして、ST2、ST3で示すように、水冷媒熱交換器2の水出口2b側の出湯温度を検出しながら、出湯温度が所定温度に上昇するまで運転する。所定温度は、例えば実施の形態1で述べた目標出湯温度とする。
実施の形態1と同様、運転制御装置11は、出湯温度センサ10bで検知された出湯温度が目標出湯温度以上に到達した時点で、第1の流路、即ち接続配管9bと接続配管9cとを接続するように三方弁8をバイパス配管9gから接続配管9cへ流路を切り替えて、上部接続口7aよりタンク7に貯留する(ST4)。このとき、負荷側媒体である水は、ポンプ6、接続配管9e、9f、水冷媒熱交換器2、接続配管9a、9b、三方弁8、接続配管9cを通って、上部接続口7aよりタンク7の上部から貯留される。また、三方弁8の切替とほぼ同時に、流路切り替え運転として、圧縮機1の回転数を制御する。圧縮機1の回転数を制御することで、水冷媒熱交換器2の冷媒側入口に流入する加熱側媒体である冷媒の流量を増加させる(ST25)。そして、冷凍サイクル101が安定したら、沸き上げ運転開始時の流路切り替え運転における圧縮機1の回転数制御を終了し、通常制御運転に移行する(ST6)。ここでは、所定時間、例えば数分間継続して水冷媒熱交換器2から流出する水の温度、即ち出湯温度の変動が数℃、例えば±2℃程度になったら、冷凍サイクル101が安定したとみなす。
図8は本実施の形態に係り、流路切り替え運転における圧縮機1の回転数制御を示し、第2の流路(9b、9g)から第1の流路(9b、9c)への切り替え時の圧縮機1の回転数制御(図7ではST25)の動作の一例を詳しく示すフローチャートである。ST31に示すように、三方弁8の切替とほぼ同時に圧縮機1の回転数を、例えば1.1倍程度に流量が増加するように変更する。ST31では、三方弁8を切り替えたことで水冷媒熱交換器2の入口側に生じる流入水の温度低下に応じ、圧縮機1の回転数を増加して冷媒の供給する熱量を増加して運転する。具体的には、三方弁8を切り替える直前における入水温度センサ10aで計測した入水温度(Twin1)と、タンク7内の最下部における貯湯センサ10gで計測した貯湯水の温度(Twin2)との温度差に応じ、圧縮機1の回転数を増加させればよい。
次に、出湯温度センサ10bで出湯温度を検出し(ST32)、検出した出湯温度と目標出湯温度とを比較する(ST33)。出湯温度が目標出湯温度近傍になるように、計測した出湯温度と目標出湯温度の温度差に応じて、圧縮機1の回転数を増加または減少または固定に制御する(ST34)。そして、ST32の出湯温度検出に戻る。ST33で出湯温度と目標出湯温度とを比較した結果、所定時間、例えば数分の間、安定して目標出湯温度近傍になったら、流路切り替え運転における圧縮機1の回転数制御を終了する。ここで、目標出湯温度近傍とは、例えば目標出湯温度の±2℃程度としているが、これに限るものではない。
圧縮機1の回転数を増加する場合の一例を図9に示す。図9は本実施の形態に係り、流路切り替え運転における圧縮機1の回転数制御を行なったときの圧縮機1の回転数の変化を示すグラフであり、横軸に時間、縦軸に圧縮機1の回転数を示す。
沸き上げ運転が開始されると、圧縮機1の回転数は、例えば容量、給水温度、外気温度などに基づいて予め設定されている所定の値になるように、徐々にまたは段階的に増加するように運転される。数分〜十数分程度運転し、冷凍サイクル101を構成する各機器が温まるに連れて、図5(b)と同様、点Aで水冷媒熱交換器2から流出する水の出湯温度が所定温度、例えば目標出湯温度以上になる。そこで、水冷媒熱交換器2とバイパス配管9gを接続していた三方弁8を、水冷媒熱交換器2と接続配管9cを接続するように流路を切り替える。そして、圧縮機1の回転数制御を開始する。圧縮機1の回転数を回転数Dに増加し、その後出湯温度が目標出湯温度の近傍に安定する点Bまで、圧縮機1の回転数制御を行い、点Bで流路切り替え運転を終了する。
即ち、三方弁8を切り替えるとき、切り替え前後で、式(2)における(Twout1−Twin2)が増加する。これに応じて必要となる水側の加熱能力Qw2が増加するが、この増加分を満たすように、式(1)のGrを増加させればよい。これは、予め、シミュレーションや試験を行なって、目標出湯温度(所定温度)Twout1、切り替え前の流入温度Twin1、切り替え後の流入温度Twin2が推定できる場合には、これを記憶しておくことで容易に圧縮機1の回転数の増加量を知ることができる。この圧縮機回転数の増加量は、式(1)、式(2)に基づいて計算することができる。hgout、hginの値は圧縮機1の入口及び出口の冷媒の温度及び圧力を計測して設定すればよい。また、予めシミュレーションや試験運転を行なって、外気温度、切り替え前後の水冷媒熱交換器2に流入する水温度に対して、圧縮機回転数の増加量をMAPにしておいてもよい。例えば図3で示した運転条件では、圧縮機1の回転数を1.1〜1.5倍程度増加させれば、切り替え前後でほぼ同一の出湯温度を得ることができる。
以上のように、本実施の形態でも、沸き上げ運転開始時の冷凍サイクル101の運転状態が不安定で出湯温度が目標出湯温度よりも低いときには再加熱し、目標出湯温度以上の温水が得られた後に流路を切り替えてタンク7に貯留する。このため、タンク7に貯留されている温水の温度を低下させることなく、温水をタンク7に貯留することが可能となる。さらに、三方弁8の切り替えとほぼ同時に圧縮機1の回転数を増加するので、切り替え時の状態の変化に対応でき、頻繁な流路切り替えを防ぎ、タンク7に目標温度の温水を貯湯することができる信頼性の高いヒートポンプ給湯機を得ることができる。
即ち、圧縮機1、水冷媒熱交換器2、減圧手段3、及び空気熱交換器4を環状に接続し冷媒を循環させる冷媒回路101と、水を貯留するタンク7、タンク7の下部に設けた下部接続口7bから取り出した水を水冷媒熱交換器2の水入口2aに流入させ水冷媒熱交換器2で加熱して水冷媒熱交換器2の水出口2bから流出する水をタンク7の上部に設けた上部接続口7aからタンク7に流入させる主水流路(9d、9e、9f、9a、9b、9c)、主水流路(9d、9e、9f、9a、9b、9c)の水冷媒熱交換器2の水出口2bとタンク7の上部接続口7aを接続する配管から分岐部12aで分岐してタンク7の下部接続口7bと水冷媒熱交換器2の水入口2aを接続する配管の合流部12bにバイパス配管9gにて接続し、水冷媒熱交換器2の水出口2bから流出した水をバイパス配管9gを介して再び水冷媒熱交換器2の水入口2aに流入させる再循環流路(9e、9f、9a、9b、9g)、分岐部12aに設けられ主水流路(9d、9e、9f、9a、9b、9c)と再循環流路(9e、9f、9a、9b、9g)とを切り替える流路切替手段8、合流部12bと水冷媒熱交換器2の水入口2aとの間に設けられ主水流路(9d、9e、9f、9a、9b、9c)及び再循環流路(9e、9f、9a、9b、9g)に水を循環させるポンプ6、を有する給湯水回路201と、水冷媒熱交換器2の水出口2b付近を通過する水温を検出する温度検出手段10bと、運転制御手段11と、を備え、運転制御手段11は、温度検出手段10bで検出した水の温度が所定温度よりも低い場合に再循環流路(9e、9f、9a、9b、9g)を循環するように流路切替手段8を動作させ、温度検出手段10bで検出した水の温度が前記所定温度以上の場合に主水流路(9d、9e、9f、9a、9b、9c)を循環するように流路切替手段8を動作させると共に、圧縮機1の回転数を増加させることにより、流路を切り替えてタンク7内の水の温度を低下を防止でき、さらに切り替え時の状態の変化に対応でき、頻繁な流路切り替えを防ぎ、タンク7に目標温度の温水を貯湯することができる信頼性の高いヒートポンプ給湯機を得ることができる。
また、図8に示した流路切り替え運転で、圧縮機回転数を増加した後、ST34の圧縮機1の回転数を増加または減少または固定にする代わりに、ポンプ6の回転数を増加または減少または固定にしてもよい。即ち、圧縮機1の回転数を増加させて水冷媒熱交換器2で供給される熱量を増加し、この後にポンプ6の回転数で微調整してもよい。
通常制御運転では、圧縮機1の回転数は容量や外気温度や出湯温度で決定される回転数に設定し、ポンプ6の回転数は水冷媒熱交換器2の出湯温度によって制御される。このため、流路切り替え運転から通常制御運転にスムーズに移行できる効果がある。
この場合、流路切り替え運転で増加させた圧縮機1の回転数は、安定してから徐々に低下させればよい。
なお、図7におけるST3の所定温度を目標出湯温度としたが、実施の形態1と同様、タンク7に貯留されている水の温度の最高値、即ち貯湯温度センサ10jで計測された温度としてもよい。これにより、冷凍サイクル101で得られた熱量を有効に利用でき、かつタンク7内の水の温度を低下させることがない。また、水冷媒熱交換器2に流入する水の温度を低くできるので、冷凍サイクル101の効率が低下するのを防止できる。
また、実施の形態1及び実施の形態2で、図2、図7のST3における「所定温度」の代わりに「使用者によって設定された給湯温度」としてもよい。この場合には、三方弁8の切り替えを使用者によって設定された給湯温度以上となった時点で切り替える。通常、使用者によって設定された給湯温度<目標出湯温度である。これにより、使用者が利用可能な温度以上の温水を再度冷凍サイクル101で加熱することなく、タンク7に貯留することができるため、使用者が利用可能な貯湯量を確保する時間を短縮することができる。特に、タンク7内に貯湯量がほとんどないときに、使用者が給湯を希望する温度の水をタンク7に貯湯することができる。このため、貯湯量が少ないときでも、給湯を希望する使用者の待ち時間を短くできる。
実施の形態1に示したようにポンプ6の回転数を低下させるときには、冷凍サイクル101の動作を安定させたまま運転することができる効果がある。
一方、実施の形態2に示したように圧縮機1の回転数を増加させるときには、水冷媒熱交換器2での加熱能力が上がるので、迅速に温水をタンク7に貯留できる効果がある。
なお、実施の形態1において、三方弁8を切り替える動作と、ポンプ6の回転数を低減する動作とは、同時に行なうとしたが、若干のずれがあってもよい。例えばポンプ6の回転数を低減する動作を三方弁8の切り替えよりも先に行なうと、先に出湯温度が高くなるので、高温の温水をタンク7に蓄えることができる。また、逆に例えばポンプ6の回転数を低減する動作を三方弁8の切り替えよりも後で行なうと、出湯温度が若干下がるが、下がっても再加熱する必要がない。このようにどちらが先でもよく、ほぼ同時に行なえばよい。ポンプ6の回転数の低減と同様、実施の形態2における圧縮機1の回転数を増加させる場合も同様である。
また、実施の形態1及び実施の形態2では、第2の流路(9b、9g)から第1の流路(9b、9c)に三方弁8を切り替える際、圧縮機1の回転数を増加するように制御する、またはポンプ6の回転数を低下させるように制御するとして、安定した出湯温度を得ている。ただし、圧縮機1の回転数及びポンプ6の回転数には、信頼性の点から上限及び下限が設定されている。圧縮機1とポンプ6のどちらか一方のみで制御するとした場合に、その制御範囲を超える状況になる可能性がある。その場合には、圧縮機1の回転数の増加とポンプ6の回転数の低下とを組み合わせて制御してもよい。
また、実施の形態1及び実施の形態2では、運転制御装置11は冷媒回路101及び給湯水回路201における動作を制御する構成としたが、これに限るものではない。例えば、運転制御装置を複数備え、冷媒回路101における動作を制御する制御装置と給湯水回路201における動作を制御する制御装置を別々に設けた構成としてもよい。
また、実施の形態1及び実施の形態2では、第1の流路と第2の流路を切り替える流路切替手段として三方弁8を用いたが、これに限るものではなく、他の手段を用いてもよい。例えば、複数の開閉弁を組み合わせて構成してもよい。
以上のように、本発明によれば、圧縮機1、水冷媒熱交換器2、減圧手段3、及び空気熱交換器4を環状に接続し冷媒を循環させる冷媒回路101と、上部に上部接続口7a及び下部に下部接続口7bを有し水冷媒熱交換器2で加熱された温水を貯留するタンク7、水冷媒熱交換器2とタンク7間で送水するポンプ6、水冷媒熱交換器2で加熱された水を上部接続口7aからタンク7に貯留する第1の流路(9b、9c)、水冷媒熱交換器2で加熱された水を水冷媒熱交換器2に再び流入させる第2の流路(9b、9g)、及び第1の流路(9b、9c)と第2の流路(9b、9g)とを切り替える流路切替手段8、を有する給湯水回路201と、水冷媒熱交換器2の水出口2b付近を通過する水温を検出する温度検出手段10bと、流路切替手段8及びポンプ6の回転数を制御する運転制御手段11と、を備え、運転制御手段11は、温度検出手段10bで検出した水の温度が所定温度よりも低い場合に第2の流路(9b、9g)を循環するように流路切替手段8を動作させ、温度検出手段10bで検出した水の温度が前記所定温度以上の場合に第1の流路(9b、9c)を循環するように流路切替手段8を動作させると共に、第2の流路(9b、9g)から第1の流路(9b、9c)に切り替えることによって水冷媒熱交換器2の水入口2a側に生じる流入水の温度低下に応じ、ポンプ6の回転数を低下することで水冷媒熱交換器2に流入する水の量を減少させる流路切り替え運転を行うことにより、沸き上げ運転開始時の不安定な状態でも、第2の流路(9b、9g)による再加熱運転から第1の流路(9b、9c)によるタンク7に貯湯するので、タンク7内の貯湯水温を下げることなく、さらに切り替え時に出湯温度が大幅に低下するの防いで、切り替え時の状態の変化に対応でき、頻繁な流路切り替えを防ぎ、タンク7に目標温度の温水を貯湯することができる信頼性の高いヒートポンプ給湯機を得ることができる。
また、流路切り替え運転で、運転制御手段11は、ポンプ6の回転数を低下することで水冷媒熱交換器2に流入する水の量を減少させた後、水冷媒熱交換器2の水出口2b側の水の温度が予め設定されている目標出湯温度となるように、ポンプ6の回転数を制御するように構成したことにより、確実に目標温度の温水を貯湯することができるヒートポンプ式給湯機が得られる効果がある。
また、圧縮機1、水冷媒熱交換器2、減圧手段3、及び空気熱交換器4を環状に接続し冷媒を循環させる冷媒回路101と、上部に上部接続口7a及び下部に下部接続口7bを有し水冷媒熱交換器2で加熱された温水を貯留するタンク7、水冷媒熱交換器2とタンク7間で送水するポンプ6、水冷媒熱交換器2で加熱された水を上部接続口7aからタンク7に貯留する第1の流路(9b、9g)、水冷媒熱交換器2で加熱された水を水冷媒熱交換器2に再び流入させる第2の流路(9b、9c)、及び第1の流路(9b、9c)と第2の流路(9b、9g)とを切り替える流路切替手段8、を有する給湯水回路201と、水冷媒熱交換器2の水出口2b付近を通過する水温を検出する温度検出手段10bと、流路切替手段8及び圧縮機1の回転数を制御する運転制御手段11と、を備え、運転制御手段11は、温度検出手段10bで検出した水の温度が所定温度よりも低い場合に第2の流路(9b、9g)を循環するように流路切替手段8を動作させ、温度検出手段10bで検出した水の温度が前記所定温度以上の場合に第1の流路(9b、9c)を循環するように流路切替手段8を動作させると共に、第2の流路(9b、9g)から第1の流路(9b、9c)に切り替えることによって水冷媒熱交換器2の水入口2a側に生じる流入水の温度低下に応じ、圧縮機1の回転数を増加させて水冷媒熱交換器2で供給する冷媒の熱量を増加させる流路切り替え運転を行うことにより、沸き上げ運転開始時の不安定な状態でも、第2の流路(9b、9g)による再加熱運転から第1の流路(9b、9c)によるタンク7に貯湯するので、タンク7内の貯湯水温を下げることなく、さらに切り替え時に出湯温度が大幅に低下するの防いで、切り替え時の状態の変化に対応でき、頻繁な流路切り替えを防ぎ、タンク7に目標温度の温水を貯湯することができる信頼性の高いヒートポンプ給湯機を得ることができる。
また、流路切り替え運転で、運転制御手段11は、圧縮機1の回転数を増加させて水冷媒熱交換器2で供給する冷媒の熱量を増加させた後、水冷媒熱交換器2の水出口2b側の水の温度が予め設定されている目標出湯温度となるように、圧縮機1の回転数を制御することにより、確実に目標温度の温水を貯湯することができるヒートポンプ式給湯機が得られる効果がある。
また、運転制御手段11は、流路切り替え運転で、圧縮機1の回転数を増加させた後、水冷媒熱交換器2の水出口2b側の水の温度が目標出湯温度となるように、ポンプ6の回転数を制御してもよい。即ち、圧縮機1の回転数は増加させたところで固定し、ポンプ6の回転数を制御して微調整すれば、冷凍サイクル101の状態を安定状態を保持し、精度よく確実に目標温度の温水をタンク7に貯留することができる効果がある。
即ち、圧縮機1、水冷媒熱交換器2、減圧手段3、及び空気熱交換器4を環状に接続し冷媒を循環させる冷媒回路101と、水を貯留するタンク7、タンク7の下部に設けた下部接続口7bから取り出した水を水冷媒熱交換器2の水入口2aに流入させ水冷媒熱交換器2で加熱して水冷媒熱交換器2の水出口2bから流出する水をタンク7の上部に設けた上部接続口7aからタンク7に流入させる主水流路(9d、9e、9f、9a、9b、9c)、主水流路(9d、9e、9f、9a、9b、9c)の水冷媒熱交換器2の水出口2bとタンク7の上部接続口7aを接続する配管から分岐部12aで分岐してタンク7の下部接続口7bと水冷媒熱交換器2の水入口2aを接続する配管の合流部12bにバイパス配管9gにて接続し、水冷媒熱交換器2の水出口2bから流出した水をバイパス配管9gを介して再び水冷媒熱交換器2の水入口2aに流入させる再循環流路(9e、9f、9a、9b、9g)、分岐部12aに設けられ主水流路(9d、9e、9f、9a、9b、9c)と再循環流路(9e、9f、9a、9b、9g)とを切り替える流路切替手段8、合流部12bと水冷媒熱交換器2の水入口2aとの間に設けられ主水流路(9d、9e、9f、9a、9b、9c)及び再循環流路(9e、9f、9a、9b、9g)に水を循環させるポンプ6、を有する給湯水回路201と、水冷媒熱交換器2の水出口2b付近を通過する水温を検出する温度検出手段10bと、運転制御手段11と、を備え、運転制御手段11は、温度検出手段10bで検出した水の温度が所定温度よりも低い場合に再循環流路(9e、9f、9a、9b、9g)を循環するように流路切替手段8を動作させ、温度検出手段10bで検出した水の温度が前記所定温度以上の場合に主水流路(9d、9e、9f、9a、9b、9c)を循環するように流路切替手段8を動作させると共に、ポンプ6の回転数を低下させる、または圧縮機1の回転数を増加させることにより、流路を切り替えてタンク7内の水の温度を低下を防止でき、さらに切り替え時の状態の変化に対応でき、頻繁な流路切り替えを防ぎ、タンク7に目標温度の温水を貯湯することができる信頼性の高いヒートポンプ給湯機を得ることができる。
また、タンク7の上部に貯留された水の温度を検出するタンク水温検出手段10jを備え、前記所定温度は、タンク水温検出手段10jにより検出された温度であることを特徴とするので、確実にタンク7内に貯留されている水の温度を下げることなく、冷凍サイクル101で得られた温熱を有効に貯留することができる効果がある。
また、前記所定温度は、使用者が設定した給湯温度であることを特徴とするので、タンク7内に貯湯量がほとんどないときに、使用者が給湯を希望する温度の水をタンク7に貯湯することができる。このため、貯湯量が少ないときでも、給湯を希望する使用者の待ち時間を短くできる効果がある。
また、前記所定温度を、使用環境から予め設定した目標出湯温度とすれば、確実に目標出湯温度の水をタンク7に貯留することができる効果がある。
1 圧縮機
2 水冷媒熱交換器
2a 水入口
2b 水出口
3 減圧手段
4 空気熱交換器
5 送風機
6 ポンプ
7 タンク
7a 上部接続口
7b 下部接続口
8 流路切替手段
9a〜9f 接続配管
9g バイパス配管
10a 入水温度検出手段
10b 出湯温度検出手段
10c 外気温度検出手段
10d 吐出温度検出手段
10e 吸入温度検出手段
10f 蒸発温度検出手段
10g〜10j 貯湯温度検出手段
11 運転制御手段
12a 分岐部
12b 合流部
100 ヒートポンプユニット
101 冷凍サイクル
200 タンクユニット
201 給湯水回路

Claims (6)

  1. 圧縮機、水冷媒熱交換器、減圧手段、及び空気熱交換器を環状に接続し冷媒を循環させる冷媒回路と、上部に上部接続口及び下部に下部接続口を有し前記水冷媒熱交換器で加熱された温水を貯留するタンク、前記水冷媒熱交換器と前記タンク間で送水するポンプ、前記水冷媒熱交換器で加熱された水を前記上部接続口から前記タンクに貯留する第1の流路、前記水冷媒熱交換器で加熱された水を前記水冷媒熱交換器に再び流入させる第2の流路、及び前記第1の流路と前記第2の流路とを切り替える流路切替手段、を有する給湯水回路と、前記水冷媒熱交換器の水出口付近を通過する水温を検出する温度検出手段と、前記流路切替手段及び前記ポンプの回転数を制御する運転制御手段と、を備え、前記運転制御手段は、前記温度検出手段で検出した水の温度が所定温度よりも低い場合に前記第2の流路を循環するように前記流路切替手段を作動させ、前記温度検出手段で検出した水の温度が前記所定温度以上の場合に前記第1の流路を循環するように前記流路切替手段を動作させると共に、前記第2の流路から前記第1の流路に切り替えることによって前記水冷媒熱交換器の水入口側に生じる流入水の温度低下に応じ、切り替え前の前記水冷媒熱交換器の水入口温度(Twin1)、前記タンク内の最下部の貯湯水温度(Twin2)、前記水冷媒熱交換器の水出口温度(Twout1)としたとき、(Twout1−Twin1)/(Twout1−Twin2)で表される比率から定まるポンプの回転数に低下させることで前記水冷媒熱交換器に流入する水の量を減少させる流路切り替え運転を行うことを特徴とするヒートポンプ式給湯機。
  2. 前記流路切り替え運転で、前記運転制御手段は、前記ポンプの回転数を低下させることで前記水冷媒熱交換器に流入する水の量を減少させた後、前記水冷媒熱交換器の水出口側の水の温度が予め設定されている目標出湯温度となるように、前記ポンプの回転数を制御することを特徴とする請求項1記載のヒートポンプ式給湯機。
  3. 圧縮機、水冷媒熱交換器、減圧手段、及び空気熱交換器を環状に接続し冷媒を循環させる冷媒回路と、
    上部に上部接続口及び下部に下部接続口を有し前記水冷媒熱交換器で加熱された温水を貯留するタンク、前記水冷媒熱交換器と前記タンク間で送水するポンプ、前記水冷媒熱交換器で加熱された水を前記上部接続口から前記タンクに貯留する第1の流路、前記水冷媒熱交換器で加熱された水を前記水冷媒熱交換器に再び流入させる第2の流路、及び前記第1の流路と前記第2の流路とを切り替える流路切替手段、を有する給湯水回路と、前記水冷媒熱交換器の水出口付近を通過する水温を検出する温度検出手段と、前記流路切替手段及び前記ポンプの回転数を制御する運転制御手段と、を備え、前記運転制御手段は、前記温度検出手段で検出した水の温度が所定温度よりも低い場合に前記第2の流路を循環するように前記流路切替手段を作動させ、前記温度検出手段で検出した水の温度が前記所定温度以上の場合に前記第1の流路を循環するように前記流路切替手段を動作させると共に、前記第2の流路から前記第1の流路に切り替えることによって前記水冷媒熱交換器の水入口側に生じる流入水の温度低下に応じ、切り替え前の前記水冷媒熱交換器の水入口温度(Twin1)、前記タンク内の最下部の貯湯水温度(Twin2)、前記水冷媒熱交換器の水出口温度(Twout1)としたとき、(Twout1−Twin1)/(Twout1−Twin2)で表される比率で、前記圧縮機の回転数を増加させて前記水冷媒熱交換器で供給する冷媒の熱量を増加させる流路切り替え運転を行うことを特徴とするヒートポンプ式給湯機。
  4. 前記流路切り替え運転で、前記運転制御手段は、前記圧縮機の回転数を増加させて前記水冷媒熱交換器で供給する冷媒の熱量を増加させた後、前記水冷媒熱交換器の水出口側の水の温度が予め設定されている目標出湯温度となるように、前記圧縮機の回転数を制御することを特徴とする請求項3記載のヒートポンプ式給湯機。
  5. 前記タンクの上部に貯留された水の温度を検出するタンク水温検出手段を備え、前記所定温度は、前記タンク水温検出手段により検出された温度であることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載のヒートポンプ式給湯機。
  6. 前記所定温度は、使用者が設定した給湯温度であることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載のヒートポンプ式給湯機。
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