JP5071005B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、周方向主溝における石の噛み込みを抑制できる空気入りタイヤに関するものである。
舗装路および非舗装路の走行をする空気入りタイヤでは、周方向主溝における石の噛み込み(石詰まり)を抑制すべき課題がある。かかる石の噛み込みが発生すると、ストーンドリリングによりトレッド部にセパレーションが発生したり更正率が低下したりするため、好ましくない。このため、近年の空気入りタイヤでは、石の噛み込みを低減するために、周方向主溝の溝底部に突起部が設けられている。
従来の空気入りタイヤには、例えば、特許文献1に記載される技術が知られている。この従来の空気入りタイヤ(石詰まり防止突起を有する空気入りタイヤ)は、トレッド部の周方向主溝の溝底部から、周方向に連続して石詰まり防止突起を突出した空気入りタイヤにおいて、石詰まり防止突起は、石詰まり防止突起が主溝の深さ方向の中心線に沿って突設され、その外周面が周方向で曲線凹凸を交互に形成した波形とされている。
特開平6−239107号公報
しかしながら、主溝に噛み込まれる石の多くは、主溝の中心線に沿って侵入する。このため、従来の空気入りタイヤでは、主溝に侵入した石のほぼ中央に突起が当接することから、主溝の両溝壁間に食い込んでいる石を主溝から押し出すための十分な押出力が得られず、主溝から石を排出できない場合がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、周方向主溝における石の噛み込みの抑制率を向上できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明にかかる空気入りタイヤでは、タイヤ周方向に延在する周方向主溝と、前記周方向主溝の溝底部から該周方向主溝の開口部に向けて突設される突起部とを有する空気入りタイヤにおいて、前記突起部は、自身の突出方向中心線が前記周方向主溝の径方向中心線に対して前記周方向主溝の溝幅方向に角度を有して設けられていると共に、前記周方向主溝の延在方向に沿って前記角度が周期的に反転し、かつ前記角度の最大値θが3°≦θ≦40°となるように設けられており、さらに前記突起部における前記周方向主溝の溝底部から先端までの突出高さhと、前記周方向主溝における溝底部から開口部までの溝深さDとが0.1≦h/D≦0.7の関係を有することを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、周方向主溝に侵入した石の溝幅方向でのエッジ付近に突起部が当接するので、周方向主溝の両溝壁間に食い込む石を周方向主溝から押し出すための十分な押出力が得られ、石の噛み込み抑制率を向上できる。しかも、この空気入りタイヤによれば、周方向主溝の溝深さDに対して、突起部の突出高さhを規定していることから、周方向主溝に侵入し得る大きさの石に突起部が確実に当接するので、周方向主溝の両溝壁間に食い込む石を周方向主溝から押し出すための十分な押出力が得られ、石の噛み込み抑制率をさらに向上できる。
また、本発明にかかる空気入りタイヤでは、前記突起部は、前記角度が最大値θとなる部位が、前記周方向主溝における溝壁に最も接近することを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、周方向主溝に侵入した石の溝幅方向でのエッジ付近に対して突起部による押出力を作用させるので、石の噛み込み抑制率をさらに向上できる。
また、本発明にかかる空気入りタイヤでは、前記周方向主溝の溝幅中心部におけるトレッド法線に対し、前記角度が最大値θとなる前記突起部における突出方向中心線の傾斜角度と、前記トレッド法線に対し、前記最大値θの角度で前記突起部の先端が向く側の前記周方向主溝における溝壁の傾斜角度との差Δαが−3°≦Δα≦+3°の関係を有することを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、上記最大値θの角度となる突起部の突出方向中心線のトレッド法線を基準とした傾斜角度と、周方向主溝の溝壁のトレッド法線Tを基準とした傾斜角度とがほぼ同じ、すなわち、突起部の突出方向中心線と溝壁とがほぼ平行な関係を有していることから、突起部と溝壁との間において、周方向主溝に侵入した石に当接した突起部が変形する十分な領域が確保されるので、周方向主溝の両溝壁間に食い込む石を周方向主溝から押し出すための十分な押出力が得られ、石の噛み込み抑制率をさらに向上できる。
また、本発明にかかる空気入りタイヤでは、前記突起部の前記周方向主溝の延在方向に沿う1周期の長さPと、前記周方向主溝の溝幅Wとが0.25≦P/W≦3.5の関係を有することを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、周方向主溝の溝幅Wによって、周方向主溝に侵入する石の大きさが想定でき、この石の周方向主溝の延在方向の大きさと、角度が反転する突起部の1周期の長さPとがほぼ同じとなる。このため、周方向主溝の両溝壁側において、溝幅方向で角度を反転させた突起部が、周方向主溝に侵入した石の溝幅方向での一方から他方のエッジ付近に当接するので、周方向主溝の両溝壁間に食い込む石を周方向主溝から押し出すための十分な押出力が得られ、石の噛み込み抑制率をさらに向上できる。
また、本発明にかかる空気入りタイヤでは、前記突起部は、前記周方向主溝の溝幅方向における厚さtと、前記周方向主溝の溝底部から先端までの突出高さhとが0.5≦t/h≦2.0の関係を有することを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、突起部における周方向主溝の溝底部から先端部までの突出高さhに対して、周方向主溝の溝幅方向における厚さtを規定していることから、周方向主溝の両溝壁間に食い込む石を周方向主溝から押し出すための十分な押出力が得られ、石の噛み込み抑制率をさらに向上できる。
また、本発明にかかる空気入りタイヤでは、前記突起部は、前記周方向主溝の延在方向に沿って連続して設けられていることを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、突起部が、周方向主溝の延在方向に沿って連続しつつ前記角度が周期的に反転して設けられていることから、その剛性が増すので、周方向主溝の両溝壁間に食い込む石を周方向主溝から押し出すための十分な押出力が得られ、石の噛み込み抑制率をさらに向上できる。
また、本発明にかかる空気入りタイヤでは、前記突起部は、前記周方向主溝の延在方向に沿って最大値θの角度となる部位を有する部分が断続して設けられていることを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、トレッド部の陸部が摩耗末期となった場合、断続する突起部間の隙間によって周方向主溝からの排水を補助できる。
本発明にかかる空気入りタイヤは、突起部の突出方向中心線が、周方向主溝の径方向中心線に対して周方向主溝の溝幅方向に角度を有して設けられていると共に、周方向主溝の延在方向に沿って前記角度が周期的に反転し、かつ前記角度の最大値θが3°≦θ≦40°となるように設けられている。このため、周方向主溝に侵入した石の溝幅方向でのエッジ付近に突起部が当接するので、周方向主溝の両溝壁間に食い込む石を周方向主溝から押し出すための十分な押出力が得られ、石の噛み込み抑制率を向上できる。
以下に、本発明にかかる空気入りタイヤの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施例の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的同一のものが含まれる。また、この実施例に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1は、本発明の実施例にかかる空気入りタイヤのトレッド面の一部を示す平面図、図2は、図1に示した空気入りタイヤの周方向主溝を示す平面図、図3は、図1に示した空気入りタイヤの周方向主溝を示す一部破断斜視図、図4は、図2および図3におけるA−A断面図、図5は、図2および図3におけるB−B断面図、図6は、図2および図3におけるC−C断面図、図7は、突起部の他の形態を示す断面図、図8は、トレッド法線に対する突起部および周方向主溝の溝壁の傾斜角度を示す断面図、図9〜図12は、この発明の実施例にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
図1に示すように、空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝2と、これらの周方向主溝2により区画されて成る複数の陸部3とをトレッド部に有する。例えば、図1に示す空気入りタイヤ1では、トレッド部に4本の周方向主溝2が形成されており、これらの周方向主溝2により、複数のリブ状の陸部3が形成されている(リブパターン)。なお、この実施例では、上記のようなリブパターンがトレッド面に形成されるが、これに限らず、ブロックパターンが形成されても良い(図示省略)。
周方向主溝2には、突起部4が形成されている。突起部4は、周方向主溝2の成形時にてタイヤ成形金型により一時に成形される。なお、突起部4は、トレッド面のすべての周方向主溝2に形成されても良いし(図1参照)、一部の周方向主溝2のみに形成されても良い(図示省略)。
この突起部4は、周方向主溝2の溝長さ方向(タイヤ周方向)に沿って連続的に設けられ、タイヤ全周に渡って延在する。突起部4は、図3および図4に示すように、周方向主溝2の溝底部21から該周方向主溝2の開口部22に向けてリブ状形状を成して突設されている。また、突起部4は、図5および図6に示すように、自身の突出方向中心線S1が周方向主溝2の径方向中心線S2に対し、周方向主溝2の溝幅方向に角度を有し、周方向主溝2の延在方向に沿って前記角度が0°〜最大値θに変化しつつ周期的に反転して設けられている。この突起部4の角度の最大値θは、3°≦θ≦40°(好ましくは5°≦θ≦30°)となるように設定される。
ここで、突起部4の突出方向中心線S1とは、新品時の空気入りタイヤ1において、周方向主溝2の溝底部21からの突出高さ20%の位置における厚さの中心と、突出した先端部41における厚さの中心とを通過する直線と定義する。また、周方向主溝2の径方向中心線S2とは、新品時の空気入りタイヤ1において、周方向主溝2の開口部22における溝幅の中心と、前記開口部22から溝底部21に向けて深さ90%の位置における溝幅の中心とを通過する直線と定義する。
また、突起部4は、周方向主溝2の溝底部21において、その根元部42の位置が周方向主溝2の延在方向に沿いつつ溝幅方向に蛇行して配設されている。具体的には、突起部4の根元部42における突出方向中心線S1が、図4に示すように周方向主溝2の溝底部21の溝幅方向の中央(径方向中心線S2上)の位置と、図5に示すように周方向主溝2の左側の溝壁23に最も接近する位置と、図6に示すように周方向主溝2の右側の溝壁23に最も接近する位置とを通過して、図2および図3に示すように中央→左側→中央→右側→中央の蛇行を1周期(P)とし、周方向主溝2の延在方向に沿って連続して配設されている。
このような空気入りタイヤ1では、突起部4が、自身の突出方向中心線S1が周方向主溝2の径方向中心線S2に対して周方向主溝2の溝幅方向に角度を有し、周方向主溝2の延在方向に沿って前記角度が0°〜最大値θに変化しつつ周期的に反転して設けられ、かつ突起部4の角度の最大値θが3°≦θ≦40°(好ましくは5°≦θ≦30°)となるように設けられている。このため、周方向主溝2の溝底部21から真っ直ぐ突設されているだけの従前の突起部(図示せず)では、周方向主溝2に侵入した石のほぼ中央に突起部が当接して十分な押出力が得られない虞があるが、本実施例の空気入りタイヤ1では、周方向主溝2に侵入した石の溝幅方向でのエッジ付近に突起部4の先端部41が当接するので、周方向主溝2の両溝壁23間に食い込む石を周方向主溝2から押し出すための十分な押出力が得られ、石の噛み込み抑制率を向上できる。
しかも、本実施例の空気入りタイヤ1では、周方向主溝2の延在方向に沿って連続しつつ前記角度が周期的に反転して設けられていることから、従前の突起部と比較して、突起部4の剛性が増すので、周方向主溝2の両溝壁23間に食い込む石を周方向主溝2から押し出すための十分な押出力が得られ、石の噛み込み抑制率をさらに向上できる。
なお、上述した空気入りタイヤ1では、突起部4が、周方向主溝2の延在方向に連続して設けられているがこの限りではない。例えば、図には明示しないが、突起部4は、周方向主溝2の延在方向に沿って最大値θの角度となる部位が断続するように設けられていてもよい。かかる構成では、上記従前の突起部と比較して、周方向主溝2に侵入した石の溝幅方向でのエッジ付近に突起部4の先端部41が当接するので、周方向主溝2の両溝壁23間に食い込む石を周方向主溝2から押し出すための十分な押出力が得られ、石の噛み込み抑制率を向上できる。しかも、周方向主溝2の延在方向に断続して突起部4を設けた場合では、トレッド部の陸部3が摩耗末期となった場合、断続する突起部4間の隙間によって周方向主溝2からの排水を補助できる。さらに、周方向主溝2の延在方向に断続して突起部4を設けた場合では、トレッドゴムの使用量を減らして空気入りタイヤ1の製造コストを低減できる。
また、この空気入りタイヤ1では、図4に示すように、突起部4の根元部42の突出方向中心線S1が、周方向主溝2の溝底部21の溝幅方向の中央に位置する場合には、周方向主溝2の径方向中心線S2に対して突出方向中心線S1が0°の角度になる。また、突起部4の根元部42における突出方向中心線S1が周方向主溝2の左側の溝壁23に接近するに従って、周方向主溝2の径方向中心線S2に対する突出方向中心線S1の角度が増し、図5に示すように左側の溝壁23に最も接近して配置された場合には、前記角度が上記最大値θとなる。また、突起部4の根元部42における突出方向中心線S1が周方向主溝2の右側の溝壁23に接近するに従って、周方向主溝2の径方向中心線S2に対する突出方向中心線S1の角度が増し、図6に示すように右側の溝壁23に最も接近して配置された場合には、前記角度が上記最大値θとなる。
かかる構成では、突起部4の前記角度が最大値θとなる部位が、周方向主溝2における溝壁23に最も接近しているため、周方向主溝2に侵入した石の溝幅方向でのエッジ付近に対して突起部4による押出力を作用させるので、石の噛み込み抑制率をさらに向上できる。
なお、上述した空気入りタイヤ1では、溝壁23に最も接近して配置された場合に、突起部4の角度が上記最大値θとなるように構成してあるがこの限りではない。例えば、図7に示すように、突起部4の根元部42の突出方向中心線S1が、周方向主溝2の溝底部21の溝幅方向の中央に位置する場合、突起部4の角度が上記最大値θとなるように設け、突起部4の根元部42の突出方向中心線S1が周方向主溝2の溝壁23に最も接近して配置された場合に、周方向主溝2の径方向中心線S2に対して突出方向中心線S1が0°の角度になるように設けてもよい。かかる構成であっても、突起部4の傾きにより、周方向主溝2に侵入した石の溝幅方向でのエッジ付近に突起部4の先端部41が当接するので、周方向主溝2の両溝壁23間に食い込む石を周方向主溝2から押し出すための十分な押出力が得られ、石の噛み込み抑制率を向上できる。
また、上述した空気入りタイヤ1では、周方向主溝2の溝底部21において、突起部4の根元部42の位置が周方向主溝2の延在方向に沿いつつ溝幅方向に蛇行して配設されているがこの限りではない。例えば、図には明示しないが、周方向主溝2の溝底部21において、突起部4の根元部42の位置が蛇行せず、突起部4の根元部42の突出方向中心線S1が、周方向主溝2の溝底部21の溝幅方向の中央に常に位置しつつ、周方向主溝2の径方向中心線S2に対して突出方向中心線S1が0°〜40°(好ましくは0°〜30°)の角度に周期的に反転するように設けてもよい。かかる構成であっても、周方向主溝2に侵入した石の溝幅方向でのエッジ付近に突起部4の先端部41が当接するので、周方向主溝2の両溝壁23間に食い込む石を周方向主溝2から押し出すための十分な押出力が得られ、石の噛み込み抑制率を向上できる。
また、上述した空気入りタイヤ1では、突起部4が真っ直ぐに突出している構成を示しているがこの限りではない。例えば、図には明示しないが、突起部4は、その突出方向の途中で角度が変化(屈曲または湾曲)して設けられていてもよい。かかる構成であっても、周方向主溝2に侵入した石の溝幅方向でのエッジ付近に突起部4の先端部41が当接するので、周方向主溝2の両溝壁23間に食い込む石を周方向主溝2から押し出すための十分な押出力が得られ、石の噛み込み抑制率を向上できる。
また、この空気入りタイヤ1では、図8に示すように、周方向主溝2の溝幅中心部におけるトレッド法線Tに対して、上記最大値θの角度となる突起部4における突出方向中心線S1の傾斜角度α1と、前記トレッド法線Tに対して、上記最大値θの角度となる突起部4の先端部41が向く側の周方向主溝2における溝壁23の傾斜角度α2との差Δαが、−3°≦Δα≦+3°の関係を有している。すなわち、上記最大値θの角度となる突起部4の突出方向中心線S1のトレッド法線Tを基準とした傾斜角度α1と、周方向主溝2の溝壁23のトレッド法線Tを基準とした傾斜角度α2とがほぼ同じ、すなわち、突起部4の突出方向中心線S1と周方向主溝2の溝壁23とがほぼ平行の関係を有している。なお、図8は、突起部4が周方向主溝2の右方に傾いた状態を示したものであるが、突起部4が周方向主溝2の左方に傾いた状態でも同様にΔαが、−3°≦Δα≦+3°の関係を有する。
かかる構成では、上記最大値θの角度となる突起部4の突出方向中心線S1のトレッド法線Tを基準とした傾斜角度α1と、周方向主溝2の溝壁23のトレッド法線Tを基準とした傾斜角度α2とがほぼ同じ関係を有していることから、突起部4と溝壁23との間において、周方向主溝2に侵入した石に当接した突起部4が変形する十分な領域が確保されるので、周方向主溝2の両溝壁23間に食い込む石を周方向主溝2から押し出すための十分な押出力が得られ、石の噛み込み抑制率を向上できる。ここで、上記Δαの関係から逸脱して、突起部4の突出方向中心線S1の傾斜角度α1が周方向主溝2の溝壁23の傾斜角度α2よりも大きい場合では、突起部4が変形する十分な領域が確保できず、周方向主溝2に侵入した石に当接した突起部4が直ちに溝壁23に接触することから、石を周方向主溝2から押し出すための押出力を得難い。
また、この空気入りタイヤ1では、図2に示すように、周方向主溝2の延在方向に沿って反転する突起部4の1周期の長さPと、周方向主溝2の開口部22における溝幅Wとは、0.25≦P/W≦3.5(好ましくは0.5≦P/W≦3.0)の関係を有している。
かかる構成では、周方向主溝2の開口部22における溝幅Wによって、周方向主溝2の開口部22から侵入する石の大きさが想定でき、この石の周方向主溝2の延在方向の大きさと、角度が反転する突起部4の1周期の長さPとがほぼ同じとなる。このため、周方向主溝2の両溝壁23側において、溝幅方向で角度を反転させた突起部4の先端部41が、周方向主溝2に侵入した石の溝幅方向での一方から他方のエッジ付近に当接するので、周方向主溝2の両溝壁23間に食い込む石を周方向主溝2から押し出すための十分な押出力が得られ、石の噛み込み抑制率をさらに向上できる。
また、この空気入りタイヤ1では、図4に示すように、突起部4における周方向主溝2の溝底部21から先端部41までの突出高さhと、周方向主溝2における溝底部21から開口部22までの溝深さDとは、0.1≦h/D≦0.7(好ましくは0.2≦h/D≦0.5)の関係を有している。
かかる構成では、周方向主溝2の溝深さDに対して、突起部4の突出高さhを規定していることから、周方向主溝2に侵入し得る大きさの石に突起部4の先端が確実に当接するので、周方向主溝2の両溝壁23間に食い込む石を周方向主溝2から押し出すための十分な押出力が得られ、石の噛み込み抑制率をさらに向上できる。ここで、周方向主溝2の溝深さDに対して、突起部4の突出高さhが高すぎると、周方向主溝2の溝壁23と突起部4との間に石を噛み込む場合があり、逆に低すぎると、十分な押出力が得られない場合がある。したがって、周方向主溝2の溝深さDに対して、突起部4の突出高さhを規定することで、石の噛み込み抑制率をさらに向上できる。
また、この空気入りタイヤ1では、図4に示すように、突起部4は、周方向主溝2の溝幅方向における厚さtと、突起部4における周方向主溝2の溝底部21から先端部41までの突出高さhとが、0.5≦t/h≦2.0の関係を有している。
かかる構成では、突起部4における周方向主溝2の溝底部21から先端部41までの突出高さhに対して、周方向主溝2の溝幅方向における厚さtを規定していることから、周方向主溝2の両溝壁23間に食い込む石を周方向主溝2から押し出すための十分な押出力が得られ、石の噛み込み抑制率をさらに向上できる。ここで、突起部4の突出高さhに対して、厚さtが厚すぎると石のエッジ付近を押圧することができずに十分な押出力が得られない場合があり、逆に薄すぎると、周方向主溝2の溝壁23と突起部4との間に石を噛み込む場合がある。したがって、突起部4の突出高さhに対して、厚さtを規定することで、石の噛み込み抑制率をさらに向上できる。
[適用対象]
重荷重用空気入りタイヤでは、上記した周方向主溝2における石噛みに関する課題が特に顕著である。そこで、この実施例の空気入りタイヤ1が、かかる重荷重用空気入りタイヤを適用対象とすることにより、タイヤの耐石噛み性能が顕著に向上する利点がある。
[性能試験]
この実施例では、条件が異なる複数種類の空気入りタイヤについて、耐石噛み性能にかかる性能試験が行われた(図9〜図12参照)。この性能試験では、タイヤサイズ11R22.5の空気入りタイヤがJATMA規定の適用リムに装着され、この空気入りタイヤに規定内圧および規定荷重が負荷される。そして、空気入りタイヤが2−D(2輪−駆動複2輪)の試験車両のドライブ軸に4本装着され、試験車両が非舗装道路を5km走行する。そして、走行後における周方向主溝の石噛み個数が観察される。なお、図9〜図12では、タイヤ1本あたりの石噛み個数の平均値が示されている。
従来例の空気入りタイヤでは、周方向主溝2の溝底部21での中心線S1,S2が一致する関係であり、かつ突起部4の突出方向中心線S1が周方向主溝2の径方向中心線S2に対して角度0°であり、角度の周期的な変化はない。
比較例1の空気入りタイヤでは、従来例の空気入りタイヤに対して、周方向主溝2の溝底部21での中心線S1,S2を不一致な関係としたものである。また、比較例2の空気入りタイヤでは、従来例の空気入りタイヤに対して、突起部4の突出方向中心線S1が周方向主溝2の径方向中心線S2に対して角度5°であり、角度の周期的な変化はない。さらに、比較例3の空気入りタイヤでは、従来例の空気入りタイヤに対して、周方向主溝2の溝底部21での中心線S1,S2を不一致な関係とし、かつ突起部4の突出方向中心線S1が周方向主溝2の径方向中心線S2に対して角度35°であり、角度の周期的な変化はない。
一方、発明例1〜16の空気入りタイヤ1では、周方向主溝2の溝底部21での中心線S1,S2を不一致な関係とし、かつ突起部4の突出方向中心線S1が周方向主溝2の径方向中心線S2に対する角度を周期的に反転するものである。
試験結果に示すように、発明例1〜16の空気入りタイヤ1では、従来例および比較例1〜3の空気入りタイヤと比較して、周方向主溝2の石噛み個数が減少しており、タイヤの耐石噛み性能、すなわち、石の噛み込み抑制率が向上していることが分かる。
また、発明例1〜3の空気入りタイヤ1では、突起部4の突出方向中心線S1が周方向主溝2の径方向中心線S2に対して角度0°〜最大値θで周期的に反転するものであり、その角度の最大値θを、それぞれθ=10°(発明例1)、θ=30°(発明例2)、またはθ=40°(発明例3)としたものである。なお、発明例1〜3の空気入りタイヤ1では、角度最大値θの位置、すなわち角度が最大値θとなる突起部4の根元部42の突出方向中心線S1の位置が溝壁23に最も接近している。また、発明例4の空気入りタイヤ1では、発明例1の空気入りタイヤ1に対し、角度最大値θの位置、すなわち角度が最大値θとなる突起部4の根元部42の突出方向中心線S1の位置を溝壁23の中心(周方向主溝2の径方向中心線S2上)としたものである。このような発明例1〜4の空気入りタイヤ1では、突起部4の突出方向中心線S1が周方向主溝2の径方向中心線S2に対して周方向主溝2の溝幅方向に角度を有し、周方向主溝2の延在方向に沿って前記角度が0°〜最大値θに変化しつつ周期的に反転して設けられ、かつ突起部4の角度の最大値θを適正化することにより、石の噛み込み抑制率を向上できることが分かる。
また、発明例5〜7の空気入りタイヤ1では、突起部4の傾斜角度α1と、溝壁23の傾斜角度α2との差Δαを適正化することにより、石の噛み込み抑制率を向上できることが分かる。
また、発明例8〜12の空気入りタイヤ1では、周方向主溝2の溝幅Wと、角度反転の1周期Pとの比W/Pを適正化することにより、石の噛み込み抑制率を向上できることが分かる。
また、発明例13〜16の空気入りタイヤ1では、突起部4の突出高さhと、周方向主溝2の溝深さDとの比h/Dを適正化することにより、石の噛み込み抑制率を向上できることが分かる。
以上のように、本発明にかかる空気入りタイヤは、周方向主溝における石の噛み込みを抑制すること有用であり、特に、石の噛み込みの抑制率を向上できることに適している。
本発明の実施例にかかる空気入りタイヤのトレッド面の一部を示す平面図である。 図1に示した空気入りタイヤの周方向主溝を示す平面図である。 図1に示した空気入りタイヤの周方向主溝を示す一部破断斜視図である。 図2および図3におけるA−A断面図である。 図2および図3におけるB−B断面図である。 図2および図3におけるC−C断面図である。 突起部の他の形態を示す断面図である。 トレッド法線に対する突起部および周方向主溝の溝壁の傾斜角度を示す断面図である。 本発明の実施例にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。 本発明の実施例にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。 本発明の実施例にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。 本発明の実施例にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
2 周方向主溝
21 溝底部
22 開口部
23 溝壁
3 陸部
4 突起部
41 先端部
42 根元部
P 周期
S1 突出方向中心線
S2 径方向中心線
T トレッド法線
W 溝幅
α1 傾斜角度
α2 傾斜角度

Claims (7)

  1. タイヤ周方向に延在する周方向主溝と、前記周方向主溝の溝底部から該周方向主溝の開口部に向けて突設される突起部とを有する空気入りタイヤにおいて、
    前記突起部は、自身の突出方向中心線が前記周方向主溝の径方向中心線に対して前記周方向主溝の溝幅方向に角度を有して設けられていると共に、前記周方向主溝の延在方向に沿って前記角度が周期的に反転し、かつ前記角度の最大値θが3°≦θ≦40°となるように設けられており、さらに前記突起部における前記周方向主溝の溝底部から先端までの突出高さhと、前記周方向主溝における溝底部から開口部までの溝深さDとが0.1≦h/D≦0.7の関係を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記突起部は、前記角度が最大値θとなる部位が、前記周方向主溝における溝壁に最も接近することを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記周方向主溝の溝幅中心部におけるトレッド法線に対し、前記角度が最大値θとなる前記突起部における突出方向中心線の傾斜角度と、前記トレッド法線に対し、前記最大値θの角度で前記突起部の先端が向く側の前記周方向主溝における溝壁の傾斜角度との差Δαが−3°≦Δα≦+3°の関係を有することを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記突起部の前記周方向主溝の延在方向に沿う1周期の長さPと、前記周方向主溝の溝幅Wとが0.25≦P/W≦3.5の関係を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記突起部は、前記周方向主溝の溝幅方向における厚さtと、前記周方向主溝の溝底部から先端までの突出高さhとが0.5≦t/h≦2.0の関係を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記突起部は、前記周方向主溝の延在方向に沿って連続して設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記突起部は、前記周方向主溝の延在方向に沿って最大値θの角度となる部位を有する部分が断続して設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
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