JP5019864B2 - ラグ付きタイヤ - Google Patents
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Description
タイヤ本体のトレッド部に泥土が付着した状態では、ラグの牽引力が低下し、またラグ付きタイヤが操舵輪の場合は操舵性も低下してしまう。
ラグ付きタイヤの排泥性を良くするには、例えば、タイヤ表面からみたラグの形状をできるだけ直線状や鈍角な折れ曲がり状等の単純にする、ラグとラグの間隔をできるだけ大きくする、回転方向に対するラグの斜面角度を大きくする、等の手段が考えられる。
また、上記のように、ラグとラグの間隔を大きくした場合には、圃場走行時のラグのトラクションが低下し、また、走行時の振動が増加してしまう。
また、上記のように、回転方向に対するラグの斜面角度を大きくする場合には、圃場走行時のラグのトラクションが低下するという不具合が生じてしまう。
すなわち、本発明に係るラグ付きタイヤは、タイヤ本体のトレッド部に間隔をおいて複数のラグが形成され、各ラグ間に所定の間隔で形成された複数の直線状の突条が設けられ、前記複数の突条は、その幅が一定な第1突条と、第1突条よりも幅の広い幅広部を有する第2突条と、を備え、前記第1突条と前記第2突条とは交互に形成されており、前記第2突条の幅広部は前記タイヤ本体の赤道面寄りに設けられ、前記第2突条の幅広部の長さが前記タイヤ本体のトレッド幅の半分の長さの50%以上とされ、前記第1突条および前記第2突条の高さが1.5mm以上3.0mm以下とされ、前記第1突条と前記第2突条とのピッチ寸法としての間隔が3mm以上6mm以下とされ、前記第1突条および前記第2突条の高さをHとし、前記間隔をWとしたとき、0.3≦H/W≦0.7とされ、前記第1突条および前記第2突条は、タイヤ本体の赤道面に対して50°以上80°以下の角度で傾斜して形成されていることを特徴とする。
前記ラグ付きタイヤは、前記複数の突条が、その幅が一定な第1突条と、第1突条よりも幅の広い幅広部を有する第2突条とを備え、第1突条と第2突条が交互に形成されており、第2突条の幅広部がタイヤ本体の赤道面寄りに設けられ、第2突条の幅広部の長さがタイヤ本体のトレッド幅の半分の長さの50%以上とされている。
また、本発明に係るラグ付きタイヤは、第1突条の幅をGaとし、第2突条の幅広部の幅をGbとしたとき、2≦Gb/Ga≦4とされていることを特徴とする。
また、本発明に係るラグ付きタイヤは、第1突条と第2突条には、タイヤ本体の幅方向にほぼ平行な延長部が設けられ、この延長部は、タイヤ本体の赤道面寄りの位置に設けられていることを特徴とする。
また、本発明に係るラグ付きタイヤは、前記各突条が、その中途部で分割されていることを特徴とする。
これによれば、各突条は、地面に接したときに、より大きく変形しやすくなる。突条は、この変形と復元を繰り返すことによってトレッド部に付着した泥土が剥離しやすくなる。これによって、ラグ付きタイヤは排泥性を向上できる。
図1乃至図4の形態において、ラグ付きタイヤ1は、例えば農作業車両の車輪として使用されるものである。ラグ付きタイヤ1は、リムにカーカスを固着するとともにこのカーカスにゴムを加硫成形によって溶着したタイヤ本体2を有する。タイヤ本体2は、側面視円形とされ、その外周部にゴムで構成されたトレッド部3を有する。トレッド部3には、複数のラグ4を突出して形成されている。複数のラグ4は、タイヤ本体2の周方向(図中に符号Yで示す)に間隔をおいて形成されている。
タイヤ本体2に形成されたラグ4は、赤道面EPに対して所定の角度で傾斜して形成されている。タイヤ本体2に形成されたラグ4には、このタイヤ本体2の幅方向Xの一方のサイドウォール部5a側に片寄って形成された第1ラグ4aと、他方のサイドウォール部5b側に片寄って形成された第2ラグ4bとがある。
第1ラグ4aと第2ラグ4bは、タイヤ本体2の周方向Yに交互に形成されている。このように、タイヤ本体2の外周面には第1ラグ4aと第2ラグ4bが千鳥状に配列されている。図2に示すように、第1ラグ4aと第2ラグ4bは、その一部同士が周方向Yでオーバラップしている。
第1傾斜部11および第2傾斜部12は、平面視において、赤道面EPに対して所定の角度で傾斜している。赤道面EPに対する第1傾斜部11の傾斜角度は、赤道面EPに対する第2傾斜部12の傾斜角度よりも小さくされている。
これらの突条15は、タイヤ本体2の周方向Yで隣合うラグ間に設けられている。具体的には、これらの突条15は、タイヤ本体2の周方向Yで隣り合う第1ラグ4a間、および第2ラグ4b間に形成されている。突条15のピッチ寸法(以下、突条15の間隔Wという)は、3mm以上6mm以下とされているのが望ましい。また、各突条15は、その全長にわたって一定の幅Gaで形成されている。
図3に示すように、タイヤ本体2のトレッド部3の表面3aは、タイヤ本体2の半径方向断面視において、赤道面EPの位置が頂点となるような円弧状と曲面となっている。突条15は、このトレッド部3の表面3aの円弧形状に合うように、円弧状に湾曲して形成されている。
前記突条15は、幅方向外方に向かうにつれて、後方に徐徐に移行するように傾斜して形成されている。また、各突条15は、タイヤ本体2の赤道面EPに対して所定の角度θで傾斜して形成されている。この突条15と赤道面EPとがなす角度θは、50°以上80°以下とされているのが望ましい。
この変形と復元を繰り返すことによって、トレッド部3に付着した泥土を剥離できるようになる。これによって、本発明に係るラグ付きタイヤ1は、走行中の排泥性が向上し、走行中に所望のトラクションを発揮できる。このように、トレッド部3に複数の突条15を形成することによって、タイヤ本体2の周方向Yで隣り合うラグ4同士の間隔を大きくすることなく、また、ラグ4の形状を変更することも必要とせずに、ラグ付きタイヤ1の排泥性を高めることが可能になる。
図5、図6に示される形態では、トレッド部3に形成された突条15の形状が図4に示される形態と異なる。図5、図6に示される形態では、タイヤ本体2のトレッド部3に、その幅が一定の第1突条15aと、第1突条15aよりも幅の広い幅広部17を有する第2突条15bとが形成されている。第1突条15aと第2突条15bは、タイヤ本体2の周方向Yに沿って交互に形成されている。第1突条15aと第2突条15bは、その高さHが等しくされている。
図5に示すように、第2突条15bの幅広部17の長さLmは、幅狭部18の長さLsよりも長くなっている。また、第2突条15bの幅広部17の長さLmは、タイヤ本体2のトレッド幅Tの半分の長さF(F=T/2)の50%以上(Lm≧0.5FまたはLm≧0.25T)とされているのが望ましい。ここで、トレッド幅Tとは、タイヤ本体2の一方のサイドウォール部5aから他方のサイドウォール部5bまでの幅方向Xの間隔をいう。
図7に示される形態では、第1突条15aと第2突条15bの形状が図5、図6に示される形態と異なる。この図7に示される形態では、第1突条15aと第2突条15bに、タイヤ本体の幅方向にほぼ平行となるとともに、タイヤ本体の赤道面に達するように延長された延長部20が設けられている。各延長部20は、平面視において直線状に構成されており、タイヤ本体2の赤道面EPに対して約90°の角度をなす。
この形態では、各突条15に延長部20を形成し、この延長部20を赤道面EP寄りの位置に形成することによって、赤道面EPの近傍位置においても泥土の剥離を促進でき、ラグ付きタイヤ1はさらに排泥性が向上する。
図8に示される形態では、突条15の形状が図1〜図4に示される形態と異なる。この形態では、各突条15は、その中途部で2つに分割されている。このように、突条15を途中で区切って分割して構成することによって、各突条15は、地面に接したときに、より大きく変形し易くなり、泥土を剥離し易くなる。これによって、ラグ付きタイヤ1はさらに排泥性を向上できる。なお、各突条15は、2つに限らず、3つ以上の複数にも分割可能である。
本発明の効果を確認するため、ラグ付きタイヤ(タイヤサイズ 9.5−22−4PR、リム 22×W11、内圧140kPa)の各形態、および従来例(突条15がトレッド部3に設けられていないもの)を用意し、トラクタに装着して走行試験を行った。
排泥性については、従来例に係るラグ付きタイヤを圃場で走行させたときに、このラグ付きタイヤに付着した泥土の質量を100として指数化し、この値を比較した。排泥性は、その値が小さければ小さい程、トレッド部3に付着する泥土が少ないことを意味する。
各表の「H」は、突条15(15a、15b)の高さを示している。また、各表の「W」は突条15同士の間隔を示している。各表の「θ」は、突条15(15a、15b)が赤道面EPに対してなす角度を示している。
表1の「G」は、図1〜図4に示される形態のラグ付きタイヤ1における突条15の幅を示している。
表1の比較1,2および参考1〜6は、上記した図1〜図4の形態のラグ付きタイヤによるものである。表2の実施例7〜9は、上記した図5、図6の形態のラグ付きタイヤによるものである。表2の実施例10は、上記した図7の形態によるものである。
また、本発明の実施例7〜10のように、トレッド部3に第1突条15aと第2突条15bを交互に形成した場合には、第2突条15bの幅広部17の長さLmを、トレッド幅Tの半分の長さFに対して50%以上にすることによって、排泥性がさらに良くなることがわかった。
また、本発明の実施例10のように、第1突条15a、および第2突条15bに延長部20を形成した場合に、排泥性が最も良くなることがわかった。
2 タイヤ本体
3 トレッド部
4 ラグ
15 突条
15a 第1突条
15b 第2突条
17 幅広部
20 延長部
EP 赤道面
X 幅方向
θ 突条が赤道面に対してなす角度
Claims (4)
- タイヤ本体のトレッド部に間隔をおいて複数のラグが形成され、
各ラグ間に所定の間隔で形成された複数の直線状の突条が設けられ、
前記複数の突条は、その幅が一定な第1突条と、第1突条よりも幅の広い幅広部を有する第2突条と、を備え、
前記第1突条と前記第2突条とは交互に形成されており、
前記第2突条の幅広部は前記タイヤ本体の赤道面寄りに設けられ、
前記第2突条の幅広部の長さが前記タイヤ本体のトレッド幅の半分の長さの50%以上とされ、
前記第1突条および前記第2突条の高さが1.5mm以上3.0mm以下とされ、
前記第1突条と前記第2突条とのピッチ寸法としての間隔が3mm以上6mm以下とされ、
前記第1突条および前記第2突条の高さをHとし、前記間隔をWとしたとき、0.3≦H/W≦0.7とされ、
前記第1突条および前記第2突条は、タイヤ本体の赤道面に対して50°以上80°以下の角度で傾斜して形成されている
ことを特徴とするラグ付きタイヤ。 - 前記第1突条の幅をGaとし、前記第2突条の幅広部の幅をGbとしたとき、
2≦Gb/Ga≦4とされている
ことを特徴とする請求項1に記載のラグ付きタイヤ。 - 前記第1突条および前記第2突条には、前記タイヤ本体の幅方向にほぼ平行な延長部が設けられ、
前記延長部は、前記タイヤ本体の赤道面寄りの位置に設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載のラグ付きタイヤ。 - 前記第1突条および前記第2突条は、その中途部で分割されている
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のラグ付きタイヤ。
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