JP5070691B2 - 炭化珪素基板および縦型半導体装置 - Google Patents

炭化珪素基板および縦型半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、炭化珪素基板およびこれを用いた縦型半導体装置に係り、特に歩留まりの向上対策に関する。
SiとCとが1:1の成分比で結合してなる炭化珪素基板(SiC基板)を用いて形成されるトランジスタ,ダイオードなどの半導体装置は、パワーデバイスとしての実用化が期待されている。炭化珪素はワイドバンドギャップ半導体であることから、絶縁破壊電界がシリコンよりも1桁高いので、pn接合部やショットキー接合部における空乏層を薄くしても高い逆耐圧を維持することができる。そこで、炭化珪素基板を用いると、デバイスの厚さを薄く、ドーピング濃度を高めることができるため、オン抵抗が低く、高耐圧,低損失のパワーデバイスの実現が期待されている。
一般に、SiC結晶のポリタイプとしては、バルク内での電子移動度が大きく等方的な電気伝導特性を有する4H−SiCが用いられている。そして、SiCバルク結晶から4H−SiC基板を、主面が( 0 0 0 1)面から数度(たとえば4°又は8°)傾くように切り出しておいて、4H−SiC基板上にデバイス形成のためのエピタキシャル成長層を形成する際には、いわゆるステップフロー成長を利用するのが一般的である。ステップフロー成長を行わせるのは、ステップの上面(テラス)と側面との結晶配列に関する情報を利用して、正確な結晶配列で、しかも迅速に結晶成長を行わせるためである。そして、特許文献1,2に記載されているように、( 0 0 0 1)面からオフさせる方向としては、< 1 1-2 0>方向が用いられている。
ところで、炭化珪素基板を用いて形成されたショットキーダイオードや縦型MISFETなどの縦型半導体装置においては、原因がよくわからなかったが、逆バイアスを印加したときのリーク電流が異常に高いために、不良と認定されるものがある確率で存在していた。
USP4,912,064
USP5,011,549
一般に、リークの原因は、マイクロパイプに起因するものが大半を占めているが、マイクロパイプが存在しないにもかかわらず、リークを生じるものがあり、その原因の究明と対策とが待たれていた。本発明達は、研究の結果、マイクロパイプ以外のリークの原因として、( 0 0 0 1)基板における転位列の影響があるという知見を得た。
本発明の目的は、本研究者達の上記知見にもとづき、リーク不良を低減しうる炭化珪素基板およびそれを用いた縦型半導体装置を提供することにある。
本発明の炭化珪素基板は、転位列を有する炭化珪素基板であって、その転位列は< 1-1 0 0 >方向に沿っていて、炭化珪素基板は、basal面(0001)から、8°以下のオフ角度で、所定のオフ方向にオフされることで主面が形成され、主面において、オフ方向に直交する方向に沿ってステップが延在している。そして、オフ方向を、転位列の< 1-1 0 0 >方向に含まれる6つの等価な方向([10−10],[1−100],[0−110],[−1010],[−1100],[01−10])のいずれか1つの方向を0°として、その方向のマイナス29°より大きく(0°に近く)プラス29°未満(0°に近い)、の範囲内の方向とすることで、ステップが延在する方向を、転位列の6つの等価な方向のいずれの方向とも、1°より大きく異なるようにした。
なお、上記の炭化珪素基板のポリタイプは4Hである。炭化珪素基板のポリタイプが4Hである場合には、basal面は( 0 0 0 1)面であり、ステップの方向は、上記のように、< 1-1 0 0 >方向と1°より大きく異なることで、転位列の方向と実質的に異なっている。
これにより、炭化珪素基板上に成長されたエピタキシャル成長層を用いて形成される縦型半導体装置において、転位列に起因するリーク不良をほぼなくすことができる。
さらに、オフ方向を、転位列の6つの等価な方向のいずれか1つの方向を0°として、その方向に一致させることで、ステップが延在する方向を、転位列の6つの等価な方向のうち隣り合う2つの方向のちょうど中間の方向(15°異なる方向)としてもよい。
これによって、ステップが延在する方向を転位列の方向から、確実に15°程度、異なるようにできる。
上記の炭化珪素基板を実現するために、本発明の炭化珪素基板の製造方法は、炭化珪素のインゴットから炭化珪素基板を製造する方法であって、インゴットの(0001)面からオフ角度8°以下でオフするように炭化珪素基板を切り出す工程を備え、切り出し工程では、オフ方向を、転位列の方向である<1−100>方向の6個の等価な方向([10−10],[1−100],[0−110],[−1010],[−1100],[01−10])のいずれか1つの方向を0°として、その方向のマイナス29°より大きくプラス29°未満、の範囲内の方向とすることで、前記ステップが延在する方向を、前記転位列の6つの等価な方向のいずれの方向とも、1°より大きく異なるようにする。
さらに、オフ方向を、転位列の6つの等価な方向のいずれか1つの方向を0°として、その方向に一致させることで、ステップが延在する方向を、転位列の6つの等価な方向のうち隣り合う2つの方向のちょうど中間の方向(15°異なる方向)とすることができる。
本発明の縦型半導体装置は、転位列が< 1-1 0 0 >方向に沿っている炭化珪素基板と、炭化珪素基板上に形成されたエピタキシャル成長層と、エピタキシャル成長層の上方に設けられた上面電極と、炭化珪素基板の裏面に設けられた裏面電極とを備え、炭化珪素基板は、basal面(0001)から、8°以下のオフ角度で、所定のオフ方向にオフされることで主面が形成され、その主面において該オフ方向が、< 1-1 0 0 >方向に含まれる等価な6つの方向([10−10],[1−100],[0−110],[−1010],[−1100],[01−10])のいずれか1つの方向を0°として、その方向のマイナス29°より大きくプラス29°未満、の範囲内の方向とすることで、前記ステップが延在する方向を、前記転位列の6つの等価な方向のいずれの方向とも、1°より大きく異なるようにしたものである。
さらに、オフ方向を、転位列の6つの等価な方向のいずれか1つの方向を0°として、その方向に一致させることで、ステップが延在する方向を、転位列の6つの等価な方向のうち隣り合う2つの方向のちょうど中間の方向(15°異なる方向)とすることができる。
これにより、エピタキシャル成長層と上面電極との間に存在するショットキー障壁部やpn接合部において、逆バイアスの印加時に転位列に起因する障壁機能の劣化が抑制されて、転位列に起因するリーク不良をほぼなくすことができる。
上面電極が、エピタキシャル成長層の上面にショットキー接触するショットキー電極である場合には、リーク不良が低減されたショットキーダイオードが得られる。
エピタキシャル成長層に、pn接合部が形成されている場合には、逆バイアスの印加時に転位列に起因するpn接合部の機能の劣化が抑制されて、リーク不良が低減された縦型半導体装置が得られる。
上面電極とエピタキシャル成長層との間に介在するゲート絶縁膜をさらに備えている場合には、エピタキシャル成長層内のpn接合部において、逆バイアスが印加されたときにも転位列に起因する障壁機能の劣化が抑制されるので、リーク不良が低減された縦型MISFETなどの縦型半導体装置が得られる。
炭化珪素基板のポリタイプが4Hである場合には、basal面は( 0 0 0 1)面であり、ステップの方向が、< 1-1 0 0 >方向と実質的に異なっていればよい。
本発明の炭化珪素基板またはこれを用いた縦型半導体装置により、転位列に起因するリーク不良をほぼなくすことができる。
(実施の形態1)
図1(a),(b)は、順に、実施の形態1における炭化珪素基板であるSiC基板10の結晶方位を説明するための斜視図及び平面図である。図1(a),(b)に示すように、SiC基板10をSiCインゴットから切り出す際に、SiC基板10の主面が( 0 0 0 1)面(basal面)からα°傾く(オフする)ように、かつ、後述する転位列DSLの方向とエピタキシャル成長の際に生じるステップの方向とが実質的に異なるように(β°>1)、オフ方向を設定して、基板を切り出す。オフ方向とステップの方向とは互いに直交する関係にある。ただし、ステップ(側面)は微視的に見れば平面視においてギザギザ状態となることもあるが、巨視的に見るとステップ全体として平面視において直線とみなせるので、本明細書では巨視的な扱いを採用し、平面視におけるステップを直線として、以下、「ステップの方向」と記述する。本実施の形態において、SiCインゴットは、ポリタイプが4Hで、n型のドーパントを含み、抵抗率が0.02Ωcmであり、SiC基板10の厚みは約400μmである。
図8(a),(b)は、順に、従来の方法における,SiC基板の上にエピタキシャル成長層を成長させる際の平面図および断面図である。図8(b)に示すように、従来の4H−SiC基板においては、(0 0 0 1)面からのオフ角度αは8°(又は4°)であり、平面視におけるオフ方向は< 1 1-2 0>方向であり、ステップフロー成長は< 1-1 0 0>方向に沿ったステップSTP(およびテラスTER)を利用して行われる。一方、一般的な昇華法によって形成された4H−SiCインゴット(バルク結晶)において、縦方向,つまり( 0 0 0 1)面に垂直な方向に延びる刃状転位が連なってなる転位列DSLが生じることが知られている。したがって、SiCインゴットから切り出された,(0 0 0 1)オフ面を主面とする4H−SiC基板においては、転位列のほとんどが貫通転位列である。(0 0 0 1)面を主面とするSiC基板においては、転位列DSLは、等価な6つの方向(六回対称)の群である< 1-1 0 0>方向に平行で、SiC結晶中に小傾角境界を生じさせるものであることがわかっている。転位列DSLは基板全体に亘って< 1-1 0 0>方向に存在するものではなく、ある確率で部分的に発生するものである。そして、図8(a)に示すように、< 1 -1 0 0>方向のステップSTPを利用したステップフロー成長によって形成されるエピタキシャル成長層11には、SiC基板10から引き継がれた転位列DSLがステップSTPの方向に沿ってところどころに生じる。そして、後述するように、これらの転位列DSLのうちステップSTPの方向と実質的に同じ方向に生じたものが、リーク不良の原因となることがわかった。
図2(a),(b)は、順に、本実施の形態における,SiC基板10の上にエピタキシャル成長層11を成長させる際の平面図および断面図である。図3(a),(b)は、順に、転位列が1方向のみに存在するSiC基板におけるオフ方向とステップの方向と転位列との関係を示す平面図、および4H−SiC基板における同関係を示す平面図である。
図2(a),(b)に示すように、本実施の形態におけるSiC基板10においては、( 0 0 0 1)面からのオフ角度αは8°であり、平面視におけるオフ方向は、転位列DSLの方向からβ°(β>1°)ずれた方向にステップSTPが形成されるような方向である。つまり、転位列の方向とステップSTPの方向とが実質的に異なっているように、オフ方向を設定するのである。次に、図3(a),(b)を参照しながらステップの許容範囲について説明する。
図3(a)に示すように、SiC基板に転位列が1方向のみに存在する場合には1°<β°<179°であればよい。オフ方向はステップSTPの方向に垂直な方向であるので、この関係が維持されるように、オフ方向を設定すればよい。図3(a)におけるハッチング部分がステップの許容領域である。
図3(b)に示すように、4H−SiC基板の場合には、転位列が6回対称の< 1-1 0 0>方向に平行に発生するので、ステップの方向が6つの等価な< 1-1 0 0>方向に対して、1°超えてずれていればよい。図3(b)におけるハッチング部分がステップの許容領域である。( 0 0 0 1)面において< 1-1 0 0>方向に直交する方向は< 1 1-2 0>であり、六回対称の各< 1-1 00>方向と六回対称の各< 1 1-2 0>方向とは、交互に30°ごとに存在するので、オフ方向が< 1-1 0 0>方向に対して−29°より大きく(0°に近く)29°より小さい(0°に近い)範囲にあればよいことになる。このようにオフ方向を設定することにより、ステップフロー成長が、転位列DSLの生じうる< 1-1 0 0>方向からずれたステップSTPおよびテラスTERを利用して行われる。
図4は、本実施の形態のエピタキシャル成長層を利用して形成された縦型半導体装置であるショットキーダイオードの構造を示す断面図である。本実施の形態では、図1(a),(b)、図2(a),(b)および図3(a),(b)に示すように設定されたオフ方向を有するSiC基板10を用いる。そして、in-situドープを伴うCVDエピタキシャル成長法を用いて、SiC基板10の上に、濃度約5×1015cm−3のn型ドーパントを含み、厚みが約10μmのエピタキシャル成長層11を成長させる。その後、イオン注入法を用いて、エピタキシャル成長層11の表面部の一部に、濃度約1×1017cm−3のp型ドーパントを含み、厚み(深さ)が約0.5μmのpガードリング領域13を、ダイオードセルを囲むように形成する。なお、イオン注入時の基板温度は、500°Cである。その後、イオン活性化のためのアニール、シリコン酸化膜17の形成、Ni膜からなる裏面電極20の形成、Ni膜からなるショットキー電極18(上面電極)の形成を経て、パワーデバイスとして機能するショットキーダイオードを形成する。その間、必要に応じて、イオン活性化のためのアニール、CMPによる平坦化および平滑化処理を行う。
このショットキーダイオードにおいて、エピタキシャル成長層11の最表面と、ショットキー電極18とがショットキー接触している。そして、順バイアスが印加されるオン時には、ショットキー電極18からエピタキシャル成長層11及びSiC基板10を経て裏面電極20に電流が流れる。一方、逆バイアスが印加されるオフ時には、動作電流は流れないが、pガードリング領域13を含むエピタキシャル成長層11とショットキー電極18との界面をリーク電流が流れる。ある逆バイアス(たとえば−200V)に対してリーク電流が所定値(たとえば1×10−4A/cm)を超える場合には、リーク不良(耐圧不良)と判定される。スイッチング動作時などに、ショットキーダイオードには瞬間的に大きな逆バイアスが印加されることがあるので、できるだけ高い耐圧を有することが求められるのである。
SiCショットキーダイオードなどの縦型半導体装置において、リーク不良の原因の中で最も頻度が高いのはマイクロパイプであるが、従来より、原因不明のリーク不良があることが知られていた。ここで、本発明者は、以下に示す事実に基づいて、リーク不良の原因の1つとして、転位列の方向と、ステップフロー成長で形成されるステップSTPの方向との間に、ある関係があることを発見した。以下、その証拠を示すデータについて説明する。
図7(a),(b)は、順に、従来のSiCショットキーダイオードの表面エッチング写真図、および逆バイアス−リーク電流特性を示す図である。従来のSiCショットキーダイオードのサンプル(直径1mm)は、オフ方向を< 1 1-2 0>方向として(0 0 0 1)面から8°オフさせた主面を有するものである。図7(a)に示すように、エッチピットが連なって形成された転位列の方向の1つと、ステップフロー成長のステップSTPの方向とが実質的に一致していることがわかる。転位列の方向は6つあり、六回対称の< 1-1 0 0>方向である。そして、図7(b)に示すように、逆バイアスの印加とともにリーク電流が急激に増大していることから、逆バイアスに対する障壁機能が損なわれて、ショットキーダイオードがほとんど抵抗体になっていることがわかる。すなわち、このショットキーダイオードは、リーク不良による不良品である。なお、図7(b)において、測定機器の関係で逆バイアスが増大するとリーク電流が一定になるかのように表示されているが、実際には、図7(b)中の破線に示すような電流特性が得られる。
図6(a),(b)は、順に、本実施の形態のSiCショットキーダイオードの表面エッチング写真図、および逆バイアス−リーク電流特性を示す図である。本実施の形態のSiCショットキーダイオードのサンプル(直径1mm)は、< 1 1-2 0>方向から30°ずれた方向をオフ方向として(0 0 0 1)面から8°オフさせた主面を有するものである。図6(a)に示すように、エッチピットが連なって形成された転位列の方向とステップフロー成長のステップSTP(およびテラスTER)の方向とが実質的に異なっていることがわかる。そして、図6(b)に示すように、このショットキーダイオードでは、逆バイアスの増大に対して、徐々にリーク電流は増大するものの、−200Vにおけるリーク電流は1×10−4/cm以下であり、リーク不良は生じていない。
以上のように、転位列の方向とステップSTPの方向とが実質的に同じである場合に、ある確率でリーク不良が生じる機構については未解明であるが、ショットキー障壁部やpn接合部において、転位列とステップとが互いにある位置関係になったときに、ショットキー障壁やpn接合の障壁機能が損なわれるものと考えられる。
図9は、従来のショットキーダイオード(従来品)と本実施の形態のショットキーダイオード(発明品)のサンプル500個ずつを準備し、リーク不良の原因を調べた結果を表にして示す図である。図9に示すように、従来品サンプルと発明品サンプルとでは、マイクロパイプに起因する不良数は同じ割合24%である。一方、従来品サンプルでは、転位列に起因する不良が10%存在するのに対し、発明品サンプルでは転位列に起因する不良が0%である。
以上のように、本発明により、転位列に起因する不良をほぼなくすことができる。また、図9に示す従来品のマイクロパイプに起因するリーク不良には、転位列に起因するリーク不良が重畳されているので、実際の転位列に起因するリーク不良は10%を超えている。したがって、本発明によるSiCデバイスの歩留まり向上効果は、きわめて大きいといえる。
(実施の形態2)
図5は、実施の形態2における縦型半導体装置であるMOSFETの構造を示す断面図である。同図に示すように、本実施の形態のMOSFETは、実施の形態1と同様に形成されたSiC基板10と、エピタキシャル成長層11とを備えている。つまり、図1(a),(b)、図2(a),(b)および図3(a),(b)に示すように、エピタキシャル成長層10のステップフロー成長の際に形成されるステップSTPの方向が転位列の方向に実質的に異なるように、オフ方向が設定されている。さらに、エピタキシャル成長層11の表面部の一部に形成された、濃度約1×1017cm−3のp型ドーパントを含むpウェル領域22と、pウェル領域22の表面部の各一部に形成された、濃度1×1019cm−3のn型ドーパントを含む厚み(深さ)が約0.3μmのソース領域23と、濃度5×1019cm−3のp型ドーパントを含み、厚み(深さ)が約0.3μmのpコンタクト領域25と、厚み約500nmのシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜30と、厚み約0.1μmのNi膜からなるソース電極31と、ゲート絶縁膜30の上にソース電極31とは離間した位置に形成されたAlからなるゲート電極32と、SiC基板10の裏面上に形成された厚み約0.1μmのNi膜からなるドレイン電極33とを備えている。
本実施の形態におけるMOSFETの製造工程の概略を説明する。実施の形態1と同様に、SiCインゴットからSiC基板10を切り出し、SiC基板10の上にエピタキシャル成長層11を成長させる。その後、イオン注入法を用いて、pウェル領域22、ソース領域23、およびpコンタクト領域25を順次形成する。その後、熱酸化によるゲート絶縁膜30の形成、蒸着法,スパッタ法などによるドレイン電極33の形成、リフトオフ法によるソース電極31の形成、蒸着法,スパッタ法などによるゲート電極32の形成、などを行う。その間、必要に応じて、イオン活性化のためのアニール、CMPによる平坦化および平滑化、犠牲酸化膜を用いた表面の平滑化処理を行う。
以上のように、パワーデバイスとして機能するnチャネル型の縦型MOSFETが形成されている。図5には表示されていないが、多数のトランジスタセルが集合して1つの縦型MOSFETが構成されている。オン時には、ドレイン電極33から供給される電流が、SiC基板10からエピタキシャル成長層11の最上部まで縦方向に流れた後、pウェル領域22の最上部のチャネル領域を経て、ソース領域23に達することになる。
一方、MOSFETのオフ時には、ドレイン電極33とソース電極31との間に逆バイアスが印加される。スイッチング動作時などに、MOSFETに瞬間的に大きな逆バイアスが印加されることがあるので、できるだけ高い耐圧を有することが求められるのである。ところが、転位列の方向とステップフロー成長のステップの方向とが実質的に同じであるMOSFETにおいては、n型のエピタキシャル成長層11とpウェル22との間に逆バイアスが印加されたときに、ステップの方向に転位列が存在する部分において、ある確率でpn接合部の障壁機能が損なわれ、大きなリーク電流が発生して、リーク不良となってしまう。それに対し、本実施の形態では、実施の形態1と同様に、転位列の方向とステップの方向とが実質的に異なるようにオフ方向が設定されているので、転位列の存在に起因するリーク不良をほぼなくすことができる。
(他の実施形態)
本発明が適用されるMISFETやダイオードは、実施形態1や実施形態2に挙げたものに限定されるものではなく、発明の効果を発揮するものであれば、各部の構造,寸法,ドーパント濃度などは、いかなるバリエーションも採ることができる。
実施の形態1では、本発明をショットキーダイオードに適用した例について説明したが、本発明は、pnダイオードにも適用することができる。その場合には、実施の形態1におけるエピタキシャル成長層の上部にp型のドーパントを含むp領域を形成し、かつ、p領域とガードリング領域とを互いに離間させて形成すればよい。その場合にも、逆バイアスの印加時に、転位列に起因するpn接合部の機能の劣化を抑制することができ、転位列に起因するリーク不良をなくすことができる。
実施の形態2では、本発明の縦型半導体装置をMOSFET(DMOSFET)に適用した例について説明したが、本発明の縦型半導体装置は、UMOSFET,VMOSFETはもちろん、ゲート絶縁膜がシリコン酸化膜とは異なる絶縁膜、たとえば、シリコン窒化膜,シリコン酸窒化膜,その他の各種誘電体膜などである場合、つまり、MISFET一般に適用することができる。また、MISFETだけでなく、JFET,IGBT,サイリスタなどにも適用することができる。
本発明における基板は、4H−SiC基板を対象とする。
本発明の炭化珪素基板および縦型半導体装置は、パワーデバイスや高周波デバイスとして用いられるMISFET,ショットキーダイオード,JFET,IGBT,サイリスタなどに利用することができる。
(a),(b)は、順に、実施の形態1におけるSiC基板の結晶方位を説明するための斜視図及び平面図である。 (a),(b)は、順に、実施の形態1における,SiC基板の上にエピタキシャル成長層を成長させる際の平面図および断面図である。 (a),(b)は、順に、転位列が1方向のみに存在するSiC基板におけるオフ方向とステップの方向と転位列との関係を示す平面図、および4H−SiC基板における同関係を示す平面図である。 実施の形態1のエピタキシャル成長層を利用して形成されたショットキーダイオードの構造を示す断面図である。 実施の形態2における縦型半導体装置であるMOSFETの構造を示す断面図である。 (a),(b)は、順に、実施の形態1のSiCショットキーダイオードの表面エッチング写真図、および逆バイアス−リーク電流特性を示す図である。 (a),(b)は、順に、従来のSiCショットキーダイオードの表面エッチング写真図、および逆バイアス−リーク電流特性を示す図である。 (a),(b)は、順に、従来の方法における,SiC基板の上にエピタキシャル成長層を成長させる際の平面図および断面図である。 従来のショットキーダイオード(従来品)と実施の形態1のショットキーダイオード(発明品)とについて、リーク不良の原因を調べた結果を示す図である。
10 SiC基板、11 エピタキシャル成長層、12 pガードリング領域、17 シリコン酸化膜、18 ショットキー電極、20 裏面電極、22 pウェル領域、23 ソース領域、25 pコンタクト領域、30 ゲート絶縁膜、31 ソース電極、32 ゲート電極、33 ドレイン電極

Claims (8)

  1. 転位列を有する炭化珪素基板であって、
    前記転位列は< 1-1 0 0 >方向に沿っていて、
    前記炭化珪素基板は、basal面(0001)から、8°以下のオフ角度で、所定のオフ方向にオフされることで主面が形成され、
    前記主面において、前記オフ方向に直交する方向に沿ってステップが延在しており、
    前記オフ方向を、前記転位列の< 1-1 0 0 >方向に含まれる6つの等価な方向([10−10],[1−100],[0−110],[−1010],[−1100],[01−10])のいずれか1つの方向を0°として、その方向のマイナス29°より大きくプラス29°未満、の範囲内の方向とすることで、前記ステップが延在する方向を、前記転位列の6つの等価な方向のいずれの方向とも、1°より大きく異なるようにした、炭化珪素基板。
  2. 請求項1に記載の炭化珪素基板において、
    前記オフ方向を、前記転位列の6つの等価な方向のいずれか1つの方向を0°として、その方向に一致させることで、前記ステップが延在する方向を、前記転位列の6つの等価な方向のうち隣り合う2つの方向のちょうど中間の方向とした、炭化珪素基板。
  3. 転位列が< 1-1 0 0 >方向に沿っている炭化珪素基板と、
    前記炭化珪素基板上に形成されたエピタキシャル成長層と、
    前記エピタキシャル成長層の上方に設けられた上面電極と、
    前記炭化珪素基板の裏面に設けられた裏面電極とを備え、
    前記炭化珪素基板は、basal面(0001)から、8°以下のオフ角度で、所定のオフ方向にオフされることで主面が形成され、その主面において該オフ方向が、< 1-1 0 0 >方向に含まれる等価な6つの方向([10−10],[1−100],[0−110],[−1010],[−1100],[01−10])のいずれか1つの方向を0°として、その方向のマイナス29°より大きくプラス29°未満、の範囲内の方向とすることで、前記ステップが延在する方向を、前記転位列の6つの等価な方向のいずれの方向とも、1°より大きく異なるようにしたものである、縦型半導体装置。
  4. 請求項3に記載の縦型半導体装置において、前記炭化珪素基板における前記オフ方向を、前記転位列の6つの等価な方向のいずれか1つの方向を0°として、その方向に一致させることで、前記ステップが延在する方向を、前記転位列の6つの等価な方向のうち隣り合う2つの方向のちょうど中間の方向とした、縦型半導体装置。
  5. 請求項3または4に記載の縦型半導体装置において、
    前記上面電極は、前記エピタキシャル成長層の上面にショットキー接触するショットキー電極である、縦型半導体装置。
  6. 請求項3〜5のいずれか1項に記載の縦型半導体装置において、
    前記エピタキシャル成長層にはpn接合部が形成されている、縦型半導体装置。
  7. 炭化珪素のインゴットから炭化珪素基板を製造する方法であって、
    前記インゴットの(0001)面からオフ角度8°以下でオフするように炭化珪素基板を切り出す工程を備え、
    前記切り出し工程では、オフ方向を、転位列の方向である<1−100>方向の6個の等価な方向([10−10],[1−100],[0−110],[−1010],[−1100],[01−10])のいずれか1つの方向を0°として、その方向のマイナス29°より大きくプラス29°未満、の範囲内の方向とすることで、前記ステップが延在する方向を、前記転位列の6つの等価な方向のいずれの方向とも、1°より大きく異なるようにする、炭化珪素基板の製造方法。
  8. 請求項7に記載の炭化珪素基板の製造方法において、
    前記オフ方向を、前記転位列の6つの等価な方向のいずれか1つの方向を0°として、その方向に一致させることで、前記ステップが延在する方向を、前記転位列の6つの等価な方向のうち隣り合う2つの方向のちょうど中間の方向とする、炭化珪素基板の製造方法。
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