以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る遊技装置を構成する精算機及び封入式パチンコ機の正面図である。実施形態の遊技装置は、封入式パチンコ機1と封入式パチンコ機1に併設された精算機2と、精算機2と相互に通信接続された管理コンピュータ52(図3参照)で構成される。図1に示すように、本実施形態では、精算機2は、封入式パチンコ機1の本体前面下部(外枠の腰板部分)に対して脱着可能に配設されている。
封入式パチンコ機1は、遊技球の払い出しを行うことなく(遊技球が指触不可の状態で)、所定数量の遊技球を閉鎖的に循環させて遊技を行うようにしたものである。封入式パチンコ機1は、従来周知のパチンコ機と同様、遊技盤3の前面に設定された遊技領域4並びに遊技球を遊技領域4に向けて発射させるための打球ハンドル5を備えている。また、封入式パチンコ機1の正面中間部の下方寄りには、遊技者に対面する位置に横長な操作パネル部6が設けられている。
操作パネル部6の左側部には、上から下に向けて順に残度数表示部7、ポイント数表示部8、遊技機持球数表示部9が配設され、残度数表示部7の右側には精算機持球数表示部10が配設されている。なお、これらの表示部は、数字の「8」を表示可能に配置したセグメント表示器(7セグメント表示器)を横一列に5個に並設してなり、5桁の数値が表示可能である。また、精算機持球数表示部10の下方には、数字の「8」を表示可能に配置したセグメント表示器(7セグメント表示器)よりなる球単価表示部11が配設されている。なお、これらの表示部によって表示される表示内容については後述する。
操作パネル部6の中央上部には、遊技者により操作可能とされた球貸指令入力手段としての球貸ボタン(押しボタン式スイッチ)12が配設され、球貸ボタン12の上縁には、球貸ボタン12による操作が有効状態であることを点灯により報知する操作可能報知ランプ15が設けられている。球貸ボタン12は、遊技を行うための持球の貸し出しを指示するものである。
また、操作パネル部6の中央下部には、遊技者により操作可能とされた精算指令入力手段としての精算ボタン(押しボタン式スイッチ)13が配設され、精算ボタン13の左右には、精算ボタン13による操作を有効とするか操作を取り消すかをそれぞれ選択させるためのYESボタン(押しボタン式スイッチ)16とNOボタン(押しボタン式スイッチ)17とがそれぞれ設けられている。精算ボタン13は、パチンコ遊技を終了して精算を指示するものである。
また、操作パネル部6の下部右側には、遊技者により操作可能とされた球単価変更指令入力手段としての球単価変更ボタン(押しボタン式スイッチ)14が配設され、球単価変更ボタン14の上縁には、球単価変更ボタン14による操作が有効状態であることを点灯により報知する操作可能報知ランプ18が設けられている。球単価変更ボタン14は、球貸並びに精算の際、球1球に対する有価価値(対価)を示すレートの変更を指示するもので、例えば、1球4円のレートを1球3円のレートに変更する場合等に操作する。
さらに、操作パネル部6の中央部右寄りとなる精算ボタン13と球単価変更ボタン14との間には、例えば、液晶表示器よりなるメッセージ表示部53が配設されている。メッセージ表示部53は、例えば、精算ボタン13によりパチンコ遊技を終了して精算を指示した際、「終了待ち」のメッセージ表示や「強制終了を行うか否かをYESボタン16又はNOボタン17により選択入力させる」ためのメッセージ表示を行う。なお、メッセージ表示部53は操作パネル部6に対して脱着可能である。
図2は、封入式パチンコ機1に配備された制御系のうち、主として遊技制御系の要部を示すブロック図である。メイン制御基板19は、パチンコ遊技の主たる制御を行うものであり、図示していないが、CPU、ROM、RAM、入出力インタフェース、通信インタフェース等を備えている。また、球情報制御基板20は、遊技球の発射や遊技を行うことによって増減する持球数に関わる制御を行うものであり、図示していないが、球情報制御基板20の制御部は、CPU、ROM、RAM、入出力インタフェース、通信インタフェース等を備えている。
サブ統合基板21は、遊技盤3に配設された各種の装飾用LED、遊技盤3に取り付けられた入賞装置に配設された各種の装飾用LED及び遊技盤3を取り付ける機枠に配設された各種の装飾用LEDの制御、音出力に関わる制御、並びに遊技領域4のセンター飾り枠(図示せず)の内側に配設された遊技演出用の可動体(モータ等により動作する演出用役物A54,モータ等により動作する演出用役物B55)の駆動制御を行うもので、図示していないが、CPU、ROM、RAM、入出力インタフェース、通信インタフェース等を備えている。なお、ここでいう遊技演出用の可動体とは、その動作が行われても、遊技領域4を転動する遊技球の流下経路には全く変化を与えない(遊技球に干渉することはない)ということである。
メイン制御基板19は、遊技盤3面において遊技球の入球通過を可能とされたゲート(図示せず)に配されたゲートスイッチ22、普通入賞口(図示せず)に対して配された普通入賞口検出スイッチ23、大入賞口(図示せず)に対して配された大入賞口検出スイッチ24、始動口(図示せず)に対して配された始動口検出スイッチ25からの検出信号に基づいて、遊技に関わる処理を行い、処理結果としてのコマンドや信号をサブ統合基板21、特別図柄表示装置26、特別図柄保留数表示器27、普通図柄表示装置28、普通図柄保留数表示器29、普通電動役物ソレノイド30、大入賞口ソレノイド31等に出力する。
また、メイン制御基板19は、各入賞口に対して設けられた検出スイッチ(普通入賞口検出スイッチ23、大入賞口検出スイッチ24、始動口検出スイッチ25が該当する)の検出信号に応じて、遊技球が入賞した入賞口に応じて設定された賞球数を指示する賞球コマンドを必要に応じて球情報制御基板20に出力する。
さらに、メイン制御基板19は、球情報制御基板20から送信される終了モード要求指令に応じて、現在の遊技状態の種別を判定し、判定結果に応じた終了モード(通常終了可、強制終了のみ可、終了待ちの3種のうちの何れか1つ)を球情報制御基板20に出力する。
また、前記遊技状態とは、例えば、始動口と始動口への入賞に起因して当り外れの抽選を行うと共に抽選結果に基づいて特別図柄の可変表示を行って図柄を停止し、前記抽選結果が当りの場合に特別遊技状態(大当り遊技状態)に移行する第1種のパチンコ遊技機の場合では、通常確率遊技状態(抽選により当る確率が通常確率、かつ普通図柄の可変表示の時間が通常)、時短遊技状態(普通図柄の可変表示の時間が通常よりも短縮されている状態)、大当り遊技状態、高確率遊技状態であることを報知する状態(抽選により当る確率が通常よりも高い確率となっている状態を報知する状態)、役物A変動状態(上記演出用役物A54の動作により演出を行っている状態)、役物B変動状態(上記演出用役物B55の動作により演出を行っている状態)、特別図柄図柄変動中、始動口入賞に基づく保留がある状態等がある。
また、閉店時刻後に遊技者による精算ボタン13への操作によって精算指示を受けたことに応じて精算機2が出力する遊技状態要求指令を球情報制御基板20が受けると、球情報制御基板20はメイン制御基板19に遊技状態要求指令を出力する。メイン制御基板19は、遊技状態要求指令を受けると、現在の遊技状態の内容を示す遊技状態データを球情報制御基板20に出力する。
前記遊技状態データは、最終的に管理コンピュータ52に送られて閉店補償の要否判定と、閉店補償が必要と判定された場合に遊技者に対して補償する補償球数の算出に用いられる。本実施形態における前記遊技状態データの具体的な内容について説明すると、大当り遊技中の場合であれば、大当りの種別を示すデータ(大当り1、大当り2、大当り3、小当りの4種のうちの1つ)(図23乃至図24参照)及び残ラウンド数であり、大当り遊技中ではない通常遊技状態中の場合であれば、高確率フラグ(「0」で通常確率を表し、「1」で高確率を表す)と、変動モードフラグ(遊技者に対する確率状態を表す演出に関わるフラグであり0〜3までの値、なお後述する)である。
サブ統合基板21は、メイン制御基板19から出力されるコマンドに基づいて、液晶表示制御基板32にコマンドを出力すると共に、盤装飾基板34及び枠装飾基板35に制御信号を出力することで、各種の装飾用LEDの点灯表示を制御し、役物駆動基板33に制御信号を出力することで、演出用役物A54の動作及び演出用役物B55の動作を制御し、スピーカ36から出力する音(音声、音、効果音等)を制御する。液晶表示制御基板32は、サブ統合基板21から出力されたコマンドに基づいて液晶表示パネル37で表示する図柄を制御する。
図3は、封入式パチンコ機1に配備された制御系のうちの球情報制御系の要部及び精算機2の要部を示すブロック図である。球情報制御基板20は、各種の入力信号に基づいて、発射制御基板38、球循環装置45、遊技機持球数表示部9及び精算機2に対して信号を出力する。発射制御基板38は、遊技者が触れているか否かを検出するタッチセンサ39やモータ等で駆動する発射装置41の停止を指示する発射停止スイッチ40から伝達される信号を考慮して、遊技球を発射させる発射装置41を駆動制御又は駆動停止制御する。球循環装置45は、モータ等で駆動され、封入式パチンコ機1内で遊技球を循環させる。球情報制御基板20は、発射制御基板38に対しては発射可能(許可)又は発射停止(不可)を指示する。また、球循環装置45に対しても作動可能又は作動停止を指示する。
球情報制御基板20には、メイン制御基板19から出力される賞球コマンド及び終了モードが入力される(図2参照)。また、球情報制御基板20には、発射された遊技球を検出する発射球検出センサ42、遊技領域4に到達せずにファール球入口(図示せず)に回収された遊技球を検出する戻り球検出センサ43、遊技領域4において入賞口に入賞せずアウト口(図示せず)から遊技盤3裏面に回収された遊技球を検出するアウト球検出センサ44の各検出信号が入力される。球情報制御基板20は、遊技中、発射球検出センサ42の検出信号、戻り球検出センサ43の検出信号及び賞球コマンドに基づいて、第1持球数の増減を行う。また、第1持球数の値を遊技機持球数表示部9に表示する。
球情報制御基板20と精算機2とは、双方向にデータ通信可能に接続されている。球情報制御基板20から精算機2へは、球情報制御基板20が管理する第1持球数が規定した上限数を超えた場合に、第1持球数から予め定めた移動数だけ精算機2に送る。また、球情報制御基板20が管理する第1持球数が規定した下限数を下回った場合に、予め定めた要求数(予め定めた要求数の持球の要求指令)を精算機2に送る。
また、精算機2から精算ボタン13の操作に基づく遊技終了が指令された場合に、遊技終了が可能であるかを確認するため、メイン制御基板19に終了モード要求指令を送信し、メイン制御基板19から返信された終了モードを受ける。また、終了モードの内容を判定し、判定内容が通常遊技終了可の場合、球情報制御基板20が管理する第1持球数の全てを精算機2に送信する。一方、判定内容が強制終了のみ可の場合、精算機2に対して強制終了のみ可を送信し、精算機2から返信として強制終了指令を受けた場合には球情報制御基板20が管理する第1持球数の全てを精算機2に送信する。また、判定内容が終了待ちの場合、精算機2に対して終了待ちを送信した後、メイン制御基板19からの返信が、通常終了可もしくは強制終了のみ可を受けるまで、メイン制御基板19に対して終了モード要求指令を定期的に繰り返し送信する。
精算機2から球情報制御基板20へは、球貸ボタン12の操作に基づく球貸数を球情報制御基板20に送る。また、球情報制御基板20からの要求数に応じて、精算機2が管理する第2持球数の範囲内で可能な戻し数だけ球情報制御基板20に送る。
精算機2の制御部は、図示していないが、CPU、ROM、RAM、入出力インタフェース、通信インタフェース等を備えている。精算機2には、封入式パチンコ機1の操作パネル部6に配設された球貸ボタン12、精算ボタン13、球単価変更ボタン14、YESボタン16及びNOボタン17の各操作入力信号が、例えば、インタフェースを通じて入力可能に接続されている。また、封入式パチンコ機1の操作パネル部6に配設された残度数表示部7、ポイント数表示部8、精算機持球数表示部10、操作可能報知ランプ15、操作可能報知ランプ18及びメッセージ表示部53が精算機2からの制御出力により表示可能に接続されている。また、精算機2には、図1のカード挿入口46の奥方にカード処理機47が設けられている。
実施形態において使用されるカード48は、例えば、磁気カード或いはICカード或いはロイコ染料等を用いたリライタブルなカード等で構成され、遊技者が所定の金額を支払うことにより、図示しないカード発行機により発行されて遊技者に提供される。図6は、カード48に記憶されているデータ構成を示す図である。カード48には、カード48に対して個別に付与された識別情報としてのID番号(以下、単にIDという)が記憶されたID記憶部49、カード48を購入する際に支払われた金額に相当する有価価値情報としての残度数が記憶された残度数記憶部50、遊技を行った遊技結果として遊技者が獲得した持球数に球単価を乗じることで算出されるポイント数が記憶されるポイント数記憶部51が設定されている。なお、カード48の発行時は、ID記憶部49にIDが記憶され、残度数記憶部50にカード48を購入する際に支払われた金額に相当する残度数(例えば、支払った金額が5000円ならば残度数として「5000」)が記憶されているが、ポイント数記憶部51にはポイント数としての初期値、ポイント数として「0」が記憶されている。
カード処理機47は、従来周知のものであり、カード48を検知するカードセンサ、カード48に記憶されたデータの読み取り及びカード48へのデータの書き込みを行うカードリーダ・ライタ、カード48のデータ読取書込位置への送り込み並びにカード48のカード挿入口46への排出を行うカード搬送手段を備えている。カード処理機47は、カード挿入口46にカード48が差し込まれると、所定のデータ読取書込位置にカード48を送り、カードリーダ・ライタにより、記憶されているデータ、即ち、ID、残度数及びポイント数を読み取って精算機2に出力する。精算機2よりの書込指令に応じて、ID、残度数及びポイント数を前述の各記憶部に書き込む(記憶する)。
精算機2は、カード処理機47を通じてカード48から読み取ったID、残度数及びポイント数をRAMに記憶する。なお、LAN等を通じて通信接続された管理コンピュータ52に(図3参照)、読み取ったID、残度数及びポイント数を送信し、管理コンピュータ52により、カード発行時に作成されたカードデータファイル(カードデータベース)において該当するIDに対応付けして記憶されている残度数及びポイント数と、精算機2から送られた残度数及びポイント数とが一致するか否かを判定し、一致した場合に精算機2に使用可能を送信する一方、不一致の場合には使用不可を送信するようにしてもよい。この場合、精算機2は、使用不可を受信した場合には、カード処理機47にカード排出を指令し、カード処理機47を介してカード48をカード挿入口46から返却する。以上のように構成すると、不正にカードの残度数やポイント数を変更したり、遊技場が不正にカードデータファイルの内容を改ざんする行為によるカード48の使用を防ぐことが可能となる。
一方、精算機2は、使用可能を受信した場合には、カード48の使用による球貸や球単価変更等を可能とする。なお、以上に述べた管理コンピュータ52によるカード48のデータの認証は必須ではない。
精算機2は、カード48のデータの読み取りを行うと、RAMに記憶した残度数を残度数表示部7に表示すると共にRAMに記憶されたポイント数をポイント数表示部8に表示する。カード48の使用が可能である場合、精算機2は、球貸ボタン12の操作に応じて球貸を行う。この球貸は、球貸ボタン12の1回操作につき、球貸数125を球貸するものとする。なお、精算機2は球情報制御基板20に球貸数を送信する。球情報制御基板20は、球貸数を受けると第1持球数に加算し、発射装置を発射可能とし遊技可能状態となる。また、設定されている球単価に球貸数を乗じることで球貸に対する対価を求め、求めた対価(球貸に対応する残度数又はポイント数)を現在の値から減じる。なお、ポイント数がある場合には、ポイント数を残度数に優先して使用する。
以上のように構成された封入式パチンコ機1及び精算機2による各処理について説明する。図4乃至図5は、精算機2に配備されたCPU(精算機2のCPUということで、以下、SCPUという)が実行する処理のメインルーチンを示すフローチャートである。なお、以下の説明で球情報制御基板20に配備されたCPUを球情報制御基板20のCPUということで、TCPUということにする。
SCPUは、メインルーチンを開始すると、まず、実行フラグに初期値「0」をセットする(ステップA01)。なお、実行フラグは、「0(初期状態)」、「1(球単価変更可、球貸可)」、「2(球単価変更不可、球貸可)」の各値をとるものである。次いで、SCPUは、カード48のカード挿入口46への挿入があるか否かを判別する(ステップA02)。なお、カード48のカード挿入口46への挿入の検知は、従来周知のカード挿入口46の内方に配設されたカードセンサの検出信号による。SCPUは、カード48のカード挿入口46への挿入がなければ、カード48のカード挿入口46への挿入が検出されるまで、ステップA02をNOと判別して待機する。
遊技者により、カード48がカード挿入口46に差し込まれると、カード48の挿入が検出され、SCPUはステップA02をYESと判別してステップA03に進む。ステップA03では、カード48に記憶されているデータの読み取りを行う(ステップA03)。即ち、図6のカード48のID記憶部49に記憶されているID、残度数記憶部50に記憶されている残度数、ポイント数記憶部51に記憶されているポイント数を読み取ってRAMの所定の記憶エリア(ID記憶エリア、残度数記憶エリア、ポイント数記憶エリア)に記憶する。
次に、SCPUは、差し込まれたカード48が使用可能であるか使用不可であるかを判定する(ステップA04)。なお、前述したように、管理コンピュータ52に(図3参照)、読み取ったID、残度数及びポイント数を送信し、管理コンピュータ52により、管理コンピュータ52で管理されている各データと送信した各データとが一致するか否かにより、使用可能と使用不可との判断をする構成としてもよい。この実施形態では、読み取った残度数が0で、かつ読み取ったポイント数が0である場合に、カード48は使用不可であると判定し、カード48をカード挿入口46から排出し(ステップA05)、ステップA02に戻る。このため、カード48が使用不可であると判定された場合、以下に説明する処理は実行されない。
一方、読み取った残度数が0でない場合、または読み取った残度数が0であっても読み取ったポイント数が0でない場合は、カード48は使用可能であると判定し、以下の各処理において処理を行うか行わないかを識別するための実行フラグに「1」をセットする(ステップA06)。
次に、RAMの球単価記憶エリアに球単価の初期値「4」(1球につき度数4またはポイント数4)をセットし(ステップA07)、RAMの第2持球数記憶エリア(精算機持球数エリア)に第2持球数Q1の初期値「0」をセットし(ステップA08)、操作可能報知ランプ15,18の点灯データに「1(点灯)」をセットし(ステップA09)、ステップA10の表示処理に進む。
図9は、SCPUが実行する表示処理のサブルーチンを示すフローチャートである。SCPUは、表示処理を開始すると、残度数記憶エリアに記憶されている残度数を残度数表示部7に表示し(ステップA101)、ポイント数記憶エリアに記憶されているポイント数をポイント数表示部8に表示し(ステップA102)、第2持球数記憶エリアに記憶されている第2持球数(精算機2が管理する持球数)を精算機持球数表示部10に表示し(ステップA103)、球単価記憶エリアに記憶されている球単価の値を球単価表示部11に表示し(ステップA104)、操作可能報知ランプ15,18の点灯データを出力し(ステップA105)、表示処理を抜けてステップA11に進む。
したがって、カード48に記憶されている残度数とポイント数とが表示されると共に、精算機持球数として初期値「0」が表示され、球単価として初期値「4」が表示され、球貸ボタン12が操作可能状態であることを報知する操作可能報知ランプ15が点灯すると共に、球単価変更ボタン14が操作可能状態であることを報知する操作可能報知ランプ18が点灯する。
ステップA11に進むと、SCPUは、実行フラグの値が「1」であるか否かを判別する(ステップA11)。実行フラグの値が「1」でない場合、球単価変更不可であると判定し(ステップA11をNO)、ステップA13にジャンプする。したがって、実行フラグの値が「1」でない場合には、実質的に球単価を変更することは不可能とされている。
一方、例えば、使用可能であるカード48を挿入した直後のように、実行フラグの値が「1」である場合には、球単価変更が可であり、ステップA11をYESと判定してステップA12の球単価変更処理に進む。
即ち、カード挿入後、球貸が実質的に行われるまでは、遊技者は球単価変更ボタン14を操作することにより、球単価を4乃至1の範囲で任意に選択指定可能である。一方、球貸が実質的に行われると、実行フラグの値が「2」に変更されるため、球単価変更不可となる。なお、球貸を行った時点の球単価の値は、持球数の精算時に用いられる。
図10は、SCPUが実行する球単価変更処理のサブルーチンを示すフローチャートである。SCPUは、球単価変更処理を開始すると、まず、球単価変更ボタン14の操作があるか否かを判定する(ステップA121)。球単価変更ボタン14の操作がなければ、ステップA121をNOと判定して球単価変更処理のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻り、ステップA13に進む。
一方、ステップA121にて、球単価変更ボタン14の操作があれば、ステップA121をYESと判定し、ステップA122に進み、RAMの球単価記憶エリアに記憶されている球単価の値を−1し(ステップA122)、減じた球単価の結果が0であるか否かを判断し(ステップA123)、減じた球単価の結果が0であれば初期値「4」に戻し(ステップA124)、球単価変更処理のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。一方、減じた球単価の結果が0でなければ、そのまま球単価変更処理のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。なお、後述の球貸処理にて実質的な球貸が行われない限り、実行フラグの値が「1」のまま維持されて球単価変更処理のサブルーチンが実行されることになるため、遊技者により、球単価変更ボタン14が操作される毎に、球単価が「4」→「3」→「2」→「1」→「4」のように循環的に変更される。
SCPUはステップA12の球単価変更処理のサブルーチンを抜けると、ステップA13に進む。ステップA13に進むと、SCPUは、球貸ボタン12の操作があるか否かを判定する(ステップA13)。球貸ボタン12の操作がなければ、ステップA13をNOと判定してステップA18に進む。
遊技者は、遊技を行うために球貸ボタン12を操作し、精算機2より球貸を受ける。即ち、ステップA13にて、球貸ボタン12の操作があれば、SCPUはステップA13をYESと判定し、ステップA14の球貸処理に進む。
図7乃至図8は、SCPUが実行する球貸処理のサブルーチンを示すフローチャートである。SCPUは、球貸処理を開始すると、まず、TCPUに球貸準備指令を送信する(ステップA50)。次いで、ステップA51に進み、ポイント数記憶エリアに記憶されているポイント数(以下、PSと記す)が0であるか否かを判定する(ステップA51)。本実施形態では、球貸において、ポイント数がある場合には、ポイント数を残度数に優先して消費するようにしている。また、球貸においてポイント数と残度数とは等価に扱う。なお、残度数とポイント数との違いは、景品カウンタで残度数は現金に交換することができるが、ポイント数は現金に交換することができない点で異なる。
ステップA51にて、ポイント数が0でないと判定された場合、即ち、ポイント数がある場合には、ステップA51をNOと判定し、ステップA52に進む。ステップA52では、1回の球貸操作に対応した規定球貸数KD(本実施形態では、例えば、125とする)に球単価記憶エリアに記憶されている球単価(以下、TKと記す)を乗じて球貸に必要なポイント数(度数でも同じであり等価)を求め、Aレジスタに記憶する(ステップA52)。次いで、ポイント数PSとAレジスタに記憶した球貸に必要なポイント数(球貸ポイント数という)とを比較し、ポイント数PSが球貸ポイント数に満たないか否かを判定する(ステップA53)。
ステップA53にて、ポイント数PSが球貸ポイント数以上であれば、ポイント数のみで球貸が即可であり、ステップA53をNOと判定し、規定球貸数KDを球貸数としてTCPU(球情報制御基板20のCPU)に送信し(ステップA54)、ステップA55にて、TCPUから送られてくる球貸終了を受信するまで待機する(ステップA55をNOと判定する処理を繰り返し行う)。なお、送信された球貸数に対応する球情報制御基板20のCPU(TCPU)が行う処理については後述する。
そして、SCPUから送信された球貸数に対応するTCPUの処理が終了すると、TCPUが球貸終了を送信するので、SCPUは球貸終了を受信することになり、ステップA55をYESと判定し、ステップA56に進んで、ポイント数記憶エリアに記憶されているポイント数PSからAレジスタに記憶した球貸ポイント数を減算記憶し(ステップA56)(減算結果はポイント数PSに記憶される)、さらに、カード48のポイント数記憶部51にポイント数PSを書き込み(ステップA57)、球貸処理のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻り、ステップA15に進む。
一方、ステップA53にて、ポイント数PSが球貸ポイント数に満たない場合には、ステップA53をYESと判定し、ステップA58に進み、以下の処理により、ポイント数+残度数で球貸が可能であるか否かを判定することになる。ステップA58では、Bレジスタにポイント数PSを格納する(ステップA58)。次いで、Bレジスタに記憶されているポイント数PSに、残度数記憶エリアに記憶されている残度数(以下、DSと記す)を加算記憶する(ステップA59)。次に、球貸数を1ずつカウントするための球貸数カウンタC1を0クリアし(ステップA60)、ステップA61に進んで、Bレジスタに記憶されたポイント数と残度数との合算値と、球単価TKとを比較し、Bレジスタに記憶されたポイント数と残度数との合算値が、球単価TK以上であるか否かを判定する(ステップA61)。
ステップA61にて、Bレジスタに記憶されたポイント数と残度数との合算値(以下、単にBレジスタの合算値ということにする)が球単価TK以上である場合は、ステップA61をYESと判定し、Bレジスタの合算値から球単価TKを減算記憶し(ステップA62)、球貸数カウンタC1を+1し(ステップA63)、ステップA64に進んで球貸数カウンタC1の値が規定球貸数KDに等しくなったか否か(に達しているか否か)を判定する(ステップA64)。
ステップA64にて、球貸数カウンタC1の値が規定球貸数KDに等しくなっていなければ、ステップA64をNOと判定してステップA61に戻る。よって、ステップA61〜ステップA63及びステップA64をNOと判定する処理ルーチンを繰り返し行うことにより、Bレジスタの合算値はステップA62で球単価TKずつ減っていくが、Bレジスタの合算値が球単価TK以上である間は、球貸数カウンタC1の値が1つずつアップすることになり、球貸数カウンタC1の値が規定球貸数KDに等しくなったのであれば、ポイント数PSと残度数DSとの合算値により規定球貸数KDの球貸が可であり、ステップA64をYESと判定し、ステップA65に進む。
ステップA65に進むと、ポイント数を残度数に優先して消費するようにしているため、ポイント数PSと残度数DSとの合算値により球貸を行う場合には、ポイント数PSは消費し切っていることから、ポイント数PSを0クリアし(ステップA65)、Bレジスタに記憶されている合算値が新たな残度数となるため、Bレジスタに記憶されている合算値を残度数DSとして残度数記憶エリアに記憶し(ステップA66)、規定球貸数KDを球貸数としてTCPUに送信し(ステップA67)、ステップA68にて、TCPUから送られてくる球貸終了を受信するまで待機する(ステップA68をNOと判定する処理を繰り返し行う)。
そして、SCPUから送信された球貸数に対応するTCPUの処理が終了すると、TCPUが球貸終了を送信するので、SCPUは球貸終了を受信することになり、ステップA68をYESと判定し、ステップA69に進み、カード48のポイント数記憶部51にポイント数PS(この場合は0)を書き込むと共に残度数記憶部50に残度数DSを書き込み(ステップA69)、球貸処理のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻り、ステップA15に進む。
また、ステップA51にて、ポイント数が0である場合、ステップA51をYESと判定し、ステップA58に進む。なお、ステップA51にてポイント数が0であると判定した場合、論理上、残度数DSのみで(残度数DSが0の場合にはカード使用不可としてすでに排除してある。図4のステップA04でNOと判定を参照)球貸が可能であるか否かを判定することになる。また、ステップA58にてBレジスタに格納されるポイント数PSは「0」となる。以下の処理は、球貸においてポイント数と残度数とは等価に扱うため、先に述べたポイント数+残度数で球貸を行う場合の処理と同じとなる。
一方、ステップA61〜ステップA63及びステップA64をNOと判定する処理ルーチンを繰り返し行っても、球貸数カウンタC1の値が規定球貸数KDに等しくならずに、Bレジスタの合算値が球単価TKよりも小さくなってしまった場合は、規定球貸数KDに球貸数が満たないことになり、ステップA61をNOと判断し、ステップA70に進む。
ステップA70に進む場合、球貸数は球貸数カウンタC1の値となる。また、Bレジスタに記憶されている合算値が新たな残度数となる。ステップA70では、球貸数カウンタC1の値が「0」であるか否かを判定する(ステップA70)。球貸数カウンタC1の値が「0」でない場合は球貸が行えることになるから、ステップA70をNOと判定し、ステップA71に進み、ポイント数PSは消費し切っていることから、ポイント数PSを0クリアし(ステップA71)、Bレジスタに記憶されている合算値が新たな残度数となるため、Bレジスタに記憶されている合算値を残度数DSとして残度数記憶エリアに記憶し(ステップA72)、球貸数カウンタC1の値を球貸数としてTCPUに送信し(ステップA73)、ステップA74にて、TCPUから送られてくる球貸終了を受信するまで待機する(ステップA74をNOと判定する処理を繰り返し行う)。
そして、SCPUから送信された球貸数に対応するTCPUの処理が終了すると、TCPUが球貸終了を送信するので、SCPUは球貸終了を受信することになり、ステップA74をYESと判定し、ステップA75に進み、カード48のポイント数記憶部51にポイント数PS(この場合は0)を書き込むと共に残度数記憶部50に残度数DSを書き込み(ステップA75)、球貸処理のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻り、ステップA15に進む。
また、例えば、球単価が「4」で、カード48のポイント数が「0」でかつ残度数が「3」であるような場合、即ち、Bレジスタに記憶されたポイント数と残度数との合算値(以下、単にBレジスタの合算値ということにする)が最初から球単価TKより小さい場合は、ステップA61をNOと判定してステップA70に進むと、球貸数カウンタC1の値が0であるためステップA70をYESと判定し、ステップA76に進み、球貸不可指令をTCPUに送信し(ステップA76)、ステップA77にて、TCPUから送られてくる球貸終了を受信するまで待機する(ステップA77をNOと判定する処理を繰り返し行う)。
そして、SCPUから送信された球貸不可指令に対応するTCPUの処理が終了すると、TCPUが球貸終了を送信するので、SCPUは球貸終了を受信することになり、ステップA77をYESと判定し、実行フラグに初期値「0」をセットして戻し(ステップA78)、球貸処理のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻り、ステップA15に進む。
球貸処理のサブルーチンを抜けると、SCPUは、ステップA15に進む。ステップA15では、実行フラグが「0」に戻されているか否かを判定する(ステップA15)。上述のように球貸処理において球貸不可指令をTCPUに送信した場合にのみ、実行フラグが「0」に戻され、球貸処理において球貸数をTCPUに送信した場合には(即ち、実質的に球貸を行った場合には)、実行フラグに「1」がセットされている。SCPUは、実行フラグに「1」がセットされている場合には、ステップA15をNOと判定し、実行フラグに「2」をセットし(ステップA16)、操作可能報知ランプ18(球単価変更ボタン14に関わる)の消灯データをセットし(ステップA17)、ステップA18に進む。なお、実行フラグの値が「2」に変更されるため、以降、球単価変更不可となる。
一方、球貸処理において球貸不可指令をTCPUに送信した場合には、実行フラグが「0」に戻されており、この場合には、ステップA15をYESと判定し、直接ステップA18に進む。
ステップA18に進むと、SCPUは、精算ボタン13の操作があるか否かを判定する(ステップA18)。精算ボタン13の操作がなければ、ステップA18をNOと判定してステップA19に進む。なお、精算ボタン13の操作があった場合の処理については後述する。
ステップA19に進むと、実行フラグが「1」であるか否かを判定する(ステップA19)。球貸を行っていない場合は、実行フラグが「1」のままとなっており、この場合は、ステップA19をYESと判定し、ステップA10の表示処理に戻る。このため、球単価表示部11の球単価表示が選択した球単価に変更される。カード挿入後、球貸が実質的に行われるまでは、遊技者は球単価変更ボタン14を操作することにより、球単価を4乃至1の範囲で任意に選択指定することができる。
また、上述の実行フラグが「0」に戻されている場合には、ステップA19をNOと判定し、続くステップA20において、実行フラグが「0」であると判定され、ステップA20をYESと判定してステップA10の表示処理に戻る。この場合、実質的な球貸が行われていない。このため、遊技者による精算ボタン13への操作により、カード48を排出させる必要があるが、本発明の要旨は、球貸が実際に行われたことにより遊技が行われ、遊技が行われた後の精算時のメイン制御基板19、球情報制御基板20並びに精算機2の処理に関わるものなので、説明を簡略する。精算ボタン13への操作により、ステップA18をYESと判定してステップA23に進み、実行フラグが「0」である結果、ステップA23をYESと判定してステップA27に進み(精算処理は実質的に行われない)、カード48をカード挿入口46から排出し(ステップA27)、処理を終了する。
また、カード48の挿入後、球貸ボタン12への操作を一度も行わずに、精算ボタン13を操作した場合、実行フラグが「1」のままとなっており、この場合は、精算ボタン13への操作により、ステップA18をYESと判定してステップA23に進み、実行フラグが「1」である結果、ステップA23をNOと判定してステップA24に進み、ステップA24にてYESと判定してステップA27に進み(精算処理は実質的に行われない)、カード48をカード挿入口46から排出し(ステップA27)、処理を終了する。
さて、球貸処理において球貸数をTCPUに送信した場合には、即ち、実質的に球貸を行った場合には、ステップA16で実行フラグに「2」がセットされている。この場合は、ステップA19をNO、ステップA20をNOと判定し、ステップA21の移動数処理に進み、移動数処理を抜けるとステップA22の要求数処理に進み、要求数処理を抜けると、ステップA10の表示処理に戻る。なお、ステップA21の移動数処理及びステップA22の要求数処理は、封入式パチンコ機1にて遊技が開始された時から精算ボタン13が操作されて精算が行われるまでの間行われる処理となる。
次に、球情報制御基板20に配備されたCPU(球情報制御基板20のCPUということで、以下、TCPUという)が実行する処理について説明する。図14は、球情報制御基板20に配備されたTCPUが実行する処理のメインルーチンを示すフローチャートである。TCPUは、メインルーチンを開始すると、まず、TCPUが管理する第1持球数P1の更新記憶を行うためのRAMの第1持球数記憶エリアを0クリアする(ステップS01)。次いで、ステップS02に進み、SCPUから送られてくる球貸準備指令を受信したか否かを判定する(ステップS02)。ここで、TCPUは、球貸準備指令が受信されるまで待機する(ステップS02をNOと判定する処理を繰り返す)。
前述したように、球貸ボタン12の操作に応じて精算機2のSCPUが球貸処理(図4のステップA14参照)を実行すると、SCPUがTCPUに対して球貸準備指令を送信するので(図7のステップA50参照)、TCPUは球貸準備指令を受信することになり、ステップS02をYESと判定してステップS03に進む。ステップS03に進むと、次にSCPUから送られてくる球貸数または球貸不可を受信したか否かを判定することになる。即ち、まず、球貸数を受信したか否かを判定し(ステップS03)、球貸数を受信していなければステップS03をNOと判定して、ステップS04に進んで球貸不可を受信したか否かを判定し(ステップS04)、球貸不可を受信していなければ、ステップS04をNOと判定してステップS03に戻る。
球貸処理にて、カード48の残度数不足によってSCPUから球貸不可指令が送信された場合には(図8のステップA76参照)、TCPUは球貸不可指令を受信することになり、ステップS04をYESと判定し、ステップS05に進み、SCPUに対して球貸終了を送信し(ステップS05)、メインルーチンの処理を終了する。したがって、球貸不可指令を受信したときには、遊技開始にはならない。
一方、球貸処理にて、実質的にSCPUから球貸数が送信された場合には(図7のステップA54で規定球貸数、または、ステップA67で規定球貸数、または、図8のステップA73で規定球貸数に満たない数の球貸数、各ステップA参照)、TCPUは球貸数を受信することになり、ステップS03をYESと判定し、ステップS06に進む。
ステップS06に進むと、TCPUは、第1持球数P1に受信した球貸数を加算して加算結果を第1持球数P1として記憶する(ステップS06)。次いで、SCPUに球貸終了を送信し(ステップS07)、発射制御基板38に対して発射装置を発射可能とする指令を出力し(ステップS08)、監視フラグを0クリアし(ステップS09)、ステップS10に進む。ステップS08の処理により、遊技領域4に向けて遊技球を発射可能になるため、遊技開始可能となる。また、監視フラグは、精算機2より送信された遊技終了指令を受けた時からの、終了モードの種別に関わる各処理のいずれかに分岐するのかを識別するためのフラグであり、「0」で「初期状態又は通常終了可」である状態、「1」で「終了待ち」である状態、「2」で「強制終了のみ可」である状態を表わす。
TCPUは、ステップS10に進むと、第1持球数記憶エリアに記憶されている第1持球数P1の値を遊技機持球数表示部9に表示する(ステップS10)。これにより、遊技者に封入式パチンコ機1が管理する現在の持球数を認識させる。
遊技者により打球ハンドル5が回動操作され、遊技領域4に向けて遊技球が発射されると、遊技領域4に配備された各入賞口に遊技球が入球することで、入賞が発生し、各入賞口に配設された入賞口検出スイッチ(普通入賞口検出スイッチ23や大入賞口検出スイッチ24)により入賞が検出されると、メイン制御基板19は、遊技球が入賞した入賞口に応じて設定された賞球数を指示する賞球コマンドを必要に応じて球情報制御基板20に出力する。また、遊技球が1球発射される毎に、発射球検出センサ42の球検出信号が球情報制御基板20に入力され、遊技領域4に到達せずにファール球入口(図示せず)に遊技球が回収される毎に、戻り球検出センサ43の球検出信号が球情報制御基板20に入力される。
ステップS10に続いて、TCPUは各センサ信号の入力処理を行い(ステップS11)、次いで、メイン制御基板19から送信される賞球コマンドの入力処理を行う(ステップS12)。次に、遊技中の球情報処理に進む(ステップS13)。
ここで、遊技中の球情報処理について説明する。図15は、TCPUが行う遊技中の球情報処理のサブルーチンを示すフローチャートである。TCPUは、まず、発射球検出センサ42による発射球検出信号があるか否かを判定する(ステップS30)。発射球検出センサ42による発射球検出信号がある場合、ステップS30をYESと判定し、第1持球数P1の値を−1し(ステップS31)、ステップS32に進む。一方、発射球検出センサ42による発射球検出信号がない場合、ステップS30をNOと判定し、直接ステップS32に進む。
ステップS32では、戻り球検出センサ43による戻り球検出信号があるか否かを判定する(ステップS32)。戻り球検出センサ43による戻り球検出信号がある場合、ステップS32をYESと判定し、第1持球数P1の値を+1し(ステップS33)、ステップS34に進む。一方、戻り球検出センサ43による戻り球検出信号がない場合、ステップS32をNOと判定し、直接ステップS34に進む。
ステップS34では、ステップS12の賞球コマンドの入力処理で賞球コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS34)。すなわち、受信バッファに賞球コマンドの記憶があるか否かを判定する。賞球コマンドの受信がある場合、ステップS34をYESと判定し、受信した賞球コマンドに応じた賞球数を第1持球数P1の値に加算記憶し(ステップS35)、遊技中の球情報処理のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。一方、賞球コマンドの受信がない場合、ステップS34をNOと判定し、遊技中の球情報処理のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。例えば、賞球数「4」に設定されている入賞口に入賞が発生した場合には、第1持球数P1の値に賞球数「4」が加算記憶され、例えば、賞球数「15」に設定されている入賞口(大入賞口)に入賞が発生した場合には、第1持球数P1の値に賞球数「15」が加算記憶される。
TCPUは、遊技中の球情報処理のサブルーチンを抜けると、ステップS135に進み、精算機2から送信される遊技状態要求指令を受信したか否かを判定する(ステップS135)。遊技状態要求指令は、閉店補償の際にSCPUから送信されるので(図27のステップC02参照)、ここでは、ステップS135をNOと判定してステップS14に進む。ステップS14では、精算機2から送信される遊技終了指令を受信したか否かを判定する(ステップS14)。なお、遊技終了指令は遊技者による精算ボタン13への操作入力があると、後述するSCPUが行う精算処理(図5のステップA25参照)にて遊技終了指令が送信される。なお、ここでは、遊技終了指令は受信されないものとして説明する。遊技終了指令の受信がない場合、ステップS14をNOと判定し、ステップS15に進む。ステップS15では、監視フラグが「1」であるか否かを判定する(ステップS15)。この場合、ステップS09にて監視フラグが「0」とされているため、ステップS15をNOと判定してステップS16の持球数チェック処理1に進む。
本実施形態では、球情報制御基板20(TCPU)が管理する第1持球数P1が予め規定した上限数を超えた場合に、第1持球数P1から予め定めた移動数X1だけ精算機2に送り、精算機2(SCPU)が管理する第2持球数Q1に送信された移動数X1を加算記憶するようにしている。
図16は、TCPUが実行する持球数チェック処理1のサブルーチンを示すフローチャートである。TCPUは、持球数チェック処理1を開始すると、第1持球数P1が予め規定した上限数を超えているか否か判定する(ステップS40)。ここで、前記上限数は、賞球を実際に払い出すパチンコ機の上皿に乗っている持球に相当する(上皿相当分)もので、本実施形態では、上限数は、例えば、「250」に設定されている。第1持球数P1が予め規定した上限数を超えていない場合、ステップS40をNOと判定し、持球数チェック処理1のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。よって、第1持球数P1が予め規定した上限数を超えていない場合、持球数チェック処理1によって第1持球数P1が変わることはない。
一方、第1持球数P1が予め規定した上限数を超えている場合には、ステップS40をYESと判定し、ステップS41に進む。ステップS41に進むと、TCPUは、予め定めた移動数X1(当然ながら、上限数>X1である)を精算機2に送信し(ステップS41)、ステップS42にて、SCPUから送られてくる処理終了を受信するまで待機する(ステップS42をNOと判定する処理を繰り返す)。
TCPUが移動数X1の送信を行うと、精算機2のSCPUは、図5のステップA21の移動数処理において、第2持球数Q1に送信された移動数X1を加算記憶する。図11は、SCPUが実行する移動数処理のサブルーチンを示すフローチャートである。SCPUは、移動数処理を開始すると、移動数X1を受信したか否かを判定する(ステップA211)。移動数X1を受信しない場合、ステップA211をNOと判定し、移動数処理のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。
一方、移動数X1を受信した場合、ステップA211をYESと判定し、ステップA212に進む。ステップA212に進むと、SCPUは、第2持球数Q1に受信した移動数X1を加算して加算結果を第2持球数Q1として記憶する(ステップA212)。次いで、TCPUに処理終了を送信し(ステップA213)、移動数処理のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。
SCPUが処理終了を送信することにより、TCPUは処理終了を受信することになり、ステップS42をYESと判定し、ステップS43に進み、第1持球数P1から送信した移動数X1を減算して減算結果を第1持球数P1として記憶し(ステップS43)、持球数チェック処理1のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。
球情報制御基板20のTCPUが管理する第1持球数P1から精算機2のSCPUが管理する第2持球数Q1へ移動する移動数X1は、本実施形態では、例えば、「100」とする。なお、前記移動数「100」は、一例であり、遊技状態によって移動数X1を変えるようにしてもよい。例えば、大当り遊技状態ではない遊技状態では、入賞に応じた賞球数が小さく定められていることが多く(例えば、始動口への入賞に対する賞球数は「4」に定められているものが多い)、第1持球数P1の加増分が大きくなることはないため、移動数X1を上記のように「100」に定める。一方、大当り遊技状態では、短時間に多数回の入賞が集中し、各入賞に応じた賞球数が大きく定められており(例えば、大入賞口への入賞に対する賞球数は「15」に定められているものが多い)、第1持球数P1の加増分が大きくなるため、移動数X1を2倍の「200」に定める。なお、遊技状態は、メイン制御基板19から球情報制御基板20に定期的に(例えば、4ms毎に)送信され、持球数チェック処理1にて遊技状態を入力して判定する構成とする。
図14のフローチャートに戻り、TCPUは、ステップS16の持球数チェック処理1を抜けるとステップS17の持球数チェック処理2に進む。
本実施形態では、球情報制御基板20(TCPU)が管理する第1持球数P1が予め規定した下限数を下回った場合に、精算機2が管理する第2持球数Q1から予め定めた要求数Y1に対応する戻し数だけTCPUに戻し、球情報制御基板20(TCPU)が管理する第1持球数P1に送信された要求数Y1に対応する戻し数を加算記憶するようにしている。なお、この場合、精算機2が管理する第2持球数Q1が「0」ではないことが条件となる。
図17は、TCPUが実行する持球数チェック処理2のサブルーチンを示すフローチャートである。TCPUは、持球数チェック処理2を開始すると、第1持球数P1が予め規定した下限数を下回っているか否か判定する(ステップS50)。ここで、前記下限数は、賞球を実際に払い出すパチンコ機の上皿に乗っている持球に相当する(上皿相当分)もので、本実施形態では、下限数は、例えば、「100」に設定されている。
ここで、例えば、遊技領域4で行われているパチンコ遊技が、第2種のパチンコ遊技であるとすると、始動口への入賞に応じて可変入賞装置の大入賞口が1回又は2回開閉動作を行う。前記大入賞口が開放しているタイミングで遊技球が大入賞口を通過して可変入賞装置内の入賞空間に飛入し、飛入した遊技球が運良く入賞空間内に設けられた特定入賞口(所謂V入賞口)に入賞した場合には、大当り遊技状態に移行する。この時に、第1持球数P1が遊技を続行できる数だけあれば支障なく遊技を続けて行えるが、第1持球数P1が遊技を続行するには足らない数、所謂持球不足となってしまうと、遊技を続けて行うことに支障を来す。持球数チェック処理2はこのような持球不足の発生を未然に埋め合わせるものである。これによって、遊技者は第1持球数P1の減り具合を気にせず、安心して遊技を続けて行うことができる。
第1持球数P1が予め規定した下限数を下回っていない場合、ステップS50をNOと判定し、持球数チェック処理2のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。よって、第1持球数P1が予め規定した下限数を下回っていない場合、持球数チェック処理2によって第1持球数P1が変わることはない。
一方、第1持球数P1が予め規定した下限数を下回っている場合には、ステップS50をYESと判定し、ステップS51に進む。ステップS51に進むと、TCPUは、予め定めた要求数Y1を精算機2に送信し(ステップS51)、ステップS52にて、SCPUから送られてくる返信データを受信するまで待機する(ステップS52をNOと判定する処理を繰り返す)。本実施形態では、要求数Y1を「100」としている。
TCPUが要求数Y1の送信を行うと、精算機2のSCPUは、図5のステップA22の要求数処理において、要求数Y1を受信すると共に管理している現在の第2持球数Q1の範囲内で送信する戻し数を決定し、決定した戻し数をTCPUに送信すると共に第2持球数Q1から送信した戻し数を減算して減算結果を第2持球数Q1として記憶する。図12は、SCPUが実行する要求数処理のサブルーチンを示すフローチャートである。SCPUは、要求数処理を開始すると、まず、要求数Y1を受信したか否かを判定する(ステップA221)。要求数Y1を受信しない場合、ステップA221をNOと判定し、要求数処理のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。
一方、要求数Y1を受信した場合、ステップA221をYESと判定し、ステップA222に進む。ステップA222に進むと、SCPUは、現在管理している第2持球数Q1が「0」(持球数なし)であるか否かを判定する(ステップA222)。第2持球数Q1が「0」(持球数なし)である場合、ステップA222をYESと判定し、ステップA230に進んで、送信できる戻し数は0であるため、「持球数なし」をTCPUに送信し(ステップA230)、ステップA231にて、TCPUから送られてくる処理終了を受信するまで待機する(ステップA231をNOと判定する処理を繰り返す)。
SCPUが「持球数なし」を送信することにより、TCPUはSCPUから送られてくる返信データとして「持球数なし」を受信することになり、まず、ステップS52をYESと判定し、ステップS53に進む。そして、返信データは「持球数なし」か否かの判定を行い(ステップS53)、ステップS53をYESと判定し、ステップS55に進み、SCPUに処理終了を送信し(ステップS55)、持球数チェック処理2のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。また、TCPUが処理終了を送信することにより、SCPUは処理終了を受信することになり、ステップA231をYESと判定し、要求数処理のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。
一方、第2持球数Q1が「0」(持球数なし)でない場合、SCPUはステップA222をNOと判定し、ステップA223に進む。第2持球数Q1が「0」でない場合、送信できる戻し数があることになり、ステップA223では、現在管理している第2持球数Q1が要求数Y1以上であるか否かを判定する(ステップA223)。
第2持球数Q1が要求数Y1以上である場合、ステップA223をYESと判定し、ステップA224に進み、受信した要求数Y1どおりの戻し数をTCPUに送信し(ステップA224)、ステップA225にて、TCPUから送られてくる処理終了を受信するまで待機する(ステップA225をNOと判定する処理を繰り返す)。
SCPUが要求数Y1どおりの戻し数を送信することにより、TCPUはSCPUから送られてくる返信データとして「戻し数(=要求数Y1)」を受信することになり、まず、ステップS52をYESと判定し、ステップS53に進む。そして、返信データは「持球数なし」か否かの判定を行い(ステップS53)、返信データは「持球数なし」ではないから、ステップS53をNOと判定し、ステップS54に進む。ステップS54に進むと、第1持球数P1に受信した戻し数(要求数Y1)を加算して加算結果を第1持球数P1として記憶する(ステップS54)。次いで、SCPUに処理終了を送信し(ステップS55)、持球数チェック処理2のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。
また、TCPUが処理終了を送信することにより、SCPUは処理終了を受信することになり、ステップA225をYESと判定し、ステップA226に進み、第2持球数Q1から送信した戻し数(=要求数Y1)を減算して減算結果を第2持球数Q1として記憶する(ステップA226)。ステップA226を終えると、SCPUは要求数処理のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。
一方、ステップA223にて、第2持球数Q1が要求数Y1以上でない場合、即ち、現在管理している第2持球数Q1が要求数Y1に満たない場合、ステップA223をNOと判定し、ステップA227に進む。この場合は、現在管理している第2持球数Q1の全てをTCPUに送信する。TCPUは、第2持球数Q1を戻し数としてTCPUに送信し(ステップA227)、ステップA228にて、TCPUから送られてくる処理終了を受信するまで待機する(ステップA228をNOと判定する処理を繰り返す)。
SCPUが第2持球数Q1を戻し数として送信することにより、TCPUはSCPUから送られてくる返信データとして「戻し数(=第2持球数Q1)」を受信することになり、まず、ステップS52をYESと判定し、ステップS53に進む。そして、返信データは「持球数なし」か否かの判定を行い(ステップS53)、返信データは「持球数なし」ではないから、ステップS53をNOと判定し、ステップS54に進む。ステップS54に進むと、第1持球数P1に受信した戻し数(第2持球数Q1)を加算して加算結果を第1持球数P1として記憶する(ステップS54)。次いで、SCPUに処理終了を送信し(ステップS55)、持球数チェック処理2のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。
また、TCPUが処理終了を送信することにより、SCPUは処理終了を受信することになり、ステップA228をYESと判定し、ステップA229に進み、第2持球数Q1の全てを戻し数としてTCPUに送信したのであるから、管理する第2持球数Q1は0になり、RAMの第2持球数記憶エリアを0クリアする(第2持球数Q1を0クリア)(ステップA229)。ステップA229を終えると、SCPUは要求数処理のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。
以上の説明から明らかなように、TCPU(球情報制御基板20)からSCPU(精算機2)への移動数X1とSCPU(精算機2)からTCPU(球情報制御基板20)への持球数の戻し数とは、TCPUで決定する第1持球数P1の上限数と下限数とに依存している。上述した実施形態では、TCPUからSCPUへの移動数X1を「100」とし、SCPUからTCPUへの持球数の戻し数(要求数Y1)を「100」として説明したが、TCPUからSCPUへの移動数X1と、SCPUからTCPUへの持球数の要求数Y1を下記のように決定するようにしてもよい。
TCPUからSCPUへの移動数X1は、上限数と下限数との和の1/2(上限数と下限数との和の平均)が、上限数から移動数X1を差し引いた差以上である条件を満たすように移動数X1を決めて、TCPUに予め設定する。即ち、(上限数+下限数)/2≧(上限数−移動数X1)が成り立つような移動数X1とし、TCPUに予め設定すればよい。また、SCPUからTCPUへの持球数の戻し数(要求数Y1)は、上限数と下限数との和の1/2(上限数と下限数との和の平均)が、下限数と要求数Y1との和以下である条件を満たすように要求数Y1を決めて、TCPUに予め設定する。即ち、(上限数+下限数)/2≧(下限数−要求数Y1)が成り立つような要求数Y1とし、TCPUに予め設定すればよい。以上の2つの条件を満たすように移動数X1及び要求数Y1を決めて設定すると、第1持球数P1に係るTCPUとSCPUとの間の通信頻度を少なくすることができる。
なお、精算機2のSCPUは、要求数処理のサブルーチンを抜けると、ステップA10の表示処理に戻る(図4及び図5参照)。したがって、ステップA21の移動数処理又はステップA22の要求数処理によって第2持球数Q1が変化(増減)すると、ステップA10の表示処理により、第2持球数記憶エリアに記憶されている第2持球数Q1が精算機持球数表示部10に表示されることになり、遊技者は、精算機2で管理されている現在の第2持球数Q1を認識することができる。
図14のフローチャートに戻り、TCPUは、ステップS17の持球数チェック処理2のサブルーチンを抜けるとステップS18に進む。ステップS18では、監視フラグが「2」であるか否かを判定する(ステップS18)。この場合、ステップS09にて監視フラグが「0」とされているため、ステップS18をNOと判定してステップS10に戻り、第1持球数P1を表示を行う。したがって、ステップS16の持球数チェック処理1又はステップS17の持球数チェック処理2によって第1持球数P1が変化(増減)すると、ステップS10の表示処理により、第1持球数記憶エリアに記憶されている第1持球数P1が遊技機持球数表示部9に表示されることになり、遊技者は、封入式パチンコ機1で管理されている現在の第1持球数P1を認識することができる。
TCPUは、遊技終了指令を受信するまでの間、監視フラグの値「0」に基づいて、ステップS10〜ステップS13、ステップS135をNOと判定し、ステップS14をNOと判定し、ステップS15をNOと判定し、ステップS16、ステップS17、ステップS18をNOと判定する処理ルーチンを繰り返す。
[遊技処理]
ここで、メイン制御基板19に配備されたCPU(メイン制御基板19のCPUということで、以下、MCPUという)が実行する遊技処理について説明する。図20乃至図21は、MCPUが実行する遊技処理のフローチャートである。MCPUは、遊技処理を開始すると、入賞検出乱数取得処理を行う(ステップB01)。ステップB01の処理は、従来と同様、RAMに設定された大当り判定用乱数エリアの現在値を、始動口への入賞が検出された処理タイミング(始動口検出スイッチ25の検出信号)で取得し、取得した乱数を保留エリアに記憶する。なお、前記保留エリアは、始動口への入賞を保留する保留数カウンタの値に対応する数だけ設定されている。例えば、最大4個まで始動口への入賞を保留するものの場合、保留数カウンタの値(1〜4)に対応して保留エリア(1)〜保留エリア(4)まである。また、取得された乱数は、例えば、保留数カウンタの値に対応する保留エリアに記憶される。例えば、保留数カウンタの値が「3」であれば、取得した乱数は保留エリア(3)に記憶される。
次いで、MCPUはステップB02に進み、ステップB02以下の各処理により、取得した乱数の大当り判定が行われる。なお、従来と同様、保留エリア(1)〜保留エリア(4)に記憶されている各乱数を、保留エリア(0)〜保留エリア(3)に順次シフトし、保留エリア(4)を0クリアする。また、保留エリア(0)は、実質上、判定エリアである。ステップB02以下の処理について、大当り判定は、保留エリア(0)に記憶されている乱数について行う。
遊技制御部としてのメイン制御基板19は、入賞検出に基づいて取得した乱数が当りであるか否かを通常確率で判定する通常確率遊技状態と、取得した乱数が当りであるか否かを通常確率よりも高い高確率で判定する高確率遊技状態とを有している。以下に説明する大当り(小当りも含む)の判定は、通常確率遊技状態であれば通常確率で各当りが判定され、高確率遊技状態であれば高確率で各当りが判定される。
図23は、実施形態のパチンコ機における当りの種類と、当りの種類に対応した当りの動作、当り動作終了後の当り確率に関する確率遊技状態、当り全体に対する各当りの割合を表形式で示す図である。実施形態のパチンコ機における当りの種類は、大当り1、大当り2、大当り3及び小当りの4種類設けられている。判定エリアである保留エリア(0)に格納されている乱数が大当り1で当った場合、所定時間の大入賞口の開放動作(又は大入賞口への10個入賞した時点までの開放動作)を15回繰り返す15R大当り動作を行う。15R大当り動作の終了後、取得した乱数を通常確率よりも高確率で当りと判定する高確率遊技状態に移行する(確変15R大当りという)。なお、大当り1が占める割合は、当り全体を100とすると、25%に当る。
判定エリアである保留エリア(0)に格納されている乱数が大当り2で当った場合も、所定時間の大入賞口の開放動作(又は大入賞口への10個入賞した時点までの開放動作)を15回繰り返す15R大当り動作を行う。15R大当り動作の終了後は、取得した乱数を通常確率で当りと判定する通常確率遊技状態に移行する(非確変15R大当りという)。なお、大当り2が占める割合は、当り全体を100とすると、25%に当る。
判定エリアである保留エリア(0)に格納されている乱数が大当り3で当った場合、所定時間(0.5秒間)の大入賞口の開放動作を2回繰り返す2R大当り動作を行う。2R大当り動作の終了後、取得した乱数を通常確率よりも高確率で当りと判定する高確率遊技状態に移行する(確変2R大当りという)。なお、大当り3が占める割合は、当り全体を100とすると、10%に当る。
判定エリアである保留エリア(0)に格納されている乱数が小当りで当った場合、所定時間(0.5秒間)の大入賞口の開放動作を2回繰り返す大入賞口2回開放動作を行う。
大入賞口2回開放動作の終了後、取得した乱数を当りと判定する確率状態は、現在の状態を維持する。すなわち、小当りで当りと判定される以前の確率状態が通常確率遊技状態である場合には、大入賞口2回開放動作の終了後も通常確率遊技状態のままであり、小当りで当りと判定される以前の確率状態が高確率遊技状態である場合には、大入賞口2回開放動作の終了後も高確率遊技状態のまま維持される。なお、小当りが占める割合は、当り全体を100とすると、40%に当る。
図24は、実施形態のパチンコ機における当りの種類と、当り動作終了後に行われる演出の種別としての変動モードの種類と、各変動モードに移行する場合の当りの割合と、各変動モードにおける高確率遊技状態の期待度を表形式で表す図である。図24に示すように、乱数判定において大当り1で当った場合、5:20の比率で高確率変動モードと役物B変動モードとに振り分けられる。乱数判定において大当り2で当った場合には、すべて役物B変動モードとなる。また、乱数判定において大当り3で当った場合には、すべて役物A変動モードとなる。また、乱数判定において小当りで当った場合にも、すべて役物A変動モードとなる。
高確率変動モードの場合の遊技者に対する演出は、当りの確率が高確率である高確率遊技状態となっていることを遊技者に明確に報知する演出(例えば、液晶表示パネル37にて「高確率」の文字を表示する等)である。従って、高確率変動モードの場合、高確率である期待度は100%となる。なお、高確率変動モードが占める割合は、当り全体を100とすると、5%に当る。
役物B変動モードの場合の遊技者に対する演出は、演出用役物B(図2の符号55)を動作する演出である。演出用役物Bが動作することで、遊技者に「当りが近いかも」とか「高確率遊技状態なのか?」等の期待感を持たせる。役物B変動モードの場合、大当り1での当りによる高確率遊技状態を取る割合が20%であり、大当り2での当りによる通常確率遊技状態を取る割合が25%であるから、高確率である期待度は、20/(20+25)=20/45≒44%となる。役物B変動モードは、通常確率遊技状態と高確率遊技状態との両方の遊技状態において同一の演出を行うことで、遊技者に確率遊技状態を分からなくする確率非報知状態である。また、上述のように通常確率遊技状態と高確率遊技状態との比率は25:20である。なお、役物B変動モードが占める割合は、当り全体を100とすると、45%に当る。
役物A変動モードの場合の遊技者に対する演出は、演出用役物A(図2の符号54)を動作する演出である。前述と同様の理由で、演出用役物Aが動作することで、遊技者に「当りが近いかも」とか「高確率遊技状態なのか?」等の期待感を持たせる。役物A変動モードの場合、大当り3での当りによる高確率遊技状態を取る割合が10%であり、小当りでの当りによる「通常確率遊技状態のまま変化しない」を取る割合が40%であるから、高確率である期待度は、10/(10+40)=10/50=20%となる。役物A変動モードは、通常確率遊技状態と高確率遊技状態との両方の遊技状態において同一の演出を行うことで、遊技者に確率遊技状態を分からなくする確率非報知状態である。また、上述のように通常確率遊技状態と高確率遊技状態との比率は40:10である。実施形態では、確率非報知状態として役物B変動モードと役物A変動モードの2種類がある。なお、役物A変動モードが占める割合は、当り全体を100とすると、50%に当る。
上述の各変動モードは、乱数判定において乱数が当った場合に移行する変動モードである。実施形態のパチンコ機は、この他に、当りの確率が通常確率である通常確率遊技状態となっていることを遊技者に報知する演出(通常の演出であるが故に遊技者が高確率遊技状態ではないと明らかに認識する)を行う通常変動モードがある。通常変動モードの場合、当然ながら高確率遊技状態である期待度は0%である。なお、実施形態のパチンコ機は、電源投入後の初期遊技状態では通常変動モードからスタートするようになっている。
上述の「小当り」の場合に行われる大入賞口2回開放動作(大入賞口が0.5秒×2回開放)と、「大当り3(確変2R大当り)」の場合に行われる2R大当り動作(大入賞口が0.5秒×2回開放)とは、大入賞口が同じ開放動作を行い、その場合の演出も2回開放当り演出であって同じ演出が行われる。従って、外見上「小当り」と「大当り3(確変2R大当り)」は区別がつかない。
図20のフローチャートに戻り、まず、ステップB02では、取得した乱数が大当り1に属する値であるか否かが判定される(ステップB02)。取得した乱数が大当り1に属する値である場合、ステップB02をYESと判定してステップB03に進み、15R大当り動作を実行すると共に(ステップB03)、サブ統合基板21に15R大当り演出コマンドを出力する(ステップB04)。サブ統合基板21は、15R大当り演出コマンドに応じて15R大当りの演出を行う。なお、大当り1で当った場合には、所定時間の大入賞口の開放動作を15回繰り返す15R大当り動作の終了後、取得した乱数を通常確率よりも高確率で当りと判定する高確率遊技状態に移行する(確変15R大当り)。
そして、15R大当り動作の終了時、高確率フラグに「1(高確率遊技状態)」をセットする(ステップB05)。高確率フラグは、MCPUが大当り判定を通常確率で行うのか高確率で行うのかを識別するためのフラグである。また、高確率フラグの値は、「0」で通常確率遊技状態を表し、「1」で高確率遊技状態を表す。次いで、MCPUは、20%振分け抽選を行い(大当り判定用乱数とは別の乱数による抽選、この抽選は20%の確率で当りとなる)(ステップB06)、抽選結果が当りか否かを判定し(ステップB07)、抽選結果が当りであればステップB07をYESと判定してステップB08に進み、高確率変動モードコマンドをサブ統合基板21に出力し(ステップB08)、変動モードフラグに「3」をセットし(ステップB09)、遊技処理を終える。
一方、ステップB07にて、抽選結果が当りでなければ、ステップB07をNOと判定してステップB14に進み、役物B変動モードコマンドをサブ統合基板21に出力し(ステップB14)、変動モードフラグに「2」をセットし(ステップB15)、遊技処理を終える。
なお、変動モードフラグは、MCPUが遊技者に対してどのような演出を行っているのかを識別するためのフラグである。実施形態のパチンコ機では、遊技者に対する演出は、通常変動モード(通常の演出、当りの確率は通常の確率)、役物A変動モード(演出用役物Aを動作する演出、通常確率遊技状態である場合と高確率遊技状態である場合とがある)、役物B変動モード(演出用役物Bを動作する演出、通常確率遊技状態である場合と高確率遊技状態である場合とがある)、高確率変動モード(当りの確率が高確率である遊技状態を遊技者に報知する演出)の4種類設けられている。また、変動モードフラグの値は、「0」で通常変動モードを表し、「1」で役物A変動モードを表し、「2」で役物B変動モードを表し、「3」で高確率変動モードを表す。
上述の役物A変動モード及び役物B変動モードは、当りの確率が高確率である場合と通常確率である場合の両方の遊技状態で演出が行われる。したがって、役物A変動モードや役物B変動モードの演出が行われているからといって、当りの確率が高確率であるか通常確率であるかは遊技者には分からない。
これら4種類の演出は、サブ統合基板21がメイン制御基板19から出力されるコマンドに基づいて、液晶表示制御基板32にコマンドを出力し、液晶表示制御基板32は、サブ統合基板21から出力されたコマンドに基づいて液晶表示パネル37で表示する図柄を制御し、また、サブ統合基板21が、盤装飾基板34及び枠装飾基板35に制御信号を出力することで、各種の装飾用LEDの点灯表示を制御し、役物駆動基板33に制御信号を出力することで、演出用役物A54の動作及び演出用役物B55の動作を制御し、スピーカ36から出力する音(音声、音、効果音等)を制御することによって行われる。
ステップB02にて、取得した乱数が大当り1に属する値でない場合、ステップB02をNOと判定してステップB10に進む。ステップB10では、取得した乱数が大当り2に属する値であるか否かが判定される(ステップB10)。取得した乱数が大当り2に属する値である場合、ステップB10をYESと判定してステップB11に進み、15R大当り動作を実行すると共に(ステップB11)、サブ統合基板21に15R大当り演出コマンドを出力する(ステップB12)。なお、大当り2で当った場合には、所定時間の大入賞口の開放動作を15回繰り返す15R大当り動作の終了後、取得した乱数を通常確率で当りと判定する通常確率遊技状態に移行する(非確変15R大当り)。サブ統合基板21は、15R大当り演出コマンドに応じて15R大当りの演出を行う。
そして、15R大当り動作の終了時、ステップB13に進み、高確率フラグに「0(通常確率遊技状態)」をセットする(ステップB13)。次いで、役物B変動モードコマンドをサブ統合基板21に出力し(ステップB14)、変動モードフラグに「2」をセットし(ステップB15)、遊技処理を終える。
ステップB10にて、取得した乱数が大当り2に属する値でない場合、ステップB10をNOと判定してステップB16に進む。ステップB16では、取得した乱数が大当り3に属する値であるか否かが判定される(ステップB16)。取得した乱数が大当り3に属する値である場合、ステップB16をYESと判定してステップB17に進み、2R大当り動作を実行すると共に(ステップB17)、サブ統合基板21に2回開放当り演出コマンドを出力する(ステップB18)。なお、大当り3で当った場合には、所定時間(0.5秒間)の大入賞口の開放動作を2回繰り返す2R大当り動作の終了後、取得した乱数を高確率で当りと判定する高確率遊技状態に移行する(確変2R大当り)。サブ統合基板21は、2回開放当り演出コマンドに応じて2回開放当りの演出を行う。
そして、2R大当り動作の終了時、ステップB19に進み、高確率フラグに「1(高確率遊技状態)」をセットする(ステップB19)。次いで、ステップB20に進み、役物A変動モードコマンドをサブ統合基板21に出力し(ステップB20)、変動モードフラグに「1」をセットし(ステップB21)、遊技処理を終える。
ステップB16にて、取得した乱数が大当り3に属する値でない場合、ステップB16をNOと判定してステップB22に進む。ステップB22では、取得した乱数が小当りに属する値であるか否かが判定される(ステップB22)。取得した乱数が小当りに属する値である場合、ステップB22をYESと判定してステップB23に進み、大入賞口2回開放動作を実行すると共に(ステップB23)、サブ統合基板21に2回開放当り演出コマンドを出力する(ステップB24)。
なお、小当りで当った場合には、所定時間(0.5秒間)の大入賞口の開放動作を2回繰り返す大入賞口2回開放動作の終了後、取得した乱数を当りと判定する確率状態は、現在の状態を維持する。すなわち、小当りで当りと判定される以前の確率状態が通常確率遊技状態である場合には、大入賞口2回開放動作の終了後も通常確率遊技状態のままであり、小当りで当りと判定される以前の確率状態が高確率遊技状態である場合には、大入賞口2回開放動作の終了後も高確率遊技状態のまま維持される。また、サブ統合基板21は、2回開放当り演出コマンドに応じて2回開放当りの演出を行う。
そして、2回開放当り動作の終了時、ステップB25に進み、変動モードが通常変動モードであるか否かを判定する(ステップB25)。なお、この判定は、MCPUが変動モードフラグが「0」であるか否かを判定することによる。変動モードが通常変動モードである場合、ステップB25をYESと判定してステップB20に進み、役物A変動モードコマンドをサブ統合基板21に出力し(ステップB20)、変動モードフラグに「1」をセットし(ステップB21)、遊技処理を終える。従って、通常変動モードである時に小当りで当ると、変動モードが役物A変動モードに移行する。
一方、ステップB25にて、変動モードが通常変動モードでない場合、ステップB25をNOと判定してステップB26に進み、変動モードフラグの現在値に対応する変動モードコマンドをサブ統合基板21に出力し(ステップB26)、遊技処理を終える。したがって、通常変動モード以外の変動モードである時に(すなわち、高確率変動モード、役物B変動モード、役物A変動モードの何れかの時に)、小当りで当っても変動モードは変化せず、現在設定されている変動モードが維持される。
ステップB22にて、取得した乱数が小当りに属する値でない場合、ステップB22をNOと判定してステップB27に進む(図21参照)。なお、ステップB27に進む場合は、取得した大当り判定用乱数は、はずれであることになる。ステップB27では、はずれ演出コマンドをサブ統合基板21に出力する(ステップB27)。次いで、MCPUは、変動モードが役物A変動モードであるか否かを判定する(ステップB28)。なお、この判定は、MCPUが変動モードフラグが「1」であるか否かを判定することによる。
変動モードが役物A変動モードでない場合、ステップB28をNOと判定してステップB34に進み、変動モードフラグの現在値に対応する変動モードコマンドをサブ統合基板21に出力し(ステップB34)、遊技処理を終える。したがって、役物A変動モード以外の変動モードである時に(すなわち、高確率変動モード、役物B変動モード、通常変動モードの何れかの時に)、はずれとなった場合、変動モードは変化せず、現在設定されている変動モードが維持される。
一方、ステップB28にて、変動モードが役物A変動モードである場合には、ステップB28をYESと判定してステップB29に進む。ステップB29では、1/20パンク抽選を行い(大当り判定用乱数とは別の乱数による抽選、この抽選は1/20の確率で当りとなる)(ステップB29)、次いで、パンク抽選の結果が当りか否かを判定する(ステップB30)。パンク抽選の結果が当りでなければステップB30をNOと判定してステップB34に進み、変動モードフラグの現在値に対応する変動モードコマンドをサブ統合基板21に出力し(ステップB34)、遊技処理を終える。したがって、役物A変動モードである時に、はずれとなった場合、パンク抽選に当らなければ変動モードは変化せず、現在設定されている変動モードが維持される。
一方、ステップB30にて、パンク抽選結果が当りであれば、ステップB30をYESと判定してステップB31に進み、高確率フラグの値が「1(高確率遊技状態)」であるか否かを判定する(ステップB31)。高確率フラグの値が「1(高確率遊技状態)」である場合、ステップB31をYESと判定してステップB08に進み、高確率変動モードコマンドをサブ統合基板21に出力し(ステップB08)、変動モードフラグに「3」をセットし(ステップB09)、遊技処理を終える。
パンク抽選結果が当りであって、ステップB31にて、高確率フラグの値が「1(高確率遊技状態)」でない場合、すなわち、高確率フラグの値が「0(通常確率遊技状態)」である場合、ステップB31をNOと判定してステップB32に進み、通常変動モードコマンドをサブ統合基板21に出力し(ステップB32)、変動モードフラグに「0」をセットし(ステップB33)、遊技処理を終える。従って、役物A変動モードである時に、はずれとなった場合、1/20の確率でパンク抽選に当ると、高確率フラグの値に対応する変動モードに移行することになる。即ち、高確率遊技状態であれば、変動モードが高確率変動モードに移行する。通常確率遊技状態であれば、変動モードが通常変動モードに移行する(通常変動モードに戻る)。
以上、メイン制御基板19のMCPUが行う遊技処理を説明したが、上記の役物B変動モード時と役物A変動モード時では、各種の大当り/小当りを組合せ、かつ確率状態を報知しないため、遊技者が現在の確率を分かることはない。この各種の当りを契機にサブ統合基板21での演出の態様を変えてやることにより、高確率遊技状態の期待度が異なる各種の変動モードが実現できる。
[精算処理]
次に、遊技結果の精算と精算に関わる遊技終了について説明する。遊技場の通常の営業時間内において(後述の閉店時刻後と区別するため)、遊技者が遊技によって獲得した持球数(第1持球数P1+第2持球数Q1)を精算するには、精算ボタン13を操作する。精算ボタン13が操作されると、精算ボタン13の操作信号が精算機2のSCPUに入力される。
SCPUは、図5のステップA18にて、精算ボタン13の操作ありか否かを判定しており、ステップA18をYESと判定してステップA23に進む。ここで、遊技開始のために球貸が実質的に行われた場合、実行フラグが「2」となっている結果(図4のステップA16参照)、ステップA23をNOと判定し、続いてステップA24をNOと判定し、ステップC01に進む。
ステップC01では、現在時刻が閉店時刻後であるか否かを判定する(ステップC01)。なお、閉店時刻は、例えば、遊技場の開店時に、管理コンピュータ52から精算機2のSCPUに送信され、SCPUが開店時の初期条件の設定処理として閉店時刻を受信して所定の記憶領域に設定するものである。現在時刻が閉店時刻に到っていなければ、ステップC01をNOと判定し、ステップA25の精算処理に進む。
図13は、SCPUが実行する精算処理のサブルーチンを示すフローチャートである。SCPUは精算処理を開始すると、まず、球情報制御基板20のTCPUに対して遊技終了指令を送信し(ステップA30)、次いで、ステップA31以下の判定処理に進んでTCPUから送られてくる遊技終了指令に対する終了状態についての回答を判定する。ステップA31では、「通常終了可」を受信したか否かを判定する(ステップA31)。「通常終了可」を受信しないのであれば、ステップA31をNOと判定してステップA32に進む。ステップA32では、「強制終了のみ可」を受信したか否かを判定する(ステップA32)。「強制終了のみ可」を受信しないのであれば、ステップA32をNOと判定してステップA33に進む。ステップA33では、「終了待ち」を受信したか否かを判定する(ステップA33)。「終了待ち」を受信しないのであれば、ステップA33をNOと判定してステップA31に戻る。
以下、SCPUは、「通常終了可」、「強制終了のみ可」及び「終了待ち」のうちのいずれかを受信するまでの間、ステップA31をNOと判定、ステップA32をNOと判定、ステップA33をNOと判定、ステップA31に戻る処理ルーチンを繰り返し行う。
精算ボタン13の操作に応じてSCPUが遊技終了指令をTCPUに送信することにより、TCPUはSCPUから送られた遊技終了指令を受信することになる。TCPUは、図14のステップS14にて、遊技終了指令の受信があるか否かを判定しており、ステップS14をYESと判定してステップS22の終了状態送信処理に進む。
図18は、TCPUが実行する終了状態送信処理のサブルーチンを示すフローチャートである。TCPUは終了状態送信処理を開始すると、まず、メイン制御基板19に対して終了モード要求指令を送信する(ステップS60)。次いで、ステップS61に進み、MCPUから出力される終了モード要求指令に対する返信データ(終了モード)が受信されたか否かを判定する(ステップS61)。返信データがなければ、返信データを受信するまで待機する(ステップS61をNOと判定する処理を繰り返す)。
TCPUからメイン制御基板19に対して終了モード要求指令が送信されると、メイン制御基板19のMCPUは終了モード要求指令を受信し、終了モード要求指令に応じて現在の遊技状態に対応した終了モードを球情報制御基板20のTCPUに出力する。
[MCPU:終了モード出力処理]
図22は、メイン制御基板19に配備されたMCPUが実行する終了モード出力処理のサブルーチンを示すフローチャートである。MCPUは、終了モード出力処理を開始すると、TCPUから送られる終了モード要求指令を受信したか否かを判定する(ステップB40)。終了モード要求指令が受信されなければ、ステップB40をNOと判定し、終了モード出力処理を抜ける。従って、終了モード要求指令を受信しなければ、終了モード出力処理は実質的に行われない。
TCPUから終了モード要求指令が送信されると、MCPUは終了モード要求指令を受信することになり、ステップB40をYESと判定してステップB41に進む。ステップB41では、遊技状態が大当り遊技状態中(大当り遊技中)であるか否かを判定する(ステップB41)。大当り遊技状態中である場合、ステップB41をYESと判定し、ステップB44に進み、大当り遊技状態中は遊技者に特別有利な遊技状態であるから、「強制終了のみ可」をTCPUに送信し(ステップB44)、終了モード出力処理を抜ける。一方、大当り遊技状態中でない場合、ステップB41をNOと判定し、ステップB42に進む。
ステップB42では、遊技状態が時短遊技中(通常は30秒程度の普通図柄の可変表示時間が数秒に短縮し、同時に普通図柄が当った時に普通電動役物ソレノイド30の駆動で開放する可変入賞口で構成された始動口の開放時間が長くなる。このため、始動口に入賞する単位時間当りの個数が増える。また、特別図柄の変動時間も短くなる。これにより、短時間に多くの抽選を受けることができる)であるか否かを判定する(ステップB42)。時短遊技中である場合、ステップB42をYESと判定し、ステップB44に進み、時短遊技中も遊技者に特別有利な遊技状態であるから、「強制終了のみ可」をTCPUに送信し(ステップB44)、終了モード出力処理を抜ける。一方、時短遊技中でない場合、ステップB42をNOと判定し、ステップB43に進む。
ステップB43では、変動モードが高確率変動モードであるか否かを判定する(ステップB43)。この判定は、変動モードフラグが「3」であるか否かを判定することによる。変動モードが高確率変動モードである場合、ステップB43をYESと判定し、ステップB44に進み、高確率変動モードである場合も高確率遊技状態であって、遊技者に特別有利な遊技状態であるから、「強制終了のみ可」をTCPUに送信し(ステップB44)、終了モード出力処理を抜ける。一方、変動モードが高確率変動モードでない場合、ステップB43をNOと判定し、ステップB45に進む。
ステップB45では、変動モードが役物B変動モードであるか否かを判定する(ステップB45)。この判定は、変動モードフラグが「2」であるか否かを判定することによる。変動モードが役物B変動モードである場合、ステップB45をYESと判定し、ステップB46に進み、66%振分け抽選を行い(この抽選は66%の確率で当りとなる)(ステップB46)、抽選結果が当りか否かを判定し(ステップB47)、抽選結果が当りであればステップB47をYESと判定してステップB44に進み、「強制終了のみ可」をTCPUに送信し(ステップB44)、終了モード出力処理を抜ける。一方、抽選結果が当りでなければ、ステップB47をNOと判定してステップB51に進む。また、一方、変動モードが役物B変動モードでない場合、ステップB45をNOと判定し、ステップB48に進む。
役物B変動モードの場合、高確率遊技状態の期待度が44%であり、実施形態では期待度の5割増しの確率で振分け抽選で当るようにして「確認要求指令」として「強制終了のみ可」を送信するようにしている。なお、最終的に「強制終了のみ可」を精算機2に送信することで、遊技を終了(精算)するか否かの遊技者の意志を確認させる。
ステップB48では、変動モードが役物A変動モードであるか否かを判定する(ステップB48)。この判定は、変動モードフラグが「1」であるか否かを判定することによる。変動モードが役物A変動モードである場合、ステップB48をYESと判定し、ステップB49に進み、30%振分け抽選を行い(この抽選は30%の確率で当りとなる)(ステップB49)、抽選結果が当りか否かを判定し(ステップB50)、抽選結果が当りであればステップB50をYESと判定してステップB44に進み、「強制終了のみ可」をTCPUに送信し(ステップB44)、終了モード出力処理を抜ける。一方、抽選結果が当りでなければ、ステップB50をNOと判定してステップB51に進む。また、一方、変動モードが役物A変動モードでない場合、ステップB48をNOと判定し、ステップB51に進む。
役物A変動モードの場合、高確率遊技状態の期待度が20%であり、実施形態では期待度の5割増しの確率で振分け抽選で当るようにして「確認要求指令」として「強制終了のみ可」を送信するようにしている。なお、最終的に「強制終了のみ可」を精算機2に送信することで、遊技を終了(精算)するか否かの遊技者の意志を確認させる。
ステップB51では、遊技状態が特別図柄の変動中であるか否かを判定する(ステップB51)。特別図柄の変動中である場合、ステップB51をYESと判定し、ステップB53に進み、特別図柄の変動中は遊技中となっている遊技状態と認められるから、「終了待ち」をTCPUに送信し(ステップB53)、終了モード出力処理を抜ける。一方、特別図柄の変動中でない場合、ステップB51をNOと判定し、ステップB52に進む。
ステップB52では、遊技状態が特別図柄の保留あり(特別図柄の変動について保留がある状態)であるか否かを判定する(ステップB52)。特別図柄の保留ありである場合、ステップB52をYESと判定し、ステップB53に進み、特別図柄の保留ありの場合、保留されている特別図柄の変動が全て消化されるまでは遊技中となっている遊技状態と認められるから、「終了待ち」をTCPUに送信し(ステップB53)、終了モード出力処理を抜ける。一方、特別図柄の保留ありではない場合、ステップB52をNOと判定し、ステップB54に進む。ステップB54に進む場合、遊技を終了できる遊技状態と認められるから、「通常終了可」をTCPUに送信し(ステップB54)、終了モード出力処理を抜ける。
以上に説明したように、TCPUから送られた終了モード要求指令に応じて、MCPUは、終了モードとして「通常終了可」、「強制終了のみ可」及び「終了待ち」のうちの何れか1つをTCPUに返信データとして出力する。
図18のフローチャートに戻り、MCPUから出力される終了モード要求指令に対する返信データ(終了モード)が受信されると、TCPUは、ステップS61をYESと判定してステップS62に進む。ステップS62では、受信した終了モードが「通常終了可」であるか否かを判定する(ステップS62)。受信した終了モードが「通常終了可」であれば、ステップS62をYESと判定し、「通常終了可」をSCPUに送信する(ステップS63)。次いで、「通常終了可」を送信したことに対応して監視フラグを0クリアし(ステップS64)、終了状態送信処理のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。
一方、受信した終了モードが「通常終了可」でなければ、ステップS62をNOと判定し、ステップS65に進み、受信した終了モードが「強制終了のみ可」であるか否かを判定する(ステップS65)。受信した終了モードが「強制終了のみ可」であれば、ステップS65をYESと判定し、「強制終了のみ可」をSCPUに送信する(ステップS66)。次いで、「強制終了のみ可」を送信したことに対応して監視フラグに「2」をセットし(ステップS67)、発射装置を発射可能として遊技の続行を可能とし(ステップS68)、終了状態送信処理のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。
受信した終了モードが「通常終了可」でなく、かつ「強制終了のみ可」でもなければ、受信した終了モードは「終了待ち」であることになり、ステップS65をNOと判定すると、ステップS69に進み、「終了待ち」をSCPUに送信する(ステップS69)。次いで、「終了待ち」を送信したことに対応して監視フラグに「1」をセットし(ステップS700)、発射装置を停止して遊技を停止し(ステップS701)、終了状態送信処理のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。
図14のTCPUのメインルーチンに戻り、TCPUは、終了状態送信処理を抜けるとステップS23に進み、監視フラグが「0」であるか否かを判定する(ステップS23)。終了状態送信処理でSCPUに「通常終了可」を送信したのであれば、監視フラグは0クリアされており(図18のステップS64参照)、ステップS23をYESと判定し、ステップS24の遊技終了処理に進む。
[TCPU:遊技終了処理]
図19は、TCPUが実行する遊技終了処理のサブルーチンを示すフローチャートである。TCPUは遊技終了処理を開始すると、まず、発射装置を停止して遊技を停止する(ステップS80)。次に、第1持球数記憶エリアに記憶されている現在の第1持球数P1(球情報制御基板20で管理している持球数)を精算機2のSCPUに送信し(ステップS81)、ステップS82にて、TCPUから送られてくる処理終了を受信するまで待機する(ステップS82をNOと判定する処理を繰り返す)。なお、送信された第1持球数P1に対応する精算機2のSCPUが行う処理については後述する。
そして、TCPUから送信された第1持球数P1に対応するSCPUの処理が終了すると、SCPUが処理終了を送信するので、TCPUは処理終了を受信することになり、ステップS82をYESと判定し、第1持球数P1を精算機2のSCPUに送信したのであるから、管理する第1持球数P1は0になり、RAMの第1持球数記憶エリアを0クリアする(第1持球数P1を0クリア)(ステップS83)。ステップS83を終えると、TCPUは遊技終了処理のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。そして、TCPUはメインルーチンに戻ると処理終了となる。
図13の精算処理のサブルーチンのフローチャートに戻り、まず、TCPUが「通常終了可」を送信した場合について説明する。TCPUが「通常終了可」を送信した場合、SCPUは、遊技終了指令に対する終了状態についての回答として「通常終了可」を受信することになり、ステップA31をYESと判定し、ステップA35に進み、TCPUから送信されてくる第1持球数P1を受信したか否かを判定する(ステップA35)。以下、SCPUは第1持球数P1を受信するまで、待機する(ステップA35をNOと判定する処理を繰り返す)。
上述のように、TCPUが「通常終了可」を送信した場合、TCPUが第1持球数P1を精算機2のSCPUに送信するので、SCPUは第1持球数P1を受信することになり、ステップA35をYESと判定し、ステップA36に進む。ステップA36に進むと、SCPUは、第2持球数Q1に受信した第1持球数P1を加算して加算結果を第2持球数Q1として記憶する(ステップA36)。これにより、遊技者が遊技を行った遊技結果としての持球数の全て(第1持球数P1+第2持球数Q1)が第2持球数Q1として記憶される。次いで、第2持球数Q1に球単価記憶エリアに記憶されている球単価TKを乗じて上記遊技結果としてのポイント数を算出し、Aレジスタに記憶する(ステップA37)。
次いで、ステップA38に進んで、ポイント数記憶エリアに記憶されているポイント数PSにAレジスタに記憶した遊技結果としてのポイント数を加算し、加算結果をポイント数PSとしてポイント数記憶エリアに記憶する(ステップA38)。これにより、今回の遊技結果としてのポイント数がポイント数記憶エリアに記憶されているポイント数PSに加算されてポイント数PSとして記憶される。そして、TCPUに処理終了を送信し(ステップA39)、ステップA40に進み、カード48のポイント数記憶部51にポイント数PSを書き込む(ステップA40)。そして、ステップA41に進み、カードID、日時、ポイント数PS、台番号(遊技機1台毎に付与されている遊技機識別情報)をカードデータとしてセットし(ステップA41)、カードデータを管理コンピュータに送信し(ステップA42)、精算処理のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻り、ステップA26に進む。
SCPUは、図5のステップA26に進むと、終了中止フラグが「1(終了中止)」であるか否かを判定する(ステップA26)。なお、終了中止フラグは、精算ボタン13の操作に応じた回答として「強制終了のみ可」を受信した場合、精算を行うか(YESボタン16の操作)精算を中止するか(NOボタン17の操作)を遊技者に選択入力させ、いずれかのボタンが操作されたのかを識別するためのフラグである。また、終了中止フラグは、図示しない電源投入時に行われるワークエリアの初期化処理により初期値「0」とされているものである。
SCPUが精算処理において「通常終了可」を受信した場合、終了中止フラグの内容に変化はなく、終了中止フラグは初期値「0」である。従って、SCPUは、ステップA26をNOと判定し、ステップA27に進み、カード48をカード挿入口46から排出し(ステップA27)、処理を終了する。これにより、遊技結果としてのポイント数が加算されてポイント数PSを書き替えられたカード48が遊技者に返却されることとなる。
[管理コンピュータ:カードデータ記憶処理]
図33は、管理コンピュータが実行するカードデータ記憶処理のフローチャートである。管理コンピュータは、SCPUから送られるカードデータが受信されるか否かを判定しており(ステップD20)、カードデータが受信されない場合はステップD20をNOと判定してカードデータ記憶処理を終える。精算機2のSCPUが精算処理を行うことによって、カードデータを管理コンピュータに送信すると(図13のステップA42)、管理コンピュータは、カードデータを受信することになり、ステップD20をYESを判定し、ステップD21に進む。ステップD21では、受信したカードデータ(カードID、日時、ポイント数、台番号)をカードデータ履歴ファイルに記憶する(ステップD21)。このように、カードを使用しての遊技結果(ポイント数は遊技場としては支出情報となる)をカードID、日時、台番号と共に記憶することにより、客観的な証拠とすることができる。
さらに、管理コンピュータは、自己の遊技場に固有の識別情報としての店舗コードと共にカードデータ(カードID、日時、ポイント数、台番号)を第3者機関のサーバに送信し(ステップD22)、カードデータ記憶処理を終了する。このように、利害関係のない第3者機関のサーバにカードデータの履歴を記憶することにより、より客観的で透明な営業に関わる情報を残すことができる。
次に、TCPUが「強制終了のみ可」を送信した場合について説明する。前述のように、例えば、高確率変動モードである時や、大当り遊技状態中に、遊技者が精算ボタン13を操作した場合、役物B変動モードや役物A変動モードである時に精算ボタン13が操作され、終了モード出力処理にて振分け抽選に当った場合等が相当する。
図14のTCPUのメインルーチンに戻り、TCPUは、終了状態送信処理を抜けるとステップS23に進み、監視フラグが「0」であるか否かを判定する(ステップS23)。終了状態送信処理でSCPUに「強制終了のみ可」を送信したのであれば、監視フラグは「2」がセットされており(図18のステップS67参照)、TCPUは、ステップS23をNOと判定し、ステップS10の表示処理に戻る。以下、監視フラグの値「2」に基づいて、ステップS10〜ステップS13、ステップS135をNOと判定し、ステップS14をNOと判定し、ステップS15をNOと判定し、ステップS16、ステップS17を行い、監視フラグが「2」であるから、ステップS18をYESと判定し、ステップS19に進む。
ステップS19では、強制終了指令を受信したか否かを判定する(ステップS19)。強制終了指令を受信しない場合、ステップS19をNOと判定し、ステップS20に進む。ステップS20では、終了中止指令を受信したか否かを判定する(ステップS20)。終了中止指令を受信しない場合、ステップS20をNOと判定し、ステップS10の表示処理に戻る。以下、強制終了指令又は終了中止指令を受信するまでの間、上述のステップS10〜ステップS20をNOと判定する処理ルーチンを繰り返す。また、この場合は、遊技者に特別有利な遊技状態であり、遊技が続行されているものである。
図13の精算処理のサブルーチンのフローチャートに戻り、TCPUが「強制終了のみ可」を送信した場合、SCPUは、遊技終了指令に対する終了状態についての回答として「強制終了のみ可」を受信することになり、ステップA32をYESと判定し、ステップA43に進み、メッセージ表示部53に強制終了時のメッセージを表示し(ステップA43)、ステップA44に進む。
図25は、(確認要求指令に応じて)メッセージ表示部53に表示される強制終了時のメッセージの一表示態様を示す図である。メッセージ表示部53には、例えば、「精算して遊技を終了する場合は、YESを押してください。精算せずに遊技を続ける場合は、NOを押してください。」のように、精算を行うか(YESボタン16の操作)精算を中止するか(NOボタン17の操作)の選択入力を遊技者に行わせる旨が表示されている。遊技者は、強制終了時のメッセージ表示を視認し、精算を行う場合にはYESボタン16の操作を行い、精算を中止する場合にはNOボタン17の操作を行う。
SCPUは、ステップA44では、YESボタン16が操作されたか否かを判定する(ステップA44)。YESボタン16が操作されていない場合、ステップA44をNOと判定し、ステップA45に進む。ステップA45では、NOボタン17が操作されたか否かを判定する(ステップA45)。NOボタン17が操作されていない場合、ステップA45をNOと判定し、ステップA44に戻る。よって、強制終了時のメッセージを表示すると、YESボタン16又はNOボタン17が操作されるまでの間、ステップA44をNOと判定し、ステップA45をNOと判定しステップA44に戻る処理ルーチンを繰り返す。
YESボタン16が操作された場合、遊技者が精算して遊技を終了することを了承したことになり、ステップA44をYESと判定し、ステップA46に進み、TCPUに強制終了指令を送信し(ステップA46)、ステップA35に進む。ステップA35に進むと、TCPUから送信されてくる第1持球数P1を受信したか否かを判定する(ステップA35)。以下、SCPUは第1持球数P1を受信するまで、待機する(ステップA35をNOと判定する処理を繰り返す)。
図14のフローチャートに戻り、SCPUが強制終了指令を送信した場合、TCPUは、強制終了指令を受信することになり、ステップS19をYESと判定し、ステップS24の遊技終了処理に進む。遊技終了処理については先に説明しているため、詳細な説明は省き、簡略すると、発射装置を停止して遊技を停止し、第1持球数記憶エリアに記憶されている現在の第1持球数P1を精算機2のSCPUに送信し、TCPUから送られてくる処理終了を受信すると、RAMの第1持球数記憶エリアを0クリアし(第1持球数P1を0クリア)、遊技終了処理のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。そして、TCPUはメインルーチンに戻ると処理終了となる。
上述のように、YESボタン16の操作に応じてSCPUが強制終了指令をTCPUに送信すると、TCPUが第1持球数P1を精算機2のSCPUに送信するので、SCPUは第1持球数P1を受信することになり、ステップA35をYESと判定し、ステップA36に進む。ステップA36以下の各処理については、先に説明しているため、詳細な説明は省くことにする。なお、精算処理のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻り、ステップA26に進む。これにより、今回の遊技結果としてのポイント数がポイント数記憶エリアに記憶されているポイント数PSに加算されてポイント数PSとして記憶される。また、カードデータが管理コンピュータに送信される。
SCPUは、図5のステップA26に進むと、終了中止フラグが「1(終了中止)」であるか否かを判定する(ステップA26)。SCPUが精算処理において「強制終了のみ可」を受信し、YESボタン16の操作に応じて強制終了指令を送信した場合、終了中止フラグの内容に変化はなく、終了中止フラグは初期値「0」である。従って、SCPUは、ステップA26をNOと判定し、ステップA27に進み、カード48をカード挿入口46から排出し(ステップA27)、処理を終了する。これにより、遊技結果としてのポイント数が加算されてポイント数PSを書き替えられたカード48が遊技者に返却されることとなる。
図13のフローチャートに戻り、一方、強制終了時のメッセージ表示に応じて、NOボタン17が操作された場合、遊技者が精算を中止して遊技続行することを指示したことになり、ステップA45をYESと判定し、ステップA47に進み、TCPUに終了中止指令を送信し(ステップA47)、ステップA48に進み、終了中止フラグをセットし(ステップA48)、精算処理のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。このため、精算処理において、実質的な持球数の精算は行われないことになる。
図5のフローチャートに戻り、SCPUは精算処理を抜けてメインルーチンに戻ると、終了中止フラグがセットされている結果、ステップA26をYESと判定し、ステップA28に進み、終了中止フラグを0クリアして初期値に戻し(ステップA28)、ステップA10に戻る。よって、実行フラグが「2」である精算ボタン13が操作される以前の処理ルーチンに戻る。
図14のフローチャートに戻り、SCPUが終了中止指令を送信した場合、TCPUは、終了中止指令を受信することになり、ステップS20をYESと判定し、ステップS21に進み、監視フラグを0クリアして初期状態に戻し(ステップS21)、ステップS10の表示処理に戻る。以下、監視フラグの値「0」に基づいて、再度遊技終了指令を受信するまで、ステップS10〜ステップS13、ステップS135をNOと判定し、ステップS14をNOと判定し、監視フラグが「0」であるから、ステップS15をNOと判定し、ステップS16、ステップS17を行い、監視フラグが「0」であるから、ステップS18をNOと判定し、ステップS10に戻る処理ルーチンを繰り返す。従って、遊技続行中の処理が行われることになる。そして、精算ボタン13が再度操作されることによってSCPUから遊技終了指令が送信され、TCPUが再度遊技終了指令を受信すると、終了状態送信処理に進み、再度、終了モードの送信が行われ、判定結果に応じて監視フラグの値が再設定されることになる。
次に、TCPUが「終了待ち」を送信した場合について説明する。前述のように、例えば、特別図柄の変動中である遊技状態や特別図柄の保留ありの遊技状態のときに、遊技者が精算ボタン13を操作した場合等が相当する。図14のTCPUのメインルーチンに戻り、TCPUは、終了状態送信処理を抜けるとステップS23に進み、監視フラグが「0」であるか否かを判定する(ステップS23)。
終了状態送信処理でSCPUに「終了待ち」を送信したのであれば、監視フラグは「1」がセットされており(図18のステップS70参照)、TCPUは、ステップS23をNOと判定し、ステップS10の表示処理に戻る。以下、ステップS10〜ステップS13、ステップS135をNOと判定し、ステップS14をNOと判定し、監視フラグが「1」であるから、ステップS15をYESと判定し、ステップS22の終了状態送信処理に再度進む。また、この場合は、遊技が続行されているものである。
図13の精算処理のサブルーチンのフローチャートに戻り、TCPUが「終了待ち」を送信した場合、SCPUは遊技終了指令に対する終了状態の回答として「終了待ち」を受信することになり、ステップA33をYESと判定し、ステップA34に進み、メッセージ表示部53に終了待ち時のメッセージを表示し(ステップA34)、再びステップA31に戻る。この後、再度、TCPUから送信された「通常終了可」を受信するか若しくはTCPUから送信された「強制終了のみ可」を受信するまで、ステップA31をNOと判定、ステップA32をNOと判定、ステップA33をNOと判定、ステップA31に戻る処理ルーチンを繰り返し、待機状態となる。
図26は、メッセージ表示部53に表示される終了待ち時のメッセージの一表示態様を示す図である。メッセージ表示部53には、例えば「終了待ちです。しばらくお待ちください。」のように、遊技状態としてまだ、未消化の図柄変動や未消化の特別図柄の保留があり、これらが消化し切って遊技終了可能となるまで、終了待ちとなっている旨を遊技者に報知する。
一方、TCPUにおいては、図14のステップS22の終了状態送信処理で、MCPUから送信されてくる終了モードに変化がなければ、監視フラグに「1」が再度セットされるため、前述と同様の処理ルーチンとなる。一方、特別図柄の保留が全て消化された場合、MCPUから終了モードとして「通常終了可」が送信されるから、これを受信して「通常終了可」をSCPUに送信する(ステップS63)。次いで、「通常終了可」を送信したことに対応して監視フラグを0クリアし(ステップS64)、終了状態送信処理のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。そして、ステップS23をYESと判定し、ステップS24の遊技終了処理を行い、処理を終了する。
この場合、SCPUでは、「通常終了可」を受信することになり、ステップA35に進む。なお、ステップA35以下の処理は、前述の「通常終了可」を受信した場合として既に説明済みであるので、説明を簡略する。第1持球数P1を受信すると、ステップA35をYESと判定し、ステップA36〜ステップA42を実行し、精算処理のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。続くステップA26をNOと判定し、ステップA27に進み、カード48をカード挿入口46から排出し(ステップA27)、処理を終了する。これにより、遊技結果としてのポイント数が加算されてポイント数PSを書き替えられたカード48が遊技者に返却されることとなる。
一方、特別図柄の保留の消化途中で、図22のステップB41〜ステップB43の判定処理のうちのいずれか1つがYESと判定された場合や、例えば、保留消化中に大当りとなった場合等が相当する。役物B変動モード或いは役物A変動モードの振分け抽選で当りとなった場合には、この場合には、ステップB44に進み、「強制終了のみ可」をTCPUに送信し、TCPUがこれを受信して「強制終了のみ可」をSCPUに送信する(ステップS66)。次いで、「強制終了のみ可」を送信したことに対応して監視フラグに「2」をセットし(ステップS67)、発射装置を発射可能として遊技の続行を可能とし(発射停止状態の解除となる)(ステップS68)、遊技状態判定処理のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。なお、この後の、TCPUが行う処理と、SCPUが行う処理については、TCPUが「強制終了のみ可」を送信した場合の処理、SCPUが「強制終了のみ可」を受信した場合として既に説明済みであるので、説明を省略する。
なお、遊技者の意志を確認する必要のあった遊技機については精算終了後、精算機は、ホールコンピュータ(管理コンピュータ52)に係員の介入を要求する。これにより、遊技場の方針により、遊技機をクリアしてから当該遊技機を開放するか、遊技者に有利な状態のまま開放するかを決定する。遊技場係員が介入するまでは、精算機2において精算をした遊技者の記憶媒体(カード)のみを受け付けるように構成してもよい。このようにすれば、直後なら遊技者の気が変わることを許容することができる。
[精算機:閉店補償に関する処理]
次に、閉店補償に関わる処理について説明する。本発明にあっては、閉店時刻を超過して遊技を行っている場合、遊技場係員が、閉店時刻後である故、遊技者に精算ボタン13を押すように説明する。精算ボタン13が操作された場合は、以下に説明する閉店補償に関する処理が行われる。閉店補償とは、パチンコ遊技機での遊技継続を打ち切る代わりに、大当り遊技状態や高確率状態などの特定遊技状態となっているパチンコ遊技機での遊技者に対して、所定個数のパチンコ球(一般的には、1回の大当り遊技により遊技者側が獲得すると想定される数のパチンコ球、この実施形態では、封入式パチンコ機であるため補償球数を表すデータとなる)を補償するというものである。
精算機2のSCPUは、前述のように、図5のステップA18にて、精算ボタン13への操作があるか否かを判定しており、遊技者によって精算ボタン13が押されると、ステップA18をYESと判定し、ステップA23に進む。ここで、実行フラグが「2」となっている結果(図4のステップA16参照)、ステップA23をNOと判定し、続いてステップA24をNOと判定し、ステップC01に進む。閉店時刻後に精算ボタン13が押されたので、現在時刻が閉店時刻後であると判定し(ステップC01をYESと判定し)、ステップC02(図27参照)に進む。
ステップC02に進むと、まず、受信した補償指令に応じて、遊技状態要求指令をTCPUに送信し(ステップC02)、ステップC03にてTCPUから返信される遊技状態データを受信するまで待機する(ステップC03をNOと判定する処理を繰り返す)。なお、SCPUが送信した遊技状態要求指令に対応するTCPUが行う処理については後述する。
そして、SCPUから送信された遊技状態要求指令に対応するTCPUの処理が終了すると、TCPUが遊技状態データを送信するので、SCPUは遊技状態データを受信することになり、ステップC03をYESと判定してステップC04に進み、管理コンピュータに補償要求指令を送信し(ステップC04)、次いで、管理コンピュータにステップC03で受信した遊技状態データを送信する(ステップC05)。そして、ステップC06にて管理コンピュータから送信される返信データ(送信した遊技状態データに対して閉店補償の要否を判定し、判定結果を返信データとして送信する)を受信するまで待機する(ステップC06をNOと判定する処理を繰り返す)。なお、送信した補償要求指令及び遊技状態データに対応する管理コンピュータが行う処理については後述する。
そして、SCPUが送信した補償要求指令及び遊技状態データに対応する管理コンピュータの処理が終了すると、管理コンピュータが返信データ(補償許可指令及び補償球数、または、補償不要)を送信するので、SCPUは返信データを受信することになり、ステップC06をYESと判定してステップC07に進む。ステップC07にて、受信した返信データの内容に補償許可指令が含まれているか否かを判定する(ステップC07)。
返信データに補償許可指令が含まれている場合、SCPUは、ステップC07をYESと判定し、返信データが補償許可指令を含む場合には補償許可指令と一緒に補償球数も返信データとして送信されているので、返信データに含まれている補償球数を精算機2が管理する第2持球数Q1に加算して加算結果を第2持球数Q1として記憶し(ステップC08)、精算機持球数表示部10に第2持球数Q1を更新表示し(ステップC09)、メッセージ表示部53に閉店補償が行われた旨のメッセージ並びに補償球数を表示し(ステップC10)、ステップC11に進む。
図31は、メッセージ表示部53に表示される閉店補償が行われた時のメッセージの一表示態様を示す図である。メッセージ表示部53には、例えば、「閉店補償を行いました。」のように閉店補償が行われた旨が表示されると共に、「補償球数は、6000です。」のように、遊技打ち切りとする補償としての補償球数(追加球数)が表示されている。このように、閉店補償が行われる場合は、メッセージ表示部53に閉店補償が行われた旨のメッセージ並びに補償球数が表示されるので、遊技者並びに遊技場係員の双方が閉店補償が行われたこと及び補償球数を確認でき、トラブルが発生しにくい。
一方、返信データに補償許可指令が含まれていない場合、SCPUは、ステップC07をNOと判定し、この場合には、返信データは補償不要であり、ステップC21に進み、メッセージ表示部53に閉店補償の必要なしの旨のメッセージ(図32参照)を所定時間(例えば、20秒間程度)表示し(ステップC21)、ステップC11に進む。このように、閉店補償が行われない場合にも、メッセージ表示部53に閉店補償の必要なしの旨のメッセージが表示されるので、遊技者並びに遊技場係員の双方が閉店補償が不要であって補償が行われないことを確認できるため、トラブルが発生しにくい。
なお、閉店補償が行われた場合は、上述のように第2持球数Q1は補償球数が加算されて更新された値であるのに対して、閉店補償が行われない場合は、第2持球数Q1に変化はなく閉店時刻後に精算ボタン13を押した時点の値のままである点が異なる。
ステップC11に進むと、SCPUは、閉店終了指令をTCPUに送信し(ステップC11)、ステップC12にてTCPUから返信される第1持球数P1を受信するまで待機する(ステップC12をNOと判定する処理を繰り返す)。なお、ステップC11で送信した閉店終了指令に対応するTCPUが行う処理については後述する。
そして、SCPUから送信された閉店終了指令に対応するTCPUの処理が終了すると、TCPUが自己が管理する第1持球数P1を送信するので、SCPUは第1持球数P1を受信することになり、ステップC12をYESと判定してステップC13に進む。
ステップC13に進むと、SCPUは、第2持球数Q1に受信した第1持球数P1を加算して加算結果を第2持球数Q1として記憶する(ステップC13)。これにより、遊技者が遊技を行った遊技結果としての持球数の全て(第1持球数P1+第2持球数Q1)が第2持球数Q1として記憶される。次いで、第2持球数Q1に球単価記憶エリアに記憶されている球単価TKを乗じて上記遊技結果としてのポイント数を算出し、Aレジスタに記憶する(ステップC14)。
次いで、ステップC15に進んで、ポイント数記憶エリアに記憶されているポイント数PSにAレジスタに記憶した遊技結果としてのポイント数を加算し、加算結果をポイント数PSとしてポイント数記憶エリアに記憶する(ステップC15)。これにより、今回の遊技結果としてのポイント数がポイント数記憶エリアに記憶されているポイント数PSに加算されてポイント数PSとして記憶される。そして、TCPUに処理終了を送信し(ステップC16)、ステップC17に進み、カード48のポイント数記憶部51にポイント数PSを書き込む(ステップC17)。
そして、ステップC18に進み、カードID、日時、ポイント数、台番号(遊技機1台毎に付与されている遊技機識別情報)をカードデータとして管理コンピュータに送信し(ステップC18)、カード48をカード挿入口46から排出し(ステップC19)、処理を終了する。これにより、遊技結果としてのポイント数が加算されてポイント数PSを書き替えられたカード48が遊技者に返却されることとなる。
上述のように、持球数がポイント数という統一価値に変換されて記憶されるため、球単価のデータを記憶する必要はない。また、球単価と球数との組合せた形式で記憶する必要がなく、球単価と球数との組合せ数が増えていくこともない。また、カードID、日時、ポイント数、台番号をカードデータとして管理コンピュータに送信し、管理コンピュータでカードデータを管理するようにするので(管理コンピュータによるカードデータの管理については後述)、カードを使用しての遊技結果(ポイント数は遊技場としては支出情報となる)を客観的な証拠とすることができる。
以下には、SCPUが送信した遊技状態要求指令に対応するTCPUが行う処理について説明する。図14のフローチャートに示すように、TCPUは、メインルーチンのステップS135において、遊技状態要求指令を受信したか否かを判定しており、SCPUから遊技状態要求指令が送信されると、TCPUが遊技状態要求指令を受信することになり、ステップS135をYESと判定してステップS70(図28参照)に進む。
ステップS70に進むと、TCPUはMCPUに対して遊技状態要求指令を送信し(ステップS70)、ステップS71にてMCPUから返信される遊技状態データを受信するまで待機する(ステップS71をNOと判定する処理を繰り返す)。なお、ステップS71で送信した遊技状態要求指令に対応するMCPUが行う処理については後述する。
そして、TCPUが送信した遊技状態要求指令に対応するMCPUの処理が終了すると、MCPUが自己が管理する遊技状態データを送信するので、TCPUは遊技状態データを受信することになり、ステップS71をYESと判定してステップS72に進む。
ステップS72に進むと、TCPUは、受信した遊技状態データをSCPU(精算機のCPU)に送信し(ステップS72)、ステップS73に進み、SCPUから返信される閉店終了指令を受信するまで待機する(ステップS73をNOと判定する処理を繰り返す)。なお、ステップS72で送信した遊技状態データに対応するSCPUが行う処理については、図27のステップC03〜ステップC11で既に説明したとおりである。
前述ように、TCPUが送信した遊技状態データに対応するSCPUの処理が終了すると、SCPUが閉店終了指令を送信するので、TCPUは閉店終了指令を受信することになり、ステップS73をYESと判定してステップS74の遊技終了処理に進む。
遊技終了処理(図19参照)を開始すると、発射装置を停止して遊技を停止する(ステップS80)。次に、第1持球数記憶エリアに記憶されている現在の第1持球数P1(球情報制御基板20で管理している持球数)を精算機2のSCPUに送信し(ステップS81)、ステップS82にて、TCPUから送られてくる処理終了を受信するまで待機する(ステップS82をNOと判定する処理を繰り返す)。なお、送信された第1持球数P1に対応する精算機2のSCPUが行う処理については前述したとおりである。
そして、TCPUから送信された第1持球数P1に対応するSCPUの処理が終了すると、SCPUが処理終了を送信するので、TCPUは処理終了を受信することになり、ステップS82をYESと判定し、第1持球数P1を精算機2のSCPUに送信したのであるから、管理する第1持球数P1は0になり、RAMの第1持球数記憶エリアを0クリアする(第1持球数P1を0クリア)(ステップS83)。ステップS83を終えると、TCPUは遊技終了処理のサブルーチンを抜けてメインルーチンに戻る。そして、TCPUはメインルーチンに戻ると処理終了となる。
[MCPU:遊技状態データ送信処理]
以下に、MCPUが実行する遊技状態データ送信処理について説明する。図29はMCPUが実行する遊技状態データ送信処理のサブルーチンを示すフローチャートである。MCPUは、遊技状態データ送信処理を開始すると、ステップB60にて、遊技状態要求指令を受信したか否かを判定しており、遊技状態要求指令を受信しない場合は、ステップB60をNOと判定して遊技状態データ送信処理を抜ける。従って、遊技状態要求指令を受信しない場合は、実質的に遊技状態データ送信処理は行われない。
前述のように、ステップS70にてTCPUが遊技状態要求指令を送信すると、MCPUは遊技状態要求指令を受信することになり、ステップB60をYESと判定し、ステップB61以降の各処理によって、遊技状態データを作成し、TCPUに送信することになる。
ステップB61では、遊技状態が大当り遊技状態中(大当り遊技中)であるか否かを判定する(ステップB61)。大当り遊技状態中である場合、ステップB61をYESと判定し、ステップB62に進み、大当り種別(大当り遊技中であることを表すデータの意味であり、大当り1、大当り2、大当り3、小当りのうちの何れか、図23参照)と残ラウンド数を遊技状態データにセットし(ステップB62)、遊技状態データをTCPUに送信し(ステップB63)、遊技状態データ送信処理を抜ける。
一例として、大当り1による大当り遊技状態中であって、現在8ラウンド目であった場合、大当り種別として「大当り1」が、現在のラウンドを含めて残りが8ラウンドあるから、残ラウンド数として「8」が遊技状態データにセットされることになる。
一方、大当り遊技状態中でない場合、ステップB61をNOと判定し、ステップB64に進む。ステップB64では、遊技状態が時短遊技中であるか否かを判定する(ステップB64)。時短遊技中である場合、ステップB64をYESと判定し、ステップB65に進み、時短遊技中であることを表すデータを遊技状態データにセットし(ステップB65)、遊技状態データをTCPUに送信し(ステップB63)、遊技状態データ送信処理を抜ける。
一方、時短遊技中でない場合、ステップB64をNOと判定し、ステップB66に進む。ステップB66では、遊技状態が高確率遊技中であるか否か(高確率フラグが「1」であるか否か)を判定する(ステップB66)。高確率遊技中である場合、ステップB66をYESと判定し、ステップB67に進み、高確率遊技中であることを表すデータと、変動モードフラグ(役物A変動モード、役物B変動モード、高確率変動モードのうちの何れか)の値とを遊技状態データにセットし(ステップB67)、遊技状態データをTCPUに送信し(ステップB63)、遊技状態データ送信処理を抜ける。
一例として、高確率遊技中で、変動モード(遊技者に対する演出)が高確率変動モードであった場合、高確率遊技中であることを表すデータ及び高確率変動モードの値「3」が遊技状態データにセットされることになる。
一方、高確率遊技中でない場合、ステップB66をNOと判定し、ステップB68に進む。なお、ステップB68に進む場合、遊技状態が通常確率遊技状態であることになる。ステップB68では、通常確率遊技中であることを表すデータを遊技状態データにセットし(ステップB68)、遊技状態データをTCPUに送信し(ステップB63)、遊技状態データ送信処理を抜ける。
以上の説明から明らかなように、精算機2のSCPUから送信された遊技状態要求指令は、TCPUを中継してMCPU(メイン制御基板19)に受信される。遊技状態要求指令に応じてMCPUが遊技状態データを作成し、作成した遊技状態データは、TCPUを中継してSCPUに受信される。SCPUは、遊技状態データを受信すると、管理コンピュータへ補償要求指令と遊技状態データを送信する(図27のステップC04、ステップC05)。
[管理コンピュータ:閉店補償の要否判定]
以下に、管理コンピュータが実行する補償の要否判定処理について説明する。図30は管理コンピュータが実行する補償の要否判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。管理コンピュータ52は補償の要否判定処理を開始すると、精算機2のSCPUから補償要求指令の送信があるか否かを判定しており(ステップD11)、SCPUから補償要求指令の送信がなければ、ステップD11をNOと判定して補償の要否判定処理を終了する。
一方、SCPUから補償要求指令が送信された場合、管理コンピュータが補償要求指令を受信することになり、ステップD11をYESと判定してステップD12に進み、続いてSCPUから送信される遊技状態データを受信する(ステップD12)。遊技状態データを受信すると、遊技状態データに基いて補償球数を算出する(ステップD13)。なお、補償球数は、遊技状態データに基き、予め定められた客観的なアルゴリズムで計算される。このため、遊技場と遊技者との間に、不平等によるトラブルが発生しにくい。
以下に、遊技状態データに基いて算出する補償球数の具体例を説明する。遊技状態データが、大当り種別及び残ラウンド数である場合、残ラウンド数で獲得されると予想される球数(1ラウンドにつき、10個の入賞球が発生するものと考え、1個の入賞球に対して15個の賞球を与える仕様であれば、10×15×残ラウンド数)を補償球数とする。また、大当り種別が大当り1の場合、当り動作終了後の遊技状態が高確率遊技状態となることから、前記補償球数に1回又は2回分の大当り遊技で得られると予想される球数を加えて最終的な補償球数とする。また、大当り種別が大当り3の場合も、当り動作終了後の遊技状態が高確率遊技状態となることから、前記補償球数に1回分の大当り遊技で得られると予想される球数を加えて最終的な補償球数とする。
遊技状態データが、時短遊技中である場合、時短遊技中に獲得されると予想される球数(例えば、時短遊技があとどのくらい可能であるかを表す残り時間データ、または時短遊技の有効回数を示す有効回数カウンタ等を遊技状態データに含ませて管理コンピュータに送り、残り時間データ又は有効回数カウンタに応じて球数を決定する)を補償球数とする。
遊技状態データが、高確率遊技中である場合、一緒に送られる変動モードフラグの別に従って補償球数を決定する。例えば、変動モードフラグが高確率変動モードであった場合、1回又は2回分の大当り遊技で得られると予想される球数を最終的な補償球数とする。また、例えば、変動モードフラグが役物A変動モード又は役物B変動モードであった場合、1回分の大当り遊技で得られると予想される球数を補償球数とする。また、遊技状態データが、通常確率遊技中である場合、補償の必要なしと考えられる。従って、補償球数を「0」とする。
以上のように、遊技状態データに基いて算出する補償球数の具体例について説明したが、上記のようにして決定した補償球数はあくまでも一例であって上述の具体例に限定されるものではない。このように、精算機2と管理コンピュータ52との間の通信で、閉店補償の要否が完結するので、人為的な不正が入り込むことがない。
ステップD13を終えると、管理コンピュータは、ステップD14に進み、補償の必要があるか否かを判定する(ステップD14)。補償の必要があるか否かの判定は、ステップD13で算出した補償球数が0であるか否かによる。補償球数が0の場合は、補償の必要なしと判定する。一方、補償球数が0でない場合は、補償の必要ありと判定する。管理コンピュータは、補償の必要ありと判定した場合、ステップD14をYESと判定し、補償許可指令と補償球数をSCPUに送信し(ステップD15)、ステップD17に進む。一方、補償の必要なしと判定した場合、ステップD14をNOと判定し、補償不要指令をSCPUに送信し(ステップD16)、ステップD17に進む。
管理コンピュータは、ステップD17に進むと、カードデータを受信したか否かを判定する(ステップD17)。カードデータを受信しない場合、ステップD17をNOと判定する処理を繰り返す。前述のように、SCPUに対して閉店補償の要否判定結果を送信すると、SCPUが補償の要否判定結果に応じた処理を行い、図27のステップC18においてカードデータを管理コンピュータに対して送信する。カードデータが送信されると、管理コンピュータは、カードデータを受信することになり、ステップD17をYESと判定し、受信したカードデータ(カードID、日時、ポイント数、台番号)をカードデータ履歴ファイルに記憶する(ステップD18)。このように、カードを使用しての遊技結果(ポイント数は遊技場としては支出情報となる)をカードID、日時、台番号と共に記憶することにより、客観的な証拠とすることができる。
さらに、管理コンピュータは、自己の遊技場に固有の識別情報としての店舗コードと共にカードデータ(カードID、日時、ポイント数、台番号)を第3者機関のサーバに送信し(ステップD19)、補償の要否判定処理を終了する。このように、利害関係のない第3者機関のサーバにカードデータの履歴を記憶することにより、より客観的で透明な営業に関わる情報を残すことができる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、実施形態の遊技装置によれば、封入式パチンコ機において、通常確率遊技状態と高確率遊技状態との2種類の確率遊技状態を有する構成とした上で、通常確率遊技状態であるか高確率遊技状態であるかを遊技者に分からなくする確率非報知状態をもつという仕様を実現することができる。
通常確率遊技状態と高確率遊技状態との両方の遊技状態において同種の演出(演出用役物Bを動作させる役物B変動モードまたは演出用役物Aを動作させる役物A変動モード)を行うことで、遊技者に確率遊技状態を分からなくする確率非報知状態を作り出す。確率非報知状態中に、精算指令入力手段(精算ボタン13)が操作された場合、遊技制御部が終了モード出力処理(図22参照)にて所定確率による抽選に基づいて確認要求指令を選択し、球情報制御基板20を通じて精算機2に対して「強制終了のみ可」(確認要求指令)を送信し、精算機2が確認要求指令を受けてメッセージ表示部53に精算を行うのか行わないのかを確認させる旨を表示し、確認指令入力手段(YESボタン16とNOボタン17)による確認の指示入力を行わせるようにしたので、精算を行うのか行わないのかの遊技者の意志確認は、高確率遊技状態であることに基づいて行われるものではなく、あくまでも遊技制御部(メイン制御基板19)が所定確率による抽選に基づいて行うものであるから、遊技者に確率遊技状態を分からなくする確率非報知という遊技性が損なわれることなく維持できる。また、精算機2の動作を遊技性として取り込むことができる。さらに、確率遊技状態を分からなくする確率非報知という遊技性において、特定の遊技者に有利となることがない。
また、実施形態では、通常確率遊技状態と高確率遊技状態との両方の遊技状態において同種の演出(演出用役物Bを動作させる役物B変動モードまたは演出用役物Aを動作させる役物A変動モード)を行うものであるが、ここでいう同種の演出とは、演出の種類が同じということであり、例えば、役物B変動モードを例に取り上げると、演出用役物Bの動作に係る演出という概念であればよい。すなわち、サブ統合基板21が役物B変動モードにおいて行う毎回の演出内容では、演出内容が毎回全く同一の演出である必要はなく、回毎で少しずつ異なる演出が行われるようにしてもよい。例えば、演出用役物Bが揺れ動作を行うものであるとすると、演出用役物Bの動作時間が回毎で異なったり、演出用役物Bの演出動作は同じであっても、液晶表示パネル37に表示されている背景色が回毎で少しずつ異なったり、また、回毎の演出で、液晶表示パネル37に例えば「役物B変動モード」のように実行される演出についてのモードの種類名を表示して遊技者に「役物B変動モード」であることを認識させるようにし、一方で、演出用役物Bが動作する場合と、演出用役物Bが動作しない場合とをランダムに行うものであってもよい。これらの演出は、演出の種類が同じという意味で同種の演出に含まれるものである。