JP5068773B2 - インジウム及び塩化第二鉄を含有するエッチング廃液からのインジウムの回収方法 - Google Patents

インジウム及び塩化第二鉄を含有するエッチング廃液からのインジウムの回収方法 Download PDF

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Description

本発明は、インジウム及び塩化第二鉄を含有するエッチング廃液からインジウムを回収するインジウムの回収方法、さらに詳しくは、たとえば液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイの製造プロセスで発生するようなエッチング廃液から、有価物であるインジウム(In)を合金或いは金属単体等として回収する方法に関する。
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)は、近年においてコンピュータの表示デバイス用やデレビ受像器用、携帯電話の表示部用等、各種電子機器に多用されている。このようなFPDの製造プロセスにおいては、当然のことながら廃液が生じ、そのような廃液を処理しなければならない点においては、このようなFPDを扱う液晶製造工場のみならず、たとえば半導体製造工場やメッキ工場の場合と同様である。そして、このようなFPDの製造プロセスで発生する廃液の1つにインジウム及び塩化第二鉄を含有するエッチング廃液がある。
一般に、産業廃液には種々の金属が含有されていることがあり、上記FPDの製造等を行う液晶製造工場廃液にはIn等が含有され、半導体製造工場廃液には、銅(Cu)、ガリウム(Ga)等が含有され、メッキ工場廃液にはニッケル(Ni)、Cu、亜鉛(Zn)等が含有され、それらを有価物である金属単体として回収することが試みられている。これらを金属単体あるいは合金として回収できれば、それらの金属を再利用すること等も可能となる。
重金属類を回収する廃液の処理技術として、従来では薬剤を用いた凝集沈殿処理、共沈処理等が一般に採用されており、濃度が低い場合には吸着剤を用いて金属類を除去することも行なわれている。たとえば薬剤を用いた凝集沈殿処理を利用する技術として下記特許文献1に係る発明がある。
しかしながら、上記のようなインジウム及び塩化第二鉄を含有するエッチング廃液に上記のような凝集沈殿処理を適用した場合、水酸化インジウムとして回収することは可能ではあるものの、塩化第二鉄も水酸化物として沈殿することとなり、全体として水酸化物のスラッジの発生量が多くなるという問題がある。しかも、ほとんどが鉄含有スラッジの状態となるので、有価物にならないという問題もある。
一方、インジウム及び塩化第二鉄を含有するエッチング廃液からのインジウムの除去方法及び回収方法に関する先行技術として本発明者等が検索した結果、唯一、下記特許文献2に記載の特許出願が存在した。すなわち、この特許文献2に係る発明は、請求項1に記載されているように、インジウム及び塩化第二鉄を含有するエッチング廃液に、鉄、ニッケル化合物を添加することを特徴とするインジウムの除去、回収方法である。
そして、具体的な回収手段については、当該特許文献2の明細書の段落[0022]に「当該廃液にニッケル化合物を添加し、鉄を加え、攪拌加熱して、ニッケルを析出させるとともにインジウムを析出させる。このことから、当該廃液中からインジウムを除去することができる。即ち、沈殿物からインジウムを回収することができ、…」と記載され、さらに段落[0023]には「インジウム及び塩化第二鉄を含有するエッチング廃液に鉄を添加して析出したインジウム及びニッケルなどからなる混合物は、鉄に付着していることから沈殿物として溶液から簡単に分離することができる。当該沈殿物の分離方法としては、重力式沈降、ろ過やサイクロンなどの遠心力を利用する方法を挙げることができる。」と記載されている。
これらの記載から判断すると、特許文献2の方法においては、ニッケルイオンの添加により、ニッケルの析出反応が起こり、この析出反応に付随してインジウムの析出反応を起こすため、回収されたインジウム合金は非常にインジウム濃度が低く、ニッケルを主体とする合金として回収される。しかしながら、特許文献2には回収したインジウム合金の分離手段等については記載されていない。従って、この特許文献2のような方法は、廃液からインジウムを除去する技術として利用できても、インジウムを有価物として回収する技術として有効利用できるとは必ずしも認められないのである。
日本国特開2005−342694号公報 日本国特開2004−75463号公報
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、従来のように水酸化インジウムの状態で回収する必要がなく、回収時において水酸化インジウムの場合のようなハンドリングの悪さもなく、フィルターなどで容易に回収することができ、しかもインジウムの回収率が著しく良好となるインジウムの回収方法を提供することを課題とする。
本発明は、このような課題を解決するために、インジウム及び塩化第二鉄を含有するエッチング廃液からのインジウムの回収方法としてなされたもので、その特徴は、少なくともインジウムと塩化第二鉄とを含有するエッチング廃液からインジウムを回収するエッチング廃液からのインジウムの回収方法であって、エッチング廃液に、直径及び長さが2.5〜10mmの円柱、直径が2.5〜10mmの球、一辺が2.5〜10mmの立方体、又は縦、横、高さの寸法のうち最も短い短辺の寸法が2.5mm以上、最も長い長辺の寸法が10mm以下である角柱に形成された、亜鉛からなる析出用金属を浸漬して静置し、亜鉛とインジウムとのイオン化傾向の差異により、前記エッチング廃液中に含有されるインジウムを前記析出用金属の表面に析出させ、該析出用金属の表面に析出したインジウムを剥離して回収することである。
尚、本発明の回収対象物であるインジウムは、金属単体として回収される他、合金としても回収され、或いは化合物等としても回収される場合があり、またエッチング廃液に含有されているインジウムは、通常、イオン、化合物等の状態であるので、これらをすべて厳密且つ明確に区別するのは困難であり、またすべてを明確に区別する必要は必ずしもない。従って、本発明において、単に「インジウム」というときは、金属単体を意味する場合の他、合金や化合物である場合なども含むものである。
析出用金属は、直径及び長さが3〜4mmの円柱、直径が3〜4mmの球、一辺が3〜4mmの立方体、又は縦、横、高さの寸法のうち最も短い短辺の寸法が3mm以上、最も長い長辺の寸法が4mm以下である角柱に形成されていることがより好ましい。
また、インジウムを表面に析出させた析出用金属を、たとえば流動装置2内の液体中で流動させ、その後、該流動装置2に設けられた剥離手段によって析出用金属に析出したインジウムを剥離してインジウムを回収することができる。
さらに、インジウムを表面に析出させた析出用金属を塩酸に浸漬することによってインジウムを塩酸溶液中に溶解させ、インジウムが溶解した塩酸溶液を流動装置2へ供給するとともに、前記析出用金属を前記流動装置2へ供給し、流動装置2内の塩酸溶液中で前記析出用金属を流動させ、次に、該析出用金属に塩酸溶液中のインジウムを再度析出させ、その後、該流動装置2に設けられた剥離手段によって前記析出用金属に析出したインジウムを剥離してインジウムを回収することも可能である。
析出用金属から該析出用金属に析出したインジウムを剥離する手段としては、たとえば超音波によって金属粒子を振動させる手段のようなものが採用される。
本発明は、上述のように、インジウム及び塩化第二鉄を含有するエッチング廃液に、三次元上に現出されるいずれの部分の径も2.5〜10mmとなるような立体に形成された、亜鉛からなる析出用金属を浸漬して静置し、亜鉛とインジウムとのイオン化傾向の差異により、前記エッチング廃液中に含有されるインジウムを前記析出用金属の表面に析出させ、該析出用金属の表面に析出したインジウムを剥離して回収するものであるため、エッチング廃液からのインジウムの回収に、亜鉛とインジウムとのイオン化傾向の差異を利用したセメンテーション反応と剥離技術とを組み合わせ、すなわちインジウムよりもイオン化傾向の大きい亜鉛を析出用の金属として所望の大きさに形成して用いることで金属析出反応のための金属の総表面積が増加し、回収効率が高くなる。また、ある程度成長した析出金属を剥離手段で剥離させることで、析出したインジウムをフィルター等により容易に回収することが出来る。さらに、析出用金属は、インジウムが剥離することで新しい金属表面を露出させるので、再利用することができる。
特に、本発明の対象となるインジウム及び塩化第二鉄を含有するエッチング廃液の場合には、通常、塩化第二鉄の濃度は30重量%以上と非常に高く、上記イオン化傾向を利用したセメンテーション反応を適用しようとすると析出用金属の溶解反応が激しく、還元析出反応の制御が困難である。また、鉄とインジウムが亜鉛表面に析出して、亜鉛の溶解反応が停止する前に亜鉛粒子がすべて溶解することとなり、その結果、析出したインジウムが再度溶解し、回収することができない。これに対して、本発明においては、上述のように析出用金属として、三次元上に現出されるいずれの部分の径も2.5〜10mmとなるような立体に形成された亜鉛を用い、それをエッチング廃液中に浸漬して静置することとしたため、析出用金属の溶解反応がそれほど激しくはなく、従って、還元析出反応の制御が困難となることもなく、また析出用金属が必要以上に溶解するようなこともないのである。また、析出用金属としてたとえばアルミニウムを利用することも考えられるが、アルミニウムは溶解による発熱反応により温度が上昇するため、溶解速度が大きく増加し、この溶解速度の増加によりさらに温度が上昇し、このような溶解速度の増加と温度上昇が繰り返されて、加速度的にアルミニウムが溶解する結果となり、反応の制御が困難であることから利用できない。これに対して、亜鉛は、アルミニウムほどには溶解反応が激しく生じることがないので、反応を制御しやすく本発明の析出用金属として好適に使用することができる。
析出用金属を、三次元上に現出されるいずれの部分の径も3〜4mmとなるような立体に形成した場合には、上述のような効果が一層良好となる。
また、従来の方法のように水酸化インジウム等の沈殿物の状態で回収する必要がなく、また、合金として回収される場合でも、析出用金属から分離した状態で回収することができるので、回収時において水酸化インジウムの場合のようなハンドリングの悪さもなく、フィルターなどで容易に回収することができるという効果がある。
以上のように、本発明によって、効率のよいインジウムの回収方法を提供することができるので、たとえば将来家電リサイクル法又はそれに相当する法律でFPD等の回収リサイクルが義務づけられるようになった場合でも、液晶テレビのリサイクル工場でのリサイクル過程におけるインジウムの回収方法として、本発明を適用することができるという実益がある。
一実施形態としてのインジウム及び塩化第二鉄を含有するエッチング廃液からのインジウムの回収装置の概略ブロック図。 同インジウム回収装置における流動装置の概略正面図。 他実施形態の流動装置の概略正面図。 他実施形態のインジウムの回収装置の概略ブロック図。 実施例に用いたインジウムの回収装置の概略ブロック図。
符号の説明
1 反応槽
2 流動装置
4 溶解槽
以下、本発明の実施形態について図面に従って説明する。
(実施形態1)
本実施形態のインジウム及び塩化第二鉄を含有するエッチング廃液からのインジウム(In)の回収装置は、図1に示すように、反応槽1と、流動装置2と、フィルター3とを具備したものである。
反応槽1は、エッチング廃液を収容し、該エッチング廃液に、析出用金属を浸漬して静置し、後述するような、析出用金属とインジウムとのイオン化傾向の差異に基づくセメンテーション反応(金属析出反応)によって廃液中からInを析出させる反応を生じさせるためのものである。析出用金属として、本実施形態では、直径が3.5mmで且つ長さが3.5mmの円柱状のものであって、亜鉛(Zn)からなるものが用いられる。
流動装置2は、Inを析出させた析出用金属を液体中で流動させ、析出用金属に析出したInを剥離するためのものであり、フィルター3は前記流動装置2で剥離されたInを分離、回収するためのものである。尚、分離された液体は前記流動装置2へ返送しうるように構成することも可能である。分離された処理液を流動装置2へ返送しうるように構成する場合には、被処理液を循環させるポンプ等が必要となる。本実施形態では、流動装置2内で析出用金属を流動させる液体としては特に限定されないが、ハンドリングの観点から水を利用することが好ましい。また、Inを剥離させた後の析出用金属は反応槽へ戻して再利用することができる。尚、析出用金属は数回析出させると直径(又は長さ)が小さくなり、インジウムを析出、回収することが出来なくなるため、数回利用した時点で、新たな析出用金属と交換することが好ましい。
また、交換する場合も、全て交換する必要は無く、振動篩い等を利用して所定の大きさ(2.5mm以上、好ましくは3mm以上)の金属のみを篩い分けし、これに新たな析出用金属を加え反応槽へ戻す構成としてもよい。
前記流動装置2の装置本体5は、図2に示すように縦長のものであり、装置上部6、装置中間部7、及び装置下部8からなり、それぞれ連設部9、10を介して連設されている。装置上部6、装置中間部7、及び装置下部8のそれぞれは同幅に形成されているが、装置上部6の断面積は装置中間部7の断面積より大きく形成され、装置中間部7の断面積は装置下部8の断面積より大きく形成されている。この結果、全体として装置本体5の断面積が上方に向かって不連続的に増加するように構成されている。尚、連設部9、10は、上向きに幅広なテーパ状に形成されている。
装置下部8の下側には、析出用金属を流動させるための液である水を流入するための略円錐形の流入用チャンバー11が設けられ、さらにその下部に流入管12が設けられている。流入管12には、図示しないが、逆止弁が設けられている。また装置上部6の上側には、上部チャンバー13が設けられ、その側部に、回収されたフレーク状や微粒子状の回収対象金属であるInを排出するための排出管14が設けられている。
上部チャンバー13は、このような排出管14によって回収された金属(In)を排出するための部分であるとともに、前記反応槽1で、Inとのイオン化傾向の相違に基づいていわゆるセメンテーション反応(金属析出反応)を生じさせることでInを析出させた、析出用金属であるZnを投入する部分でもある。そして、流入管12から流入された水が排出管14に至るまでの間に、その水が垂直方向に上昇しつつZn粒子による流動床を形成するように構成されている。さらに、前記反応槽1でZn粒子に析出していた回収対象金属であるInを剥離させる剥離手段としての超音波発振体15a、15b、15cが、装置上部6、装置中間部7、及び装置下部8にそれぞれ設けられている。
そして、このような構成からなるInの回収装置によってInを回収する方法について説明すると、先ず処理対象である廃液を反応槽1へ供給する。
次に、反応槽1に供給されたエッチング廃液に、直径が3.5mm、長さが3.5mmの円柱状であり、Znからなる析出用金属(金属粒子)を浸漬して静置する。そして廃液中に含有されているInと、浸漬して静置された金属粒子であるZnとのイオン化傾向の相違に基づく、いわゆるセメンテーション反応を生じさせる。これをより詳細に説明すると、各金属イオンの還元反応は次式(1)、(2)のとおりであり、各金属イオンの標準電極電位(E°)をそれぞれに示している。尚、廃液中には塩化第二鉄が含有され、Feもセメンテーション反応に関与するので、Feイオンの還元反応を次式(3)に示し、その標準電極電位(E°)も示している。
In3++3e→In …(1) −0.34V
Zn2++2e→Zn …(2) −0.76V
Fe2++2e→Fe …(3) −0.44V
上記(1)〜(3)からも明らかように、In3+やFe2+に比べて、Zn2+の標準還元電位が小さい。換言すれば、InやFeに比べて、Znのイオン化傾向が大きいことになる。そのため、上記のようにZnからなる析出用金属が浸漬、静置された状態で、イオン化傾向の大きいZnがZn2+となって廃液中に溶出し、それとともに廃液中に含有されていたIn3+がInとなり、Fe2+がFeとなって、Znの粒子の表面上に析出する。
この場合において、エッチング廃液中には塩化第二鉄が含有されているので、塩化第二鉄の濃度が高いと、上記セメンテーション反応が生じる場合に、析出用金属の粒子の溶解反応が激しく、還元析出反応の制御が困難となるおそれがある。また析出用金属の粒子がすべて溶解することで、インジウムの回収が出来なくなる。たとえばアルミニウム(Al)はInやFeに比べてイオン化傾向が大きいので、上記のようなセメンテーション反応を生じさせてInやFeを析出させることも可能であるが、粒子の溶解反応が激しく、還元析出反応の制御が困難となって、実際に析出用金属として用いることができない。
しかし、本実施形態においては、Znを析出用金属として用いており、且つそのZnからなる析出用金属を、直径が3.5mm、長さが3.5mmの円柱状に形成しているため、その析出用金属の溶解反応がそれほど激しくはなく、従って、還元析出反応の制御が困難となることもなく、また析出用金属がすべて容解することがないため、Inを回収することができるのである。さらに上記のようなセメンテーション反応から、析出物はZn粒子表面にInとFeとの合金として析出した形態で得られるが、後述のような分離手段によりZn粒子表面からIn合金を剥離でき、容易にフィルターで分離することができる。また、エッチング廃液中のInを90重量%以上回収することが出来る。
また、本実施形態では、析出用金属として、直径が3.5mm、長さが3.5mmの小さな円柱状のものを用いているので、たとえばZnのスクラップを反応槽1内に投入するような場合に比べると、セメンテーション反応を生じさせるためのZnの表面積が増加し、Inの析出部位が大きくなるため、回収効率を高めることができる。そして、ある程度成長した金属の析出が認められた後に、流動装置に移動させ、後述のような超音波の振動による強制的な剥離によって、新しい金属表面(Zn粒子の表面)を露出させることができ、剥離後の析出用金属を反応槽に返送することで、再度、金属表面(Zn粒子の表面)にInを析出させることが可能となり、析出用金属を再利用できる。また、従来の方法に比べると、Zn表面からIn合金を容易に剥離し、分離回収することができる。
次に、水を、流入管12から流入用チャンバー11を介して流動装置2の装置本体5内に流入する。その一方で、前記反応槽1においてInとFeとの合金を析出させたZnからなる析出用金属を、上部チャンバー13から装置本体5内に投入する。尚、InとFeとの合金を析出させたZnからなる析出用金属を除去し、それによって廃液中からInを除去した処理液中の塩化第二鉄は、たとえば凝集剤等として再利用される。
装置本体5内においては、流入された水が垂直方向に上昇する一方で、上部チャンバー13から投入された析出用金属が流動床を形成するように流動状態となる。尚、析出用金属は、当初は上述のように直径が3.5mmの球状のものとして形成されていたが、浸漬して静置された上記反応槽1内でのセメンテーション反応により、ある程度消費されていたため、流動装置2の装置本体5内に流入された際には、その粒径は約2〜3mm程度のものとなっている。
そして、このように析出用金属を流動させつつ、超音波発振体15a、15b、15cを作動させる。この超音波発振体15a、15b、15cを作動させることによって、該超音波発振体15a、15b、15cから発振される超音波が、前記Inを析出したZn粒子に振動力及び攪拌力を付与し、それによって析出したInがZn粒子から強制的に剥離されることとなる。
このように析出させたInの剥離のために超音波発振を利用した場合は、処理装置の外観でリアクター部分に超音波発振体の存在を目視で確認できる。また、目視で確認できない場合であっても、処理中には超音波発振体がリアクター内のZnやAlの金属粒子を接触振動させる際に10数キロヘルツ程度の高音が発生するため、超音波を利用した処理がなされていることが容易に確認できる。
このようにして剥離されたInを含む処理液は、上部チャンバー13から排出管14を経て装置本体5の外部に排出され、フィルター3によって分離され、分離されたInが回収されることとなるのである。
尚、装置本体5内への金属粒子の投入初期時においては、その金属粒子は、Znからなる析出用金属にInやFeが析出した状態のものであったが、その金属粒子が装置本体5内で流動しているうちに、InやFeが徐々に剥離するので、上部チャンバー13に投入された金属粒子の粒径は、反応槽への投入初期時に比べると、時間の経過とともにどうしても減少することになる。この結果、本来であれば廃液がほぼ同じ上向流の速度で装置本体5内を上昇するので、上部に向かうほど粒径が減少して小さくなった金属粒子が装置本体5から不用意に溢流するおそれがある。
しかしながら、本実施形態においては、装置本体5の断面積が上方へ向かうほど不連続的に大きくなるように形成されているため、装置本体5内での廃液の上向流の速度は徐々に減少し、従って上記のようにInやFeの剥離によって粒径が減少した金属粒子は、断面積が増加していく装置本体5の上部において、不用意に溢流することなく装置本体5内に保持される可能性が高くなる。
尚、装置本体5内へ投入された金属粒子はInの剥離後、上部チャンバー13から取り出す構造としても良く、装置の下部に析出用金属の取り出し口を設けるか、流入管12を利用して系外へ引き出す構造としても良い。装置の下部から引き出すことで、粒径の大きな析出用金属を取り出すことができ、これを反応槽に戻すことで、好適に再利用することができる。
本実施形態における分離装置としては、Zn粒子からIn合金を剥離して分離回収できれば良く、分離装置の形状についても上述したものに限定されない。
尚、本発明によれば、エッチング廃液を希釈することが無いため、希釈に伴う廃酸の容積増量により廃酸処理費用が増加することもなく、そのような廃酸処理のコスト上昇を抑制することができる。
(実施形態2)
本実施形態は、装置本体5の構造が上記実施形態1と相違する。すなわち、本実施形態では、図3に示すように装置本体5の周面全体が上向きにテーパ状となるように形成され、装置本体5の断面積が連続的に上方に向かって増加するように構成されている。この点で、装置本体5の断面積が不連続的に上方に向かって増加している実施形態1の場合と相違している。不連続的ではなく、断面積が連続的に上方に向かって増加するように構成されているので、本実施形態においては実施形態1のように装置上部6、装置中間部7、装置下部8のように区分して構成されてはいない。
しかし、超音波発振体15a、15b、15cが、装置本体5の上部から下部にかけての3箇所に設けられている点は実施形態1と共通している。従って、本実施形態においても、実施形態1と同様に、超音波発振体15a、15b、15cから発振される超音波によって、析出用金属の金属粒子(Zn)に析出している回収対象金属であるInを強制的に剥離することができる効果が得られる。
また、不連続的であるか連続的であるかの相違はあるものの、断面積が上方に向かって増加するように構成されている点では実施形態1とは共通しているので、本実施形態においても、粒径が減少した微細な金属粒子を装置本体5の上部で保持し、不用意に溢流するのを防止する効果が生じることとなるのである。
(実施形態3)
本実施形態では、図4に示すように、反応槽1の後段側であって、流動装置2の前段側に溶解槽4を設けており、この点でかかる溶解槽4が設けられていない上記実施形態1と相違する。
すなわち、本実施形態においては、反応槽1でInとFeを析出させたZnからなる析出用金属を、流動装置2へ直接供給してInとFeとの合金を剥離させるのではなく、析出用金属を溶解槽4へ供給し、析出用金属に析出したInとFeとを前記溶解槽4で溶解させ、溶解したInとFeとを流動装置2で再度析出させている。このため、流動装置2は、本実施形態では単に析出用金属を流動させてInとFeとの合金を剥離させる機能を有するのみならず、反応槽1で行うようなセメンテーション反応により、溶解槽4で溶解したInとFeとを再度析出用金属に析出させるリアクターとしての機能をも有している。
より具体的に説明すると、本実施形態のInの回収装置は、図4に示すように、反応槽1と、溶解槽4と、流動装置2と、フィルター3とを具備して構成されている。反応槽1、流動装置2、フィルター3の構成は実施形態1と同じである。反応槽1内で析出用金属にInとFeとが析出する作用は上記実施形態1と同様であるが、その析出用金属は溶解槽4へ供給され、析出用金属に析出したInとFeが溶解槽4で溶解される。
溶解槽4へは予め塩酸が収容されている。この塩酸としては高濃度(例えば20重量%の濃塩酸)の塩酸が使用され、当初は溶解槽4へ少量収容し、その高濃度の塩酸に前記析出用金属を浸漬してその高濃度の塩酸にInとFeとを溶解させ、その後に高濃度の塩酸を希釈してpHを0.5〜3.0に調整する。
このようにしてInとFeとを溶解させ、pHが調整された塩酸溶液を、後段の流動装置2へ供給する。またInとFeとを塩酸に溶解させた結果、析出用金属は元のZnのみからなるものとなり、そのZnからなる析出用金属も流動装置2へ供給する。InとFeとを溶解させた塩酸は、流動装置2の装置本体5の流入管12から流入用チャンバー11を介して該装置本体5内に流入する。またZnからなる析出用金属は、装置本体5の上部チャンバー13から装置本体5内に投入する。
そして析出用金属は、実施形態1と同様に、装置本体5内において、塩酸溶液中で流動床を形成するように流動状態となる。ただし、本実施形態においては、塩酸溶液中にInとFeとが溶解しているので、反応槽1で生じるのと同様のセメンテーション反応が、流動装置2内においても生じることとなる。そのセメンテーション反応の作用は、上記実施形態1の反応槽1で説明した作用と同じものであり、その詳細な説明は省略する。
このようなセメンテーション反応によって、塩酸溶液中にInとFeとが再度析出用金属に析出する。そして、析出用金属を流動させつつ、超音波発振体15a、15b、15cによって、析出したInとFeと合金をZn粒子から強制的に剥離する点は実施形態1と同じである。そして、剥離されたInを含む処理液を装置本体5の外部に排出し、フィルター3によって分離し、分離されたInを回収する点も実施形態1と同じである。
本実施形態においては、上述のように反応槽1でInとFeとを析出させた析出用金属を、溶解槽4へ供給して高濃度の塩酸に浸漬し、InとFeとを溶解させ、流動装置2内で析出用金属に再度析出させるので、合金中におけるInの濃度(含有率)を高くすることができ、高濃度インジウム合金を容易に得ることができるという効果がある。
尚、本実施形態においてはInの再溶解後に残存するZn粒子を後段の流動装置における析出用金属として利用したが、これに限定されず、別途Zn粒子を添加しても良い。
また、本実施形態では、再溶解した後のInが溶解した塩酸溶液からInを析出させる金属としてZnを利用したが、これに限定されず、Al粒子を利用しても良い。これは、In含有塩酸溶液のpHを0.5〜3.0に調整しているため、Alを利用しても溶解反応を抑制することができ、その結果、Inを析出回収することができるためである。また、Zn粒子上に析出したInとFeを再溶解させる溶液として利用した高濃度の塩酸としては、10重量%以上の濃度の濃塩酸を利用することができる。また、塩酸に代えて、高濃度の硫酸を利用しても良い。
(その他の実施形態)
尚、上記実施形態では、析出用金属を、直径が3.5mm、長さが3.5mmの円柱状のものに形成したが、析出用金属の直径や長さは該実施形態に限定されるものではない。要は2.5mm〜10mmに形成されていればよい。析出用金属の直径や長さを2.5mm未満にすると、上記のようなセメンテーション反応によりInとFeが析出する前に、析出用金属であるZnが溶解して消費されてしまうおそれがあるからである。この観点からは、析出用金属の直径や長さは3mm以上であることが好ましい。
一方、析出用金属の直径や長さが10mmを超えると、反応槽1や流動装置2内で保持しうる析出用金属の粒子の数が減少し、結果的に析出用金属の粒子の総表面積が減少して析出反応の効率が低下するおそれがある上に、10mmを越えると流動装置2内で析出用金属が流動しにくく、その結果、Inの剥離が効果的に行われないおそれがあるからである。この観点からは4mm以下であることがより好ましい。従って、析出用金属の直径や長さは、2.5〜10mm、より好ましくは3〜4mmということになる。
特に実施形態3の場合には上記範囲の析出用金属を利用することが効率的に流動装置内でInの析出と剥離を行う観点から好ましい。
また上記実施形態では、析出用金属として円柱状のものを用いたが、析出用金属の形状も該実施形態の円柱状に限らず、たとえば球、立方体、直方体、角柱などの形状のものであってもよい。たとえば析出用金属が球状に形成されている場合には、その直径が2.5〜10mm、より好ましくは3〜4mmとなり、立方体に形成されている場合には、その立方体の一辺の径が2.5〜10mm、より好ましくは3〜4mmとなり、たとえば角柱の形状に形成されている場合には、最小の短辺の径が2.5〜10mm、より好ましくは3〜4mmとなり、且つ最大の長辺の径も2.5〜10mm、より好ましくは3〜4mmとなる。すなわち、析出用金属を構成する立体の三次元上に現出されるいずれの部分の径も2.5〜10mmとなるように形成されている必要がある。
ここで、「析出用金属を構成する立体の三次元上に現出される部分の径」とは、その析出用金属を構成する立体の投影図を作成したときに現出される平面的な図形の各部分の径を意味し、「三次元上に現出されるいずれの部分の径も2.5〜10mm」となる結果、上記のような投影図をどのような角度から作成したとしても、その投影図に現出される平面的な図形のいずれの部分の寸法も2.5〜10mmの範囲内となる。従って、上記角柱等、縦、横、高さの三次元における寸法がすべて異なるような立体の場合、最も短い短辺の寸法は2.5mm以上である必要があり、また最も長い長辺の寸法は10mm以下である必要がある。
尚、流動装置2は、上記実施形態1のように単に析出用金属を流動させるためにのみ用いられるものであってもよく、また実施形態3のように、析出用金属を流動させるだけでなく、In等を析出用金属に析出させるためのセメンテーション反応を生じさせる機能を具備させるように構成してもよい。
また、このように流動装置2を用いることで、析出したIn等を析出用金属から好適に
剥離させることができるが、このような流動装置2を用いることは本発明に必須の条件ではない。
さらに、上記実施形態1乃至3では、流動装置2の装置本体5の断面積が上部に向かうほど大きくなるように形成したため、上記のような好ましい効果が得られたが、このように装置本体5を形成することは本発明に必須の条件ではない。
さらに、金属粒子から回収対象金属を剥離する手段も、上記実施形態1乃至3の超音波による手段に限定されるものではなく、それ以外の手段であってもよい。
塩化第二鉄濃度が35重量%でInを220mg/L含有する廃液1Lに、直径3mm、長さ3mmのZn粒子を500g投入し、24時間静置、浸漬した。処理後の塩化第二鉄廃液中のIn濃度は4mg/Lであり、98重量%以上のInをエッチング廃液より除去することができた。
このような処理を、10バッチ行い、合計5kgのIn、Fe合金が表面に析出しているZn粒子を得た。そして、図5に示すように流動装置2、タンク16、ポンプ17、フィルター3を備えた装置を用いてInを回収する操作を行った。
すなわち、超音波発振子を備えた直径10cmの円筒形小型樹脂リアクターを流動装置2として用い、その流動装置2内に前記Zn粒子を入れ、水5Lを前記タンク16、ポンプ17等を具備した装置の流路内で循環させて処理を行い、フィルター3で剥離させてIn、Fe合金を回収し、In回収物を得た。
実施例1で得られた合計5kgのIn、Fe合金が表面に析出しているZn粒子を20%濃度の濃塩酸500mLに浸漬させ、Zn粒子表面のIn、Fe合金を溶解し、得られたIn、Feが溶解した塩酸溶液を希釈して5Lの塩酸溶液としてpHを0.5〜3.0に調整した。そして、実施例1と同様に図5に示す流動装置2,タンク16、ポンプ17、フィルター3を備えた装置を用いてInを回収する操作を行った。
すなわち、流動装置2内にIn、Feが表面に析出していないZn粒子を入れ、ポンプ17を利用して塩酸溶液を120分間循環させた。流動装置2内ではセメンテーション反応により、溶液中に溶解しているInをZn粒子表面に析出が起こった。析出したIn合金を流動装置2内に設置した超音波発振子を利用してZn粒子から容易に剥離でき、後段のフィルター3によって容易に回収することができた。超音波処理は2分間に1回ずつ行い、それぞれ2秒間行った。
この結果、塩酸溶液中からのInの回収率は95重量%であった。また、回収されたIn合金中のInとFeの割合はIn:Fe=9:1であり、高濃度のIn合金として回収することができた。

Claims (5)

  1. 少なくともインジウムと塩化第二鉄とを含有するエッチング廃液からインジウムを回収するエッチング廃液からのインジウムの回収方法であって、エッチング廃液に、直径及び長さが2.5〜10mmの円柱、直径が2.5〜10mmの球、一辺が2.5〜10mmの立方体、又は縦、横、高さの寸法のうち最も短い短辺の寸法が2.5mm以上、最も長い長辺の寸法が10mm以下である角柱に形成された、亜鉛からなる析出用金属を浸漬して静置し、亜鉛とインジウムとのイオン化傾向の差異により、前記エッチング廃液中に含有されるインジウムを前記析出用金属の表面に析出させ、該析出用金属の表面に析出したインジウムを剥離して回収することを特徴とする、インジウム及び塩化第二鉄を含有するエッチング廃液からのインジウムの回収方法。
  2. 析出用金属が、直径及び長さが3〜4mmの円柱、直径が3〜4mmの球、一辺が3〜4mmの立方体、又は縦、横、高さの寸法のうち最も短い短辺の寸法が3mm以上、最も長い長辺の寸法が4mm以下である角柱に形成されている請求項1記載のインジウム及び塩化第二鉄を含有するエッチング廃液からのインジウムの回収方法。
  3. インジウムを表面に析出させた析出用金属を、流動装置(2)内の液体中で流動させ、その後、該流動装置(2)に設けられた剥離手段によって前記析出用金属に析出したインジウムを剥離する請求項1又は2記載のインジウム及び塩化第二鉄を含有するエッチング廃液からのインジウムの回収方法。
  4. インジウムを表面に析出させた析出用金属を塩酸に浸漬することによってインジウムを塩酸溶液中に溶解させ、インジウムが溶解した塩酸溶液を流動装置(2)へ供給するとともに、前記析出用金属を前記流動装置(2)へ供給し、流動装置(2)内の塩酸溶液中で前記析出用金属を流動させ、次に、該析出用金属に塩酸溶液中のインジウムを再度析出させ、その後、該流動装置(2)に設けられた剥離手段によって前記析出用金属に析出したインジウムを剥離する請求項1又は2記載のインジウム及び塩化第二鉄を含有するエッチング廃液からのインジウムの回収方法。
  5. 析出用金属からインジウムを剥離する手段が、超音波によって金属粒子を振動させる手段である請求項1乃至4のいずれかに記載のインジウム及び塩化第二鉄を含有するエッチング廃液からのインジウムの回収方法。
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