JP2007270342A - インジウムの回収方法とその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】Inを含む廃液等の被処理液から、そのInを有価物である金属単体あるいは合金として回収する方法と装置に関し、特にInとともに硝酸イオンやシュウ酸イオンが含まれている廃液等の被処理液から、上記のようなセメンテーション反応の技術を利用して、Inを有価物である金属単体あるいは合金として好適に回収することができる回収方法と装置を提供することを課題とする。
【解決手段】インジウムがイオン状態で含有されているとともに、硝酸イオン又はシュウ酸イオンの少なくともいずれかが含有されている被処理液中からインジウムを回収する方法であって、インジウムよりもイオン化傾向が大きい析出用金属、及び塩素イオン源を前記被処理液に添加して、イオン化傾向の差異により前記被処理液中に含有されるインジウムを前記析出用金属の表面に析出させることによりインジウムを回収することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、インジウムの回収方法とその装置、さらに詳しくは、In(インジウム)、を含む廃液等の被処理液から、そのインジウムを有価物である金属単体あるいは合金として回収する方法と装置に関する。
一般に、産業廃液には種々の金属が含有されていることがあり、それらを有価物である金属単体として回収することが試みられている。たとえば、メッキ工場廃液にはNi、Cu、Zn等が含有され、半導体製造工場廃液には、Cu、Ga等が含有され、液晶製造工場廃液にはIn等が含有され、これらを金属単体あるいは合金として回収できれば、それらの金属を再利用すること等も可能となる。
特にInは稀少価値のある金属であり、近年においてはその回収技術が種々研究されている。一般に重金属類を回収する廃液の処理技術として、薬剤を用いた凝集沈殿処理、共沈処理等が一般に採用されており、濃度が低い場合には吸着剤を用いて金属類を除去することも行なわれている。Inの回収技術としてもこれらの技術が利用されており、たとえば下記特許文献1や特許文献2に記載された技術がある。
特開2006−28608号公報 特開2005−314786号公報
特許文献1はスクラップからのInとSnの分離法に関するもので、共沈処理によってそれぞれInとSnの水酸化物を生じさせてInを分離する技術で、InとSnの分離には広く行われている技術である。また、特許文献2はインジウムの回収方法に関するもので、シュウ酸を沈殿剤としてインジウムの塩を沈殿させてインジウムを回収する技術である。
しかしながら、上記のような共沈処理等では、インジウムは水酸化物の沈殿物を形成し、このインジウムの沈殿物はスラリーを形成するが、このスラリーは沈降性、脱水性が悪く、含水率も高いため、容積が増大してしまうという問題点があった。そのため、スラリーの輸送費等が高くなり、経済性が悪いという問題があった。また、スラリーを乾燥させて含水率を低くし、容積を小さくしたとしても水酸化インジウムの微粉が発生し、ハンドリングが悪くなるおそれがあるという問題がある他、乾燥のためのコストもかかり、この面でも経済性が悪く処理コストが高くなるという問題があった。
そこで本発明者等は、金属のイオン化傾向の差を利用して、被処理液中に含有されている回収対象金属を、析出用金属に析出させて回収する、いわゆるセメンテーション法を利用してInを回収する技術を鋭意研究した。セメンテーション法の技術としては、たとえば廃メッキ液からの金属回収において、鉄スクラップを廃メッキ液に投入し、Cu等の回収対象金属を回収する方法があるが、本発明者等は、このような一般的なセメンテーション法の技術に改良を加えて、実際に各種の産業廃液からInを回収することを試みた。
ところが、このようなセメンテーション法の技術によってInの回収を試みている過程において、新たな問題に直面した。すなわち、廃液中に硝酸イオンやシュウ酸イオンが含まれている場合、セメンテーション反応が好適に生じず、析出用金属にInが析出されないという問題が生じた。もともとセメンテーション反応は、回収対象金属と析出用金属とのイオン化傾向の差に着目して析出用金属を選定すれば、理論上は好適に生じるはずであるが、硝酸イオンやシュウ酸イオンが含まれていない廃液については、同種の析出用金属を用いてInを析出させることができていたにもかかわらず、硝酸イオン又はシュウ酸イオンの存在によってInが析出されないということが分かった。
Inとともに硝酸イオンやシュウ酸イオンが含まれている産業廃液は、たとえばターゲット材の洗浄廃液や、フラットパネルディスプレイ(FPD)のエッチング廃液等、現実に存在し、従って上記のような新たに発生した問題は、この種の廃液からInを回収するに際してはどうしても解決しなければならない問題である。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、特にInとともに硝酸イオンやシュウ酸イオンが含まれている廃液等の被処理液から、上記のようなセメンテーション反応の技術を利用して、Inを有価物である金属単体あるいは合金として好適に回収することができる回収方法と装置を提供することを課題とする。
本発明は、このような課題を解決するためにインジウムの回収方法とその装置としてなされたもので、インジウムの回収方法に係る請求項1記載の発明は、インジウムがイオン状態で含有されているとともに、硝酸イオン又はシュウ酸イオンの少なくともいずれかが含有されている被処理液中からインジウムを回収する方法であって、インジウムよりもイオン化傾向が大きい析出用金属、及び塩素イオン源を前記被処理液に添加して、イオン化傾向の差異により前記被処理液中に含有されるインジウムを前記析出用金属の表面に析出させることによりインジウムを回収することを特徴とする。ここで塩素イオン源とは、塩化物や塩酸等、被処理液中において塩素イオンを生じさせるようなものである。
また請求項2記載の発明は、インジウムがイオン状態で含有されているとともに、硝酸イオン又はシュウ酸イオンの少なくともいずれかが含有されている被処理液中からインジウムを回収する方法であって、該被処理液を調整槽12に流入するとともに該調整槽12に塩素イオンを添加し、次に、該調整槽12中の被処理液をリアクター本体内に流入するとともに、該リアクター本体内に、インジウムよりもイオン化傾向が大きい析出用金属を添加して、イオン化傾向の差異により前記被処理液中に含有されるインジウムを前記析出用金属の表面に析出させることによりインジウムを回収することを特徴とする。さらに請求項3の発明は、請求項1又は2記載のインジウムの回収方法において、析出用金属の表面に析出したインジウムを前記析出用金属から剥離して回収することを特徴とする。
さらに請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のインジウムの回収方法において、析出用金属からインジウムを回収した後の処理液を、原液である被処理液に添加して再度処理を行うことを特徴とする。
さらにインジウムの回収装置に係る請求項5記載の発明は、インジウムがイオン状態で含有されているとともに硝酸イオン又はシュウ酸イオンの少なくともいずれかが含有され、且つ塩素イオン源を添加して調整された被処理液を流入するとともに、インジウムよりもイオン化傾向が大きい析出用金属を添加して、イオン化傾向の差異により前記被処理液中に含有されるインジウムを前記析出用金属の表面に析出させる金属析出反応を行なうためのリアクター本体を具備することを特徴とする。
さらに請求項6記載の発明は、インジウムがイオン状態で含有されているとともに硝酸イオン又はシュウ酸イオンの少なくともいずれかが含有されている被処理液を収容し、塩素イオン源を添加して調整する調整槽12と、該調整槽12中の被処理液を流入するとともに、インジウムよりもイオン化傾向が大きい析出用金属を添加して、イオン化傾向の差異により前記被処理液中に含有されるインジウムを前記析出用金属の表面に析出させる金属析出反応を行なうためのリアクター本体を具備することを特徴とする。さらに請求項8記載の発明は、析出用金属表面に析出したインジウムを前記析出用金属から剥離させるための剥離手段を具備することを特徴とする。
さらに請求項7記載の発明は、請求項7又は8記載のインジウムの回収装置において、
析出用金属からインジウムを回収した後の処理液を、原液である被処理液に添加して再度処理を行うような返送流路が設けられていることを特徴とする。
本発明は、上述のように、イオン状態のインジウム及び硝酸イオン又はシュウ酸イオンの少なくともいずれかが含有されている被処理液に、インジウムよりもイオン化傾向が大きい析出用金属、及び塩素イオン源を被処理液に添加して、イオン化傾向の差異により前記被処理液中に含有されるインジウムを前記析出用金属の表面に析出させて回収する方法であるため、被処理液中に硝酸イオンやシュウ酸イオンが存在するにもかかわらず、上記塩素イオン源の存在によって、析出用金属にインジウムを好適に析出することが可能となった。さらに析出用金属からインジウムを剥離手段により剥離させることにより、より簡単にインジウムを回収することができる。
このように被処理液中に硝酸イオンやシュウ酸イオンが存在する場合には、Inを析出用金属に析出させることができないにもかかわらず、塩素イオン源を被処理液に添加することでInの析出が可能となった理由は一応つぎのように考えられる。すなわち、Inはある程度の濃度の硝酸イオンやシュウ酸イオンが存在することで、溶液中での形態が変化し、それによってInの標準還元電位が通常考えられている値よりも低下すると認められる一方で、析出用金属を構成するAlやZnの標準還元電位も上昇し、回収金属であるInと、析出用金属であるAl、Zn等との電位差が小さくなり、Inの還元析出が困難になるのではないかと考えられる。そこで、塩化ナトリウムや塩化カリウム等の塩素イオン源として塩化物や塩酸を添加すると、Inがクロロ錯体を形成し、硝酸イオンやシュウ酸イオンによって低下していた標準還元電位が再び上昇し、それによって、析出用金属へのInの還元析出が可能となるものと思われる。
また別の理由として、被処理液中に硝酸イオンやシュウ酸イオンが存在することによりInの電位が変化し、Inイオンとして安定な電位−pH図における領域になることで、析出用金属であるAlによる還元反応が生じにくくなっているものが、Clイオンの添加によりIn金属として安定な電位−pH図における領域に変化し、析出用金属であるAlによる還元反応が生じやすくなっているということも考えられる。
さらに、溶液中の硝酸イオンは析出用金属を構成するAlやZnと反応し、二酸化窒素や一酸化窒素を形成し気体となって放出され、また溶液中のシュウ酸イオンは析出用金属を構成するAlやZnと反応し、二酸化窒素や一酸化窒素を形成し気体となって放出される。
また、析出用金属からインジウムを剥離して回収した後の処理液を、原液である被処理液に添加して再度処理を行う場合には、回収後の処理液に塩素イオンが残留しているので、その残留した塩素イオンが再利用される結果となり、その結果、追加する塩素イオン源の量を低減することができ、ひいては処理コストの削減を図ることができるという効果がある。
以下、本発明の実施形態について図面に従って説明する。
(実施形態1)
本実施形態のインジウムの回収装置は、図1に示すように、リアクター本体1と、調整槽12と、フィルター13とを具備したものである。リアクター本体1は、後述するようにセメンテーション反応(金属析出反応)によって廃液中からInを析出させるためのものであり、調整槽12は、それに先だって廃液に塩素イオン(Cl-)源を添加して調整するためのものであり、フィルター13は前記リアクター本体1で析出されたInを分離、回収するためのものである。尚、分離された処理液は前記調整槽12へ返送しうるように構成され、そのための流路がフィルター13と調整槽12間に設けられている。また、調整槽12からリアクター本体1への流路、リアクター本体1からフィルター13への流路も設けられている。図1では、被処理液を循環させるポンプ等は図示していない。
本実施形態では被処理液として廃液を対象とする場合について説明する。前記リアクター本体1は、図2に示すように縦長のものであり、リアクター上部2、リアクター中間部3、及びリアクター下部4からなり、それぞれ連設部5、6を介して連設されている。リアクター上部2、リアクター中間部3、及びリアクター下部4のそれぞれは同幅に形成されているが、リアクター上部2の断面積はリアクター中間部3の断面積より大きく形成され、リアクター中間部3の断面積はリアクター下部4の断面積より大きく形成されている。この結果、全体としてリアクター本体1の断面積が上方に向かって不連続的に増加するように構成されている。尚、連設部5、6は、上向きに幅広なテーパ状に形成されている。
リアクター下部4の下側には、処理対象である廃液を流入するための略円錐形の流入用チャンバー7が設けられ、さらにその下部に流入管8が設けられている。流入管8には、図示しないが、逆止弁が設けられている。またリアクター上部2の上側には、上部チャンバー9が設けられ、その側部に、回収されたフレーク状や微粒子状の回収対象金属を排出するための排出管10が設けられている。上部チャンバー9は、このような排出管10によって回収された金属を排出するための部分であるとともに、回収対象金属とイオン化傾向の相違に基づいていわゆるセメンテーション反応(金属析出反応)を生じさせるための、回収対象金属よりもイオン化傾向が大きい析出用金属の金属粒子を投入する部分でもある。実際には、投入される金属と回収される金属とのセメンテーション反応は、前記リアクター本体1の全体で生じることとなる。
そして、流入管8から流入された廃液が排出管10に至るまでの間に、その廃液が垂直方向に上昇しつつ金属粒子による流動床を形成するように構成されている。さらに、廃液中に含有されている金属であって、前記セメンテーション反応により前記投入された金属粒子に析出した回収対象金属を剥離させる剥離手段としての超音波発振体11a、11b、11cが、リアクター上部2、リアクター中間部3、及びリアクター下部4にそれぞれ設けられている。
本実施形態では、投入する金属粒子として亜鉛(Zn)やアルミニウム(Al)の粒子が用いられる。また対象となる廃液としては、たとえばInのイオンを含有するとともに硝酸イオン(NO3 -)やシュウ酸イオン(C24 2-)を含有するアルミニウムターゲット材の洗浄廃液、或いは硝酸又はシュウ酸を利用したFPDのエッチング廃液等が用いられる。投入する金属粒子の平均粒径は、0.1〜8mmの金属粒子を用いることができるが、本実施形態では平均粒径が2mmのものが用いられる。尚、平均粒径は、画像解析法あるいはJIS Z 8801ふるい分け試験法等により測定される。
そして、このような構成からなるインジウムの回収装置によってインジウムを回収する方法について説明すると、先ず処理対象である廃液を調整槽12へ供給し、その調整槽12に塩素イオン(Cl-)源である塩化ナトリウムや塩化カリウムのような塩化物を添加する。尚、インジウムはpHが高くなると水酸化物の沈殿物を形成するため、沈殿物を形成しないように予めpHを1.5以下に調整する。また、pHが低すぎると使用する析出用金属との反応が促進され、H2、NO、NO2ガスを発生させ析出用金属を無駄に消費してしまうため、pHは0.5以上が好ましい。
尚、pHが上記範囲よりも高い場合には塩酸によりpH調整を行い、pHが上記範囲よりも低い場合にはNaOH等のアルカリを添加することによりpH調整を行うことが好ましい。
次に、このようにして塩化物を添加して調整された被処理液を、流入管8から流入用チャンバー7を介してリアクター本体1内に流入する。その一方で、上部チャンバー9からセメンテーション反応を生じさせるための金属粒子(Zn又はAl粒子)を投入する。リアクター本体1内においては、流入された廃液が垂直方向に上昇する一方で、上部チャンバー9から投入された金属粒子が流動床を形成するように流動状態となる。
そして廃液中に含有されているInと、投入された金属粒子であるZn又はAlとのイオン化傾向の相違に基づく、いわゆるセメンテーション反応を生じさせる。これをより詳細に説明すると、各金属イオンの還元反応は次式(1)〜(3)のとおりであり、各金属イオンの標準電極電位(E°)をそれぞれに示している。
In3++3e→In …(1) −0.34V
Zn2++2e→Zn …(2) −0.76V
Al3++3e→Al …(3) −1.66V
上記(1)乃至(3)からも明らかように、In3+に比べて、Zn2+やAl3+の標準還元電位が小さい。換言すれば、Inに比べて、ZnやAlのイオン化傾向が大きいことになる。そのため、上記のような流動状態となった状態で、イオン化傾向の大きいZnやAlがZn2+或いはAl3+となって廃液中に溶出し、それとともに廃液中に含有されていたIn3+がInとなって、ZnやAlの粒子の表面上に析出する。
この場合において、廃液中には硝酸イオン(NO3 -)又はシュウ酸イオン(C24 2-)が含有されているので、上記Inの標準還元電位が低下するおそれがあるとともに、AlやZnの標準還元電位が上昇するおそれがあり、Inと、Al又はZnとの電位差が小さくなり、Inの還元析出が困難になるおそれがある。しかしながら、本実施形態においては、予め被処理液が調整槽12に供給されて塩素イオン(Cl-)源が添加されているため、その被処理液がリアクター本体1に流入されたときに、塩素イオン(Cl-)がInのクロロ錯体を形成させ、それによって再びInの標準還元電位が上昇し、その結果、ZnやAlの粒子の表面上にInが析出するのが阻害されることもないのである。
そして、このようなセメンテーション反応によってInをZnやAl粒子の表面上に析出させた後、超音波発振体11a、11b、11cを作動させる。この超音波発振体11a、11b、11cを作動させることによって、該超音波発振体11a、11b、11cから発振される超音波が、前記Inを析出したZn粒子又はAl粒子に振動力及び攪拌力を付与し、それによって析出したInがZn粒子又はAl粒子から強制的に剥離されることとなる。この場合、超音波発振体11a、11b、11cは、連続的に作動させることも可能であるが、連続的に作動させると超音波発振体が発熱し、超音波発振体を長時間作動させることが困難になるおそれがある。また超音波発振体を連続的に作動させると、析出した金属(In)が成長してある程度の大きさになる前に順次剥離され、その結果、ある程度の大きさの金属(In)が得られないおそれがある。この点、超音波発振体を間欠的に作動させると、析出する金属がある程度大きくなるまで不用意に剥離されるおそれが少ないので、剥離した金属の分離が容易になる。従って、超音波発振体11a、11b、11cの作動は間欠的に行なうのが好ましい。この場合の間欠的な作動は、たとえば2秒ON、8秒OFF等によって行なう。
このようにして剥離されたInを含む処理液は、上部チャンバー9から排出管10を経てリアクター本体1の外部に排出され、フィルター13によって分離され、分離されたInが回収されることとなるのである。一方、分離された処理液は、調整槽12へ返送される。この場合において、本実施形態では、回収対象金属を析出させるために投入される析出用金属として、粒子状のものを用いているので、たとえば亜鉛のスクラップを投入するような場合に比べると、セメンテーション反応を生じさせるための金属(Zn)の表面積が増加し、Inの析出反応の速度が向上することとなる。
そして、ある程度成長した金属の析出が認められた後に、上記のような超音波の振動による強制的な剥離によって、常に新しい金属表面(Zn粒子の表面)を露出させ、反応速度を維持することができる。また、従来行われていた亜鉛のスクラップを投入するような方法に比べると、剥離した回収金属中にはIn以外の不純物が非常に少ないものとなる。
また、Znからなる金属粒子はリアクター本体1内で流動し、上記のようなセメンテーション反応によってZn2+が溶出するので、上部チャンバー9に投入された金属粒子の投入初期時における粒径は、時間の経過とともにどうしても減少することになる。この結果、本来であれば廃液がほぼ同じ上向流の速度でリアクター本体1内を上昇するので、上部に向かうほど粒径が減少して小さくなった金属粒子がリアクター本体1から不用意に溢流するおそれがある。
しかしながら、本実施形態においては、リアクター本体1の断面積が上方へ向かうほど不連続的に大きくなるように形成されているため、リアクター本体1内での廃液の上向流の速度は徐々に減少し、従って上記のようにセメンテーション反応等により粒径が減少した金属粒子は、断面積が増加していくリアクター本体1の上部において、不用意に溢流することなくリアクター本体1内に保持される可能性が高くなる。
また、廃液はリアクター本体1の下部側から流入し、リアクター本体1内を通過する際に、セメンテーション反応によりZnからなる金属粒子に回収対象となるInを析出させることから、リアクター本体1の上部へ向かうほど、廃液中の回収対象金属の濃度が低下する。しかしながら、本実施形態では、リアクター本体1の上部ほど微細な金属粒子が存在し、また廃液の上向流の速度が徐々に減少することで金属粒子の数が増加すると認められることから、リアクター本体1の上部ほど金属粒子の総表面積は大きくなる。この結果、セメンテーション反応の反応速度(回収対象金属析出の効率)が向上することから、回収対象金属の濃度がより低濃度となるリアクター本体1の上部においても、回収対象金属を効率よく回収処理することが可能となるのである。
(実施形態2)
本実施形態は、リアクター本体1の構造が上記実施形態1と相違する。すなわち、本実施形態では、図3に示すようにリアクター本体1の周面全体が上向きにテーパ状となるように形成され、リアクター本体1の断面積が連続的に上方に向かって増加するように構成されている。この点で、リアクター本体1の断面積が不連続的に上方に向かって増加している実施形態1の場合と相違している。不連続的ではなく、断面積が連続的に上方に向かって増加するように構成されているので、本実施形態においては実施形態1のようにリアクター上部2、リアクター中間部3、リアクター下部4のように区分して構成されてはいない。
しかし、超音波発振体11a、11b、11cが、リアクター本体1の上部から下部にかけての3箇所に設けられている点は実施形態1と共通している。従って、本実施形態においても、実施形態1と同様に、超音波発振体11a、11b、11cから発振される超音波によって、金属粒子に析出している回収対象金属を強制的に剥離することができる効果が得られる。
また、不連続的であるか連続的であるかの相違はあるものの、断面積が上方に向かって増加するように構成されている点では実施形態1とは共通しているので、本実施形態においても、粒径が減少した微細な金属粒子をリアクター本体1の上部で保持し、不用意に溢流するのを防止する効果、及び回収対象金属の濃度が低濃度であるリアクター本体1の上部において回収対象金属を効率よく回収処理できる効果が生じることとなるのである。
(実施形態3)
本実施形態のリアクター本体1は、縦長のものである点で上記実施形態1、2と共通するが、図4及び図5に示すように上下において断面積が同じとなるように形成されており、この点で断面積が上方に向かって増加するように構成されている上記実施形態1、2と相違している。
本実施形態においても、上記実施形態1と同様に、リアクター本体1の下部側に流入用チャンバー7が設けられているとともに、リアクター本体1の上部側に上部チャンバー9が設けられているが、その形状は、略円錐形に形成されていた実施形態1と相違する。すなわち、上部チャンバー9は、図4及び図5に示すように浅い円筒状に形成されており、流入用チャンバー7は、図6及び図7に示すように、中央筒部20と、該中央筒部20に連通して左右に設けられた側筒部21、21とからなる形状に形成されている。
本実施形態においては、流入管8、8は、前記流入用チャンバー7の側筒部21、21の先端側にそれぞれ設けられている。そして、流入用チャンバー7の側筒部21、21には邪魔板22、23が2条ずつ縦方向に設けられており、流入管8、8から流入される被処理液が、これらの邪魔板22、23によって流れが乱されるように構成されている(図7)。
また上部チャンバー9は、図5に示すように内筒9a及び外筒9bで構成されており、同図のように内筒9aがリアクター本体1の上部に外嵌合されることによって、上部チャンバー9がリアクター本体1に取り付けられている。また排出管10は、上部チャンバー9の下部であって、前記内筒9aと外筒9bとの間の位置に取り付けられている。
このように構成されている結果、リアクター本体1の内部を上向きに流通する被処理液は、内筒9aの上部開口部から、外筒9bと内筒9a間に溢流し、前記排出管10から外部に排出されることとなる。
また、セメンテーション反応を生じさせるための金属粒子は、内筒9aの上部開口部から投入されることとなる。そして、流入用チャンバー7の流入管8から流入された廃液が上部チャンバー9の排出管10に至るまでの間に被処理液が垂直方向に上昇しつつ金属粒子による流動床を形成するように構成され、投入される金属と回収対象金属とのセメンテーション反応がリアクター本体1の全体で生じる点は、上記実施形態1、2と共通する。
さらに本実施形態においても、廃液中に含有されている金属であって、セメンテーション反応により金属粒子に析出した回収対象金属を剥離させる剥離手段として、超音波発振体が採用されている。すなわち本実施形態においては、4個の超音波発振体11a、11b、11c、11dが、リアクター本体1の外周面に取り付けられている。この4個の超音波発振体11a、11b、11c、11dは、いずれも水平面に対して約45度の角度をなしてリアクター本体1に取り付けられているが、そのうちの2個の超音波発振体11a、11cは同じ向きに取り付けられており、他の2個の超音波発振体11b、11dは反対方向を向くように取り付けられている。
本実施形態においても、被処理液として廃液が用いられ、その廃液としては、たとえば上記実施形態1と同様のInのイオンを含有するとともに硝酸イオン(NO3 -)やシュウ酸イオン(C24 2-)を含有するアルミニウムターゲット材の洗浄廃液、或いは硝酸やシュウ酸を利用したFPDのエッチング廃液等が用いられる。
そして、本実施形態のインジウムの回収装置によってインジウムを回収する場合には、先ず廃液を流入管8から流入用チャンバー7を介してリアクター本体1内に流入する。この場合において、流入用チャンバー7は、上述のように中央筒部20と側筒部21、21とで構成され、側筒部21、21には邪魔板22、23が2条ずつ縦方向に設けられているため、側筒部21に対して横向きに取り付けられている流入管8、8から流入する廃液は、横方向に一気に流入するのではなく、縦方向に設けられた邪魔板22、23に沿って側筒部21内を上下に交互に流れながら中央筒部20内に流入し、その中央筒部20からリアクター本体1に向かって上向きに流通することとなる。
従って、流入管8、8から流入される廃液は、邪魔板22、23によって流れが乱され、偏流を生じさせずにリアクター本体1内を上向きに流通し易い状態となる。また必要があれば、流入チャンバー7内に、たとえば円筒状のかごにガラスあるいはセラミック製のボールを入れたものを設置することができ、これによって、より確実に偏流を防ぐことが可能となる。
廃液中に含有されているInと、投入される金属粒子であるZnやAlとのイオン化傾向の相違に基づく、いわゆるセメンテーション反応の作用、超音波発振体による攪拌及び金属の剥離の作用等は上記実施形態と同じであり、その詳細な説明は省略する。
(実施形態4)
本実施形態では、析出した回収対象金属を金属粒子から剥離する手段として、上記実施形態1乃至3の超音波発振体によって発振される超音波で振動させる手段に代えて、空気のような気体を吹き込んで攪拌する、いわゆるエアリフト作用を利用した手段を採用している。すなわち、本実施形態においては、図8に示すように、リアクター本体1の略中央に筒状部25が具備されており、その筒状部25の下部に気体流入パイプ26が接続されている。この気体流入パイプ26の一端側開口部である気体流入口27は前記リアクター本体1の外側に臨出され、気体流入パイプ26の他端側開口部28は前記筒状部25と連通状態とされている。また、筒状部25の下部開口部29の下方には、邪魔板30が設けられている。
本実施形態においては、上記実施形態3と同様にリアクター本体1が略円筒状に形成されており、また上記実施形態1乃至3と同様にリアクター本体1の下部に流入用チャンバー7が設けられ、上部には上部チャンバーが設けられている。ただし図8には、排出管10は図示しているが、上部チャンバーは図示していない。
対象となる廃液の種類や投入する金属粒子は、上記実施形態1乃至3と同じものが用いられる。
投入する金属粒子の平均粒径は上述のように0.1〜8mmの金属粒子を用いることができるが、金属粒子がAlの場合には1.5〜5.5mmのものが好ましく、Znの場合には1.5〜4.0mmのものが好ましい。Zn粒子の場合は4.0mmを超えると、またAl粒子の場合は5.5mmを超えると、それらの粒子を流動させるのに必要な流速が大きくなるとともに気体吹込量が多くなるからである。一方、セメンテーション反応によって徐々に金属粒子の粒径が小さくなることから、当初の金属粒子の粒径が小さいと、処理液とともにリアクター本体1から金属粒子が流出する可能性があることは上述のとおりであるが、この観点から、Zn粒子やAl粒子の場合は1.5mm以上であることが好ましい。
そして、本実施形態のインジウムの回収装置によってインジウムを回収する方法について説明すると、上記各実施形態と同様に先ず流入用チャンバー7を介して廃液をリアクター本体1内に流入し、上部チャンバーから金属粒子を投入する。また気体流入パイプ26を介して筒状部25へ気体を流入させる。これによって筒状部25内の気体と水の混合部分の比重が低下し、気体とともに液体が上部へ押し上げられる。
このように、筒状部25へ気体を流入させ上向きに流通させることで、筒状部25内の被処理液も上向きに流通することとなる。このように被処理液は筒状部25の内部を流通するが、筒状部25の内部と外部とで圧力差が生じるため、被処理液の流通速度も筒状部25の内部と外部とで異なることとなり、その結果、リアクター本体1内で金属粒子が攪拌され、金属粒子の表面上に析出したInが剥離されることとなるのである。
この場合において、本実施形態における回収対象金属であるInは、スポンジ状で析出するため、Zn等の金属粒子への密着性が悪く、従って上記実施形態1乃至3のような超音波振動によって強制的に剥離する手段を用いて強制的に剥離する手段を採用しなくても、本実施形態のように単にエアリフト作用を利用した攪拌手段であっても、Inを金属粒子から比較的容易に剥離させることができる。すなわち、簡易且つ低エネルギーな手段を有する装置で、Inを回収することが可能である。
廃液中に含有されているInと、投入された金属粒子であるZnやAlとのイオン化傾向の相違に基づく、いわゆるセメンテーション反応の作用等は上記実施形態と同じであり、その詳細な説明は省略する。
このようなセメンテーション反応によってInをZn粒子或いはAl粒子の表面上に析出させた後、上記のようなエアリフト作用を利用した攪拌によって析出したInがZn粒子或いはAl粒子から剥離され、剥離されたInは、排出管10を経てリアクター本体1の外部に排出され、回収されることとなるのである。
尚、本実施形態では、筒状部25の下部開口部29の下方に邪魔板30が設けられているため、流入用チャンバー7から流入する廃液の水流が直接筒状部25に流入することがなく、邪魔板30に当たり、筒状部25内の被処理液の流通速度が極端に速くなるのが好適に阻止されることとなる。
(実施形態5)
本実施形態では、回収対象金属を金属粒子から剥離する手段として、エアジェット攪拌又はウオータージェット攪拌を採用し、この点で上記実施形態1乃至4と相違している。すなわち、本実施形態においては、図9に示すように、ジェット攪拌用噴出具31をリアクター本体1の周面部に取り付け、そのジェット攪拌用噴出具31から空気又は水が噴出されてリアクター本体1内に微細な気泡が発生するように構成されている。すなわち、エアジェット攪拌とは空気等の気体を噴出させて微細な気泡を発生させることを意味し、ウオータージェット攪拌とは水等の液体を噴出させて微細な気泡を発生させることを意味する。
リアクター本体1の形状や流入用チャンバー7、排出管10が設けられている構成は上記実施形態と同じであるため、その説明は省略する。また投入する金属粒子や対象となる廃液の種類、さらにはセメンテーション反応の作用等も上記実施形態と同じであるため、その詳細な説明は省略する。
本実施形態においては、上記ジェット攪拌用噴出具31から空気のような気体又は水(たとえば処理液)が噴出されてリアクター本体1内に乱流が発生し、その乱流によってリアクター本体1内の金属粒子が攪拌され、それによって金属粒子の表面上に析出したInが剥離されることとなるのである。
本実施形態においても、回収対象金属であるInがZn等の金属粒子への密着性が悪いものであるため、上記実施形態1乃至3のような超音波振動によって強制的に剥離する手段や、実施形態4のような電磁石を用いて強制的に剥離する手段を採用しなくても、単にエアジェット又はウオータージェット攪拌を行なうだけの手段によって、Inを金属粒子から比較的容易に剥離させることができる。すなわち、簡易且つ低エネルギーな撹拌手段を有する装置で、Inを回収することが可能である。
(実施形態6)
本実施形態では、回収対象金属を金属粒子から剥離する手段として、固液輸送ポンプ攪拌による手段を採用し、この点で上記実施形態1乃至5と相違している。すなわち、本実施形態においては、図10に示すようにリアクター本体1内の被処理液及び金属粒子を循環させて輸送させる流路32とポンプ33とをリアクター本体1の外部に設け、これらで被処理液及び金属粒子を循環、輸送させることによって前記金属粒子を攪拌する手段を採用している。
リアクター本体1の形状や流入用チャンバー7、排出管10が設けられている構成は上記実施形態4、5と同じであるため、その説明は省略する。また投入する金属粒子や対象となる廃液の種類、さらにはセメンテーション反応の作用等も上記実施形態と同じであるため、その詳細な説明は省略する。
本実施形態においては、ポンプ33によって被処理液が金属粒子とともにリアクター本体1から流路32へ流出され、その流路32を循環して再度リアクター本体1へ返送されることになり、その結果、リアクター本体1内の金属粒子が攪拌され、それによって金属粒子の表面上に析出したInが剥離されることとなる。
本実施形態においても、回収対象金属であるInがZn等の金属粒子への密着性が悪いものであるため、上記実施形態1乃至3のような超音波振動によって強制的に剥離する手段を採用しなくても、ポンプ33や流路32を用いて単に固液輸送ポンプ攪拌するだけの手段によって、Inを金属粒子から比較的容易に剥離させることができる。すなわち、簡易且つ低エネルギーな手段を有する装置で、Inを回収することが可能である。
(その他の実施形態)
尚、上記実施形態では、廃液(被処理液)としてアルミニウムターゲット材の洗浄廃液、FPDのエッチング廃液等に適用する場合について説明したが、廃液の種類はこれに限定されるものではない。また被処理液として、本発明においては廃液を用いることを主眼としているが、廃液以外の被処理液、たとえば、金属含有固形廃棄物に酸等の薬品を接触させて回収すべき金属を溶解してイオン化して得られた水溶液に適用することも可能である。要はInのイオンを含有するとともに硝酸イオン(NO3 -)又はシュウ酸イオン(C24 2-)を含有する被処理液であれば本発明を適用することが可能である。また、Inを析出させる金属の種類も該実施形態のZn、Alに限らず、要はInよりもイオン化傾向の大きい金属が用いられていればよい。
なお、シュウ酸イオンを含有する被処理液からInを回収する場合、析出金属としてAlを利用することが好ましい。これは、Znを使用した場合、シュウ酸亜鉛が生成し微粒子となって析出し、フィルター部でシュウ酸亜鉛が回収されてしまうので、In回収処理の妨げとなるためである。
さらに、上記実施形態では、添加する塩素イオン源として塩化ナトリウムや塩化カリウム等の塩化物を用いたが、このような塩化物に限らず、塩酸を用いることも可能である。ただし塩酸を用いると被処理液の酸濃度が高くなり、使用する金属粒子の溶解反応が促進され、水素ガスが発生することとなる。このことは、不要な金属粒子の消費増大と、水素ガス発生量増大を招き、ひいてはランニングコストの増大につながることから、塩素イオン源としては、上記実施形態の塩化物を用いるのが好ましい。
一方、塩素イオン源を添加してInの還元析出反応が進めば、使用する金属イオンが溶解するとともに、水素ガス発生も必ず生じることから、溶液中のH+が消費され、被処理液のpHが上昇する。pHが約1.5より大きくなると、被処理液中のInが水酸化物となり析出沈殿することから、pHを下げるために酸の添加が必要となる。このような場合には塩酸を添加するのが好適である。
尚、上記実施形態では、図1に示すように、使用後の処理液を調整槽12に返送したため、その処理液に残留している塩素イオン源が、原液である被処理液(廃液)に添加されて再利用される結果となり、従って、次のIn回収処理のために必要な追加の塩化物量を低減させることができるという好ましい効果が得られたが、上記実施形態のように処理液を返送して塩素イオン源を再利用することは本発明に必須の条件ではない。さらに、上記実施形態では、塩素イオン源を添加するための調整槽12をリアクター本体1とは別に設けたが、これに限らず、リアクター本体1に直接塩素イオン源を添加して調整することも可能である。
また、該実施形態では、金属粒子の平均粒径を約2mmとしてが、金属粒子の平均粒径は該実施形態に限定されるものではなく、要は0.1〜8mmであればよい。0.1mm未満であると、セメンテーション反応が必ずしも好適に行なわれるとは限らず、また金属粒子から剥離した回収対象金属の回収が容易に行なえない可能性があり、また8mmを超えると、リアクター本体内で保持しうる金属粒子の数が減少し、結果的に金属粒子の総表面積が減少して析出反応の効率が低下するおそれがあり、また金属粒子を流動させるために流速を上げる必要が生じ、必要な反応時間を保持するためにリアクターを大型化(リアクター高さを高く)する必要があるからである。この観点からは、0.5〜6mmであることがより好ましい。さらに、リアクター本体内での流動性、反応性を良好にし、リアクター本体内での保持を容易にするためには、1.0〜2.0mmの範囲であることが、さらに好ましい。尚、金属粒子の平均粒径は、前述の通り、画像解析法、JIS Z 8801ふるい分け試験法等にて測定される。画像解析法による平均粒径の測定は、例えば、日機装株式会社製のミリトラックJPAが用いられる。また、JISのふるい分け法では、平均粒径1〜2mmの範囲とする場合は、例えば、呼び寸法2000μmふるい下で、1000μmふるい上となる金属粒子を用いる。
さらに、金属粒子の均一度は、5より小さいのが、処理効率や運転制御等の観点から好ましい。ここで金属粒子の均一度とは、粒度分布測定或いはふるい分け等によって形成される透過率曲線(ある粒径より小さい粒子の質量の全試料質量に対する百分率、すなわち透過率をある粒径に対して描いた曲線、ふるい下累積曲線ともいう)において、ふるい下60%粒径をふるい下10%粒径で割った値をいう。粒度分布の幅を表すものである。
さらに、該実施形態では、金属粒子は、金属単体を利用したが、合金であってもよい。
さらに、上記実施形態1、2では、リアクター本体1の断面積が上部に向かうほど大きくなるように形成したため、上記のような好ましい効果が得られたが、このようにリアクター本体1を形成することは本発明に必須の条件ではない。実施形態3、4、5、6のようにリアクター本体1の断面積が同じで全体が略円筒状になるように形成することも可能である。
さらに、金属粒子から回収対象金属を剥離する手段も、上記実施形態1乃至6の各手段に限定されるものではなく、これら以外の手段であってもよい。さらに、回収対象金属を簡単に分離回収しつつ、析出用金属を有効に再利用できるという点から、リアクター内で析出用金属上から回収対象金属を剥離する構成としたが、これに限定されず、析出用金属上に回収対象金属が析出した状態で回収対象金属の回収を行っても良い。また、上記実施形態1乃至6では析出用金属として金属粒子を利用したが、これに限定されず、金属線や金属線をメッシュ状に加工したもの、板状の金属等を利用してもよい。
(実施例1)
廃液の模擬液としてインジウムが溶解している硝酸溶液を調製した。模擬液は2.8%の硝酸溶液にInを400mg/Lの濃度で溶解させたものを利用した。これを1Lビーカーに入れ、先ず塩化ナトリウムを50g添加し、画像解析法による平均粒子径2mmのAl金属粒子を用いてIn合金回収処理を開始した。処理とともにH2ガスと主にNO2ガスとが発生した。処理とともにH+がH2ガスとなり消費されることから、pHが上昇するので、溶液中のpHをpH計で測定し、pHが1.5を超えないように塩酸を添加して粒子が流動しない程度に撹拌処理を120分間行った。Al金属粒子上に析出したIn合金はスポンジ状であり、撹拌処理を行っている間に凝集し、大きな塊となることから、超音波処理によって容易に剥離回収することができた。超音波処理は2分間に1回ずつ行い、それぞれ2秒間行った。ちなみに、得られたIn合金は数100μm〜数mm程度の大きさであった。このように大きな塊となれば、バッグフィルターのような安価なフィルターでも回収可能となる。
上記処理後の液に新たな原液(インジウム含有硝酸溶液)を1L添加し、塩化ナトリウムを25g添加して処理を開始することで上記と同じプロセスで処理が可能となる。従って、添加する塩化物量が削減でき、処理コストの低減を図ることができた。
上記のような条件で試験を行った結果、溶液中からのInの回収率は95%で非常に良好な結果が得られた。
(実施例2)
上記実施例1のAl金属粒子に代えてZn金属粒子を用い、他は同じ条件で試験を行った。本実施例においてもInの回収率が90%という良好な結果が得られた。
(実施例3)
廃液の模擬液としてインジウムが溶解しているシュウ酸溶液を調製した。模擬液は5%のシュウ酸溶液にInを350mLの濃度で溶解させたものを利用した。これを1Lビーカーに入れ、先ず塩化ナトリウムを12g添加し、画像解析法による平均粒子径2mmのAl金属粒子を用いてIn合金回収処理を開始した。処理とともにH2ガスが発生した。処理とともにH+がH2ガスとなり消費されることから、pHが上昇するので、溶液中のpHをpH計で測定し、pHが1.5を超えないように塩酸を添加して粒子が流動しない程度に撹拌処理を180分間行った。Al金属粒子上に析出したIn合金はスポンジ状であり、撹拌処理を行っている間に凝集し、大きな塊となることから、超音波処理によって容易に剥離回収することができた。超音波処理は2分間に1回ずつ行い、それぞれ2秒間行った。その結果、溶液中からのInの回収率は20%であった。得られたIn合金は数100μm〜数mm程度の大きさであった。このように大きな塊となれば、バッグフィルターのような安価なフィルターでも回収可能となる。
(実施例4)
上記実施例3の塩化ナトリウムに代えて、35%濃度の塩酸10gを用い、他は同じ条件で試験を行った。本実施例においてはInの回収率が40%という良好な結果が得られた。
(比較例1)
上記実施例1で調製した模擬液に塩化ナトリウムを添加せずに、Al金属粒子のみ添加して同様の処理を行った。尚、硝酸イオンとAl金属粒子の一部が反応するため、pHが1.5以上になったため、硫酸を用いてpH調整を行った。120分間溶液の撹拌を行ったが、Al金属粒子表面にIn合金の析出は見られなかった。
(比較例2)
上記比較例1のAl金属粒子に代えて亜鉛金属粒子を用い、他は同じ条件で試験を行った。本比較例に置いてもInの析出は見られなかった。
(比較例3)
上記実施例3で調製した模擬液に塩化ナトリウムを添加せずに、Al金属粒子のみ添加して同様の処理を行った。尚、硝酸イオンとAl金属粒子の一部が反応するため、pHが1.5以上になったため、硫酸を用いてpH調整を行った。180分間溶液の撹拌を行ったが、Al金属粒子表面にIn合金の析出は見られなかった。
一実施形態としてのインジウムの回収装置の概略ブロック図。 リアクター本体を示す概略ブロック図。 他実施形態のリアクター本体の概略ブロック図。 他実施形態のリアクター本体の概略斜視図。 同実施形態の概略断面図。 同実施形態の流入用チャンバーの概略平面図。 図6のA−A線拡大断面図。 他実施形態のリアクター本体の概略正面図。 他実施形態のリアクター本体の概略正面図。 他実施形態のリアクター本体の概略正面図。
符号の説明
1…リアクター本体 12…調整槽

Claims (8)

  1. インジウムがイオン状態で含有されているとともに、硝酸イオン又はシュウ酸イオンの少なくともいずれかが含有されている被処理液中からインジウムを回収する方法であって、インジウムよりもイオン化傾向が大きい析出用金属、及び塩素イオン源を前記被処理液に添加して、イオン化傾向の差異により前記被処理液中に含有されるインジウムを前記析出用金属の表面に析出させることによりインジウムを回収することを特徴とするインジウムの回収方法。
  2. インジウムがイオン状態で含有されているとともに、硝酸イオン又はシュウ酸イオンの少なくともいずれかが含有されている被処理液中からインジウムを回収する方法であって、該被処理液を調整槽(12)に流入するとともに該調整槽(12)に塩素イオン源を添加し、次に、該調整槽(12)中の被処理液をリアクター本体内に流入するとともに、該リアクター本体内に、インジウムよりもイオン化傾向が大きい析出用金属を添加して、イオン化傾向の差異により前記被処理液中に含有されるインジウムを前記析出用金属の表面に析出させることによりインジウムを回収することを特徴とするインジウムの回収方法。
  3. 析出用金属の表面に析出したインジウムを前記析出用金属から剥離して回収する請求項1又は2記載のインジウムの回収方法
  4. 析出用金属からインジウムを回収した後の処理液を、原液である被処理液に添加して再度処理を行う請求項1乃至3のいずれかに記載のインジウムの回収方法。
  5. インジウムがイオン状態で含有されているとともに硝酸イオン又はシュウ酸イオンの少なくともいずれかが含有され、且つ塩素イオン源を添加して調整された被処理液を流入するとともに、インジウムよりもイオン化傾向が大きい析出用金属を添加して、イオン化傾向の差異により前記被処理液中に含有されるインジウムを前記析出用金属の表面に析出させる金属析出反応を行なうためのリアクター本体を具備することを特徴とするインジウムの回収装置。
  6. インジウムがイオン状態で含有されているとともに硝酸イオン又はシュウ酸イオンの少なくともいずれかが含有されている被処理液を収容し、塩素イオン源を添加して調整する調整槽(12)と、該調整槽(12)中の被処理液を流入するとともに、インジウムよりもイオン化傾向が大きい析出用金属を添加して、イオン化傾向の差異により前記被処理液中に含有されるインジウムを前記析出用金属の表面に析出させる金属析出反応を行なうためのリアクター本体を具備することを特徴とするインジウムの回収装置。
  7. 析出用金属表面に析出したインジウムを前記析出用金属から剥離させるための剥離手段を具備する請求項5又は6記載のインジウムの回収装置。
  8. 析出用金属からインジウムを回収した後の処理液を、原液である被処理液に添加して再度処理を行うような返送流路が設けられている請求項5乃至7のいずれかに記載のインジウムの回収装置。
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