JP5068467B2 - 殺菌剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、殺菌剤組成物に関し、特に、優れた殺菌力とその持続性を持ち、環境中の様々な汚れ存在下でも安定な殺菌力の維持ができ、配合自由度に優れる殺菌剤組成物に関する。
産業上における衛生管理に汎用される、次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素系殺菌剤や、オゾン・過酸化水素などの酸素系殺菌剤は、タンパク質などの有機物による汚れで著しい殺菌力の低下を示す。これが実験系の殺菌評価と現場使用系の殺菌評価との殺菌力のずれを生み、細菌の増殖を許し、感染の原因となってしまう。その対処として、実験系で得られた殺菌濃度より遥かに高い濃度を実使用濃度に規定しているが、高濃度にしても、強い汚れ中に存在する菌まで殺菌できず、かつ生体や環境安全面からも好ましくない。有機物汚れを考慮した殺菌剤はほとんどなく、あってもあくまで抗菌・防腐目的であり、殺菌剤として使用できるほどの殺菌力を持たない。
有機物汚れ中でも殺菌・抗菌活性を失わない剤として代表的なものに、エタノール、ポリリジン、シュガーエステル、グリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。中でもグリセリン脂肪酸エステルは、安全性が高く、高い抗菌性、持続性を持つことから、防腐目的で広く使用されている界面活性剤である。しかし、グラム陰性菌に対しては抗菌性をもたないという欠点がある(非特許文献1参照)。そこで、グラム陰性菌に対して殺菌力を有するキレート剤である、エチレンジアミン四酢酸を併用しグリセリン脂肪酸エステルの欠点を補っている(特許文献1、2、3参照)。
『香粧品医薬品 防腐・殺菌剤の科学』ジョン・J・カバラ編 吉村孝一・滝川博文訳 フレグランスジャーナル社 1990年4月10日発行 249〜263頁 特開平9−278610号公報 特表2003−528820号公報 特開昭62−269673号公報
しかしながら、エチレンジアミン四酢酸は、次亜塩素酸又はその塩と反応し、有効塩素濃度が減少して、殺菌力の低下がもたらされるなど、配合の組み合わせが限定されるといった配合自由度の問題がある。上記課題を解決する、配合自由度が高く、高い殺菌力を安定に保つ殺菌剤が望まれている。
本発明の目的は、有機物などの汚れ存在下でも高い殺菌力を有し、配合自由度に優れる新規な殺菌剤組成物を提供することにある。
本発明は、(A)モノ又はポリグリセリンモノ脂肪酸エステル〔以下、(A)成分という〕、並びに、(B)有機ホスホン酸系キレート剤及びポリマー系キレート剤からなる群より選ばれる1種以上のキレート剤〔以下、(B)成分という〕を含有する殺菌剤組成物に関する。
本発明によれば、グラム陰性・陽性菌に高い即効性殺菌力を有し、セレウス菌などが形成する芽胞に持続的に殺菌効果を示す殺菌剤組成物が得られる。このような高い殺菌効果は、有機物などの汚れの存在下でも発現する。
(A)成分としては、好適な殺菌力が得られることから、グリセリン重合度が1〜10のものが好ましい。例えば、モノグリセリンモノ脂肪酸エステル、ジグリセリンモノ脂肪酸エステル、トリグリセリンモノ脂肪酸エステル、テトラグリセリンモノ脂肪酸エステル、ペンタグリセリンモノ脂肪酸エステル、ヘキサグリセリンモノ脂肪酸エステル、ヘプタグリセリンモノ脂肪酸エステル、オクタグリセリンモノ脂肪酸エステル、ノナグリセリンモノ脂肪酸エステル、デカグリセリンモノ脂肪酸エステル、またはその混合物あるいはエステル合成過程で生じる未反応脂肪酸、未反応グリセリンを含む混合物が挙げられる。また、好ましくは、脂肪酸炭素数は8〜12であり、例えば、グリセリンモノカプリレート、グリセリンモノカプリネート、グリセリンモノラウレート、またはその混合物あるいはあるいはエステル合成過程で生じる未反応脂肪酸、未反応グリセリンを含む混合物が挙げられる。好ましくは、モノグリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノラウレート、もしくはそれらを全グリセリン脂肪酸エステル重量のうち25%以上含む混合物が用いられる。
本発明の組成物は、(A)成分を0.005〜50重量%、更に0.1〜10重量%含有することが好ましい。また、本発明の組成物は、使用時には水等で希釈して用いられるが、希釈液中の(A)成分の濃度(使用時濃度)は、0.0005〜10重量%、更に0.0001〜1重量%が好ましい。
(B)成分の有機ホスホン酸系キレート剤及びポリマー系キレート剤は、(A)成分との組み合わせにより、グラム陰性菌に対する殺菌力が得られる限り、如何なる有機ホスホン酸系キレート剤及びポリマー系キレート剤を用いても良い。
有機ホスホン酸系キレート剤は、有機ホスホン酸およびホスホン酸塩を指し、好適な殺菌力が得られる上に、水の状態を調整するだけでなく、脂肪分散性も付与する。そのように有用なホスホン酸としては、カルボキシ、ヒドロキシ、チオ等のアルカリ性条件下で陰イオン形成可能な基も含有できるモノ−、ジ−、トリ−およびテトラホスホン酸が含まれる。ホスホン酸は、例えば約2から4のカルボン酸部分および約1から3のホスホン酸基を有する低分子量のホスホノポリカルボン酸からなっていてもよい。そのような酸としては、1−ホスホノ−1−メチルコハク酸、ホスホノコハク酸および2−ホスホノブタン−2,2,4−トリカルボン酸などが含まれる。中でも、アミノトリメチレンスルホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸やそのアルカリ金属塩(例えばナトリウムやカリウム)、もしくは部分塩を用いるのが特に好ましい。
本発明の組成物は、(B)成分としての有機ホスホン酸系キレート剤を0.01〜50重量%、更に0.1〜20重量%含有することが好ましい。また、希釈液中の有機ホスホン酸系キレート剤の濃度(使用時濃度)は、0.0005〜10重量%、更に0.0001〜1重量%が好ましい。
好適な殺菌力が得られるポリマー系キレート剤としては、ポリカルボン酸型ポリマー、スルホン酸型ポリマー等が用いられるが、ポリカルボン酸型ポリマーが好ましい。ポリカルボン酸型ポリマーとしては、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸系コポリマー、マレイン酸系コポリマー、メタクリル酸系コポリマー(コポリマーはアミド結合を含んでいても良い)を用いることができる。より好ましくは、ポリアクリル酸、マレイン酸系ポリマー(例えばポリマレイン酸)及びアクリル酸−マレイン酸コポリマーから選ばれる1種又は2種以上を用いる。これらは一部又は全部が塩となっていてもよく、塩としてはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩や有機アミン塩が好ましい。ポリアクリル酸の重量平均分子量は1,000〜20,000が好ましく、特に好ましくは2,000〜15,000である。また、マレイン酸系ポリマーは、マレイン酸のポリマー、若しくは無水マレイン酸と共重合可能な他のモノマーとのコポリマー、これらの水溶性塩であり、下記の一般式(I)で表される構造を有するものが好ましい。
Figure 0005068467
〔式中、R1 、R2 、R3 、R4 は、それぞれ、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基、アルコキシ基、又はカルボキシル基を示し、Mは、水素原子、アルカリ金属又は有機アミンであり、x/y(モル比)=1/10〜10/1で、重量平均分子量は1,000〜100,000である。〕
上記一般式(I)において、x/y(モル比)は1/10〜10/1であり、好ましくは3/7〜7/3である。また、式(I)で表されるマレイン酸系ポリマーの重量平均分子量は1,000〜100,000であり、好ましくは1,000〜20,000である。上記一般式(I)で表される構造を有するポリマーのうち、マレイン酸系コポリマーとしては、アクリル酸−マレイン酸コポリマーが好ましい。
好適な殺菌力を得るには、25℃における組成物の1重量%水溶液のカルシウムキレート安定度定数pKCaが、4.0以上であることが望ましい。キレート安定度定数とは、キレート剤と金属の結合力の強さを示す目安であり、定義については『金属キレート化合物(A.E.マーテル、M.カルビン著、小林道夫、藤本昌利、水町邦彦訳、共立出版)』を主に参考にする。pKCaとは、カルシウムとキレート剤のカルボキシル基の反応の平衡定数の負対数である。カルシウムキレート安定度定数はpHによって変化し、上記pHのとき、キレート安定度定数が4.0以上となる。
pKCaの測定法を以下に示す。以下の測定はすべて25℃の条件下で行う。本発明の殺菌剤組成物0.1gを精秤し、MES緩衝液(pH6.0〜8.0)、Tris−HCl緩衝液(pH8.0〜10.0)もしくはNH4Cl−NH4OH緩衝液(pH10.0〜12.0)により、合計100gの水溶液とする。この水溶液に、カルシウムイオン電極を挿入した後、マグネティックスターラーで攪拌下、CaCO3換算で20000ppmに相当する量のCaCl2水溶液(pH6.0〜12.0)を滴下し、イオンアナライザーにより液中カルシウムイオンを測定する。適定量−残存カルシウムイオン濃度の関係を作図し、その変曲点から求める。
本発明の組成物は、(B)成分としてのポリマー系キレート剤を0.01〜50重量%、更に0.1〜20重量%含有することが好ましい。また、希釈液中のポリマー系キレート剤の濃度(使用時濃度)は、0.0005〜10重量%、更に0.001〜1重量%が好ましい。
更に好適な殺菌力を得るには、pHを調整することが好ましい。本発明の組成物は、25℃における組成物1重量%水溶液のpHが6〜10、更に7〜9であることが好ましい。このようなpHを達成するために、本発明の組成物中にpH調整剤〔以下、(C)成分という〕を含有することが好ましい。(C)成分として如何なる酸性源、アルカリ性源を用いても良い。緩衝能を持たせるためにそれらを組み合わせ、目的のpHに安定化させることが好ましい。
(C)成分として用いる酸性源として、強酸や様々な弱酸が用いられる。好ましくは、塩酸、酢酸、酒石酸、乳酸、シュウ酸、クエン酸、ホウ酸、リン酸、コハク酸が用いられ、クエン酸、ホウ酸、酢酸が特に好ましい。
また、(C)成分として用いるアルカリ性源として、ナトリウムやカリウムの塩化物があり、有用なものとしては、塩酸塩、ケイ酸塩,水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、炭酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、酢酸塩、コハク酸塩が特に好ましい。
(C)成分として用いるこれら酸性源、アルカリ性源は、それぞれ単一、あるいは酸性源の組み合わせ、アルカリ性源の組み合わせ、もしくは酸性源とアルカリ性源の組み合わせで用いることができ、用いる際は少なくとも1種類から選ばれる。
本発明の組成物は、(C)成分としてのpH調整剤を0.01〜50重量%、更に0.1〜20重量%含有することが好ましい。また、希釈液中の(C)成分の合計濃度(使用時濃度)が、0.0001〜20重量%で使用でき、この範囲において希釈液はpH6〜10に調整される。より好ましくは、(C)成分を希釈液中の合計濃度で0.001〜10重量%で使用し、pH7〜9に調整することである。
好適な殺菌力を得るための好ましい(A)成分と(B)成分の重量比としては、(A)/(B)が1/100〜10/1であり、より好ましくは(A)/(B)が1/25〜5/1である。また、使用時の希釈液中の好ましい濃度としては、(A)と(B)の全濃度が0.001〜5重量%であり、より好ましくは0.005〜3重量%である。
更に好適な殺菌力を得るための好ましい(C)成分と(A)成分及び(B)成分との重量比は、〔(A)+(B)〕/(C)が1/10000〜100/1であり、より好ましくは1/1000〜50/1で用いられる。
セレウス菌などが形成する芽胞に対し高い即効性殺菌力を持たせるために、本発明の効果を損なわない範囲で、(D)次亜塩素酸若しくはその塩(以下(D)成分という)を用いてもよい。
本発明の組成物は、(D)成分として次亜塩素酸、またはそのナトリウム塩もしくはカリウム塩を使用できる。本発明の組成物は、(D)成分を0.005〜15重量%、更に0.1〜10重量%含有することが好ましい。また、希釈液中の(D)成分の濃度(使用時濃度)が、0.0001〜10重量%で使用するのが好ましく、更に、0.0005〜5重量%で使用するのが好ましい。
芽胞に対し即効性殺菌力を得るための好ましい(D)成分と(A)成分及び(B)、(C)成分との重量比は、〔(A)+(B)+(C)〕/(D)が1/100〜500/1が好ましく、より好ましくは1/20〜100/1で用いられる。
殺菌剤の大きな弱点は、タンパク質などの有機物に容易に反応し活性を失う点にある。本発明の殺菌剤組成物は、この弱点を克服し、広い殺菌スペクトルを有することから、有機物汚染が著しい食品・食品加工分野において用いることが有用である。
実施例1〜22、比較例1〜7
表1に示す組成の殺菌剤組成物を調製し、供試菌株としてEscherichia coli NBRC3972(以下、大腸菌という)、Pseudomonas aeruginosa NBRC13275(以下、緑膿菌という)、Staphyllococcus aureus NBRC13276(以下、黄色ブドウ球菌という)、Bacillus cereus ATCC9139芽胞(以下、セレウス菌芽胞という)を用い、以下の方法で殺菌力を測定した。
前記殺菌剤組成物を、100倍希釈になるようにLuria−Bertani培地(以下LB培地という)に添加する(殺菌剤組成物を添加したLB培地を、以下、LB試験液という)。ここで、LB培地の組成は、Tryptone peptone 10g/l、Yeast Extract 5g/l、NaCl 5g/l、残部は水であり、pHは7.2である。有機汚れの存在下での殺菌力を評価するために、本殺菌試験では有機汚れのモデルであるLB培地中で菌と殺菌剤組成物を接触させる。10mlのプラスチック製試験管を用い、LB試験液5mlに対し、各種菌液5.0×108 CFU/mlのものを100μl添加し、各種菌濃度が1.0×107 CFU/mlである菌懸濁LB試験液を得た。菌懸濁LB試験液を、25℃において120rpmで振盪し、一定時間ごとに標準寒天培地〔日本製薬(株)製〕に塗布し、コロニーカウント法により生残菌数(CFU/ml)を測定した。殺菌効果は次の通り定義する。
殺菌効果(log reduction)=log10(1.0×107/殺菌剤処理後の生残菌数)
結果を表1に示す。
Figure 0005068467
表中の成分は以下のものである。
・モノグリセリンラウリン酸エステル:サンソフト750H〔モノグリセリンラウレート85%以上、ポリグリセリンラウレート少量含有;太陽化学(株)製〕
・ジグリセリンラウリン酸エステル:サンソフトQ−12D〔太陽化学(株)製〕
・有機ホスホン酸系キレート剤(1):ディクエスト2016(1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸ナトリウム;ソルーシア社製、有効分30重量%)を、有効分換算で表中の濃度となるように使用した。
・有機ホスホン酸系キレート剤(2):ディクエスト2010(1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸;ソルーシア社製、有効分60重量%)を、有効分換算で表中の濃度となるように使用した。
・有機ホスホン酸系キレート剤(3):ディクエスト7000(ホスホン酸トリカルボン酸;ソルーシア社製、有効分50重量%)を、有効分換算で表中の濃度となるように使用した。
・ポリマー系キレート剤(1):ソカランCP5(アクリル酸−マレイン酸コポリマー;BASF社製)
・ポリマー系キレート剤(2):ソカランCP7(アクリル酸−マレイン酸コポリマー;BASF社製)
・ポリマー系キレート剤(3):オリゴマーD〔ポリアクリル酸;花王(株)製〕
・ジグリコール酸:和光純薬工業(株)製
・酢酸−酢酸ナトリウム:氷酢酸と酢酸ナトリウム〔共に和光純薬工業(株)製〕を用いた緩衝液であり、両者の比率を変えて、殺菌剤組成物の使用時のpH(25℃での殺菌剤組成物の1重量%水溶液のpH)を5.5又は8.0に調整した。
表1の結果から、多量の有機物存在下で、モノグリセリンラウリン酸エステル、ジグリセリンラウリン酸エステルは、黄色ブドウ球菌、セレウス菌芽胞といったグラム陽性菌に殺菌活性を示している。それらに有機ホスホン酸系キレート剤であるディクエスト2016、ディクエスト2010、ディクエスト7000あるいはポリマー系キレート剤であるソカランCP5、ソカランCP7、オリゴマーDを添加することで、グラム陽性菌に対する持続性殺菌力を高めている。更に、(C)成分(pH調整剤)によりpHを8に上昇させたとき、pKCaが4.0以上である場合、大腸菌、緑膿菌といったグラム陰性菌に対する即効性が得られる。
実施例23〜30、比較例8〜11
表2に示す殺菌剤組成物を調製し、有機物汚れモデルとしてアルブミンを用い、供試菌株としてEscherichia coli NBRC3972(以下、大腸菌という)、Bacillus cereus ATCC9139芽胞(以下、セレウス菌芽胞という)を用い、実施例1等の殺菌力の測定において、LB培地に代えて1重量%アルブミン水溶液を用いる以外は同様にして(ただし、LB試験液はアルブミン試験液、菌懸濁LB試験液は菌懸濁アルブミン試験液と読み替える)殺菌力を測定した。結果を表2に示す。
配合自由度を確認するために、アルブミン試験液中の残存する次亜塩素酸ナトリウム濃度を、有効塩素濃度により測定した。有効塩素濃度測定には、ヨウ化カリウム適定法を用いた。結果を表2に示す。
Figure 0005068467
表中の成分は以下の通りである。
・モノグリセリンラウリン酸エステル:サンソフト750H〔モノグリセリンラウレート85%以上、ポリグリセリンラウレート少量含有;太陽化学(株)製〕
・ジグリセリンラウリン酸エステル:サンソフトQ−12D〔太陽化学(株)製〕
・有機ホスホン酸系キレート剤(1):ディクエスト2016(1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸ナトリウム;ソルーシア社製、有効分30重量%)を、有効分換算で表中の濃度となるように使用した。
・ポリマー系キレート剤(1):ソカランCP5(アクリル酸−マレイン酸コポリマー;BASF社製)
・EDTA−2Na:クレワットN〔エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム;帝国化学産業(株)製〕
・次亜塩素酸ナトリウム:南海化学工業(株)製
・アルブミン:牛血清アルブミン(BSA、シグマアルドリッチ社製)
・酢酸−酢酸ナトリウム:氷酢酸と酢酸ナトリウム〔共に和光純薬工業(株)製〕を用いた緩衝液であり、両者の比率を変えて、殺菌剤組成物の使用時のpH(25℃での殺菌剤組成物の1重量%水溶液のpH)を5.5又は8.0に調整した。
表2の結果から、キレート剤としてEDTA−2Naを用いると、次亜塩素酸ナトリウム濃度が即時的に分解されることがわかる。これに対し、有機ホスホン酸系キレート剤あるいはポリマー系キレート剤を用いることで、反応性の高い次亜塩素酸ナトリウムと共存下でも反応することなく、有効塩素濃度が安定に保たれる。これにアルブミンを添加すると、実施例23〜30では、1分の殺菌処理で4桁の殺菌効果が見られ、次亜塩素酸ナトリウムを添加することによる芽胞に対する即効性殺菌力が確認できる。

Claims (7)

  1. (A)モノ又はポリグリセリンモノ脂肪酸エステル、並びに、(B)ポリマー系キレート剤から選ばれる1種以上のキレート剤を含有する殺菌剤組成物であって、ポリマー系キレート剤が、ポリアクリル酸、アクリル酸−マレイン酸コポリマー、及び、それらの塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上である、殺菌剤組成物。
  2. 更に(C)pH調整剤を含有する、請求項1記載の殺菌剤組成物。
  3. 更に、(D)次亜塩素酸、又はその塩を含有する、請求項1又は2記載の殺菌剤組成物。
  4. (A)のグリセリン重合度が1〜10、脂肪酸炭素数が8〜12である、請求項1〜3の何れか1項記載の殺菌剤組成物。
  5. 25℃における組成物の1重量%水溶液のpHが6〜10である請求項1〜4の何れか1項記載の殺菌剤組成物。
  6. 25℃における組成物の1重量%水溶液のカルシウムキレート安定度定数(pKCa)が4.0以上である請求項1〜5の何れか1項記載の殺菌剤組成物。
  7. 食品又は食品加工設備に用いられる、請求項1〜6記載の何れか1項記載の殺菌剤組成物。
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