JP2018035123A - 芽胞形成菌の殺菌用組成物及び殺菌方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】次亜塩素酸、亜塩素酸、又はそれらの塩等の塩素系殺菌物質を使用する殺菌手法において、タンパク質汚れ等の洗浄効果が高いアルカリ条件下を保ちつつ、高い耐久性の芽胞形成菌に対して高い殺菌効果を有する組成物及び殺菌方法を提供すること。【解決手段】次亜塩素酸、亜塩素酸、及びそれらの塩より選ばれる1種以上と、有機酸又はその塩とを配合してなる芽胞形成菌を殺菌するための組成物であって、該組成物のpHが8より高い、組成物、並びに当該組成物を用いて芽胞形成菌を殺菌する方法。【選択図】なし

Description

本発明は、芽胞形成菌に対する殺菌用組成物及び殺菌方法に関する。
従来より、食品用の各種器具・設備等を汚染する細菌の殺菌・消毒用として次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、過酢酸、ヨードホール等が使用されてきた。なかでも、費用面と効果から最も汎用的に使用されてきたのは次亜塩素酸ナトリウム等の次亜塩素酸系化合物である。
一部の細菌は周囲の環境が悪い状態に置かれると耐久性の極めて高い芽胞という細胞構造を取ることが知られている。芽胞を作る能力のある菌のことを芽胞形成菌と呼び、芽胞形成菌はこの高い耐久性のため、殺菌が難しく、食品工場等で最終製品に混入した場合、品質低下や食中毒の問題を引き起こす可能性がある。
そこで、芽胞形成菌を殺菌できる技術や殺菌剤が求められているが、次亜塩素酸塩単独ではその濃度を非常に高くしないと殺菌できず、安全性の面から倦厭されている。
低濃度の次亜塩素酸塩で高い殺菌効率を得るためにこれまでも種々の検討がなされている。
特許文献1には、塩素系殺菌剤とポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、有機酸を併用する方法が、特許文献2には、次亜塩素酸塩と有機酸とその塩を併用してpHを低下させて殺菌効率を上げる方法が開示されているが、芽胞への殺菌については述べられていない。
特許文献3には、次亜塩素酸塩と界面活性剤と有機酸を併用し、低pH条件下で作用させること、特許文献4では次亜塩素酸塩と有機酸を併用し、低pH条件下で作用させることが開示されている。また、特許文献5には、pHが4〜8に調整された次亜塩素酸含有塩素系殺菌剤を40℃〜80℃に加温した状態で接触させることを特徴とする殺菌方法が開示されており、当該方法では、pH調整剤を用いて殺菌剤のpHを4〜8に調整しているが、使用時に殺菌剤を40℃〜80℃に加温する必要があった。
上記特許文献3〜5に記載される方法では、いずれも殺菌剤のpHを調整する必要があり、工場等で使用するには煩雑な作業が必要である。また、次亜塩素酸塩はpH4ないし5以下では塩素ガスが発生する可能性があることから、pH調整は危険を伴う作業である。
特許文献6には、次亜塩素酸塩又は次亜塩素酸と、pH調整剤とを含有する、芽胞形成菌の殺菌用組成物が記載されている。しかしながら、当該特許文献の比較例に記載されるように、上記殺菌用組成物は、pH11では、タンパク質に対する洗浄力や菌に対する殺菌力が十分に得られず、pHを5〜6.5程度にする必要があった。
特開2005−323572号公報 特開2002−249407号公報 特開2002−161011号公報 特開2003−34605号公報 特開2002−332018号公報 特開2001−342496号公報
食品工場等では殺菌と同時にラインの洗浄を行っているが、タンパク質汚れ等の洗浄にはアルカリ条件下で行うほうが中性・酸性条件下よりも洗浄効果が高いため、アルカリ条件下でタンパク質汚れ等の洗浄効果を保ちつつ、高い耐久性の芽胞形成菌に対して高い殺菌効果が得られる組成物及び殺菌方法が求められていた。
したがって、本発明は、次亜塩素酸、亜塩素酸、又はそれらの塩等の塩素系殺菌物質を使用する殺菌手法において、タンパク質汚れ等の洗浄効果が高いアルカリ条件下を保ちつつ、高い耐久性の芽胞形成菌に対して高い殺菌効果を有する組成物及び殺菌方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、次亜塩素酸、亜塩素酸、及びそれらの塩より選ばれる1種以上と、有機酸又はその塩とを配合してなる組成物を用いることにより、組成物のpHが8より高いアルカリ条件下においても、芽胞形成菌に対して高い殺菌効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のものを提供する。
〔1〕次亜塩素酸、亜塩素酸、及びそれらの塩より選ばれる1種以上と、有機酸又はその塩とを配合してなる芽胞形成菌を殺菌するための組成物であって、該組成物のpHが8より高い、組成物。
〔2〕前記有機酸又はその塩が、クエン酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上である、〔1〕に記載の組成物。
〔3〕前記芽胞形成菌がバチラス属細菌である、〔1〕又は〔2〕に記載の組成物。
〔4〕次亜塩素酸、亜塩素酸、及びそれらの塩より選ばれる1種以上と、有機酸又はその塩とを配合してなる組成物を用いて、芽胞形成菌を殺菌する方法であって、該組成物のpHが8より高い、方法。
〔5〕前記有機酸又はその塩が、クエン酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上である、〔4〕に記載の方法。
〔6〕前記芽胞形成菌がバチラス属細菌である、〔4〕又は〔5〕に記載の方法。
従来は、pHを下げることにより組成物中に含まれる次亜塩素酸の殺菌効果を高めていたところ、本発明によれば、有機酸又はその塩と次亜塩素酸又はその塩とを併用することにより、pHを下げなくてもよいことから、タンパク質汚れ等の洗浄効果が高いアルカリ条件下を保ちつつ、高い耐久性の芽胞形成菌に対して十分な殺菌効果を達成することができる。また、pHが8よりも高いことから、塩素ガスが発生する心配もない。
本発明は、次亜塩素酸、亜塩素酸、及びそれらの塩より選ばれる1種以上と、有機酸又はその塩とを配合してなる芽胞形成菌を殺菌するための組成物であって、該組成物のpHが8より高い、組成物、並びに当該組成物を用いて芽胞形成菌を殺菌する方法を提供する。
(1)次亜塩素酸、亜塩素酸、及びそれらの塩(本明細書中以下で、これらの化合物をまとめて「塩素系化合物」とも称する)
次亜塩素酸又は亜塩素酸の「塩」としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等が挙げられるが、費用と効果の面から、次亜塩素酸又はその塩を使用することが好ましく、次亜塩素酸ナトリウムを用いることが特に好ましい。
次亜塩素酸又は亜塩素酸の塩は、水のような溶媒中では、残留塩素として、Cl、HClO、ClO、ClO 等の形で存在し、通常、有効塩素濃度でその配合量が示される。
したがって、有効塩素濃度で本発明の組成物中に配合すべき塩素系化合物の量を例示すると、本発明で採用される有効塩素濃度は、通常1〜5,000ppm、好ましくは10〜1,000ppm、更に好ましくは50〜500ppmである。ここで、有効塩素濃度は、有機酸又はその塩との配合(又は混合)後、経時的に変化する可能性があるが、配合(又は混合)直後であっても、或いはある程度の時間をおいた後であっても、配合された組成物中の有効塩素濃度が、上記通常又は好ましい濃度の範囲内であれば、本発明の効果は十分に奏されうる。なお、濃度を低く設定しすぎると所望の殺菌効果が十分に得られないことがあり、また、濃度を高く設定しすぎると使用の際に、金属の腐食等の問題が生じることがある。
有効塩素濃度の測定方法は、塩素系殺菌剤の分野で周知であり、例えば、有効塩素濃度は、JIS K−0101 ヨウ素法により測定することができる。
(2)有機酸又はその塩(本明細書中以下で、これらの化合物をまとめて「有機酸類」とも称する)
本発明における「有機酸」とは、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、フタル酸、酒石酸、乳酸、マレイン酸、アジピン酸、グルコン酸、マロン酸等が挙げられるが、クエン酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸が好ましい。
有機酸の「塩」としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等の金属塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩が挙げられるが、入手のしやすさから、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩が一般的に用いられる。これらの塩は、水和物等の溶媒和物であってもよい。
組成物に配合すべき「有機酸類」の濃度は、通常0.0005〜5mol/L、好ましくは0.001〜1mol/L、更に好ましくは0.005〜0.5mol/Lである。有機酸類の濃度を低く設定しすぎると、有機酸類を併用の所望の効果が十分に得られないことがある。
(3)本発明の組成物又は方法を適用する対象物
本発明の組成物及び方法は、食品工場等のラインや空間の殺菌、調理器具や食器の殺菌や、食品そのものの殺菌にも使用可能である。
したがって、本発明の組成物及び方法が対象とする対象物は、硬質表面、軟質表面、又は多孔性表面であっても、空間であっても、食品であってもよい。
組成物を使用する際の温度は、特に限定されないが、例えば、あまりにも高温になると次亜塩素酸の分解が起こる可能性があることから、好ましい一例としては、4℃〜50℃程度で使用する態様が挙げられる。
(4)塩素系化合物と有機酸類との配合
組成物の溶媒は、本願発明の目的が達成される限り、任意の溶媒を使用できるが、通常は、水が用いられる。特に、本発明では組成物を水溶液とすることが好ましい。
組成物中に、塩素系化合物と有機酸類を配合する方法は、特に限定されない。例えば、これらの物質を予め配合して(含有させて)おいてもよいし、キットのように別々にしておき使用時に配合(又は混合)してもよいし、更には、例えば、芽胞形成菌が存在しうる箇所に有機酸類含有水溶液を先に適用した後に、塩素系化合物含有水溶液を適用してもよい(すなわち、適用箇所にて配合されて(又は混合されて)組成物が形成されるin situのような態様でもよい)。
更には、塩素系化合物と有機酸類のプレミックスを作製しておき、プレミックスを溶媒に溶解して使用してもよいし、また、塩素系化合物と有機酸類を含有する濃縮物を製造しておき、それを使用前に希釈溶媒で希釈して使用してもよい。
(5)芽胞形成菌
本発明の組成物及び方法が対象とする芽胞形成菌としては、例えば、バチラス属細菌、ゲオバチラス属細菌、パエニバチラス属細菌、モーレラ属細菌、サーモアナエロバクター属細菌、及び、クロストリジウム属細菌等が挙げられるが、特に、バチラス属細菌、中でも、バチラス・コアギュランス(Bacillus coagulans)の殺菌に、本発明の組成物及び方法は効果的である。
(6)pH
本発明の組成物及び方法は、従来の殺菌用組成物や殺菌方法のように、pHを低く設定する必要がなく、8を超えるpHであっても、十分な殺菌効果を達成することができる。
なお、本発明では、pHが8を超えていればよいので、本発明の組成物が構成成分の配合又は混合のみによって本発明で特定されるpHの規定を満たす場合には、組成物のpHを調整する作業は別途行わなくてもよい。
本発明におけるpHは、8を超えていればよく、例えば、8.1又はそれ以上、8.2又はそれ以上、8.3又はそれ以上、8.4又はそれ以上、8.5又はそれ以上、8.6又はそれ以上、8.7又はそれ以上、8.8又はそれ以上、8.9又はそれ以上、9又はそれ以上、9.1又はそれ以上、9.2又はそれ以上、9.3又はそれ以上、9.4又はそれ以上、9.5又はそれ以上等の下限値を設定してもよい。
本発明の組成物及び方法の特徴の一つは8を超えるpHを採用している点なので、pHの上限値は本発明所望の効果が奏される限り特段限定されるものではない。しかしながら、敢えて例示するならば、安全性の点から、例えば、11又はそれ以下、10.9又はそれ以下、10.8又はそれ以下、10.7又はそれ以下、10.6又はそれ以下、10.5又はそれ以下、10.4又はそれ以下、10.3又はそれ以下、10.2又はそれ以下、10.1又はそれ以下、10又はそれ以下、9.9又はそれ以下、9.8又はそれ以下、9.7又はそれ以下、9.6又はそれ以下等の上限値を設定することができる。
pHは温度により変化する可能性もあるが、上記の値は、好ましくは20〜25℃程度、特に好ましくは25℃程度又は23℃程度で測定した値である。pHの測定方法としては、本技術分野で周知ないし慣用の測定方法を使用することができ、例えば、(株)堀場製作所製F−14等の市販のpHメーターを使用して測定することができる。
(7)その他
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて、界面活性剤や、pH調整剤等、塩素系殺菌剤の分野で公知ないし周知の任意成分を加えてもよい。
本発明の組成物及び方法は、芽胞形成菌を対象としているが、本願発明の効果が奏される限り、芽胞形成菌以外が同時に殺菌されてもよい。また、芽胞形成菌以外の存在しうる菌も一緒に標的としたり、特定のタンパク質汚れを更に取り除くために、他の殺菌用組成物や殺菌方法、洗浄剤組成物や洗浄方法を併用してもよい。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、これらの実施例は、本発明の具体的な実施態様の代表例である。したがって、本発明の効果が奏される限り、実施例に記載される態様に適宜改変を加えてもよいことが理解されるべきであり、本発明は、以下の実施例に記載される態様のみに限定されるものではない。
実施例及び比較例の菌数残存率の計算には下記の式を用いた。
残存率(%)=(B/A)×100
A:有効塩素濃度200ppmの次亜塩素酸ナトリウム処理後の残存菌数(個/mL)
B:有機酸塩水溶液又は有機酸緩衝液+有効塩素濃度200ppmの次亜塩酸ナトリウム処理後の残存菌数(個/mL)
実施例及び比較例においては以下の材料を用いた。
塩素系化合物
次亜塩素酸ナトリウム:次亜塩素酸ナトリウム溶液(アンチホルミン)
有効塩素濃度≧5%(和光純薬工業(株)より入手)
有機酸類
乳酸ナトリウム(和光純薬工業(株)より入手)
リンゴ酸ナトリウム(和光純薬工業(株)より入手)
酒石酸ナトリウム2水和物(和光純薬工業(株)より入手)
酢酸ナトリウム(和光純薬工業(株)より入手)
クエン酸3ナトリウム2水和物(和光純薬工業(株)より入手)
クエン酸1水和物(関東化学(株)より入手)
芽胞形成菌
バチラス・コアギュランスの芽胞を滅菌水に懸濁し、4×10個/mLとしたものを使用した。
〔実施例1及び比較例1〕
(高pH条件下での有機酸の効果)
上記各成分を、表1中の組成(v/v%)に従って各成分を充分に混合した。室温(20〜25℃)にて混合物を30分静置した後、滅菌水にて希釈した。
これを、BCP加プレートカウントアガール(日水製薬(株)より入手)に撒き、37℃で72時間(±3時間)静置培養した。
培養後、菌数をカウントし、菌の残存率を計算した。
pHは、pHメーター((株)堀場製作所 F−14)を用いて、23±2℃で測定した。
Figure 2018035123
以上の結果から、次亜塩素酸塩と有機酸塩を組み合わせることにより、pHが8より高いアルカリ条件下においても効率よく芽胞を殺菌できることが確認された。
〔実施例2及び比較例2〕
(pHによる効果)
500mMクエン酸3ナトリウム2水和物溶液と500mMクエン酸1水和物溶液を用いて、pH4.5及びpH7.5のクエン酸緩衝液を調製した。また、水酸化ナトリウムを用いてpH調整を行い、500mMクエン酸ナトリウム溶液(pH9.0)を調製した。これらの溶液を用いて、表2中の組成(v/v%)に従って各成分を充分に混合した。室温(20〜25℃)にて30分静置した後、滅菌水にて希釈した。
これを、BCP加プレートカウントアガール(日水製薬(株)より入手)に撒き、37℃72時間(±3時間)静置培養を行った。
培養後、菌数をカウントし、菌の残存率を計算した。
Figure 2018035123
以上の結果から、次亜塩素酸塩と有機酸を組み合わせた際、pHを8より高いアルカリ条件下とすることにより、効率よく芽胞を殺菌できることが確認された。
〔実施例3及び比較例3〕
(有機酸類の濃度による効果への影響)
有機酸類の濃度を変化させた際の効果を確認するために、水酸化ナトリウムを用いてpH調整を行い、500mMクエン酸ナトリウム溶液(pH9.0)を調製した。これを用いて、表3中の組成(v/v%)に従って各成分を充分に混合した。室温(20〜25℃)にて30分静置した後、適宜滅菌水にて希釈した。
これを、BCP加プレートカウントアガール(日水製薬(株)より入手)に撒き、37℃72時間(±3時間)静置培養を行った。
培養後、菌数をカウントし、菌の残存率を計算した。
Figure 2018035123
以上の結果から、有機酸の濃度を変化させても濃度には依存せずに、pHを8より高いアルカリ条件下とすれば、本発明の効果は維持されることが確認された。

Claims (6)

  1. 次亜塩素酸、亜塩素酸、及びそれらの塩より選ばれる1種以上と、有機酸又はその塩とを配合してなる芽胞形成菌を殺菌するための組成物であって、該組成物のpHが8より高い、組成物。
  2. 前記有機酸又はその塩が、クエン酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記芽胞形成菌がバチラス属細菌である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 次亜塩素酸、亜塩素酸、及びそれらの塩より選ばれる1種以上と、有機酸又はその塩とを配合してなる組成物を用いて、芽胞形成菌を殺菌する方法であって、該組成物のpHが8より高い、方法。
  5. 前記有機酸又はその塩が、クエン酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記芽胞形成菌がバチラス属細菌である、請求項4又は5に記載の方法。
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