JP5067537B2 - 多核フェノールを含むレジスト下層膜形成組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置の製造に使用される基板とフォトレジストの間に下層膜を形成するための組成物に関する。詳しくは、半導体装置製造のリソグラフィ−工程においてフォトレジストの下層に使用される下層膜を形成するためのリソグラフィ−用下層膜形成組成物に関する。また、当該下層膜形成組成物を用いたフォトレジストパタ−ンの形成方法に関する。
従来から半導体装置の製造において、フォトレジストを用いたリソグラフィ−による微細加工が行われている。前記微細加工はシリコンウエハ−等の半導体基板上にフォトレジストの薄膜を形成し、その上に半導体デバイスのパタ−ンが描かれたマスクパタ−ンを介して紫外線などの活性光線を照射し、現像し、得られたフォトレジストパタ−ンを保護膜として基板をエッチング処理することにより、基板表面に、前記パタ−ンに対応する微細凹凸を形成する加工法である。ところが、近年、半導体デバイスの高集積度化が進み、使用される活性光線もKrFエキシマレーザー(248nm)からArFエキシマレーザー(193nm)へ、またそれより更に短波長化される傾向にある。これに伴い活性光線の半導体基板からの反射の影響が大きな問題となってきた。そこで、この問題を解決すべく、フォトレジストと基板の間に反射防止膜(bottom anti−reflective coating)を設ける方法が広く検討されている。かかる反射防止膜としては、その使用の容易さなどから、吸光基を有するポリマ−等からなる有機反射防止膜について数多くの検討が行われている。例えば、架橋反応基であるヒドロキシル基と吸光基を同一分子内に有するアクリル樹脂型反射防止膜や架橋反応基であるヒドロキシル基と吸光基を同一分子内に有するノボラック樹脂型反射防止膜等が挙げられる。
反射防止膜に要求される特性としては、光や放射線に対して大きな吸光度を有すること、フォトレジストとのインタ−ミキシングが起こらないこと(フォトレジスト溶剤に不溶であること)、加熱焼成時に反射防止膜から上層のフォトレジストへの低分子物質の拡散が生じないこと、フォトレジストに比べて大きなドライエッチング速度を有すること等がある。
また、近年、半導体装置のパタ−ンル−ルの微細化の進行に伴い明らかになってきた配線遅延の問題を解決するために、配線材料として銅を使用する検討が行われている。そして、それと共に半導体基板への配線形成方法としてデュアルダマシンプロセスの検討が行われている。そして、デュアルダマシンプロセスでは、ビアホ−ルが形成されている、大きなアスペクト比を有する基板に対して反射防止膜が形成されることになる。そのため、このプロセスに使用される反射防止膜に対しては、ホ−ルを隙間なく充填することができる埋め込み特性や、基板表面に平坦な膜が形成されるようになる平坦化特性などが要求されている。
しかし、有機系反射防止膜用材料を大きなアスペクト比を有する基板に適用することは難しく、近年、埋め込み特性や平坦化特性に重点をおいた材料が開発されるようになってきた(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
また、半導体などのデバイス製造において、誘電体層によるフォトレジスト層のポイズニング効果を減少させるために、架橋可能なポリマ−等を含む組成物より形成されるバリア層を誘電体層とフォトレジストの間に設けるという方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
2層又は3層レジストプロセス用下層膜として、エッチング耐性、反射防止効果、耐ポイゾニング効果の高い下層膜として、複数のビスフェノール基を有する化合物を含有するレジスト下層膜が開示されている(例えば、特許文献4、特許文献5)。
また、近年、半導体基板とフォトレジストとの間の下層膜として、シリコンやチタン等の金属元素を含むハ−ドマスクとして知られる膜を使用することが行なわれている(例えば、特許文献6、特許文献7参照)。この場合、フォトレジストとハ−ドマスクでは、その構成成分に大きな違いが有るため、それらのドライエッチングによって除去される速度は、ドライエッチングに使用されるガス種に大きく依存する。そして、ガス種を適切に選択することにより、フォトレジストの膜厚の大きな減少を伴うことなく、ハ−ドマスクをドライエッチングによって除去することが可能となる。そのため、フォトレジストとハ−ドマスクとを使用した場合は、フォトレジストが薄膜であっても、半導体基板加工のための保護膜(フォトレジストとハ−ドマスクよりなる)としての十分な膜厚を確保できると考えられている。
このように、近年の半導体装置の製造においては、反射防止効果を初め、さまざまな効果を達成するために、半導体基板とフォトレジストの間に下層膜が配置されるようになってきている。そして、これまでも下層膜用の組成物の検討が行なわれてきているが、その要求される特性の多様性などから、下層膜用の新たな材料の開発が望まれている。
ところで、シリコンとシリコンの結合を有する化合物を用いた組成物やパタ−ン形成方法が知られている(例えば、特許文献8、特許文献9、特許文献10参照)。
ノボラック状シランを含むポリマ−を含有する反射防止層形成用組成物が開示されている。これは主鎖にノボラック基と側鎖にクラスタ−状シランを有するものである。そして、酸発生剤及び架橋性化合物を含有することができるものである(特許文献11参照)。
ポリカルボシランを含む樹脂を用いるハ−ドマスク材料が開示されている(例えば特許文献12、特許文献13)。
特開2002−47430号公報 国際公開第02/05035号パンフレット 特開2002−128847号公報 特開2006−259482号公報 特開2006−259249号公報 特開2005−55893号公報 特開2005−15779号公報 特開平10−209134号公報 特開平10−268526号公報 特開2002−107938号公報 特開2005−115380号公報 特開2001−93824号公報 特開2005−70776号公報
本発明の目的は、半導体装置の製造に用いることのできるリソグラフィ−用下層膜形成組成物を提供することにある。詳しくは、ハ−ドマスクとして使用できるレジスト下層膜を形成するためのリソグラフィ−用下層膜形成組成物を提供することである。また、反射防止膜として使用できるレジスト下層膜を形成するためのリソグラフィ−用下層膜形成組成物を提供することである。また、フォトレジスト(単に、レジストとも呼ぶ。)とのインタ−ミキシングを起こさず、フォトレジストに比較して大きなドライエッチング速度を有するリソグラフィ−用下層膜及び該下層膜を形成するための下層膜形成組成物を提供することである。
そして、該リソグラフィ−用下層膜形成組成物を用いたフォトレジストパタ−ンの形成方法を提供することである。
本発明は第1観点として、ケイ素含有ポリマー(a)、及び多核フェノール(b)を含む半導体装置製造のリソグラフィー工程に用いるレジスト下層膜形成組成物、
第2観点として、ケイ素含有ポリマー(a)が、ポリシロキサン(a1)、ポリシラン(a2)、ポリカルボシラン(a3)、又はそれらの組み合わせである第1観点に記載のレジスト下層膜形成組成物、
第3観点として、ポリシロキサン(a1)が式(a1−1):
Figure 0005067537
(但し、Rはそれぞれ水素原子、ヒドロキシル基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数7〜15のアリールアルキル基、炭素原子数6〜14のアリ−ル基、炭素原子数7〜15のアリ−ルオキシアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、または炭素原子数2〜10のアルコキシアルキル基を表し、mは繰り返し単位の数であって10〜300を示す。)、式(a1−2):
Figure 0005067537
(但し、R及びmは式(1)と同じ。)、式(a1−3):
Figure 0005067537
(但し、mは式(1)と同じ。)、又はそれらの組み合わせである第2観点に記載のレジスト下層膜形成組成物、
第4観点として、ポリシラン(a2)が式(a2−1):
Figure 0005067537
(但し、R及びmは式(a1−1)と同じ。)、式(a2−2):
Figure 0005067537
(但し、R及びmは式(a1−1)と同じ。)、又はそれらの組み合わせである第2観点に記載のレジスト下層膜形成組成物、
第5観点として、ポリカルボシラン(a3)が式(a3−1):
Figure 0005067537
(但し、R及びmは式(a1−1)と同じ。)、式(a3−2):
Figure 0005067537
(但し、R及びmは式(a1−1)と同じ。nは繰り返し単位の数であって1〜10を示す。)、又はそれらの組み合わせである第2観点に記載のレジスト下層膜形成組成物、
第6観点として、ケイ素含有ポリマー(a)が、ポリシロキサン(a1)である第1観点又は第2観点に記載のレジスト下層膜形成組成物、
第7観点として、レジスト下層膜中のケイ素含有量が、5〜40質量%である第1観点乃至第6観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物、
第8観点として、多核フェノール(b)が、分子内に2乃至30個のフェノール性水酸基を有する化合物である第1観点乃至第7観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物、
第9観点として、多核フェノール(b)が、分子内に2乃至10個のフェノール基を有する化合物である第1観点乃至第8観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物、
第10観点として、多核フェノール(b)が、式(b1−1):
Figure 0005067537
(ただし、式(b1−1)中でRはそれぞれベンゼン環の水素原子の置換基であって、水酸基、ハロゲン基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜18のアリール基、炭素原子数6〜25のアリールアルキル基、炭素原子数2〜10のアルキルカルボニル基、炭素原子数2〜10のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数2〜10のアルキルカルボニルアミノ基、炭素原子数2〜10のアリールオキシアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又はそれらの組み合わせからなる有機基であり、Rは単結合、又は2〜4価で炭素原子数1〜10のアルキル基、若しくは炭素原子数6〜25のアリールアルキル基を示し、mは1〜5の整数であり、nは0≦n≦5−mの整数であり、qは2〜4の整数を示す。)、式(b1−2):
Figure 0005067537
(ただし、式(b1−2)中のR及びRはそれぞれ式(b1−1)中のRと同じあり、Rは単結合、又は2〜6価で炭素原子数1〜10のアルキル基、若しくは炭素原子数6〜25のアリールアルキル基を示し、mは1〜5の整数であり、nは0≦n≦5−mの整数であり、k及びsはそれぞれ1〜3の整数を示す。)、式(b1−3):
Figure 0005067537
(ただし、式(b1−3)中のR及びRはそれぞれ式(b1−1)中のRと同じであり、Rは単結合、又は2価で炭素原子数1〜10のアルキル基、若しくは炭素原子数6〜25のアリールアルキル基であり、m1は1〜4の整数であり、m2は1〜5の整数であり、mは0≦m≦4−m1、nは0≦n≦5−m2、tは1〜4の整数を示す。)、又はそれらの組み合わせである第1観点乃至第9観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物、
第11観点として、更に架橋触媒を含む第1観点乃至第10観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物、
第12観点として、更に光酸発生剤を含む第1観点乃至第11観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物、
第13観点として、第1観点乃至第12観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物を半導体基板上に塗布し焼成してレジスト下層膜を形成することによって得られるレジスト下層膜、
第14観点として、第1観点乃至第12観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物を半導体基板上に塗布し焼成してレジスト下層膜を形成する工程を含む半導体の製造に用いられるフォトレジストパタ−ンの形成方法、
第15観点として、半導体基板に第1観点乃至第12観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物によりレジスト下層膜を形成する工程、その上にレジスト膜を形成する工程、露光と現像によりレジストパタ−ンを形成する工程、レジストパタ−ンにより該下層膜をエッチングする工程、及びパタ−ン化された下層膜により半導体基板を加工する工程を含む半導体装置の製造方法、及び
第16観点として、半導体基板に有機下層膜を形成する工程、その上に第1観点乃至第12観点のいずれか一つに記載のレジスト下層膜形成組成物によりレジスト下層膜を形成する工程、更にその上にレジスト膜を形成する工程、露光と現像によりレジストパタ−ンを形成する工程、レジストパタ−ンによりレジスト下層膜をエッチングする工程、パタ−ン化されたレジスト下層膜により有機下層膜をエッチングする工程、及びパタ−ン化された有機下層膜により半導体基板を加工する工程を含む半導体装置の製造方法である。
本発明のリソグラフィ−用下層膜形成組成物により、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、又はF2エキシマレーザー(波長157nm)等を用いた微細加工において、フォトレジストとのインタ−ミキシングを起こさず、基板からの反射光を効果的に吸収して反射防止膜として機能する下層膜を提供することができる。
また、本発明の下層膜形成組成物により、反射防止効果を初め、種々の効果を有する優れた下層膜を提供することができる。
また、本発明のリソグラフィ−用下層膜形成組成物を用いることにより、良好な形状のフォトレジストパタ−ンを形成することができる。
本発明において、ケイ素含有ポリマーと、多核フェノールを組み合わせると、レジスト下層膜形成組成物は極めて安定な組成物となる。従って、レジスト下層膜形成組成物は成分の析出や凝集体の発生を防止することができる。この様な溶解安定性の高いレジスト下層膜形成組成物は、半導体装置製造のリソグラフィープロセスで、半導体基板上に塗布後に乾燥する工程で溶解成分の局在化防止が達成できる。それによって、得られたレジスト下層膜は均一な膜となり、極めて良好なパターン形状(矩形)が得られる。
また、多核フェノール中のフェノール性水酸基は、架橋材と反応し、三次元的な架橋構造を形成する。このため、現像液(アルカリ性水溶液)にも上塗りフォトレジスト溶剤(有機溶剤)にも溶けにくく、極めて高い耐性を有する。この為、レジストとのインターミキシングが起こらず(溶剤耐性)、またレジストパターン形成時の現像液による溶解も起こらない(現像液耐性)。
特に、ケイ素含有ポリマーにおいては、有機ポリマーよりも現像液(アルカリ性水溶液)に対する溶解性が高くなる傾向があるが、ケイ素含有ポリマーに多核フェノールを加えることで、この様な現象を防止し、高い現像液耐性を有するものである。
本発明は、ケイ素含有ポリマー、及び多核フェノールを含むリソグラフィー工程に用いるレジスト下層膜形成組成物である。
本発明のレジスト下層膜形成組成物は、ケイ素含有ポリマー、多核フェノール、及び溶剤を含み、任意成分として架橋触媒、その他の添加成分を含有する事ができる。レジスト下層膜中のケイ素含有量は5〜40質量%であることが好ましい。レジスト下層膜中のケイ素成分はケイ素含有ポリマーに由来する。
本発明に用いられるレジスト下層膜形成組成物における固形分の割合は、各成分が均一に溶剤に溶解している限り特に限定はないが、例えば1〜50質量%であり、または5〜40質量%であり、または10〜30質量%である。固形分はレジスト下層膜形成組成物から溶剤を取り除いた残りの成分である。
レジスト下層膜形成組成物において、ケイ素含有ポリマーは固形分当たり10質量%以上であり、例えば30質量%〜99質量%であり、例えば50質量%〜95質量%であり、例えば65質量%〜90質量%である。
ケイ素含有ポリマーは、ポリシロキサン、ポリシラン、ポリカルボシラン、又はそれらの組み合わせである。そして、ケイ素含有ポリマーはポリシロキサンであることが好ましい。
ポリシロキサン(a1)が式(a1−1)、(a1−2)、(a1−3)、又はこれらの組み合わせである。
但し、Rはそれぞれ水素原子、ヒドロキシル基、炭素原子数1〜10の環状又は鎖状アルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数7〜15のアラルキル基、炭素原子数6〜14のアリ−ル基、炭素原子数7〜15のアリ−ルオキシアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、または炭素原子数2〜10のアルコキシアルキル基を表し、mは繰り返し単位の数であって10〜300を示す。
式(a1−2)においてR及びmは式(a1−1)と同じである。
式(a1−3)において、mは式(a1−1)と同じである。
上記アルキル基としては環状又は鎖状アルキル基が上げられる。炭素原子数1〜10の環状アルキル基としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、1−メチル−シクロプロピル、2−メチル−シクロプロピル、シクロペンチル、1−メチル−シクロブチル、2−メチル−シクロブチル、3−メチル−シクロブチル、1,2−ジメチル−シクロプロピル、2,3−ジメチル−シクロプロピル、1−エチル−シクロプロピル、2−エチル−シクロプロピル、シクロヘキシル、1−メチル−シクロペンチル、2−メチル−シクロペンチル、3−メチル−シクロペンチル、1−エチル−シクロブチル、2−エチル−シクロブチル、3−エチル−シクロブチル、1,2−ジメチル−シクロブチル、1,3−ジメチル−シクロブチル、2,2−ジメチル−シクロブチル、2,3−ジメチル−シクロブチル、2,4−ジメチル−シクロブチル、3,3−ジメチル−シクロブチル、1−n−プロピル−シクロプロピル、2−n−プロピル−シクロプロピル、1−i−プロピル−シクロプロピル、2−i−プロピル−シクロプロピル、1,2,2−トリメチル−シクロプロピル、1,2,3−トリメチル−シクロプロピル、2,2,3−トリメチル−シクロプロピル、1−エチル−2−メチル−シクロプロピル、2−エチル−1−メチル−シクロプロピル、2−エチル−2−メチル−シクロプロピル及び2−エチル−3−メチル−シクロプロピル等が挙げられる。
炭素原子数1〜10の鎖状アルキル基としては、直鎖又は分枝を有するアルキル基であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、1−メチル−n−ブチル、2−メチル−n−ブチル、3−メチル−n−ブチル、1,1−ジメチル−n−プロピル、1,2−ジメチル−n−プロピル、2,2−ジメチル−n−プロピル、1−エチル−n−プロピル、n−ヘキシル、1−メチル−n−ペンチル、2−メチル−n−ペンチル、3−メチル−n−ペンチル、4−メチル−n−ペンチル、1,1−ジメチル−n−ブチル、1,2−ジメチル−n−ブチル、1,3−ジメチル−n−ブチル、2,2−ジメチル−n−ブチル、2,3−ジメチル−n−ブチル、3,3−ジメチル−n−ブチル、1−エチル−n−ブチル、2−エチル−n−ブチル、1,1,2−トリメチル−n−プロピル、1,2,2−トリメチル−n−プロピル、1−エチル−1−メチル−n−プロピル及び1−エチル−2−メチル−n−プロピル等が挙げられる。
炭素原子数1〜10のアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、1−メチル−n−ブトキシ、2−メチル−n−ブトキシ、3−メチル−n−ブトキシ、1,1−ジメチル−n−プロポキシ、1,2−ジメチル−n−プロポキシ、2,2−ジメチル−n−プロポキシ、1−エチル−n−プロポキシ、n−ヘキシルオキシ、1−メチル−n−ペンチルオキシ、2−メチル−n−ペンチルオキシ、3−メチル−n−ペンチルオキシ、4−メチル−n−ペンチルオキシ、1,1−ジメチル−n−ブトキシ、1,2−ジメチル−n−ブトキシ、1,3−ジメチル−n−ブトキシ、2,2−ジメチル−n−ブトキシ、2,3−ジメチル−n−ブトキシ、3,3−ジメチル−n−ブトキシ、1−エチル−n−ブトキシ、2−エチル−n−ブトキシ、1,1,2−トリメチル−n−プロピル、1,2,2,−トリメチル−n−プロポキシ、1−エチル−1−メチル−n−プロポキシ、及び1−エチル−2−メチル−n−プロポキシ等が挙げられる。
炭素原子数7〜15のアラルキル基としては、例えばベンジル基、o-メチルベンジル基、m-メチルベンジル基、p-メチルベンジル基、o-クロルベンジル基、m-クロルベンジル基、p-クロルベンジル基、o-フルオロベンジル基、p-フルオロベンジル基、o-メトキシベンジル基、p-メトキシベンジル基、p-ニトロベンジル基、p-シアノベンジル基、フェネチル基、o-メチルフェネチル基、m-メチルフェネチル基、p-メチルフェネチル基、o-クロルフェネチル基、m-クロルフェネチル基、p-クロルフェネチル基、o-フルオロフェネチル基、p-フルオロフェネチル基、o-メトキシフェネチル基、p-メトキシフェネチル基、p-ニトロフェネチル基、p-シアノフェネチル基、3-フェニルプロピル基、4-フェニルブチル基、5-フェニルペンチル基、6-フェニルヘキシル基、α-ナフチルメチル基、β-ナフチルメチル基、o-ビフェニリルメチル基、m-ビフェニリルメチル基、p-ビフェニリルメチル基、1-アントリルメチル基、2-アントリルメチル基、9-アントリルメチル基、1-フェナントリルメチル基、2-フェナントリルメチル基、3-フェナントリルメチル基、4-フェナントリルメチル基、9-フェナントリルメチル基、α-ナフチルエチル基、β-ナフチルエチル基、o-ビフェニリルエチル基、m-ビフェニリルエチル基、p-ビフェニリルエチル基、1-アントリルエチル基、2-アントリルエチル基、9-アントリルエチル基、1-フェナントリルエチル基、2-フェナントリルエチル基、3-フェナントリルエチル基、4-フェナントリルエチル基及び9-フェナントリルエチル基が挙げられる。
炭素原子数6〜14のアリール基としては、例えばフェニル基、o-メチルフェニル基、m-メチルフェニル基、p-メチルフェニル基、o-クロルフェニル基、m-クロルフェニル基、p-クロルフェニル基、o-フルオロフェニル基、p-フルオロフェニル基、o-メトキシフェニル基、p-メトキシフェニル基、p-ニトロフェニル基、p-シアノフェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基、o-ビフェニリル基、m-ビフェニリル基、p-ビフェニリル基、1-アントリル基、2-アントリル基、9-アントリル基、1-フェナントリル基、2-フェナントリル基、3-フェナントリル基、4-フェナントリル基及び9-フェナントリル基が挙げられる
炭素原子数7〜15のアリールオキシアルキル基としては、フェニルオキシメチル基、o-メチルフェニルオキシエチル基、m-メチルフェニルオキシメチル基、p-メチルフェニルオキシプロピル基、o-クロルフェニルオキシメチル基、m-クロルフェニルオキシエチル基、p-クロルフェニルオキシイソプロピル基、o-フルオロフェニルオキシエチル基、p-フルオロフェニルオキシブトキシ基、o-メトキシフェニルオキシ−n−ペンチル基、p-メトキシフェニルオキシ−t−ブチル基、p-ニトロフェニルオキシメチル基、p-シアノフェニルオキシ−s−ブチル基、α-ナフチルオキシメチル基、β-ナフチルオキシエチル基、o-ビフェニリルオキシメチル基、m-ビフェニリルオキシメチル基、p-ビフェニリルオキシメチル基、1-アントリルオキシメチル基、2-アントリルオキシメチル基、9-アントリルオキシメチル基、1-フェナントリルオキシメチル基、2-フェナントリルオキシメチル基、3-フェナントリルオキシメチル基、4-フェナントリルオキシメチル基及び9-フェナントリルオキシメチル基が挙げられる
炭素原子数2〜10のアルケニル基としては、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-メチル-1-エテニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、2-メチル-1-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、1-エチルエテニル、1-メチル-1-プロペニル、1-メチル-2-プロペニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-n-プロピルエテニル、1-メチル-1-ブテニル、1-メチル-2-ブテニル、1-メチル-3-ブテニル、2-エチル-2-プロペニル、2-メチル-1-ブテニル、2-メチル-2-ブテニル、2-メチル-3-ブテニル、3-メチル-1-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、3-メチル-3-ブテニル、1,1-ジメチル-2-プロペニル、1-i-プロピルエテニル、1,2-ジメチル-1-プロペニル、1,2-ジメチル-2-プロペニル、1-シクロペンテニル、2-シクロペンテニル、3-シクロペンテニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、1-メチル-1-ペンテニル、1-メチル-2-ペンテニル、1-メチル-3-ペンテニル、1-メチル-4-ペンテニル、1-n-ブチルエテニル、2-メチル-1-ペンテニル、2-メチル-2-ペンテニル、2-メチル-3-ペンテニル、2-メチル-4-ペンテニル、2-n-プロピル-2-プロペニル、3-メチル-1-ペンテニル、3-メチル-2-ペンテニル、3-メチル-3-ペンテニル、3-メチル-4-ペンテニル、3-エチル-3-ブテニル、4-メチル-1-ペンテニル、4-メチル-2-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、4-メチル-4-ペンテニル、1,1-ジメチル-2-ブテニル、1,1-ジメチル-3-ブテニル、1,2-ジメチル-1-ブテニル、1,2-ジメチル-2-ブテニル、1,2-ジメチル-3-ブテニル、1-メチル-2-エチル-2-プロペニル、1-s-ブチルエテニル、1,3-ジメチル-1-ブテニル、1,3-ジメチル-2-ブテニル、1,3-ジメチル-3-ブテニル、1-i-ブチルエテニル、2,2-ジメチル-3-ブテニル、2,3-ジメチル-1-ブテニル、2,3-ジメチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-3-ブテニル、2-i-プロピル-2-プロペニル、3,3-ジメチル-1-ブテニル、1-エチル-1-ブテニル、1-エチル-2-ブテニル、1-エチル-3-ブテニル、1-n-プロピル-1-プロペニル、1-n-プロピル-2-プロペニル、2-エチル-1-ブテニル、2-エチル-2-ブテニル、2-エチル-3-ブテニル、1,1,2-トリメチル-2-プロペニル、1-t-ブチルエテニル、1-メチル-1-エチル-2-プロペニル、1-エチル-2-メチル-1-プロペニル、1-エチル-2-メチル-2-プロペニル、1-i-プロピル-1-プロペニル、1-i-プロピル-2-プロペニル、1-メチル-2-シクロペンテニル、1-メチル-3-シクロペンテニル、2-メチル-1-シクロペンテニル、2-メチル-2-シクロペンテニル、2-メチル-3-シクロペンテニル、2-メチル-4-シクロペンテニル、2-メチル-5-シクロペンテニル、2-メチレン-シクロペンチル、3-メチル-1-シクロペンテニル、3-メチル-2-シクロペンテニル、3-メチル-3-シクロペンテニル、3-メチル-4-シクロペンテニル、3-メチル-5-シクロペンテニル、3-メチレン-シクロペンチル、1-シクロヘキセニル、2-シクロヘキセニル及び3-シクロヘキセニル等が挙げられる。
炭素原子数2〜10のアルコキシアルキル基としては、例えばメトキシメチル、エトキシメチル、n−プロポキシエチル、i−プロポキシメチル、n−ブトキシメチル、i−ブトキシエチル、s−ブトキシメチル、t−ブトキシエチル、n−ペントキシ−i−プロピル、1−メチル−n−ブトキシメチル、2−メチル−n−ブトキシエチル、3−メチル−n−ブトキシエチル、1,1−ジメチル−n−プロポキシメチル、1,2−ジメチル−n−プロポキシエチル、2,2−ジメチル−n−プロポキシエチル、1−エチル−n−プロポキシ−t−ブチル、n−ヘキシルオキシメチル、1−メチル−n−ペンチルオキシメチル、2−メチル−n−ペンチルオキシエチル、3−メチル−n−ペンチルオキシプロピル、4−メチル−n−ペンチルオキシ−s−ブチル、1,1−ジメチル−n−ブトキシメチル、1,2−ジメチル−n−ブトキシエチル、1,3−ジメチル−n−ブトキシエチル、2,2−ジメチル−n−ブトキシ−i−プロピル、2,3−ジメチル−n−ブトキシエチル、3,3−ジメチル−n−ブトキシプロピル、1−エチル−n−ブトキシエチル、2−エチル−n−ブトキシメチル、1,1,2−トリメチル−n−プロポキシ−t−ブチル、1,2,2,−トリメチル−n−プロポキシエチル、1−エチル−1−メチル−n−プロポキシエチル、及び1−エチル−2−メチル−n−プロポキシメチル等が挙げられる。
式(a1−1)〜(a1−3)の単位構造を有する樹脂においてmは繰り返し単位の数であって、10〜300の整数を示す。式(a1−1)〜(a1−3)の単位構造を有する樹脂の重量平均分子量は400〜12000、又は2000〜12000である。
ポリシロキサン(a1)は、式(a1−1)の単位構造を有するポリマー、式(a1−2)の単位構造を有するポリマー、式(a1−3)の単位構造を有するポリマー、式(a1−1)と式(a1−2)の単位構造を有するポリマー、式(a1−1)と式(a1−3)の単位構造を有するポリマー、式(a1−2)と式(a1−3)の単位構造を有するポリマー、式(a1−1)と式(a1−2)と式(a1−3)の単位構造を有するポリマーが挙げられる。
ポリシロキサン樹脂(a1)は、式(a1−1)〜式(a1−3)の単位構造をそれぞれ単独で用いたポリマーの場合も、式(a1−1)〜式(a1−3)の単位構造を任意に組み合わせたポリマーの場合も、それら繰り返し単位の数を合計した数mは10〜300の整数を示し、重量平均分子量は400〜12000、又は2000〜12000である。
上記ポリシロキサンは、全ポリシロキサン中に式(a1−2)の単位構造を30質量%以上、好ましくは40質量%以上含有することが好ましい。
式(a1−1)〜式(a1−3)の構造を有するポリマーの両末端には水酸基が存在する。この水酸基は式(a1−1)〜式(a1−3)のポリマーの間で、これら樹脂とポリシラン、ポリカルボシランとの間で、又は多核フェノール(b)との間で熱焼成によって反応を起こし、3次元の架橋が進行する。その結果、溶媒に不溶となる。
本発明のケイ素含有ポリマーに用いられるポリシラン(a2)は、式(a2−1)、(a2−2)、又はこれらの組み合わせが挙げられる。式(a2−1)において、R及びmは(a1−1)と同じである。式(a2−2)において、R及びmは式(a1−1)と同じである。
ポリシラン樹脂(a2)において、式(a2−1)の単位構造を有するポリマー、式(a2−2)の単位構造を有するポリマー、式(a2−1)と式(a2−2)の単位構造を有するポリマーが挙げられる。式(a2−1)と式(a2−2)の単位構造を単独で用いたポリマーの場合も、式(a2−1)と式(a2−2)の単位構造を組み合わせて用いたポリマーの場合も、それら繰り返し単位の数を合計した数は10〜300であって、重量平均分子量は400〜12000、又は2000〜12000である。
上記ポリシランは、(a2−1):(a2−2)のモル比は30%〜70%:70%〜30%であることが好ましい。
ポリシラン(a2)にはその樹脂の両末端には水酸基が存在する。この水酸基は式(a2−1)〜式(a2−2)のポリマーの間で、これらポリマーとポリシロキサン、ポリカルボシランとの間で、又は多核フェノール(b)との間で熱焼成によって反応を起こし、3次元の架橋が進行する。その結果、溶媒に不溶となる。
ポリカルボシラン樹脂(a3)は例えば式(a3−1)と式(a3−2)で示される単位構造を有するポリマーである。
ポリカルボシラン樹脂(a3)は、式(a3−1)、(a3−2)、又はこれらの組み合わせである。
(a3−1)において、R及びmは式(a1−1)と同じである。(a3−2)において、R及びmは式(a1−1)と同じである。nは繰り返し単位の数であって1〜10を示す。
式(a3−1)〜式(a3−2)においてRはそれぞれ上記式(a1−1)で示された置換基の種類から選択することができる。またmは上記式(a1−1)と同じ範囲から選択することができる。ポリカルボシラン(a3)において、式(a3−1)の単位構造を有するポリマー、式(a3−2)の単位構造を有するポリマー、式(a3−1)と式(a3−2)の単位構造を有するポリマーが上げられる。式(a3−1)と式(a3−2)の単位構造を単独で用いたポリマーの場合も、式(a3−1)と式(a3−2)の単位構造を組み合わせて用いたポリマーの場合も、それら繰り返し単位の数を合計した数は10〜300の整数を示し、重量平均分子量は400〜12000、又は2000〜12000である。
式(a3−1)〜式(a3−2)の構造を有するポリマーの両末端には水酸基が存在する。この水酸基は式(a3−1)〜式(a3−2)の樹脂の間で、これら樹脂とポリシラン樹脂やポリシロキサン樹脂との間で、又は多核フェノール(b)との間で熱焼成によって反応を起こし、3次元の架橋が進行する。その結果、溶媒に不溶となる。
上記ポリカルボシラン(a3)は、全ポリカルボシラン中に式(a3−1)の単位構造を50質量%以上、好ましくは70質量%以上含有することが好ましい。
ケイ素含有ポリマー(a)においてポリシロキサン(a1)、ポリシラン(a2)、及びポリカルボシラン(a3)を含有する場合は、ポリシラン(a1)、ポリシロキサン(a2)又はその組み合わせからなる合計量(a1+a2)と、ポリカルボシラン(a3)の質量比は、100質量部の(a3)に対して、1〜10000質量部の(a1+a2)の割合で含有するものである。また100質量部の(a1)に対して1〜10000質量部の(a2)を配合するものである。
本発明に用いられる多核フェノールは分子内に2乃至30個のフェノール性水酸基を有する化合物である。また多核フェノールは分子内に2乃至10個のフェノール基を有する化合物である。本発明に用いられる多核フェノールとは、フェノール基を有しそのフェノール基には少なくとも1個のフェノール性水酸基を有している。本発明に用いられる多核フェノールは、フェノール基を有する部分から構成されることも、フェノール基を有する部分とフェノール基以外の部分との組み合わせから構成されることも可能である。
多核フェノールは式(b1−1)、(b1−2)、(b1−3)、又はそれらの組み合わせが用いられる。
式(b1−1)中でRはそれぞれベンゼン環の水素原子の置換基であって、水酸基、ハロゲン基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜18のアリール基、炭素原子数6〜25のアリールアルキル基、炭素原子数2〜10のアルキルカルボニル基、炭素原子数2〜10のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数2〜10のアルキルカルボニルアミノ基、炭素原子数2〜10のアリールオキシアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又はそれらの組み合わせからなる有機基であり、Rは単結合、又は2〜4価で炭素原子数1〜10のアルキル基、若しくは炭素原子数6〜25のアリールアルキル基を示し、mは1〜5の整数であり、nは0≦n≦5−mの整数であり、qは2〜4の整数を示す。
ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、オクチル、ノニル、シクロプロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、1−メチル−シクロプロピル、2−メチル−シクロプロピル、n−ペンチル、1−メチル−n−ブチル、2−メチル−n−ブチル、3−メチル−n−ブチル、1,1−ジメチル−n−プロピル、1,2−ジメチル−n−プロピル、2,2−ジメチル−n−プロピル、1−エチル−n−プロピル、シクロペンチル、1−メチル−シクロブチル、2−メチル−シクロブチル、3−メチル−シクロブチル、1,2−ジメチル−シクロプロピル、2,3−ジメチル−シクロプロピル、1−エチル−シクロプロピル、2−エチル−シクロプロピル、n−ヘキシル、1−メチル−n−ペンチル、2−メチル−n−ペンチル、3−メチル−n−ペンチル、4−メチル−n−ペンチル、1,1−ジメチル−n−ブチル、1,2−ジメチル−n−ブチル、1,3−ジメチル−n−ブチル、2,2−ジメチル−n−ブチル、2,3−ジメチル−n−ブチル、3,3−ジメチル−n−ブチル、1−エチル−n−ブチル、2−エチル−n−ブチル、1,1,2−トリメチル−n−プロピル、1,2,2−トリメチル−n−プロピル、1−エチル−1−メチル−n−プロピル、1−エチル−2−メチル−n−プロピル、シクロヘキシル、1−メチル−シクロペンチル、2−メチル−シクロペンチル、3−メチル−シクロペンチル、1−エチル−シクロブチル、2−エチル−シクロブチル、3−エチル−シクロブチル、1,2−ジメチル−シクロブチル、1,3−ジメチル−シクロブチル、2,2−ジメチル−シクロブチル、2,3−ジメチル−シクロブチル、2,4−ジメチル−シクロブチル、3,3−ジメチル−シクロブチル、1−n−プロピル−シクロプロピル、2−n−プロピル−シクロプロピル、1−i−プロピル−シクロプロピル、2−i−プロピル−シクロプロピル、1,2,2−トリメチル−シクロプロピル、1,2,3−トリメチル−シクロプロピル、2,2,3−トリメチル−シクロプロピル、1−エチル−2−メチル−シクロプロピル、2−エチル−1−メチル−シクロプロピル、2−エチル−2−メチル−シクロプロピル及び2−エチル−3−メチル−シクロプロピル等が挙げられる。特にメチル基、エチル基等の直鎖アルキル基や、シクロヘキシル基等が好ましい。
アリール基としては、フェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル基、o−クロルフェニル基、m−クロルフェニル基、p−クロルフェニル基、o−フルオロフェニル基、p−フルオロフェニル基、o−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−シアノフェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、o−ビフェニリル基、m−ビフェニリル基、p−ビフェニリル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基及び9−フェナントリル基が挙げられる。
アリールアルキル基としては、ベンジル基、o−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、p−メチルベンジル基、o−クロルベンジル基、m−クロルベンジル基、p−クロルベンジル基、o−フルオロベンジル基、p−フルオロベンジル基、o−メトキシベンジル基、p−メトキシベンジル基、p−ニトロベンジル基、p−シアノベンジル基、フェネチル基、o−メチルフェネチル基、m−メチルフェネチル基、p−メチルフェネチル基、o−クロルフェネチル基、m−クロルフェネチル基、p−クロルフェネチル基、o−フルオロフェネチル基、p−フルオロフェネチル基、o−メトキシフェネチル基、p−メトキシフェネチル基、p−ニトロフェネチル基、p−シアノフェネチル基、3−フェニルプロピル基、4−フェニルブチル基、5−フェニルペンチル基、6−フェニルヘキシル基、α−ナフチルメチル基、β−ナフチルメチル基、o−ビフェニリルメチル基、m−ビフェニリルメチル基、p−ビフェニリルメチル基、1−アントリルメチル基、2−アントリルメチル基、9−アントリルメチル基、1−フェナントリルメチル基、2−フェナントリルメチル基、3−フェナントリルメチル基、4−フェナントリルメチル基、9−フェナントリルメチル基、α−ナフチルエチル基、β−ナフチルエチル基、o−ビフェニリルエチル基、m−ビフェニリルエチル基、p−ビフェニリルエチル基、1−アントリルエチル基、2−アントリルエチル基、9−アントリルエチル基、1−フェナントリルエチル基、2−フェナントリルエチル基、3−フェナントリルエチル基、4−フェナントリルエチル基及び9−フェナントリルエチル基が挙げられる。
アルキルカルボニル基としては、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n−プロピルカルボニル、i−プロピルカルボニル、シクロプロピルカルボニル、n−ブチルカルボニル、i−ブチルカルボニル、s−ブチルカルボニル、t−ブチルカルボニル、シクロブチルカルボニル、1−メチル−シクロプロピルカルボニル、2−メチル−シクロプロピルカルボニル、n−ペンチルカルボニル、1−メチル−n−ブチルカルボニル、2−メチル−n−ブチルカルボニル、3−メチル−n−ブチルカルボニル、1,1−ジメチル−n−プロピルカルボニル、1,2−ジメチル−n−プロピルカルボニル、2,2−ジメチル−n−プロピルカルボニル、1−エチル−n−プロピルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、1−メチル−シクロブチルカルボニル、2−メチル−シクロブチルカルボニル、3−メチル−シクロブチルカルボニル、1,2−ジメチル−シクロプロピルカルボニル、2,3−ジメチル−シクロプロピルカルボニル、1−エチル−シクロプロピルカルボニル、2−エチル−シクロプロピルカルボニル、n−ヘキシルカルボニル、1−メチル−n−ペンチルカルボニル、2−メチル−n−ペンチルカルボニル、3−メチル−n−ペンチルカルボニル、4−メチル−n−ペンチルカルボニル、1,1−ジメチル−n−ブチルカルボニル、1,2−ジメチル−n−ブチルカルボニル、1,3−ジメチル−n−ブチルカルボニル、2,2−ジメチル−n−ブチルカルボニル、2,3−ジメチル−n−ブチルカルボニル、3,3−ジメチル−n−ブチルカルボニル、1−エチル−n−ブチルカルボニル、2−エチル−n−ブチルカルボニル、1,1,2−トリメチル−n−プロピルカルボニル、1,2,2−トリメチル−n−プロピルカルボニル、1−エチル−1−メチル−n−プロピルカルボニル、1−エチル−2−メチル−n−プロピルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、1−メチル−シクロペンチルカルボニル、2−メチル−シクロペンチルカルボニル、3−メチル−シクロペンチルカルボニル、1−エチル−シクロブチルカルボニル、2−エチル−シクロブチルカルボニル、3−エチル−シクロブチルカルボニル、1,2−ジメチル−シクロブチルカルボニル、1,3−ジメチル−シクロブチルカルボニル、2,2−ジメチル−シクロブチルカルボニル、2,3−ジメチル−シクロブチルカルボニル、2,4−ジメチル−シクロブチルカルボニル、3,3−ジメチル−シクロブチルカルボニル、1−n−プロピル−シクロプロピルカルボニル、2−n−プロピル−シクロプロピルカルボニル、1−i−プロピル−シクロプロピルカルボニル、2−i−プロピル−シクロプロピルカルボニル、1,2,2−トリメチル−シクロプロピルカルボニル、1,2,3−トリメチル−シクロプロピルカルボニル、2,2,3−トリメチル−シクロプロピルカルボニル、1−エチル−2−メチル−シクロプロピルカルボニル、2−エチル−1−メチル−シクロプロピルカルボニル、2−エチル−2−メチル−シクロプロピルカルボニル及び2−エチル−3−メチル−シクロプロピルカルボニル等が挙げられる。
アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、n−プロピルカルボニルオキシ、i−プロピルカルボニルオキシ、シクロプロピルカルボニルオキシ、n−ブチルカルボニルオキシ、i−ブチルカルボニルオキシ、s−ブチルカルボニルオキシ、t−ブチルカルボニルオキシ、シクロブチルカルボニルオキシ、1−メチル−シクロプロピルカルボニルオキシ、2−メチル−シクロプロピルカルボニルオキシ、n−ペンチルカルボニルオキシ、1−メチル−n−ブチルカルボニルオキシ、2−メチル−n−ブチルカルボニルオキシ、3−メチル−n−ブチルカルボニルオキシ、1,1−ジメチル−n−プロピルカルボニルオキシ、1,2−ジメチル−n−プロピルカルボニルオキシ、2,2−ジメチル−n−プロピルカルボニルオキシ、1−エチル−n−プロピルカルボニルオキシ、シクロペンチルカルボニルオキシ、1−メチル−シクロブチルカルボニルオキシ、2−メチル−シクロブチルカルボニルオキシ、3−メチル−シクロブチルカルボニルオキシ、1,2−ジメチル−シクロプロピルカルボニルオキシ、2,3−ジメチル−シクロプロピルカルボニルオキシ、1−エチル−シクロプロピルカルボニルオキシ、2−エチル−シクロプロピルカルボニルオキシ、n−ヘキシルカルボニルオキシ、1−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ、2−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ、3−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ、4−メチル−n−ペンチルカルボニルオキシ、1,1−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、1,2−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、1,3−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、2,2−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、2,3−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、3,3−ジメチル−n−ブチルカルボニルオキシ、1−エチル−n−ブチルカルボニルオキシ、2−エチル−n−ブチルカルボニルオキシ、1,1,2−トリメチル−n−プロピルカルボニルオキシ、1,2,2−トリメチル−n−プロピルカルボニルオキシ、1−エチル−1−メチル−n−プロピルカルボニルオキシ、1−エチル−2−メチル−n−プロピルカルボニルオキシ、シクロヘキシルカルボニルオキシ、1−メチル−シクロペンチルカルボニルオキシ、2−メチル−シクロペンチルカルボニルオキシ、3−メチル−シクロペンチルカルボニルオキシ、1−エチル−シクロブチルカルボニルオキシ、2−エチル−シクロブチルカルボニルオキシ、3−エチル−シクロブチルカルボニルオキシ、1,2−ジメチル−シクロブチルカルボニルオキシ、1,3−ジメチル−シクロブチルカルボニルオキシ、2,2−ジメチル−シクロブチルカルボニルオキシ、2,3−ジメチル−シクロブチルカルボニルオキシ、2,4−ジメチル−シクロブチルカルボニルオキシ、3,3−ジメチル−シクロブチルカルボニルオキシ、1−n−プロピル−シクロプロピルカルボニルオキシ、2−n−プロピル−シクロプロピルカルボニルオキシ、1−i−プロピル−シクロプロピルカルボニルオキシ、2−i−プロピル−シクロプロピルカルボニルオキシ、1,2,2−トリメチル−シクロプロピルカルボニルオキシ、1,2,3−トリメチル−シクロプロピルカルボニルオキシ、2,2,3−トリメチル−シクロプロピルカルボニルオキシ、1−エチル−2−メチル−シクロプロピルカルボニルオキシ、2−エチル−1−メチル−シクロプロピルカルボニルオキシ、2−エチル−2−メチル−シクロプロピルカルボニルオキシ及び2−エチル−3−メチル−シクロプロピルカルボニルオキシ等が挙げられる。
アルキルカルボニルアミノ基としては、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、n−プロピルカルボニルアミノ、i−プロピルカルボニルアミノ、シクロプロピルカルボニルアミノ、n−ブチルカルボニルアミノ、i−ブチルカルボニルアミノ、s−ブチルカルボニルアミノ、t−ブチルカルボニルアミノ、シクロブチルカルボニルアミノ、1−メチル−シクロプロピルカルボニルアミノ、2−メチル−シクロプロピルカルボニルアミノ、n−ペンチルカルボニルアミノ、1−メチル−n−ブチルカルボニルアミノ、2−メチル−n−ブチルカルボニルアミノ、3−メチル−n−ブチルカルボニルアミノ、1,1−ジメチル−n−プロピルカルボニルアミノ、1,2−ジメチル−n−プロピルカルボニルアミノ等が挙げられる。
アリールオキシアルキル基としては、フェニルオキシメチル基、o−メチルフェニルオキシエチル基、m−メチルフェニルオキシメチル基、p−メチルフェニルオキシプロピル基、o−クロルフェニルオキシメチル基、m−クロルフェニルオキシエチル基、p−クロルフェニルオキシイソプロピル基、o−フルオロフェニルオキシエチル基、p−フルオロフェニルオキシブトキシ基、o−メトキシフェニルオキシ−n−ペンチル基、p−メトキシフェニルオキシ−t−ブチル基、p−ニトロフェニルオキシメチル基、p−シアノフェニルオキシ−s−ブチル基、α−ナフチルオキシメチル基、β−ナフチルオキシエチル基、o−ビフェニリルオキシメチル基、m−ビフェニリルオキシメチル基、p−ビフェニリルオキシメチル基、1−アントリルオキシメチル基、2−アントリルオキシメチル基、9−アントリルオキシメチル基、1−フェナントリルオキシメチル基、2−フェナントリルオキシメチル基、3−フェナントリルオキシメチル基、4−フェナントリルオキシメチル基及び9−フェナントリルオキシメチル基が挙げられる
アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシ、1−メチル−n−ブトキシ、2−メチル−n−ブトキシ、3−メチル−n−ブトキシ、1,1−ジメチル−n−プロポキシ、1,2−ジメチル−n−プロポキシ、2,2−ジメチル−n−プロポキシ、1−エチル−n−プロポキシ、n−ヘキシルオキシ、1−メチル−n−ペンチルオキシ、2−メチル−n−ペンチルオキシ、3−メチル−n−ペンチルオキシ、4−メチル−n−ペンチルオキシ、1,1−ジメチル−n−ブトキシ、1,2−ジメチル−n−ブトキシ、1,3−ジメチル−n−ブトキシ、2,2−ジメチル−n−ブトキシ、2,3−ジメチル−n−ブトキシ、3,3−ジメチル−n−ブトキシ、1−エチル−n−ブトキシ、2−エチル−n−ブトキシ、1,1,2−トリメチル−n−プロポキシ、1,2,2,−トリメチル−n−プロポキシ、1−エチル−1−メチル−n−プロポキシ、及び1−エチル−2−メチル−n−プロポキシ等が挙げられる。
式(b1−1)の化合物としては以下が例示される。
Figure 0005067537
Figure 0005067537
式(b1−2)のR及びRはそれぞれ式(b1−1)中のRと同じあり、Rは単結合、又は2〜6価で炭素原子数1〜10のアルキル基、若しくは炭素原子数6〜25のアリールアルキル基を示し、mは1〜5の整数であり、nは0≦n≦5−mの整数であり、k及びsはそれぞれ1〜3の整数を示す。
式(b1−2)の化合物としては、例えば以下の化合物が例示される。
Figure 0005067537
式(b1−3)中のR及びRはそれぞれ式(b1−1)中のRと同じであり、Rは単結合、又は2価で炭素原子数1〜10のアルキル基、若しくは炭素原子数6〜25のアリールアルキル基であり、m1は1〜4の整数であり、m2は1〜5の整数であり、mは0≦m≦4−m1、nは0≦n≦5−m2、tは1〜4の整数を示す。
式(b1−3)の化合物としては、例えば以下の化合物が例示される。
Figure 0005067537
また、多核フェノールとしては以下の環状化合物も使用する事ができる。
Figure 0005067537
本発明において、多核フェノールは固形分当たり0.01〜30質量%、好ましくは0.1〜20質量%の割合で使用することができる。
本発明に用いる多核フェノール(b)は、式(b1−1)を好ましく用いることができる。
本発明のレジスト下層膜形成組成物は架橋触媒を用いることができる。架橋触媒としては例えばプロトン酸を使用することができる。例えば、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ピリジニウム−p−トルエンスルホン酸、スルホサリチル酸及びカンファースルホン酸等のスルホン酸化合物が挙げられる。また、サリチル酸、クエン酸、安息香酸及びヒドロキシ安息香酸等のカルボン酸化合物が挙げられる。架橋触媒としては、芳香族スルホン酸化合物が好ましく使用することができる。芳香族スルホン酸化合物の具体例としては、p−トルエンスルホン酸、ピリジニウム−p−トルエンスルホン酸、スルホサリチル酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、及びピリジニウム−1−ナフタレンスルホン酸等を挙げることができる。
架橋触媒は、一種のみを使用することができ、また、二種以上を組み合わせて用いることもできる。架橋触媒は、ケイ素含有ポリマー100質量部に対して、0.1〜10質量部、または0.5〜5質量部、または1〜3質量部である。
光酸発生剤は、フォトレジストの露光時に酸を生ずる。そのため、下層膜の酸性度の調整ができる。これは、下層膜の酸性度を上層のフォトレジストとの酸性度に合わせるための一方法である。また、下層膜の酸性度の調整によって、上層に形成されるフォトレジストのパターン形状の調整ができる。
本発明のレジスト下層膜形成組成物に含まれる光酸発生剤としては、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、及びジスルホニルジアゾメタン化合物等が挙げられる。
オニウム塩化合物としてはジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフエート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロノルマルブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロノルマルオクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネート及びビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート等のヨードニウム塩化合物、及びトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロノルマルブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート及びトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等のスルホニウム塩化合物等が挙げられる。
スルホンイミド化合物としては、例えばN−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(ノナフルオロノルマルブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド及びN−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ナフタルイミド等が挙げられる。
ジスルホニルジアゾメタン化合物としては、例えば、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、及びメチルスルホニル−p−トルエンスルホニルジアゾメタン等が挙げられる。
光酸発生剤は一種のみを使用することができ、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
光酸発生剤がレジスト下層膜形成組成物に使用される場合、その割合としては、ケイ素含有ポリマー100質量部に対して、0.01〜5質量部、または0.1〜3質量部、または0.5〜1質量部である。
レジスト下層膜形成組成物は、上記の成分の他、必要に応じてポリマー化合物、及び界面活性剤等を含むことができる。
ポリマー化合物を使用することにより、本発明に用いるレジスト下層膜形成組成物から形成される膜のドライエッチング速度(単位時間当たりの膜厚の減少量)、減衰係数及び屈折率等を調整することができる。
ポリマー化合物としては特に制限はなく、種々のポリマーを使用することができる。縮重合ポリマー及び付加重合ポリマー等を使用することができる。ポリエステル、ポリスチレン、ポリイミド、アクリルポリマー、メタクリルポリマー、ポリビニルエーテル、フェノールノボラック、ナフトールノボラック、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート等の付加重合ポリマー及び縮重合ポリマーを使用することができる。吸光部位として機能するベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、トリアジン環、キノリン環、及びキノキサリン環等の芳香環構造を有するポリマーが好ましく使用される。
そのようなポリマー化合物としては、例えば、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルアクリレート、ナフチルアクリレート、アントリルメタクリレート、アントリルメチルメタクリレート、スチレン、ヒドロキシスチレン、ベンジルビニルエーテル及びN−フェニルマレイミド等の付加重合性モノマーをその構造単位として含む付加重合ポリマーや、フェノールノボラック及びナフトールノボラック等の縮重合ポリマーが挙げられる。
ポリマー化合物として付加重合ポリマーが使用される場合、そのポリマー化合物は単独重合体でもよく共重合体であってもよい。付加重合ポリマーの製造には付加重合性モノマーが使用される。そのような付加重合性モノマーとしてはアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル化合物、メタクリル酸エステル化合物、アクリルアミド化合物、メタクリルアミド化合物、ビニル化合物、スチレン化合物、マレイミド化合物、マレイン酸無水物、アクリロニトリル等が挙げられる。
アクリル酸エステル化合物としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ノルマルヘキシルアクリレート、イソプロピルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェニルアクリレート、アントリルメチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,2−トリクロロエチルアクリレート、2−ブロモエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−メチル−2−アダマンチルアクリレート、5−アクリロイルオキシ−6−ヒドロキシノルボルネン−2−カルボキシリック−6−ラクトン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン及びグリシジルアクリレート等が挙げられる。
メタクリル酸エステル化合物としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ノルマルヘキシルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、アントリルメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,2−トリクロロエチルメタクリレート、2−ブロモエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート、5−メタクリロイルオキシ−6−ヒドロキシノルボルネン−2−カルボキシリック−6−ラクトン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、グリシジルメタクリレート、2−フェニルエチルメタクリレート、ヒドロキシフェニルメタクリレート及びブロモフェニルメタクリレート等が挙げられる。
アクリルアミド化合物としては、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド及びN−アントリルアクリルアミド等が挙げられる。
メタクリルアミド化合物、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド及びN−アントリルアクリルアミド等が挙げられる。
ビニル化合物としては、ビニルアルコール、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ビニル酢酸、ビニルトリメトキシシラン、2−クロロエチルビニルエーテル、2−メトキシエチルビニルエーテル、ビニルナフタレン及びビニルアントラセン等が挙げられる。
スチレン化合物としては、スチレン、ヒドロキシスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、メトキシスチレン、シアノスチレン及びアセチルスチレン等が挙げられる。
マレイミド化合物としては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド及びN−ヒドロキシエチルマレイミド等が挙げられる。
ポリマーとして縮重合ポリマーが使用される場合、そのようなポリマーとしては、例えば、グリコール化合物とジカルボン酸化合物との縮重合ポリマーが挙げられる。グリコール化合物としてはジエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ブチレングリコール等が挙げられる。ジカルボン酸化合物としては、コハク酸、アジピン酸、テレフタル酸、無水マレイン酸等が挙げられる。また、例えば、ポリピロメリットイミド、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリイミドが挙げられる。
ポリマー化合物の具体例としては、ポリスチレン、ポリ(4−ヒドロキシ)スチレン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレートと4−ヒドロキシスチレンの共重合ポリマー、ポリ(2−ヒドロキシプロピル)メタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートとアントリルメチルメタアクリレートの共重合ポリマー、ビニルエーテルとメチルビニルエーテルの共重合ポリマー、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートとベンジルメタクリレートの共重合ポリマー、2−ヒドロキシエチルアクリレートとマレイミドの共重合ポリマー、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートとスチレンとメチルメタクリレートの共重合ポリマー、グリシジルメタクリレートと2−ヒドロキシプロピルメタクリレートの共重合ポリマー及び、スチレンと4−ヒドロキシスチレンの共重合ポリマー等を挙げることができる。
ポリマー化合物にヒドロキシル基が含有されている場合は、このヒドロキシル基はケイ素含有ポリマーと架橋反応を形成することができる。
ポリマー化合物としては、重量平均分子量が、例えば1000〜1000000であり、または3000〜300000であり、または5000〜200000であり、または10000〜100000であるポリマー化合物を使用することができる。
ポリマー化合物は一種のみを使用することができ、または二種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリマー化合物がレジスト下層膜形成組成物に使用される場合、その割合としては、ケイ素含有ポリマー100質量部に対して、0.1〜200質量部、または5〜100質量部、または10〜50質量部、または20〜30質量部である。
本発明のレジスト下層膜形成組成物に使用される溶剤としては、前記の固形分を溶解できる溶剤であれば、特に制限なく使用することができる。そのような溶剤としては、例えば、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸イソプロピル、乳酸ブチル、乳酸イソブチル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸アミル、ギ酸イソアミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸メチル、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メトキシプロピルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メチル−3−メトキシブチルブチレート、アセト酢酸メチル、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、シクロヘキサノン、N、N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、及びγ−ブチロラクトン等を挙げることができる。これらの溶剤は単独で、または二種以上の組み合わせで使用することができる。
更なる吸光剤、レオロジー調整剤、接着補助剤、界面活性剤などを添加することができる。
吸光剤としては例えば、「工業用色素の技術と市場」(CMC出版)や「染料便覧」(有機合成化学協会編)に記載の市販の吸光剤、例えば、C.I.Disperse Yellow 1,3,4,5,7,8,13,23,31,49,50,51,54,60,64,66,68,79,82,88,90,93,102,114及び124;C.I.D isperse Orange1,5,13,25,29,30,31,44,57,72及び73;C.I.Disperse Red 1,5,7,13,17,19,43,50,54,58,65,72,73,88,117,137,143,199及び210;C.I.Disperse Violet 43;C.I.Disperse Blue 96;C.I.Fluorescent Brightening Agent 112,135及び163;C.I.Solvent Orange2及び45;C.I.Solvent Red 1,3,8,23,24,25,27及び49;C.I.Pigment Green 10;C.I.Pigment Brown 2等を好適に用いることができる。上記吸光剤は通常、全固形分に対して10質量%以下、好ましくは5質量%以下の割合で配合される。
レオロジー調整剤は、膜形成組成物の流動性を向上させ、特にベーキング工程において、膜厚均一性の向上目的で添加される。具体例としては、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ブチルイソデシルフタレート等のフタル酸誘導体、ジノルマルブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジイソオクチルアジペート、オクチルデシルアジペート等のアジピン酸誘導体、ジノルマルブチルマレート、ジエチルマレート、ジノニルマレート等のマレイン酸誘導体、メチルオレート、ブチルオレート、テトラヒドロフルフリルオレート等のオレイン酸誘導体、またはノルマルブチルステアレート、グリセリルステアレート等のステアリン酸誘導体を挙げることができる。これらのレオロジー調整剤は、全固形分に対して通常30質量%未満の割合で配合される。
接着補助剤は、主に基板あるいは下層にある膜との密着性を向上させ、特に現像においてフォトレジストが剥離しないようにするための目的で添加される。具体例としては、トリメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、メチルジフエニルクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン等のクロロシラン類、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、ジフエニルジメトキシシラン、フエニルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン、N,N’ービス(トリメチルシリル)ウレア、ジメチルトリメチルシリルアミン、トリメチルシリルイミダゾール等のシラザン類、ビニルトリクロロシラン、γークロロプロピルトリメトキシシラン、γーアミノプロピルトリエトキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシラン類、ベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、インダゾール、イミダゾール、2ーメルカプトベンズイミダゾール、2ーメルカプトベンゾチアゾール、2ーメルカプトベンゾオキサゾール、ウラゾール、チオウラシル、メルカプトイミダゾール、メルカプトピリミジン等の複素環式化合物や、1,1ージメチルウレア、1,3ージメチルウレア等の尿素、またはチオ尿素化合物を挙げることができる。これらの接着補助剤は、全固形分に対して通常5質量%未満、好ましくは2質量%未満の割合で配合される。
本発明に用いられる膜形成組成物には、ピンホールやストレーション等の発生がなく、表面むらに対する塗布性をさらに向上させるために、界面活性剤を配合することができる。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフエノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフエノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロツクコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトツプEF301、EF303、EF352((株)トーケムプロダクツ製)、メガフアツクF171、F173(大日本インキ(株)製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンSー382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤の配合量は、全固形分に対して通常0.2質量%以下、好ましくは0.1質量%以下である。これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また2種以上の組合せで添加することもできる。
以下、本発明のリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物の使用について説明する。
半導体装置の製造に使用される基板(例えば、シリコンウエハー基板、シリコン/二酸化シリコン被覆基板、シリコンナイトライド基板、ガラス基板、ITO基板、ポリイミド基板、及び低誘電率材料(low−k材料)被覆基板等)の上に、スピナー、コーター等の適当な塗布方法により本発明のリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物が塗布され、その後、焼成することによりレジスト下層膜が形成される。焼成する条件としては、焼成温度80℃〜250℃、焼成時間0.3〜60分間の中から適宜、選択される。好ましくは、焼成温度150℃〜250℃、焼成時間0.5〜2分間である。ここで、形成される下層膜の膜厚としては、例えば、10〜1000nmであり、または20〜500nmであり、または50〜300nmであり、または100〜200nmである。
次いで、そのレジスト下層膜の上に、フォトレジストの層が形成される。フォトレジストの層の形成は、周知の方法、すなわち、フォトレジスト組成物溶液の下層膜上への塗布及び焼成によって行なうことができる。フォトレジストの膜厚としては例えば50〜10000nmであり、または100〜2000nmであり、または200〜1000nmである。
本発明のレジスト下層膜の上に形成されるフォトレジストとしては露光に使用される光に感光するものであれば特に限定はない。ネガ型フォトレジスト及びポジ型フォトレジストのいずれも使用できる。ノボラック樹脂と1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルとからなるポジ型フォトレジスト、酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジスト、酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物とアルカリ可溶性バインダーと光酸発生剤とからなる化学増幅型フォトレジスト、及び酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと酸により分解してフォトレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物と光酸発生剤からなる化学増幅型フォトレジストなどがある。例えば、シプレー社製商品名APEX−E、住友化学工業(株)製商品名PAR710、及び信越化学工業(株)製商品名SEPR430等が挙げられる。また、例えば、Proc.SPIE,Vol.3999,330−334(2000)、Proc.SPIE,Vol.3999,357−364(2000)、やProc.SPIE,Vol.3999,365−374(2000)に記載されているような、含フッ素原子ポリマー系フォトレジストを挙げることができる。
次に、所定のマスクを通して露光が行なわれる。露光には、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)及びF2エキシマレーザー(波長157nm)等を使用することができる。露光後、必要に応じて露光後加熱(postexposure bake)を行なうこともできる。露光後加熱は、加熱温度70℃〜150℃、加熱時間0.3〜10分間から適宜、選択された条件で行われる。
次いで、現像液によって現像が行なわれる。これにより、例えばポジ型フォトレジストが使用された場合は、露光された部分のフォトレジストが除去され、フォトレジストのパターンが形成される。
現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、コリンなどの水酸化四級アンモニウムの水溶液、エタノールアミン、プロピルアミン、エチレンジアミンなどのアミン水溶液等のアルカリ性水溶液を例として挙げることができる。さらに、これらの現像液に界面活性剤などを加えることもできる。現像の条件としては、温度5〜50℃、時間10〜300秒から適宜選択される。
本願発明では本発明のレジスト下層膜が形成される前に、下地レジスト下層膜を形成し、その上に本発明のレジスト下層膜、更にその上にレジスト膜を形成する事もできる。
そして、このようにして形成されたフォトレジスト(上層)のパターンを保護膜として本発明のレジスト下層膜(中間層)の除去が行われ、次いでパターン化されたフォトレジスト及び本発明のレジスト下層膜(中間層)からなる膜を保護膜として、下地レジスト下層膜(下層)の除去が行われる。最後に、パターン化された本発明のレジスト下層膜(中間層)及び下地レジスト下層膜(下層)を保護膜として、半導体基板の加工が行なわれる。
まず、フォトレジストが除去された部分の本発明のレジスト下層膜(中間層)をドライエッチングによって取り除き、半導体基板を露出させる。本発明のレジスト下層膜のドライエッチングにはテトラフルオロメタン(CF4)、パーフルオロシクロブタン(C8)、パーフルオロプロパン(C)、トリフルオロメタン、一酸化炭素、アルゴン、酸素、窒素、六フッ化硫黄、ジフルオロメタン、三フッ化窒素及び三フッ化塩素、塩素、トリクロロボラン及びジクロロボラン等のガスを使用することができる。レジスト下層膜のドライエッチングには塩素系ガスを使用することが好ましい。塩素系ガスによるドライエッチングでは、基本的に有機物質からなるフォトレジストは除去されにくい。それに対し、シリコン原子を多く含む本願発明のレジスト下層膜は塩素系ガスによって速やかに除去される。そのため、レジスト下層膜のドライエッチングに伴うフォトレジストの膜厚の減少を抑えることができる。そして、その結果、フォトレジストを薄膜で使用することが可能となる。塩素系ガスとしては、例えば、ジクロロボラン、トリクロロボラン、塩素、四塩化炭素、及びクロロホルム等である。
その後、パターン化されたフォトレジスト及び本発明のレジスト下層膜からなる膜を保護膜として下地レジスト下層膜の除去が行われる。下地レジスト下層膜(下層)は酸素系ガスによるドライエッチングによって行なわれることが好ましい。シリコン原子を多く含む本発明のレジスト下層膜は、酸素系ガスによるドライエッチングでは除去されにくいからである。
最後に、半導体基板の加工が行なわれる。半導体基板の加工はフッ素系ガスによるドライエッチングによって行なわれることが好ましい。
フッ素系ガスとしては、例えば、テトラフルオロメタン(CF4)、パーフルオロシクロブタン(C)、パーフルオロプロパン(C)、トリフルオロメタン、及びジフルオロメタン(CH)等が挙げられる。
また、本発明のレジスト下層膜の最上層には、フォトレジストの形成前に有機系の反射防止膜を形成することができる。そこで使用される反射防止膜組成物としては特に制限はなく、これまでリソグラフィープロセスにおいて慣用されているものの中から任意に選択して使用することができ、また、慣用されている方法、例えば、スピナー、コーターによる塗布及び焼成によって反射防止膜の形成を行なうことができる。
本発明では基板上に有機下層膜を成膜した後、この上に本発明のレジスト下層膜を成膜し、更にその上にフォトレジストを被覆することができる。これによりフォトレジストのパターン幅が狭くなり、パターン倒れを防ぐ為にフォトレジストを薄く被覆した場合でも、適切なエッチングガスを選択することにより基板の加工が可能になる。例えば、フォトレジストに対して十分に早いエッチング速度となる塩素系ガスをエッチングガスとして本願発明のレジスト下層膜に加工が可能であり、また本願発明のレジスト下層膜に対して十分に早いエッチング速度となる酸素系ガスをエッチングガスとして有機下層膜の加工が可能であり、更に有機下層膜に対して十分に早いエッチング速度となるフッ素系ガスをエッチングガスとして基板の加工を行うことができる。
また、本発明のソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物が塗布される基板は、その表面にCVD法などで形成された無機系の反射防止膜を有するものであってもよく、その上に本発明の下層膜を形成することもできる。
本発明のリソグラフィー用レジスト下層膜形成組成物より形成されるレジスト下層膜は、また、リソグラフィープロセスにおいて使用される光の波長によっては、その光に対する吸収を有することがある。そして、そのような場合には、基板からの反射光を防止する効果を有する反射防止膜として機能することができる。さらに、本発明の下層膜は、基板とフォトレジストとの相互作用の防止するための層、フォトレジストに用いられる材料又はフォトレジストへの露光時に生成する物質の基板への悪作用を防ぐ機能とを有する層、加熱焼成時に基板から生成する物質の上層フォトレジストへの拡散を防ぐ機能を有する層、及び半導体基板誘電体層によるフォトレジスト層のポイズニング効果を減少させるためのバリア層等として使用することも可能である。
また、レジスト下層膜形成組成物より形成されるレジスト下層膜は、デュアルダマシンプロセスで用いられるビアホールが形成された基板に適用され、ホールを隙間なく充填することができる埋め込み材として使用できる。また、凹凸のある半導体基板の表面を平坦化するための平坦化材として使用することもできる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
合成例1
フェニルトリメトキシシラン15.78g、ビニルトリメトキシシラン156.75gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテル431.34gを1Lのフラスコに入れて溶解させ、得られた混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら60℃に加温した。次にイオン交換水92.20gにパラトルエンスルホン酸3.92gを溶解させた水溶液を混合溶液に1時間かけて添加した。溶液を60℃で4時間反応させた後、得られた反応溶液を室温まで冷却した。その後、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルを108g加え、反応副生物であるメタノール、水を減圧留去し、加水分解縮合物溶液を得た。
合成例2
ビニルトリメトキシシラン171.98gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテル429.94gを1Lのフラスコに入れて溶解させ、得られた混合溶液をマグネチックスターラーにて撹拌しながら60℃に加温した。次にイオン交換水94.08gにパラトルエンスルホン酸4.00gを溶解させた水溶液を混合溶液に1時間かけて添加した。溶液を60℃で4時間反応させた後、得られた反応溶液を室温まで冷却した。その後、反応溶液にプロピレングリコールモノメチルエーテルを112g加え、反応副生物であるメタノール、水を減圧留去し、加水分解縮合物溶液を得た。
<固形分測定>
ポリマーの固形分は加熱により溶媒を除去し、加熱前後の重量から算出した。具体的にはポリマー溶液(xg)を100℃のホットプレート上で1時間加熱し、その後、140℃のホットプレート上で5時間加熱した。得られた固形分重量(yg)から下記の式にて定義した。
固形分(%)=y/x×100
実施例1
上記合成例1で得たポリマー2.0g(固形物換算)、多核フェノール(式b1−1−5で示される化合物、本州化学工業(株)製、商品名BIP−BI25X−TPA)0.8g、及びテトラメトキシメチルグリコールウリル(三井サイテック(株)製、商品名パウダーリンク1174)0.4g、パラトルエンスルホン酸0.04gを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート中に固形分濃度が5質量%となるように加えた。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
実施例2
上記合成例1で得たポリマー2.0g(固形物換算)、多核フェノール(式b1−1−6で示される化合物、本州化学工業(株)製、商品名BI26X−BI25X−TPA)0.8g、及びテトラメトキシメチルグリコールウリル(三井サイテック(株)製、商品名パウダーリンク1174)0.4g、パラトルエンスルホン酸0.04gを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート中に固形分濃度が5質量%となるように加えた。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
実施例3
上記合成例1で得たポリマー2.0g(固形物換算)、多核フェノール(式b1−1−7で示される化合物、本州化学工業(株)製、商品名BIP−BIPC−TPA)0.8g、及びテトラメトキシメチルグリコールウリル(三井サイテック(株)製、商品名パウダーリンク1174)0.4g、パラトルエンスルホン酸0.04gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート中に固形分濃度が5質量%となるように加えた。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
実施例4
上記合成例2で得たポリマー2.0g(固形物換算)、多核フェノール(式b1−2−7で示される化合物、本州化学工業(株)製、商品名Bisp−2HBP)0.8g、及びテトラメトキシメチルグリコールウリル(三井サイテック(株)製、商品名パウダーリンク1174)0.4g、パラトルエンスルホン酸0.04gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート中に固形分濃度が5質量%となるように加えた。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
実施例5
上記合成例2で得たポリマー2.0g(固形物換算)、多核フェノール(式b1−3−2で示される化合物、本州化学工業(株)製、商品名MTPC)0.6g、及びテトラメトキシメチルグリコールウリル(三井サイテック(株)製、商品名パウダーリンク1174)0.4g、パラトルエンスルホン酸0.04gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート中に固形分濃度が5質量%となるように加えた。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
実施例6
上記合成例2で得たポリマー2.0g(固形物換算)、多核フェノール(式b1−1−7で示される化合物、本州化学工業(株)製、商品名BIP−BIPC−TPA)0.4g、テトラメトキシメチルグリコールウリル(三井サイテック(株)製、商品名パウダーリンク1174)0.4g、パラトルエンスルホン酸0.04gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート中に固形分濃度が5質量%となるように加えた。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
比較例1
上記合成例1で得たポリマー2.0g(固形物換算)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート中に固形分濃度が5質量%となるように加えた。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
比較例2
フェノール性の水酸基を有さず、多官能水酸基を有する材料との比較を行った。上記合成例1で得たポリマー2.0g(固形物換算)、シクロデキストリン化合物(ワッカーケミー(Wacker−Chemie GmbH)社製、商品名CAVASOL W7M)0.4g、及びテトラメトキシメチルグリコールウリル(三井サイテック(株)製、商品名パウダーリンク1174)0.4g、パラトルエンスルホン酸0.04gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート中に固形分濃度が5質量%となるように加えた。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過し、レジスト下層膜形成組成物の溶液を調製した。
(耐溶剤性の評価)
シリコンウェハー上にレジスト下層膜材料をスピンコート法にて塗布し、250℃のホットプレート上で1分間焼成させた。その後、乳酸エチル(レジスト溶媒として多用されている。)に一分間浸漬し、前後での塗膜の膜厚の変化を調べた。膜厚の変化が2nm以下である場合は良好であり記号○を付し、膜厚の変化が2nmを越える場合は不良であり記号×を付した。
(耐現像液性の評価)
レジスト下層膜材料をシリコンウェハ上にスピンコート法にて塗布し、250℃のホットプレート上にて1分間焼成した。その後、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液に1分間浸漬し、浸漬前後の膜厚を測定した。浸漬前後での塗膜の膜厚の変化が2nm以下である場合は良好であり記号○を付し、塗膜の膜厚の変化が2nmを越える場合は不良であり記号×を付した。
〔表1〕
表1
耐溶剤性試験および耐現像液性試験
―――――――――――――――――――――
耐溶剤性 耐現像液性
実施例1 ○ ○
実施例2 ○ ○
実施例3 ○ ○
比較例1 × ○
比較例2 ○ ×
―――――――――――――――――――――
<光学定数>
レジスト下層膜溶液をスピナーを用い、シリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で240℃1分間加熱し、レジスト下層膜(膜厚0.08μm)を形成した。また、比較例1、2で調製したレジスト下層膜溶液をスピナーを用い、シリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で240℃1分間加熱し、レジスト下層膜(膜厚0.06μm)を形成した。そして、これらのレジスト下層膜を分光エリプソメーター(J.A. Woollam社製、VUV−VASEVU−302)を用い、波長193nmでの屈折率(n値)及び光学吸光係数(k値、減衰係数とも呼ぶ)を測定した。結果を表2に示す。
〔表2〕
表2
屈折率nと光学吸光係数k
―――――――――――――――――――――――――――
屈折率n 光学吸光係数k
(波長193nm) (波長193nm)
実施例4 1.64 0.33
実施例5 1.63 0.24
実施例6 1.63 0.22
―――――――――――――――――――――――――――
(ドライエッチング速度の測定)
ドライエッチング速度の測定に用いたエッチャー及びエッチングガスは以下のものを用いた。
ES401(日本サイエンティフィック製):CF
RIE−10NR(サムコ製):O
実施例4〜6で調製したレジスト下層膜形成組成物の溶液をスピナーを用い、シリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で240℃1分間加熱し、レジスト下層膜(膜厚0.08μm)を形成した。また、同様にフォトレジスト溶液(シプレー社製・商品名UV113)をスピナーを用い、シリコンウェハー上に塗膜を形成した。エッチングガスとしてCFガスおよびOガスを使用してドライエッチング速度を測定し、実施例4〜6のレジスト下層膜のドライエッチング速度との比較を行った。結果を表2に示す。ドライエッチング速度比は(レジスト下層膜)/(レジスト)のドライエッチング速度比である。
〔表3〕
表3
ドライエッチング速度比
―――――――――――――――――――――
CFガス Oガス
実施例4 1.24 0.05
実施例5 1.28 0.05
実施例6 1.29 0.05
―――――――――――――――――――――
ケイ素含有ポリマーと、多核フェノールを組み合わせると、レジスト下層膜形成組成物は極めて安定な組成物となる。
また、多核フェノール中のフェノール性水酸基は、架橋材と反応し、三次元的な架橋構造を形成する。このため、現像液(アルカリ性水溶液)にも上塗りフォトレジスト溶剤(有機溶剤)にも溶けにくく、極めて高い耐性を有する。この為、レジストとのインターミキシングが起こらず(溶剤耐性)、またレジストパターン形成時の現像液による溶解も起こらない(現像液耐性)。
これらの性質を利用して、半導体装置製造のリソグラフィ−工程においてフォトレジストの下層に使用される下層膜形成組成物として用いられる。

Claims (11)

  1. ケイ素含有ポリマー(a)、及び多核フェノール(b)及び架橋材を含む半導体装置製造のリソグラフィー工程に用いるレジスト下層膜形成組成物であって、該ケイ素含有ポリマー(a)は、ビニルトリメトキシシランの加水分解縮合物であるか、又はビニルトリメトキシシランの加水分解縮合物を含んでいるポリシロキサン(a1)であり、該ポリシロキサン(a1)が式(a1−1):
    Figure 0005067537

    (但し、Rはそれぞれ水素原子、ヒドロキシル基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数7〜15のアリールアルキル基、炭素原子数6〜14のアリ−ル基、炭素原子数7〜15のアリ−ルオキシアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、または炭素原子数2〜10のアルコキシアルキル基を表し、mは繰り返し単位の数であって10〜300を示す。)で示される構造単位、式(a1−2):
    Figure 0005067537

    (但し、R及びmは式(a1−1)と同じ。)で示される構造単位、式(a1−3):
    Figure 0005067537

    (但し、mは式(a1−1)と同じ。)で示される構造単位、又はそれらの組み合わせを有する該レジスト下層膜形成組成物。
  2. レジスト下層膜中のケイ素含有量が、5〜40質量%である請求項1に記載のレジスト下層膜形成組成物。
  3. 多核フェノール(b)が、分子内に2乃至30個のフェノール性水酸基を有する化合物である請求項1又は請求項2に記載のレジスト下層膜形成組成物。
  4. 多核フェノール(b)が、分子内に2乃至10個のフェノール基を有する化合物である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
  5. 多核フェノール(b)が、式(b1−1):
    Figure 0005067537

    (ただし、式(b1−1)中でRはそれぞれベンゼン環の水素原子の置換基であって、水酸基、ハロゲン基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜18のアリール基、炭素原子数6〜25のアリールアルキル基、炭素原子数2〜10のアルキルカルボニル基、炭素原子数2〜10のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数2〜10のアルキルカルボニルアミノ基、炭素原子数2〜10のアリールオキシアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又はそれらの組み合わせからなる有機基であり、Rは単結合、又は2〜4価で炭素原子数1〜10のアルキル基、若しくは炭素原子数6〜25のアリールアルキル基を示し、mは1〜5の整数であり、nは0≦n≦5−mの整数であり、qは2〜4の整数を示す。)、式(b1−2):
    Figure 0005067537

    (ただし、式(b1−2)中のR及びRはそれぞれ式(b1−1)中のRと同じあり、Rは単結合、又は2〜6価で炭素原子数1〜10のアルキル基、若しくは炭素原子数6〜25のアリールアルキル基を示し、mは1〜5の整数であり、nは0≦n≦5−mの整数であり、k及びsはそれぞれ1〜3の整数を示す。)、式(b1−3):
    Figure 0005067537

    (ただし、式(b1−3)中のR及びRはそれぞれ式(b1−1)中のRと同じであり、Rは単結合、又は2価で炭素原子数1〜10のアルキル基、若しくは炭素原子数6〜25のアリールアルキル基であり、m1は1〜4の整数であり、m2は1〜5の整数であり、mは0≦m≦4−m1、nは0≦n≦5−m2、
    tは1〜4の整数を示す。)、又はそれらの組み合わせである請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
  6. 更に架橋触媒を含む請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
  7. 更に光酸発生剤を含む請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物を半導体基板上に塗布し焼成してレジスト下層膜を形成することによって得られるレジスト下層膜。
  9. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物を半導体基板上に塗布し焼成してレジスト下層膜を形成する工程を含む半導体の製造に用いられるフォトレジストパタ−ンの形成方法。
  10. 半導体基板に請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物によりレジスト下層膜を形成する工程、その上にレジスト膜を形成する工程、露光と現像によりレジストパタ−ンを形成する工程、レジストパタ−ンにより該下層膜をエッチングする工程、及びパタ−ン化された下層膜により半導体基板を加工する工程を含む半導体装置の製造方法。
  11. 半導体基板に有機下層膜を形成する工程、その上に請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成組成物によりレジスト下層膜を形成する工程、更にその上にレジスト膜を形成する工程、露光と現像によりレジストパタ−ンを形成する工程、レジストパタ−ンによりレジスト下層膜をエッチングする工程、パタ−ン化されたレジスト下層膜により有機下層膜をエッチングする工程、及びパタ−ン化された有機下層膜により半導体基板を加工する工程を含む半導体装置の製造方法。
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