以下、本発明の実施形態に係る画像形成装置について説明する。
(画像形成装置の全体構成について)
以下に、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の全体構成を示した図である。
図1に示す画像形成装置1は、電子写真方式によるタンデム方式のカラープリンタであって、外部から入力してきた又は付属のスキャナによって得られた画像データに基づいて、4色(Y:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、K:ブラック)のカラー画像を合成するように構成したものである。画像形成装置1では、4つの並置された画像形成ステーション12Y,12M,12C,12Kの直下に転写ベルト20が配置され、直上に光走査装置30が配置されている。各画像形成ステーション12には、それぞれ、感光体ドラム13Y,13M,13C,13K、現像器14Y,14M,14C,14K、帯電器15Y,15M,15C,15K、クリーナ16Y,16M,16C,16K及び1次転写チャージャ17Y,17M,17C,17Kが配置されている。
光走査装置30は、Y,M,C,Kの画像データに基づいて射出されるビームBY,BM,BC,BKを偏向して各感光体ドラム13に照射し、該各感光体ドラム13上に画像(静電潜像)を形成する。この静電潜像はトナーによって可視像化される。このような電子写真プロセスは周知であり、その説明は省略する。
転写ベルト20は、ローラ21,22,23に無端状に張り渡されている。矢印X方向への回転に基づいて前記各感光体ドラム13上に形成された各色のトナー画像は、転写ベルト20に対して1次転写チャージャ17により順次1次転写され、更に、転写ベルト20上で合成される。
印刷媒体は、自動給紙カセット24に収納されており、1枚ずつ所定のタイミングで給紙され、通紙経路を経由して転写ベルト20から転写ローラ25にて合成トナー画像を2次転写され、定着装置26でトナーの加熱定着を施された後、画像形成装置1外へ排出される。
また、転写ローラ25の直前には、給紙された印刷媒体を検出するためのTODセンサ27が設けられており、印刷媒体と転写ベルト20上の合成トナー画像との同期を取っている。更に、転写ベルト20上であって画像形成ステーション12Kの下流側には、レジストセンサ28が設けられている。レジストセンサ28は、画像形成ステーション12Y,12M,12C,12Kで形成されたレジスト補正画像を検出する。これにより、ビームBY,BM,BC,BKの発光タイミングが調整され、Y,M,C,Kのトナー画像が転写ベルト20に正確に合成されるようになる。
(光走査装置の構成について)
次に、光走査装置30の構成について図面を参照しながら説明する。図2は、画像形成装置1の光走査装置30の斜視図である。図3は、光源部31aの回路図である。また、図2において、y軸方向は主走査方向を示し、z軸方向は副走査方向を示す。x軸方向は、y軸方向及びz軸方向の両方に垂直な方向である。
図2に示す光走査装置30では、矢印αの方向にビームスポットBSが走査される場合には、偏向器36により偏向されたビームB(BY,BC)は、感光体ドラム13Y,13Cを照射する。一方、矢印βの方向(矢印αの反対方向)にビームスポットBSが走査される場合には、偏向器36により偏向されたビームB(BM,BK)は、感光体ドラム13M,13Kを照射する。以下に、詳細に説明する。
光走査装置30は、光源部31a,31b、コリメータレンズ32a,32b、偏向器36、走査レンズ40a,40b、液晶シャッター42a,42b、ミラー44−1a,44−1b,44−2a,44−2b,44−3a,44−3b及びSOS(Start Of Scan)センサ46a,46b,50a,50bを含む。光走査装置30は、図2のz軸方向から平面視したときに偏向器36に対して点対称な構造を有している。そこで、以下では、x軸方向の正方向(図2の手前側)の構成に着目して説明を行う。
光源部31aは、感光体ドラム13Y,13Mに同時に複数ラインの書き込みを行うことによって画像形成装置1の印刷速度を向上させるために、レーザダイオードLD1a,LD2a,LD3a,LD4a(以下、総称する場合には、レーザダイオードLDと記載する。)により構成されている。レーザダイオードLD1a,LD2a,LD3a,LD4aはそれぞれ、ビームB1,B2,B3,B4(以下、総称する場合には、ビームBと記載する。)を射出し、y軸方向にずらされた状態で斜めに配置されている。また、図2に示す光走査装置30では、図面の煩雑化を防止するために、光源部31a,31bから射出されるビームBはそれぞれ、一本だけ示してある。ただし、実際には、光源部31a,31bはそれぞれ、4本のビームBを射出している。
ここで、光源部31aは、図3に示すように、レーザダイオードLD1a,LD2a,LD3a,LD4a及び一つのフォトダイオードPDが並列接続されている。フォトダイオードPDは、レーザダイオードLD1a,LD2a,LD3a,LD4aが後方へと射出したビームを検知する。画像形成装置1は、フォトダイオードPDが検知した光量に基づいて、レーザダイオードLD1a,LD2a,LD3a,LD4aの発光量を制御する。このように、光源部31aには、フォトダイオードPDが、レーザダイオードLD1a,LD2a,LD3a,LD4aに対して1つだけしか設けられていないため、複数のレーザダイオードLD1a,LD2a,LD3a,LD4aが同時に点灯すると、フォトダイオードPDが誤検知を起こす。そのため、レーザダイオードLD1a,LD2a,LD3a,LD4aは、同時にビームB1,B2,B3,B4を射出できない。
コリメータレンズ32aは、レーザダイオードLD1a,LD2a,LD3a,LD4aが射出したビームB1,B2,B3,B4のそれぞれが平行光束となるように集光する。
偏向器36は、ミラー36a及び作動部36bを含み、半導体製造技術を応用して微小機械を半導体基板上に一体形成するマイクロマシニング技術を用いて形成されるものである。偏向器36は、揺動運動するミラー36aによりビームB1,B2,B3,B4をy軸方向に偏向する。より具体的には、ミラー36aは、z軸周りに揺動自在に軸支されると共に、作動部36bから与えられる外力に応じて振動軸周りに揺動する。ミラー36aの揺動の中心は、感光体ドラム13の画像形成領域の中心と一致している。作動部36bは、駆動信号MCTRL1、MCTRL2に基づいてミラー36aに対して静電気的、電磁気的あるいは機械的な外力を作用させてミラー36aを駆動信号MCTRL1,MCTRL2の周波数で揺動させる。なお、作動部36bによる駆動方式は静電吸着、電磁気力あるいは機械力などのいずれの方式を採用してもよく、それ等の駆動方式は周知であるため、ここでは説明を省略する。
走査レンズ40aは、偏向器36により偏向されたビームB1,B2,B3,B4がy軸方向に等速度に走査されるように補正するfθ特性を有するレンズである。液晶シャッター42aは、ローレベルの制御信号LCD1が出力されてきた場合には、ビームB1,B2,B3,B4を透過し、ハイレベルの制御信号LCD1が出力されてきた場合には、ビームB1,B2,B3,B4を反射する。ミラー44−1aは、液晶シャッター42aを透過してきたビームB1,B2,B3,B4を、感光体ドラム13Y側へと反射する。ミラー44−2a,44−3aは、液晶シャッター42aにより反射されたビームB1,B2,B3,B4を、感光体ドラム13M側へと反射する。これにより、ビームB1,B2,B3,B4は、感光体ドラム13Y,13Mの周面上にビームスポットBS1,BS2,BS3、BS4(図2では、4つのビームスポットを総称してビームスポットBSと表記)として集光する。
SOSセンサ46a,50aはそれぞれ、感光体ドラム13Y,13Mの両端より外側へと進行すべきビームB1,B2,B3,B4を受光して、水平同期信号HSYNCLD1aY,HSYNCLD2aY,HSYNCLD3aY,HSYNCLD4aY,HSYNCLD1aM,HSYNCLD2aM,HSYNCLD3aM,HSYNCLD4aMを生成するための同期信号Sig1,Sig2を生成する。SOSセンサ46a,50aは、液晶シャッター42a及びミラー44−1aよりもy軸方向の外側に配置されている。そして、SOSセンサ46a,50aは、偏向器36により偏向され、かつ、液晶シャッター42a及びミラー44−1aよりもy軸方向の外側を進行するビームB1,B2,B3,B4を受光する。水平同期信号は、感光体ドラム13Y,13M,13C,13Kに対して、静電潜像の書き込みを行う際に、主走査方向の書き込み開始位置を揃えるために用いられる信号である。水平同期信号HSYNCLD1aY,HSYNCLD2aY,HSYNCLD3aY,HSYNCLD4aYはそれぞれ、レーザダイオードLD1a,LD2a,LD3a,LD4aを用いて感光体ドラム13Yに書き込みを行うための、同期信号である。また、水平同期信号HSYNCLD1aM,HSYNCLD2aM,HSYNCLD3aM,HSYNCLD4aMはそれぞれ、レーザダイオードLD1a,LD2a,LD3a,LD4aを用いて感光体ドラム13Mに書き込みを行うための、同期信号である。
(画像形成装置の制御ブロックについて)
次に、画像形成装置1の制御ブロックについて図面を参照しながら説明する。図4は、画像形成装置1のブロック図である。図4には、CPU62、クロック発生回路64、ドットクロック回路66Y,66M,66C,66K、画像メモリ68、TODセンサ27、レジストセンサ28及び光走査装置30が示されている。
クロック発生回路64は、クロック信号CLKを生成し、CPU62及びドットクロック回路66Y,66M,66C,66Kに出力する。CPU62は、クロック信号CLKに基づいて駆動する。また、ドットクロック回路66Y,66M,66C,66Kは、ドットクロック信号DCLK_Y,DCLK_M,DCLK_C,DCLK_Kをクロック信号CLKに基づいて生成する。ドットクロック信号DCLKとは、1ドットを感光体ドラム13に対して書き込むのに必要な時間の逆数の周波数を有するクロック信号である。ドットクロック信号DCLKは、画像メモリ68に対して出力される。
また、CPU62は、駆動信号MCTRL1,MCTRL2を生成し、作動部36bに対して出力する。駆動信号MCTRL1,MCTRL2は、作動部36bを駆動させて、ミラー36aを揺動運動させるための信号である。より詳細には、駆動信号MCTRL1は、図2の上方から見たときに、ミラー36aを反時計回りに回転させるための信号であり、駆動信号MCTRL2は、図2の上方から見たときに、ミラー36aを時計回りに回転させるための信号である。更に、CPU62は、光源部31aのレーザダイオードLD1a,LD2a,LD3a,LD4aを強制的に点灯させるためのサンプルホールド信号S/HLD1a,S/HLD2a,S/HLD3a,S/HLD4aを生成して、光源部31aのドライバ300aに出力する。なお、CPU62は、光源部31bを点灯させるためのサンプルホールド信号S/HLD1b,S/HLD2b,S/HLD3b,S/HLD4bについても、サンプルホールド信号S/HLD1a,S/HLD2a,S/HLD3a,S/HLD4aと同様に生成して、光源部31bのドライバ300bに出力する。これにより、光源部31a,31bのレーザダイオードLDがサンプルホールド信号S/Hに基づいて強制的に点灯させられる。
ミラー36aが揺動運動すると、ミラー36aにて反射されたビームBは、SOSセンサ46a,46b,50a,50bを通過する。SOSセンサ46a,46b,50a,50bは、ビームBの入射に基づいて、水平同期信号HSYNCを生成するための同期信号Sig1,Sig2,Sig3,Sig4を生成して、CPU62に対して出力する。CPU62は、同期信号Sig1,Sig2,Sig3,Sig4に基づいて、水平同期信号HSYNCを生成し、TODセンサ27から得た画像要求信号TODと共に画像メモリ68に対して出力する。
画像メモリ68は、画像要求信号TODをトリガとして、水平同期信号HSYNC及びドットクロック信号DCLKを内部のカウンタにてカウントし、主走査レジスト及び副走査レジストを合わせて、画像データDataLD1a,DataLD2a,DataLD3a,DataLD4aを、ドライバ300aに出力する。画像データDataLD1a,DataLD2a,DataLD3a,DataLD4aはそれぞれ、レーザダイオードLD1a,LD2a,LD3a,LD4aを書き込みのために点灯させる信号である。画像メモリ68は、ドライバ300bに対しても、画像データDataLD1a,DataLD2a,DataLD3a,DataLD4aと同様に画像データDataLD1b,DataLD2b,DataLD3b,DataLD4bを出力する。
更に、CPU62は、駆動信号MCTRL1,MCTRL2に基づいて、液晶シャッター42a,42bを駆動させるための駆動信号LCDa,LCDbを生成して、液晶シャッター42a,42bのそれぞれに出力する。より具体的には、駆動信号MCTRL1により作動部36bが駆動している場合には、CPU62は、液晶シャッター42a,42bが透過状態となるように駆動信号LCDa,LCDbの電圧値を制御する。一方、駆動信号MCTRL2により作動部36bが駆動している場合には、CPU62は、液晶シャッター42a,42bが反射状態となるように駆動信号LCDa,LCDbの電圧値を制御する。これにより、光走査装置30は、ミラー36aが反時計回りに回転しているときには、感光体ドラム13Y,13Kに対して静電潜像の形成を行い、ミラー36aが時計回りに回転しているときには、感光体ドラム13M,13Cに対して静電潜像の形成を行う。
(画像形成装置の画像形成処理について)
以上のように構成された画像形成装置1の画像形成処理について、図面を参照しながら説明する。画像形成処理とは、光走査装置30が、画像データDataに基づいて、感光体ドラム13に対して静電潜像の形成を行う処理である。図5は、ビームスポットBS1,BS2,BS3,BS4がSOSセンサ46a,50aを通過する際のレーザダイオードLDの点灯順を示した説明図である。図5は、x軸方向の正方向から負方向に向かってビームスポットBS1,BS2,BS3,BS4を観察した図である。図5中の点線に囲まれた領域は、感光体ドラム13上の画像形成領域に相当する。
図2に示すようなマルチビーム方式の光走査装置30では、複数のレーザダイオードLDがy軸方向にずらして配置されているので、複数のビームスポットBSが画像形成領域の書き出し開始位置を通過するタイミングは、ビームスポットBS毎に異なる。そのため、各レーザダイオードLDは、それぞれ異なるタイミングで、感光体ドラム13に対してビームBの照射を開始する必要がある。すなわち、レーザダイオードLDの駆動には、レーザダイオードLD毎に異なるタイミングで変動する水平同期信号HSYNCが必要となる。そこで、本実施形態に係る光走査装置3は、レーザダイオードLD毎に異なる水平同期信号HSYNCを生成するために、以下に説明するように、ビームスポットBSがSOSセンサ46a,50aを通過する順に、ビームスポットBSに対応するレーザダイオードLDを点灯させている。
より詳細には、図5(a)に示すように、ビームスポットBSの走査方向がSOSセンサ46aの外側からSOSセンサ50a側へと向かっている場合には、CPU62は、走査方向の先頭側のビームスポットBS1に対応するレーザダイオードLD1から走査方向の最後尾のビームスポットBS4に対応するレーザダイオードLD4へと順に点灯させる。次に、図5(b)に示すように、ビームスポットBSがSOSセンサ46aを通過してSOSセンサ50a側へと向かっている場合には、CPU62は、ビームスポットBS1に対応するレーザダイオードLD1からビームスポットBS4に対応するレーザダイオードLD4へと順に点灯させる。
図5(c)に示すように、ビームスポットBSがSOSセンサ50aを通過して折り返してきた場合には、CPU62は、走査方向の先頭側のビームスポットBS4に対応するレーザダイオードLD4から走査方向の最後尾のビームスポットBS1に対応するレーザダイオードLD1へと順に点灯させる。更に、図5(d)に示すように、ビームスポットBSがSOSセンサ50aを通過してSOSセンサ46a側へと向かっている場合には、CPU62は、ビームスポットBS4に対応するレーザダイオードLD4からビームスポットBS1に対応するレーザダイオードLD1へと順に点灯させる。
以上のような画像形成装置1の画像形成処理の具体例について以下に図面を参照しながら説明する。以下では、画像形成処理の一例として、x軸方向の正方向(図2の手前側)の構成の動作に着目して説明を行う。
図6(a)は、同期信号Sig1の波形図である。図6(b)は、同期信号Sig2の波形図である。図6(c)は、サンプルホールド信号S/HLD1aの波形図である。図6(d)は、サンプルホールド信号S/HLD2aの波形図である。図6(e)は、サンプルホールド信号S/HLD3aの波形図である。図6(f)は、サンプルホールド信号S/HLD4aの波形図である。図6(g)は、水平同期信号HSYNCLD1aYの波形図である。図6(h)は、水平同期信号HSYNCLD2aYの波形図である。図6(i)は、水平同期信号HSYNCLD3aYの波形図である。図6(j)は、水平同期信号HSYNCLD4aYの波形図である。図6(k)は、水平同期信号HSYNCLD4aMの波形図である。図6(l)は、水平同期信号HSYNCLD3aMの波形図である。図6(m)は、水平同期信号HSYNCLD2aMの波形図である。図6(n)は、水平同期信号HSYNCLD1aMの波形図である。図6(o)は、データ信号DataLD1aの波形図である。図6(p)は、データ信号DataLD2aの波形図である。図6(q)は、データ信号DataLD3aの波形図である。図6(r)は、データ信号DataLD4aの波形図である。図6(s)は、駆動信号LCDaの波形図である。なお、図6では、説明の容易のために、ビームスポットBSが感光体ドラム13の画像形成領域を通過している期間(書き込み期間)を実際よりも短く記載してある。
まず、CPU62は、図5(a)に示すように、SOSセンサ46aの外側よりSOSセンサ50a側へとビームスポットBSが走査されるように、偏向器36の動作を制御する。このとき、CPU62は、液晶シャッター42aが透過状態となるように、ローレベルの駆動信号LCDaを液晶シャッター42aに出力する。そして、先頭のビームB1がSOSセンサ46aに入射する直前に、CPU62は、サンプルホールド信号S/HLD1aをローレベルに立ち下げて、レーザダイオードLD1aを強制的に点灯させる(時刻t1)。ビームB1がSOSセンサ46aに入射すると、SOSセンサ46aは、同期信号Sig1をローレベルに立ち下げる(時刻t2)。時刻t2より数ns後に、CPU62は、サンプルホールド信号S/HLD1aをハイレベルに立ち上げて、レーザダイオードLD1aを消灯させる(時刻t3)。同時に、同期信号Sig1は、ハイレベルに立ち上がる。
時刻t3より数ns後に、CPU62は、ビームB2がSOSセンサ46aに入射する直前に、サンプルホールド信号S/HLD2aをローレベルに立ち下げて、レーザダイオードLD2aを強制的に点灯させる(時刻t4)。ビームB2がSOSセンサ46aに入射すると、SOSセンサ46aは、同期信号Sig1をローレベルに立ち下げる(時刻t5)。時刻t5より数ns後に、CPU62は、サンプルホールド信号S/HLD2aをハイレベルに立ち上げて、レーザダイオードLD2aを消灯させる(時刻t6)。同時に、同期信号Sig1は、ハイレベルに立ち上がる。
時刻t6より数ns後に、CPU62は、ビームB3がSOSセンサ46aに入射する直前に、サンプルホールド信号S/HLD3aをローレベルに立ち下げて、レーザダイオードLD3aを強制的に点灯させる(時刻t7)。ビームB3がSOSセンサ46aに入射すると、SOSセンサ46aは、同期信号Sig1をローレベルに立ち下げる(時刻t8)。時刻t8より数ns後に、CPU62は、サンプルホールド信号S/HLD3aをハイレベルに立ち上げて、レーザダイオードLD3aを消灯させる(時刻t9)。同時に、同期信号Sig1は、ハイレベルに立ち上がる。
時刻t9より数ns秒後に、CPU62は、ビームB4がSOSセンサ46aに入射する直前に、サンプルホールド信号S/HLD4aをローレベルに立ち下げて、レーザダイオードLD4aを強制的に点灯させる(時刻t10)。ビームB4がSOSセンサ46aに入射すると、SOSセンサ46aは、同期信号Sig1をローレベルに立ち下げる(時刻t11)。時刻t11より数ns後に、CPU62は、サンプルホールド信号S/HLD4aをハイレベルに立ち上げて、レーザダイオードLD4aを消灯させる(時刻t12)。同時に、同期信号Sig1は、ハイレベルに立ち上がる。
次に、CPU62は、時刻t2から所定時間後に、レーザダイオードLD1aの感光体ドラム13Yに対する書き込み開始の制御を行うための水平同期信号HSYNCLD1aYをローレベルに立ち下げて、画像メモリ68に出力する(時刻t13)。水平同期信号HSYNCLD1aYの立ち下がりに応じて、画像メモリ68は、画像データDataLD1aのドライバ300aに対する出力を開始する。この後、レーザダイオードLD1aによる感光体ドラム13Yに対する静電潜像の書き込みが開始される。
次に、CPU62は、時刻t5から所定時間後に、レーザダイオードLD2aの感光体ドラム13Yに対する書き込み開始の制御を行うための水平同期信号HSYNCLD2aYをローレベルに立ち下げて、画像メモリ68に出力する(時刻t14)。水平同期信号HSYNCLD2aYの立ち下がりに応じて、画像メモリ68は、画像データDataLD2aのドライバ300aに対する出力を開始する。この後、レーザダイオードLD2aによる感光体ドラム13Yに対する静電潜像の書き込みが開始される。
次に、CPU62は、時刻t8から所定時間後に、レーザダイオードLD3aの感光体ドラム13Yに対する書き込み開始の制御を行うための水平同期信号HSYNCLD3aYをローレベルに立ち下げて、画像メモリ68に出力する(時刻t15)。水平同期信号HSYNCLD3aYの立ち下がりに応じて、画像メモリ68は、画像データDataLD3aのドライバ300aに対する出力を開始する。この後、レーザダイオードLD3aによる感光体ドラム13Yに対する静電潜像の書き込みが開始される。
次に、CPU62は、時刻t11から所定時間後に、レーザダイオードLD4aの感光体ドラム13Yに対する書き込み開始の制御を行うための水平同期信号HSYNCLD4aYをローレベルに立ち下げて、画像メモリ68に出力する(時刻t16)。水平同期信号HSYNCLD4aYの立ち下がりに応じて、画像メモリ68は、画像データDataLD4aのドライバ300aに対する出力を開始する。この後、レーザダイオードLD4aによる感光体ドラム13Yに対する静電潜像の書き込みが開始される。
感光体ドラム13Yへの4ライン分の静電潜像の書き込みが完了すると、ビームスポットBSは、図5(b)に示すようにSOSセンサ50aを走査しようとする。ビームスポットBSがSOSセンサ50aを通過する間(時刻t17〜時刻t18)に、CPU62が行う動作は、時刻t1〜時刻t12においてCPU62が行った動作と同様であるので説明を省略する。ただし、CPU62は、時刻t17〜時刻t18において、同期信号Sig1の代わりに、同期信号Sig2の電圧を変化させる。また、CPU62は、水平同期信号HSYNCの電圧については変化させない。時刻t12から数ns後に、CPU62は、液晶シャッター42aを反射状態にするために、駆動信号LCDaをローレベルからハイレベルに立ち上げる。
次に、CPU62は、図5(c)に示すように、SOSセンサ50aの外側よりSOSセンサ50a側へとビームスポットBSが走査されるように、偏向器36の動作を制御する。先頭のビームB4がSOSセンサ50aに入射する直前に、CPU62は、サンプルホールド信号S/HLD4aをローレベルに立ち下げて、レーザダイオードLD4aを強制的に点灯させる(時刻t19)。ビームB4がSOSセンサ50aに入射すると、SOSセンサ50aは、同期信号Sig2をローレベルに立ち下げる(時刻t20)。時刻t20より数ns後に、CPU62は、サンプルホールド信号S/HLD4aをハイレベルに立ち上げて、レーザダイオードLD4aを消灯させる(時刻t21)。同時に、同期信号Sig2は、ハイレベルに立ち上がる。
時刻t21より数ns後に、CPU62は、ビームB3がSOSセンサ50aに入射する直前に、サンプルホールド信号S/HLD3aをローレベルに立ち下げて、レーザダイオードLD3aを強制的に点灯させる(時刻t22)。ビームB3がSOSセンサ50aに入射すると、SOSセンサ50aは、同期信号Sig2をローレベルに立ち下げる(時刻t23)。時刻t23より数ns後に、CPU62は、サンプルホールド信号S/HLD3aをハイレベルに立ち上げて、レーザダイオードLD3aを消灯させる(時刻t24)。同時に、同期信号Sig2は、ハイレベルに立ち上がる。
時刻t24より数ns後に、CPU62は、ビームB2がSOSセンサ50aに入射する直前に、サンプルホールド信号S/HLD2aをローレベルに立ち下げて、レーザダイオードLD2aを強制的に点灯させる(時刻t25)。ビームB2がSOSセンサ50aに入射すると、SOSセンサ50aは、同期信号Sig2をローレベルに立ち下げる(時刻t26)。時刻t26より数ns後に、CPU62は、サンプルホールド信号S/HLD2aをハイレベルに立ち上げて、レーザダイオードLD2aを消灯させる(時刻t27)。同時に、同期信号Sig2は、ハイレベルに立ち上がる。
時刻t27より数ns秒後に、CPU62は、ビームB1がSOSセンサ50aに入射する直前に、サンプルホールド信号S/HLD1aをローレベルに立ち下げて、レーザダイオードLD1aを強制的に点灯させる(時刻t28)。ビームB1がSOSセンサ50aに入射すると、SOSセンサ50aは、同期信号Sig2をローレベルに立ち下げる(時刻t29)。時刻t29より数ns後に、CPU62は、サンプルホールド信号S/HLD1aをハイレベルに立ち上げて、レーザダイオードLD1aを消灯させる(時刻t30)。同時に、同期信号Sig2は、ハイレベルに立ち上がる。
次に、CPU62は、時刻t20から所定時間後に、レーザダイオードLD4aの感光体ドラム13Mに対する書き込み開始の制御を行うための水平同期信号HSYNCLD4aMをローレベルに立ち下げて、画像メモリ68に出力する(時刻t31)。水平同期信号HSYNCLD4aMの立ち下がりに応じて、画像メモリ68は、画像データDataLD4aのドライバ300aに対する出力を開始する。この後、レーザダイオードLD4aによる感光体ドラム13Mに対する静電潜像の書き込みが開始される。
次に、CPU62は、時刻t23から所定時間後に、レーザダイオードLD3aの感光体ドラム13Mに対する書き込み開始の制御を行うための水平同期信号HSYNCLD3aMをローレベルに立ち下げて、画像メモリ68に出力する(時刻t32)。水平同期信号HSYNCLD3aMの立ち下がりに応じて、画像メモリ68は、画像データDataLD3aのドライバ300aに対する出力を開始する。この後、レーザダイオードLD3aによる感光体ドラム13Mに対する静電潜像の書き込みが開始される。
次に、CPU62は、時刻t26から所定時間後に、レーザダイオードLD2aの感光体ドラム13Mに対する書き込み開始の制御を行うための水平同期信号HSYNCLD2aMをローレベルに立ち下げて、画像メモリ68に出力する(時刻t33)。水平同期信号HSYNCLD2aMの立ち下がりに応じて、画像メモリ68は、画像データDataLD2aのドライバ300aに対する出力を開始する。この後、レーザダイオードLD2aによる感光体ドラム13Mに対する静電潜像の書き込みが開始される。
次に、CPU62は、時刻t29から所定時間後に、レーザダイオードLD1aの感光体ドラム13Mに対する書き込み開始の制御を行うための水平同期信号HSYNCLD1aMをローレベルに立ち下げて、画像メモリ68に出力する(時刻t34)。水平同期信号HSYNCLD1aMの立ち下がりに応じて、画像メモリ68は、画像データDataLD1aのドライバ300aに対する出力を開始する。この後、レーザダイオードLD1aによる感光体ドラム13Mに対する静電潜像の書き込みが開始される。
感光体ドラム13Mへの4ライン分の静電潜像の書き込みが完了すると、ビームスポットBSは、図5(d)に示すようにSOSセンサ46aを走査しようとする。ビームスポットBSがSOSセンサ46aを通過する間(時刻t35〜時刻t36)に、CPU62が行う動作は、時刻t19〜時刻t34においてCPU62が行った動作と同様であるので説明を省略する。ただし、CPU62は、時刻t35〜時刻t36において、同期信号Sig2の代わりに、同期信号Sig1の電圧を変化させる。また、CPU62は、水平同期信号HSYNCの電圧については変化させない。時刻t36から数ns後に、CPU62は、液晶シャッター42aを透過状態にするために、駆動信号LCDaをハイレベルからローレベルに立ち下げる。以上の動作により、感光体ドラム13Y,13Mのそれぞれに4ライン分の静電潜像が形成される。なお、同時に、感光体ドラム13C,13Kに対しても4ライン分の静電潜像が形成される。
(効果)
画像形成装置1では、CPU62は、図5に示すように、ビームスポットBSの走査方向に応じて、レーザダイオードLDを点灯させる順番を切り替えているので、ビームスポットBSがSOSセンサ46a,50aを通過するタイミングで、レーザダイオードLDを点灯させることができる。これにより、SOSセンサ46a,50aはそれぞれ、図6(a)及び図6(b)に示すように、ビームスポットBS1,BS2,BS3,BS4が通過する度に電圧が立ち下がる同期信号Sig1,Sig2を出力するようになる。その結果、CPU62は、図6(g)ないし図6(n)に示すように、同期信号Sig1,Sig2の立ち下がりに同期した複数の水平同期信号HSYNCを生成することが可能となる。したがって、揺動運動を行うミラー36aが偏向器36として用いられたマルチビーム方式の画像形成装置1を正確に動作させることができる。
(変形例)
以下に、画像形成装置1の変形例について説明する。図2に示す光走査装置30では、ビームスポットBSの走査方向によって異なる感光体ドラム13に対してビームBの照射が行われている。すなわち、一つの光源部31は、二つの感光体ドラム13に対してビームBを照射する。ここで、感光体ドラム13の感度は、感光体ドラム13の使用頻度等により異なる。そのため、光源部31は、各感光体ドラム13に適した強度のビームBを照射する必要がある。そこで、本変形例に係る画像形成装置1では、CPU62は、各感光体ドラム13の感度に応じた強度で光源部31を点灯させている。
しかしながら、各感光体ドラム13の感度に応じた強度で光源部31を点灯させた場合には、SOSセンサ46a,50aに入射するビームBの強度が変動してしまう。そのため、CPU62が同期信号Sig1,Sig2を正確に検知できないおそれがある。
そこで、本変形例に係る画像形成装置1では、CPU62は、以下に図面を参照しながら説明するように、ビームスポットBSの走査方向に応じて、レーザダイオードLDの発光強度を変化させると共に、SOSセンサ46a,50aのゲインを変化させている。より詳細には、CPU62は、SOSセンサ46a,50aのゲインを調整するための調整信号LDPCの電圧を、ビームスポットBSの走査方向に応じて制御する。該調整信号LDPCは、図4に示すように、各レーザダイオードLDに対応するように生成される。
表1は、調整信号LDPCの電圧とSOSセンサ46a,50aのゲインとの関係を示したテーブルである。表1に示すように、調整信号LDPCの電圧が相対的に高くなれば、SOSセンサ46a,50aのゲインは低くなり、調整信号LDPCの電圧が相対的に低くなれば、SOSセンサ46a,50aのゲインは高くなる。
次に、図7を参照しながら、本変形例に係る画像形成装置1の画像形成処理について説明する。図7(a)は、同期信号Sig1の波形図である。図7(b)は、同期信号Sig2の波形図である。図7(c)は、サンプルホールド信号S/HLD1aの波形図である。図7(d)は、サンプルホールド信号S/HLD2aの波形図である。図7(e)は、サンプルホールド信号S/HLD3aの波形図である。図7(f)は、サンプルホールド信号S/HLD4aの波形図である。図7(g)は、調整信号LDPCLD1aの波形図である。図7(h)は、調整信号LDPCLD2aの波形図である。図7(i)は、調整信号LDPCLD3aの波形図である。図7(j)は、調整信号LDPCLD4aの波形図である。図7(k)は、SOSセンサ46a,50aのゲインである。なお、図7では、説明の容易のために、ビームスポットBSが感光体ドラム13の画像形成領域を通過している期間(書き込み期間)を実際よりも短く記載してある。
図7に示すように、調整信号LDPCの電圧は、走査する感光体ドラム13が切り替わる度に変化する。該調整信号LDPCの電圧は、例えば、感光体ドラム13の感度により、CPU62により設定される。
CPU62は、図4に示すように、調整信号LDPCをドライバ300a,300bに対して出力している。そして、CPU62は、図7の時刻t1ないし時刻t20に示すように、同期信号Sig1,Sig2がローレベルになっている期間において、調整信号LDPCの電圧を検知する。更に、CPU62は、調整信号LDPCの電圧及び表1に示すテーブルに基づいて、SOSセンサ46a,50aのゲインを調整する。これにより、ビームBがsensa46a,50aに入射する度に、SOSセンサ46a,50aのゲインが調整される。そして、調整信号LDPCをレーザダイオードLDの特性や感光体ドラム13の感度に基づいて変化させることにより、SOSセンサ46a,50aは、安定した検出精度でビームBを検知することができる。その結果、CPU62は、同期信号Sig1,Sig2を正確に検知できるようになる。
(制御手順)
次に、画像形成装置1の制御手順について図面を参照しながら説明する。図8は、画像形成処理において、CPU62が行う動作を示したフローチャートである。また、図9は、図8のプリント処理において、CPU62が行う動作を示したフローチャートである。なお、図8及び図9に示すフローチャートでの処理は、CPU62において、ソフトウエアを実行することによって実現してもよいし、それら各処理を行う専用のハードウエア回路を用いて実現してもよい。
電源が投入されると、CPU62は、図8に示すように、RAMやタイマー等を初期化し(ステップS1)、内部タイマーのセットを行う(ステップS2)。次に、CPU62は、印字モードを設定し(ステップS3)、画像メモリ処理を行う(ステップS4)。この後、CPU62は、図9に示すプリント処理を行う(ステップS5)。
CPU62は、プリント処理において、ビームスポットBSの走査方向が矢印α方向か矢印β方向かを判定する(ステップS11)。走査方向が矢印α方向である場合には、本処理はステップS12に進む。走査方向が矢印β方向である場合には、本処理はステップS15に進む。
走査方向が矢印α方向である場合、CPU62は、液晶シャッター42aを透過状態とする(ステップS12)。次に、CPU62は、図5(a)に示すように、レーザダイオードLDの点灯順を、レーザダイオードLD1aからレーザダイオードLD4aへと順に点灯させるものと決定する(ステップS13)。すなわち、CPU62は、図7の時刻t1〜時刻t4に示すように、サンプルホールド信号S/HLD1a,S/HLD2a,S/HLD3a,S/HLD4aの電圧をこの順に立ち下げる。更に、CPU62は、感光体ドラム13Yに適した電圧の調整信号LDPCLD1a,LDPCLD2a,LDPCLD3a,LDPCLD4aを生成して、SOSセンサ46a,50aのゲインを感光体ドラム13Y用に設定する(ステップS14)。この後、本処理は図8のステップS6に進む。
走査方向が矢印β方向である場合、CPU62は、液晶シャッター42aを反射状態とする(ステップS15)。次に、CPU62は、図5(c)に示すように、レーザダイオードLDの点灯順を、レーザダイオードLD4aからレーザダイオードLD1aへと順に点灯させるものと決定する(ステップS16)。すなわち、CPU62は、図7の時刻t9〜時刻t12に示すように、サンプルホールド信号S/HLD4a,S/HLD3a,S/HLD2a,S/HLD1aの電圧をこの順に立ち下げる。更に、CPU62は、感光体ドラム13Mに適した電圧の調整信号LDPCLD1a,LDPCLD2a,LDPCLD3a,LDPCLD4aを生成して、SOSセンサ46a,50aのゲインを感光体ドラム13M用に設定する(ステップS17)。この後、本処理は図8のステップS6に進む。
前記ステップS6において、CPU62は、温度制御や紙詰まり検出などのその他の処理を行う(ステップS6)。次に、CPU62は、内部タイマーが所定時間の計測を終了したか否かを判定する(ステップS7)。本処理は、所定時間の計測が終了するまで繰り返される。所定時間の計測が終了した場合には、本処理はステップS2へと戻る。この後、ステップS2ないしステップS7の動作が繰り返されることにより、画像形成が行われる。
なお、画像形成装置1では、水平同期信号HSYNCLD1aY・・・は、CPU62にて生成されるものとしたが、例えば、画像メモリ68等の他の構成要素にて生成されてもよい。