JP5066801B2 - 燃料電池を用いたコージェネレーションシステム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料ガスと酸化剤ガスとの混合ガス中で安定的に発電する単室型の燃料電池を用いたコージェネレーションシステムに関するものである。
コージェネレーションシステムとは、一次エネルギーから連続的に、しかも同時に2種類以上の二次エネルギーを発生させるシステムであり、その中でも、発電効率が高く、環境負荷ガスが発生しない燃料電池を用いたコージェネレーションシステムが近年注目を浴び、開発が活発に行われている。
この種の燃料電池を用いたコージェネレーションシステムとして、燃料電池からの排ガスをバーナ部にて燃焼させ、バーナ部で発生する熱で発電部を加熱するシステム(特許文献1等)が提案されている。
特開2002−168439号公報
しかしながら、上記のシステムでは、燃焼室からの伝熱で発電部を加熱していたので、発電部の加熱効率が十分でないという問題があった。
そこで、本発明は、発電部の加熱効率を向上させた燃料電池を用いたコージェネレーションシステムを提供することを課題とする。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねて完成されたものである。
1.燃料ガス及び酸化剤ガスの混合ガスが供給される混合ガス供給路と、前記混合ガス供給路を経た混合ガスを燃焼させるガス燃焼装置と、前記ガス燃焼装置を収容する燃焼室と、前記混合ガス供給路上に配置され、当該供給路を流れる混合ガスによって発電する燃料電池を少なくとも一つ有する発電部とを備え、前記発電部を前記燃焼室内に設置し、当該燃焼室で発生する燃焼熱によって前記発電部を加熱するように構成し、
前記燃料ガス及び前記酸化剤ガスを混合するガス混合部をさらに備え、
前記ガス混合部を前記燃焼室内に設置して前記混合ガスを予熱することを特徴とする燃料電池を用いたコージェネレーションシステムを提供する。
2.前記燃焼室で発生する燃焼熱によって前記発電部を加熱して該発電部の動作温度を確保するように構成したことを特徴とする前記1に記載の燃料電池を用いたコージェネレーションシステムを提供する。
3.前記燃料電池は、電解質、燃料極、及び空気極を有しており、前記燃料ガス及び前記酸化剤ガスの混合ガスを供給することにより発電する単室型の固体酸化物燃料電池であることを特徴とする前記1又は2に記載の燃料電池を用いたコージェネレーションシステムを提供する。
4.前記発電部に燃料ガスを供給する燃料ガス供給管及び前記発電部に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給管の少なくとも一方を前記燃焼室内に設置してガスを予熱することを特徴とする前記1から3のいずれかに記載の燃料電池を用いたコージェネレーションシステムを提供する。
5.前記燃焼室内に設置される熱交換器を介して、前記燃焼室で発生する燃焼熱によって前記燃料ガス及び前記酸化剤ガスを予熱して前記発電部に供給することを特徴とする前記1から4のいずれかに記載の燃料電池を用いたコージェネレーションシステムを提供する。
6.前記燃料電池によって発電された電力を蓄える蓄電池を備えたことを特徴とする前記1から5のいずれかに記載の燃料電池を用いたコージェネレーションシステムを提供する。
7.前記ガス燃焼装置、前記発電部、及び、前記ガス混合部を制御するシステム制御部を備えたことを特徴とする前記1から6のいずれかに記載の燃料電池を用いたコージェネレーションシステムを提供する。
8.前記システム制御部は、前記燃料電池で消費される混合ガス量に基づいて、所望の燃焼状態となるように前記ガス燃焼装置に供給される混合ガスの供給量を制御する、前記7に記載の燃料電池を用いたコージェネレーションシステムを提供する。
9.前記発電部は、複数個の燃料電池を有しており、前記混合ガス供給路を通過する混合ガスは前記各燃料電池に供給される、前記1から8のいずれかに記載の燃料電池を用いたコージェネレーションシステムを提供する。
本発明によれば、燃料ガス及び酸化剤ガスの混合ガスが供給される混合ガス供給路からガス燃焼装置へと混合ガスが供給され、ガスの燃焼が行われる。そして、本発明では、燃料電池を備えた発電部を混合ガス供給路上に配置し、ガス燃焼装置へと供給される混合ガスを利用して発電を行っている。したがって、ガス燃焼装置によって熱を発生させつつ、発電も行うことができるため、効率的なエネルギーの利用が可能となる。なお、発電された電気は、このシステムを稼働するための電源として使用したり、ガス燃焼装置から排出された熱の温度制御などに用いることができる。さらに、本発明では、発電部を燃焼室内に設置し、この燃焼室で発生する燃焼熱によって発電部を加熱するので、発電部を燃焼室内の燃焼熱によって直接加熱することができて発電部の加熱効率を向上させることができる。
また、発電部の燃料電池として単室型の固体酸化物形燃料電池を使用することにより、ガスの供給路を簡素化することができる。
また、ガス混合部を設けることにより、燃焼室又は発電部に混合ガスをより安定して供給することができる。
また、前記燃料ガス及び前記酸化剤ガスの少なくとも一方を前記燃焼室で発生する燃焼熱によって予熱すると、ガス供給による発電部の温度低下を極力防ぐことができ、発電部を暖める電力を削減することができる。
また、前記燃料電池によって発電される電力を蓄える蓄電池を備えると、発電部で発生する電力の余剰分を蓄電池にて充電することができる。
さらに、システム制御部を設け、該システム制御部によって例えばガス燃焼装置及び燃焼室へのガス供給量を調整すれば、適切な発電及び燃焼を行うことができ、燃料ガスや酸化剤ガスの使用量を削減することもできる。特に、燃料電池では混合ガスを消費するため、この消費量に基づいてガス燃焼装置への混合ガスの供給量を制御すれば、ガスの燃焼を所望の状態に維持することができる。また、発電部は種々の構成をとることができ、例えば燃料電池を複数配置し、混合ガス供給路の混合ガスが各燃料電池それぞれに供給されるように構成することができる。したがって、複数の燃料電池を並列に接続して利用することができる。
以下、本発明に係る燃料電池を用いたコージェネレーションシステムの実施形態について図面を参照しつつ説明する。
実施形態1
図1は、燃料電池を用いたコージェネレーションシステムの実施形態1を示すシステムブロック図である。
図1に示すように、本実施形態のコージェネレーションシステムは、燃料ガス(例えばプロパンガスや都市ガスなど)及び酸化剤ガス(空気など)を混合するガス混合部1と、このガス混合部1から混合ガスを供給されるガス燃焼装置(バーナ部)3とを備えており、ガス燃焼装置3は燃焼室4内に配置されている。ガス混合部1からガス燃焼装置3に至る混合ガス供給路Lには、燃料電池を有する発電部2が配置されており、この発電部2も燃焼室4に配置されている。そのため、この発電部2は、燃焼室4で発生する燃焼熱によって直接加熱されるように構成され、発電部2の動作温度が確保されるようになっている。また、このシステムには、燃料電池によって発電される電力を蓄える蓄電池5と、システム制御部6とが燃焼室4の外部に設けられている。システム制御部6は、ガス燃焼装置3に供給される混合ガスの供給量等が制御される。
本システムでは、まず、燃料ガスが供給される燃料ガス供給管7及び酸化剤ガスが供給される酸化剤ガス供給管8により、燃料ガス及び空気がガス混合部1に供給されて混合ガスとなる。
上述したように、発電部2は混合ガス供給路Lの途中に配置されているため、供給路Lを流れる混合ガスを利用して発電を行う。より詳細には、発電部2は単室型の固体酸化物形燃料電池を備えており、該燃料電池は、電解質、燃料極、及び空気極を有し、燃料極側と空気極側に分かれておらず、単室となっている。そして、燃料ガス及び空気の混合ガスが供給されると、燃料極と空気極との二つの電極がガス選択性を有しているため、電極間に電圧が発生して発電する。このように、電解質部分にて2室に分け、燃料極側には燃料ガスを、空気極側には酸化剤ガスを供給することにより発電を行う一般的な二室タイプの固体酸化物燃料電池とは異なり、燃料ガスと空気とを分離して供給する必要がないために、ガスセパレータが不要となり単純な構造を持つ固体酸化物形燃料電池を構成することができる。また、この単室型の固体酸化物燃料電池の構造としては、電解質を介すように電解質の一方面に燃料極、他方面に空気極を配置した構造と、電解質の一方面に一対の燃料極及び空気極を所定間隔をおいて配置した構造との二つの構造がある。作動温度は燃料電池の材質にもよるが、一般的に約400〜1000℃程度の温度域で保たれている。
このように、発電部2では、混合ガスの一部が使用されるのであるが、発電に用いられたガスは混合ガス供給路Lに戻される。そして、ガス混合部1からの混合ガスとともに、ガス燃焼装置3に供給され、この混合ガスを燃料として燃焼させる。ガス燃焼装置3に混合ガスが供給されて燃焼が行われ、また、燃焼室4で発生する燃焼熱によって発電部2を直接加熱してこの発電部2の動作温度を確保する。なお、混合ガスの全部が発電部2を通過するようにすることもできる。
システム制御部6は、発電部2で生じた電力により作動し、発電部2や、ガス混合部1、ガス燃焼装置3を制御する。より詳細には、システム制御部6は、発電部1に対する所望の出力値に応じて、燃料ガス及び酸化剤ガスの各々のガス流量やガス圧力を調整し、また、ガス混合部1におけるガスの混合比率を常時測定し、設定された比率となるように調整する。さらには、燃焼室4内及び発電部2においては、温度測定をし、その管理を行う。また、システム制御部6は、蓄電池5が接続されており、該蓄電池5へ余剰電力を供給して充電を行う。さらに、システム起動時には蓄電池5に充電された電力を使い、システム制御部6を作動させ、また、該電力を使って図外の起動用ヒーターを発熱させて発電部を加熱する。さらに、このシステムでは、ガス供給路Lを流れる混合ガスの一部が発電部2によって消費されている。つまり、発電部2で消費され、そこから排出された混合ガスがガス燃焼装置3に供給される。そのため、発電部2での混合ガスの消費量に基づいてガス混合部1からの混合ガス供給量を制御すれば、ガス燃焼装置3でのガスの燃焼を所望の状態に維持することができる。この場合の制御は、システム制御部6によって行うことができる。
実施形態2
図2は、燃料電池を用いたコージェネレーションシステムの実施形態2を示すシステムブロック図である。
本実施形態では、ガス混合部1を燃焼室4内に設置し、混合ガスを予熱するようになっている。これによってガス供給による発電部2の温度低下を極力防ぐことができ、燃料利用効率の向上をより図ることができる。
更に、本実施形態では、燃料ガス供給管7及び酸化剤ガス供給管8を、燃焼室4内を通過させることにより、混合ガスの予熱効果を更に高めている。
なお、その他の構成は、実施形態1と同じであるので、実施形態1で用いた符号と同符号を図面に付すことにより、それらの説明を省略する。
実施形態3
図3は、燃料電池を用いたコージェネレーションシステムの実施形態3を示すシステムブロック図である。本実施形態では、実施形態1の構成に加えて、燃焼室4内を燃料ガス供給管7及び酸化剤ガス供給管8が通過するようになっている。そして、燃焼室4で発生する燃焼熱によって供給管7,8を加熱することにより、予熱された燃料ガス及び空気をガス混合部1に送って混合し、この混合ガスを発電部2に供給する。これによってもガス供給による発電部2の温度低下を極力防ぐことができ、発電部2を暖める電力を削減することができる。
実施形態4
図4は、燃料電池を用いたコージェネレーションシステムの実施形態4を示すシステムブロック図である。本実施形態では、実施形態2の構成に加えて、燃焼室4内に設置される熱交換器9に供給管7及び供給管8を通過させ、熱交換器9を介して、燃焼室4で発生する燃焼熱によって供給管7,8を加熱する。このように本実施形態では、熱交換器9を利用して発電部2を暖める電力を削減する。
以上の述べた実施形態のシステムはガスファンヒーター等のガス器具に組み込まれるものであり、本システムのガス燃焼装置3及び燃焼室4として、該ガス器具のガス燃焼装置及び燃焼室が利用される。また、実施形態3のシステムでは、熱交換器を備えたガス器具(給湯器等)に組み込まれ、本システムの熱交換器として、このガス器具の熱交換器が利用される。
以上の実施形態によれば、燃料ガスと酸化剤ガスとの混合ガスが供給される混合ガス供給路Lからガス燃焼装置3へと混合ガスが供給され、ガスの燃焼が行われる。そして、燃料電池を備えた発電部2を混合ガス供給路L上に配置し、ガス燃焼装置3へと供給される混合ガスを利用して発電を行っている。したがって、ガス燃焼装置3によって熱を発生させつつ、発電も行うことができるため、効率的なエネルギーの利用が可能となる。また、上記実施形態では、発電部2を燃焼室4内に設置し、この燃焼室4で発生する燃焼熱によって発電部2を加熱するので、発電部2を燃焼室4内の燃焼熱によって直接加熱することができて発電部2の加熱効率を向上させることができる。また、このシステムでは、通常のガス器具に発電部2を組み込んで構成することができる。すなわち、ガスの供給路上に発電部2を配置しているため、燃焼機構を変更することなく、従来のガス器具を用いることができる。したがって、低コストでコージェネレーションシステムを構築することが可能となる。さらに、発電部2に燃料ガス及び空気の混合ガスにより発電する単室型の固体酸化物形燃料電池を使用しているので、ガスの供給ラインを簡素化することができ、システム構造を簡略化することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、発電部2では、一つの燃料電池を配置することもできるし、複数の燃料電池を配置することもできる。その場合、図5に示すように、混合ガス供給路Lを流れるガスが複数の燃料電池(単室型SOFC)それぞれに供給されるように構成することができる。このとき、複数の燃料電池を並列に接続すると、出力電流値を調整することが可能となる。また、複数の燃料電池を直列に接続することもできる。
なお、本発明に係る燃焼室とは、バーナ等の燃焼装置を収容するものであり、燃焼装置から発生する燃焼熱によって、同じく収容されている発電部を加熱できるような空間を有していればよい。例えば、本システムをガス器具に用いる場合、必要なガスを供給する供給パイプが導入され、バーナー等の燃焼装置が収容され、さらに、その燃焼装置により暖められた温風を吹出す吹出し口を備えているような筐体が燃焼室に相当する。この場合、筐体は、主に、ステンレス材から構成することができる。
本発明に係るコージェネレーションシステムの実施形態1を示すシステムブロック図である。 本発明に係るコージェネレーションシステムの実施形態2を示すシステムブロック図である。 本発明に係るコージェネレーションシステムの実施形態3を示すシステムブロック図である。 本発明に係るコージェネレーションシステムの実施形態4を示すシステムブロック図である。 本発明に係るコージェネレーションシステムに用いられる発電部の一例を示すブロック図である。
符号の説明
1 ガス混合部
2 発電部
3 ガス燃焼装置
4 燃焼室
5 蓄電池
6 システム制御部
L 混合ガス供給路

Claims (9)

  1. 燃料ガス及び酸化剤ガスの混合ガスが供給される混合ガス供給路と、
    前記混合ガス供給路を経た混合ガスを燃焼させるガス燃焼装置と、
    前記ガス燃焼装置を収容する燃焼室と、
    前記混合ガス供給路上に配置され、当該供給路を流れる混合ガスによって発電する燃料電池を少なくとも一つ有する発電部とを備え、
    前記発電部が前記燃焼室内に設置され、当該燃焼室内で発生する燃焼熱によって前記発電部を加熱するように構成し、
    前記燃料ガス及び前記酸化剤ガスを混合するガス混合部をさらに備え、
    前記ガス混合部を前記燃焼室内に設置して前記混合ガスを予熱することを特徴とする燃料電池を用いたコージェネレーションシステム。
  2. 前記燃焼室で発生する燃焼熱によって前記発電部を加熱して当該発電部の動作温度を確保するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池を用いたコージェネレーションシステム。
  3. 前記燃料電池は、電解質、燃料極、及び空気極を有しており、前記燃料ガス及び前記酸化剤ガスの混合ガスを供給することにより発電する単室型の固体酸化物燃料電池であることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池を用いたコージェネレーションシステム。
  4. 前記発電部に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給管及び前記発電部に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給管の少なくとも一方を前記燃焼室内に設置してガスを予熱することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池を用いたコージェネレーションシステム。
  5. 前記燃焼室内に設置される熱交換器をさらに備え、当該熱交換器を介して前記燃焼室で発生する燃焼熱によって前記燃料ガス及び前記酸化剤ガスを予熱して前記発電部に供給することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の燃料電池を用いたコージェネレーションシステム。
  6. 前記燃料電池によって発電された電力を蓄える蓄電池をさらに備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の燃料電池を用いたコージェネレーションシステム。
  7. 前記ガス燃焼装置、前記発電部、及び、前記ガス混合部を制御するシステム制御部をさらに備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の燃料電池を用いたコージェネレーションシステム。
  8. 前記システム制御部は、前記燃料電池で消費される混合ガス量に基づいて、所望の燃焼状態となるように前記ガス燃焼装置に供給される混合ガスの供給量を制御する、請求項7に記載の燃料電池を用いたコージェネレーションシステム。
  9. 前記発電部は、複数個の燃料電池を有しており、前記混合ガス供給路を通過する混合ガスは前記各燃料電池に供給される、請求項1から8のいずれかに記載の燃料電池を用いたコージェネレーションシステム。
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