JP5066585B2 - 電気化学素子用電解質およびその電気化学素子 - Google Patents

電気化学素子用電解質およびその電気化学素子 Download PDF

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Description

本発明は、電気化学素子用非水電解質に関し、より詳細には、劣化の発生を抑制するのに有用な電解質添加物、およびそれを有する電気化学素子に関する。
近年、省エネ技術を研究する傾向が高まっている。携帯電話、カムコーダー、ノート型パソコンなどのいくつかの局面において、充電式電池が広く利用されている。二次電池により関心がもたれる関連分野についても広範囲に研究が行われている。二次電池については、主にエネルギー密度とサイクル寿命を高めることが研究されている。
現行の二次電池において、リチウム電池は1990年代に開発されたものである。水性電解質を用いた従来の電池(ニッケル水素化物電池、ニッケルカドミウム電池、および鉛酸電池など)と比較して、リチウムイオン電池は、高い使用電圧とエネルギー密度を有する。したがって、人々はリチウムイオン電池の研究に多くの時間を投じている。しかしながら、リチウムイオン電池の欠点のひとつに、充放電サイクルを繰り返す間に容量が減衰することがある。リチウムイオン電池の容量が大きいほど、この問題は深刻になる。したがって、リチウムイオン電池の寿命をさらに向上させる必要がある。リチウム電池の寿命を向上させる一つの手法としては、適切な添加剤によって電解質組成を改変することがある。
リチウムイオン電池の電解質において、カーボネート系有機化合物が溶媒として広く用いられている。それらは、構造および特性によって簡単に次の2つの群に分けられる。一方の群は、炭酸エチレン(EC)や炭酸プロピレン(PC)などの高い誘電率と粘性を有する環状カーボネートであり、他方の群は、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸ジエチル(DEC)および炭酸エチルメチル(EMC)などの低い誘電率と粘性を有する直鎖状カーボネートである。理想的な電解質は、高い誘電率と低い粘性とを同時に有していなければならない。したがって、一般的な電解質は、誘電率と粘性の両方の要求される特性を得るために、環状カーボネートと直鎖状カーボネートとの混合物を含んでいる。
しかしながら、ECおよびPCはそれぞれ次のような特性を有している。最初の充電工程において、ECは、アノード表面上に、固体電解質界面(SEI)などの安定した不活性化層を形成して、アノード材料が剥離するのを防ぐことができるが、PCはこれを行えない。しかしながら、ECは37℃(ECの融点)未満でその流動性を失う。そのため、低温下においては電池の充放電性能が悪くなる。反対に、PCは融点が低い(−49℃)ことから、低温下でも良好な流動性を持つものの、充電過程の間に黒鉛層中にリチウムイオンとのコインターカレーションを引き起こしやすく、有害な黒鉛の剥離につながることになる。したがって、PCの含量が高すぎると、通常は電池の寿命が短くなる。
上記の問題を解決するために、市販の電解質においては、通常ECとPCの混合物を用いて、上記の欠点を回避し、電池の性能を高めている。溶媒の比率を調節する以外では、添加剤を用いることが、電池の寿命、容量、低温性能を向上させるための最も有効な方法である。それにもかかわらず、炭酸、亜硫酸、硫酸、リン酸ビニレンまたはその誘導体などの一般的な添加剤は、高額であるだけでなく、辛うじて満足な効果を有するにすぎない。
この点において、特許文献1は、リチウムイオン二次電池における電解質の添加物として使用されるアクリル酸化合物を開示している。この添加物(アクリル酸)は、リチウムイオン二次電池におけるガス還元とアノードの減衰を抑制することができる。さらに、特許文献2は、リチウムイオン二次電池における電解質の添加物として使用される、少なくとも3つのアクリルアルデヒド基を有するアクリル酸化合物を開示している。この化合物は、アノード上での還元反応によって、固体電解質界面(SEI)層を形成することができる。SEI層は、電解質の劣化を抑制し、電池のサイクル寿命を向上させることができる。さらに、特許文献3は、リチウムイオン二次電池における電解質の添加物として使用される重合可能な二重結合を有したアクリル酸化合物を開示している。このアクリル酸化合物もまたSEI層を形成する効果を有する。
既存の技術に基づいて、我々は、炭素質材料の表面上に安定なSEI層を形成して、その剥離を抑制することによりリチウムイオン二次電池の寿命をさらに向上させるために有用な新規なリチウムイオン電池の添加物を開発することを望んでいる。
特開2002−158034号公報 特開2003−168479号公報 国際公開第2008/050971号パンフレット
従来技術の欠点に鑑みて、本発明の1つの目的は、リチウムイオン二次電池などの電気化学素子のための非水電解質を提供することにある。新しい添加剤を用いることにより、アノードの炭素質材料の表面上に安定なSEI層を形成して、剥離の発生を抑えることにより電池の寿命を向上させることができる。さらに、この電解質は、充放電サイクル中のカソード上での容量の減衰を遅らせるのにも有益である。したがって、より良好な性能を長く維持することができる。
本発明の他の目的は、前記電解質を用いた電気化学素子を提供することにある。電解質が新規な添加剤を有しているので、アノードの炭素質材料の表面上に安定なSEI層を形成して、剥離の発生を抑えることにより電池の寿命を向上させることができる。さらに、電解質は、充放電サイクル中のカソード上での容量の減衰を遅らせるのにも有益である。したがって、より良好な性能を長く維持することができる。
上記の目的を達成するために、本発明は、有機溶媒と、塩と、式(I):
(式中、RおよびRは独立して、水素、メチル、エチルまたはハロゲンであり、nおよびmは独立して、1、2または3の整数である)によって表される化合物とを含む電気化学素子用電解質を提供する。
式(I)で表される前記化合物は、電解質の添加剤として使用される場合、電気化学素子におけるアノードの炭素質材料の表面上に、特別のSEI層を形成することができる。前記特別のSEI層は炭素質材料の構造を保護できるだけでなく、充放電サイクル中の剥離の発生を抑えることもできる。したがって、電池の寿命を向上させることができる。さらに、従来の添加剤であるプロパンスルトン(PS)や炭酸ビニレン(VC)と比較して、本発明の添加剤は、PC電解質中での炭素質材料の耐久性を高めることができ、より少量の添加剤で炭素質材料を保護する効果を達成することができる。さらに、添加剤は、充放電サイクル中のカソード上の容量の減衰を遅らせて、より良好な性能を長い間維持するのにも有用である。
好ましくは、本発明の電解質は、式(I−a):
によって示される化合物を含む。
好ましくは、式(I)で表される化合物の量は、0.1〜10重量%である。より好ましくは、式(I)で表される化合物の量は、0.5〜5重量%である。
好ましくは、前記有機溶媒は、環状カーボネート、直鎖状カーボネート、ラクトン、エーテル、エステル、アセトニトリル、ラクタム、ケトンおよびそれらのハロゲン誘導体からなる群より選択される。
好ましくは、前記塩のカチオンは、Li、NaおよびKからなる群より選択され、前記塩のアニオンは、PF 、BF 、Cl、Br、I、ClO 、AsF 、CHCO 、CFSO 、N(CFSO およびC(CFSO からなる群より選択される。
本発明は、アノードと、カソードと、本発明の電解質とを含む電気化学素子も提供する。
好ましくは、前記電気化学素子はリチウムイオン二次電池である。
さらに本発明は、電解質の添加剤として用いるための式(I)で表される化合物の用途も提供する。
上記より、本発明の電気化学用電解質において、新しい添加剤が用いられる。この新しい添加剤は、アノードの炭素質材料の表面上に特別のSEI層を形成して、剥離の発生を抑えることにより、電池の寿命を向上させることができる。さらに、新しい添加剤は、カソード上での容量の減衰を遅らせることができる。従来の電解質の添加剤(プロパンスルトン(PS)や炭酸ビニレン(VC)など)と比較して、新しい添加剤は、剥離発生の抑制により優れた効果を有する。
(A)本発明の実施例1および比較例1の電池によるサイクリックボルタメトリー試験の第1サイクルの結果を示す図、(B)本発明の実施例1および比較例1の電池によるサイクリックボルタメトリー試験の第2サイクルの結果を示す図。 サイクリックボルタメトリー試験後の、比較例1および実施例1の炭素質材料の表面を示す図。 (A)本発明の比較例2の電池による充放電試験の結果を示す図、(B)本発明の比較例3の電池による充放電試験の結果を示す図。 (A)本発明の比較例4の電池による充放電試験の結果を示す図、(B)本発明の実施例2の電池による充放電試験の結果を示す図。 本発明の実施例3および比較例5の電池によるサイクル寿命試験の結果を示す図。 本発明の実施例4および比較例6の電池によるサイクル寿命試験の結果を示す図。
上述のように、本発明の電気化学素子用の電解質において、新しい添加剤が用いられる。新しい添加剤は、アノードの炭素質材料の表面上に特別のSEI層を形成することができる。この特別のSEI層は、炭素質材料の構造を保護できるだけでなく、充放電サイクル中の剥離の発生を抑制することもでき、結果として電池寿命が向上する。さらに、新しい添加剤は、PC電解質中での炭素質材料の耐久性を高めることができるだけでなく、従来の添加剤(PSおよびVC)と比べて、より少量の添加剤で炭素質材料を保護する効果を達成することができる。さらに、添加剤は、充放電サイクル中のカソード上の容量の減衰を遅らせて、より良好な性能を長い間維持するのにも有用である。
本発明において用いる有機溶媒は、従来の有機溶媒であってよい。たとえば、有機溶媒としては、限定はされないが、環状カーボネート、直鎖状カーボネート、ラクトン、エーテル、エステル、アセトニトリル、ラクタム、ケトンまたはそれらのハロゲン誘導体が挙げられる。
本発明において用いる塩も従来の塩である。塩のカチオンとしては、限定はされないが、Li、NaまたはKが挙げられ、塩のアニオンとしては、限定はされないが、PF 、BF 、Cl、Br、I、ClO 、AsF 、CHCO 、CFSO 、N(CFSO またはC(CFSO が挙げられる。
本発明の電解質は、一般的な電気化学素子、特にリチウムイオン二次電池に適している。
本発明の実施例を以下に示すが、これらの例は本発明を限定するために用いられるものではない。本発明の趣旨および範囲から逸脱しない限りにおいてあらゆる修正例および変更例が当業者によって行われうる。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定される。
実施例1:本発明の添加剤を有するリチウムイオン二次電池のサイクリックボルタメトリー試験
本発明の実施例1による試験は、リチウムイオン二次電池において行った。表1には、実施例1のリチウムイオン二次電池において使用した材料と成分を示した。比較例1では、添加剤を用いないことを除いては実施例1と同じ材料を用いた。本発明において使用した電極材料およびその製造方法は当業者に周知のものであり、本発明の技術的特徴は、本開示に従って当業者によって容易に理解および実施されうるものであるため、ここではその過程について詳述はしない。また、表1において使用した添加剤の濃度は1重量%であったが、当業者によって容易に理解されるように、添加剤の濃度は、0.1重量%〜10重量%の範囲であってもよい。したがって、表1に挙げた濃度は、説明のために用いたのであって、本発明を限定するために用いたのではない。
サイクリックボルタメトリー試験
実施例1および比較例1の電池についてサイクリックボルタメトリー(CV)試験を行った。上述のように、CV試験において使用した電極シートの材料およびその製造方法は当業者によって周知であり、本発明を限定するために用いられたものではない。CV試験において使用した電極シートの作成には、限定はされないが、ロール状アノードシートを2×4cmの大きさ(スラリーでコーティングした部分(すなわち表1において使用したアノードシート部分)が2×2cm、銅箔の部分が2×4cmとした)に裁断する工程と、裁断された電極シート上の銅箔部分の中央にNiハンドルを超音波溶接機によって溶接する工程と、試験のために13mmの直径を有する円形領域を残して、絶縁テープを溶接アノードシートの面とその縁部に貼着する工程とが含まれる。
CV試験は、EC/DEC(重量比1/1)および1MのLiPFを含む電解質を入れた電解質浴中で行った。さらに、裁断および貼着後のアノードシートを作用電極に接続し、リチウム金属を対向電極および参照電極として用いた。試験は、HOおよびOの濃度が10ppm未満の室温のアルゴン雰囲気下にあるグローブボックス中で行った。試験のための条件は、走査速度1.0mV/s、および走査電圧0〜2Vとした。試験結果を図1(B)に示した。第2サイクルの走査中に、本発明の添加剤を加えた場合には0.4〜0.6V以内に明らかなピークが認められたが、これは、アノード上にSEI層が絶えず形成されていることを示すものである。上記の結果から、本発明の添加剤は、アノード上における安定なSEI層の形成を促進するのに有益であった。
サイクリックボルタメトリー試験後、アノードシートの表面を表面電子顕微鏡を用いて観察した。結果を図2に示した。図2に見られるように、実施例1においては、炭素質材料の表面上に厚いSEI層が形成されていた。実施例1のSEI層と比較して、比較例1のSEI層は薄く、ゆるい構造を有していた。このことから、実施例に用いた添加剤が安定なSEI層を形成するのに有用であることが証明された。
実施例2:本発明の添加剤を有するリチウムイオン二次電池の充放電試験
本発明の実施例2による試験は、リチウムイオン二次電池において行った。表2には、実施例2のリチウムイオン二次電池において使用した材料と成分を示した。比較例2では、添加剤を用いないことを除いては実施例2と同じ材料を用い、比較例3では、1.0重量%のPSを添加剤として用いたことを除いては実施例2と同じ材料を用い、比較例4では、1.0重量%のVCを添加剤として用いたことを除いては実施例2と同じ材料を用いた。
充放電試験
電池の充放電性能を調べるために、実施例2および比較例2、3および4の電池をコイン半電池に加工し、充放電試験装置(8チャンネル)に接続した。充放電試験において、電池は、0.1Cでカットオフ電圧0.003Vまで充電した後、0.1Cでカットオフ電圧1.8Vまで放電し、これを充放電サイクルとした。この試験において、全5回の充放電サイクルを行った。さらに、試験中の電圧の変化をコンピュータによって記録し、得られたデータを計算して容量値を得た。
図3(A)〜図4(B)は、それぞれ比較例2、3および4、および実施例2の電池による充放電試験の結果を示したものである。これらの図において、図3(A)は、添加剤を含まない比較例2の電池が、第1放電サイクルの間に正常な放電をできなくなっていることを示し、このことから、充放電試験の第1サイクルにおいて炭素質材料が崩壊したことがわかる。図3(B)は、1重量%のPSを含む比較例3の電池が、充放電試験の第1サイクル中には正常に放電を行うことができるが、充放電試験の第2サイクルの後には、充放電容量が急速に減衰することを示している。この結果は、充放電試験の第2サイクルの後に炭素質材料が崩壊することを実証した。さらに、図3(B)は、5回目の可逆放電容量は、最初の放電容量の7%未満の21mAh/gであったことを示す。図4(A)は、1重量%のVCを含む比較例4の電池が、充放電試験の第1サイクル中に崩壊し、第1可逆放電容量が20mAh/g未満であったことを示す。図4(B)は、1重量%の式(I−a)の化合物を含む実施例2の電池が、300mAh/gを超える放電容量を有することを示し、このことから、電池は連続した5回の充放電試験後にも優れた可逆的充放電特性を維持していることがわかった。上記の結果から、本発明の電解質は、電池において用いられる材料の剥離を抑えるのに有用であり、電池の寿命を向上させた。
実施例3:本発明の添加剤を有するリチウムイオン二次電池のサイクル寿命試験
本発明の実施例3による試験は、リチウムイオン二次電池において行った。表3には、実施例3のリチウムイオン二次電池において使用した材料と成分を示した。比較例5では、添加剤を用いなかったこと以外は、実施例3と同じ材料を用いた。
サイクル寿命試験
電池のサイクル寿命を調べるために、実施例3および比較例5の電池をコイン半電池に加工し、充放電試験装置(8チャンネル)に接続した。充放電試験において、電池は、0.1Cでカットオフ電圧0.003Vまで充電した後、0.5Cでカットオフ電圧1.8Vまで放電し、これを充放電サイクルとした。この試験において、全30回の充放電サイクルを行った。さらに、試験中の電圧の変化をコンピュータによって記録し、得られたデータを計算して容量値を得た。
図5は、本発明の実施例3および比較例5の電池によるサイクル寿命試験の結果を示したものである。サイクル寿命試験の結果によれば、実施例3の電池の容量は、添加剤を含まない比較例5のものより高かった。さらに、実施例3の電池は、30回のサイクル寿命試験後でも300mAh/gを超える容量を有していたのに対し、比較例5の電池の容量は50mAh/g未満にまで減衰していた。この結果は、本発明の添加剤が電池の容量を高め、電池のサイクル寿命を効果的に向上させることができることを示した。
実施例4:カソードシートに対する本発明の電解質の効果
上述のような実施例1〜3は、すべて、アノードシートに対する本発明の電解質の効果を示す試験結果であった。本発明の電解質の、カソードシートへの効果を調べるために、LiFePO/導電性カーボンブラック/PVdFとリチウム金属とをそれぞれカソードとアノードとして用いた。表4には、実施例4のリチウムイオン二次電池において使用した材料と成分を詳細に示した。同様に、本発明において使用したカソードシートの材料およびその製造方法は、当該技術分野において周知であるので、ここには記載しない。
実施例4の電池の容量は、室温下での充放電サイクル試験によって測定した。前記試験において、充電条件は、1Cの定電流充電および4.0Vのカットオフ充電とし、放電条件は、1Cの定電流充電および2.5Vのカットオフ充電とした。図6からは、容量の変化が充放電サイクルの回数に依存したことがわかるが、比較例6では、添加剤を用いないことを除いては実施例4と同じ材料を使用した。図6に示される結果から、本発明の電解質を用いた電気化学素子は、より高い容量を維持できる。
以上をまとめると、本発明の電解質は、新しい添加剤を用いることによって、アノードの炭素質材料上に安定なSEI層を形成し、炭素質材料の表面を保護し、剥離の発生を抑制し、それにより電池の寿命を高めることができる。さらに、本発明の添加剤は、カソード上の容量の減衰を遅らせるのに有用であり、より良好な性能を維持した。
他の実施形態
本明細書中に開示するすべての特徴は、任意の組合せで組み合わせることができる。本明細書中に開示するすべての特徴は、同一、同等または同様の目的のために用いられる任意の特徴によって置き換えることができる。したがって、特記しない限り、本明細書中に開示する特徴は、一連の同等または同様の特徴の例示である。
さらに、本開示に基づいて、本発明の趣旨および範囲から逸脱しない限りにおいて、様々な用途および状況に応じて、当業者によって適当な変形例および変更例が実施されてもよい。したがって、他の実施形態も本発明の特許請求の範囲に含まれる。

Claims (10)

  1. 有機溶媒と、
    塩と、
    式(I):
    (式中、RおよびRは、独立して水素、メチル、エチルまたはハロゲンであり、nおよびmは独立して1、2または3の整数である)で表される化合物と、を含む電気化学素子用電解質。
  2. 式(I)で表される化合物は、式(I−a):
    で表される化合物である請求項1に記載の電解質。
  3. 式(I)で表される化合物の量は、0.1〜10重量%である請求項1に記載の電解質。
  4. 式(I)で表される化合物の量は、0.5〜5重量%である請求項3に記載の電解質。
  5. 前記有機溶媒は、環状カーボネート、直鎖状カーボネート、ラクトン、エーテル、エステル、アセトニトリル、ラクタム、ケトンおよびそれらハロゲン誘導体からなる群より選択される請求項1に記載の電解質。
  6. 前記塩のカチオンは、Li、NaおよびKからなる群より選択される請求項1に記載の電解質。
  7. 前記塩のアニオンは、PF 、BF 、Cl、Br、I、ClO 、AsF 、CHCO 、CFSO 、N(CFSO およびC(CFSO からなる群より選択される請求項6に記載の電解質。
  8. アノードと、カソードと、請求項1に記載の電解質とを含む電気化学素子。
  9. リチウムイオン二次電池である請求項8に記載の電気化学素子。
  10. 電解質の添加剤として用いるための式(I)で表される化合物の使用方法。
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