JP5065696B2 - 光触媒塗料組成物の製造方法及び光触媒塗料組成物 - Google Patents

光触媒塗料組成物の製造方法及び光触媒塗料組成物 Download PDF

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本発明は、塗料組成物中に光触媒微粒子が分散された光触媒塗料組成物の製造方法及び光触媒塗料組成物に関するものである。
親水性塗膜を得るための塗料として、塗料中に親水化剤を配合すると共に、塗装時にその親水化剤を表面付近に配向させることで塗膜表面に親水性を発現させる塗料組成物を用いた塗料が特許文献1等に示される通り周知である。しかし特許文献1に記載のような親水化剤のみを配合した塗料を用いるのでは、特許文献1に記載のような従来の塗料を用いて形成した塗膜表面においては、実施例に示される水に対する接触角は53゜程度であり、通常の塗料ビヒクル樹脂のみを用いた塗料よりは水に対する接触角の塗膜表面が得られて雨水等により汚れが洗い流され易くはなるものの、汚染物質の付着が極めて多かったり、汚れの付着の許容範囲が極めて狭かったりする等の厳しい状況下に適用するのは困難であり、更に高い親水性を得ることができる塗料が希求されていた。
高い親水性を得ることができる塗料としては、通常の塗料ビヒクル樹脂及び溶媒中に光触媒微粒子を配合した塗料組成物が挙げられる。かかる塗料組成物を用いて得られる塗膜表面は、光の照射により光触媒が活性化され、その表面が高度に親水化されて塗膜表面の水との接触角を0〜20゜にまで低下させることが可能となる。かかる光触媒微粒子を含有する塗料組成物としては、例えば特許文献2に、光触媒粒子を、特定構造のモノオキシジオルガノシラン単位、ジオキシオルガノシラン単位、及びジフルオロメチレン単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種の構造単位を有する化合物類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の変性剤化合物を用いて変性処理することによって得られる変性光触媒粒子と、該変性光触媒粒子より表面エネルギーが2ダイン/cm以上大きい単量体及び/又は樹脂を含む光触媒組成物であって、該光触媒組成物から形成される皮膜または成形体が該変性光触媒粒子の分布に関して異方性を有する自己傾斜型光触媒組成物、及びその塗料組成物が開示されている(例えば特許文献2)。
特許2869443号公報 特開2005−131640号公報
しかしながら、光触媒微粒子は凝集力が大きく、特許文献2に示されたような従来の単に塗料中に光触媒微粒子を配合した塗料組成物では、光触媒微粒子の分散が不足したり、塗料組成物中で再度凝集したりして粒子径が大きくなり、比表面積が低下して所定の性能が得られなくなったり、塗装後の塗膜に光触媒の粒子がブツとなって、表面の凹凸に関する要求品質が高い用途においては外観不良として不良品の発生に繋がる恐れのあるものであった。また、光触媒微粒子を均一に分散させるべく塗料に強いせん断応力をかけた場合、塗料に含まれる紫外線吸収剤や酸化防止剤といった添加剤や、架橋剤等の硬化剤などに変質が起こったり、添加剤や硬化剤と親水化剤とが塗料中で反応を起こしたりして、その後の塗膜の形成時及び形成された塗膜に悪影響が生じる恐れもあった。
本発明は上記の如き課題に鑑みてなされたものであり、塗料に悪影響を及ぼすことなく光触媒微粒子を塗料組成物中に均一に分散させることができる光触媒塗料組成物の製造方法及び光触媒塗料組成物を提供せんとするものである。
上記目的を達成するため、本発明は以下のような構成としている。すなわち、本発明に係わる光触媒塗料組成物の製造方法は、水酸基含有の塗料ビヒクル樹脂と溶媒とを含むベース塗料組成物に光触媒微粒子を配合する光触媒塗料組成物の製造方法であって、光触媒塗料組成物全体に必要な量の光触媒微粒子を、ベース塗料組成物を構成する塗料ビヒクル樹脂及び溶媒のみを含む予備配合組成物中に均一に分散させて濃縮塗料組成物を形成し、該濃縮塗料組成物を親水化剤を含むベース塗料組成物中に分散させることを特徴とするものである。
本発明に係わる光触媒塗料組成物の製造方法によれば、光触媒塗料組成物全体に必要な量の光触媒微粒子を予備配合組成物に配合して分散させてからベース塗料組成物中に分散させることで、光触媒微粒子が塗料ビヒクル樹脂及び溶媒に馴染んだ状態となり光触媒微粒子をベース塗料組成物中に円滑に分散させて、光触媒微粒子の分散の不足や、ベース塗料組成物中での再度の凝集を防止することができる。また予備配合組成物は添加剤、硬化剤や親水化剤を含むものではなく、強いせん断応力を加えても変質の恐れがなく、またベース塗料組成物に強いせん断応力を加える必要がないことから、塗料に悪影響を及ぼす恐れをなくすることができる。
ここで、光触媒塗料組成物全体に必要な量の光触媒微粒子とは、ベース塗料組成物に光触媒微粒子を配合した光触媒塗料組成物を用いて形成した塗膜において所望とされる性能を得るために必要な光触媒微粒子の全体量を示し、例えば塗膜を形成する塗料ビヒクル樹脂と溶媒とからなるベース塗料組成物に光触媒微粒子を配合した光触媒塗料組成物の必要量が100kgであり、所望の親水性能及び/又は分解性能を得るのに光触媒塗料組成物中に0.1重量%の光触媒微粒子を配合する必要がある場合であれば、光触媒塗料組成物全体に必要な量の光触媒微粒子は0.1kgとなる。この光触媒微粒子0.1kgを、ベース塗料組成物を構成する塗料ビヒクル樹脂及び溶媒のみを含む予備配合組成物に均一に分散させて濃縮塗料組成物を形成し、当該濃縮塗料組成物をベース塗料組成物に分散させて100kgの光触媒塗料組成物を得るものである。尚、ベース塗料組成物には、光触媒塗料組成物100kg分に必要な添加剤及び架橋剤が予め配合されている。濃縮塗料組成物を形成するベース塗料組成物は含有成分が残りのベース塗料組成物と同じであればよく、成分構成まで同一に近づける必要はない。
また前記ベース塗料組成物は、光触媒塗料組成物全体に必要な量の親水化剤を含むことで、光触媒微粒子により発現された塗膜表面に発現された親水性が親水化剤により持続されるようになされて、当該塗料を用いて形成した塗膜表面の親水性が高められている。親水化剤は、塗装時に光触媒塗料組成物に含まれていれば、予め濃縮塗料組成物の配合前のベース塗料組成物に配合しておいてもよく、濃縮塗料組成物の配合後のベース塗料組成物に配合するようにしてもよい。
また前記光触媒微粒子は、光触媒機能を備えた光触媒性結晶の表面の一部が光触媒機能に対して不活性な保護物質により被覆されたものであれば、保護物質により粒径が大きくなされることで光触媒微粒子は凝集したときのデメリットが更に大きくなることから、本発明に係る方法を適用する利点が大きくなり好ましい。
本発明に係わる光触媒塗料組成物の製造方法によれば、光触媒塗料組成物全体に必要な量の光触媒微粒子を予備配合組成物に配合して分散させてからベース塗料組成物中に分散させることで、光触媒微粒子が塗料ビヒクル樹脂及び溶媒に馴染んだ状態となり光触媒微粒子をベース塗料組成物中に円滑に分散させて、光触媒微粒子の分散の不足や、ベース塗料組成物中での再度の凝集を防止することができる。また予備配合組成物は添加剤や硬化剤を含むものではなく、強いせん断応力を加えても変質の恐れがなく、またベース塗料組成物に強いせん断応力を加える必要がないことから、塗料に悪影響を及ぼす恐れをなくすることができる。
本発明に係わる最良の実施の形態について、以下に具体的に説明する。
水酸基含有の塗料ビヒクル樹脂と溶媒とを含むベース塗料組成物に光触媒微粒子を配合する光触媒塗料組成物を形成するには、まず上述の如く光触媒塗料組成物全体に必要な量の光触媒微粒子を、塗料ビヒクル樹脂及び溶媒のみを含む予備配合組成物に配合して均一に分散させて濃縮塗料組成物を形成する。濃縮塗料組成物を得るために使用する予備配合組成物は、光触媒塗料組成物に配合されるべき光触媒微粒子の量に応じて適宜の量を用いてよいが、光触媒微粒子を均一に分散させるために重量比で光触媒微粒子の1.0倍以上としておくのが好ましい。光触媒微粒子を濃縮塗料組成物中に均一に分散させるには適宜の撹拌手段を用いてよいが、ディスクミル等のミキサーを好適に用いることができる。これらのミキサーを用いて1〜24時間程度撹拌することで、光触媒微粒子が略均一に分散された濃縮塗料組成物を得ることができる。
最後に、この濃縮塗料組成物を残りのベース塗料組成物に配合し、均一に分散させることで光触媒微粒子が略均一に分散された光触媒塗料組成物が得られる。濃縮塗料組成物中で光触媒微粒子はベース塗料組成物の塗料ビヒクル樹脂及び溶媒に十分に馴染まされていることで、高度な分散を図ることができる撹拌手段が必要でなく塗装現場等における汎用の攪拌機により十分均一に分散させることが可能となされている。形成された光触媒塗料組成物は、ロールコーター、スプレー等の適宜の手段により対象物に塗装することができる。かかる方法を用いることで、高度な分散を図る撹拌手段を用いるのは濃縮塗料組成物の作成時のみの塗料が少量である時点のみであることから、光触媒塗料組成物の作成に係る設備の簡便化及び小型化を図ることにも繋がる。
ベース塗料組成物には、光触媒塗料組成物全体に必要な量の紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング等の添加剤や、架橋剤、触媒等の硬化剤が予め含有されており、これらの添加剤や架橋剤が含まれた状態で光触媒微粒子を均一に分散させるべく強力なせん断応力をかけた場合には、紫外線吸収剤や酸化防止剤が変質や揮発等して形成後の塗膜の耐久性が低下したり、硬化剤がせん断応力や撹拌時の発熱等により不必要な硬化反応を開始し、塗膜の硬化不足やブツの発生が起こったりする塗料への悪影響が懸念されるが、本発明を適用することで、撹拌による強いせん断応力は予備配合組成物のみにかかり、その後ベース塗料組成物には強いせん断応力をかける必要がないことから、上述の如き悪影響を未然に防止することができる。
光触媒微粒子としては、光触媒機能を発現するものであれば特に限定されるものではなくFe、CuO、In、WO、FeTiO、PbO、V、FeTiO、Bi、Nb、SrTiO、ZnO、BaTiO、CaTiO、KTaO、SnO、ZrOなどの金属酸化物半導体材料である光触媒性結晶を微粒子化したものを用いることができるが、比較的低廉で扱いが簡便である酸化チタンが好適に用いられる。また酸化チタンの中でも活性の高いアナターゼ型の二酸化チタンが好適である。光触媒性結晶は塗料中での良好な分散を考慮して、1nm〜10μm程度の粒径のものを用いるのが好ましい。
また光触媒微粒子の光触媒機能は比表面積が大きいほど強いため、比表面積は10m/g以上とすると効果があり、更には20m/g以上とすることがより好ましく、更には50m/g以上とすると高い光触媒機能を得ることが出来る。光触媒微粒子が配合されることで、光触媒微粒子が光を受けることで活性化されて塗膜表面が高度に親水化される。光触媒微粒子が活性化して光触媒機能を発現することで、塗膜表面における水との接触角は0゜〜20゜程度、若しくは0゜〜50゜程度となされ、雨水等によって付着した汚染物質が容易に洗い流されることで高度な汚れ防止の性能が備えられる。また活性化された光触媒微粒子により付着した汚染物質に含まれる有機物質が分解されて、汚染物質が更に除去されやすくなり得る。
ベース塗料組成物を構成する水酸基含有の塗料ビヒクル樹脂としては、光触媒微粒子が配合されて表面に親水性を備えた塗膜層の主成分となるものであって、例えば塗料として好適に用いられる、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキド系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル変性アクリル系樹脂、アクリルシリコン系樹脂、アクリルウレタン系樹脂等が挙げられ、また水系塗料についてもアクリルエマルジョン系樹脂等が挙げられ、溶媒乾燥型、熱硬化型、2液硬化型等を問わず用いることができる。光触媒微粒子として光触媒性結晶の表面の一部が保護物質により覆われていないものを用いる場合には、光触媒機能により分解されにくいフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂を好適に用いることができる。かかる塗料ビヒクル樹脂を適宜の溶媒に分散させたものをベース塗料組成物として用いることができる。
光触媒微粒子は、所望の親水化の度合いに応じて適宜配合することができるが、親水化剤と共に配合して塗膜層を形成する場合、表面が親水化されて実用的な汚れ防止の性能を得るには、塗料ビヒクル樹脂100重量部に対し、0.05重量部以上、より好ましくは0.1重量部以上配合しておくことが好ましい。
光触媒微粒子としては、上記光触媒性結晶を微粒子化したものをそのまま用いてもよいが、表面の一部が光触媒機能に対して不活性な保護物質により光触媒性結晶が被覆されたものを用いてもよい。かかる光触媒微粒子を用いることで、光触媒微粒子に紫外線等の光が照射されることにより発現された光触媒機能によって塗膜を形成する塗料ビヒクル樹脂などが分解されて、塗膜の退色や凝集力の低下が起こったりする恐れが高くなるが、光触媒性結晶が保護物質により表面の一部が被覆されていることで、光触媒機能を発揮する表面が直接塗料ビヒクル樹脂などと接触することが避けられ、塗膜の上記のような劣化を防止することができる。従って、ベース塗料組成物を構成する塗料ビヒクル樹脂が光触媒機能により分解されるものであっても光触媒微粒子を直接に配合することができ、塗料や光触媒性結晶を特定構造とする必要がなく、光触媒塗料組成物及びそれを用いて形成した塗膜の形成に係わる工程を簡便なものとできる。
光触媒性結晶の表面の一部を被覆する保護物質としては、モンモリロナイト、タルク、シリカゲル、シリカゾル、ケイ酸塩、炭化ケイ素、アルミナ、ゼオライト、ジルコニア、セラミックス、アパタイト、チタンアパタイト、マグネシア、コーディライト、セピオライト、水酸化カルシウム等又はこれらの複合体が挙げられるが、これらの内、光触媒性結晶への付着を容易に行うことができ、且つ光触媒の酸化作用に対する耐性の高い多孔質シリカを好適に用いることができる。これらの物質を光触媒性結晶とミキサーにより混練したり、水等の溶媒に分散させてその溶液中に光触媒性結晶を適宜の時間浸漬したりして、光触媒性結晶の表面に保護物質を点在する結晶状に析出させたり、マスクメロンのネット構造状に析出させたりすること等で形成することができる。
また光触媒微粒子を形成する光触媒性結晶として、チタン原子又は酸素原子の一部を窒素原子及び/又は硫黄原子に置換した酸化チタンを用いれば、紫外光のみならず、可視光をも活用して高い光触媒機能を発現させることができる。更にはこれら窒素ドープ及び/又は硫黄ドープ型の酸化チタン微粒子に、鉄、銅、白金等の金属イオンを導入して更に光触媒機能を高めたものも好適に用いることができる。また光触媒塗料組成物により形成された塗膜表面が屋内にて用いられる場合には、かかる可視光に対して高い光触媒機能を発現する光触媒性結晶を用いることで、紫外光の照射されない環境下においても光触媒機能を発現させて防汚性能を発揮することが可能となり得る。
またベース塗料組成物には、更に光触媒塗料組成物全体に必要な量の親水化剤を含むものとしてもよい。親水化剤により、形成した塗膜は光触媒微粒子による親水性が親水化剤により持続されて、光触媒微粒子のみの場合よりはるかに長時間に亘って塗膜表面の親水性を維持することができる。また以下は完全に明確ではないが、親水化剤は塗料ビヒクル樹脂に含有される水酸基と反発し、塗膜形性時の塗料の流動状態において親水化剤がブリード現象のように浮上して塗膜表面付近に浮上する。この親水化剤の浮上に伴って光触媒微粒子も塗膜表面付近に配向されることで塗膜表面付近に光触媒微粒子を配向されて塗膜表面における光触媒微粒子の量を高めるようになされることも考えられる。
親水化剤は、親水性が発揮されるものであれば特に限定されるものではなく、アルコキシル基がメトキシ基、エトキシ基等の炭素数が4以下となされたテトラアルコキシシランや、その部分加水分解によって得られるオリゴマー、具体的には、テトラヒドロキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン等の1種類若しくは2種類以上組み合わせたものなどを好適に用いることができる。また、塗料が水系塗料の場合は、コロイダルシリカ等を好適に用いることができる。
またオルガノシリケート化合物としては、一般式(化1)で示される化合物などを挙げることができる。
Figure 0005065696
(化1)中、R1〜R4は、それぞれ同じかまたは異なり、炭素数1〜4のアルキル基である。nは10〜30の整数である。炭素数のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基などを挙げることができる。一般式(化1)で示される化合物の中でも反応性としてはメチル基が最も高い。しかし安定性が低い点から、溶媒への溶解性と樹脂との相溶性のバランスを取るためにメチル基をブチル基若しくはエチル基などで部分置換することが好ましい。尚、親水化剤は、塗料ビヒクル樹脂100重量部に対し、0.01重量部以上、より好ましくは0.1重量部以上配合しておくことが好ましい。
本発明に係わる光触媒塗料組成物の製造方法により製造された光触媒塗料組成物に係る効果について、以下に実施例を挙げて説明する。
(実施例1)
トリフルオロエチレン−ビニルエーテル交互共重合体(通称:ルミフロン(登録商標))であるフッ素樹脂を水酸基含有の塗料ビヒクル樹脂として61重量%、溶媒を39重量%含む予備配合組成物300gに、アナターゼ型二酸化チタン光触媒性結晶を多孔質シリカにより表面の一部(14%)を被覆した光触媒微粒子「マスクメロン型光触媒・超微粒」(太平化学産業株式会社製。平均粒径3μm)を45g配合し、ディスクミルを用いて4時間撹拌し濃縮塗料組成物を得た。ベース塗料組成物として、濃縮塗料組成物と同一比率で塗料ビヒクル樹脂及び溶媒を含み、且つ紫外線吸収剤や酸化防止剤といった添加剤、及び架橋剤等の硬化剤を少量含有するフッ素樹脂塗料「フロンコート」(川上塗料株式会社製)を10.5kg用い、このベース塗料組成物に、基本構造をSin−1(OEt)2n+2(但しn≒10)とする親水化剤「エチルシリケート48」(コルコート株式会社製)を314g配合し、更に前記濃縮塗料組成物を配合してハンディミキサーで2分間撹拌して、本発明に係わる実施例1の光触媒塗料組成物を得た。
(実施例2)
ディスクミルによる撹拌中に蒸発した分の溶媒を補充しながら23時間撹拌した以外は実施例1と同じにして、実施例2の本発明に係わる光触媒塗料組成物を得た。
(実施例3)
ポリエステル系樹脂を水酸基含有の塗料ビヒクル樹脂として69重量%、溶媒を31重量%含む予備配合組成物300gに、アナターゼ型二酸化チタン光触媒性結晶を多孔質シリカにより表面の一部(14%)を被覆した光触媒微粒子「マスクメロン型光触媒・超微粒」(太平化学産業株式会社製。平均粒径3μm)を45g配合し、ディスクミルを用いて9時間撹拌し濃縮塗料組成物を得た。ベース塗料組成物として、濃縮塗料組成物と同一比率で塗料ビヒクル樹脂及び溶媒を含み、且つ紫外線吸収剤や酸化防止剤といった添加剤、及び架橋剤等の硬化剤を少量含有するポリエステル系樹脂塗料「コイルコート400」(川上塗料株式会社製)を10.5kg用い、このベース塗料組成物に、基本構造をSin−1(OEt)2n+2(但しn≒10)とする親水化剤「エチルシリケート48」(コルコート株式会社製)を314g配合し、更に前記濃縮塗料組成物を配合してハンディミキサーで2分間撹拌して、本発明に係わる実施例3の光触媒塗料組成物を得た。
(実施例4)
配合する濃縮塗料組成物の量を半分とした以外は実施例3と同じにして、実施例4の本発明に係わる光触媒塗料組成物を得た。
(実施例5)
配合する濃縮塗料組成物の量を1.5倍とした以外は実施例3と同じにして、実施例5の本発明に係わる光触媒塗料組成物を得た。
(実施例6)
配合する親水化剤の量を1.5倍とした以外は実施例3と同じにして、実施例6の本発明に係わる光触媒塗料組成物を得た。
(比較例1)
上記ポリエステル系樹脂塗料「コイルコート400」(川上塗料株式会社製)を10.5kgに、光触媒微粒子「マスクメロン型光触媒・超微粒」を45g直接配合し、ディスクミルを用いて9時間撹拌して比較例1の光触媒塗料組成物を得た。
(比較例2)
光触媒微粒子に加え、更に上記親水化剤「エチルシリケート48」を314g配合した以外は比較例1と同じにして、比較例2の光触媒塗料組成物を得た。
(比較例3)
上記フッ素樹脂塗料「フロンコート」のみを用いる。
(比較例4)
上記ポリエステル系樹脂塗料「コイルコート400」のみを用いる。
この実施例1〜6、比較例1及び2の光触媒塗料組成物、並びに比較例3及び4のベース塗料組成物を、表面がクロメート処理された厚み0.2mmのアルミニウム箔にローラーコート法により塗布して表面に20μmの厚みの塗膜層を形成した。塗膜層が形成されたアルミニウム箔を、一液ウレタン系接着剤を用いてポリエチレン樹脂製のシートに貼り付けて得た金属樹脂積層板を用いて評価を行う。
まず実施例1〜6、比較例1〜4について、塗膜層表面の親水性の評価を行う。親水性の評価は、サンシャインウエザーメータを用いて100時間、300時間、500時間、700時間の試験を行った後と、実施例1〜6、比較例1及び2については、暗所にて50時間放置した後の、水に対する接触角の測定により行った。また実施例1〜4、比較例1〜4について、塗膜表面のブツの発生を目視にて確認している。その結果を表1に示す。
Figure 0005065696
一般に、水との接触角が50゜以下、好ましくは30゜以下であれば高い親水性の表面として降雨等により付着した汚染物質が洗い流されて汚れ防止の性能が発現されると言われており、更に10゜以下であれば超親水性の表面として高度な汚れ防止の性能が発現すると言われているが、実施例1及び2はサンシャインウエザーメータ100時間後に10゜前後、実施例3〜6はサンシャインウエザーメータ500時間後に20゜以下と高度な親水化が発現されていることから、高い汚れ防止の性能が発現されることが示されている。対して、濃縮塗料組成物を用いず、直接ベース塗料組成物に光触媒微粒子を配合した比較例3、及び光触媒微粒子及び親水化剤を直接配合した比較例4は同じ分量の光触媒微粒子が配合されているにも係わらず親水性が発現されておらず、本発明の適用による効果が顕著に表されている。また従来技術として挙げた特許文献1に記載のような従来の塗料を用いて形成した塗膜表面における水に対する接触角が53゜程度と比較しても、はるかに高度な親水性が発現されている。
また、ブツの発生については、実施例1〜6、比較例3及び4にはブツの発生は見られていないが、比較例1及び2には、光触媒微粒子の分散不良及び凝集によると思われるブツが明確に生じており、本発明を適用することでかかる不具合の発生が防止されることが明瞭に示されている。
更に、実施例3〜6、及び比較例1、2及び4については、滋賀県内の名神高速道路近傍に3ヶ月間屋外曝露して汚染度合いを確認している。その結果を表2に示す。
Figure 0005065696
屋外曝露においても、実施例3〜6については良好な結果となっており、対して比較例1及び4には顕著な汚染物質の付着が見られ、比較例2についても防汚性能は十分とは言い難く、本発明の適用による効果が顕著に表されている。また従来技術として挙げた特許文献1に記載のような従来の塗料を用いて形成した塗膜表面における水に対する接触角が53゜程度であれば、比較例4程度の防汚性能と推定されることから、親水化剤のみを含有する塗膜と比較しても、はるかに高度な防汚性が発現されると推定される。

Claims (2)

  1. 水酸基含有の塗料ビヒクル樹脂と溶媒とを含むベース塗料組成物に光触媒微粒子を配合する光触媒塗料組成物の製造方法であって、光触媒塗料組成物全体に必要な量の光触媒微粒子を、ベース塗料組成物を構成する塗料ビヒクル樹脂及び溶媒のみを含む予備配合組成物中に均一に分散させて濃縮塗料組成物を形成し、該濃縮塗料組成物を親水化剤を含むベース塗料組成物中に分散させると共に、前記親水化剤としてオルガノシリケート化合物を用いることを特徴とする光触媒塗料組成物の製造方法。
  2. 前記光触媒微粒子は、光触媒機能を備えた光触媒性結晶の表面の一部が光触媒機能に対して不活性な保護物質により被覆されたものであることを特徴とする請求項1に記載の光触媒塗料組成物の製造方法。
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