JP5065595B2 - 窒化物系半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ダイオード構造を有する窒化物系半導体装置と、ダイオードと電界効果型トランジスタを同一基板上に有する窒化物系半導体装置に関するものである。
スイッチング電源などの電力変換用装置には、スイッチング素子やダイオードなどのパワー半導体装置が用いられている。このパワー半導体装置には、高い耐圧、低いオン電圧、低い逆バイアスリーク電流が求められる。高い耐圧を得るためには、高い臨界電界を有する材料を用いるのが有効である。これらのことから、電力変換用装置に使用される半導体装置として、窒化物系半導体材料を用いた窒化物系半導体装置を用いることは有効である。
従来の窒化物系半導体装置として、AlXGa1-XN(0≦X<1)膜からなるキャリア走行層と、AlYGa1-YN(0<Y≦1、X<Y)膜からなる障壁層とが順に積層され、同一厚さの障壁層の表面上の所定の位置にゲート電極が形成され、このゲート電極を挟んでほぼ対称的な位置にソース電極/ドレイン電極が形成される構造を有する電界効果型トランジスタが知られている。
ここで、AlN膜はGaN膜より格子定数が小さいので、障壁層のAl組成比がキャリア走行層のAl組成比より大きいときに、キャリア走行層と比べ障壁層の格子定数が小さくなり、障壁層に歪みが生じる。窒化物系半導体においては、障壁層の歪に伴うピエゾ効果により、障壁層にピエゾ電荷が発生する。そして、このとき発生したピエゾ電荷により、キャリア走行層と障壁層との界面に二次元電子ガスが形成される。
たとえば、キャリア走行層としてAl組成がX=0であるGaN膜を用い、障壁層としてAlYGa1-YN膜を用いたとき、障壁層の膜厚d1に対して、二次元電子系のキャリア密度nSは、次式(1)で与えられる(たとえば、非特許文献1参照)。
S=σPZ/ε×(1−TC/d1)[cm-2] ・・・(1)
ここで、σPZは障壁層に生じるピエゾ電荷の電荷密度であり、εは障壁層の誘電率であり、d1はゲート電極の下の障壁層の膜厚である。また、Tcは、キャリアが発生する障壁層の臨界膜厚であり、この臨界膜厚Tcは次式(2)で与えられ、Al組成に対して依存性を示す。
C=16.4×(1−1.27×Y)/Y[Å] ・・・(2)
J. P. Ibbetson et al., "Polarization effects, surface states, and the source of electrons in AlGaN/GaN heterostructure field effect transistors", Applied Physics Letters, 10 July 2000, Vol.77, No.2, P.250-252
ところで、窒化物系半導体材料を用いた素子として、キャリア走行層にAl組成がX=0であるGaN膜を用い、障壁層にAlYGa1-YN(0<Y≦1)膜からなる障壁層を順に積層し、所定の厚さの障壁層上に、ショットキー性接続のアノード電極と、このアノード電極の周囲を囲むように配置されるオーミック性接続のカソード電極とを形成したダイオードが考えられる。
ここで、障壁層に対してNiまたはPtなどの金属を用いてショットキー接合性のアノード電極を作製した場合、ショットキー障壁高さは約1eVである。そして、このアノード電極に正バイアスを印加して、上記構造を有する窒化物系半導体装置をダイオード動作させたときのオン電圧は、ショットキー障壁高さとほぼ同じ約1Vになり、高くなってしまう。
そこで、このオン電圧を下げるためには、ショットキー障壁高さを下げる必要がある。ショットキー障壁高さを下げるためには、アノード電極の材料を仕事関数の低い金属に代える方法が考えられるが、この場合には、逆バイアスリーク電流が増大してしまう。具体的な熱電子放出を考慮した計算によると、オン電圧を0.1V下げると逆バイアスリーク電流は1桁以上増大する。つまり、ショットキー性接続のアノード電極とオーミック性接続のカソード電極とを有する窒化物系半導体装置において、低い逆バイアスリーク電流を保ちながら、オン電圧を下げることは困難であるという問題点があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、低いオン電圧と低い逆バイアスリーク電流を有するダイオード動作可能な窒化物系半導体装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、ノンドープのAlXGa1-XN(0≦X<1)からなる第1の窒化物系半導体層と、前記第1の窒化物系半導体層上に形成され、前記第1の窒化物系半導体層よりも格子定数の小さいノンドープまたはn型のAlYGa1-YN(0<Y≦1、X<Y)からなる第2の窒化物系半導体層と、前記第2の窒化物系半導体層上に形成される第1の電極と、前記第1の電極を囲むように前記第1の電極と間隔をあけて前記第2の窒化物系半導体層上に形成される第2の電極と、前記第1の電極の周縁部の下の前記第2の窒化物系半導体層を覆う絶縁膜と、を有するダイオードを半導体基板上に備え、前記第1の窒化物系半導体層と前記第2の窒化物系半導体層との間に、二次元電子ガスが形成され、前記第2の窒化物系半導体層における前記第1の電極の周縁部の近傍部位に前記第2の窒化物系半導体層の一部を除去したリセス構造部を形成し、前記第1の電極は、前記リセス構造部に囲まれる前記第2の窒化物系半導体層と、前記リセス構造部上に形成される前記絶縁膜の少なくとも一部と、を覆うように形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、ノンドープのAlXGa1-XN(0≦X<1)からなる第1の窒化物系半導体層と、前記第1の窒化物系半導体層上に形成され、前記第1の窒化物系半導体層よりも格子定数の小さいノンドープまたはn型のAlYGa1-YN(0<Y≦1、X<Y)からなる第2の窒化物系半導体層と、前記第2の窒化物系半導体層上に形成され、前記第1の窒化物系半導体層と格子定数の等しいノンドープのAlXGa1-XN(0≦X<1)からなる第1の半導体層と、前記第1の半導体層上に形成され、前記第1の窒化物系半導体層よりも格子定数の小さいノンドープまたはn型のAlZGa1-ZN(0<Z≦1、X<Z)からなる第2の半導体層と、1の電極と、前記第1の電極を囲むように前記第1の電極と間隔をあけて前記第2の半導体層上に形成される第2の電極と、前記第1の電極の周縁部の下の前記第2の半導体層を覆う絶縁膜と、を有するダイオードを半導体基板上に備え、前記第1の半導体層と前記第2の半導体層との間に、二次元電子ガスが形成され、前記第2の半導体層における前記第1の電極の周縁部の近傍部位に前記第2の半導体層の全部または前記第2の半導体層の全部と前記第1の半導体層の一部を除去したリセス構造部を形成し、前記第1の電極は、中心部と、前記中心部の外側の外周部とを含み、
前記中心部は、前記リセス構造部に囲まれる前記第2の半導体層の上に直接形成され前記外周部は、前記リセス構造部上に形成される前記絶縁膜の少なくとも一部を介して、前記第1の半導体層の上方に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、低いオン電圧と低い逆バイアスリーク電流を有するダイオード動作可能な窒化物系半導体装置を提供することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる窒化物系半導体装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、これらの実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、以下の実施の形態で用いられる窒化物系半導体装置の断面図は模式的なものであり、層の厚みと幅との関係や各層の厚みの比率などは現実のものとは異なる。
(第1の実施の形態)
図1−1は、本発明にかかる窒化物系半導体装置の第1の実施の形態の構造を模式的に示す平面図であり、図1−2は、図1−1のA−A矢視断面図である。この窒化物系半導体装置は、ノンドープの窒化物系半導体であるAlXGa1-XN(0≦X<1)からなるキャリア走行層1と、キャリア走行層1よりも格子定数が小さいノンドープまたはn型の窒化物系半導体であるAlYGa1-YN(0<Y≦1、X<Y)からなる障壁層2と、を順に図示しない基板上に積層し、障壁層2上にはアノード電極3と、アノード電極3の周囲を囲むようにカソード電極4とが形成されている。この図1−1の例では、アノード電極3の平面形状は円形状を有しており、カソード電極4の平面形状は、アノード電極3の外周部3bから所定の距離だけ離れた位置でアノード電極3を囲む円環状を有している場合が示されているが、カソード電極4がアノード電極3の周囲を取り囲む形状であれば、どのような形状でもよい。なお、キャリア走行層1は、特許請求の範囲における第1の窒化物系半導体層に対応し、障壁層2は、同じく第2の窒化物系半導体層に対応し、アノード電極3は、同じく第1の電極に対応し、カソード電極4は、同じく第2の電極に対応している。
アノード電極3の中心部3aよりも外側の外周部3bに対応する障壁層2の形成位置には、障壁層2の一部が除去されたリセス構造7が形成される。このリセス構造7で囲まれる障壁層2内の領域の周縁部からカソード電極4の形成位置にかけて、絶縁膜5が形成されている。ただし、リセス構造7で囲まれる障壁層2内の領域のすべては絶縁膜5で覆われていない必要がある。これにより、アノード電極3は、その中心部3aでは障壁層2上に直接形成され、その中心部3aよりも外側の外周部3bでは障壁層2上に絶縁膜5を介して形成される。つまり、アノード電極3の中心部3aに比して、リセス構造7中に形成される外周部3bにおける障壁層2の厚さの方が短くなっている。なお、アノード電極3とカソード電極4には、窒化物系半導体材料とオーミック性接触が可能な材料を用いるのが望ましく、同一の材料を用いることが望ましい。このような材料として、Ti,Al,Moなどを挙げることができる。ここで、リセス構造7は、特許請求の範囲におけるリセス構造部に対応している。
ここで、図1−1〜図1−2に示される窒化物系半導体装置のアノード電極3に負の電圧を印加した場合と、アノード電極3に正の電圧を印加した場合におけるダイオード動作について説明する。まず、この第1の実施の形態の窒化物系半導体装置のキャリア走行層1と障壁層2との界面における電子状態について説明する。図2は、図1のアノード電極の中心部における伝導体のエネルギ状態を模式的に示す図であり、図3は、窒化物系半導体装置における障壁層の膜厚とキャリア密度との関係を示す図である。背景技術で説明したように、AlXGa1-XN(0≦X<1)膜からなるキャリア走行層1上に、このキャリア走行層1よりも格子定数の小さいAlYGa1-YN(0<Y≦1、X<Y)膜からなる障壁層2がエピタキシャルに積層されると、障壁層2を構成するAlYGa1-YNの格子定数が通常の値よりも大きくなり歪を生じる。この障壁層2の歪に伴うピエゾ効果により、障壁層2にピエゾ電荷が発生し、このピエゾ電荷によりキャリア走行層1と障壁層2との界面に二次元電子ガスが形成される。また、背景技術で説明したように、二次元電子ガスのキャリア密度を障壁層2の膜厚d1で制御することができる。つまり、ピエゾ電荷は障壁層2の膜厚d1に依存し、図3に示されるように、障壁層2の膜厚d1が増加するほどキャリア密度が増大する。このため、アノード電極3の外周部3bに対応する位置に形成された障壁層2内のリセス構造7によって、その部分の障壁層2の厚さd1が他の部分に比べて減少するので、リセス構造7の下の二次元電子系のキャリア密度が低くなる。
図4は、図1−2の窒化物系半導体装置のアノード電極に逆バイアスをかけた場合における状態を模式的に示す図である。アノード電極3に負の電圧を印加して逆バイアスの状態にすると、リセス構造7に形成されたアノード電極3の外周部3bが、電界効果型トランジスタ12のゲート電極と同様の役割を果たし、アノード電極3の外周部3bに対応する絶縁膜5を挟んだ障壁層2内の位置付近に空乏層6を形成する。この空乏層6は、キャリア密度の低い部分から発生するので、障壁層2の厚さが薄くなっているリセス構造7近傍から発生することになる。この空乏層6によって、アノード電極3とカソード電極4とは電気的に絶縁されるので、図4に示される窒化物系半導体装置はオフ状態となる。このとき、電界はリセス構造7のカソード電極4側の端近傍に集中する。
また、アノード電極3に正の電圧を印加した正バイアスの状態においては、障壁層2のリセス構造7の下の二次元電子系にも正バイアスが加えられる。このため、リセス構造7の下の二次元電子系のキャリア密度が増加し、この領域における抵抗が減少し、図1に示される窒化物系半導体装置はオン状態となる。
図5は、ショットキー性接触を用いた従来の窒化物系半導体装置の断面構造を模式的に示す図である。この従来の窒化物系半導体装置は、ノンドープの窒化物系半導体であるAlXGa1-XN(0≦X<1)からなるキャリア走行層201と、キャリア走行層201よりも格子定数が小さいノンドープまたはn型の窒化物系半導体であるAlYGa1-YN(0<Y≦1、X<Y)からなる障壁層202と、を順に図示しない基板上に積層し、障壁層202上にショットキー性接続のアノード電極203と、アノード電極203の周囲を囲むように配置されるオーミック性接続のカソード電極204とを形成している。この図5の従来例では、アノード電極203とカソード電極204の下の障壁層202の厚さは同じである。
このような従来の窒化物系半導体装置のショットキー性接続のアノード電極203に逆バイアスをかけると、アノード電極203の端部に電界集中が生じるために、逆バイアスリーク電流が大きくなってしまう。そのため、逆バイアスリーク電流を低減することは困難であった。また、従来の窒化物系半導体装置のショットキー性接続のアノード電極203に正バイアスをかけると、アノード電極203が窒化物系半導体(障壁層202)とショットキー性接触をしているので、ショットキー障壁高さ以下にオン電圧を下げることが困難であった。
これに対して、この第1の実施の形態によれば、アノード電極3に逆バイアスをかけたときには、電界集中が生じるアノード電極3の外周部3bの下(リセス構造7)には絶縁膜5が形成されており、図4に示されるように、リセス構造7を中心として空乏層6が形成され、障壁層2上に流れる逆バイアスリーク電流を抑えることができる。また、アノード電極3に正バイアスをかけたときには、アノード電極3とカソード電極4は二次元電子系とオーミック性接触を行うことが可能となるため、低いオン電圧を実現することができる。
上述したこの第1の実施の形態において、逆バイアスリーク電流を低く抑えるためには、アノード電極3とカソード電極4とが等電位にあるとき、リセス構造7の下の二次元電子系は空乏化していることが望ましい。これによって、アノード電極3にわずかに負バイアスを印加しただけで、空乏層6がリセス構造7のカソード電極4側の端部より、カソード電極4側に伸びるので、逆バイアスリーク電流を抑制することができる。
ここで、この第1の実施の形態の窒化物系半導体装置において、アノード電極3の外周部3bの下で二次元電子系を発生させない(リセス構造7の下の二次元電子系を空乏化する)ための条件について説明する。図1−2に示される窒化物系半導体装置において、アノード電極3の外周部3bの下部でキャリアが発生する障壁層2の臨界膜厚Tcは、次式(3)で示される。
C=16.4×(1−1.27×(Y−X))/(Y−X)[Å] ・・・(3)
この(3)式において、Yは障壁層2のAl組成であり、Xはキャリア走行層1のAl組成である。この(3)式で臨界膜厚TcがY−Xの関数となっているのは、キャリア走行層1と障壁層2の格子定数の差は両者の組成比の差として表すことができるからである。図6は、キャリア走行層と障壁層の組成比の差と臨界膜厚との関係を示す図である。この図6は、(3)式をグラフ化したものであり、臨界膜厚TcがAl組成に依存している状態が示されている。この関係から、リセス構造7が形成された位置での障壁層2の膜厚を臨界膜厚Tc以下にすることにより、アノード電極3の外周部3bの下部に形成される二次元電子系のキャリア密度をゼロにすることができる。ただし、この場合、(3)式において、臨界膜厚Tcは正である必要があるという条件を考慮すると、Y−X<1/1.27(=0.787)となる条件を満たす必要がある。以上より、リセス構造7の下の障壁層2の膜厚は、(3)式で示される臨界膜厚Tc以下とすることが望ましい。
つぎに、図1−1〜図1−2に示される窒化物系半導体装置の製造方法について説明する。図7−1〜図7−7は、本発明による窒化物系半導体装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である。まず、図7−1に示されるように、必要に応じて所定の膜が形成された図示しない基板上に、2μm程度のノンドープのAlXGa1-XN(0≦X<1)膜からなるキャリア走行層1、20nm程度のノンドープまたはn型のAlYGa1-YN(0<Y≦1、X<Y)膜からなる障壁層2を、順次成長させる。なお、これらのキャリア走行層1と障壁層2は、原子層レベルで膜厚が制御可能なMOCVD(MetalOrganicChemicalVaporDeposition,有機金属CVD)法などのエピタキシャル結晶成長技術によって形成される。
ここで、障壁層2のAl組成Yは、キャリア走行層1のAl組成Xよりも大きい(X<Y)ことから、障壁層2の格子定数の方がキャリア走行層1の格子定数よりも小さくなる。また、障壁層2をキャリア走行層1上にエピタキシャル成長させているが、障壁層2の膜厚は転位が発生する膜厚よりも薄いので、障壁層2を構成する半導体膜の結晶は、下層の結晶構造に合わせて成長し、成長面の面内方向に引き伸ばされ、歪を有する構造となる。
ついで、図7−2に示されるように、障壁層2上にフォトレジスト膜15aを塗布し、フォトリソグラフィ技術によりフォトレジスト膜15aを露光現像して、リセス構造7を形成する位置のフォトレジスト膜15aを除去したエッチングマスクを形成する。 このエッチングマスクは、たとえば図1−1に示されるアノード電極3の構造を有する場合には、アノード電極3の形成位置の外周部3bが円環形状に除去されたマスクとなる。
ついで、図7−3に示されるように、このエッチングマスクを用いて、反応性イオンエッチング(RIE,ReactiveIonEtching)法などのエッチング技術によって、選択的に所定の深さまで障壁層2を除去し、リセス構造7を形成する。その後、使用したエッチングマスク(フォトレジスト膜15a)を除去する。
ついで、図7−4に示されるように、リセス構造7を形成した障壁層2の全面に所定の厚さの絶縁膜5を形成した後、絶縁膜5上にフォトレジスト膜15bを塗布する。その後、フォトリソグラフィ技術によって露光現像して、障壁層2上のアノード電極3とカソード電極4の各形成領域のフォトレジスト膜15bを除去してエッチングマスクを形成する。 図1−1〜図1−2に示される構造の窒化物系半導体装置の場合には、アノード電極3のうち障壁層2と直接に接触する中心部3a付近のフォトレジスト膜15bを除去する。
ついで、図7−5に示されるように、このエッチングマスクを用いて反応性イオンエッチング法などの技術によって、選択的に絶縁膜5の一部を除去した後、エッチングマスク(フォトレジスト膜15b)を除去する。その後、図7−6に示されるように、表面の一部に絶縁膜5が形成された障壁層2上に新たにフォトレジスト膜15cを塗布し、アノード電極3とカソード電極4の各形成領域のフォトレジスト膜15cを除去する。
ついで、図7−7に示されるように、フォトレジスト膜15cが形成された絶縁膜5と障壁層2上に、アノード電極3とカソード電極4の元となる金属や合金などの導電性材料からなる電極用導電性材料膜16を堆積する。そして、リフトオフ法を用いて、アノード電極3とカソード電極4の形成位置以外のフォトレジスト膜15cと電極用導電性材料膜16を除去することによって、アノード電極3とカソード電極4が形成され、図1−1〜図1−2に示される窒化物系半導体装置が製造される。
以上のように、本第1の実施の形態では、アノード電極3にショットキー性接続の材料を用いる必要はなく、オーミック性接続の材料を用いることができるので、アノード電極3とカソード電極4とに同じ電極材料を用いることができる。これにより、アノード電極3とカソード電極4を同時に形成できるので、工程数を減らすことができ、より簡素にダイオード構造を有する窒化物系半導体装置を作製することが可能となる。
なお、図1−1〜図1−2に示される窒化物系半導体装置は一例であり、他の構造を有していてもよい。図8〜図11は、本発明にかかる窒化物系半導体装置の第1の実施の形態の構造の変形例を示す図である。以下におけるこれらの図の説明において、図1−1〜図1−2と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
図8〜図9は、実施の形態にかかる窒化物系半導体装置の構造の他の例を示す断面図である。これらの図8と図9に示される窒化物系半導体装置は、図1−2と同様に、アノード電極3の外周部3bに対応する障壁層2上の位置にリセス構造7が形成される点は同じである。しかし、図8の場合には、アノード電極3の外周部3bの端部3cの位置がリセス構造7内に位置しており、リセス構造7の上の全面に形成されていない点が図1−2の場合と異なっている。また、図9の場合には、アノード電極3の外周部3bの端部3cの位置が、リセス構造7からカソード電極4側にはみ出して形成されている点が図1−2の場合と異なっている。これらの図8、図9に示される構造であっても、上述したダイオード動作が可能となる。したがって、リセス構造7の幅方向上の少なくとも一部にアノード電極3が形成されていれば、アノード電極3に正バイアスまたは逆バイアスを印加することで、窒化物系半導体装置のオン状態とオフ状態を制御することができる。つまり、アノード電極3の外周部3bの位置がリセス構造7内にある限り、ダイオード動作可能な窒化物系半導体装置を自由に設計することができる。
図10は、実施の形態にかかる窒化物系半導体装置の構造の他の例を示す平面図である。この窒化物系半導体装置では、リセス構造7がアノード電極3の中心部3aを完全に囲んでおらず、素子分離領域8とリセス構造7とでアノード電極3を囲んでいる点が図1−1の場合と異なっている。素子分離領域8は、ダイオードが形成される領域を他の素子形成領域と電気的に分離するために、キャリア走行層1と障壁層2を積層した基板に窒素(N+)やヘリウム(He+)、プロトン(H+)などのイオン注入を行うことによって、または基板をメサエッチングすることなどによって形成される。ここでは、素子分離領域8は、アノード電極3、カソード電極4および絶縁膜5にも接して形成されている。この図10の例では、基板上に形成された素子分離領域8の一辺と接するようにアノード電極3が形成される。このアノード電極3は、接する素子分離領域8の一辺に対して直交する方向に延在し、素子分離領域8と接する端部に対向する側の端部は、半円弧状となっている。また、このアノード電極3を囲むように、アノード電極3の端部から所定の距離だけ離れた位置に、逆U字形状のカソード電極4が、その両端部を素子分離領域8の一辺と接するように形成される。アノード電極3の素子分離領域8と接しない外周部3bに対応する障壁層2の領域には、略逆U字型形状のリセス構造7が形成される。リセス構造7に囲まれる障壁層2の周縁部からリセス構造7を介してカソード電極4のアノード電極3側の端部までの障壁層2を覆うように絶縁膜5が形成されている。この場合にも、アノード電極3の中心部3aは障壁層2と直接に接触し、外周部3bは少なくともその一部がリセス構造7の幅方向の一部に形成されるように、障壁層2上に形成された絶縁膜5に接触している。
二次元電子系が存在しない素子分離領域8では、元々電流が流れないためリセス構造7を設ける必要はない。このため、リセス構造7と素子分離領域8でアノード電極3の周囲を囲めば、上述したダイオード構造を有する窒化物系半導体装置の効果は得られる。また、素子分離領域8では二次元電子系が存在しないために、電界集中が起こりにくいので、図10に示される構造にすることで、安定した耐圧を得ることができる。
図11は、実施の形態にかかる窒化物系半導体装置の構造の他の例を示す断面図である。この図11の窒化物系半導体装置は、図1−1〜図1−2において、アノード電極3を2種類の導電性材料で構成することを特徴とする。つまり、アノード電極3は、障壁層2と直接接触する中心部3aでは、窒化物系半導体と接触抵抗の低い(オーミック接触性の)金属などの導電性材料からなる第1のアノード電極31と、中心部3a以外の絶縁膜5上に形成される外周部3bでは、絶縁膜5と密着性の高い金属などの導電性材料からなる第2のアノード電極32と、から構成される。このように、第1のアノード電極31には窒化物系半導体と接触抵抗の低い金属(Ti,Al,Moなど)を用い、第2のアノード電極32には絶縁体と密着性の高い金属(TiまたはNi)を用いることによって、低いオン抵抗を保ちながら、歩留まりよくダイオード構造を有する窒化物系半導体装置を作製することが可能となる。なお、第2のアノード電極32を構成する導電性材料は、絶縁膜5との密着性がよければ、どのような導電性材料であってもよい。
この第1の実施の形態によれば、低いオン電圧と低い逆バイアスリーク電流を有するダイオード動作可能な窒化物系半導体装置を提供することができる。
(第2の実施の形態)
図12は、本発明にかかる窒化物系半導体装置の第2の実施の形態の構造を模式的に示す断面図である。なお、この窒化物系半導体装置の平面構造は、図10に示されるように、アノード電極3がリセス構造7と素子分離領域8とで囲まれているものとする。この図12に示される窒化物系半導体装置は、図1−2に示される断面構造を有する窒化物系半導体装置の全面に絶縁膜9が形成され、その絶縁膜9上にフィールドプレート電極10が形成されている。このフィールドプレート電極10の断面は、アノード電極3の端部と、カソード電極4のアノード電極3側の端部との間にその端部が位置するように配置される。
このような窒化物系半導体装置のアノード電極3に逆バイアスを印加してオフ状態とした場合には、アノード電極3近傍に発生する電界集中が、フィールドプレート電極10により緩和される。その結果、オフ耐圧を向上させることができる。なお、電界集中を緩和させるためには、フィールドプレート電極10は、アノード電極3またはカソード電極4に接続するのが望ましい。
この第2の実施の形態によれば、アノード電極3の端部への電界集中を緩和して、高耐圧を実現しながら、低いオン電圧と低い逆バイアスリーク電流を有するダイオード動作可能な窒化物系半導体装置を提供することができる。
(第3の実施の形態)
図13−1は、本発明にかかる窒化物系半導体装置の第3の実施の形態の構造を模式的に示す平面図であり、図13−2は、図13−1のB−B矢視断面図である。この窒化物系半導体装置は、第1の実施の形態で説明したダイオード11と電界効果型トランジスタ12とを同一基板上に形成した構造を有する。以下では、基板上のダイオード11が形成される領域をダイオード形成領域RDといい、電界効果型トランジスタ12が形成される領域をトランジスタ形成領域RTRという。
この窒化物系半導体装置は、ノンドープの窒化物系半導体であるAlXGa1-XN(0≦X<1)からなるキャリア走行層1と、キャリア走行層1よりも格子定数が小さいノンドープまたはn型の窒化物系半導体であるAlYGa1-YN(0<Y≦1、X<Y)からなる障壁層2と、を順に図示しない基板上に積層した構造(以下、積層体という)を有している。ここで、キャリア走行層1は、特許請求の範囲における第1の窒化物系半導体層に対応し、障壁層2は、同じく第2の窒化物系半導体層に対応している。
なお、ダイオード11は、積層体のダイオード形成領域RDに形成されるが、第1の実施の形態で説明した構造と基本的に同一の構造を有しているので、その詳細な説明は省略する。ただし、この図13−1の例では、アノード電極3の平面形状は矩形状を有しており、カソード電極4の平面形状は、アノード電極3の外周部3bから所定の距離だけ離れてアノード電極3を囲む矩形の枠状(額縁状)を有している場合が示されている。また、トランジスタ形成領域RTR側に形成されているカソード電極4の一部分は、電界効果型トランジスタ12のソース電極4bとして兼用される。ここで、アノード電極3は、特許請求の範囲における第1の電極に対応し、カソード電極4は、同じく第2の電極に対応している。
電界効果型トランジスタ12は、積層体の電界効果型トランジスタ形成領域RTRに形成され、ここでは、ソース電極4bがダイオード11のカソード電極4の一部と兼用される構造となっている。また、障壁層2上のゲート電極13の形成位置には障壁層2の一部を除去したリセス構造7が形成されている。このリセス構造7は、ソース電極4bの形成方向とほぼ平行に形成される。また、このリセス構造7を挟んでソース電極4bとほぼ対称的な位置にはドレイン電極14が、ソース電極4bの形成方向とほぼ平行に障壁層2上に形成される。これらのソース電極4bとドレイン電極14との間のリセス構造7を含む障壁層2上には絶縁膜5が形成される。リセス構造7では、この絶縁膜5はゲート絶縁膜として機能し、この絶縁膜5上にはゲート電極13が形成される。
ここで、このダイオード11の動作は、第1の実施の形態で説明した通りであるので、その説明を省略し、電界効果型トランジスタ12の動作の概略について説明する。電界効果型トランジスタ12も、ダイオード11と同様にキャリア走行層1とキャリア走行層1よりも格子定数の小さい障壁層2との積層体上に形成されているため、障壁層2の歪みによるピエゾ電荷によって、キャリア走行層1と障壁層2との間には、二次元電子ガスが生じることになる。障壁層2内のリセス構造7上に形成されたゲート電極13に負の電圧を印加した場合には、図4で説明したダイオードのアノード電極3の外周部3bと同様に、ゲート電極13下の障壁層2に空乏層が生じ、電子の移動を防ぎ、ソース電極4bとドレイン電極14との間にはキャリアが流れない状態となる。一方、ゲート電極13に正の電圧を印加した場合には、ゲート電極13下の障壁層2にキャリアが注入され、ソース電極4bとドレイン電極14との間にはキャリアが流れる状態となる。以上のようにして、ゲート電極13へ印加する電圧のオン/オフによって電界効果型トランジスタ12のトランジスタ動作が行われる。
つぎに、図13−1〜図13−2に示されるダイオード11と電界効果型トランジスタ12とを同一基板上に形成した窒化物系半導体装置の製造方法について説明する。図14−1〜図14−9は、この発明にかかる窒化物系半導体装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である。まず、図14−1に示されるように、必要に応じて所定の膜が形成された図示しない基板上のダイオード形成領域RDと電界効果型トランジスタ形成領域RTRに、2μm程度のノンドープのAlXGa1-XN(0≦X<1)膜からなるキャリア走行層1と、20nm程度のノンドープまたはn型のAlYGa1-YN(0<Y≦1、X<Y)膜からなる障壁層2を、順次成長させる。なお。これらのキャリア走行層1と障壁層2は、原子層レベルで膜厚が制御可能なMOCVD法などのエピタキシャル結晶成長技術によって形成される。また、障壁層2の膜厚は、転位が発生する膜厚よりも薄い膜厚である必要がある。これにより、障壁層2を構成する半導体膜の結晶は、下層のキャリア走行層1の結晶構造に合わせて成長し、成長面の面内方向に引き伸ばされ、歪みを有する構造となる。
ついで、図14−2に示されるように、障壁層2上にフォトレジスト膜15dを塗布し、フォトリソグラフィ技術によりフォトレジスト膜15dを露光現像して、リセス構造7を形成する位置のフォトレジスト膜15dを除去したエッチングマスクを形成する。
ついで、図14−3に示されるように、このエッチングマスクを用いて、反応性イオンエッチング法などの技術によって、選択的にマスクされていない障壁層2の一部を所定の深さまで除去し、リセス構造7を形成する。そして、使用したフォトレジスト膜15dを除去する。
ついで、図14−4に示されるように、障壁層2上の全面に絶縁膜5を形成した後、絶縁膜5上にフォトレジスト膜15eを塗布する。そして、フォトリソグラフィ技術によって、障壁層2上に直接形成する電極、すなわち、ダイオード11のカソード電極4(電界効果型トランジスタ12のソース電極4bを含む)とアノード電極3の中心部3a、電界効果型トランジスタ12のドレイン電極14、に対応する領域のフォトレジスト膜15eを除去するように、フォトレジスト膜15eを露光現像してエッチングマスクを形成する。
ついで、図14−5に示されるように、このエッチングマスクを用いて、反応性イオンエッチング法などの技術によって、選択的にマスクされていない絶縁膜5の一部を除去して障壁層2を露出させた後、フォトレジスト膜15eを除去する。
ついで、図14−6に示されるように、一部に絶縁膜5が形成された障壁層2上の全面に新たなフォトレジスト膜15fを塗布した後、フォトリソグラフィ技術によって、フォトレジスト膜15fを露光現像して、電極形成位置に対応する所定の領域のフォトレジスト膜15fを除去する。ここでは、ダイオード11のアノード電極3とカソード電極4(電界効果型トランジスタ12のソース電極4bを含む)、電界効果型トランジスタ12のドレイン電極14を形成する領域のフォトレジスト膜15fを除去する。
ついで、図14−7に示されるように、アノード電極3、カソード電極4(ソース電極4bを含む)およびドレイン電極14の元となる金属などの電極用導電性材料膜16aをフォトレジスト膜15fが形成された側の全面に所定の厚さだけ堆積する。その後、リフトオフ法を用いて、アノード電極3、カソード電極4(ソース電極4bを含む)およびドレイン電極14の形成位置以外のフォトレジスト膜15fと電極用導電性材料膜16aを除去することで、残された電極用導電性材料膜16aによってアノード電極3、カソード電極4(ソース電極4bを含む)およびドレイン電極14が形成される。
ついで、図14−8に示されるように、各電極が形成された側の面上に新たなフォトレジスト膜15gを塗布した後、フォトリソグラフィ技術によって、フォトレジスト膜15gを露光現像して、電極形成位置に対応する所定の領域のフォトレジスト膜15gを除去する。ここでは、電界効果型トランジスタ12のゲート電極13を形成する領域のフォトレジスト膜15gを除去する。
そして、図14−9に示されるように、ゲート電極13の元となる金属などの電極用導電性材料膜16bをフォトレジスト膜15gが形成された側の全面に所定の厚さだけ堆積する。その後、リフトオフ法を用いて、ゲート電極13の形成位置以外のフォトレジスト膜15gと電極用導電性材料膜16bを除去することで、残された電極用導電性材料膜16bによってゲート電極13が形成される。以上のようにして、図13−1〜図13−2に示されるダイオード11と電界効果型トランジスタ12とが同一基板上に形成された窒化物系半導体装置が得られる。
以上のような窒化物系半導体装置の製造方法によれば、ダイオード11のアノード電極3の外周部3b下のリセス構造7と、電界効果型トランジスタ12のゲート電極13下のリセス構造7とを同時に形成することができるので、また、ダイオード11のアノード電極3の外周部3bと障壁層2との間に設けられる絶縁膜5と、電界効果型トランジスタ12のゲート電極13のゲート絶縁膜(絶縁膜5)とを、共通化して同時に形成することができるので、製造工程数を削減することができる。
なお、上記のリセス構造7を形成する工程において、リセス構造7下の障壁層2の厚さは、二次元電子ガスの密度をその領域でゼロとして、逆バイアスリーク電流を抑制するために、(3)式に示される臨界膜厚Tc以下にすることが望ましい。
また、上述した例では、カソード電極4とソース電極4bを兼用した電極を用いたが、回路設計により、アノード電極3、カソード電極4、ソース電極4b、ゲート電極13、ドレイン電極14の中で自由な組み合わせで兼用してもよいし、兼用しなくてもよい。
この第3の実施の形態によれば、高耐圧で低損失なワイドギャップ半導体装置を用いて、ダイオード11と電界効果型トランジスタ12を組み合わせた回路装置を同一基板上に組むことが可能となる。その結果、たとえば、インバータなどの回路に用いた場合、低損失で高耐圧な回路装置を提供することが可能となる。また、同一基板上にダイオード11と電界効果型トランジスタ12を形成することで大幅な部品点数の削減が可能となる。
(第4の実施の形態)
図15は、本発明にかかる窒化物系半導体装置の第4の実施の形態の構造を模式的に示す断面図である。この窒化物系半導体装置は、ノンドープの窒化物系半導体であるAlXGa1-XN(0≦X<1)からなるキャリア走行層1と、キャリア走行層1よりも格子定数が小さいノンドープまたはn型の窒化物系半導体であるAlYGa1-YN(0<Y≦1、X<Y)からなる障壁層2と、キャリア走行層1と等しい格子定数を有するノンドープの半導体からなる閾値制御層21と、キャリア走行層1よりも格子定数が小さいノンドープまたはn型の半導体からなるキャリア誘起層22とが、順に図示しない基板上に積層され、キャリア誘起層22上にはアノード電極3と、アノード電極3を囲むカソード電極4とが形成されている。この図15の窒化物系半導体装置の断面図に対応する平面構造は、たとえば図1−1に示されるような構造を有している。つまり、アノード電極3の平面形状は円形状を有しており、カソード電極4の平面形状は、アノード電極3の外周部3bから所定の距離だけ離れてアノード電極3を囲む円環状を有している。なお、これは一例であり、アノード電極3の周囲がカソード電極4またはカソード電極4と素子分離領域8とで取り囲まれていれば、どのような形状でもよい。また、アノード電極3とカソード電極4には、窒化物系半導体とオーミック性接触が可能な材料を用いるのが望ましい。
アノード電極3の中心部3aから外側に向かう外周部3bに対応するキャリア誘起層22の形成位置には、キャリア誘起層22の全部と閾値制御層21の一部を除去することによってリセス構造7が形成される。リセス構造7で囲まれるキャリア誘起層22内の領域の周縁部からカソード電極4の形成位置にかけて、絶縁膜5が形成されている。ただし、リセス構造7で囲まれるキャリア誘起層22内の領域のすべてが絶縁膜5で覆われてはいない必要がある。これにより、アノード電極3は、その中心部3aではキャリア誘起層22上に直接形成され、その中心部3aよりも外側(障壁層2のリセス構造7)の外周部3bでは閾値制御層21上に絶縁膜5を介して形成される。その結果、アノード電極3の中心部3aに比して、外周部3bにおけるキャリア誘起層22を除去し、外周部3b下における二次元電子密度を低くしている。なお、図15では、リセス構造7は、アノード電極3の外周部3bに対応する領域におけるキャリア誘起層22の全部と閾値制御層21の一部を除去する構造となっているが、障壁層2にリセス構造7が形成されないとともにキャリア誘起層22が除去されていればよいので、キャリア誘起層22のみを除去した構造であってもよい。ここで、キャリア走行層1は、特許請求の範囲における第1の窒化物系半導体層に対応し、障壁層2は、同じく第2の窒化物系半導体層に対応し、閾値制御層21は、同じく第1の半導体層に対応し、キャリア誘起層22は、同じく第2の半導体層に対応し、アノード電極3は、同じく第1の電極に対応し、カソード電極4は、同じく第2の電極に対応している。
また、上述したように、閾値制御層21は、キャリア走行層1と同じ格子定数を有する半導体材料であればよいが、図15に示されるように閾値制御層21とキャリア走行層1が同じ材料AlXGa1-XN(0≦X<1)であれば、一種類の結晶成長装置により作製可能であるので、異なる材料であるが格子定数が同じ材料を用いる場合に比して優位である。同様に、キャリア誘起層22は、キャリア走行層1より小さい格子定数を有する半導体材料であればよいが、図15に示されるようにAlZGa1-ZN(0<Z≦1、X<Z)膜を用いることにより、障壁層2と同じ原料で結晶成長が可能であるので、異なる材料を用いる場合に比して優位である。
また、障壁層2の厚さは、キャリア走行層1との格子定数の違いによる歪によって転位が発生する膜厚以下の膜厚であり、実際には数十nm程度の厚さを有するものとする。そのため、障壁層2の格子定数は実質的にキャリア走行層1の格子定数と同じになり、障壁層2の結晶構造は基板面方向に引き伸ばされた構造を有することになる。これにより障壁層2上に形成される閾値制御層21は、キャリア走行層1の格子定数と同じ格子定数を有するので、閾値制御層21と障壁層2との間で新たな歪は生じない。
同様に、キャリア誘起層22の厚さは、閾値制御層21との格子定数の違いによる歪によって転位が発生する膜厚以下の膜厚であり、実際には数十nm程度の厚さを有するものとする。そのため、キャリア誘起層22の格子定数は実質的に閾値制御層21の格子定数と同じになり、キャリア誘起層22の結晶構造は基板面方向に引き伸ばされた構造を有することになる。なお、以下の説明において、障壁層2の厚さをd1とし、リセス構造7が形成された位置における閾値制御層21の厚さをd2とし、キャリア誘起層22の厚さをd3とする。
また、アノード電極3の外周部3b(リセス構造7)の下における障壁層2の膜厚d1と、アノード電極3の中心部3aやアノード電極3の外周部3bとカソード電極4との間におけるキャリア誘起層22と障壁層2の膜厚の合計d1+d3とを異ならせることによって、それぞれの領域での二次元電子密度を所定の値にすることができる。ただし、キャリア誘起層22と障壁層2の膜厚の合計d1+d3は、アノード電極3とカソード電極4との間のキャリアを存在させる必要があるために、(3)式で示される臨界膜厚Tcよりも大きくする必要がある。また、障壁層2の膜厚d1を(3)式で示される臨界膜厚Tc以下にすると、アノード電極3の外周部3b(リセス構造7)下における障壁層2とキャリア走行層1との界面でのキャリア密度をゼロにすることができ、逆バイアスリーク電流を抑制することができる。
この第4の実施の形態における窒化物系半導体装置の製造方法は、第1の実施の形態で説明した製造方法の図7−1において、必要に応じて所定の膜が形成された図示しない基板上に、2μm程度のノンドープのAlXGa1-XN(0≦X<1)膜からなるキャリア走行層1、10nm程度のノンドープまたはn型のAlYGa1-YN(0<Y≦1、X<Y)膜からなる障壁層2、10nm程度のノンドープのAlXGa1-XN(0≦X<1)膜からなる閾値制御層21、および10nm程度のノンドープまたはn型のAlZGa1-ZN(0<Z≦1、X<Z)膜からなるキャリア誘起層22を、順次成長させる点と、図7−3において、リセス構造7を形成する際に、選択的に閾値制御層21内の所定の深さまでキャリア誘起層22の全部と閾値制御層21の一部を除去する点が異なるほかは、第1の実施の形態で説明した製造方法と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
ただし、障壁層2とキャリア誘起層22の膜厚の合計値d1+d3は、(3)式で示される臨界膜厚Tcよりも大きくなるように形成する必要がある。また、逆バイアスリーク電流を抑制した窒化物系半導体装置を得るためには、アノード電極3の外周部3b(リセス構造7)下の障壁層2の膜厚d1を(3)式で示される臨界膜厚Tc以下とすればよい。
以上のように、この第4の実施の形態では、第1の実施の形態のように、アノード電極3の外周部3bに対応するリセス構造7を窒化物系半導体装置の表面から障壁層2の一部に至るように形成するのではなく、基板上にキャリア走行層1、キャリア走行層1よりも格子定数の小さい障壁層2、キャリア走行層1と同じ格子定数の閾値制御層21、およびキャリア走行層1よりも格子定数の小さいキャリア誘起層22を順に積層した窒化物系半導体装置の表面から障壁層2の上層の閾値制御層21に至るようにアノード電極3の外周部3bに対応するリセス構造7を形成し、障壁層2とキャリア誘起層22の膜厚の合計d1+d3が(3)式で示される臨界膜厚Tcよりも大きくしたことを特徴とする。
この第4の実施の形態によれば、キャリア誘起層22と障壁層2の合計の膜厚d1+d3が(3)式で示される臨界膜厚Tcよりも大きくした窒化物系半導体装置において、アノード電極3の中心部3aをキャリア誘起層22上に直接形成し、その外周部3bをリセス構造7を形成した閾値制御層21上に絶縁膜5を介して形成し、カソード電極4をキャリア誘起層22上に形成することによって、逆バイアスをアノード電極3に印加した場合には、逆バイアスリーク電流を低く抑えることができるとともに、正バイアスをアノード電極3に印加した場合には、低いオン電圧を有するダイオード動作可能な窒化物系半導体装置を得ることができる。また、障壁層2の膜厚d1を(3)式で示される臨界膜厚Tc以下とすることで、逆バイアスリーク電流を抑制することができる。
(第5の実施の形態)
第3の実施の形態で示した窒化物系半導体装置における電界効果型トランジスタ12では、障壁層2の一部をエッチングにより除去したリセス構造7上にゲート電極13を構成していた。しかし、このような構造の電界効果型トランジスタ12では、障壁層2のAl組成比とゲート電極13(リセス構造7)下の障壁層2の厚さによって、閾値電圧が変化する。たとえば、障壁層2のAl組成比Yが0.3の場合に、リセス構造7を形成する際のエッチングによりゲート電極13下の障壁層2の膜厚のばらつきが10[Å]の精度で加工したとしても、このときの閾値電圧のばらつきは0.3[V]という大きな値になってしまう。つまり、第3の実施の形態で示した窒化物系半導体装置において、同一基板上に複数の電界効果型トランジスタ12が存在する場合には、閾値電圧のばらつきを抑えるのに比較的手間がかかってしまう。そこで、この第5の実施の形態では、同一基板上に存在する複数のダイオード11と電界効果型トランジスタ12の閾値電圧のばらつきを抑えることができる窒化物系半導体装置について説明する。
図16は、本発明にかかる窒化物系半導体装置の第5の実施の形態の構造を模式的に示す断面図である。この窒化物系半導体装置は、第4の実施の形態で説明したダイオード11と電界効果型トランジスタ12とを同一基板上に形成した構造を有する。以下では、基板上のダイオード11が形成される領域をダイオード形成領域RDといい、電界効果型トランジスタ12が形成される領域を電界効果型トランジスタ形成領域RTRという。
この窒化物系半導体装置は、ノンドープの窒化物系半導体であるAlXGa1-XN(0≦X<1)からなるキャリア走行層1と、キャリア走行層1よりも格子定数が小さいノンドープまたはn型の窒化物系半導体であるAlYGa1-YN(0<Y≦1、X<Y)からなる障壁層2と、キャリア走行層1と等しい格子定数を有するノンドープの半導体からなる閾値制御層21と、キャリア走行層1よりも格子定数が小さいノンドープまたはn型の半導体からなるキャリア誘起層22と、を順に図示しない基板上に積層した構造(以下、積層体という)を有している。なお、キャリア走行層1は、特許請求の範囲における第1の窒化物系半導体層に対応し、障壁層2は、同じく第2の窒化物系半導体層に対応し、閾値制御層21は、同じく第1の半導体層に対応し、キャリア誘起層22は、同じく第2の半導体層に対応している。
なお、ダイオード11は、積層体のダイオード形成領域RDに形成されるが、第4の実施の形態で説明した構造と基本的に同一の構造を有しているので、その詳細な説明は省略する。ただし、ここでは、この図16の断面図に対応する平面構造は、図13−1に示されるものである場合を例に挙げる。つまり、アノード電極3の平面形状は矩形状を有しており、カソード電極4の平面形状は、アノード電極3の外周部3bから所定の距離だけ離れてアノード電極3を囲む矩形の枠状(額縁状)を有している場合が示されている。また、トランジスタ形成領域RTR側に形成されているカソード電極4の一部分は、電界効果型トランジスタ12のソース電極4bとして兼用されるものとする。ここで、アノード電極3は、特許請求の範囲における第1の電極に対応し、カソード電極4は、同じく第2の電極に対応している。
電界効果型トランジスタ12は、積層体の電界効果型トランジスタ形成領域RTRに形成され、ここでは、ソース電極4bがダイオード11のカソード電極4の一部と兼用される構造となっている。また、キャリア誘起層22上のゲート電極13の形成位置にはキャリア誘起層22の全部と閾値制御層21の一部を除去したリセス構造7が形成されている。このリセス構造7は、ソース電極4bの形成方向とほぼ平行に形成される。また、このリセス構造7を挟んでソース電極4bとほぼ対称的な位置にはドレイン電極14が、ソース電極4bの形成方向とほぼ平行にキャリア誘起層22上に形成される。これらのソース電極4bとドレイン電極14との間のリセス構造7を含む障壁層2上には絶縁膜5が形成される。リセス構造7では、この絶縁膜5はゲート絶縁膜として機能し、この絶縁膜5上にはゲート電極13が形成される。
ここで、このダイオード11の動作は、第1と第4の実施の形態で説明した通りであるので、その説明を省略し、電界効果型トランジスタ12の動作の概略について説明する。図17は、図16のゲート電極が形成された位置での深さ方向における伝導帯のエネルギ状態を模式的に示す図であり、図18は、図16のソース電極4b/ドレイン電極14が形成された位置での深さ方向における伝導帯のエネルギ状態を模式的に示す図である。
アノード電極3の外周部3bは、閾値制御層21上に形成されるため、外周部3bが形成された位置では、図17に示されるように、ピエゾ電荷は障壁層2にのみ発生し、閾値制御層21には発生しないので、ピエゾ電荷濃度は閾値制御層21のアノード電極3の外周部3b下の膜厚d2に依存しない。また、ピエゾ電荷濃度が変化しないので、閾値制御層21の膜厚の増加に対してキャリア密度が減少し、このキャリア密度は障壁層2と閾値制御層21の膜厚の合計に反比例することが知られている。ところで、単位面積当たりのゲート容量は、障壁層2と閾値制御層21の膜厚の合計に反比例するので、これらの関係から、(ゲート電極13の下の二次元電子系のキャリア密度)/(単位面積あたりのゲート容量)で表される閾値電圧は、障壁層2と閾値制御層21の膜厚の合計に対して変動しないことになる。
つまり、図16に示される窒化物系半導体装置の電界効果型トランジスタ12では、リセス構造7を形成する際のエッチング深さのばらつきに対して、より具体的には、閾値制御層21で残される膜厚d2がばらついたとしても、閾値電圧が変動しない。さらに、後述するようにリセス構造7の形成時に除去されない障壁層2は、原子層制御で結晶成長可能な成膜技術で形成することで厳密な膜厚制御を行うことができる。
一方、リセス構造7が形成されていないソース電極4bとゲート電極13との間と、ドレイン電極14とゲート電極13との間には、キャリア誘起層22が形成されている。キャリア誘起層22は、キャリア走行層1と閾値制御層21よりも格子定数が小さいために、キャリア誘起層22には、図18に示されるように閾値制御層21側が正となるピエゾ電荷が生じている。このピエゾ電荷により、キャリア誘起層22における伝導帯の電位は、傾きをもちキャリア走行層1側が低くなる。また、図17の場合と同様にキャリア走行層1と障壁層2との界面にもピエゾ効果による二次元電子ガスが生じているので、キャリア誘起層22が形成されている領域の下のキャリア走行層1と障壁層2との界面に生じる二次元電子系のキャリア密度は高くなる。つまり、キャリア誘起層22が形成されている領域の下の二次元電子系の抵抗値は低くなる。この結果、ソース電極4bとゲート電極13との間と、ドレイン電極14とゲート電極13との間とにキャリア誘起層22が形成されている図16の窒化物系半導体装置では、ソース電極4bとゲート電極13との間と、ドレイン電極14とゲート電極13との間の抵抗値が低減され、オン抵抗の低減が実現される。
この第5の実施の形態における窒化物系半導体装置の製造方法は、第3の実施の形態で説明した製造方法の図14−1において、必要に応じて所定の膜が形成された図示しない基板上に、2μm程度のノンドープのAlXGa1-XN(0≦X<1)膜からなるキャリア走行層1、10nm程度のノンドープまたはn型のAlYGa1-YN(0<Y≦1、X<Y)膜からなる障壁層2、10nm程度のノンドープのAlXGa1-XN(0≦X<1)膜からなる閾値制御層21、および10nm程度のノンドープまたはn型のAlZGa1-ZN(0<Z≦1、X<Z)膜からなるキャリア誘起層22を、順次成長させる点と、図14−3において、リセス構造7を形成する際に、選択的に閾値制御層21内の所定の深さまでキャリア誘起層22の全部と閾値制御層21の一部を除去する点が異なるほかは、第3の実施の形態で説明した製造方法と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
ただし、障壁層2とキャリア誘起層22の膜厚の合計値d1+d3は、(3)式で示される臨界膜厚Tcよりも大きくなるように形成する必要がある。また、逆バイアスリーク電流を抑制した窒化物系半導体装置を得るためには、アノード電極3の外周部3b(リセス構造7)下の障壁層2の膜厚d1を(3)式で示される臨界膜厚Tc以下とすればよい。これにより、電界効果型トランジスタ12をノーマリーオフ型とすることができる。
また、上述した例では、カソード電極4とソース電極4bを兼用した電極を用いたが、回路設計により、アノード電極3、カソード電極4、ソース電極4b、ゲート電極13、ドレイン電極14の中で自由な組み合わせで兼用してもよいし、兼用しなくてもよい。さらに、図16では、リセス構造7は、ダイオード11のアノード電極3の外周部3bに対応する領域と電界効果型トランジスタ12のゲート電極13の形成位置におけるキャリア誘起層22の全部と閾値制御層21の一部を除去する構造となっているが、障壁層2にリセス構造7が形成されないとともにキャリア誘起層22が除去されていればよいので、キャリア誘起層22のみを除去した構造であってもよい。また、上述した例では、ダイオード11のアノード電極3の中心部3aとカソード電極4および電界効果型トランジスタ12のソース電極4bとドレイン電極14は、キャリア誘起層22上に形成されているが、キャリア誘起層22、閾値制御層21および障壁層2のいずれかに形成されていればよい。
この第5の実施の形態によれば、高耐圧で低損失なワイドギャップ半導体装置を用いて、ダイオード11と閾値電圧を安定させた電界効果型トランジスタ12を組み合わせた回路装置を同一基板上に組むことが可能となる。その結果、たとえば、インバータなどの回路に用いた場合、低損失で高耐圧な回路装置が提供することが可能となる。また、同一基板上にダイオード11と電界効果型トランジスタ12を形成することで大幅な部品点数の削減が可能となる。
さらに、この窒化物系半導体装置で使用される電界効果型のトランジスタの閾値電圧を歩留まりよく制御することができ、オン抵抗を低くすることが可能となる。また、障壁層2の膜厚を16.4×(1−1.27×(Y−X))/(Y−X)[Å]以下に制御するとともに、障壁層2とキャリア誘起層22の膜厚の合計を16.4×(1−1.27×(Y−X))/(Y−X)[Å]以上に制御することによって、ゲート電極13の下ではキャリアが存在せず、ゲート電極13とソース電極4bの間と、ゲート電極13とドレイン電極14の間にキャリアが存在するノーマリーオフ型の窒化物系半導体装置を実現することができる。
以上のように、本発明にかかる窒化物系半導体装置は、スイッチング素子などの電力用半導体装置または高周波パワー半導体装置に有用である。
本発明による窒化物系半導体装置の第1の実施の形態の構造を模式的に示す平面図である。 図1−1のA−A矢視断面図である。 図1のアノード電極中心部における伝導体のエネルギ状態を模式的に示す図である。 窒化物系半導体装置における障壁層の膜厚とキャリア密度との関係を示す図である。 図1−2の窒化物系半導体装置のアノード電極に逆バイアスをかけた場合における状態を模式的に示す図である。 ショットキー性接触を用いた従来の窒化物系半導体装置の断面構造を模式的に示す図である。 キャリア走行層と障壁層の組成比の差と臨界膜厚との関係を示す図である。 本発明による窒化物系半導体装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その1)。 本発明による窒化物系半導体装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その2)。 本発明による窒化物系半導体装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その3)。 本発明による窒化物系半導体装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その4)。 本発明による窒化物系半導体装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その5)。 本発明による窒化物系半導体装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その6)。 本発明による窒化物系半導体装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その7)。 本発明による窒化物系半導体装置の第1の実施の形態の構造の変形例を示す図である。 本発明による窒化物系半導体装置の第1の実施の形態の構造の変形例を示す図である。 本発明による窒化物系半導体装置の第1の実施の形態の構造の変形例を示す図である。 本発明による窒化物系半導体装置の第1の実施の形態の構造の変形例を示す図である。 本発明による窒化物系半導体装置の第2の実施の形態の構造を模式的に示す断面図である。 本発明による窒化物系半導体装置の第3の実施の形態の構造を模式的に示す平面図である。 図13−1のB−B矢視断面図である。 この発明による窒化物系半導体装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その1)。 この発明による窒化物系半導体装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その2)。 この発明による窒化物系半導体装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その3)。 この発明による窒化物系半導体装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その4)。 この発明による窒化物系半導体装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その5)。 この発明による窒化物系半導体装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その6)。 この発明による窒化物系半導体装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その7)。 この発明による窒化物系半導体装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その8)。 この発明による窒化物系半導体装置の製造方法の手順の一例を模式的に示す断面図である(その9)。 本発明による窒化物系半導体装置の第4の実施の形態の構造を模式的に示す断面図である。 本発明による窒化物系半導体装置の第5の実施の形態の構造を模式的に示す断面図である。 図16のゲート電極が形成された位置での深さ方向における伝導帯のエネルギ状態を模式的に示す図である。 図16のソース電極/ドレイン電極が形成された位置での深さ方向における伝導帯のエネルギ状態を模式的に示す図である。
符号の説明
1 キャリア走行層
2 障壁層
3 アノード電極
3a 中心部
3b 外周部
4 カソード電極
4b ソース電極
5 絶縁膜
6 空乏層
7 リセス構造
9 絶縁膜
10 フィールドプレート電極
11 ダイオード
12 電界効果型トランジスタ
13 ゲート電極
14 ドレイン電極
21 閾値制御層
22 キャリア誘起層
31 第1のアノード電極
32 第2のアノード電極

Claims (8)

  1. ノンドープのAlXGa1-XN(0≦X<1)からなる第1の窒化物系半導体層と、
    前記第1の窒化物系半導体層上に形成され、前記第1の窒化物系半導体層よりも格子定数の小さいノンドープまたはn型のAlYGa1-YN(0<Y≦1、X<Y)からなる第2の窒化物系半導体層と、
    前記第2の窒化物系半導体層上に形成される第1の電極と、
    前記第1の電極を囲むように前記第1の電極と間隔をあけて前記第2の窒化物系半導体層上に形成される第2の電極と、
    前記第1の電極の周縁部の下の前記第2の窒化物系半導体層を覆う絶縁膜と、
    を有するダイオードを半導体基板上に備え、
    前記第1の窒化物系半導体層と前記第2の窒化物系半導体層との間に、二次元電子ガスが形成され、
    前記第2の窒化物系半導体層における前記第1の電極の周縁部の近傍部位に前記第2の窒化物系半導体層の一部を除去したリセス構造部を形成し、前記第1の電極は、前記リセス構造部に囲まれる前記第2の窒化物系半導体層と、前記リセス構造部上に形成される前記絶縁膜の少なくとも一部と、を覆うように形成されていることを特徴とする窒化物系半導体装置。
  2. 前記第2の電極は、前記第1の電極の全周囲を囲むように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の窒化物系半導体装置。
  3. 前記第2の電極は、前記第1の電極の一部周囲を囲むように形成され、
    前記ダイオードが形成される領域を他の素子形成領域と電気的に分離し、前記第1と前記第2の窒化物系半導体層、前記第1と前記第2の電極および前記絶縁膜に接するように形成される素子分離領域をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の窒化物系半導体装置。
  4. 前記第2の窒化物系半導体層上における前記第1と前記第2の電極および前記絶縁膜が形成される位置と異なる位置に形成されたリセス構造中に絶縁膜を介して形成されるゲート電極と、
    前記第2の窒化物系半導体層上の前記ゲート電極を挟んだ位置に形成されるソース電極およびドレイン電極と、
    を有する電界効果型トランジスタをさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の窒化物系半導体装置。
  5. ノンドープのAlXGa1-XN(0≦X<1)からなる第1の窒化物系半導体層と、
    前記第1の窒化物系半導体層上に形成され、前記第1の窒化物系半導体層よりも格子定数の小さいノンドープまたはn型のAlYGa1-YN(0<Y≦1、X<Y)からなる第2の窒化物系半導体層と、
    前記第2の窒化物系半導体層上に形成され、前記第1の窒化物系半導体層と格子定数の等しいノンドープのAlXGa1-XN(0≦X<1)からなる第1の半導体層と、
    前記第1の半導体層上に形成され、前記第1の窒化物系半導体層よりも格子定数の小さいノンドープまたはn型のAlZGa1-ZN(0<Z≦1、X<Z)からなる第2の半導体層と、
    1の電極と、
    前記第1の電極を囲むように前記第1の電極と間隔をあけて前記第2の半導体層上に形成される第2の電極と、
    前記第1の電極の周縁部の下の前記第2の半導体層を覆う絶縁膜と、
    を有するダイオードを半導体基板上に備え、
    前記第1の半導体層と前記第2の半導体層との間に、二次元電子ガスが形成され、
    前記第2の半導体層における前記第1の電極の周縁部の近傍部位に前記第2の半導体層の全部または前記第2の半導体層の全部と前記第1の半導体層の一部を除去したリセス構造部を形成し、
    前記第1の電極は、中心部と、前記中心部の外側の外周部とを含み、
    前記中心部は、前記リセス構造部に囲まれる前記第2の半導体層の上に直接形成され
    前記外周部は、前記リセス構造部上に形成される前記絶縁膜の少なくとも一部を介して、前記第1の半導体層の上方に形成されていることを特徴とする窒化物系半導体装置。
  6. 前記第2の電極は、前記第1の電極の全周囲を囲むように形成されていることを特徴とする請求項5に記載の窒化物系半導体装置。
  7. 前記第2の電極は、前記第1の電極の一部周囲を囲むように形成され、
    前記ダイオードが形成される領域を他の素子形成領域と電気的に分離し、前記第1と前記第2の窒化物系半導体層、前記第1と前記第2の半導体層、前記第1と前記第2の電極および前記絶縁膜に接するように形成される素子分離領域をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の窒化物系半導体装置。
  8. 前記第2の半導体層上における前記第1と前記第2の電極および前記絶縁膜が形成される位置と異なる位置に形成されたリセス構造中に絶縁膜を介して形成されるゲート電極と、
    前記第2窒化物系半導体層、前記第1および前記第2の半導体層上のいずれかの前記ゲート電極を挟んだ位置に形成されるソース電極およびドレイン電極と、
    を有する電界効果型トランジスタをさらに備えることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1つに記載の窒化物系半導体装置。
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