JP5065551B2 - ガラス板切断ヘッド及びこれを具備しているガラス板加工装置 - Google Patents

ガラス板切断ヘッド及びこれを具備しているガラス板加工装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス板を切断、及びガラス板に切り線を形成する装置等に用いるためのガラス板切断ヘッド並びにこれを具備したガラス板加工装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
ガラス板に切り線を形成する装置に用いるためのガラス板切断ヘッドは、エアシリンダ装置の作動によりカッタホイールをガラス板に対して上下動させている。
【0003】
しかし、上記のようなガラス板切断ヘッドは、カッタホイールをエアシリンダ装置の作動によりガラス板に対して上下動させているため、当該カッタホイールを上下動させる距離を微少に設定することができず、ガラス板に所望の切り線形成圧力を与えることができず、而して、当該ガラス板切断ヘッドでは、ガラス板の切り線形成作業の確実性を確保することが困難である。
【0004】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、カッタホイール等の切り刃を上下動させる距離を微少に設定することができ、ガラス板に所望の切り線形成圧力を与えることができ、而して、ガラス板の切り線形成作業の確実性を確保できるガラス板切断ヘッド及びこれを具備しているガラス板加工装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のガラス板切断ヘッドは、ガラス板に切り線を形成する切り線形成手段と、この切り線形成手段を上下動させる上下動手段とを具備しており、この上下動手段は、可動子と固定子とを有すると共に切り線形成手段を上下動させる上下動力を発生する電動リニアモータを具備している。
【0006】
本発明のガラス板切断ヘッドによれば、切り線形成手段の上下動が電動リニアモータによって行われるため、カッタホイール等の切り刃を上下動させる距離を微少に設定することができ、ガラス板に所望の切り線形成圧力を与えることができ、而して、ガラス板の切り線形成作業の確実性を確保できる。
【0007】
本発明のガラス板加工装置は、ガラス板に切り線を形成する切り線形成手段及びこの切り線形成手段を上下動させる上下動手段を具備しているガラス板切断ヘッドと、このガラス板切断ヘッドを一の方向及び一の方向に交差する他の一の方向に移動させる移動手段とを具備しており、ガラス板切断ヘッドの上下動手段は、可動子と固定子とを有すると共に切り線形成手段を上下動させる上下動力を発生する電動リニアモータを具備している。
【0008】
本発明のガラス板加工装置によれば、切り線形成手段の上下動が電動リニアモータによって行われるため、カッタホイール等の切り刃を上下動させる距離を微少に設定することができ、ガラス板に所望の切り線形成圧力を与えることができ、而して、ガラス板の切り線形成作業の確実性を確保できる。
【0009】
本発明の他のガラス板加工装置は、ガラス板に切り線を形成する切り線形成手段及びこの切り線形成手段を上下動させる上下動手段を具備しているガラス板切断ヘッドと、ガラス板切断ヘッドにより切り線が形成されたガラス板を押し割る押し割り手段及びこの押し割り手段を上下動させる上下動手段を具備している押し割りヘッドと、ガラス板切断ヘッド及び押し割りヘッドを一の方向及び一の方向に交差する他の一の方向に移動させる移動手段とを具備しており、ガラス板切断ヘッドの上下動手段は、可動子と固定子とを有すると共に切り線形成手段を上下動させる上下動力を発生する電動リニアモータを具備している。
【0010】
本発明の他のガラス板加工装置によれば、前記と同様に、切り線形成手段を上下動させる距離を微少に設定することができ、ガラス板に所望の切り線形成圧力を与えることができ、而して、ガラス板の切り線形成作業の確実性を確保することができ、また、切り線を形成したガラス板をその切り線に沿って押し割ることもでき、従って、ガラス板の切り線形成及び押し割りに費やす時間を短縮することができる。
【0011】
本発明の他のガラス板加工装置において、押し割りヘッドの上下動手段は、好ましくは、可動子と固定子とを有すると共に押し割り手段を上下動させる上下動力を発生する電動リニアモータを具備している。斯かるガラス板加工装置によれば、例えば押し棒等を具備する押し割り手段を上下動させる距離を微少に設定することができ、ガラス板に所望の押圧力を与えることができ、ガラス板の切り線形成作業の確実性に加えて、ガラス板の押し割り作業の確実性をも確保でき、従って、ガラス板の加工をより一層高精度に行い得る。
【0012】
以下、本発明の実施の形態の例を図を参照して詳細に説明する。尚、本発明は、これら例に何等限定されないのである。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1から図4において、本例のガラス板切断ヘッド1は、図5に示すようなガラス板2に切り線3を形成する切り線形成手段4と、切り線形成手段4をZ方向に上下動させる上下動手段5とを具備しており、上下動手段5は、可動子6と、可動子6にZ方向に直交するX方向で対向する固定子7とを有する電動リニアモータ8を具備している。
【0014】
切り線形成手段4は、切り線形成用のカッタホイール11と、カッタホイール11を回転自在に取り付けているカッタブロック12と、カッタホイール11によるガラス板2への切り線形成圧力を調整するエアシリンダ装置13と、カッタホイール11を旋回させる旋回装置14と、エアシリンダ装置13及び旋回装置14を取り付けている取付体15とを具備している。
【0015】
エアシリンダ装置13は、エアシリンダ20と、Z方向に伸びる中空のピストンロッド21と、ピストンロッド21の上下動時にエアシリンダ20内のエアーに基づく抵抗力をピストンロッド21に与える抵抗板22と、チューブ及びバルブ等を介してエアシリンダ20内のエアー圧を増減させるエアー圧増減装置(図示せず)とを具備している。
【0016】
エアシリンダ20は、Z方向における一端部を閉鎖する閉鎖部23を有する略円筒状のシリンダ本体24と、シリンダ本体24の他端部を閉鎖する略円盤状の閉鎖部材25とを具備しており、シリンダ本体24の閉鎖部23及び閉鎖部材25には、ピストンロッド21が挿通する挿通孔が夫々設けられている。尚、シリンダ本体24は、取付体15に取り付けられている。
【0017】
Z方向における上端から下端まで貫通した貫通孔28を有したピストンロッド21の下端側の内周面27には、軸受け29が取り付けられており、ピストンロッド21は、シリンダ本体24の閉鎖部23及び閉鎖部材25の挿通孔を上下動自在に挿通している。
【0018】
抵抗板22は、シリンダ本体24の内周面24aよりも小径な環状板(ピストン)31と、環状板31の外周面に嵌着されたOリングとを有しており、環状板31は、その内周面でピストンロッド21の外周面に固定されており、内周面24aによって規定される空間を二つに区分するように配されている。
【0019】
旋回装置14は、カッタブロック12を旋回させるZ方向に伸びた旋回軸32と、取付体15に取り付けられた電動モータ33と、電動モータ33の出力回転軸34及び旋回軸32の一端部32aを相互に連結する連結体35とを具備している。旋回装置14は、電動モータ33の出力回転軸34の回転により、連結体35及び旋回軸32等を介してカッタホイール11をZ方向に伸びる旋回軸心Aを中心としてB方向に旋回させるようになっている。
【0020】
旋回軸32は、ピストンロッド21の貫通孔28を挿通し、且つ、外輪がピストンロッド21に固着された軸受け29の内輪に固着されており、当該軸受け29を介してピストンロッド21に回転自在に支持されている。旋回軸32は、Z方向に移動自在な状態で連結体35と連結するように、一端部32aにZ方向に伸びる溝を形成している。旋回軸32の他端部32bには、カッタブロック12が取り付けられている。
【0021】
連結体35は、Z方向における一端から出力回転軸34が挿入され、且つ、Z方向における他端から旋回軸32が挿入されるようになっている略円筒状の連結本体40と、連結本体40の一端から挿入された出力回転軸34を押圧する押圧体41と、他端から挿入された旋回軸32の一端部32aの溝に位置するように連結本体40の内周面に設けられた凸部とを具備している。連結体35は、旋回軸32の一端部32aの溝に連結本体40に設けられた凸部が位置することで、旋回軸32を、連結体35に対してZ方向に移動自在であり、且つ、連結体35に対してB方向に旋回しないように、連結する。尚、連結本体40の凸部は、連結本体40の内周面にZ方向に並んで配された回転自在な複数個のボールによって具体化されてもよい。
【0022】
上下動手段5は、電動リニアモータ8の他、取付体15を固定しているZ方向に移動自在な移動台45と、移動台45をZ方向に案内する案内レール46及び47と、案内レール46及び47を取り付けている取付台48とを具備している。
【0023】
可動子6は、本例では、磁極部材51及び52と、磁極部材51及び52間に配された永久磁石53とを有しており、磁極部材51は、鉄芯54と、鉄芯54に密に巻き付けられた巻線55とを具備しており、巻線55には電流が流されるようになっている。磁極部材52は、鉄芯57と、鉄芯57に密に巻き付けられた巻線58とを具備しており、巻線58には電流が流されるようになっている。
【0024】
固定子7は、案内レール46及び47間に配され、可動子6に対して一定の隙間をもって取付台48に取り付けられたZ方向に伸びた磁性材製の長尺板61からなり、長尺板61の可動子6に対向する側の面62には、複数の凸部63がZ方向に並んで形成されている。
【0025】
電動リニアモータ8は、巻線55及び巻線58への供給電流の位相を順次変化させることにより、可動子6をZ方向に移動させるようになっている。
【0026】
以下、上述のガラス板切断ヘッド1を具備しているガラス板加工装置100について、図を参照して詳細に説明する。
【0027】
図6及び図7において、ガラス板加工装置100は、上述のガラス板切断ヘッド1に加えて、ガラス板切断ヘッド1をX方向、並びにX方向及びZ方向に直交するY方向に移動させる移動手段101と、ガラス板2を支持する支持台102とを具備している。
【0028】
移動手段101は、ガラス板切断ヘッド1をY方向に移動させるY方向直動手段103と、ガラス板切断ヘッド1をX方向に移動させるX方向直動手段104とを具備している。
【0029】
Y方向直動手段103は、Y方向に伸びたブリッジフレーム105と、可動子106と固定子107とを有する電動リニアモータ108と、ブリッジフレーム105にY方向に伸びて取り付けられた一対の案内レール109とを具備している。可動子106は、取付台48に取り付けられており、固定子107は、Y方向に伸びており、一対の案内レール109間に配され、可動子106に対して一定の隙間をもって、ブリッジフレーム105に取り付けられている。案内レール109は、取付台48に設けられたスライダと嵌合しており、取付台48をY方向に案内するようになっている。電動リニアモータ108は、電動リニアモータ8と同様に形成されており、同様に作動して取付台48をY方向に移動させるようになっている。
【0030】
X方向直動手段104は、支持台102のY方向における一方の端部110に配された可動子111及び固定子112を有する電動リニアモータ113と、端部110にX方向に伸びて配された一対の案内レール114と、支持台102のY方向における他方の端部115に配された可動子116及び固定子117を有する電動リニアモータ118と、端部115にX方向に伸びて配された一対の案内レール119とを具備している。可動子111は、ブリッジフレーム105のY方向における一端部121の下面に取り付けられており、固定子112は、一対の案内レール114間に配され、可動子111に対して一定の隙間をもって、支持台102にX方向に伸びて取り付けられている。可動子116は、ブリッジフレーム105のY方向における他端部122の下面に取り付けられており、固定子117は、一対の案内レール119間に配され、可動子116に対して一定の隙間をもって、支持台102にX方向に伸びて取り付けられている。一対の案内レール114は、ブリッジフレーム105の一端部121に設けられたスライダと嵌合しており、一対の案内レール119は、ブリッジフレーム105の他端部122に設けられたスライダと嵌合しており、案内レール114及び119は、夫々ブリッジフレーム105をX方向に案内するようになっている。電動リニアモータ113及び118は、互いに同期して、電動リニアモータ8と同様に作動するようになっている。可動子111及び116並びに固定子112及び117の夫々は、電動リニアモータ8の可動子6及び固定子7と同様に形成されている。
【0031】
尚、本例のガラス板加工装置100は、電動リニアモータ8、108、113及び118と、エアシリンダ装置13と、電動モータ33との動作を、予め記憶されたプログラムにより制御するようになっている制御装置(図示せず)を具備している。
【0032】
ガラス板加工装置100によりガラス板2に切り線3を形成する場合、まず、電動リニアモータ113及び118を同期して作動させることによりブリッジフレーム105を案内レール114及び119に案内させながらX方向に移動させ、且つ、電動リニアモータ108の作動により取付台48を案内レール109に案内させながらY方向に移動させて、ガラス板切断ヘッド1をX方向及びY方向に移動させ、カッタホイール11を、支持台102上であって、ガラス板2の切り線3を形成すべき部位の上方に位置させる。次に、カッタホイール11がガラス板2に接触し、エアシリンダ装置13の作動でカッタホイール11からガラス板2に適切な切り線形成圧力が加わるように、電動リニアモータ8の作動により、移動台45等を介してカッタホイール11を、予め設定したZ方向における設定位置に移動させる。次に、電動モータ33の作動により、カッタホイール11の刃先が常に切り線3形成方向を向くように、旋回軸32等を介してカッタホイール11をB方向に旋回させながら、電動リニアモータ108、113及び118の作動によりカッタホイール11を切り線3形成方向に移動させる。尚、エアシリンダ装置13は、ガラス板2に切り線3を形成するのに適切なエアー圧をカッタホイール11に加えており、カッタホイール11に刃欠けやガラス板に欠け等が生じないようにしている。
【0033】
以下、他のガラス板加工装置200について、図を参照して詳細に説明する。
【0034】
図8から図12において、ガラス板加工装置200は、ガラス板2を支持する支持台209と、上記ガラス板切断ヘッド1と同様に形成されたガラス板切断ヘッド1aと、ガラス板切断ヘッド1aにより切り線3が形成されたガラス板2を押し割る押し割り手段201及び押し割り手段201をZ方向に上下動させる上下動手段202を具備している押し割りヘッド203と、ガラス板切断ヘッド1a及び押し割りヘッド203をX方向及びY方向に移動させる移動手段205とを具備しており、押し割りヘッド203の上下動手段202は、可動子206と、可動子206にX方向で対向する固定子207とを有すると共に押し割り手段201をZ方向に上下動させる上下動力を発生する電動リニアモータ208を具備している。
【0035】
ガラス板切断ヘッド1aは、上記ガラス板切断ヘッド1と同様に形成されており、ガラス板切断ヘッド1aの取付台48と、後述の取付台218とは、本例では、一体として形成されている。
【0036】
押し割り手段201は、ガラス板2を押圧する押し棒211を具備している。
上下動手段202は、電動リニアモータ208の他に、押し棒211が取り付けられた取付体212と、取付体212を固定しているZ方向に移動自在な移動台213と、移動台213に固定されたスライダ214及び215と、互いにY方向で対向しており、スライダ214及び215に夫々嵌合しているZ方向に伸びた案内レール216及び217と、案内レール216及び217を取り付けている取付台218とを具備しており、案内レール216及び217は、スライダ214及び215を介して移動台213をZ方向に案内するようになっている。
【0037】
電動リニアモータ208は、電動リニアモータ8と同様に形成されている。従って、電動リニアモータ208についての説明を省略する。尚、可動子206は、移動台213に取り付けられており、固定子207は、取付台218に取り付けられている。
【0038】
移動手段205は、ガラス板切断ヘッド1a及び押し割りヘッド203をY方向に移動させるY方向直動手段303と、ガラス板切断ヘッド1a及び押し割りヘッド203をX方向に移動させるX方向直動手段304とを具備している。
【0039】
Y方向直動手段303は、Y方向に伸びたブリッジフレーム305と、可動子306と固定子307とを有する電動リニアモータ308と、ブリッジフレーム305にY方向に伸びて取り付けられた一対の案内レール309とを具備している。可動子306は、取付台218に取り付けられており、固定子307は、Y方向に伸びており、一対の案内レール309間に配され、可動子306に対して一定の隙間をもって、ブリッジフレーム305に取り付けられている。案内レール309は、取付台218に設けられたスライダと嵌合しており、取付台218をY方向に案内するようになっている。電動リニアモータ308は、電動リニアモータ8と同様に形成されており、同様に作動して取付台218(48)をY方向に直動させる直動力を発生するようになっている。
【0040】
X方向直動手段304は、支持台209のY方向における一方の端部310に配された可動子311及び固定子312を有する電動リニアモータ313と、端部310にX方向に伸びて配された一対の案内レール314と、支持台209のY方向における他方の端部315に配された可動子316及び固定子317を有する電動リニアモータ318と、端部315にX方向に伸びて配された一対の案内レール319とを具備している。可動子311は、ブリッジフレーム305のY方向における一端部321の下面に取り付けられており、固定子312は、一対の案内レール314間に配され、可動子311に対して一定の隙間をもって、支持台209にX方向に伸びて取り付けられている。可動子316は、ブリッジフレーム305のY方向における他端部322の下面に取り付けられており、固定子317は、一対の案内レール319間に配され、可動子316に対して一定の隙間をもって、支持台209にX方向に伸びて取り付けられている。一対の案内レール314は、ブリッジフレーム305の一端部321に設けられたスライダと嵌合しており、一対の案内レール319は、ブリッジフレーム305の他端部322に設けられたスライダと嵌合しており、案内レール314及び319は、夫々ブリッジフレーム305をX方向に案内するようになっている。電動リニアモータ313及び318は、互いに同期して作動するようになっている。電動リニアモータ313及び318の夫々は、電動リニアモータ8と同様に形成されており、同様に作動してブリッジフレーム305をX方向に直動させる直動力を発生するようになっている。
【0041】
尚、本例のガラス板加工装置200は、電動リニアモータ8、208、308、313及び318と、エアシリンダ装置13と、電動モータ33との動作を、予め記憶されたプログラムにより制御するようになっている制御装置(図示せず)を具備している。
【0042】
ガラス板加工装置200によりガラス板2に切り線3を形成して、切り線3を形成したガラス板2を押し割る場合、まず、電動リニアモータ313及び318を同期して作動させることによりブリッジフレーム305を案内レール314及び319に案内させながらX方向に移動させ、且つ、電動リニアモータ308の作動により取付台218と一体的に形成されている取付台48を案内レール309に案内させながらY方向に移動させて、ガラス板切断ヘッド1aをX方向及びY方向に移動させ、カッタホイール11を支持台209上であってガラス板2に切り線3を形成すべき部位の上方に位置させる。次に、カッタホイール11がガラス板2に接触し、エアシリンダ装置13の作動でカッタホイール11からガラス板2に適切な切り線形成圧力が加わるように、電動リニアモータ8の作動により、移動台45等を介してカッタホイール11を予め設定したZ方向における設定位置に移動させる。次に、電動モータ33の作動により、カッタホイール11の刃先が常に切り線3形成方向を向くように、旋回軸32等を介してカッタホイール11をB方向に旋回させながら、電動リニアモータ308、313及び318の作動によりカッタホイール11を切り線3形成方向に移動させる。尚、エアシリンダ装置13は、ガラス板2に切り線3を形成するのに適切なエアー圧をカッタホイール11に加えており、カッタホイール11に刃欠けやガラス板に欠け等が生じないようにしている。
【0043】
次に、電動リニアモータ313及び318を同期して作動させることによりブリッジフレーム305を案内レール314及び319に案内させながらX方向に移動させ、且つ、電動リニアモータ308の作動により取付台218を案内レール309に案内させながらY方向に移動させて、押し割りヘッド203をX方向及びY方向に移動させ、押し棒211を支持台209上であってガラス板2の押し割るべき部位の上方に位置させる。次に、電動リニアモータ208の作動により移動台213等を介して押し棒211をZ方向に移動させて、当該押し棒211でガラス板2を押圧し、而して、ガラス板2を押し割る。
【0044】
尚、本例のガラス板加工装置200は、移動手段205に代えて、ガラス板切断ヘッド1aをY方向に移動させるY方向直動手段及びガラス板切断ヘッド1aをX方向に移動させるX方向直動手段を具備しているガラス板切断ヘッド移動装置と、押し割りヘッド203をY方向に移動させるY方向直動手段及び押し割りヘッド203をX方向に移動させるX方向直動手段を具備している押し割りヘッド移動装置とを有している移動手段を具備していてもよく、また、移動手段205に代えて、ガラス板切断ヘッド1aをY方向に移動させるY方向直動手段と、押し割りヘッド203をY方向に移動させるY方向直動手段と、ガラス板切断ヘッド1a及び押し割りヘッド203をX方向に移動させるX方向直動手段とを具備している移動手段を具備していてもよい。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、カッタホイール等の切り刃を上下動させる距離を微少に設定することができ、ガラス板に所望の切り線形成圧力を与えることができ、而して、ガラス板の切り線形成作業の確実性を確保できるガラス板切断ヘッド及びこれを具備しているガラス板加工装置を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガラス板切断ヘッドの実施の形態の例の正面説明図である。
【図2】図1に示す例のII−II線矢視説明図である。
【図3】図1に示す例のIII−III線矢視説明図である。
【図4】図1に示す例の主に電動リニアモータの拡大説明図である。
【図5】切り線が形成されたガラス板の平面説明図である。
【図6】本発明のガラス板加工装置の実施の形態の例の平面説明図である。
【図7】図6に示す例の側面説明図である。
【図8】本発明の他のガラス板加工装置の実施の形態の例の平面説明図である。
【図9】図8に示す例の側面説明図である。
【図10】図8に示す例の主に押し割りヘッドの正面説明図である。
【図11】図10に示す主に押し割りヘッドのXI−XI線矢視説明図である。
【図12】図10に示す主に押し割りヘッドのXII−XII線矢視説明図である。
【符号の説明】
1 ガラス板切断ヘッド
2 ガラス板
3 切り線
4 切り線形成手段
5 上下動手段
6 可動子
7 固定子
8 電動リニアモータ
100、200 ガラス板加工装置

Claims (3)

  1. ガラス板に切り線を形成する切り線形成手段と、この切り線形成手段を上下動させる上下動手段とを具備しており、切り線形成手段は、上下動自在な旋回軸の一端に取り付けられた切り線形成用のカッタホイールと、旋回軸を介してカッタホイールによるガラス板への切り線形成圧力を調整するエアシリンダ装置と、回転により旋回軸を介してカッタホイールを旋回させると共に旋回軸の他端に相対的に上下動自在に連結されている出力回転軸を有した旋回装置と、エアシリンダ装置及び旋回装置を取り付けている取付体とを具備しており、上下動手段は、取付体を固定している上下方向に移動自在な移動台と、この移動台を上下方向に案内する案内レールと、この案内レールを取り付けている取付台と、移動台に取り付けられた可動子及びこの可動子に対して隙間をもって取付台に取り付けられた固定子を有すると共に切り線形成手段を上下動させる上下動力を発生する電動リニアモータとを具備しているガラス板切断ヘッド。
  2. ガラス板に切り線を形成する切り線形成手段及びこの切り線形成手段を上下動させる上下動手段を具備しているガラス板切断ヘッドと、このガラス板切断ヘッドを一の方向及び一の方向に交差する他の一の方向に移動させる移動手段とを具備しており、ガラス板切断ヘッドの切り線形成手段は、上下動自在な旋回軸の一端に取り付けられた切り線形成用のカッタホイールと、旋回軸を介してカッタホイールによるガラス板への切り線形成圧力を調整するエアシリンダ装置と、回転により旋回軸を介してカッタホイールを旋回させると共に旋回軸の他端に相対的に上下動自在に連結されている出力回転軸を有した旋回装置と、エアシリンダ装置及び旋回装置を取り付けている取付体とを具備しており、ガラス板切断ヘッドの上下動手段は、取付体を固定している上下方向に移動自在な移動台と、この移動台を上下方向に案内する案内レールと、この案内レールを取り付けている取付台と、移動台に取り付けられた可動子及びこの可動子に対して隙間をもって取付台に取り付けられた固定子を有すると共に切り線形成手段を上下動させる上下動力を発生する電動リニアモータとを具備しているガラス板加工装置。
  3. ガラス板に切り線を形成する切り線形成手段及びこの切り線形成手段を上下動させる上下動手段を具備しているガラス板切断ヘッドと、ガラス板切断ヘッドにより切り線が形成されたガラス板を押し割る押し割り手段及びこの押し割り手段を上下動させる上下動手段を具備している押し割りヘッドと、ガラス板切断ヘッド及び押し割りヘッドを一の方向及び一の方向に交差する他の一の方向に移動させる移動手段とを具備しており、ガラス板切断ヘッドの切り線形成手段は、上下動自在な旋回軸の一端に取り付けられた切り線形成用のカッタホイールと、旋回軸を介してカッタホイールによるガラス板への切り線形成圧力を調整するエアシリンダ装置と、回転により旋回軸を介してカッタホイールを旋回させると共に旋回軸の他端に相対的に上下動自在に連結されている出力回転軸を有した旋回装置と、エアシリンダ装置及び旋回装置を取り付けている取付体とを具備しており、ガラス板切断ヘッドの上下動手段は、取付体を固定している上下方向に移動自在な移動台と、この移動台を上下方向に案内する案内レールと、この案内レールを取り付けている取付台と、移動台に取り付けられた可動子及びこの可動子に対して隙間をもって取付台に取り付けられた固定子を有すると共に切り線形成手段を上下動させる上下動力を発生する電動リニアモータとを具備しているガラス板加工装置。
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