JP5065527B2 - 擁壁構造及び植栽可能な擁壁構築法 - Google Patents

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Description

本発明は、擁壁構造及び植栽可能な擁壁構築法、詳しくは客土材の洗掘・流出を防止するとともに、動植物等の生育空間及び小動物等の移動空間を有する擁壁の構造と、植栽と同時に擁壁を構築する工法に関する技術。
従来、擁壁構造の一形態として、特許文献1に開示されたものがある。すなわち、特許文献1では、前・後壁と両前・後壁を連結する連結体とを具備して上・下面開口状の胴込め空間を有する擁壁ブロックが開示されている。それは複数の擁壁ブロックを、下段の擁壁ブロックの上面前部が開口して外部と連通するように階段状に段積みして擁壁を構築している。そして、これらの擁壁ブロックの胴込め空間の内上面前部が開口して外部と連通する前部の空間に客土材を充填することで、自然植生による緑化を図っている。
特開平8−120693号公報
しかしながら、前記した擁壁構造が護岸擁壁として機能しなくなる場合がある。それは河川が増水した際に、客土領域に浸入した流水によって客土が洗掘され、さらに洗掘された客土の流出により胴込め空間内の胴込め材が流出して、最悪の場合には擁壁が崩壊する虞が生じるためである。これらの解決策として種々の対策が試みられているが、施工が煩雑になるだけで客土材の洗掘・流出を防止することはできていない。
本発明は、前記した課題に鑑みてなされたものであり、簡易構造にして胴込め材ないしは客土材の洗掘・流出を防止するとともに、動植物等の生育空間及び小動物等の移動空間を有する擁壁構造、及び植栽と同時に擁壁を構築する植栽可能な擁壁構築法を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明に係る擁壁構造は、上面に開口部を有しかつ内部に胴込め空間を有する複数の擁壁ブロックを階段状に段積みして、下段に位置する擁壁ブロックの上面の一部が外部空間に直面するように構築する擁壁構造であって、胴込め材を充填して胴込め空間を形成する際には、外部空間と直面する胴込め材の上層部に、形状および寸法が不特定な塊状物である砕石やぐり石やコンクリートガラを詰め込んで、これらの塊状物により塊状物直下の胴込め材が洗堀されるのを防止する洗堀防止空間を形成し、擁壁ブロックの前壁は、前低後高の後傾板状となして、洗掘防止空間を上方に向かって漸次幅狭の空間となすことで、洗掘防止空間内に詰め込んだ複数の塊状物が開放部を通して擁壁ブロックの外部へ流出されるのを防止したことを特徴とする。
かかる擁壁構造では、形状および寸法が不特定な洗掘防止材としての塊状物である砕石やぐり石やコンクリートガラを胴込め空間の上層部に詰め込むことにより、胴込め材が外部空間と直面しない構造としている。従って、河川が増水した場合にも洗掘防止材としての塊状物により胴込め材が洗堀されるのを防止することができる。
そして、擁壁ブロックの前壁を、前低後高の後傾状となしているため、開口上面の前後の間隔を従来の垂直状の前壁を具備する擁壁ブロックに比して、傾斜板状となした前壁の平面投影前後幅だけ小さく設定することができる。そのため、洗掘防止空間を上方に向かって漸次幅狭の空間となすことができる。その結果、洗掘防止空間内に詰め込んだ複数の塊状物が増水した河川により洗掘防止空間の開口上面から流出されるのをより堅実に防止することができる。また、傾斜板状となした前壁にはその外面に沿って雨水等が流下して、開口上面を通して洗掘防止空間内さらには客土空間内に円滑かつ堅実に流入するため、擁壁ブロック内の植生機能を良好に確保するとことができる。更に、植栽した擁壁ブロックの直上方に段積みした擁壁ブロックの前壁は、前低後高に後傾しているため、植物が成長するために必要な外部空間が拡大されることになって、植物の成長ゾーンをより広く確保することができる。
請求項2記載の発明に係る擁壁構造は、請求項1記載の発明に係る擁壁構造であって、胴込め空間内に保水性を有する粒径材を充填して客土空間を形成するとともに、詰め込まれた塊状物間に生起される多様な隙間が客土空間と外部空間とをつなぐ屈曲連通路となって植生空間の一部として活かされることを特徴とする
かかる擁壁構造では、擁壁としての重要な役割を担う胴込め材に保水性を有する粒径材を用いて客土空間を形成する。さらに、客土空間の上部に塊状物である前記砕石やぐり石やコンクリートガラ(以下「ぐり石等」という)を詰め込むことによって、客土空間の粒径材が洗掘・流出されるのを防止できるようにしている。
また、詰め込まれたこれらのぐり石等の塊状物は、形状・サイズが不特定であるため塊状物と塊状物との間には必然的に多様な隙間が生起される。そして、これらの隙間を客土空間と外部空間とにつながる屈曲連通路として活かした構造にしている。形状・サイズが不特定な塊状物と塊状物との間に生起されるこれらの屈曲連通路は、屈曲連通路内に存在する樹木の幹径が太くなって屈曲連通路の間隙が窮屈になると、樹木の幹部が各ぐり石等を周囲に押しやって屈曲連通路が少しずつ(大径に)変形されるため、屈曲連通路内に存在する樹木の幹径が太くなっても、樹木の生育を阻害しない構造となっている。もし、連通路(孔)がコンクリートで形成されると、連通路の孔径は固定されているため、連通路内に存在する樹木の幹径が太くなると、樹木の生育は著しく阻害されることになる。
本発明に係る擁壁構造は、客土空間の上部に詰め込んだ塊状物により粒径材が洗掘・流出されるのを防止すると共に、塊状物間に生起される多様な隙間を植生空間の一部として活かしたもので、いわば護岸機能と植生機能が合体した構造となっている。
請求項記載の発明に係る擁壁構造は、請求項1又は2記載の発明に係る擁壁構造であって、塊状物の最大径は外部空間に直面する擁壁ブロックの開口部の一部の前後幅よりも大となすことで、塊状物が開口部を通して外部に流出されるのを防止したことを特徴とする
かかる擁壁構造では、塊状物の最大径は外部空間に直面する擁壁ブロックの開口部の一部の前後幅よりも大となすことで、河川が増水した場合にも塊状物が開口部を通して外部に流出されるのを防止している。これは、流水に流出され難いサイズの塊状物で外部と直面する胴込め空間の上層部を層状に被覆することにより、河川が増水した場合にも、河川の流水により胴込め材が洗堀されるのを防止するものである。その結果、上層部に詰め込まれた塊状物によって下層部の胴込め材が洗堀されるのを堅実に防止することができる。ここで、塊状物の最大径とは、塊状物1個の最長軸の長さ(最長径ないしは最大寸法)をいう
請求項記載の発明に係る擁壁構造は、請求項1〜3のいずれか1項記載の擁壁構造であって、上面に開口部を有しかつ内部に胴込め空間を有する擁壁ブロックは、少なくとも前・後壁と両前・後壁を連結する連結体とを具備し、胴込め空間の上部には前壁の上部と対向させて仕切体を配置して、仕切体と前壁の上部との間に洗掘防止空間を形成したことを特徴とする。
かかる擁壁構造では、胴込め材として保水性を有する客土材を用いる際には、胴込め空間が客土空間となる。そして、胴込め空間を洗堀防止空間と客土空間とに仕切る仕切体は、仕切体の背後において客土空間内に充填された客土材が洗堀防止空間の屈曲連通路を通して外部に吸い出されるのを防止することができる。(吸い出し防止効果)。なお、客土材には成り得ない単粒度砕石(例えば13mm〜20mm)においては屈曲連通路内に吸い出しされることがないため、施工上の不便さを除けば必ずしも仕切体を必要とはしない。
請求項記載の発明に係る擁壁構造は、請求項1〜4のいずれか1項記載の擁壁構造であって、上段の擁壁ブロックの前壁下端部は、直下段の擁壁ブロック内に配設した仕切体上に上下重合状態に配置するとともに、前壁下端部により洗掘防止空間の開口上面を一部閉塞して、前壁下端部の底面で塊状物の上面を覆うことで、洗掘防止空間内に詰め込んだ複数の塊状物が洗掘防止空間の開口上面を通して擁壁ブロックの外部へ流出されるのを防止したことを特徴とする。
かかる擁壁構造では、上段の擁壁ブロックの前壁下端部により洗掘防止空間の開口上面を一部閉塞することにより、この一部閉塞した前壁下端部の底面で直接又は間接的に塊状物の上面を覆うことができて、塊状物の流出を確実に防止することができる。その結果、胴込め材が洗堀・流出されるのを堅実に防止することができる。
請求項記載の発明に係る擁壁構造は、請求項1〜5のいずれか1項記載の擁壁構造で
あって、擁壁ブロックの前壁は、前低後高の後傾板状となして、洗掘防止空間を上方に向かって漸次幅狭の空間となすことで、洗掘防止空間内に詰め込んだ複数の塊状物が開放部を通して擁壁ブロックの外部へ流出されるのを防止したことを特徴とする
かかる擁壁構造では、擁壁ブロックの前壁を、前低後高の後傾状となしているため、開口上面の前後の間隔を従来の垂直状の前壁を具備する擁壁ブロックに比して、傾斜板状となした前壁の平面投影前後幅だけ小さく設定することができる。そのため、洗掘防止空間を上方に向かって漸次幅狭の空間となすことができる。その結果、洗掘防止空間内に詰め込んだ複数の塊状物が増水した河川により洗掘防止空間の開口上面から流出されるのをより堅実に防止することができる。また、傾斜板状となした前壁にはその外面に沿って雨水等が流下して、開口上面を通して洗掘防止空間内さらには客土空間内に円滑かつ堅実に流入するため、擁壁ブロック内の植生機能を良好に確保するとことができる。更に、植栽した擁壁ブロックの直上方に段積みした擁壁ブロックの前壁は、前低後高に後傾しているため、植物が成長するために必要な外部空間が拡大されることになって、植物の成長ゾーンをより広く確保することができる。
請求項記載の発明に係る擁壁構造は、請求項1〜5のいずれか1項記載の擁壁構造で
あって、洗掘防止空間の開口上面より流入した雨水等は、洗掘防止空間を通して客土空間に流入し、直下段の擁壁ブロックの客土空間に順次流入するようにしたことを特徴とする。
かかる擁壁構造では、各擁壁ブロックの洗掘防止空間内に流入した雨水等が、客土空間内→直下段の擁壁ブロックの客土空間内→さらにその直下段の擁壁ブロックの客土空間内に排水できるようにしている。その結果、客土空間内の客土は良好な保水・排水・通気性を確保して、より良い植生機能を維持することができる。
請求項記載の発明に係る植栽可能な擁壁構築法は、請求項4〜のいずれか1項記載の擁壁構造を構築する植栽可能な擁壁構築法であって、植物を擁壁ブロック内に配置する工程と、植物を配置した状態で客土空間内に客土材を所定の高さまで充填する工程と、客土材上に仕切体を配置して洗掘防止空間を形成する工程と、残余の客土空間内に客土材を充填する工程と、洗掘防止空間内に洗掘防止材として複数の塊状部を詰め込む工程と、を有することを特徴とする。
かかる植栽可能な擁壁構築法では、擁壁の構築において、客土材を充填する際には、あらかじめ植栽用の植物を擁壁ブロック内に配置することにより、胴込め材の充填作業と植栽作業とを同時に進行させることができる。その結果、植栽に要する時間とコストを大幅に削減することができる。ここで、植栽用の植物としては、例えば、ネコヤナギ等が育成できる。
請求項記載の発明に係る植栽可能な擁壁構築法は、請求項4〜のいずれか1項記載の擁壁構造を構築する植栽可能な擁壁構築法であって、客土空間内に客土材を所要の高さまで充填する工程と、植物を擁壁ブロック内の客土材上に配置する工程と、植物を配置した状態で残余の客土空間内に客土材を所定の高さまで充填する工程と、客土材上に仕切体を配置して洗掘防止空間を形成する工程と、残余の客土空間内に客土材を充填する工程と、洗掘防止空間内に洗掘防止材として複数の塊状部を詰め込む工程と、を有することを特徴とする。
かかる植栽可能な擁壁構築法では、植栽する植物の茎の長さ(丈)が擁壁ブロックの前壁の高さよりも短い場合には、あらかじめ客土空間内に客土材を所要の高さまで充填して植物を配置することにより、(丈)の高さが低い植物の植栽と生育環境を提供することができる。
請求項記載の発明に係る植栽可能な擁壁構築法は、請求項4〜のいずれか1項記載の擁壁構造を構築する植栽可能な擁壁構築法であって、客土空間内に客土材を所定の高さまで充填する工程と、客土材上に仕切体を配置して洗掘防止空間を形成する工程と、残余の客土空間内に客土材を充填する工程と、植栽する植物を客土材の中に差し込む工程と、洗掘防止空間内に洗掘防止材として複数の塊状部を詰め込む工程と、を有することを特徴とする。
かかる植栽可能な擁壁構築法では、植栽する植物の茎の長さ(丈)が擁壁ブロックの前壁の高さよりもかなり短い場合にでも、植栽する植物を洗掘防止空間の直下の客土材中に差し込むことにより、これらの植物の植栽と生育環境を提供することができる。
本発明は、次のような効果を奏する。すなわち、擁壁構造を護岸擁壁として適用した場合に、増水した河川の流水によって客土材が洗掘・流出されるのを塊状物により防止することができる。その結果、構造簡易にして客土材の洗掘・流出防止効果を堅実に維持することができる。しかも、塊状物を詰め込むことで、動植物等の生物の生育空間及び小動物等の移動空間を確保することができため、擁壁の緑化を堅実に図ることができて、生物環境を良好に整えることができる。この場合、胴込め空間内には胴込め材として保水性を有する粒径材を充填して、外部空間と直面する胴込め空間の上層部に塊状物を詰め込む。
本発明に係る擁壁の断面側面説明図。 本発明に係る擁壁の平面説明図。 植生用の擁壁ブロックのブロック本体の正面図。 植生用の擁壁ブロックのブロック本体の背面図。 植生用の擁壁ブロックのブロック本体の平面図。 植生用の擁壁ブロックのブロック本体の側図。 植生用の擁壁ブロックのブロック本体の断面側面図。 植栽施工説明図(1)。 植栽施工説明図(2)。 植栽施工説明図(3)。
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1に示すYは、本発明に係る護岸用の擁壁であり、魚巣用の擁壁ブロックA1と植生用の擁壁ブロックA2とを、基礎部B上に階段状に段積みすることにより構築している。Nは植生用の擁壁ブロックA2に植生させた植物としてのネコヤナギである。
擁壁Yは、図1及び図2に示すように、河床K1の地盤中に基礎部Bを配設し、基礎部Bの一部を形成する最下段の魚巣用の擁壁ブロックA1を基礎固めのために敷設し、この擁壁ブロックA1の上に平常水位以下の河川K2中及び河床K1の下に一段ないしは複数段(本実施の形態では二段)の魚巣用の擁壁ブロックA1を段積みし、さらにその上に複数段の植生用の擁壁ブロックA2を階段状に段積みして構築している。ここで、各擁壁ブロックA1,A2は上・下面に上・下面開口部12,13を有しかつ内部に胴込め空間S1を有している(図7参照)。
そして、擁壁Yは、下段に位置する擁壁ブロックA2の上面の一部、つまり、上面開口部12の一部が外部空間である直上方空間S5に直面するように段積みするとともに、各擁壁ブロックA2内には胴込め材としての粒径材D2を充填して、空積擁壁を形成している。この際、直上方空間S5と直面する胴込め空間S1の上層部には洗掘防止材としての塊状物D1、例えば、砕石やぐり石やコンクリートガラを詰め込んで、胴込め空間S1内に充填した粒径材D2が直上方空間S5と直面しないようにしている。ここで、塊状物D1の最大径は外部空間に直面する擁壁ブロックA2の上面の一部の前後幅W1よりも大となすことで、塊状物D1が外部に流出されるのを防止している。これは、流水により流出されない塊状物D1により直上方空間S5と直面する胴込め空間S1の上層部を層状に被覆することで、河川K2が増水した場合にも、河川K2の流水で粒径材D2が洗堀されるのを防止するためである。
より具体的に説明すると、魚巣用の擁壁ブロックA1と植生用の擁壁ブロックA2は、図1に示すように、それぞれ共通形態のブロック本体1を有している。魚巣用の擁壁ブロックA1は、ブロック本体1の前壁4に水生動物が出入り可能な孔18を適宜形成して、魚巣機能を向上させるようにしている。植生用の擁壁ブロックA2は、ブロック本体1の左・右側壁6,7の上部間に仕切体3を架設状に組み付けて、洗掘防止空間S2を形成している。つまり、仕切体3と、その前方に対向する前壁4の上部と、左・右側壁6,7の上部とで周囲を囲まれて上下面が開口する空間を洗掘防止空間S2となしている。洗掘防止空間S2には複数の塊状物D1を詰め込むことで隣接する複数の塊状物D1間に隙間を形成して、直上方空間S5と粒径材D2が充填された空間(後述する客土空間S3)とを連通する屈曲連通路S4となしている。
魚巣用の擁壁ブロックA1の胴込め空間S1内には、胴込め材としての塊状物D1、例えば、その最小径が50mm〜200mmのぐり石を充填するとともに、これらの魚巣用の擁壁ブロックA1の背後に同じ塊状物D1を裏込め材として充填している。充填された塊状物同士の間に形成される間隙は、魚や甲殻類の生息空間として利用される。
植生用の擁壁ブロックA2の洗堀防止空間S2内には、塊状物D1を詰め込んでいる。塊状物D1としては、例えば、その最小径が50mm〜150mmのぐり石が使用に好適である。ここで、最小径が50mmよりも小さい塊状物D1は、流出されやすく洗掘防止機能に劣るので使用に不適である。また、最小径が150mmよりも大きい塊状物D1は、それらにより形成される屈曲連通路S4の径が大きくなって、粒径材D2が屈曲連通路S4を通して外部に吸い出される虞があるので使用に不適である。
植生用の擁壁ブロックA2の胴込め空間S1内には、洗掘防止空間S2を除いて、胴込め材としての粒径材D2を充填している。つまり、胴込め材としては、保水性を有して客土材としても機能する粒径材D2、例えば、その最小径が1/16mm〜40mmの砕石が使用に好適である。また、擁壁ブロックA2の背後には同じ粒径材D2を裏込め材として充填している。ここで、最小径が40mmよりも大きい粒径材D2は保水性が極端に少なくなるので使用に不適である。また、最小径ないしは粒径が1/16mmよりも小さいものは泥(粘土とシルト)といわれるものであり、植生には不適である。
本実施形態では、上記基礎部Bとその上に載設される最下段の擁壁ブロックA1との間に、基礎部用滑動抵抗体23を配設して、基礎部用滑動抵抗体23により最下段の擁壁ブロックA1の滑動を防止している。また、その擁壁ブロックA1の上に段積みする擁壁ブロックA1との間に、境界部用滑動抵抗体30を配設して、境界部用滑動抵抗体30により上段の擁壁ブロックA1の滑動抵抗力を強化している。同様に、その上に段積みする各擁壁ブロックA1,A1との間、及び、各擁壁ブロックA1,A2との間、及び、各擁壁ブロックA2,A2との間に、それぞれ境界部用滑動抵抗体30を配設して、各境界部用滑動抵抗体30により上段の擁壁ブロックA1ないしは擁壁ブロックA2の滑動抵抗力を強化している。
以下に、説明の便宜上、まず、ブロック本体1の構成について説明し、その後に、滑動防止構造を具備する擁壁Yの構造及び構築方法について説明する。
〔ブロック本体1の構成〕
ブロック本体1は、図3〜図7に示すように、四角形板状の前・後壁4,5と左・右側壁6,7とから上・下面開口の四角形筒状に形成しており、後壁5は、前壁4の高さの半分よりも低く形成している。
ブロック本体1の下端面は、水平積みすべく水平面に形成し、前壁4は横長四角形板状に形成するとともに、前壁4にブロック本体1の下端面に対して、前低後高の後傾状となした勾配θを設けている。本実施形態では、前壁4を略均一肉厚板となして外面を2分勾配としている。そして、後壁5も前壁4に略平行させて前低後高の後傾状となしている。
左・右側壁6,7は、後壁5の前面下端から垂直上方に立ち上げた仮想線位置まで前壁4と同一高さの前部天端面6a,7aを形成するとともに、仮想線位置にて略垂直後端面6b,7bを形成している。略垂直後端面6b,7bの下端を後壁5の上端面と同一高さ位置に配置して、この同一高さ位置に後壁5と連続する後部天端面6c,7cを形成している。このように形成して、後壁5の上方に、略垂直後端面6b,7bと後部天端面6c,7cとから切り欠き状の段付き凹部6d,7dを形成している。
ブロック本体1の左・右側壁6,7の内側面には、図4,6及び7に示すように、前上部位置において、上方と内方とが開口する支持部としての段付き嵌合用凹部16,17を側面視逆台形状に形成している。両段付き嵌合用凹部16,17には、左右方向に伸延する横長四角形板状に形成した仕切体3の左右側端部を上方から抜き差し自在に嵌合させて、仕切体3を横架している。仕切体3は、胴込め空間S1の上部において、前壁4の上部と前後略平行に対向させて配置している。仕切体3の上面は、ブロック本体1の上面と面一状態となしている。そして、仕切体3の上面には、直上段に段積みしたブロック本体1の前壁4の下端面が上下重合状態に当接するようにしている。そうすることで、直上段のブロック本体1内の粒径材D2が、下段のブロック本体1の洗掘防止空間S2内に落下・流入するのを防止している。
胴込め空間S1内には、その前側上部位置に前記した洗掘防止空間S2を形成しており、その洗掘防止空間S2の上下幅は仕切体3の上下幅Hで決定される。洗掘防止空間S2内に塊状物D1を詰め込む一方、残余の胴込め空間S1内に粒径材D2を充填する。本実施形態では、残余の胴込め空間S1は、その内部に保水性を有する粒径材D2を客土材として充填することで客土空間S3となしている。ここで、洗掘防止空間S2を形成する仕切体3と前壁4の内面上端縁部との間の前後幅W2は、塊状物D1の最小径の2倍〜4倍となしている。仕切体3の上下幅Hは、塊状物D1の最小径の2倍〜4倍となしている。そうすることで、洗掘防止空間S2内には、可及的に複数の塊状物D1が前後方向及び上下方向に詰め込まれるようにして、洗掘防止空間S2における洗掘防止効果を実現するとともに、屈曲連通路S4の伸延長及び数を確保することで動植物等の生物の生育空間及び小動物等の移動空間を確保して良好な生物環境を創生している。
胴込め空間S1を洗堀防止空間S2と客土空間S3に仕切る仕切体3は、仕切体3の背後において客土空間S3内に充填される客土材が洗堀防止空間S2の屈曲連通路S4を通して外部に吸い出されるのを防止する(吸い出し防止効果)。なお、客土材には成り得ない単粒度砕石(例えば13mm〜20mm)においては、屈曲連通路内に吸い出しされることがないため、施工上の不便さを除けば必ずしも仕切体3は必要としない。つまり、本実施形態では胴込め材として保水性を有する細かな粒径材(1mm以下の割合が50%以上)を客土材として採用しているため仕切体3を配置しているが、客土材ではなく胴込め材として10mm以上の粒径材を用いる場合は、必ずしも仕切体3を配置しなくてもよい。仕切体3を配置しない場合は、洗掘防止空間S2内に詰め込む塊状物D1の層の厚さで洗掘防止空間S2の上下幅が決定される。そして、洗掘防止空間S2の前後幅は、少なくとも、下段のブロック本体1の前壁4の内面上端縁部から直上段に載設されるブロック本体1の前壁4の内面下端縁部の位置までとする。そうすることで、直上段のブロック本体1内の粒径材D2が、下段のブロック本体1の洗掘防止空間S2内に落下・流入するという不具合の発生を防止することができる。
図1及び図2に示すように、ブロック本体1を背後地面に沿わせて階段状に段積みして擁壁Yを構築する際には、下段のブロック本体1の前壁4の内面上端縁部と、上段に段積みしたブロック本体1の前壁4の外面下端縁部との間に一定の間隔W1を開けて、下段のブロック本体1の上面開口部12の前部を部分的に開放させることで、開放部14を形成する。ここで、開放部14の間隔W1は、洗掘防止空間S2内に詰め込む塊状物D1の最大径よりも小間隔となして、塊状物D1が開放部14を通して流出しないようにする。
この際、各ブロック本体1の前壁4は、勾配θを有する前低後高の後傾状となしているため、開放部14の前後の間隔W1は、従来の垂直状の前壁を具備する擁壁ブロックに比して、勾配θを有する前壁4の平面投影前後幅W3(図7参照)だけ小さく設定することができる。
その結果、洗掘防止空間S2は上方に向かって漸次幅狭の空間となすことができる。そのため、洗掘防止空間S2内に詰め込んだ複数の塊状物D1が増水した河川K2により開放部14を通してブロック本体1の外部へ流出されるのを防止することができる。
また、勾配θを有する前壁4には、その外面に沿って雨水等が円滑かつ堅実に流下して、開放部14を通して洗掘防止空間S2内に流入するように構成している。そして、各ブロック本体1の洗掘防止空間S2内に流入した雨水等は、客土空間S3内→直下段のブロック本体1の客土空間S3内→さらにその直下段のブロック本体1の客土空間S3内に流入し、順次最下段のブロック本体1の客土空間S3内まで流入するように構成している。その結果、客土空間S3内の客土は良好な保水・排水・通気性を確保して、より良い植生機能を維持することができる。
直上段に配置されるブロック本体1の前壁4の下端面部は、下段のブロック本体1に配置した仕切体3上に載設されるとともに、洗掘防止空間S2の開放部14を部分的に閉塞している。つまり、仕切体3と前壁4の内面上端縁部との間の前後幅W2>開放部14の前後の間隔W1となしている。そして、開放部14の前後の間隔W1<塊状物D1の最大径となしている。
このように構成することで、上段のブロック本体1の前壁4の下端前縁部4aにより洗掘防止空間S2の開口上面を一部閉塞することにより、この一部閉塞した前壁4の下端部の底面で直接又は間接的に塊状物の上面を覆うことができる。その結果、河川K2が増水した場合にも、直上段に配置されるブロック本体1の前壁4の下端前縁部4aにより、洗掘防止空間S2内に詰め込んだ塊状物D1が開放部14からブロック本体1の外部へ流出されるのをより堅実に防止することができる。そして、胴込め材が洗堀・流出されるのを堅実に防止することができる。
左・右側壁6,7の外側面の前部には、図5及び図6に示すように、左右間隔保持片としての接合部8,9を外側方へ膨出させかつ上下方向に伸延させて形成している。各接合部8,9の前側と後側には、それぞれテーパー面8a,8b,9a,9bを形成している。しかも、各接合部8,9の先端部の下部には、前後方向と外側方と下方とが開口する連通部形成凹部8c,9cを形成している。
複数のブロック本体1,1は、図2に示すように、左右方向に伸延する略同一直線上にて接続状態に配置することができ、この際、左側のブロック本体1の接合部9と右側のブロック本体1の接合部8とを突き合わせ状態に接合させるようにしている。
この際、接合した接合部8,9と左側のブロック本体1の右側壁7と右側のブロック本体1の左側壁6とにより、前方と上・下方向に開口した前方空間S6が形成されるようにしている。そして、接合した接合部8,9には、連通部形成凹部8c,9cが符合して、前後方向に貫通する横方向の連通路10が形成されるとともに、連通路10は、前方空間S6と後方の裏込め空間S7とを連通させる。
〔擁壁Yの構造及び構築方法〕
図1及び図2に示すように、基礎地盤である河床K1に、凹部として擁壁延設方向に伸延する凹条部19を形成して、凹条部19内に基礎部Bを配設している。そして、凹条部19の底部には、底部支持材を敷設するとともに転圧して底部層20を形成している。ここで、底部支持材としては、内部摩擦角が前記河床K1を成形する地盤材と同等ないしはそれよりも大きい粒径材D2(例えば、砕石)を使用する。底部層20上に配置した基礎部用滑動防止体23は、端面縦長四角形で擁壁延設方向に伸延する板状に形成している。24,25は粒径材を充填・転圧して形成した前・後部粒径材層である。粒径材としては、砂混じりの礫、砕石、ぐり石、コンクリート破砕片等を使用する。
そして、前・後部粒径材層24,25上に、最下段の擁壁ブロックA1であるブロック本体1を載置し、ブロック本体1の前・後壁4,5間に、前・後部粒径材層24,25の上面から上方に突出している上記基礎部用滑動抵抗体23の上半部を配置し、ブロック本体1の前壁4と基礎部用滑動抵抗体23の上半部との間に形成される空間に、拘束層形成材としての塊状物D1を充填して前部拘束層28を形成するとともに、基礎部用滑動抵抗体23の上半部とブロック本体1の後壁5との間に形成される空間に、塊状物D1を充填して後部拘束層29を形成している。そして、ブロック本体1と切土面Jとの間に形成される裏込め空間S7内に裏込め材として塊状物D1を充填している。
上記のように構成した基礎部Bの最下段の擁壁ブロックA1上に、魚巣用の擁壁ブロックA1を数段(本実施の形態では2段)だけ背後地面としての川岸K3の法面に沿わせて階段状に段積みしている。各胴込め空間S1内及び背後の裏込め空間S7内には、胴込め材ないしは裏込め材として塊状物D1を充填している。
さらにその上に植生用の擁壁ブロックA2を数段(本実施の形態では3段)だけ背後地面としての川岸K3の法面に沿わせて階段状に段積みしている。各洗掘防止空間S2内には塊状物D1を詰め込み、残余の胴込め空間S1内及び背後の裏込め空間S7内には、胴込め材ないしは裏込め材として粒径材D2を充填している。
そして、上下方向に隣接する各擁壁ブロックA1,A2の境界部の間に、それぞれ境界部用滑動抵抗体30を配設して、各擁壁ブロックA1,A2の滑動抵抗力を強化している。
〔植栽施工の工程説明〕
次に、擁壁Yを構築する際に、植生用の擁壁ブロックA2に植物としてのネコヤナギNを植栽する場合の施工工程を説明する。ここで、胴込め材には保水性を有し、客土材としても機能する粒径材を客土材として採用している。
図8は第1植栽工程の説明図であり、次の工程を有する。
(1)図8(a)に示すように、客土空間S3内に粒径材D2を充填する前にネコヤナギNを前壁4ないしは左・右側壁6,7に凭れ状に立て掛けるようにして配置する工程。
(2)図8(b)に示すように、ネコヤナギNを配置した状態で、客土空間S3内及び裏込め空間S7内に客土材である粒径材D2を第1レベルL1まで充填する工程。ここで、第1レベルL1とは、左・右側壁6,7の各段付き嵌合用凹部16,17の下端縁部と同一のレベル(同一地上高)である。
(3)図8(c)に示すように、第1レベルL1まで充填した粒径材D2上の所定の位置に仕切体3を配置して洗掘防止空間S2を形成する工程。
(4)図8(c)に示すように、仕切体3の背後に形成される残余の客土空間S3内及び裏込め空間S7内に粒径材D2を第2レベルL2まで充填する工程。ここで、第2レベルL2とは、前壁4の高さと同一のレベル(同一地上高)である。
(5)図8(c)に示すように、洗掘防止空間S2内に洗掘防止材として複数の塊状部D1を詰め込む工程。
(6)仕切体3上に上段のブロック本体1が有する前壁4の下端部を上下重合状態に配置するとともに、下段のブロック本体1内に形成した洗掘防止空間S2の開放部14を前壁4の下端部により一部閉塞して、上段のブロック本体1を階段状に段積みすることで、洗掘防止空間S2内に詰め込んだ塊状物D1が流出しないようにする工程。
かかる第1植栽工程では、擁壁Yの構築において、客土材を充填する際には、あらかじめネコヤナギNを擁壁ブロックA2内に配置するだけで、粒径材D2の充填作業と植栽作業とを同時に進行させることができる。その結果、植栽に要する時間とコストを大幅に削減することができる。
図9は第2植栽工程の説明図であり、次の工程を有する。
(1)図9(a)に示すように、ネコヤナギNの茎の長さ(丈)が擁壁ブロックの前壁の高さよりも短い場合には、あらかじめ客土空間S3内及び裏込め空間S7内に客土材である粒径材D2を第3レベルL3まで充填する工程。ここで、第3レベルL3とは、ネコヤナギNの上部をブロック本体1から上方に突出させるのに適度なレベル(所要の地上高)である。
(2)図9(a)に示すように、客土空間S3内に粒径材D2を充填する前にネコヤナギNを前壁4ないしは左・右側壁6,7に凭れ状に立て掛けるようにして配置する工程。
(3)図9(b)に示すように、ネコヤナギNを配置した状態で、残余の客土空間S3内及び裏込め空間S7内に粒径材D2を所定の高さである第1レベルL1まで充填する工程。
(4)図9(c)に示すように、第1レベルL1まで充填した粒径材D2上の所定の位置に仕切体3を配置して洗掘防止空間S2を形成する工程。
(5)図9(c)に示すように、仕切体3の背後に形成される残余の客土空間S3内及び裏込め空間S7内に粒径材D2を第2レベルL2まで充填する工程。
(6)図9(c)に示すように、洗掘防止空間S2内に洗掘防止材として複数の塊状部D1を詰め込む工程。
(7)仕切体3上に上段のブロック本体1が有する前壁4の下端部を上下重合状態に配置するとともに、下段のブロック本体1内に形成した洗掘防止空間S2の開放部14を前壁4の下端部により一部閉塞して、上段のブロック本体1を階段状に段積みすることで、洗掘防止空間S2内に詰め込んだ塊状物D1が流出しないようにする工程。
かかる第2植栽工程では、擁壁Yを構築する際に、育成するネコヤナギNの茎の長さ(丈)がブロック本体1の前壁4の高さよりも短い場合には、あらかじめ客土空間S3内に粒径材D2を所要の高さまで充填しておくことで、ネコヤナギNを擁壁ブロックA2内に配置するだけで茎の長さ(丈)に見合った植栽が簡単にできる。
図10は第3植栽工程の説明図であり、次の工程を有する。かかる工程は、ネコヤナギNの茎の長さ(丈)が擁壁ブロックの前壁の高さよりもかなり短い場合に採用する。
(1)図10(a)に示すように、客土空間S3内及び裏込め空間S7内に客土材である粒径材D2を第1レベルL1まで充填する工程。
(2)図10(a)に示すように、第1レベルL1まで充填した粒径材D2上の所定の位置に仕切体3を配置して洗掘防止空間S2を形成する工程。
(3)図10(a)に示すように、仕切体3の背後に形成される残余の客土空間S3内及び裏込め空間S7内に粒径材D2を第2レベルL2まで充填する工程。
(4)図10(b)に示すように、ネコヤナギNの下端部を客土空間S3内に充填した粒径材D2中に差し込む工程。
(5)図10(c)に示すように、洗掘防止空間S2内に洗掘防止材として複数の塊状部D1を詰め込む工程。
(6)仕切体3上に上段のブロック本体1が有する前壁4の下端部を上下重合状態に配置するとともに、下段のブロック本体1内に形成した洗掘防止空間S2の開放部14を前壁4の下端部により一部閉塞して、上段のブロック本体1を階段状に段積みすることで、洗掘防止空間S2内に詰め込んだ塊状物D1が流出しないようにする工程。
かかる第3植栽工程では、植栽するネコヤナギNの下端部を洗掘防止空間S2を通して擁壁ブロックA2内の粒径材D2中に差し込むことにより、ネコヤナギNの茎の長さ(丈)が擁壁ブロックの前壁の高さよりもかなり短い場合でも、簡単に植栽することができる。
従来は擁壁の構築作業を完了させた後に植栽作業を行っていた。つまり、擁壁構築施工と植栽施工を別々に行っていた。しかし、本実施形態では前記した第1〜第3植栽工程のように、客土材を充填する際に、あらかじめネコヤナギNを擁壁ブロックA2内に配置することにより、粒径材D2の充填作業と植栽作業を同時に一連の作業として進行することができる。そのため、擁壁Yの構築作業を完了させると同時に植栽作業も完了させることができて、植栽作業に要していた時間とコストを大幅に削減することができる。その結果、擁壁Yの構築作業と植栽作業の効率化を図ることができる。
また、植栽物を配置する工程の順番を遅らせることにより、植物の丈に見合った植栽環境が提供できるため植栽の幅が広がる。
なお、上記した第1〜第3植栽工程において、粒径材D2を充填した直後に必要であれば粒径材D2層(客土材層)を適度に転圧してもよい。
符号の説明
A1 魚巣用の擁壁ブロック
A2 植生用の擁壁ブロック
B 基礎部
Y 擁壁
1 ブロック本体
4 前壁
5 後壁
6 左側壁
7 右側壁

Claims (9)

  1. 上面に開口部を有しかつ内部に胴込め空間を有する複数の擁壁ブロックを階段状に段積みして、下段に位置する擁壁ブロックの上面の一部が外部空間に直面するように構築する擁壁構造であって、
    胴込め材を充填して胴込め空間を形成する際には、外部空間と直面する胴込め材の上層部に、形状および寸法が不特定な塊状物である砕石やぐり石やコンクリートガラを詰め込んで、これらの塊状物により塊状物直下の胴込め材が洗堀されるのを防止する洗堀防止空間を形成し
    擁壁ブロックの前壁は、前低後高の後傾板状となして、洗掘防止空間を上方に向かって漸次幅狭の空間となすことで、洗掘防止空間内に詰め込んだ複数の塊状物が開放部を通して擁壁ブロックの外部へ流出されるのを防止したことを特徴とする擁壁構造。
  2. 胴込め空間内に保水性を有する粒径材を充填して客土空間を形成するとともに、詰め込まれた塊状物間に生起される多様な隙間が客土空間と外部空間とをつなぐ屈曲連通路となって植生空間の一部として活かされることを特徴とする請求項1記載の擁壁構造。
  3. 塊状物の最大径は外部空間に直面する擁壁ブロックの開口部の一部の前後幅よりも大となすことで、塊状物が開口部を通して外部に流出されるのを防止したことを特徴とする請求項1又は2記載の擁壁構造。
  4. 上面に開口部を有しかつ内部に胴込め空間を有する擁壁ブロックは、少なくとも前・後壁と両前・後壁を連結する連結体とを具備し、胴込め空間の上部には前壁の上部と対向させて仕切体を配置して、仕切体と前壁の上部との間に洗掘防止空間を形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の擁壁構造。
  5. 上段の擁壁ブロックの前壁下端部は、直下段の擁壁ブロック内に配設した仕切体上に上下重合状態に配置するとともに、前壁下端部により洗掘防止空間の開口上面を一部閉塞して、前壁下端部の底面で塊状物の上面を覆うことで、洗掘防止空間内に詰め込んだ複数の塊状物が洗掘防止空間の開口上面を通して擁壁ブロックの外部へ流出されるのを防止したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の擁壁構造。
  6. 洗掘防止空間の開口上面より流入した雨水等は、洗掘防止空間を通して客土空間に流入し、直下段の擁壁ブロックの客土空間に順次流入するようにしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の擁壁構造。
  7. 請求項4〜のいずれか1項記載の擁壁構造を構築する植栽可能な擁壁構築法であって、
    植物を擁壁ブロック内に配置する工程と、
    植物を配置した状態で客土空間内に客土材を所定の高さまで充填する工程と、
    客土材上に仕切体を配置して洗掘防止空間を形成する工程と、
    残余の客土空間内に客土材を充填する工程と、
    洗掘防止空間内に洗掘防止材として複数の塊状部を詰め込む工程と、
    を有することを特徴とする植栽可能な擁壁構築法。
  8. 請求項4〜のいずれか1項記載の擁壁構造を構築する植栽可能な擁壁構築法であって、
    客土空間内に客土材を所要の高さまで充填する工程と、
    植物を擁壁ブロック内の客土材上に配置する工程と、
    植物を配置した状態で残余の客土空間内に客土材を所定の高さまで充填する工程と、
    客土材上に仕切体を配置して洗掘防止空間を形成する工程と、
    残余の客土空間内に客土材を充填する工程と、
    洗掘防止空間内に洗掘防止材として複数の塊状部を詰め込む工程と、
    を有することを特徴とする植栽可能な擁壁構築法。
  9. 請求項4〜のいずれか1項記載の擁壁構造を構築する植栽可能な擁壁構築法であって、
    客土空間内に客土材を所定の高さまで充填する工程と、
    客土材上に仕切体を配置して洗掘防止空間を形成する工程と、
    残余の客土空間内に客土材を充填する工程と、
    植物を洗掘防止空間を通して擁壁ブロック内の客土材中に差し込む工程と、
    洗掘防止空間内に洗掘防止材として複数の塊状部を詰め込む工程と、
    を有することを特徴とする植栽可能な擁壁構築法。
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