JP5064904B2 - 燃料電池スタックの組み立て方法 - Google Patents

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Description

本発明は、一対の電極が電解質の両側に設けられた電解質・電極構造体と、セパレータとを有する複数の単位セルを積層した積層体が、ケーシング内に収容される燃料電池スタックの組み立て方法に関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる電解質膜(電解質)を採用している。この電解質膜の両側にアノード側電極及びカソード側電極を対設した電解質膜・電極構造体を、セパレータによって挟持することにより燃料電池が構成されている。
通常、この燃料電池は、所望の発電力を得るために、所定数(例えば、数十〜数百)だけ積層した燃料電池スタックとして使用されている。この燃料電池スタックは、燃料電池の内部抵抗の増大や反応ガスのシール性の低下等を阻止するために、積層されている各燃料電池同士を確実に加圧保持する必要がある。
そこで、例えば、特許文献1に開示されている燃料電池積層体締め付け構造が知られている。この特許文献1では、図12に示すように、燃料電池積層体1が一組のエンドプレート2に挟持され、このエンドプレート2が、締め付けボルト4の締め付け作用下に締め付け板5により予め仮締めされている。
燃料電池積層体1は、圧力容器8に装着されている。この圧力容器8では、燃料電池積層体1は、積層方向を鉛直方向に向けて一方の締め付け板5を圧力容器底架台6に載せるとともに、加圧板7が他方の締め付け板5に配置されている。燃料電池積層体1には、アクチュエータ9を介して加圧板7から圧力が付与されるとともに、前記燃料電池積層体1の高さ減少が圧力容器8の外部に設けられたダイヤルゲージGにより検出されている。
特開昭58−93173号公報
しかしながら、上記の特許文献1では、アクチュエータ9の作用下に加圧板7を介して燃料電池積層体1に所定の締め付け荷重を付与し、締め付けボルト4を締め付けて燃料電池スタックを組み付けた後に、前記燃料電池積層体1を構成するセパレータの厚さ、シール部材の厚さ及び電解質膜の厚さ等が前記締め付け荷重によって変化し易い。
例えば、燃料電池積層体1にプレス荷重を付与した状態で放置すると、時間の経過に伴ってプレス荷重、すなわち、締め付け荷重が減少する、所謂、荷重抜けが発生してしまう。この荷重抜けは、実際上、数十%になる場合があり、燃料電池積層体1全体の寸法が安定するまで、比較的長時間にわたって前記燃料電池積層体1を加圧した状態で放置する必要がある。これにより、燃料電池スタックの組立時間が相当に長時間となってしまい、生産性が著しく低下するという問題が指摘されている。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、燃料電池スタック全体を所望の締め付け荷重に確実に保持することができ、荷重抜けを有効に阻止するとともに、最適な面圧を付与することが可能な燃料電池スタックの組み立て方法を提供することを目的とする。
本発明は、一対の電極が電解質の両側に設けられた電解質・電極構造体と、セパレータとを有する複数の単位セルを積層した積層体が、ケーシング内に収容される燃料電池スタックの組み立て方法に関するものである。
この組み立て方法は、燃料電池スタックが実際に運転される際、積層方向に作用する発電最大荷重以上の設定荷重を、積層体に対して前記積層方向に付与する第1の工程と、前記積層体内の反応ガス流路及び冷却媒体流路に、圧力流体を供給する第2の工程と、ケーシングを組み立てた状態で、前記ケーシング内に前記設定荷重を付与する第3の工程とを有している。
また、第1の工程では、積層体への設定荷重の付与を複数回だけ繰り返すことが好ましい。
さらに、第3の工程では、ケーシングを構成し積層体の側部に配置されるサイドパネルの歪みを検出することにより、燃料電池スタックに積層方向に付与される締め付け荷重を確認することが好ましい。
さらにまた、第3の工程では、第1の工程及び第2の工程が終了した積層体を、ケーシング内に収容した状態で、前記ケーシング内で前記積層体に対して設定荷重を付与することが好ましい。
また、ケーシング内に、所定数の前記単位セルに代えて設定荷重付与機構を配置し、前記設定荷重付与機構により積層体に対して設定荷重を付与することが好ましい。
本発明では、積層体に対し、発電最大荷重以上の設定荷重が付与されて荷重抜けが阻止されるとともに、圧力流体が供給されてシールの分担荷重が調整されている。一方、ケーシングが組み立てられた状態で、前記ケーシング内に設定荷重が付与されている。このため、ケーシングが初期変形した後、燃料電池スタックの最終組み立てが行われている。これにより、荷重抜けを有効に阻止するとともに、ケーシング内の積層体に対して最適な面圧を確実に付与することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る組み立て方法が適用される燃料電池スタック10の一部分解概略斜視図であり、図2は、前記燃料電池スタック10の一部断面側面図である。
燃料電池スタック10は、複数の単位セル12が水平方向(矢印A方向)に積層された積層体14を備える。積層体14の積層方向(矢印A方向)一端には、ターミナルプレート16a、絶縁プレート18及びエンドプレート20aが外方に向かって、順次、配設される。積層体14の積層方向他端には、ターミナルプレート16b、絶縁性スペーサ部材22(絶縁プレート18を用いてもよい)及びエンドプレート20bが外方に向かって、順次、配設される。燃料電池スタック10は、四角形に構成されるエンドプレート20a、20bを端板として含むケーシング24により一体的に保持される。
図2及び図3に示すように、各単位セル12は、電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)30と、前記電解質膜・電極構造体30を挟持する薄板波形状の第1及び第2金属セパレータ32、34とを備える。なお、第1及び第2金属セパレータ32、34に代替して、例えば、カーボンセパレータを使用してもよい。
単位セル12の長辺方向(図3中、矢印B方向)の一端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス供給連通孔36a、冷却媒体を供給するための冷却媒体供給連通孔38a、及び燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出するための燃料ガス排出連通孔40bが設けられる。
単位セル12の長辺方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを供給するための燃料ガス供給連通孔40a、冷却媒体を排出するための冷却媒体排出連通孔38b、及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス排出連通孔36bが設けられる。
電解質膜・電極構造体30は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜42と、前記固体高分子電解質膜42を挟持するアノード側電極44及びカソード側電極46とを備える。
アノード側電極44及びカソード側電極46は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層(図示せず)と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布されて形成される電極触媒層(図示せず)とを有する。電極触媒層は、固体高分子電解質膜42の両面に形成される。
第1金属セパレータ32の電解質膜・電極構造体30に向かう面32aには、燃料ガス供給連通孔40aと燃料ガス排出連通孔40bとを連通する燃料ガス流路48が形成される。この燃料ガス流路48は、例えば、矢印B方向に延在する複数本の溝部により構成される。第1金属セパレータ32の面32bには、冷却媒体供給連通孔38aと冷却媒体排出連通孔38bとを連通する冷却媒体流路50が形成される。この冷却媒体流路50は、矢印B方向に延在する複数本の溝部により構成される。
第2金属セパレータ34の電解質膜・電極構造体30に向かう面34aには、例えば、矢印B方向に延在する複数本の溝部からなる酸化剤ガス流路52が設けられるとともに、この酸化剤ガス流路52は、酸化剤ガス供給連通孔36aと酸化剤ガス排出連通孔36bとに連通する。第2金属セパレータ34の面34bには、第1金属セパレータ32の面32bと重なり合って冷却媒体流路50が一体的に形成される。
第1金属セパレータ32の面32a、32bには、この第1金属セパレータ32の外周端縁部を周回して第1シール部材54が一体成形される。第1シール部材54は、面32aで燃料ガス供給連通孔40a、燃料ガス排出連通孔40b及び燃料ガス流路48を囲繞してこれらを連通させる一方、面32bで冷却媒体供給連通孔38a、冷却媒体排出連通孔38b及び冷却媒体流路50を囲繞してこれらを連通させる。
第2金属セパレータ34の面34a、34bには、この第2金属セパレータ34の外周端縁部を周回して第2シール部材56が一体成形される。第2シール部材56は、面34aで酸化剤ガス供給連通孔36a、酸化剤ガス排出連通孔36b及び酸化剤ガス流路52を囲繞してこれらを連通させる一方、面34bで冷却媒体供給連通孔38a、冷却媒体排出連通孔38b及び冷却媒体流路50を囲繞してこれらを連通させる。
図2に示すように、第1及び第2シール部材54、56間には、固体高分子電解質膜42の外周が、直接、ケーシング24に接触することを阻止するために、シール57が介装される。
図1に示すように、ターミナルプレート16a、16bの略中央部には、積層方向に突出する棒状の端子部58a、58bが形成される。端子部58a、58bには、例えば、走行用モータ等の負荷が接続される。
ケーシング24は、端板であるエンドプレート20a、20bと、積層体14の側部に配置される複数の側板(サイドパネル)60a〜60dと、前記側板60a〜60dの互いに近接する端部同士を連結するアングル部材(例えば、Lアングル)62a〜62dと、前記エンドプレート20a、20bと前記側板60a〜60dとを連結するそれぞれ長さの異なる連結ピン64a、64bとを備える。側板60a〜60dは、例えば、薄板金属製プレートで構成される。
エンドプレート20a、20bの上下各辺には、それぞれ2つの第1連結部66a、66bが突出形成されるとともに、両側の各辺には、それぞれ1つの第1連結部66c、66dが突出形成される。第1連結部66a〜66dには、孔67a〜67dが貫通形成される。エンドプレート20a、20bの両側の各辺下端には、マウント用ボス部68a、68bが形成される。このボス部68a、68bが、図示しない搭載部位にボルト等を介して固定されることにより、燃料電池スタック10を、例えば、車両に搭載する。
積層体14の矢印B方向両側に配置される側板60a、60cの長手方向(矢印A方向)両端には、第2連結部70a、70bが2つずつ形成される。積層体14の上下両側に配置される側板60b、60dの長手方向両端には、第2連結部72a、72bが3つずつ形成される。第2連結部70a、70bには、孔71a、71bが形成されるとともに、第2連結部72a、72bには、孔73a、73bが形成される。
側板60a、60cの各第2連結部70a、70b間には、エンドプレート20a、20bの両側の各辺の第1連結部66c、66dが配置されるとともに、これらに短尺な連結ピン64aが一体的に挿入されて第1ヒンジ構造75aが構成される。この第1ヒンジ構造75aにより、側板60a、60cがエンドプレート20a、20bに取り付けられる。
同様に、側板60b、60dの第2連結部72a、72bがエンドプレート20a、20bの上辺及び下辺の第1連結部66a、66bと交互に配置されるとともに、これらに長尺な連結ピン64bが一体的に挿入されて第2ヒンジ構造75bが構成される。この第2ヒンジ構造75bにより、側板60b、60dがエンドプレート20a、20bに取り付けられる。
側板60a〜60dには、短手方向両端縁部にそれぞれ複数のねじ孔74が形成される一方、アングル部材62a〜62dの各辺には、前記ねじ孔74に対応して孔部76が形成される。各孔部76に挿入される各ねじ77がねじ孔74に螺合することにより、アングル部材62a〜62dを介して側板60a〜60d同士が固定される。これにより、ケーシング24が構成される(図4参照)。
なお、アングル部材62a〜62dにねじ孔を形成する一方、側板60a〜60dに孔部を形成し、前記アングル部材62a〜62dを前記側板60a〜60dの内方に配置した状態で、これらを一体的にねじ止めしてもよい。
このように構成される燃料電池スタック10を組み立てる方法について、図5に示すフローチャートに沿って、以下に説明する。
先ず、図1に示すように、側板60a〜60dの各両面には、それぞれ積層方向(矢印A方向)の歪みを検出する2つの第1歪みゲージ80aと、前記積層方向に交差する方向の歪みを検出する2つの第2歪みゲージ80bとが、配置される。歪みの測定は、各2つの第1歪みゲージ80a及び第2歪みゲージ80bを用いた4アクティブゲージ法により行われる。側板60a〜60dの内側の面には、第1歪みゲージ80aと第2歪みゲージ80bとの間に位置して温度センサ82が配置される。
そこで、燃料電池スタック10の各種設定が行われる(図5中、ステップS1)。具体的には、燃料電池スタック10全体の締め付け荷重P1が設定される。
なお、締め付け荷重P1が設定されるとともに、第1及び第2シール部材54、56の分担荷重及び電解質膜・電極構造体30の分担荷重等も、予め設定される。
次いで、複数の単位セル12が積層されて積層体14が得られるとともに、ステップS2に進んで、この積層体14の積層方向両端外方に配置されるエンドプレート20a、20b間には、発電最大荷重P2以上の設定荷重P3が付与される(図6参照)。ここで、発電最大荷重P2とは、燃料電池スタック10が実際に運転される際、発電による電解質膜・電極構造体30の膨潤による荷重上昇が最大面圧となる荷重をいう。
このため、積層体14では、電解質膜・電極構造体30と、第1及び第2金属セパレータ32、34とが圧縮変形し、積層体14の積層方向の寸法(スタック寸法)が減少する。そして、積層体14に対する設定荷重P3の付与を一旦停止した後、再度、この設定荷重P3を付与する動作を複数回、例えば、3回だけ行う。
これにより、積層体14全体の寸法の変化は、所定の範囲内に収束される。この状態では、積層体14に締め付け荷重P1を付与する際に、電極面圧のばらつきが所定の範囲内に抑えられる。
さらに、ステップS3に進んで、積層体14に対し、圧力流体の供給が行われる。具体的には、酸化剤ガス供給連通孔36aから酸化剤ガス流路52に圧力流体(例えば、圧力空気)が供給されるとともに、燃料ガス供給連通孔40aから燃料ガス流路48には、圧力流体(例えば、圧力空気)が供給される。
このため、酸化剤ガス流路52及び燃料ガス流路48内の圧力が上昇し、第1及び第2シール部材54、56、電解質膜・電極構造体30並びに第1及び第2金属セパレータ32、34では、ストレスが除去される。
さらに、冷却媒体供給連通孔38aから冷却媒体流路50に圧力流体(例えば、圧力空気)が供給されることにより、第1及び第2シール部材54、56、電解質膜・電極構造体30並びに第1及び第2金属セパレータ32、34では、ストレスが除去される。
これにより、圧力流体圧及び荷重変動を介して、図7に示すように、第1及び第2シール部材54、56の分担荷重及び電解質膜・電極構造体30の分担荷重が、良好に是正される。なお、図7中、スタック圧縮荷重P1´は、処理前初期荷重であり、スタック圧縮荷重(締め付け荷重)P1は、設定荷重である。また、図7中、点線が処理前である一方、実線が処理後である。
上記のように、ステップS3が終了した積層体14は、ケーシング24内に収容され、この状態で、前記ケーシング24内に設定荷重P3が付与される(ステップS4)。
その際、図8に示すように、1以上の所定数の単位セル12に代えて、設定荷重付与機構90が配置される。設定荷重付与機構90は、可撓性容器92を備え、この可撓性容器92内には、加圧用液体を充填するためのキャビティ94が形成される。容器92には、キャビティ94に連通する配管96が設けられるとともに、この配管96は、図示しないが、ケーシング24に設けられる開口部や溝部から外部に取り出され、加圧液体供給部に接続される。なお、ケーシング24内には、設定荷重付与機構90により付与される荷重を検出するためのロードセンサ(図示せず)等を配置してもよい。
そこで、配管96を介して可撓性容器92のキャビティ94に流体が圧入されると、この可撓性容器92が矢印A方向に膨張する。このため、積層体14全体が矢印A方向に伸長し、ケーシング24には、矢印A方向の荷重が付与される。従って、ケーシング24には、それぞれのエンドプレート20a、20bを互いに離間する方向に押圧する荷重が付与され、側板60a〜60dに設けられている各歪みゲージ80a、80bは、前記側板60a〜60dの面方向の歪みを検出する。
上記の歪みゲージ80a、80bにより検出された歪みデータに基づいて、側板60a〜60dに付与される荷重(以下、パネル荷重ともいう)が検出される。そして、図9に示すように、パネル荷重が設定荷重P3になるまで、設定荷重付与機構90が制御されることにより、このパネル荷重の変動に伴う側板60a〜60dの寸法変化が検出される。
さらに、パネル荷重が設定荷重P3に至った後、このパネル荷重が減少される。その際、側板60a〜60dには、初期ならしによる変形が発生し、パネル寸法が変動する。
一方、側板60a〜60dの内面側には、温度センサ82が装着されており、前記側板60a〜60dの温度が検出されている。従って、温度T1〜T3によるパネル荷重とパネル歪みとの関係は、図10に示すように校正されている。
次いで、図11には、パネル(側板60a〜60d)の連結ピン間の距離L(パネル長さ)と、スタック圧縮荷重Pとの関係が示されている。これにより、パネルには、初期永久伸びによるパネル初期変形が惹起されている。
上記のステップS4が終了した後、設定荷重付与機構90がケーシング24から取り出されるとともに、所定数の単位セル12がこのケーシング24内に戻される。これにより、燃料電池スタック10が組み付けられる。
上記のように、燃料電池スタック10が組み付けられた後、ステップS5に進んで、初期発電工程が行われる。この初期発電工程では、発電中に、温度、湿度及びガス圧によるスタック荷重の変動をモニタするとともに、発電最大荷重P2を確認する。そして、電解質膜・電極構造体30と第1及び第2シール部材54、56との荷重分担や、締め付け荷重P1及び設定荷重P3の調整が行われる。
さらに、ステップS6に進んで、発電耐久の確認工程が行われる。具体的には、発電を連続して行いながら、発電時の締め付け荷重P1の低下、シール性及び抵抗過電圧により、電解質膜・電極構造体30と、第1及び第2シール部材54、56の荷重分担、締め付け荷重P1及び設定荷重P3の決定が行われる。
この場合、本実施形態では、積層体14に対し、発電最大荷重P2以上の設定荷重P3が付与されて荷重抜けが阻止されるとともに、燃料ガス流路48、冷却媒体流路50及び酸化剤ガス流路52には、圧力空気が供給されて第1及び第2シール部材54、56の分担荷重が調整されている。
次いで、積層体14がケーシング24内に収容された状態で、設定荷重付与機構90を介して前記ケーシング24内に設定荷重P3が付与されている。従って、ケーシング24は、初期変形が行われた後、燃料電池スタック10の最終組み立てが行われている。
これにより、積層体14及びケーシング24は、発電時の荷重抜けを有効に阻止することができ、しかも、前記ケーシング24内の前記積層体14に対して最適な面圧を確実に付与することができるという効果が得られる。
なお、本実施形態では、ケーシング24の初期変形処理を行う際に、このケーシング24内に設定荷重付与機構90を配置した積層体14が収容されているが、これに限定されるものではない。例えば、積層体14に対応する治具を用意し、この治具を設定荷重付与機構90又は他の設定荷重付与機構とともにケーシング24内に収容し、前記ケーシング24の初期変形処理を行ってもよい。その後、治具に代えて、積層体14をケーシング24内に収容すればよい。
次いで、燃料電池スタック10の動作について、説明する。
この燃料電池スタック10では、先ず、図4に示すように、エンドプレート20aの酸化剤ガス供給連通孔36aに酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス供給連通孔40aに水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。さらに、冷却媒体供給連通孔38aに純水やエチレングリコール等の冷却媒体が供給される。このため、積層体14では、矢印A方向に重ね合わされた複数の単位セル12に対し、酸化剤ガス、燃料ガス及び冷却媒体が矢印A方向に供給される。
図3に示すように、酸化剤ガスは、酸化剤ガス供給連通孔36aから第2金属セパレータ34の酸化剤ガス流路52に導入され、電解質膜・電極構造体30のカソード側電極46に沿って移動する。一方、燃料ガスは、燃料ガス供給連通孔40aから第1金属セパレータ32の燃料ガス流路48に導入され、電解質膜・電極構造体30のアノード側電極44に沿って移動する。
従って、各電解質膜・電極構造体30では、カソード側電極46に供給される酸化剤ガスと、アノード側電極44に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費され、発電が行われる。
次いで、カソード側電極46に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス排出連通孔36bに沿って流動した後、エンドプレート20aから外部に排出される。同様に、アノード側電極44に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス排出連通孔40bに排出されて流動し、エンドプレート20aから外部に排出される。
また、冷却媒体は、冷却媒体供給連通孔38aから第1及び第2金属セパレータ32、34間の冷却媒体流路50に導入された後、矢印B方向に沿って流動する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体30を冷却した後、冷却媒体排出連通孔38bを移動してエンドプレート20aから排出される。
本発明の実施形態に係る組み立て方法が適用される燃料電池スタックの一部分解概略斜視図である。 前記燃料電池スタックの一部断面側面図である。 前記燃料電池スタックを構成する単位セルの分解斜視説明図である。 前記燃料電池スタックの斜視説明図である。 前記組み立て方法を説明するフローチャートである。 スタック圧縮荷重とスタック寸法との関係図である。 スタック圧縮荷重と分担荷重との関係図である。 ケーシング内に設定荷重付与機構が配置された状態の一部断面説明図である。 パネル荷重とパネル寸法との関係図である。 温度に対応するパネル荷重とパネル歪みとの関係図である。 パネル長さとスタック圧縮荷重との関係図である。 特許文献1に開示されている燃料電池積層体締め付け構造の説明図である。
符号の説明
10…燃料電池スタック 12…単位セル
14…積層体 16a、16b…ターミナルプレート
18…絶縁プレート 20a、20b…エンドプレート
22…スペーサ部材 24…ケーシング
30…電解質膜・電極構造体 32、34…金属セパレータ
42…固体高分子電解質膜 44…アノード側電極
46…カソード側電極 48…燃料ガス流路
50…冷却媒体流路 52…酸化剤ガス流路
54、56…シール部材 60a〜60d…側板
90…設定荷重付与機構 92…可撓性容器
94…キャビティ 96…配管

Claims (5)

  1. 一対の電極が電解質の両側に設けられた電解質・電極構造体とセパレータとを有する複数の単位セルを積層した積層体が、ケーシング内に収容される燃料電池スタックの組み立て方法であって、
    前記燃料電池スタックが実際に運転される際、積層方向に作用する発電最大荷重以上の設定荷重を、前記積層体に対して前記積層方向に付与する第1の工程と、
    前記積層体内の反応ガス流路及び冷却媒体流路に、圧力流体を供給する第2の工程と、
    前記ケーシングを組み立てた状態で、前記ケーシング内に前記設定荷重を付与する第3の工程と、
    を有することを特徴とする燃料電池スタックの組み立て方法。
  2. 請求項1記載の組み立て方法において、前記第1の工程では、前記積層体への前記設定荷重の付与を複数回だけ繰り返すことを特徴とする燃料電池スタックの組み立て方法。
  3. 請求項1記載の組み立て方法において、前記第3の工程では、前記ケーシングを構成し前記積層体の側部に配置されるサイドパネルの歪みを検出することにより、前記燃料電池スタックに前記積層方向に付与される締め付け荷重を確認することを特徴とする燃料電池スタックの組み立て方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の組み立て方法において、前記第3の工程では、前記第1の工程及び第2の工程が終了した前記積層体を、前記ケーシング内に収容した状態で、前記ケーシング内で前記積層体に対して前記設定荷重を付与することを特徴とする燃料電池スタックの組み立て方法。
  5. 請求項4記載の組み立て方法において、前記ケーシング内に、所定数の前記単位セルに代えて設定荷重付与機構を配置し、前記設定荷重付与機構により前記積層体に対して前記設定荷重を付与することを特徴とする燃料電池スタックの組み立て方法。
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