JP5064237B2 - リンコマイシン誘導体およびこれを有効成分とする抗菌剤 - Google Patents

リンコマイシン誘導体およびこれを有効成分とする抗菌剤 Download PDF

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    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents

Description

関連出願の参照
本願は、先行する日本国特許出願である特願2005−356053号(出願日:2005年12月9日)に基づくものであって、その優先権の利益を主張するものであり、その開示内容全体は参照することによりここに組み込まれる。
発明の背景
発明の分野
本発明は、抗菌活性を有する、新規リンコマイシン誘導体またはそれらの薬理学的に許容しうる塩に関する。また本発明は、そのような化合物を有効成分とする抗菌剤に関する。
関連技術
抗菌活性を有するリンコマイシン誘導体は、これまでにも種々の化合物が報告されており、本発明と構造類似の化合物が抗菌活性を有することも開示されている。例えば、米国特許第3915954号公報;米国特許第3870699号公報;米国特許第3767649号公報;ドイツ国公開特許第2229950号公報;米国特許第3689474号公報;米国特許第3544551号公報;国際公開公報第WO2005/012320号; J. Antibiotics., 49, (1996), 941.;および、 Structure-Activity Relationships among the Semisynthetic antibiotics, 601-651.を参照のこと。
しかしながら、これら文献に記載の化合物は、最近臨床上問題となっている、耐性肺炎球菌には無効である。このため、耐性肺炎球菌に対しても有効なリンコマイシン誘導体である抗菌剤の開発が望まれている。
発明の概要
本発明者らは、今般、式(I)に表されるリンコマイシン誘導体群が、リンコマイシンやクリンダマイシンが無効な耐性肺炎球菌に対し強い抗菌活性を有することことを見出した。本発明はかかる知見に基づくものである。
よって本発明は、近年問題となっている感染症治療における、耐性肺炎球菌に強い活性を有する新規リンコマイシン誘導体を提供することをその目的とする。
本発明による化合物、すなわち、本発明による新規リンコマイシン誘導体は、下記式(I)の化合物、またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物である:
Figure 0005064237
[式中、
Aは、
ベンジル、およびC1−6アルキルからなる群より選択される基により置換されていてもよい、アリール基; または
1−6アルキル、およびハロゲン化C1−6アルキル基からなる群より選択される基により置換されていてもよい、各環が4〜7員である単環もしくは二環式の複素環基
(ここでこの複素環基は、窒素原子、酸素原子、および硫黄原子からなる群より選択される1〜4個の異種原子を含む)
を表し、
は、
ハライド;
シアノ基;
ニトロ基;
置換C1−6アルキル基
(ここで、このC1−6アルキル基は、ヒドロキシ、ハライド、カルバモイル、C1−6アルキルオキシカルボニル、シアノ、ジC1−6アルキルカルバモイル、C1−6アルキルオキシ、複素環カルボニル、および、複素環基からなる群より選択される1以上の基により置換されており、さらにここにおける複素環カルボニル基および複素環基は、ハライド、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ、アミノ、シアノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシ、アシルアミノ、オキソ、カルバモイル、ジC1−6アルキルアミノカルボニル、およびC1−6アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい);
置換されていてもよい、アミノ基
(ここでこのアミノ基は、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、およびC1−6アシル、置換されていてもよい複素環基、および置換されていてもよいアリール基からなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよく、このとき、アミノ基を置換し得る前記複素環基は、ハライド、ニトロ、シアノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシ、アシルアミノ、C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ、アミノ、オキソ、カルバモイル、ジC1−6アルキルアミノカルボニル、およびC1−6アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよく、また、前記アリール基は、ハライド、ニトロ、アミノ、C1−6アルキル、シアノ、C1−6アルキルチオ、ハロゲン化C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルアミノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、カルバモイル、ジC1−6アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい);
N−アミノ−C1−6アルキルカルボニル−N−C1−6アルキルアミノ基;
N−C1−6アルキルオキシカルボニル−C1−6アルキル−N−C1−6アルキルアミノ基;
N−C1−6アルキルオキシ置換C1−6アルキルカルボニル−N−C1−6アルキルアミノ基;
アミノおよびヒドロキシからなる群より選択される1以上の基により置換されている、C1−6アルキルカルボニルアミノ基;
1−6アルキルアミノ−C1−6アルキルカルボニルアミノ基;
(ジC1−6アルキルアミノ)−C1−6アルキルカルボニルアミノ基;
1−6アルキルオキシ−C1−6アルキルカルボニルアミノ基;
N−C2−6アルケニルカルボニルアミノ基;
1−6アルキルオキシカルボニルアミノ基;
1以上のC1−6アルキル基により置換されていてもよい、複素環カルボニルアミノ基;
1−6アルキルスルホニルアミノ基;
(S)−2−アミノ−3−スクシナミド基;
カルバモイル基;
N−C1−6アルキル置換カルバモイル基 ;
N−C1−6アルキル−N−C1−6アルキルオキシ置換カルバモイル基;
N,N−ジC1−6アルキル置換カルバモイル基;
N−C3−6シクロアルキル置換カルバモイル基;
N−アダマンチル置換カルバモイル基;
N−アミノ置換カルバモイル基;
N−複素環C1−6アルキル置換カルバモイル基;
N−(ヒドロキシ−C1−6アルキル)置換カルバモイル基;
N−(ジヒドロキシ−C1−6アルキル)置換カルバモイル基;
N−(ジC1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル)置換カルバモイル基;
N,N−ジ(ヒドロキシ−C1−6アルキル)置換カルバモイル基;
N,N−ジ(C1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル)置換カルバモイル基;
カルボキシル基;
1−6アルキルカルボニル基;
複素環−C1−6アルキルカルボニル基;
1−6アルキルオキシカルボニル基;
複素環アミノカルボニル基;
置換されていてもよい、アリールカルボニル基
(ここでこのアリールカルボニル基は、ハライド、ニトロ、アミノ、C1−6アルキル、シアノ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルアミノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、カルバモイル、およびジC1−6アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい);
置換されていてもよい、4〜7員複素環カルボニル基
(ここでこの複素環カルボニル基は、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、シアノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルオキシ、C2−6アルケニルオキシ−C1−6アルキル、ヒドロキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルチオ−C1−6アルキル、アミノ−C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル、オキソ、C1−6アルキルアミノ、カルバモイル、ジC1−6アルキルアミノカルボニル、C1−6アルキルアミノカルボニル、C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、ジC1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、C1−6アルキルスルホニル−C1−6アルキル、シアノ、ハライド、アミノ、アシルアミノC1−6アルキル、およびアシルアミノからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい);
アミノもしくはカルバモイルにより置換された、C1−6アルキルチオ基;
ピリジルチオ基;
1−6アルキルスルホニル基;
アリールスルホニル基;
複素環スルホニル基;
ピリジルオキシ基;
置換されていてもよい、アリール基
(ここでこのアリール基は、フッ素原子、塩素原子、ニトロ、アミノ、C1−6アルキル、シアノ、C1−6アルキルオキシ、ハロゲン化C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルアミノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルチオカルバモイル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、ホルミルアミノ、C1−6アルキルオキシカルボニル、およびアゼチジニルからなる群より選択される同一または異なる1以上の基により置換されていてもよい);
置換されていてもよい、4〜7員の単環式の複素環基
(ここでこの複素環基は、ハライド、ニトロ、シアノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシ、アシルアミノ、C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ、アミノ、オキソ、カルバモイル、ジC1−6アルキルアミノカルボニル、C1−6アルキルアミノカルボニル、C1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル、およびN−オキシドからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい);または
各環が4〜7員である、二環式の複素環基
を表し、
ここでnが2である場合、各Rは同一または異なっていてもよく、
は、
水素原子;
置換されていてもよい、C1−6アルキル基;
置換されていてもよい、C2−6アルケニル基;
置換されていてもよい、アシル基;または
置換されていてもよい、C1−6アルキルオキシカルボニル基
(ここで前記C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、アシル基、およびC1−6アルキルオキシカルボニル基は、C1−6アルキル基により置換されていてもよい複素環、アミノ、ヒドロキシ、およびシアノからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい)
を表し、
は、
置換されていてもよい、C1−6アルキル基
(ここでこのC1−6アルキル基は、ハライド、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、C1−6アルキルオキシカルボニル、カルバモイル、シアノ、C1−6アルキルオキシ、オキソ、複素環、カルバモイル、アジド、C1−6アルキルアミノカルボニル、ジC1−6アルキルアミノカルボニル、置換されていてもよいアリールからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい);または
2−6アルケニル基
を表し、
、R、およびRは、同一または異なっていてもよく
水素原子;
置換されていてもよい、C1−6アルキル基;または
置換されていてもよい、アシル基
(ここで前記C1−6アルキル基、およびアシル基上の水素原子は、ハライド、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、C1−6アルキルオキシカルボニル、カルバモイル、シアノ、ニトロハライド、C1−6アルキルオキシ、オキソ、複素環、カルバモイル、アジド、C1−6アルキルアミノカルボニル、ジC1−6アルキルアミノカルボニル、および、ハライド、ヒドロキシもしくはC1−4アルキルにより置換されていてもよいアリールからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい)
を表し、
は、ハライドおよびヒドロキシからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい、C1−6アルキル基を表し、
mは、1〜3を表し、かつ
nは、1または2を表す]。
本発明によれば、前記式(I)の化合物またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物を含んでなる医薬組成物が提供される。好ましい態様によれば、有効成分である上記の物質とともに製剤用添加剤をさらに含む医薬組成物が提供される。これらの医薬組成物は細菌感染症(好ましくは呼吸器における細菌感染症)の予防または治療に有用であり、抗菌剤として用いることができる。
また本発明によれば、本発明による化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物の予防上または治療上の有効量を、薬学上許容されうる担体と共に哺乳類に投与することを含んでなる、細菌感染症の予防または治療方法が提供される。
さらに本発明によれば、細菌感染症の予防または治療用の医薬組成物の製造のための、本発明による化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物の使用が提供される。また、本発明の別の態様によれば、抗菌剤の有効成分としての、本発明による化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物の使用が提供される。
本発明による式(I)のリンコマイシン誘導体は、クリンダマイシン等のリンコサミド系のみならず、他のマクロライド系等の抗生物質が無効である耐性肺炎球菌に強い抗菌力を有する。このため、本発明による化合物は、優れた呼吸器における感染症治療薬となることが期待される。
発明の具体的説明
式(I)および式(II)の化合物
本明細書において、基または基の一部としての「C1−6アルキル基」という語は、基が直鎖または分枝鎖の炭素数1〜6のアルキル基を意味する。C1−6アルキル基は、好ましくはC1−4アルキル、より好ましくはC1−2アルキルである。
1−6アルキルの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−へキシル等が挙げられる。
アルケニル基およびこれらの基部分を含む置換基のアルケニル部分は、特に断らない限り、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、プロパルギル、1−ブチニル、1−ペンチニル、2−ブチニル等の直鎖状、分岐鎖状、環状、またはそれらの組み合わせのいずれであってもよく、好ましくは直鎖状または分岐鎖状である。C2−6アルケニルは、炭素数2〜6のアルケニルを意味し、好ましくはC2−4アルケニルである。またアルケニル部分に含まれる二重結合の数は特に限定されず、アルケニル部分に含まれる二重結合はZ配置またはE配置のいずれであってもよい。
本明細書において、アシル基およびアシル基部分を含む置換基(例えば、アセトキシ基等のアシルオキシ基)のアシル部分は、特に断らない限り、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基等の、C〜Cの直鎖状または分岐鎖状のアルキルカルボニル基またはホルミル基を意味する。
本明細書において「によって置換されていてもよいアルキル」とは、アルキル上の1またはそれ以上の水素原子が1またはそれ以上の置換基(同一または異なっていてもよい)により置換されたアルキルおよび非置換アルキルを意味する。置換基の最大数はアルキル上の置換可能な水素原子の数に依存して決定できることは当業者に明らかであろう。これらはアルキル以外の置換基を有する基、例えば、アルケニル、アシル、さらには、フェニルのようなアリール基、1,3,4−チアジアゾリルのような複素環等についても同様である。
本明細書において、「ハライド」(ハロゲン原子) とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を意味する。
本明細書において、基または基の一部としての「ハロゲン化アルキル基」等に用いられる「ハロゲン化」とは、各基上の1以上の水素原子がハロゲン原子によって置換されていることを意味する。
本明細書において、アリール基とは、特に断らない限り、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスリル基、2−アンスリル基等のヘテロ原子を含有しない6〜14員(単環式〜三環式、好ましくは単環式〜二環式)の芳香環を意味する。ここで6〜14員のアリール基は、その環系中に6〜14個の炭素原子を有する。
本明細書において、「複素環基」または「複素環」とは、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される異種原子を1〜4個含み、残りの環員原子が炭素原子であり、各環が4〜7員(好ましくは5〜7員、より好ましくは5または6員)である単環または二環式の複素環であることができ、飽和、部分飽和、または、不飽和のいずれでもあることができる。これら複素環基の例としては、アゼチジノ、ピロリル、ピロリジニル、ピロリジノ、フリル、チエニル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピラゾリル、ピリミジル、ピラジニル、ピペラジニル、ピペラジノ、ピペリジノ、モルホリニル、モルホリノ、チオモルホリノ、ピラジニル、キノリル、クロメニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、チアゾロピリジル、チアゾロピリミジニル、およびイミダゾチアゾリル(ここで、結合位置は特に限定されない)が挙げられる。
Aが表すアリール基は、好ましくはフェニル基である。
Aが表す複素環基は、好ましくは、
異種原子としてSまたはNを一個含んでなる4〜6員複素環基、
異種原子としてNを二または三個含んでなる5または6員複素不飽和環基、
異種原子としてOまたはSと、Nを二個とを含んでなる5員複素不飽和環基、または、
異種原子としてOまたはSと、Nを一個とを含んでなる5員複素不飽和環とベンゼン環とのニ環式複素環基であり、
より好ましくは、アゼチジニル基、チエニル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基、1,2,4−チアジアゾリル基、1,3,4−オキサジアゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、テトラゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾロ[5,4−b]ピリジル基、チアゾロ[5,4−b]ピリミジニル基、イミダゾ[5,1−b]チアゾリル基、キノリル基、イミダゾ[1,2−a]ピリジル基であり、さらに好ましくは、アゼチジニル基、チエニル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、1,3,4−チアジアゾリル基、1,2,4−チアジアゾリル基、1,3,4−オキサジアゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾチアゾール基、オキサゾール基からなる群から選択される環基であり、
さらに好ましくは、1,3,4−チアジアゾリル基である。
Aが表す複素環基の具体例としては、3−アゼチジニル基、2−チエニル基、2−イミダゾリル基、(2−または5−)チアゾリル基、2−オキサゾリル基、1,3,4−チアジアゾール−2−イル基、1,2,4−チアジアゾール−5−イル基、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル基、1,2,4−トリアゾール−3−イル基、2−ピリジル基、2−ピリミジニル基、3−キノリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾキサゾリル基、イミダゾ[5,1−b]チアゾール−5−イル基、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル基、チアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル基または、チアゾロ[5,4−b]ピリミジン−2−イル基が挙げられる。
Aが表す複素環基の好ましい具体例としては、1,3,4−チアジアゾール−2−イル基、2−ピリジル基、2−チアゾリル基、2−ピリミジニル基、2−アゼチジニル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−オキサゾリル基、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル基または、1,2,4−トリアゾール−3−イル基が挙げられる。
本発明の好ましい態様によれば、Aは、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、イミダゾリル、アゼチジニル、オキサゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、チアゾロ[5,4−b]ピリジル、チアゾロ[5,4−b]ピリミジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル基および、イミダゾ[5,1−b]チアゾリルからなる群より選択される基である。
本発明のより好ましい態様によれば、前記したように、Aは、フェニル基、または、1,3,4−チアジアゾリル基(すなわち、1,3,4−チアジアゾール−2−イル基)である。
が表すハライドは、好ましくはフッ素原子または塩素原子である。
が表す置換C1−6アルキル基の置換基は、好ましくは、ヒドロキシ、ハライド、C1−6アルキルオキシカルボニルであり、より好ましくは、ヒドロキシ、ハライドである。この置換基における好ましいハライドは、フッ素原子である。
が複素環式基に置換された複素環−C1−6アルキル基である場合、該複素環は、好ましくは、異種原子としてOまたはSと、Nを一個とを含んでなる6員複素飽和感である。したがって、該複素環−C1−6アルキル基は、好ましくは、置換されていてもよいモルホリノ−C1−6アルキル基、より好ましくはモルホリノ−C1−6アルキル基である。
が表す置換可能なアミノ基の置換基は、好ましくは、C1−6アルキル(好ましくは、n−C1−6アルキル)、C1−6アシル、または、異種原子としてNを一または二個含んでなる5もしくは6員の単環式複素環基(好ましくは、ピリジル)、である。特に、Rが表す複素環置換アミノ基は、好ましくは、N−ピリジルアミノ基、N−メチル−N−ピリジルアミノ基である。
が表す複素環−C1−6アルキルカルボニル基は、好ましくは、モルホリノ−C1−6アルキルカルボニル基であり、ここで複素環は、メチル、エチル、またはn−プロピルにより置換されていてもよい。
が表す複素環アミノカルボニル基は、好ましくは、(チアゾール−2−イル)アミノカルボニル基、(1,3,4−チアジアゾール−2−イル)アミノカルボニル基、(3−ピリジル)アミノカルボニル基である。
が表す複素環スルホニル基は、好ましくは、モルホリノスルホニル基、ピペリジノスルホニル基である。
が表すアリールカルボニル基またはアリールスルホニル基は、好ましくはそれぞれベンゾイル基、ベンゼンスルホニル基である。
が表す置換されていてもよい4〜7員複素環カルボニル基は、好ましくは、異種原子としてNを一または二個含んでなる5または6員複素飽和環カルボニル基、異種原子としてOまたはSと、Nを一個とを含んでなる6員複素飽和環カルボニル基であり、より好ましくは、アゼチジニルカルボニル基、モルホリノカルボニル基、1,4−パーハイドロオキサゼピニルカルボニル基、ピペリジノカルボニル基、ピロリジノカルボニル基、ピペラジノカルボニル基、チオモルホリノカルボニル基であり、さらに好ましくは、アゼチジニルカルボニル基、モルホリノカルボニル基、ピペリジノカルボニル基、ピロリジノカルボニル基である。別の好ましい態様によれば、複素環カルボニル基は、モルホリノカルボニル基、1,4−パーハイドロオキサゼピニルカルボニル基、ピペリジノカルボニル基、ピロリジノカルボニル基である。また、この複素環基の置換基は、好ましくは、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C2−6アルケニルオキシ−C1−6アルキル、ヒドロキシ、C1−6アルキルチオ−C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルアミノ−C1−6アルキル、アミノ−C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、ジC1−6アルキルアミノ−C1−6アルキルである。別の好ましい態様によれば、該置換基は、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル、オキソ、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、アミノ−C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、ジC1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、C2−6アルケニルオキシ−C1−6アルキル、または、C1−6アルキルチオ−C1−6アルキルである。
が表す置換されていてもよいアリール基は、好ましくは置換されていてもよいフェニル基であり、より好ましくは置換フェニル基である。ここで、このアリール基の置換基は、好ましくは、フッ素原子、塩素原子、ニトロ、アミノ、C1−6アルキル、シアノ、C1−6アルキルオキシ、ハロゲン化C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルアミノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルチオカルバモイル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、ホルミルアミノ、C1−6アルキルオキシカルボニル、およびアゼチジニルである。別の好ましい態様によれば、このアリール基の置換基は、フッ素原子、塩素原子、ニトロ、アミノ、C1−6アルキル、シアノ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルアミノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、カルバモイル、ジC1−6アルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、およびアゼチジニルである。より好ましくは、該置換基は、フッ素原子、ニトロ、ジC1−6アルキルアミノから選択される基である。
が表す置換されていてもよい4〜7員の単環式の複素環基は、好ましくは、異種原子としてO、SまたはNを一個含んでなる5または6員複素不飽和環、異種原子としてNを二〜四個含んでなる5または6員複素環、異種原子としてOまたはSと、Nを一個とを含んでなる6員複素飽和環、異種原子としてSと、Nを一または二個含んでなる5員複素不飽和環であり、好ましい基の例として、ピリジル基、フリル基、チアゾリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、テトラゾリル基、チアゾリル基、1,2,3−チアジアゾリル基、および、1,3,6−トリアジニル基からなる群より選択されるものが挙げられる。より好ましくは、該複素環基は、2−チエニル基、2−フリル基、(2−、4−または5−)チアゾリル基、4−ピラゾリル基、5−ピラゾリル基、1,2,3−チアジアゾール−4−イル基、1,2,3−チアジアゾール−5−イル基、1,3,4−チアジアゾール−2−イル基、(2−、3−または4−)ピリジル基、2−ピラジニル基、1,2,3−トリアゾール−1−イル基、1,2,3−トリアゾール−2−イル基、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、1,2,4−トリアゾール−2−イル基、テトラゾール−1−イル基、テトラゾール−2−イル基、イミダゾール−1−イル基、イミダゾール−2−イル基、モルホリノ基であり、さらに好ましくは2−フリル基、(2−、4−または5−)チアゾリル基、(2−、3−または4−)ピリジル基でる。また、この複素環基の置換基は、好ましくは、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ、ハライド、アミノ、オキソ、N−オキシドである。
が表す二環式複素環基は、好ましくは、異種原子としてO、SまたはNを一もしくは二個含んでなる5または6員複素不飽和環同士からなる二環式基、異種原子としてO、SまたはNを一もしくは二個含んでなる5または6員複素不飽和環と5または6員の不飽和炭素環(例えばベンゼン環)からなる二環式基が挙げられ、より好ましくは、キノリン基、キナゾリン基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾチアゾール基等が挙げられ、さらに好ましくは、3−キノリニル基、2−ベンゾオキサゾリル基である。
本発明の一つの好ましい態様によれば、Rは、ハライド、シアノ基、ニトロ基、置換C1−6アルキル基(ここでこのC1−6アルキル基は、ヒドロキシ、ハライド、カルバモイル、C1−6アルキルオキシカルボニル、シアノ、複素環カルボニル、およびジC1−6アルキルカルバモイルからなる群より選択される1以上の基で置換されている)、C1−6アルキル基および/またはアシル基により置換されていてもよいアミノ基、アミノおよび/またはヒドロキシ置換−C1−6アルキルカルボニルアミノ基、C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキルカルボニルアミノ基、(ジC1−6アルキルアミノ)−C1−6アルキルカルボニルアミノ基、C1−6アルキルオキシ−C1−6アルキルカルボニルアミノ基、(S)−2−アミノ−3−スクシナミド基、N−C1−6アルキルオキシ置換C1−6アルキルカルボニル−N−C1−6アルキルアミノ基、N−C1−6アルキル置換カルバモイル基、N,N−ジC1−6アルキル置換カルバモイル基、カルバモイル基、C1−6アルキルオキシカルボニル基、置換されていてもよいアリール基(ここでこのアリール基は、ハライド、ニトロ、アミノ、C1−6アルキル、シアノ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルアミノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、カルバモイル、およびジC1−6アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい)、置換されていてもよい4〜7員複素環基(ここでこの複素環基は、ハライド、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ、アミノ、およびオキソからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい)、置換されていてもよい4〜7員複素環カルボニル基(ここでこの複素環カルボニル基は、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル、オキソ、およびC1−6アルキルアミノからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい)、複素環アミノ基、複素環−C1−6アルキルカルボニル基、N−(ヒドロキシ−C1−6アルキル)置換カルバモイル基、N−(ジヒドロキシ−C1−6アルキル)置換カルバモイル基、N−(ジC1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル)置換カルバモイル基、N,N−ジ(ヒドロキシ−C1−6アルキル)置換カルバモイル基、および、N,N−ジ(C1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル)置換カルバモイル基から選択されるものである。
本発明の一つのより好ましい態様によれば、Rは、ハライド、ニトロ基、置換C1−6アルキル基(ここでこのC1−6アルキル基は、ヒドロキシ、およびハライドからなる群より選択される1以上の基で置換されている)、アシル基により置換されていてもよいアミノ基、C1−6アルキルオキシカルボニル基、置換されていてもよいアリール基(ここでこのアリール基は、ハライド、ニトロ、アミノ、C1−6アルキル、シアノ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルアミノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、カルバモイル、およびジC1−6アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい)、置換されていてもよい4〜7員複素環基(ここでこの複素環基は、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ、アミノ、およびオキソからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい)、置換されていてもよい4〜7員複素環カルボニル基(ここでこの複素環カルボニル基は、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル、およびオキソからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい)から選択されるものである。
本発明の別の好ましい態様によれば、Rが、
ハライド、
シアノ基、
ニトロ基、
置換C1−6アルキル基(ここでこの置換基は前記式(I)における定義と同義である)、
1−6アシル基により置換されていてもよい、アミノ基、
N−C1−6アルキルアミノ基、
N,N−ジC1−6アルキルアミノ基、
ピリジルアミノ基、
N−C1−6アルキルオキシ置換C1−6アルキルカルボニル−N−C1−6アルキルアミノ基、
1−6アルキルカルボニルアミノ基、
N−C1−6アルキル−N−C1−6アルキルカルボニルアミノ基、
1−6アルキルオキシ−C1−6アルキルカルボニルアミノ基、
アミノ置換C1−6アルキルカルボニルアミノ基、
アミノおよびヒドロキシ置換−C1−6アルキルカルボニルアミノ基、
1−6アルキルアミノ−C1−6アルキルカルボニルアミノ基、
(ジC1−6アルキルアミノ)−C1−6アルキルカルボニルアミノ基、
モルホリノC1−6アルキルカルボニル基
(S)−2−アミノ−3−スクシナミド基、
カルバモイル基、
N−C1−6アルキル置換カルバモイル基、
N,N−ジC1−6アルキル置換カルバモイル基、
1−6アルキルオキシカルボニル基、
アゼチジン−1−イルカルボニル基、
置換されていてもよい、4〜7員複素環カルボニル基(ここでこの置換基は前記式(I)における定義と同義であり、かつ、この基中の複素環基は、モルホリノ、1,4−パーハイドロオキサゼピニル基、ピペリジル基、およびピロリジル基からなる群より選択される)、
置換されていてもよい、フェニル基(ここでこの置換基は請求項1において定義の通りである)、および
置換されていてもよい、4〜7員複素環基(ここでこの置換基は前記式(I)における定義と同義であり、かつ、この複素環基は、ピリジル基、フリル基、チアゾリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、テトラゾリル基、チアゾリル基、1,2,3−チアジアゾリル基、および、1,3,6−トリアジニル基からなる群より選択される)、
からなる群から選択される基である。
本発明の別のより好ましい態様によれば、Rは、
ハライド、
ニトロ基、
ヒドロキシ、ハライド、またはC1−6アルキルオキシにより置換されている、C1−6アルキル基、
1−6アシル基により置換されていてもよい、アミノ基、
ピリジルアミノ基、
1−6アルキルオキシカルボニル基、
モルホリノC1−6アルキルカルボニル基
カルバモイル基、
N−C1−6アルキル置換カルバモイル基、
N,N−ジC1−6アルキル置換カルバモイル基、
置換されていてもよい、4〜7員複素環カルボニル基(ここでこの複素環カルボニル基は、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル、オキソ、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、アミノ−C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、ジC1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、C2−6アルケニオキシ−C1−6アルキルおよび、およびC1−6アルキルチオ−C1−6アルキルからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよく、かつ、この基中の複素環基は、モルホリノ、1,4−パーハイドロオキサゼピニル基、ピペリジル基、およびピロリジル基からなる群より選択される)、
置換されていてもよい、フェニル基(ここでこのフェニル基は、フッ素原子、塩素原子、ニトロ、アミノ、C1−6アルキル、シアノ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、カルバモイル、ジC1−6アルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、およびアゼチジニルからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい)、および
置換されていてもよい、4〜7員複素環基(ここでの複素環基は、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ、アミノ、C1−6アルキルオキシ、N−オキシド、C1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル、ハライド、およびオキソからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよく、かつ、この複素環基は、ピリジル基、フリル基、チアゾリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、テトラゾリル基、チアゾリル基、1,2,3−チアジアゾリル基、および、1,3,6−トリアジニル基からなる群より選択される)、
からなる群から選択される基である。
本発明において、Rは、好ましくは、
水素原子;
置換されていてもよい、C1−6アルキル基
(ここでこのC1−6アルキル基は、アミノ、ヒドロキシ、C1−6アルキル置換複素環、およびシアノからなる群より選択される1以上の基で置換されていてもよい);
2−6アルケニル基;
1−6アシル基
(ここでこのアシル基は、ヒドロキシ、複素環、およびアミノからなる群より選択される1以上の基で置換されていてもよい);または
1−6アルキルオキシカルボニル基
を表す。
より好ましくは、Rは、
水素原子;
置換されていてもよい、C1−6アルキル基(ここでこのC1−6アルキル基は、アミノ、ヒドロキシ、およびC1−6アルキル置換複素環からなる群より選択される1以上の基で置換されていてもよい)であり、
さらに好ましくは、水素原子、またはC1−6アルキル基である。
は、好ましくは、C1−6アルキル基(好ましくは、n−C1−6アルキル基)、またはC2−6アルケニル基を表し、より好ましくはC1−6アルキル基である。
また、R3が表す基の結合位置は、好ましくは、R3が結合する2−ピロリジニル基(mが1である場合)、2−ピペリジニル基(mが2である場合)、または、2−ホモピペリジニル基(mが3である場合)の4位である。
、R、およびRは、好ましくは、同一または異なっていてもよく
水素原子;または
置換されていてもよい、C1−6アルキル基
(ここで前記C1−6アルキル基は、ハライド、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、シアノ、および、ハライドにより置換されていてもよいアリールからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい)
を表し、
より好ましくは、Rが上記の通りである一方、RおよびRは共に水素原子を表し、
さらに好ましくは、R、R、およびRは共に水素原子を表す。
は、好ましくは、C1−6アルキル基を表す。
mは、好ましくは、1または2を表す。
nは、好ましくは、1を表す。
本発明の好ましい態様によれば、Aが、1,3,4−チアジアゾリル基である場合、
は、
アシル基により置換されていてもよい、アミノ基、
1−6アルキルオキシカルボニル基、
1−6アルキルにより置換されていてもよい、4〜7員複素環カルボニル基、
置換されていてもよい、アリール基
(ここでこのアリール基は、フッ素原子、塩素原子、ニトロ、アミノ、C1−6アルキル、シアノ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルアミノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、カルバモイル、ジC1−6アルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、および、アゼチジニルからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい)、および
置換されていてもよい、4〜7員の単環式の複素環基
(ここでこの複素環基は、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ、およびアミノからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい)
からなる群から選択される基である。より好ましくは、このときさらに、
は、
水素原子、または
置換されていてもよい、C1−6アルキル基
(ここでこのC1−6アルキル基は、アミノ、ヒドロキシ、およびC1−6アルキル置換複素環、からなる群より選択される1以上の基で置換されていてもよい)
であり、
は、n−C1−6アルキル基であり、
、R、Rは、共に水素原子であり、
は、C1−6アルキル基であり、
mは、1または2であり、かつ
nは、1である。
本発明の別の好ましい態様によれば、Aが、フェニル基である場合、
は、
ハライド、
ニトロ基、
ヒドロキシ、ハライド、またはC1−6アルキルオキシにより置換されている、C1−6アルキル基、
アシル基により置換されていてもよい、アミノ基、
複素環アミノ基
1−6アルキルオキシカルボニル基、
複素環−C1−6アルキルカルボニル基、および、
N−(ヒドロキシ−C1−6アルキル)置換カルバモイル基、
N−(ジヒドロキシ−C1−6アルキル)置換カルバモイル基、
N−(ジC1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル)置換カルバモイル基、
N,N−ジ(ヒドロキシ−C1−6アルキル)置換カルバモイル基、
N,N−ジ(C1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル)置換カルバモイル基、
置換されていてもよい、4〜7員複素環カルボニル基
(ここでこの複素環カルボニル基は、この複素環カルボニル基は、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル、オキソ、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、アミノ−C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、ジC1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、C2−6アルケニオキシ−C1−6アルキル、および、C1−6アルキルチオ−C1−6アルキルからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい)、
置換されていてもよい、アリール基
(ここでこのアリール基は、シアノ、アミノ、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、およびジC1−6アルキルアミノからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい)、および
置換されていてもよい、4〜7員の単環式の複素環基
(ここでこの複素環基は、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、N−オキシド、ニトロ、C1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル、アミノ、ハライド、およびオキソからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい)
からなる群から選択される基であり、
より好ましくは、Rは、
ハライド、
ニトロ基、
ヒドロキシまたはハライドで置換されているC1-6アルキル基、
アシル基により置換されていてもよいアミノ基、
1-6アルキルオキシカルボニル基、
置換されていてもよい、4〜7員複素環カルボニル基(ここでこの複素環カルボニル基は、C1-6アルキル、ヒドロキシC1-6アルキル、C1-6アルキルオキシ-C1-6アルキル、オキソから選択される1以上の基により置換されていてもよい)、
アリール基、および
1-6アルキルまたはオキソにより置換されていてもよい、4〜7員の単環式の複素環基
からなる群から選択される基である。さらに好ましくは、このとき、
は、水素原子、または、C1−6アルキル基であり、
は、n−C1−6アルキル基であり、
、R、Rは、共に水素原子であり、
は、C1−6アルキル基であり、
mは、1または2であり、かつ
nは、1である。
本発明のさらに好ましい態様によれば、式(I)または式(II)における、−A−(R)は、下記からなる群から選択される基を表す:
置換されていてもよいフェニル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、
置換されていてもよいフェニルオキサゾール−2−イル、
置換されていてもよいピラゾリル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、
置換されていてもよいピリジルオキサゾール−2−イル、
置換されていてもよいフェニルチアゾール−2−イル、
置換されていてもよいピロリジルカルボニルフェニル、
置換されていてもよいイミダゾリル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、
置換されていてもよいイミダゾリルフェニル、
置換されていてもよい1,3,6−トリアジニルフェニル、
置換されていてもよいチアゾリル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、
置換されていてもよいチアゾリル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、
テトラゾリルフェニル、
1,4−パーハイドロオキサゼピンカルボニルフェニル、
1,2,3−チアジアゾリルオキサゾール−2−イル、
イミダゾ[5,1−b]チアゾリルフェニル、
フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル、
置換されていてもよいフェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、
置換されていてもよいピリジル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、
置換されていてもよいピリジルフェニル、
置換されていてもよいピリジルチアゾール−2−イル、
置換されていてもよいピリジルオキサゾール−2−イル、
置換されていてもよいフェニルオキサゾール−2−イル、
置換されていてもよいビフェニル、
置換されていてもよいモルホリノカルボニルフェニル、
置換されていてもよいピリジルチオフェン−2−イル、
置換されていてもよいピラゾリルフェニル、
置換されていてもよいフェニルピリジル、
置換されていてもよいモルホリルフェニル、および、
ピリジルカルボニルフェニル。
本発明による式(I)の化合物の分子内には、式中の-S−A−(R)が結合する不斉炭素が存在し、本発明はこの立体異性体のいずれかの分離されたものおよびそれらの混合物のいずれも包含される。この炭素は、S配置であることが望ましい。
よって、本発明の好ましい態様によれば、式(I)は、下記式(II)で表される:
Figure 0005064237
[式中、A、R、R、R、R、R、R、R、m、およびnは、前記式(I)における定義と同義である]。
本発明の別の態様によれば、式(I)で表されるリンコマイシン誘導体またはその薬学的に許容されうる塩であって、該式中のA、R、R、R、R、R、R、R、m、およびnが下記のように定義されるものが提供される:
ここで、式(I)中、
Aは、ベンジル基、C1−6アルキル基で置換されていてもよいアリール基を表すかまたは、
1−6アルキル基、ハロゲン化C1−6アルキル基で置換されていてもよい窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選択される1から4個の異種原子を含み、各環が4〜7員である単環または二環式複素環基を表し、
は、
ハライド、
シアノ基、
ニトロ基、
置換C1−6アルキル基(このC1−6アルキル基は、ヒドロキシ、ハライド、カルバモイル、C1−6アルキルオキシカルボニル、シアノ、ジC1−6アルキルカルバモイル、C1−6アル
キルオキシ、複素環カルボニル、複素環(これら複素環カルボニル基および複素環基は、ハライド、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ、アミノ、シアノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシ、アシルアミノ、オキソ、カルバモイ
ル、ジC1−6アルキルアミノカルボニル、C1−6アルキルアミノカルボニルから選択される1以上の基で置換されていてもよい)から選択される1以上の基で置換されている)、
1−6アルキルカルボニル基、
複素環−C1−6アルキルカルボニル基、
1−6アルキル基およびアシル基で置換されていてもよいアミノ基、
2−6アルケニルアミノ基、
アミノおよび/またはヒドロキシ置換−C1−6アルキルカルボニルアミノ基、
複素環(この複素環は、ハライド、ニトロ、シアノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシ、アシルアミノ、C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ、アミノ、オキソ、カルバモイル、ジC1−6アルキルアミノカルボニル、C1−6アルキルアミノカルボニルから選択される1以上の基で置換されていてもよい置換されていてもよい)、アリール基(このアリール基は、ハライド、ニトロ、アミノ、C1−6アルキル、シアノ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルアミノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、カルバモイル、ジC1−6アルキルアミノカルボニルから選択される1以上の基で置換されていてもよい)、C1−6アルキル基、C1−6アシル基から選択される1以上の基で置換されていてもよいアミノ基、
1−6アルキルアミノ−C1−6アルキルカルボニルアミノ基、
(ジC1−6アルキルアミノ)−C1−6アルキルカルボニルアミノ基、
N,N−ジC1−6アルキルアミノ基、
N−アミノ−C1−6アルキルカルボニル−N−C1−6アルキルアミノ基、
N−C1−6アルキルオキシカルボニル−C1−6アルキル−N−C1−6アルキルアミノ基、
N−C2−6アルケニルカルボニルアミノ基、
1以上のC1−6アルキル基で置換されていてもよい複素環カルボニルアミノ基、
1−6アルキルオキシ−C1−6アルキルカルボニルアミノ基、
(S)−2−アミノ−3−スクシナミド基、
N−C1−6アルキルオキシ置換C1−6アルキルカルボニル−N−C1−6アルキルアミノ基、
1−6アルキルスルホニルアミノ基、
ハロゲン化C1−6アルキルチオで置換されていてもよいアリールアミノ基、
カルボキシル基、
1−6アルキルオキシカルボニルアミノ基、
N−C1−6アルキル置換カルバモイル基、
N−C1−6アルキル−N−C1−6アルキルオキシ置換カルバモイル基、
N,N−ジC1−6アルキル置換カルバモイル基、
N−C3−6シクロアルキル置換カルバモイル基、
N−アダマンチル置換カルバモイル基、
N−アミノ置換カルバモイル基、
N−複素環C1−6アルキル置換カルバモイル基、
N−ヒドロキシ−C1−6アルキル置換カルバモイル基、
カルバモイル基、
1−6アルキルオキシカルボニル基、
複素環アミノカルボニル基、
置換C1−6アルキルチオ基(このC1−6アルキルチオ基は、アミノまたは、カルバモイルで置換されている)、
ピリジルチオ基、
複素環スルホニル基、
1−6アルキルスルホニル基、
アリール基、
アリールカルボニル基(これらアリール基およびアリールカルボニル基は、ハライド、ニトロ、アミノ、C1−6アルキル、シアノ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルアミノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、カルバモイル、ジC1−6アルキルアミノカルボニルから選択される1以上の基で置換されていてもよい)、
アリールスルホニル基、
4から7員複素環基(この複素環基は、ハライド、ニトロ、シアノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシ、アシルアミノ、C1−6アルキル、C1−6アルキ
ルアミノ、アミノ、オキソ、カルバモイル、ジC1−6アルキルアミノカルボニル、C1−6アルキルアミノカルボニルから選択される1以上の基で置換されていてもよい)、
二環式複素環基、
ピリジルオキシ基、
複素環−C1−6アルキル基および、
4から7員複素環カルボニル基(この複素環カルボニル基は、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、シアノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシ、C1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル、オキソ、C1−6アルキルアミノ、カルバモイル、ジC1−6アルキルアミノカルボニル、C1−6アルキルアミノカルボニル、C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、ジC1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、C1−6アルキルスルホニル−C1−6アルキル、シアノ、ハライド、アミノ、アシルアミノC1−6アルキル、アシルアミノから選択される1以上の基で置換されていてもよい)からなる群から選択される基であって、nが2を表す場合、それぞれ同一または異なった基であってもよく、
は、水素原子、
1−6アルキル基(このC1−6アルキル基は、アミノ、ヒドロキシ、C1−6アルキル置換
複素環、シアノから選択される1以上の基で置換されていてもよい)、
2−6アルケニル基、
アシル基(このアシル基は、ヒドロキシ、複素環、アミノから選択される1以上の基で置換されていてもよい)または、
1−6アルキルオキシカルボニル基を表し、
は、C1−6アルキル基(このC1−6アルキル基は、ハライド、ニトロ、ヒドロキシ、
アミノ、C1−6アルキルオキシカルボニル、カルバモイル、シアノ、ニトロハライド、C1−6アルキルオキシ、オキソ、複素環、カルバモイル、アジド、C1−6アルキルアミノカル
ボニル、ジC1−6アルキルアミノカルボニル、置換されていても良いアリールから選択さ
れる1以上の基で置換されていてもよい)または、
2−6アルケニル基を表し、
、R、Rは、同一または異なって水素原子、
アシル基(このアシル基上の水素原子は、ハライド、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、C1−6アルキルオキシカルボニル、カルバモイル、シアノ、ニトロハライド、C1−6アルキルオキシ、オキソ、複素環、カルバモイル、アジド、C1−6アルキルアミノカルボニル、ジC1−6アルキルアミノカルボニル、置換されていても良いアリールから選択される1以上の基で置換されていてもよい)または、
1−6アルキル基(このC1−6アルキル基は、ハライド、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、C1−6アルキルオキシカルボニル、カルバモイル、シアノ、ニトロハライド、C1−6アルキルオキシ、オキソ、複素環、カルバモイル、アジド、C1−6アルキルアミノカルボニル、ジ
1−6アルキルアミノカルボニル、置換されていても良いアリールから選択される1以上
の基で置換されていてもよい)を表し、
は、C1−6アルキル基を表し、
mは、1〜3を表し、
nは、1または2を表す。
本発明による化合物は、その薬理学的に許容されうる塩とすることができる。このような塩の好ましい例としては、ナトリウム塩、カリウム塩またはカルシウム塩のようなアルカリ金属またはアルカリ土頼金属塩、フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩のようなハロゲン化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のような低級アルキルスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩のようなアリールスルホン酸塩、フマル酸、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、リンゴ酸塩、乳酸塩、アスコルビン酸塩のような有機酸塩、およびグリシン塩、フェニルアラニン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩などが挙げられる。
本発明による化合物は溶媒和物とすることができる。このような溶媒和物としては、水和物、アルコール和物(例えば、メタノール和物、エタノール和物)、およびエーテル和物(例えば、ジエチルエーテル和物)が挙げられる。
化合物の用途/医薬組成物
本発明による化合物は、イン・ビトロ(in vitro)において細菌、特に耐性肺炎球菌、の発育を阻害し、抗菌活性を実際に示す(試験例1参照)。
本発明による化合物は、各種細菌、例えば耐性菌を含む肺炎球菌(S. pneumoniae)等に対して極めて優れた抗菌活性を示すリンコマイシン誘導体である。本発明による化合物は、リンコマイシン誘導体であるため、従来報告されている各種細菌に対し、抗菌活性を有することに加えて、臨床上問題となっていた耐性肺炎球菌に対しても強い抗菌活性を有する。このため、呼吸器感染症をはじめとする各種細菌感染症の予防または治療において極めて有効であるといえる。
従って本発明による化合物は、細菌感染症の予防または治療に用いることができる。このような感染症としては、例えば、肺炎、慢性気管支炎、急性中耳炎、急性副鼻腔炎等が挙げられる。
本発明によれば、本発明による化合物またはそれらの薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物と、薬学上許容されうる担体とを含んでなる医薬組成物が提供される。好ましい態様によれば、有効成分である上記の物質とともに製剤用添加剤をさらに含む医薬組成物が提供される。これらの医薬組成物は細菌感染症(好ましくは呼吸器における細菌感染症)の予防または治療に有用であり、抗菌剤(すなわち抗菌剤組成物)として用いることができる。
本発明の別の態様によれば、本発明による化合物またはその薬理学的に許容さうる塩もしくは溶媒和物を有効成分とする抗菌剤が提供される。
また本発明の別の態様によれば、本発明による化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物の予防上または治療上の有効量を、薬学上許容されうる担体と共に哺乳類に投与することを含んでなる、細菌感染症の予防または治療方法が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、細菌感染症の予防または治療用の医薬組成物の製造のための、本発明による化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物の使用が提供される。また、本発明の別の態様によれば、抗菌剤の有効成分としての、本発明による化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物の使用が提供される。
ここで好ましくは感染症は、呼吸器における細菌感染症である。
本発明による化合物は、経口および非経口(例えば、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、直腸投与、経皮投与) のいずれかの投与経路で、ヒトおよびヒト以外の動物に投与することができる。
従って、本発明による化合物を含んでなる医薬組成物は、投与経路に応じた適当な剤型に処方される。具体的には、経口剤としては、錠剤、カプセル剤、散剤、頼粒剤、丸剤、細粒剤、トローチ剤、シロップ剤などが挙げられ、非経口剤としては、静注もしくは筋注等の注射剤、座剤、テープ剤、軟膏剤などが挙げられる。
これらの各種製剤は、通常用いられている賦形剤、増量剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、着色剤、希釈剤、湿潤化剤、界面活性化剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、防腐剤、矯味矯臭剤、無痛化剤、安定化剤などの製剤用添加剤(担体)等を用いて常法により製造することができる。
賦形剤としては、例えば、乳糖、果糖、ブドウ糖、コーンスターチ、ソルビット、結晶セルロースなどが、崩壊剤としては、例えば、デンプン、アルギン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、デキストリンなどが、結合剤としては例えばジメチルセルロースもしくはその塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが、滑沢剤としては、例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、硬化植物油などがそれぞれ挙げられる。この他の使用可能な無毒性の添加剤としては、例えば、シロップ、ワセリン、ラノリン、グリセリン、エタノール、プロピレングリコール、クエン酸、塩化ナトリウム、亜硫酸ソーダ、リン酸ナトリウム、β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、Tween 80等が挙げられる。
また、上記注射剤は、必要により緩衝剤、pH調整剤、安定化剤、等張化剤、保存剤などを添加して製造することができる。
本発明による医薬組成物中、本発明による化合物の含有量は、その剤型に応じて異なるが、通常全組成物中10〜95重量%,好ましくは30〜80重量%である。
投与量は患者の年齢、体重、性別、疾患の相違、症状の程度などを考慮して、個々の場合に応じて適宜決定されるが、例えば、肺炎球菌による感染症の治療のためには、経口投与では通常、成人1日1人当たり本発明の化合物の重量として約1−2000mg、好ましくは、10−1000mgの投与量であり、これを症状に応じて1日1回から6回にわけて投与することができる。
本発明による化合物は他の医薬、例えばペニシリン、カルバペネム、キノロン等の他の抗菌剤と組み合わせて投与してもよい。投与は、同時にあるいは経時的にすることができる。他の医薬の種類や投与間隔等は症状の種類や患者の状態に依存して決定できる。
式(I)の化合物の製造
本発明による一般式(I)で表される化合物は、下記に説明する製造方法に従って製造することができるが本発明の化合物の製造方法はこれらに限定されるものではなく、本発明の化合物の範囲も下記の製造方法により製造された化合物に限定されることはない。本明細書の実施例には本発明化合物の製造方法の具体例が示されているので、当業者は下記の一般的な製造方法の説明および実施例の具体的な説明を参照しつつ、原料化合物、反応条件、試薬などを適宜選択し、必要に応じて適宜の修飾ないし改良を行うことにより、式(I)に包括される化合物をいずれも容易に製造する事が可能である。なお本発明の製造方法は、本発明によって明らかにされた化合物の性状に基づき、公知の手段を施してこれらを製造するすべての方法を包括する。
以下において、構造式中のA、RからR、m、nの文字は、式(I)において定義されたものと同じ意味を表す。またB、RからR20、PはRの部分構造を意味するため、式(I)で定義した範囲を超えないものとする。また式(I)以外で以下に随時出てくる新たな文字はその都度、意味を定義し、それ以降に出てきた場合は、上述の定義と同じ意味を表す。またこれより以下に示す全反応工程において、同じ番号の反応工程は同じ反応条件を表す。
第1に一般式(I)においてRがメチル基(以下、Meと略記する)、Rがプロピル基(以下、Prと略記する)、R、Rおよび、Rが水素原子(以下、Hと略記する)、mが1で表される化合物群は、例えば下記の一般的方法に従って製造することができる。
スキーム1
Figure 0005064237
[式(4)中に記載のLはC1−6アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基等の脱離基を表し、式(6)中に記載のRはC1−6アルキルまたはアリール基を表し、TMSはトリメチルシリル基を表す。]
第1、2工程において、リンコマイシン(以下LCMと省略する)から式(2)の化合物への変換および式(2)の化合物から式(3)の化合物への変換は、例えば米国特許第3418414号に記述された方法に準じて製造できる。
第3工程において、式(3)の化合物から式(5)の化合物への変換は、例えば反応試薬として用いるチオール(HS−A−(R)n)またはジスルフィド((R)n−A−S−S−A−(R)n)に応じて以下の(i)、(ii)のいずれかの方法を適宜選択することにより製造できる。即ち、
(i) テトラヒドロフラン溶液中で式(3)の化合物、トリフェニルホスフィン、ジエチルアゾジカルボキシレート存在下、前記チオールまたは前記ジスルフィドのいずれかを1〜10等量用い反応させた後、トリメチルシリル基を希薄塩酸−メタノール溶液等で除去することにより製造できる。本反応における反応溶媒はテトラヒドロフランの他に、一般的な反応溶媒であってもよく、好ましくはベンゼン、トルエン、トリフルオロメチルベンゼン、アセトニトリル等がよく、ホスフィン試薬はトリフェニルホスフィンの他に、一般的に文献などで知られるホスフィン試薬であってもよく、好ましくはトリルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン等がよく、1〜5等量も用いると良い。アゾ試薬はジエチルアゾジカルボキシレートの他に、一般的に文献などで知られるアゾ試薬であっても良く、好ましくはジイソプロピルアゾジカルボキシレート、1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン等がよく、1〜5等量用いると良い。反応温度は0〜50℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
(ii) ベンゼン溶液中、式(3)の化合物、シアノメチレントリ−n−ブチルホスホラン存在下、前記チオールを反応させた後、トリメチルシリル基を希薄塩酸−メタノール溶液等で除去することにより製造できる。本反応における反応溶媒はベンゼンの他に、一般的な反応溶媒でもあってもよく、好ましくはテトラヒドロフラン、トルエン、トリフルオロメチルベンゼン、アセトニトリル等がよく、反応促進剤はシアノメチレントリ−n−ブチルホスホランの他に、一般的に文献などで知られるホスフィンイリド等であっても良く、好ましくはシアノメチレントリメチルホスホラン等がよく、1〜5等量用いると良い。反応温度は0〜150℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
第4工程において、式(3)の化合物から式(4)の化合物への変換は、例えば以下の方法を用いることにより製造できる。即ち、クロロホルム溶媒中、塩基存在下、式(3)の化合物にスルホニル化剤を反応させることにより製造できる。本反応における反応溶媒はクロロホルムの他に、一般的な反応溶媒であってもよく、好ましくは塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン性溶媒等やジメチルスルホキシド、ピリジン、1−メチルピロリドン等の極性溶媒がよい。塩基とは一般的に知られる無機塩基または有機塩基であり、好ましくは、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等であり、1〜10等量用いると良い。スルホニル化剤は、一般的なアルキルスルホニルクロリドまたはアリールスルホニルクロリドまたはスルホン酸無水物を指し、好ましくは塩化メタンスルホニル、塩化トルエンスルホニル、トリフルオロメタンスルホン酸無水物等がよく1〜10等量用いるとよい。反応温度は−10〜50℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
第5工程において、式(4)の化合物から式(5)の化合物への変換は、例えば以下の方法を用いることにより製造できる。即ち、N,N−ジメチルホルムアミド溶媒中、塩基存在下、式(4)の化合物に前記チオールを1〜10等量用い反応させた後、トリメチルシリル基を希薄塩酸−メタノール溶液等で除去することにより製造できる。本反応における反応溶媒はN,N−ジメチルホルムアミドの他に、一般的な反応溶媒であっても良く、好ましくはジメチルスルホキシド、ピリジン、1−メチルピロリドン等の極性溶媒が良い。塩基とは一般的に知られる無機塩基または有機塩基であり、好ましくは炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムまたはトリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピリジン等であり、1〜10等量用いると良い。反応温度は−10〜120℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
第6工程において、式(3)の化合物から式(6)の化合物への変換は、例えば第3工程のチオールを一般的に知られるアルキルチオカルボン酸または一般的に知られるアリールチオカルボン酸に代え、好ましくはチオ酢酸、チオプロピオン酸またはチオ安息香酸等に代え、1〜10等量用い反応させることにより製造できる。
第7工程において、例えば式(4)の化合物から式(6)の化合物への変換は、例えば第5工程のチオールを一般的に知られるアルキルチオカルボン酸またはその塩や一般的に知られるアリールチオカルボン酸またはその塩に代え、好ましくはチオ酢酸、チオプロピオン酸またはそのカリウム塩、ナトリウム塩等やチオ安息香酸またはそのカリウム塩、ナトリウム塩等に代え、1〜10等量用い反応させることにより製造できる。
第8工程において、式(6)の化合物から式(5)の化合物への変換は、例えば以下の方法を用いることにより製造できる。即ち、メタノール溶媒中、塩基存在下、系中でアシル基を除去し、これにアルキルハライド、アリールハライドまたはヘテロ環ハライド等を1〜10等量反応させた後、トリメチルシリル基を希薄塩酸−メタノール溶液等で除去することにより製造できる。本反応における反応溶媒はメタノールの他に、一般的な極性溶媒であっても良く、好ましくはエタノール、プロパノール、ブタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1−メチルピロリドンなどが良く、塩基は一般的に知られる無機塩基やアルカリ金属メトキシド、アルカリ金属エトキシドであっても良く、好ましくは炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウムやナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドが良く1〜10等量用いるとよい。反応温度は0〜120℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
第9工程において、式(6)の化合物から式(7)の化合物への変換は、例えば以下の方法を用いることにより製造できる。即ち、メタノール溶媒中、式(6)の化合物のトリメチルシリル基を希薄塩酸−メタノール溶液等で除去した後、式(6)の化合物中のアシル基を塩基により脱保護することにより製造できる。本反応における反応溶媒はメタノールの他に、一般的な極性溶媒であっても良く、好ましくはエタノール、プロパノール、ブタノール、N, N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1−メチルピロリドンなどが良く、塩基は一般的に知られる無機塩基やアルカリ金属メトキシド、アルカリ金属エトキシドであっても良く、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドが良く1〜10等量用いるとよい。反応温度は0〜40℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
第10工程において、式(7)の化合物から式(5)の化合物への変換は、例えば以下の(i)、(ii)のどちらかの方法を適宜選択することにより製造できる。即ち、
(i) N,N−ジメチルホルムアミド溶媒中、塩基存在下、式(7)の化合物にX−A−(R)nで表される反応剤(XはRSO基または、ハライドを表す)を1〜10等量用い反応させることにより製造できる。本反応における反応溶媒はN,N−ジメチルホルムアミドの他に、一般的な反応溶媒を用いてもよく、好ましくは、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1−メチルピロリドンが良い。塩基は、一般的に知られる無機塩基または有機塩基であってもよく、好ましくは炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、またはジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンがよく1〜10等量用いるとよい。反応温度は室温〜150℃の範囲で行い、反応時間は1〜24時間である。
(ii) ジオキサン溶媒中、塩基、X−A−(R)nで表される反応剤(XはI、Br、Cl、OTfまたは、OTsを表し、Tfはトリフルオロメタンスルホニル基、Tsはトシル基を表す)、添加剤、一般的なパラジウム触媒存在下、式(7)の化合物を反応させることにより製造できる。本反応における反応溶媒はジオキサンの他に、一般的な反応溶媒を用いてもよく、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド、ベンゼン、トルエン、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ブタノール、ジメチルスルホキシドがよい。塩基は、一般的に知られる無機塩基または有機塩基であってもよく、好ましくは炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、またはジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンがよく1〜10等量用いるとよい。添加剤は一般的に知られるホスフィン配位子を表し、好ましくは4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルザンテン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、トリフェニルホスフィン、トリtert−ブチルホスフィン等が良く0.01〜0.5等量用いるのが良い。一般的なパラジウム触媒は、好ましくはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、酢酸パラジウム、ジクロロビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム等が良く、またパラジウム触媒の他に銅触媒等の金属触媒であっても良く0.01〜0.5等量用いると良い。反応温度は室温〜150℃の範囲で行い、反応時間は1〜48時間である。
第11工程において、LCMから式(8)の化合物への変換は、例えばJ. Med. Chem.,13,(1970), 616.に記述された方法に準じて製造できる。
第12工程において、式(8)の化合物から式(5)の化合物への変換は、例えば第3工程の方法で−S−A−(R)n基を導入した後、水酸基の保護基である3,4−イソプロピリデンを希薄塩酸−メタノール溶液またはトリフルオロ酢酸等で除去することにより製造できる。
第2に式(5)において、Rが−B−NH(Bは結合、置換されていても良いアリールまたは複素環を意味し、Bが結合である場合はNH基がAに直接結合していることを表す。)で表される化合物群のうち、スキーム1に記載の方法では製造上または精製上等で効率的に製造し難い化合物群(式(10))も存在する。これらの化合物群(式(10))は、別法として、例えばスキーム1に記載の方法により、その前駆体である式(9)の化合物を製造した後、以下の方法を用いても製造できる。
スキーム2
Figure 0005064237
即ち、第13工程において、式(9)の化合物から式(10)の化合物への変換は、例えば以下の(i)または(ii)のどちらかの方法を適宜選択することにより製造できる。
(i) エタノール溶媒中、塩化第二スズ二水和物を1〜10等量存在下、式(9)の化合物に還元剤を反応させることにより製造できる。本反応における反応溶媒はエタノールの他に、一般的な反応溶媒であっても良く、好ましくはメタノール、プロパノール、ブタノール等のプロトン性極性溶媒が良い。還元剤は、一般的な還元試薬であっても良く、好ましくは水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム等がよく1〜10等量用いると良い。反応温度は0〜50℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
(ii) 式(9)にテトラブチルアンモニウムブロミド存在下、塩化第二スズ二水和物を加え反応を行うことにより製造できる。反応温度は0〜100℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
第3に式(5)において、Rが−B−NHCORで表される化合物群のうち、スキーム1に記載の方法では製造上または精製上等で効率的に製造し難い化合物群(式(12)および式(13))も存在する。これらの化合物群(式(12)および式(13))は、別法として、例えばスキーム1またはスキーム2に記載の方法により、その前駆体である式(10)の化合物を製造した後、以下の方法を用いても製造できる。
スキーム3
Figure 0005064237
即ち、第14工程において、式(10)の化合物から式(11)の化合物への変換は、例えば米国特許第3418414号に記述された方法に準じて製造できる。
次に第15工程において、式(11)の化合物から式(12)の化合物への変換は、例えばN,N−ジメチルホルムアミド溶媒中、塩基存在下、式(11)の化合物に式RCOClで表されるアルキルまたはアリールカルボニルクロリド等を1〜10等量反応させた後、トリメチルシリル基を希薄塩酸−メタノール溶液等で除去することにより製造できる。本反応における反応溶媒はN,N−ジメチルホルムアミドの他に、一般的な溶媒であっても良く、好ましくはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、1−メチルピロリドンなどが良く、塩基は一般的に知られる有機塩基であっても良く、好ましくはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等が良く1〜10等量用いると良い。反応温度は0〜50℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
次に第16工程において、式(11)の化合物から式(13)の化合物への変換は、例えばN,N−ジメチルホルムアミド溶媒中、塩基存在下、式(11)の化合物に式RSOClで表されるアルキルまたはアリールスルホニルクロライド等を1〜10等量反応させた後、トリメチルシリル基を希薄塩酸−メタノール溶液等で除去することにより製造できる。本反応における反応溶媒はN,N−ジメチルホルムアミドの他に、一般的な溶媒であっても良く、好ましくはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、1−メチルピロリドンなどが良く、塩基は一般的に知られる有機塩基であっても良く、好ましくはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等が良く1〜10等量用いると良い。反応温度は0〜50℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
次に第17工程において、式(10)の化合物から式(13)の化合物への変換は、例えばN,N−ジメチルホルムアミド溶媒中、塩基存在下、式(10)の化合物に式RSOClで表されるアルキルまたはアリールスルホニルクロライド等を1〜10等量反応させることにより製造できる。本反応における反応溶媒はN,N−ジメチルホルムアミドの他に、一般的な溶媒であっても良く、好ましくはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、1−メチルピロリドンなどが良く、塩基は一般的に知られる有機塩基であっても良く、好ましくはトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等が良く1〜10等量用いると良い。反応温度は0〜50℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
第4に式(5)において、Rが−B−NHRで表される化合物群のうち、スキーム1に記載の方法では製造上または精製上等で効率的に製造し難い化合物群(式(18))も存在する。これらの化合物群(式(18))は、別法として、例えばスキーム3に記載の方法により、その前駆体である式(11)の化合物を製造した後、以下の方法を用いても製造できる。
スキーム4
Figure 0005064237
即ち、第18工程において、式(11)の化合物から式(14)の化合物への変換は、例えばN,N−ジメチルホルムアミド溶媒中、塩基存在下、式(11)の化合物に二炭酸−tert−ブチルを1〜10等量用い反応させることにより製造できる。本反応における反応溶媒はN,N−ジメチルホルムアミドの他に一般的な反応溶媒であっても良く、好ましくはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、1−メチルピロリドンなどが良い。塩基は一般的に知られる無機塩基または有機塩基であっても良く、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等が良く1〜10等量用いると良い。反応温度は0〜50℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
次に第19工程において、式(14)の化合物から式(15)の化合物への変換は、例えばメタノール溶媒中、式(14)の化合物に希薄酸を反応させることにより製造できる。本反応における反応溶媒はメタノールの他に、一般的な溶媒であっても良く、好ましくはエタノール、プロパノール、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、1−メチルピロリドンなどが良く、酸は一般的に知られる希薄酸であっても良く、好ましくは1N塩酸等が良い。反応温度は0〜50℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜3時間である。
次に第20工程において、式(15)の化合物から式(16)の化合物への変換は、例えばN,N−ジメチルホルムアミド溶媒中、酸存在下、式(15)の化合物にアセトンジメチルアセタールを過剰量用い反応させることによりを製造できる。本反応における反応溶媒はN,N−ジメチルホルムアミドの他に一般的な反応溶媒であっても良く、好ましくはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、1−メチルピロリドンなどが良い。酸は一般的に知られる強酸または弱酸であっても良く、好ましくは、p−トルエンスルホン酸一水和物、硫酸、塩酸等が良く1〜10等量用いると良い。反応温度は0〜50℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
次に第21工程において、式(16)の化合物から式(17)の化合物への変換は、例えばN,N−ジメチルホルムアミド溶媒中、塩基存在下、式(16)の化合物にR−Xで表されるアルキルハライドを1〜3等量用いて反応させることにより製造できる。本反応における反応溶媒はN,N−ジメチルホルムアミドの他に一般的な反応溶媒であっても良く、好ましくはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、1−メチルピロリドンなどが良い。塩基は一般的に知られる無機塩基または有機塩基であっても良く、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カルシウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等が良く1〜10等量用いると良い。反応温度は0〜100℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
次に第22工程において、式(17)の化合物から式(18)の化合物への変換は、例えば式(17)の化合物に95%トリフルオロ酢酸水溶液または4N塩酸−ジオキサン溶液のどちらか用いて反応を行うことにより得られる。反応温度は−15℃から室温の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
第5に式(5)において、Rが−B−CONR1112で表される化合物群のうち、スキーム1に記載の方法では製造上または精製上等で効率的に製造し難い化合物群(式(20))も存在する。これらの化合物群(式(20))は、別法として、例えばスキーム1に記載の方法により、その前駆体である式(19)の化合物を製造した後、以下の方法を用いても製造できる。
スキーム5
Figure 0005064237
即ち、第23工程において、式(19)の化合物から式(20)の化合物への変換は、例えばメタノール溶媒中、式(19)の化合物に種々の1級または2級アミンを大過剰量用い反応させることにより製造できる。本反応における反応溶媒はメタノールの他に、一般的な極性溶媒であっても良く、好ましくはエタノール、水、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、1−メチルピロリドンなどが良い。反応温度は室温〜150℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
スキーム6
Figure 0005064237
第6に式(5)において、Rが−B−CHOHで表される化合物群のうち、スキーム1に記載の方法では製造上または精製上等で効率的に製造し難い化合物群(式(21))も存在する。これらの化合物群(式(21))は、別法として、例えばスキーム1に記載の方法により、その前駆体である式(19)の化合物を製造した後、以下の方法を用いても製造できる。
即ち、第24工程において、式(19)の化合物から式(21)の化合物への変換は、例えば、テトラヒドロフラン溶媒中、式(19)の化合物に水素化リチウムアルミニウムを1〜10等量用いて反応させることにより製造できる。本反応における反応溶媒はテトラヒドロフランの他のエーテル系またはハロゲン系溶媒であっても良く、好ましくはジエチルエーテル、塩化メチレンなどが良い。還元剤は一般的に知られる還元剤であっても良く、好ましくは、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ナトリウム ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムなどが良く1〜10等量用いると良い。反応温度は−78〜0℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
第7に式(5)において、Rが−B−CONR1112で表される化合物群のうち、スキーム1またはスキーム5に記載の方法では製造上または精製上等で効率的に製造し難い化合物群(式(20))も存在する。これらの化合物群(式(20))は、別法として、例えばスキーム1に記載の方法により、その前駆体である式(19)の化合物または式(22)の化合物を製造した後、以下の方法を用いても製造できる。
スキーム7
Figure 0005064237
即ち、第25工程において、式(19)の化合物から式(22)の化合物への変換は、例えばメタノール溶媒中、塩基性条件下で、式(19)の化合物を加水分解することにより製造できる。本反応における反応溶媒はメタノールの他に、一般的な極性溶媒であっても良く、好ましくはエタノール、水、ジメチルスルホキシド、1−メチルピロリドンなどが良い。塩基は水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化バリウム水溶液等を1〜10等量用いるのが良い。反応温度は0〜150℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
次に第26工程において、式(22)の化合物から式(20)の化合物への変換は、例えばN,N−ジメチルホルムアミド溶媒中、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール存在下、式(22)の化合物に1級または2級アミンを1〜10等量用い反応させることにより製造できる。本反応における反応溶媒はN,N−ジメチルホルムアミドの他に、一般的な溶媒であっても良く、好ましくはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、1−メチルピロリドン等の極性溶媒が良い。また縮合剤は1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩および1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの組み合わせの他に、一般的な縮合剤であっても良く、好ましくはジシクロヘキシルカルボジイミドおよび4−ジメチルアミノピリジン等の組み合わせを1〜10等量用いると良い。反応温度は0〜120℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
第8に式(5)の化合物において、Aがチアゾール環基で表される化合物群のうち、スキーム1に記載の方法では製造上または精製上等で効率的に製造し難い化合物群(式(24))も存在する。これらの化合物群(式(24))は、別法として、スキーム1に記載の方法により、その前駆体である式(23)の化合物を製造した後、以下の方法を用いても製造できる。
スキーム8
Figure 0005064237
スキーム8中、Xは、例えば、ハライド、トリフルオロメタンスルホニル基、トルエンスルホニル基等の脱離基を表す。
即ち、第27工程において、式(23)の化合物から式(24)の化合物への変換は、例えばイソプロパノール−水溶媒中、塩基、添加剤、一般的なパラジウム触媒存在下、式(23)の化合物にアリールボラン試薬またはヘテロアリールボラン試薬を反応させることにより製造できる。本反応における反応溶媒はイソプロパノールの他に、一般的な反応溶媒を用いてもよく、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ブタノール、ジメチルスルホキシドが良い。塩基は、一般的に知られる無機塩基または有機塩基であってもよく、好ましくは炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウム tert−ブトキシド、ジイソプロピルエチルアミンまたは、トリエチルアミンがよく1〜10等量用いるとよい。添加剤は一般的に知られるホスフィン配位子を表し、好ましくは4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルザンテン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、トリフェニルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン等が良く0.01〜0.5等量用いるのが良い。一般的なパラジウム触媒は文献などで知られるものを指し、好ましくはテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、酢酸パラジウム、ジクロロ ビス (ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム等が良く、またボラン試薬の代わりにスズ試薬を用いてもよい。反応温度は室温〜150℃の範囲で行い、反応時間は1〜48時間である。
第9に式(5)において、R−が−B−NR1314で表される化合物群のうち、スキーム1に記載の方法では製造上または精製上等で効率的に製造し難い化合物群(式(26))も存在する。これらの化合物群(式(26))は、別法として、スキーム1に記載の方法により、その前駆体である式(25)を製造した後、以下の方法を用いても製造できる。
スキーム9
Figure 0005064237
即ち、第28工程において、式(25)の化合物から式(26)の化合物への変換は、例えばメタノール溶媒中、式(25)の化合物に1級または2級アミンを1〜10等量用い反応させることにより製造できる。本反応における反応溶媒はメタノールの他に、一般的な溶媒であっても良く、好ましくはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、1−メチルピロリドン等の極性溶媒が良い。反応温度は0〜120℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
第10に式(5)において、Rが−B−OR15で表される化合物はスキーム1に記載の方法でも製造することはできるが、製造上または精製上等で効率的に製造し難い化合物群は別法として、例えばスキーム1に記載の方法により、その前駆体である式(25)の化合物を製造した後、以下の方法を用いても製造できる。
スキーム10
Figure 0005064237
即ち、第29工程において、式(25)の化合物から式(27)の化合物への変換は、例えばメタノール溶媒中、式(25)の化合物にNaOR15やKOR15で表される反応試薬を1〜10等量用い反応させることにより製造できる。本反応における反応溶媒はメタノールの他に、一般的な溶媒であっても良く、好ましくはエタノール、ジメチルスルホキシド、1−メチルピロリドン等の極性溶媒が良い。反応温度は0〜120℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
第11に式(5)において、Aがアゼチジン環基で表される化合物群のうち、スキーム1に記載の方法では、製造上または精製上等で効率的に製造し難い化合物群(式(31)から(36))も存在する。これらの化合物群(式(31)から(36))は、別法として、例えばスキーム1に記載の方法により、その前駆体である式(28)の化合物を製造した後、以下の方法を用いて製造できる。
スキーム11
Figure 0005064237
即ち、第30工程において、式(28)の化合物から式(29)の化合物への変換は、例えば、4N塩酸−酢酸エチルまたはトリフルオロ酢酸を大過剰量用い、トリメチルシリル基とtert−ブトキシカルボニル基を両方除去することにより製造できる。本反応における反応温度は、0〜50℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
次に第31工程において、式(29)の化合物から式(30)の化合物への変換は、例えばピリジン溶媒中、1〜10等量のヘキサメチルジシラザン存在下、式(29)の化合物に塩化トリエチルシランを3〜10等量用い反応させることにより製造できる。本反応における反応溶媒はピリジンの他に、一般的な溶媒であっても良く、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1−メチルピロリドン等の極性溶媒が良い。反応温度は0〜50℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
次に第32工程において、式(30)の化合物から式(31)の化合物への変換は、次の(i)または(ii)どちらかの方法を用いる事により製造できる。
例えば、(i) ピリジン溶媒中、1〜10等量のトリホスゲン存在下、種々の1級または2級アミンを1〜10等量用い反応させた後、トリメチルシリル基を希薄塩酸−メタノール溶液等で除去することにより製造できる。本反応における反応溶媒はピリジンの他に、一般的な溶媒であっても良く、好ましくは塩化メチレン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、1−メチルピロリドンなどが良い。反応温度は0〜50℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
(ii) クロロホルム溶媒中、塩基存在下、X−CONR1617(Xはハライドを表す)で表される置換アミノカルボニルハライドを1〜10等量用い反応せた後、トリメチルシリル基を希薄塩酸−メタノール溶液等で除去することにより製造できる。本反応における反応溶媒はクロロホルムの他に、一般的な溶媒であっても良く、好ましくは塩化メチレン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、1−メチルピロリドンなどが良い。塩基は一般的に知られる無機塩基または有機塩基であっても良く、好ましくは、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン等が良く1〜10等量用いると良い。反応温度は0〜50℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
次に第33工程において、式(30)の化合物から式(32)の化合物への変換は、例えばN,N−ジメチルホルムアミド溶媒中、1〜10等量の塩基存在下、式(30)の化合物にMeSOAr(Arはアリール基を表す)またはXRで表される反応試薬を1〜10等量用い反応させた後、トリメチルシリル基を希薄塩酸−メタノール溶液等で除去することにより製造できる。本反応における反応溶媒はN,N−ジメチルホルムアミドの他に、一般的な溶媒であっても良く、好ましくは塩化メチレン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、1−メチルピロリドンなどが良い。塩基は一般的に知られる無機塩基または有機塩基であっても良く、好ましくは、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン等が良く1〜10等量用いると良い。反応温度は0〜50℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
次に第34工程において、式(30)の化合物から式(33)の化合物への変換は、例えばクロロホルム溶媒中、1〜10等量の塩基存在下、式(30)の化合物にRCOCHXで表される反応試薬を1〜10等量用い反応させた後、トリメチルシラン基を希薄塩酸−メタノール溶液等で除去することにより製造できる。本反応における反応溶媒はクロロホルムの他に、一般的な溶媒であっても良く、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、1−メチルピロリドンなどが良い。塩基は一般的に知られる無機塩基または有機塩基であっても良く、好ましくは、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン等が良く1〜10等量用いると良い。反応温度は0〜50℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
次に第35工程において、式(30)の化合物から式(34)の化合物の変換は、例えばエタノール溶媒中、式(30)の化合物にCH=CHE1(E1はシアノ基、カルボニル基、カルボン酸エステル等の電子吸引基を表す)で表される反応試薬を1〜10等量用い反応させた後、トリメチルシリル基を希薄塩酸−メタノール溶液等で除去することにより製造できる。本反応における反応溶媒はエタノールの他に、一般的な溶媒であっても良く、好ましくは塩化メチレン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、1−メチルピロリドンなどが良い。反応温度は0〜50℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
次に第36工程において、式(30)の化合物から式(35)の化合物への変換は、例えば第15工程に記載した方法に準じて製造できる。
次に第37工程において、式(30)の化合物から式(36)の化合物の変換は、例えば第16工程または第17工程に記載した方法に準じて製造できる。
第12に式(I)において、R、R、およびRがHであり、mが1または2である化合物群は、例えば下記の一般的方法に従って製造することができる。
スキーム12
Figure 0005064237
第38、39工程において、式(37)の化合物から式(38)の化合物への変換および式(38)の化合物から式(39)の化合物への変換は、例えばTetrahedron Lett., 43, (2002), 3499.に記述された方法に準じて製造できる。
第40、41、42工程において、式(39)の化合物から式(40)の化合物、式(41)の化合物への変換、式(40)の化合物から式(42)の化合物への変換および式(42)の化合物から式(43)の化合物への変換は、例えばTetrahedron Lett., 35, (1994), 2053.およびJ. Am. Chem. Soc., 110, (1998), 3894.に記述された方法に準じて製造できる。
第43工程において、式(43)の化合物から式(44)の化合物への変換は、式(44)のR中に(i)2重結合を残すか(ii)残さないを適宜選択し下記の方法を用いることにより製造できる。
例えば(i) メタノール溶媒中、塩基存在下、式(43)の化合物を加水分解することにより製造できる。本反応における反応溶媒はメタノールの他に、一般的なアルコール溶媒であっても良く、好ましくはエタノール、プロパノール、ブタノール等が良い。反応温度は0〜120℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。(ii) J. Am. Chem. Soc., 110, (1998), 3894.に記述された方法に準じて製造できる。
第44工程において、式(44)の化合物から式(45)の化合物への変換は、例えばN,N−ジメチルホルムアミド溶媒中、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール存在下、式(44)の化合物にメチル1−チオ−α−リンコサミド(MTLと略す)を1〜10等量用い反応させることにより製造できる。本反応における反応溶媒はN,N−ジメチルホルムアミドの他に、一般的な溶媒であっても良く、好ましくはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、1−メチルピロリドン等の極性溶媒が良い。また縮合剤は1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩および1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの組み合わせの他に、一般的な縮合剤であっても良く、好ましくはジシクロヘキシルカルボジイミドと4−ジメチルアミノピリジン等を1〜10等量用いると良い。反応温度は0〜120℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
第45工程において、式(45)の化合物から式(46)の化合物への変換は、例えば上述の第1工程に記載した方法に準じて製造できる。
第46工程において、式(46)の化合物から式(47)の化合物への変換は、例えば上述の第2工程に記載した方法に準じて製造できる。
第47工程において、式(47)の化合物から式(49)の化合物への変換は、例えば上述の第3工程に記載した方法に準じて製造できる。
第48工程において、式(47)の化合物から式(48)の化合物への変換は、例えば上述の第4工程に記載した方法に準じて製造できる。
第49工程において、式(48)の化合物から式(49)の化合物への変換は、例えば上述の第5工程に記載した方法に準じて製造できる。
第50工程において、式(47)の化合物から式(50)の化合物への変換は、例えば上述の第6工程に記載した方法に準じて製造できる。
第51工程において、式(48)の化合物から式(50)の化合物への変換は、例えば上述の第7工程に記載した方法に準じて製造できる。
第52工程において、式(50)の化合物から式(49)の化合物への変換は、例えば上述の第8工程に記載した方法に準じて製造できる。
第53工程において、式(50)の化合物から式(51)の化合物への変換は、例えば上述の第9工程に記載した方法に準じて製造できる。
第54工程において、式(51)の化合物から式(49)の化合物への変換は、例えば上述の第10工程に記載した方法に準じて製造できる。
第55工程において、式(45)の化合物から式(52)の化合物への変換は、例えば上述の第11工程に記載した方法に準じて製造できる。
第56工程において、式(52)の化合物から式(49)の化合物への変換は、例えば上述の第12工程に記載した方法に準じて製造できる。
第57工程において、式(49)の化合物から式(53)の化合物への変換は、例えば式(49)の化合物に95%トリフルオロ酢酸水溶液または4N塩酸−ジオキサン溶液のどちらか用いて反応を行うことにより得られる。反応温度は−15℃から室温の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
第58工程において、式(53)の化合物から式(54)の化合物への変換は、(i)、(ii)および(iii)の手法を適宜選択することにより製造できる。
例えば(i) 1,2−ジクロロエタン溶媒中、酸と還元剤存在下、ケトンまたはアルデヒドを1〜10等量用い式(53)の化合物に反応させることにより製造できる。本反応における反応溶媒は1,2−ジクロロエタンの他に、一般的な溶媒であっても良く、好ましくは塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、メタノール、エタノール、ブタノール等の溶媒が良い。酸は酢酸、塩酸、硫酸等を用いるのが好ましい。還元剤は、一般的に知られる還元剤であっても良く、好ましくはトリアセトキシホウ素ナトリウム等が良く1〜10等量用いると良い。反応温度は0〜120℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜4時間である。
(ii) アセトニトリル溶媒中、塩基存在下、式(53)の化合物にアルキルハライドを1〜10等量用い反応させることにより製造できる。本反応における反応溶媒はアセトニトリルの他に、一般的な溶媒であっても良く、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1−メチルピロリドンなどの極性溶媒等が良い。塩基は、一般的に知られる無機塩基または有機塩基であっても良く、好ましくは、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン等が良く1〜10等量用いると良い。反応温度は0〜50℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
(iii) 例えばN,N−ジメチルホルムアミド溶媒中、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール存在下、式(53)の化合物にアルキルまたはアリールカルボン酸を1〜10等量用い反応させることにより製造できる。本反応における反応溶媒はN,N−ジメチルホルムアミドの他に、一般的な溶媒であっても良く、好ましくはジメチルスルホキシド、1−メチルピロリドン等の極性溶媒が良い。また縮合剤は1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩および1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの組み合わせの他に、一般的な縮合剤であっても良く、好ましくはジシクロヘキシルカルボジイミドと4−ジメチルアミノピリジン等を1〜10等量用いると良い。反応温度は0〜120℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
第59、60、61工程において式(55)の化合物から式(56)の化合物、式(56)の化合物から式(57)の化合物、式(57)の化合物から式(58)の化合物への変換は、例えば、J. Med. Chem., 32, (1989), 829.に記述された方法に準じて製造できる。
第62工程において式(58)の化合物から式(59)の化合物への変換は、例えば、第44工程に記載した方法に準じて製造できる。
第63工程において式(59)の化合物から式(60)の化合物への変換は、例えばメタノール−水混合溶媒中、式(59)の化合物、酸および酸化白金を加え、水素雰囲気下(206850〜689500 Pa)で反応を行うことにより製造できる。本反応における反応溶媒はメタノール−水混合溶媒の他に、一般的なアルコール溶媒であっても良く、好ましくはメタノール、エタノール等の溶媒が良い。酸は一般的な酸であっても良く、好ましくは塩酸、硫酸、酢酸がよく1〜10等量用いるとよい。反応温度は0℃〜室温の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
第64工程において式(60)の化合物から式(61)の化合物への変換は、例えばジオキサン溶媒中、塩基存在下、式(60)の化合物に二炭酸ジ−tert−ブチルを1〜10等量用い反応させることにより製造できる。本反応における反応溶媒はジオキサンの他に、一般的な溶媒であっても良く、好ましくはtert−ブタノール、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1−メチルピロリドン等の極性溶媒が良い。塩基は一般的な有機塩基または無機塩基であっても良く、好ましくは4−ジメチルアミノピリジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム等がよく過剰量用いるとよい。反応温度は0〜50℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
第65工程において式(58)の化合物から式(62)の化合物への変換は、例えば酢酸溶媒中、式(58)の化合物、酸化白金を加え、水素雰囲気下(常圧)で反応を行うことにより製造できる。反応温度は0〜50℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
第66工程において式(62)の化合物から式(63)の化合物への変換は、第64工程に記載した方法に準じて製造できる。
第67工程において式(63)の化合物から式(61)の化合物への変換は、例えば上述の第44工程に記載した方法に準じて製造できる。
第68工程において式(61)の化合物から式(46)の化合物への変換は、例えば上述の第1工程に記載した方法に準じて製造できる。
第69工程において式(61)の化合物から式(64)の化合物への変換は、例えば上述の第11工程に記載した方法に準じて製造できる
第70工程において式(64)の化合物から式(49)の化合物への変換は、例えば上述の第12工程に記載した方法に準じて製造できる
第13に式(I)においてRがMeであり、RがPrであり、R、RおよびRがHであり、mが1である化合物群は、例えばスキーム1からスキーム11に記載の方法で製造できるが、製造上または精製上等で効率的に製造し難い化合物群(式(5))も存在する。これらの化合物群(式(5))は、別法として、スキーム12に記載の方法を用い第58工程においてN−メチル化することにより式(54)の化合物に相当する式(5)の化合物を製造することができる。
第14に式(I)においてRに2重結合を持たず、R、RおよびRがHであり、mが1である化合物群の製造はスキーム12に記載の方法を用いて製造することができるが、製造上または精製上等で効率的に製造し難い化合物群(Rに2重結合を持たず、R、RおよびRがHであり、mが1である化合物群:式(53),式(54))も存在する。これらの化合物群(式(53),式(54))は、スキーム12に記載の方法を用いてRに2重結合を含む化合物(式(49−1))を一旦製造し、以下の方法を用いることにより製造できる。
スキーム13
Figure 0005064237
即ち式(53),式(54)において、Rに2重結合を持たず、R、RおよびRがHであり、mが1である化合物群(式(53−2)、式(54−2))の製造は、スキーム12の第43工程で2重結合を還元してから誘導しても良く、またスキーム12の第43工程で2重結合を還元せず、スキーム13に記載の方法で誘導しても良いことを表す。上記スキーム13にRがプロペニル基とプロピル基の場合を1例として表すが、Rはプロペニル基に限定されるものではない。
第71、72工程において、式(49−1)の化合物から式(53−1)の化合物への変換および式(49−2)の化合物から式(53−2)の化合物は、例えば上述の第57工程に記載した方法に準じて製造できる。
第73、74工程において、式(53−1)の化合物から式(54−1)の化合物への変換および式(53−2)の化合物から式(54−2)の化合物への変換は、例えば上述の第58工程に記載した方法に準じて製造できる。
第75、76、77工程において、式(49−1)の化合物から式(49−2)の化合物への変換、式(53−1)の化合物から式(53−2)の化合物への変換および式(54−1)の化合物から式(54−2)の化合物への変換は、例えば上述の第43(ii)工程に記載した方法に準じて製造できる。
第15に式(54)において、スキーム1からスキーム12に記載の方法では製造上または精製上等で効率的に製造し難い化合物群(式(54))も存在する。これらの化合物群(式(54))は、別法として、例えばスキーム12に記載の方法により、その前駆体である式(43)の化合物を製造した後、以下の方法を用いても製造できる。
スキーム14
Figure 0005064237
第78、79工程において、式(43)の化合物から式(65)の化合物への変換および式(65)の化合物から式(66)の化合物への変換は、例えばスキーム12に記載の第57工程および第58工程に記載した方法に準じて製造できる。
次に、スキーム14に記載の式(66)の化合物から式(54)の化合物への変換は、スキーム12に記載の第43工程から第56工程までの同様の製造ルートを用いて、式(54)の化合物を製造できる。また式(54)においてR部分に2重結合を持たない化合物群の製造においても、スキーム13に記載した同様の方法により式(54−1)の化合物から式(54−2)の化合物を製造できる。
第16に式(53)、式(54)において、Rが−B−NHで表される化合物群のうち、スキーム12に記載の方法では製造上または精製上等で効率的に製造し難い化合物群(式(69)、式(71))も存在する。これらの化合物群は、別法として、例えばスキーム12に記載の方法により、その前駆体である式(67)の化合物および式(70)の化合物を製造した後、以下の方法を用いても製造できる。
スキーム15
Figure 0005064237
第80、81工程において、式(67)の化合物から式(68)の化合物への変換と式(70)の化合物から式(71)の化合物への変換は、例えば上記、第13工程に記載した方法に準じて製造できる。
第82工程において、式(68)の化合物から式(69)の化合物への変換は、例えば上記、第57工程に記載した方法に準じて製造できる。
第17に式(53)、式(54)において、Rが−B−NHCORで表される化合物群のうち、スキーム12に記載の方法では製造上または精製上等で効率的に製造し難い化合物群(式(74)、式(76))も存在する。これらの化合物群は、別法として、例えばスキーム12またはスキーム15に記載の方法により、その前駆体である式(68)の化合物または式(71)の化合物を製造した後、以下の方法を用いても製造できる。
スキーム16
Figure 0005064237
第83、84工程と第85、86工程において、それぞれ式(68)の化合物から式(73)の化合物および式(71)の化合物から式(76)の化合物への変換は、例えば上記、第14、15工程に記載した方法に準じて製造できる。
第87工程において、式(73)の化合物から式(74)の化合物への変換は、例えば上記、第57工程に記載した方法に準じて製造できる。
第18に式(53)、式(54)において、Rが−B−CONR1112で表される化合物群のうち、スキーム12に記載の方法では製造上または精製上等で効率的に製造し難い化合物群(式(79)、式(81))も存在する。これらの化合物群は、別法として、例えばスキーム12に記載の方法により、その前駆体である式(77)の化合物または式(80)の化合物を製造した後、以下の方法を用いても製造できる。
スキーム17
Figure 0005064237
第88、89工程において、式(77)の化合物から式(78)の化合物への変換と式(80)の化合物から式(81)の化合物への変換は、例えば上記、第23工程に記載した方法に準じて製造できる。
第90工程において、式(78)の化合物から式(79)の化合物への変換は、例えば上記、第57工程に記載した方法に準じて製造できる。
第19に式(53)、式(54)において、Rが−B−CONR1112で表される化合物群のうち、スキーム12またはスキーム16に記載の方法では製造上または精製上等で効率的に製造し難い化合物群(式(84)、式(86))も存在する。これらの化合物群は、別法として、例えばスキーム11に記載の方法により、その前駆体である式(77)の化合物または式(80)の化合物を製造した後、以下の方法を用いても製造できる。
スキーム18
Figure 0005064237
第91、92工程と第93、94工程において、それぞれ式(77)の化合物から式(83)の化合物および式(80)の化合物から式(86)の化合物への変換は、例えば上記、第25、26工程に記載した方法に準じて製造できる。
第95工程において、式(83)の化合物から式(84)の化合物への変換は、例えば上記、第57工程に記載した方法に準じて製造できる。
第20に式(53)の化合物、式(54)の化合物において、Rが−B−NR1314で表される化合物群のうち、スキーム12に記載の方法では製造上または精製上等で効率的に製造し難い化合物群(式(89)、式(91))も存在する。これらの化合物群は、別法として、スキーム12に記載の方法により、その前駆体である式(87)の化合物または式(90)の化合物を製造した後、以下の方法を用いても製造できる。
スキーム19
Figure 0005064237
第96、97工程において、式(87)の化合物から式(88)の化合物および式(90)の化合物から式(91)の化合物への変換は、例えば上記、第28工程に記載した方法に準じて製造できる。
第98工程において、式(88)の化合物から式(89)の化合物への変換は、例えば上記、第57工程に記載した方法に準じて製造できる。
第21に式(53)の化合物、式(54)の化合物において、Rが−B−OR15で表される化合物群のうち、スキーム12に記載の方法では製造上または精製上等で効率的に製造し難い化合物群(式(93)、式(94))も存在する。これらの化合物群は、別法として、スキーム12に記載の方法により、その前駆体である式(87)の化合物または式(90)の化合物を製造した後、以下の方法を用いても製造できる。
スキーム20
Figure 0005064237
第99、100工程において、式(87)の化合物から式(92)の化合物および式(90)の化合物から式(94)の化合物への変換は、例えば上記、第29工程に記載した方法に準じて製造できる。
第101工程において、式(92)の化合物から式(93)の化合物への変換は、例えば上記、第57工程に記載した方法に準じて製造できる。
式(69)、式(71)、式(74)、式(76)、式(79)、式(81)、式(84)、式(86)、式(89)、式(91)、式(93)、式(94)で表される化合物群はスキーム13に記載した同様の方法によっても製造できる。
第22に式(I)において、RがMeであり、RがPrであり、mが1で表される化合物群のうちスキーム1からスキーム20に記載した方法によって製造される化合物群とは異なった立体化学(7位の硫黄原子の立体化学がR体のもの)を持つ化合物群はクリンダマイシンから以下の方法を用いることにより製造できる。
スキーム21
Figure 0005064237
第102工程において、式(95)の化合物から式(96)の化合物への変換は、例えばJ. Antibiotics., 49, 941.に記載された方法に準じて製造できる。
第23に式(I)おいてRおよびRがHで表される化合物群は、例えばスキーム12に記載の方法により、その前駆体である式(97)の化合物を製造した後、以下の方法を用いて製造できる。
スキーム22
Figure 0005064237
第103工程において、式(97)の化合物から式(98)の化合物への変換は、例えば、ベンゼン溶媒中、塩基存在下、式(97)の化合物に置換されていても良いアルキルハライドを1〜10等量用い反応させることにより製造できる。本反応における反応溶媒はベンゼンの他に、一般的な溶媒であっても良く、好ましくはトルエン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、1−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等の溶媒が良い。塩基は一般的な無機塩基であっても良く、好ましくは、カリウム tert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム等がよく過剰量用いるとよい。反応温度は0〜50℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
第104から113工程において、式(98)の化合物から式(103)の化合物および式(104)の化合物への変換は、例えばスキーム12に記載した第47から58工程までの方法に準じて製造できる。
スキーム22に記載される式(103)および式(104)の化合物群はスキーム13に記載した同様の方法によっても製造できる。
第24に式(I)おいてR、RおよびRが(i)置換されていてもよいアシル基、または(ii)置換されていてもよいC1−6アルキル基である化合物群は、例えばスキーム12に記載の方法により、その前駆体である式(49)の化合物または式(54)の化合物を製造した後、以下の方法を用いて製造できる。
スキーム23
Figure 0005064237
第114、115工程において、式(49)の化合物から式(105)の化合物および式(54)の化合物から式(107)の化合物への変換は、例えば、(i)ピリジン溶媒中、塩基存在下、式(49)または式(54)に置換基を有していてもよい酸無水物、またはアシルハライドを1〜10等量用い反応させることにより製造できる。本反応における反応溶媒はピリジンの他に、一般的な極性溶媒であっても良く、好ましくはテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等の溶媒が良い。塩基は一般的な、有機塩基または無機塩基であっても良く、好ましくはジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等がよく過剰量用いるとよい。反応温度は0〜100℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。(ii)上記、第103工程に記載した方法に準じて製造できる。
第116工程において、式(105)の化合物から式(106)の化合物への変換は、例えば上記、第57工程に記載した方法に準じて製造できる。
スキーム23に記載される式(106)の化合物および式(107)の化合物群はスキーム13に記載した同様の方法によっても製造できる。
スキーム23に記載した方法では製造上または精製上等で効率的に製造し難い化合物群も存在する。これらの化合物群(式(106)および式(107))は、別法として、スキーム15からスキーム20に記載の方法を用いても製造できる。
第25に式(I)において、R、R、およびRがHであり、mが3である化合物群は、例えば下記の一般的方法に従って製造することができる。
スキーム24
Figure 0005064237
スキーム24中、Rは、CR'(R'')(R''')を表す。
第117工程において、式(108)の化合物から式(109)の化合物への変換は、以下の(i)または(ii)どちらかの方法を用いる事により製造できる。
例えば(i) メタノール溶媒中、1〜10等量の4N 塩酸−ジオキサン存在下、式(108)の化合物を反応させることにより製造できる。本反応における酸は塩酸の他に一般的に知られる強酸であっても良く、好ましくは、硫酸等が良く1〜10等量用いると良い。反応温度は0〜50℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜120時間である。
(ii) メタノール溶媒中、1〜10等量のチオニルクロリド存在下、式(108)の化合物を反応させることにより製造できる。本反応における反応試薬はチオニルクロリドの他に一般的に知られるカルボン酸活性化剤であっても良く、好ましくはチオニルブロミド、オキザリルクロリド、ジシクロヘキシルカルボジイミド−4−ジメチルアミノピリジン複合系縮合剤等がよく1〜10等量用いると良い。反応温度は0〜50℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
スキーム24中、Nsとはo−ニトロベンゼンスルホニル基を表す。
第118工程において、式(109)の化合物から式(110)の化合物への変換は、例えばジエチルエーテル溶媒中、塩基存在下、式(109)の化合物にo−ニトロベンゼンスルホニルクロリドを1〜10等量反応させることにより製造できる。本反応における反応溶媒はジエチルエーテルの他に、一般的な溶媒であっても良く、好ましくはテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、塩化メチレンなどが良く、塩基は一般的に知られる無機塩基または有機塩基であっても良く、好ましくは炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1−メチル−2H−ピリミド[1,2−a]ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等が良く1〜10等量用いると良い。反応温度は0〜50℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
第119工程において、式(111)の化合物から式(112)の化合物への変換は、例えばジエチルエーテル溶媒中、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、n−ブチルリチウム存在下、0℃で3−メチル−3−ブテン−1−オールを反応させた後、−78℃において、R’Brで表されるアルキルブロミドを1〜5当量加え、反応系を室温まで昇温させる事により製造できる。本反応における反応溶媒はジエチルエーテルの他に、一般的なエーテル系溶媒でもあってもよく、好ましくはテトラヒドロフラン等がよく、反応温度は−78℃〜室温の範囲で行い、反応時間は15〜36時間である。
第120工程において、式(110)の化合物と式(112)の化合物から式(113)の化合物への変換は、例えばテトラヒドロフラン溶液中、式(112)の化合物、トリフェニルホスフィン、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート存在下、式(110)の化合物を1〜10等量用い反応させることにより製造できる。本反応における反応溶媒はテトラヒドロフランの他に、一般的な反応溶媒でもあってもよく、好ましくはベンゼン、トルエン、トリフルオロメチルベンゼン、アセトニトリル等がよく、ホスフィン試薬はトリフェニルホスフィンの他に、一般的に文献などで知られるホスフィン試薬であってもよく、好ましくはo−トリルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン等がよく、1〜5等量も用いると良い。アゾ試薬はジイソプロピルアゾジカルボキシレートの他に、一般的に文献などで知られるアゾ試薬であっても良く、好ましくはジエチルアゾジカルボキシレート、1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン等がよく、1〜5等量用いると良い。反応温度は0〜50℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
第121工程において、式(113)の化合物から式(114)の化合物への変換は、例えば塩化メチレン溶媒中、0.01〜0.1当量のベンジリデン[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム存在下、式(113)の化合物を閉環させる事により製造できる。本反応における反応溶媒は塩化メチレン溶媒の他に、一般的なハロゲン系溶媒であっても良く、好ましくはクロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等が良い。反応温度は室温〜100℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
第122工程において、式(114)の化合物から式(115)の化合物への変換は、例えばジオキサン−水混合溶媒中、塩基存在下、式(114)の化合物を加水分解することにより製造できる。本反応における反応溶媒はジオキサン−水混合溶媒の他に、一般的なアルコール−水混合溶媒であっても良く、好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールと水との混合溶媒等が良い。塩基は一般的に知られる無機塩基であっても良く、好ましくは水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム等を1〜10当量用いると良い。反応温度は0〜120℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
第123工程において、式(115)の化合物から式(116)の化合物への変換は、例えば上述のスキーム12における第44工程に記載した方法に準じて製造できる。
第124工程において、式(116)の化合物から式(117)の化合物への変換は、例えばN,N−ジメチルホルムアミド溶媒中、塩基存在下、式(116)の化合物にベンゼンチオールを1〜10等量反応させることにより製造できる。本反応における反応溶媒はN,N−ジメチルホルムアミドの他に、一般的な溶媒であっても良く、好ましくはテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1−メチルピロリドン、ジエチルエーテルなどが良く、塩基は一般的に知られる無機塩基または有機塩基であっても良く、好ましくは炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ−[4,4,0]デク−5−エン等が良く1〜10等量用いると良い。チオールはベンゼンチオールの他に、一般的に知られるアルキルチオールまたはアリールチオールであっても良く、好ましくは、4−ブロモベンゼンチオール、4−t−ブチルベンゼンチオール等が良く1〜10等量用いると良い。反応温度は0〜50℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
第125工程において、式(117)の化合物から式(118)の化合物への変換は、例えば、メタノール溶媒中、金属触媒存在下、水素雰囲気下で反応を行うことにより製造できる。本反応における金属触媒は一般的に水素還元で使用される金属触媒であっても良く、好ましくは、ラネーニッケル、パラジウム/カーボン、水酸化パラジウム/カーボンなどが良い、反応温度は0〜50℃の範囲で行い、反応時間は0.5〜24時間である。
第126工程において、式(118)の化合物から式(119)の化合物への変換は、例えば上述のスキーム12における第64工程に記載した方法に準じて製造できる。
式(119)の化合物から式(46)の化合物への変換は、例えば上述のスキーム12における第45工程または第68工程に記載した方法に準じて製造できる。
スキーム24における式(46)の化合物(m=3)から式(54)の化合物への変換は、例えば上述のスキーム12に記載した方法に準じて製造できる。
以下本発明を以下の実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下に、本発明化合物を得るための参考例および実施例と本発明化合物の理化学性状を示す。
参考例1: 5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール
安息香酸3.67g(30mmol)およびチオセミカルバジド2.73g(30mmol)にオキシ塩化リン7mlを加え80℃で1時間撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液500mlに滴下し、得られた沈殿を濾取、乾燥後、アセトニトリル20 mlに縣濁し、塩化第二銅6g(45mmol)および亜硝酸 tert-ブチル5.3g(45mmol)を加え室温で3時間撹拌した。溶媒を留去し得られた残渣に酢酸エチル100mlを加え1N塩酸30mlおよび蒸留水50mlで順次洗浄した。溶媒を留去後、残渣をエタノール20mlに溶解しチオウレア 3.4g(45mmol)を加え3時間加熱還流した。溶媒を留去し得られた残査に酢酸エチル100mlを加え蒸留水50mlで洗浄した。溶媒を留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=30 :1) にて精製し、表題化合物を3.17g(収率55%)得た。
参考例1と同様の方法にて以下の化合物を合成し、実施例に用いた。
5−(ナフタレン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(キノリン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(2,4−ジニトロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(4−フルオロ−2−ニトロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(2−シアノフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(3,4−ジフルオロ−2−ニトロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(5−フルオロ−2−ニトロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(5−メチル−2−ニトロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(5−(アゼチジン−1−イル)−2−ニトロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(1−メチル−5−ニトロ−1H−ピラゾール−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(4−アミノ−2−ニトロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(1−メチル−4−ニトロ−1H−ピラゾール−5−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(1−メチル−4−ニトロ−1H−イミダゾール−2−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(1−メチル−4−ニトロ−1H−ピラゾール−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール。
参考例2: 5−(2−ニトロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール
2-ニトロベンゾヒドラジド1.81g (10mmol)のメタノール(8ml)溶液に二硫化炭素4mlを加えた後、水酸化カリウム616mg(11mmol)のメタノール(10ml)溶液を加え、室温で6時間撹拌した。析出した結晶を濾取、乾燥後、濃硫酸5 mlに滴下し室温で3時間撹拌した。反応液を氷水100mlに滴下し、得られた沈殿を濾取、乾燥後して表題化合物1.21g(51%)を得た。
参考例2と同様の方法にて以下の化合物を合成し、実施例に用いた。
5−(2−ニトロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(3−ニトロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(4−ニトロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(2−クロロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(4−クロロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(2−フルオロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(2−メチルチオフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(2−メチルスルホニルフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(2−メトキシフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(2−メチルフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(4−クロロ−2−ニトロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(ピリジン−2−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(ピリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(ピリジン−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(3,5−ジアミノフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(3,4−ジアミノフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(チアゾール−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(5−(メチルアミノ)チアゾール−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(5−アミノチアゾール−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(2−アミノチアゾール−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(チオフェン−2−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(3−アミノチオフェン−2−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(5−アミノ−1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(1,2,3−チアジアゾール−4−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(4−メチル−1,2,3−チアジアゾール−5−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(フラン−2−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(ピラジン−2−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(3−アミノピラジン−2−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(2−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−5−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(2−アミノピリジン−3−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(2−アミノピリジン−5−イル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、5−(2−メチルアミノフェニル)−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール。
参考例3: 2−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)−5−メチルチオ−1,3,4−チアジアゾール
参考例2で得られた5-(4,5-ジメトキシ-2-ニトロフェニル)-1,3,4- チアジアゾール-2-チオール150mg(0.510mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(2ml)溶液に炭酸カリウム13.8mg(1.0mmol) 、ヨウ化メチル0.0624ml(1.0mmol)を加え、室温下10分攪拌した。酢酸エチル30mlで希釈後、10%塩化アンモニウム水溶液30ml、飽和食塩水30 mlで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮後、得られる結晶をジイソプロピルエーテルで洗浄し、表題化合物140mg(収率89%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 2.85 (3H, s), 3.99 (3H, s), 4.02 (3H, s), 7.17 (1H,s), 7.66 (1H, s).
MS (FAB+) m/z: 314 (M++1).
参考例4: 2−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)−5−メチルスルホニル−1,3,4−チアジアゾール
参考例3の表題化合物135mg(0.431mmol)のジクロロメタン(2ml) 溶液にm-クロロ安息香酸405mg(2.35mmol)を氷冷下加え、室温下で1時間攪拌した。クロロホルム30mlで希釈後、10%チオ硫酸水溶液30ml、10%炭酸水素ナトリウム水溶液30 mlで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮後、得られる結晶をジイソプロピルエーテルで洗浄し、表題化合物149mg(収率100%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 3.54 (3H, s), 4.02 (3H, s), 4.05 (3H, s), 7.16 (1H,s), 7.75 (1H, s).
参考例5: 2−(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)安息香酸メチル
フタル酸モノメチルエステル5g(27.8mmol)、チオセミカルバジド 2.53g(30mmol)にオキシ塩化リン20mlを加え80℃で4時間撹拌した。反応液を氷水250mlに滴下し、炭酸カリウムで中和した。酢酸エチルで250 mlで2回抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮後、得られた残渣を酢酸エチル、クロロホルムで洗浄し、表題化合物860mg(収率13%)を得た。
MS (FAB+) m/z: 236 (M++1).
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6)δ: 3.20 - 3.60 (2H, br), 3.72 (3H, s), 7.50 - 7.75 (4H,m).
参考例6: 2−(5−クロロ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)安息香酸メチル
参考例5の表題化合物850mg(3.61mmol)をアセトニトリル20mlに縣濁し、塩化第二銅972 mg(7.23mmol)、亜硝酸 tert-ブチル0.644ml(5.42mmol)を加え室温で40分撹拌した。酢酸エチル(100ml)、水(50ml)を加え、不溶物を濾別した後、飽和食塩水(50ml)を加え洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン: 酢酸エチル=100:0-80:20)で精製し、表題化合物442mg(収率48%)を得た。
MS (FAB+) m/z: 255 (M++1).
1H-NMR (400 MHz,DMSO-d6)δ: 3.83 (3H, s), 7.60 - 7.75 (3H, m), 7.95 - 8.05 (1H, m).
参考例6と同様の方法にて以下の化合物を合成し、実施例に用いた。
2−クロロ−5−(ニトロピリジン−2−イル)−1,3,4−チアジアゾール。
参考例7:
(i) N−(4−ブロモフェニル)アセタミド
4-ブロモアニリン200mg(1.16mmol)のテトラヒドロフラン(2ml)溶液にトリエチルアミン0.65ml(4.65mmol)を加え、室温にて5分攪拌した。この溶液にアセチルクロリド0.165ml(2.33mmol)を加え、室温にて17時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて反応を停止させ酢酸エチルにて抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水にて順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1)で精製し、表題化合物249mg(収率99%)を得た。
参考例7(i)と同様の方法にて以下の化合物を合成し実施例に用いた。
N−(4−ブロモフェニル)プロピオナミド、N−(4−ブロモフェニル)ペンタナミド、N−(4−ブロモフェニル)−2−メトキシアセタミド。
(ii) N−(4−ブロモフェニル)−N−メチルアセタミド
参考例7(i)の表題化合物249mg(1.16mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(2.5ml)溶液に水素化ナトリウム(55% in paraffin liquid)101.5mg(2.33mmol)を加え、30分室温にて攪拌した。その後ヨウ化メチルを加え、室温にて1時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて反応を停止させ酢酸エチルにて抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水にて順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、表題化合物239mg(収率90%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 1.88 (3H, s), 3.24 (3H, s), 7.08 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.54 (2H, d, J = 8.5 Hz).
MS(FAB+) m/z: 227(M++1).
参考例7(ii)と同様の方法にて以下の化合物を合成し実施例に用いた。
N−(4−ブロモフェニル)−2−メトキシ−N−メチルアセタミド、N−(4−ブロモフェニル2−メトキシ−N−プロピルアセタミド。
参考例8:
(i) (4−ブロモフェニル)(モルホリノ)メタノン
4-ブロモ安息香酸2.0g(9.95mmol)のN,N -ジメチルホルムアミド(15ml)溶液に1-ヒドロキシベンゾトリアゾール2.02g(14.9mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩2.86g(14.9mmol)を加え、室温にて10分攪拌した。その後モルホリン1.3ml(14.9mmol)を加え、室温にて18時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて反応を停止させ酢酸エチルにて抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水にて順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製し、表題化合物2.66g(収率99%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 3.76 (8H, brs), 7.30 (2H, ddd, J = 8.3, 1.7, 1.7 Hz), 7.56 (2H, ddd, J = 8.3, 1.7, 1.7 Hz).
MS(ESI+) m/z: 270(M++1).
モルホリンを種々のアミンに代えて参考例8(i)と同様の方法にて以下の化合物を合成し実施例に用いた。
(4−ブロモフェニル)(ピペリジン−1−イル)メタノン、(4−ブロモフェニル)(ピロリジン−1−イル)メタノン、(S)−(4−ブロモフェニル)(2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)メタノン、(S)−(4−ブロモフェニル)(2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル)メタノン、(R)−(4−ブロモフェニル)(2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル)メタノン、(R)−(4−ブロモフェニル)(3−ヒドロキシピロリジン−1−イル)メタノン、4−ブロモ−N−(1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル)ベンザミド、4−ブロモ−N−(3−ヒドロキシプロピル)ベンザミド、4−ブロモ−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(3−ヒドロキシプロピル)ベンザミド、(S)−4−ブロモ−N−(1−ヒドロキシブタン−2−イル)ベンザミド。
4-ブロモ安息香酸をフェニル基上に置換基のある種々の4-ブロモ安息香酸に代え参考例8(i)と同様の方法にて以下の化合物を合成し実施例に用いた。
(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)(モルホリノ)メタノン、(4−ブロモ−2−ニトロフェニル)(モルホリノ)メタノン、(4−ブロモ−3−フルオロフェニル)(モルホリノ)メタノン、(4−ブロモ−2−メチルフェニル)(モルホリノ)メタノン、(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)(ピペリジン−1−イル)メタノン、(4−ブロモ−3−フルオロフェニル)(ピペリジン−1−イル)メタノン。
(ii) (R)-(4-ブロモフェニル)(3-メトキシピロリジン-1-イル)メタノン
参考例8(i)と同様の方法で合成した(R)-(4-ブロモフェニル)(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メタノン54mg(0.176mmol)のジメチルスルホキシド(1ml)溶液に水酸化ナトリウム10.6mg(0.264mmol)を加えた後、ヨウ化メチル0.11ml(1.76mmol)を加え、100℃にて20時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水にて順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮後、残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=9:2:0.2)で精製し、表題化合物45mg(収率90%)を得た。
参考例8(ii)と同様の方法にて以下の化合物を合成し実施例に用いた。
4−ブロモ−N−(1,3−ジメトキシプロパン−2−イル)ベンザミド。
(iii) (S)-(2-(アリルオキシメチル)ピロリジン-1-イル)(4-ブロモフェニル)メタノン
参考例8(i)と同様の方法で合成した(S)-(4-ブロモフェニル)(2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-イル)メタノン200mg(0.704mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(2ml)溶液に水素化ナトリウム(55% in paraffin liquid)61.5mg(1.41mmol)を加え、30分室温にて攪拌した。その後ヨウ化アリルを加え、室温にて1時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて反応を停止させ酢酸エチルにて抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水にて順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製し、表題化合物155mg(収率68%)を得た。
(iv) (S)-S-(1-(4-ブロモベンゾイル)ピロリジン-2-イル)メチル エタンチオエイト
参考例8(i)で合成した(S)-(4-ブロモフェニル)(2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン -1-イル)メタノン200mg(0.704mmol)のクロロホルム(2ml)溶液にトリエチルアミン0.2ml(1.41mmol)を加え、室温にて10分攪拌した。その後メタンスルホニルクロリド0.11ml(1.41mmol)を加え、10分間室温にて攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて反応を停止させクロロホルムにて抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水にて順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮後乾燥した。得られた粗生成物のN,N -ジメチルホルムアミド(4ml)溶液にチオ酢酸カリウム160.8mg(1.41mmol)を加え、100℃にて2時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて反応を停止させ酢酸エチルにて抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水にて順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮後、残渣を分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製し、表題化合物100mg(収率42%)を得た。
(v) (S)-(4-ブロモフェニル)(2-(メチルチオメチル)ピロリジン-1-イル)メタノン
参考例8(iv)の表題化合物100mg(0.292mmol)のメタノール(1ml)溶液にナトリウムメトキシド(28% in メタノール)0.22ml(0.876mmol)を加え、室温にて15分攪拌した。その後ヨウ化メチル0.11ml(1.75mmol)を加え、室温にて20時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて反応を停止させ酢酸エチルにて抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水にて順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮後、残渣を分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:4)で精製し、表題化合物55mg(収率60%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 1.73-1.80 (1H, m), 1.89-1.98 (2H, m), 2.15-2.21 (4H, m), 2.78 (1H, dd, J = 13.2, 8.3 Hz), 3.04 (1H, dd, J = 13.2, 2.9 Hz), 3.40-3.54 (2H, m), 4.45-4.46 (1H, m), 7.41 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.54 (2H, d, J = 8.3 Hz).
MS(EI+) m/z: 313(M+).
(vi) (S)-(2-(アジドメチル)ピロリジン-1-イル)(4-ブロモフェニル)メタノン
参考例8(i)と同様の方法にて合成した(S)-(4-ブロモフェニル)(2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン -1-イル)メタノン397 mg (1.4 mmol)の塩化メチレン(15 ml)溶液に氷冷下、ジイソプロピルエチルアミン0.36 ml (2.1 mmol)とメタンスルホニルクロリド0.15 ml (1.9 mmol)を加え、2時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチル45 mlで希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄した。水層を酢酸エチル5 mlで2回抽出し、有機層を併せて25 %食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、これを濾過し、濾液を減圧濃縮して得られた残渣をN, N - ジメチルホルムアミド10 mlに溶解し、アジ化ナトリウム146 mg (2.2 mmol)を加え、50℃で5時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチル20 mlで希釈し、12.5 %食塩水10 mlで5回洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、これを濾過し、濾液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、表題化合物を194 mg (収率45 %)得た。
(vii) (S)-(2-(アミノメチル)ピロリジン-1-イル)(4-ブロモフェニル)メタノン
参考例8(vi)の表題化合物194 mg (0.63 mmol)をテトラヒドロフラン10 mlと水1 mlに溶解し、トリフェニルホスフィン852 mg (3.1 mmol)を加え、60℃で5時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム : メタノール = 40 : 1 〜 5 : 1)で精製し、表題化合物を177 mg (収率100 %)得た。
1H-NMR (300 MHz,CDCl3)δ: 1.71-2.17 (4H, m), 2.89 (1H, dd, J = 6.3, 12.6 Hz), 3.05 (1H, dd, J = 4.8, 12.6 Hz), 3.40-3.47 (2H, m), 4.29 (1H, t, J = 6.0 Hz), 7.40 (2H, d, J = 8.1 Hz), 7.54 (2H, d, J = 8.4 Hz).
MS (FAB) m/z: 283 (M++1).
(viii) (S)-(4-ブロモフェニル)(2-((N,N-ジメチルアミノ)メチル)ピロリジン-1-イル)メタノン
参考例8(vii)の表題化合物104 mg (0.37 mmol)のメタノール(3 ml)溶液に酢酸105 μl (1.8 mmol)、37 %ホルムアルデヒド水溶液0.15 ml (2.0 mmol)、トリアセトキシホウ素ナトリウム416 mg (1.9 mmol)を加え、室温で7時間撹拌した。溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム : メタノール = 20 : 1 〜 7 : 1) にて精製し、表題化合物を104 mg (収率90 %)得た。
1H-NMR (300 MHz,CDCl3)δ: 1.74-2.00 (3H, m), 2.12-2.25 (1H, m), 2.53 (6H, s), 2.57-2.67 (1H, m), 3.01 (1H, dd, J = 3.0, 11.7 Hz), 3.35-3.54 (2H, m), 4.43-4.54 (1H, br), 7.40 (2H, d, J = 8.1 Hz), 7.54 (2H, d, J = 8.4 Hz).
MS (FAB) m/z: 310 (M++1).
(ix) (S)-(4-ブロモフェニル)(2-(ヨードメチル)ピロリジン-1-イル)メタノン
参考例8(i)と同様の方法にて合成した(S)-(4-ブロモフェニル)(2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン -1-イル)メタノン504 mg (1.8 mmol)の塩化メチレン(40 ml)溶液に氷冷下、イミダゾール310 mg (4.5 mmol)、トリフェニルホスフィン1.75 g (6.5 mmol)、ヨウ素568 mg (2.2 mmol)のテトラヒドロフラン(12 ml)溶液を加え、氷冷下で3時間、室温で4時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチル60 mlで希釈し、8 %炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。水層を酢酸エチル8 mlで2回抽出し、有機層を併せて25 %食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、これを濾過し、濾液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n‐ヘキサン : 酢酸エチル = 4 : 1)で精製し、表題化合物を438 mg (収率63 %)得た。
(x) (S)-(4-ブロモフェニル)(2-((メチルアミノ)メチル)ピロリジン-1-イル)メタノン
参考例8(ix)の表題化合物80 mg(0.20 mmol)を40 %メチルアミンメタノール溶液1 mlに溶解し、室温で44時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮して得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(クロロホルム : メタノール : 28 %アンモニア水 = 5 : 1 : 0.1)で精製し、表題化合物を36 mg (収率59 %)得た。
1H-NMR (300 MHz,CDCl3)δ: 1.72-2.00 (3H, m), 2.10-2.25 (1H, m), 2.53 (3H, s), 2.87 (1H, dd, J = 5.4, 12.0 Hz), 3.02 (1H, dd, J = 5.4, 12.0 Hz), 3.40-3.56 (2H, m), 4.44 (1H, t, J = 6.0 Hz ), 7.43 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.55 (2H, d, J = 8.4 Hz).
MS (FAB) m/z: 297 (M++1).
参考例9:
(i) (S)-N-(1-ヒドロキシブタン-2-イル)-2-ニトロベンゼンスルホナミド
(S)-2-アミノブタン-1-オール400mg(4.49mmol)のテトラヒドロフラン(5ml)溶液にトリエチルアミン0.94ml(6.74mmol)を加え、10分室温にて攪拌した。この溶液に2 - ニトロベンゼンスルホニルクロリド995.1mg(4.49mmol)を加え室温にて15分攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、反応を停止させた後、酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、表題化合物1.22g(収率99%)を得た。
(ii) (S)-N-(1-ヒドロキシブタン-2-イル)-N-(2-ヒドロキシエチル)-2-ニトロベンゼンスルホナミド
参考例9(i)の表題化合物100.7mg(0.367mmol)のN,N - ジメチルホルムアミド(1.0ml)溶液に水素化ナトリウム(60% in paraffin liquid)19.2mg (0.441mmol)を加え、室温にて30分攪拌した。これにtert-ブチル(2-ヨードエトキシ)ジメチルシラン126.2mg(0.441mmol)を加え、室温にて5日間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、反応を停止させた後、酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮後、分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:4)で精製し、粗化合物154mgを得た。
この粗化合物154mg(0.356mmol)のメタノール(3.0ml)溶液に、1N 塩酸1mlを加え、室温にて35分攪拌した。減圧下メタノール水溶液溶を除去した後、得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28% アンモニア水 = 9 : 2 : 0.2)で精製し、表題化合物97mg(2工程収率83%)を得た。
(iii) (S)-3-エチル-4-(2-ニトロフェニルスルホニル)モルホリン
参考例9(ii)の表題化合物95mg(0.298mmol)のトルエン(3ml)溶液に1M (シアノメチレン)トリブチルホスホランのトルエン溶液0.558ml(0.558mmol)を加え加熱還流下1時間20分攪拌した。その後室温まで冷却し、溶媒を減圧下除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:4)で精製し、表題化合物89mg(収率99%)を得た。
(iv) (S)-(4-ブロモフェニル)(3-エチルモルホリノ)メタノン
参考例9(iii)の表題化合物89mg(0.296mmol)のN,N - ジメチルホルムアミド(1.0ml)溶液に炭酸カリウム49.1mg(0.355mmol)を加え室温にて5分攪拌した。これに4-ブロモベンゼンチオール56.0mg(0.296mmol)を加え室温にて5時間攪拌した。その後、N,N-ジメチルホルムアミド(1.0ml)、4-ブロモ安息香酸119.0mg(0.592mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール80.0mg(0.592mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩119.0mg(0.592mmol)を順次加え室温にて4.5時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え反応を停止させた後、酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮後、分取薄層クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:4)で精製し、表題化合物64mg(2工程収率72%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CD3OD)δ: 1.73-1.82 (1H, m), 1.92-2.01 (1H, m), 3.47-3.54 (2H, m), 3.63-3.68 (1H, m), 3.72-3.86 (5H, m), 7.30-7.37 (2H, m), 7.58-7.65 (2H, m).
MS (FAB+) m/z: 284(M++1).
参考例9(i)の(S)-2-アミノブタン-1-オールと参考例9(ii)のtert-ブチル(2-ヨードエトキシ)ジメチルシランをそれぞれ2-アミノエタノールとtert-ブチル(3-ヨードプロポキシ)ジメチルシランに代えて参考例9と同様の方法によって以下の化合物を合成し実施例に用いた。
(4-ブロモフェニル)(1,4-オキサゼパン-4-イル)メタノン。
参考例10:
(i) (4-ブロモフェニル)(3-(ヒドロキシメチル)モルホリノ)メタノン
参考例9(i)の(S)-2-アミノブタン-1-オールを2-アミノプロパン-1,3-ジオールに代えて参考例9と同様の方法によって得た。
(ii) (4-ブロモフェニル)(3-(メトキシメチル)モルホリノ)メタノン
参考例10(i)の表題化合物22mg(0.073mmol) ジメチルスルホキシド (1.0ml)溶液に水酸化ナトリウム10.2mg(0.256mmol)を加えた後、ヨウ化メチル0.091ml(1.46mmol)を加え、100℃にて23時間加熱した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し濾過した。濾液を減圧下濃縮後、分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1)で精製し、表題化合物18mg(収率78%)を得た。
参考例11:
(i) N-(2-ヒドロキシエチル)-N-(3-ヒドロキシプロピル)-2-ニトロベンゼンスルホナミド
参考例9(i)の(S)-2-アミノブタン-1-オールを2-アミノエタノールに代え、また参考例9(ii)のtert-ブチル(2-ヨードエトキシ)ジメチルシランをtert-ブチル(3-ヨードプロピル) ジメチルシランに代え、参考例9(i)、(ii)と同様の方法にて表題化合物289mg(3工程収率43%)を得た。
(ii) N-(2-メトキシエチル)-N-(3-メトキシプロピル)-2-ニトロベンゼンスルホナミド
参考例11(i)の表題化合物109 mg (0.358 mmol)を用い、参考例 10(ii)と同様の方法により表題化合物70mg(収率59%)を得た。
(iii) 4-ブロモ-N-(2-メトキシエチル)-N-(3-メトキシプロピル)ベンザミド
参考例11(ii)の表題化合物70 mg (0.211 mmol)を用い、参考例9(iv)の1-ヒドロキシベンゾトリアゾールを3H-1,2,3,-トリアゾロ-[4,5-b]ピリジン-3-オールに代えて参考例 9(iv)と同様の方法により表題化合物34mg(収率49%)を得た。
参考例12:
(i) 4-(1-ヒドロキシ-2-(2-ニトロフェニルスルホナミド)エチル)フェニル 2-ニトロベンゼンスルホネート
4-(2-アミノ-1-ヒドロキシエチル)フェノール5g(26.4mmol)のジオキサン(50ml)溶液に1N 水酸化ナトリウム水溶液79.1ml(79.1mmol)を加え、室温で5分攪拌した。この溶液に2 - ニトロベンゼンスルホニルクロリド14.6g(65.9mmol)を加え、室温にて17時間攪拌した後、減圧下ジオキサン溶媒を除去し塩化メチレンにより抽出した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、表題化合物13.3g(収率97%)を得た。
(ii) 4-(1-ヒドロキシ-2-(N-(2-ヒドロキシエチル)-2-ニトロフェニルスルホナミド)エチル)フェニル 2-ニトロベンゼンスルホネート
参考例12(i)の表題化合物3.0g(5.82mmol)のN,N -ジメチルホルムアミド(19.1ml)溶液に水素化ナトリウム0.31g(7.0mmol)を加え、30分室温にて攪拌した。その後tert-ブチル(2-ヨードエトキシ)ジメチルシラン1.65g(5.82mmol)を加え、100℃にて21時間攪拌した。炭酸水素ナトリウムを用いて反応を停止させ酢酸エチルにて抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水にて順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過し濾液を減圧下濃縮した。この残渣にメタノール48mlを加えた後、1N 塩酸11.6ml(11.6mmol)を加え、室温にて30分攪拌した。炭酸水素ナトリウムを加え、反応を停止させた後、減圧下メタノール溶媒を除去し酢酸エチルにて抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水にて順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:1)で精製し、表題化合物2.22g(収率68%)を得た。
(iii) 4-(4-(2-ニトロベンゼンスルホニル)モルホリン-2-イル)フェニル 2-ニトロベンゼンスルホネート
参考例12(ii)の表題化合物2.22g(3.91mmol)のトルエン(55.0ml)溶液に1M (シアノメチレン)トリブチルホスホランのトルエン溶液5.87ml(5.87mmol)を加え、加熱還流下1時間20分攪拌した。その後室温まで冷却し、溶媒を減圧下除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、表題化合物1.16g(収率54%)を得た。
(iv) 4-(モルホリン-2-イル)フェノール
参考例12(iii)の表題化合物1.16g(2.11mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(8.5ml)溶液に炭酸カリウム0.88g(6.33mmol)を加え、室温にて5分攪拌した。これに4-ブロモベンゼンチオール1.20g(6.33mmol)を加え、室温にて3.5時間攪拌した。1N 塩酸を加えて反応を停止させpH=3とした。酢酸エチルを用いて水層を洗浄し得られた水層を減圧下濃縮乾固した。残渣にメタノールを加え、濾過した。濾液を減圧下濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1、クロロホルム:メタノール:28% アンモニア水=9:2:0.2)で精製し、表題化合物240mg(収率63%)を得た。
(v) 4-(4-メチルモルホリン-2-イル)フェノール
参考例12(iv)の表題化合物15mg(0.084mmol)のメタノール(0.7ml)溶液に36%ホルムアルデヒド水溶液20.1mg(2.51mmol)、酢酸0.029ml (0.502mmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム53.2mg(0.251 mmol)を順次加え、室温にて15分攪拌した。その後、分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28% アンモニア水=9:2:0.2)で精製し、表題化合物15mg(収率93%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CD3OD : CDCl3 = 1 : 1)δ: 2.15 (1H, dd, J = 10.7, 11.7 Hz), 2.30 (1H, dt, J = 3.4, 11.7 Hz), 2.79 (1H, d, J = 11.7 Hz), 2.86 (1H, d, J = 11.9 Hz), 3.82 (1H, dt, J = 2.2, 11.7 Hz), 7.02 (1H, dd, J = 2.2, 11.7 Hz), 4.46 (1H, dd, J = 3.2, 10.4 Hz), 6.80 (2H, ddd, J = 2.0, 2.7, 8.5 Hz), 7.20 (2H, ddd, J = 2.0, 2.7, 8.8 Hz).
MS (ESI+) m/z: 194(M++1).
参考例12と同様の方法にて以下の化合物を合成し実施例に用いた。
4-(4-プロピルモルホリン-2-イル)フェノール。
参考例13: 4-(4-(2-メトキシエチル)モルホリン-2-イル)フェノール
参考例12(iv)の表題化合物30.0mg(0.167mmol)のテトラヒドロフラン-塩化メチレン(1ml:1ml)溶液にトリエチルアミン0.12ml(0.835mmol)を加え、10分室温にて攪拌した。その後1-ブロモ-2-メトキシエタン0.023ml(0.251mmol)を加えた後、N,N - ジメチルホルムアミド(1ml)を加え室温にて5日間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、反応を停止させた後、酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮後、分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28% アンモニア水=9:2:0.2)で精製し、表題化合物20mg(収率50%)を得た。
参考例14:
(i) 4 - ブロモ - 3’ - アミノビフェニル
1, 4 -ジブロモベンゼン311 mg (1.3 mmol)および3 -アミノフェニルボロン酸201 mg (1.3 mmol)をN, N - ジメチルホルムアミド17 mlおよび水4.2 mlに溶解し、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム154 mg (0.13 mmol)および炭酸ナトリウム211 mg (2.0 mmol)を加え、80 ℃で3時間撹拌した。反応液に酢酸エチル60 mlおよび水8.5 mlを加え、セライト濾過し、濾液の有機層を水30mlで5回洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過後、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン : 酢酸エチル=5:1)にて精製し、表題化合物を182 mg (収率57 %)得た。
1H-NMR (300 MHz,CDCl3)δ: 3.75 (2H, s), 6.68 (1H, ddd, J = 1.2, 2.4, 7.8 Hz), 6.85 (1H, t, J = 2.1 Hz), 6.93 (1H, ddd, J = 0.9, 1.8, 7.5 Hz), 7.21 (1H, t, J = 8.1 Hz), 7.41 (2H, ddd, J = 2.1, 2.4, 8.7 Hz), 7.53 (2H, ddd, J = 2.1, 2.4, 8.7 Hz).
MS (FAB) m/z: 247 (M++1).
参考例14(i)と同様の方法にて以下の化合物を合成し、実施例に用いた。
4−ブロモ−3’−メチルチオビフェニル、3−(4−ブロモフェニル)−5−メトキシピリジン、5−(4−ブロモフェニル)−2−メトキシピリジン、4−(4−ブロモフェニル)イソキノリン、5−ブロモ−2−(3−アミノフェニル)ピリジン、3−(4−ブロモフェニル)−2−フルオロピリジン、3−(4−ブロモフェニル)−5−フルオロピリジン、3−(4−ブロモフェニル)−6−フルオロピリジン、3−(4−ブロモフェニル)−5−シアノピリジン、5−(4−ブロモフェニル)ピリジン−2−アミン、4−(4−ブロモフェニル)−1−メチル−1H−ピラゾール、6−(4−ブロモフェニル)イミダゾ[2,1−b]チアゾール、1−(4−ブロモ−3,5−ジフルオロフェニル)−1H−テトラゾール、2−ブロモイミダゾ[2,1−b]チアゾール−6−カルボキサミド、2−ブロモ−N,N−ジメチルイミダゾ[2,1−b]チアゾール−6−カルボキサミド、6−ブロモ−2−(4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン、3−(4−ブロモフェニル)−2−メトキシピリジン。
(ii) 4-ブロモ-3’-N,N-ジメチルアミノビフェニル
参考例14(i)の表題化合物105 mg (0.42 mmol) のメタノール(3 ml)溶液に酢酸125 μl (2.2 mmol)、37 %ホルムアルデヒド水溶液0.32 ml (4.3 mmol)、トリアセトキシホウ素ナトリウム941 mg (4.4 mmol)を加え、室温で24時間撹拌した。溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n - ヘキサン : 酢酸エチル = 10 : 1) にて精製し、表題化合物を71 mg (収率61 %)得た。
1H-NMR (300 MHz,CDCl3)δ: 3.00 (6H, s), 6.73-6.76 (1H, m), 6.85-6.91 (2H, m), 7.30 (1H, t, J = 7.8 Hz), 7.45 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.54 (2H, d, J = 8.7 Hz).
(iii) 4−ブロモ−3’−N−アセチルアミノビフェニル
参考例14(i)の表題化合物51 mg (0.21 mmol) のテトラヒドロフラン(2 ml)溶液に氷冷下、トリエチルアミン88 μl (0.62 mmol)およびアセチルクロリド23 μl (0.31 mmol)を加え、1.5時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチル20 mlで希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄した。水層を酢酸エチル2 mlで2回抽出し、有機層を併せて25 %食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、これを濾過し、濾液を減圧濃縮して得られた残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(n - ヘキサン : 酢酸エチル = 1 : 2)で精製し、表題化合物を91 mg (収率96 %)得た。
1H-NMR (300 MHz,CDCl3)δ: 2.20 (3H, s), 7.27-7.48 (3H, m), 7.43 (2H, d, J = 8.7 Hz), 7.54 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.75 (1H, s).
MS (FAB) m/z: 290 (M++1).
参考例15:
(i) 4−(N−ピリジン−3−イル)アミノフェニルブロミド
1, 4 - ジブロモベンゼン502 mg (2.1 mmol)、4, 5 - ビス(ジフェニルホスフィノ) - 9,9 - ジメチルザンテン127 mg (0.21 mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム97 mg (0.11 mmol)のトルエン(15 ml)溶液に3 - アミノピリジン200 mg (2.1 mmol)とナトリウムtert - ブトキシド304 mg (3.2 mmol)を加え、100 ℃で3時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチル20 mlで希釈し、クロマトディスクを用いて不溶物を濾過した後、濾液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n - ヘキサン : 酢酸エチル = 2 : 1)で精製し、表題化合物とその脱ブロモ体の混合物(約3.5 : 1)を312 mg (収率50 %)得た。
1H-NMR (300 MHz,CDCl3)δ: 5.96 (1H, d, J = 28.8 Hz), 6.92-6.97 (2H, m), 7.19 (1H, t, J = 5.1 Hz), 7.35-7.41 (3H, m), 8.19 (1H, dd, J = 0.9, 4.8 Hz), 8.37 (1H, m).
MS (API) m/z: 249 (M++1).
(ii) 4-(N-メチル)(N-ピリジン-3-イル)アミノフェニルブロミド
参考例 15(i)の表題化合物193mg (0.78mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(4ml)溶液に水素化ナトリウム51mg(1.3mmol)とヨウ化メチル73μl(1.2mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチル20mlで希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄した。水層を酢酸エチル2mlで2回抽出し、有機層を併せて25 %食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、これを濾過し、濾液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し、表題化合物を163 mg (収率80 %)得た。
1H-NMR (300 MHz,CDCl3)δ: 3.31 (3H, s), 6.89-6.95 (2H, m), 7.13-7.31 (2H, m), 7.37-7.42 (2H, m), 8.20 (1H, d, J = 4.2 Hz), 8.34 (1H, d, J = 2.7 Hz).
実施例1:
(i) 2,3,4−トリ−O−トリメチルシリルリンコマイシン
リンコマイシン50g(122mmol)のピリジン(200ml)溶液に氷冷下塩化トリメチルシリル90ml(71mmol)およびヘキサメチルジシラザン65ml(60mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。溶媒を留去し得られた残渣をヘキサンで希釈し、水で2回洗浄した。溶媒を留去し得られた残渣のメタノール(150ml) 溶液に、80%酢酸水溶液22.5mlを加え室温で16時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30ml)を加え、溶媒を留去後、残渣をヘキサンで希釈し、水で2回洗浄した。溶媒を留去し表題化合物69.5g(収率91%)を得た。
1H-NMR (300 MHz,CDCl3)δ:0.25 - 0.45 (27H, m).
(ii) 7−(6−アミノベンゾ[d]チアゾール−2−イルチオ)−7−デオキシ−7−エピリンコマイシン (化合物1)
実施例1(i)の表題化合物312mg(0.5mmol)のテトラヒドロフラン(6ml)溶液に氷冷下、トリフェニルホスフィン197mg(0.75mmol)、ジエチルアゾジカルボキシレート0.12ml(0.75mmol)および6-アミノベンゾ[d]チアゾール-2-チオール137mg(0.75mmol)を順次加え、室温で16時間攪拌した。1N塩酸1ml(1mmol)を加え、溶媒を留去し得られた残査を水で希釈後、ジエチルエーテルで洗浄した。水層に炭酸水素ナトリウム150 mgを加え酢酸エチルで抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、溶媒を留去し得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=20:1:0.1) にて精製し表題化合物185 mg (収率65%)を得た。
ジエチルアゾジカルボキシレート(1.0mmol)を用い、実施例1(ii)における6-アミノベンゾ[d]チアゾール-2-チオール、トリフェニルホスフィン、1N塩酸に換えて4-ニトロフェニルジスルフィド(0.75mmol)、トリ-n-ブチルホスフィン(1.5mmol)、2N塩酸-メタノールを用いることによって化合物114を得た。
ジエチルアゾジカルボキシレート(1.0mmol)を用い、実施例1(ii)における6-アミノベンゾ[d]チアゾール-2-チオール、トリフェニルホスフィン、1N塩酸に換えて2- ニトロフェニルジスルフィド(0.75mmol)、トリ-n-ブチルホスフィン(1.5mmol)、2N塩酸-メタノールを用いることによって化合物115を得た。
ジエチルアゾジカルボキシレート(1.0mmol)を用い、実施例1(ii)における6-アミノベンゾ[d]チアゾール-2-チオール、トリフェニルホスフィン、1N塩酸に換えて、3-ニトロフェニルジスルフィド(0.75mmol)、トリ-n-ブチルホスフィン(1.5mmol)、2N塩酸-メタノールを用いることによって化合物116を得た。
実施例1(ii)と同様の方法により得た化合物(化合物1〜119、416および428)およびそのH-NMR、MSのデータを表2〜7、表21bに示す。
実施例2:
(i) 7-O-メチルスルホニル-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリルリンコマイシン
実施例1(i)の表題化合物4.0g(6.42mmol) のクロロホルム(20ml) 溶液に氷冷下トリエチルアミン2.45ml(16.1mmol)および塩化メタンスルホニル0.99ml(12.8mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。クロロホルム150mlで希釈後、10%炭酸水素ナトリウム水溶液150mlを加え洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0-75:25)にて精製し表題化合物4.2g(収率93%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 0.13 - 0.17 (27H, m), 2.10 (3H, s), 2.39 (3H, s), 3.08 (3H, s).
(ii) 7-デオキシ-7-エピ-7-(5-(チアゾール-4-イル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イルチオ)-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリルリンコマイシン
実施例2(i)の表題化合物150g(0.214mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(1.5ml)溶液に、炭酸カリウム88.7mg(0.642mmol)、5-(チアゾール-4-イル)-1,3,4-チアジアゾール-2-チオール86.2mg(0.428mmol)を加え、80℃で8時間攪拌した。反応液を酢酸エチル15mlで希釈後、10%食塩水15mlで洗浄し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0-75:25)にて精製し表題化合物29mg(収率17%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 0.11 - 0.18 (27H, m), 1.56 (1H, d, J = 6.8 Hz), 5.20 (1H, d, J = 5.3 Hz), 8.18 (1H, m), 8.86 (1H, m).
(iii) 7-デオキシ-7-エピ-7-(5-(チアゾール-4-イル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イルチオ)リンコマイシン(化合物120)
実施例2(ii)の表題化合物29mg(0.0359 mmol)のメタノール(1.5ml)溶液に1 N塩酸0.179mlを加え、室温で5分攪拌した。反応液を酢酸エチル15mlで希釈後、10%炭酸水素ナトリウム水溶液15mlで洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー (クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=9:1:0.1)にて精製し表題化合物9 mg (収率43%)を得た。
実施例2(ii)、(iii)と同様の方法により得た化合物(化合物120〜134)およびそのH-NMR、MSのデータを表7,8に示す。
実施例3:
(i) 7-アセチルチオ-7-デオキシ-7-エピ-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリルリンコマイシン
実施例2(i)の表題化合物200mg(0.285mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(0.65ml)溶液にチオ酢酸カリウム163mg(1.43mmol)を加え、60 ℃で4時間攪拌した。酢酸エチル50mlで希釈後、10%炭酸水素ナトリウム水溶液50mlを加え洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0-75:25)にて精製し表題化合物170mg(収率88%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 0.12 - 0.17 (27H, m), 2.31 (3H, s), 2.40 (3H, s), 5.18 (1H, d, J = 5.6 Hz).
MS (API) m/z: 422 (M++1).
(ii) 7-アセチルチオ-7-デオキシ-7-エピリンコマイシン
実施例3(i)の表題化合物10.6g(15.6mmol)のメタノール(50ml)溶液に2 N塩酸38.9mlを加え、室温で10分攪拌した。反応液に10%炭酸水素ナトリウム水溶液30 mlを加え、減圧下メタノールを留去した。酢酸エチル250ml、10%食塩水250mlを加え抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=100:0-95:5)にて精製し表題化合物7.05g(収率97%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 2.38 (3H, s), 2.41 (3H, s), 5.31 (1H, d, J = 5.6 Hz).
(iii) 7-デオキシ-7-エピ-7-メルカプトリンコマイシン
実施例3(ii)の表題化合物7.05g(15.2mmol)のメタノール(50ml)溶液にナトリウムメトキシド2.46g(45.5mmol)を加え、室温で20分攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え中和した後、減圧下メタノールを留去した。10%炭酸水素ナトリウム水溶液300mlを加え、酢酸エチル300mlで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=95:5:0.1)にて精製し表題化合物6.06g(収率94%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 2.23 (3H, s), 2.42 (3H, s), 5.34 (1H, d, J = 5.6 Hz).
MS (EI) m/z: 422 (M+).
(iv) 7-(5-(4,5-ジメトキシ-2-ニトロフェニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イルチオ)-7-デオキシ-7-エピリンコマイシン(化合物135)
実施例3(iii)の表題化合物74mg(0.166mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(0.55ml)溶液に1Mナトリウムヘキサメチルジシラジドテトラヒドロフラン溶液0.332ml、2-(4,5-ジメトキシ-2-ニトロフェニル)-5-メチルスルホニル-1,3,4-チアジアゾール35mg(0.105mmol)を加え、室温で15分攪拌した。反応液を酢酸エチル15 mlで希釈後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え中和した。その後10%炭酸水素ナトリウム水溶液15 mlで洗浄し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム: メタノール:28%アンモニア水=9:1:0.1)にて精製し表題化合物75 mg (収率67%)を得た。
実施例3(iv)における2-(4,5-ジメトキシ-2-ニトロフェニル)-5- メチルスルホニル-1,3,4-チアジアゾールの代わりに2-クロロ- (5 - (2-メトキシカルボニルフェニル))-1,3,4-チアジアゾールを用いることによって化合物136を得た。
(v) 7-デオキシ-7-エピ-7-(4-(N-メチルアセトアミド)フェニルチオ)リンコマイシン(化合物169)
実施例3(iii)の表題化合物70mg (0.17mmol)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルザンテン9.7mg(0.017mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム7.6mg(0.0084mmol)のジオキサン(1ml)溶液にN-(4-ブロモフェニル)-N-メチルアセタミド75.6 mg(0.33mmol)とジイソプロピルエチルアミン0.058ml(0.33mmol)を加えた後6時間加熱還流した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(15ml)を加え反応を停止させた後、不溶物をセライト濾過した。酢酸エチル(30ml)で抽出し有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液を濃縮し得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=9:2:0.2)にて精製し表題化合物87mg(収率92%)を得た。
(vi) 7-デオキシ-7-エピ-7-(4-(4-メチルモルホリン-2-イル)フェニルチオ)リンコマイシン
参考例12(v)の表題化合物15mg(0.078mmol)の塩化メチレン(1ml)溶液に2,6-ルチジン0.011ml(0.093mmol)を加え0℃にて10分攪拌した。この溶液にトリフルオロメタンスルホン酸無水物0.019ml(0.116mmol)を加え15分攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え反応を停止させた後、塩化メチレンで抽出し有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液を減圧下濃縮し残渣を乾燥した。この粗生成物のジオキサン(0.7ml)溶液に4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルザンテン4.5mg(0.0078mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム3.6mg(0.0039mmol)、実施例3(iii)の表題化合物39.4mg(0.0931mmol)、ジイソプロピルエチルアミン0.027ml(0.155mmol)を順次加えた後5時間加熱還流した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(15ml)を加え反応を停止させた後、不溶物をセライト濾過した。酢酸エチル(30ml)で抽出し有機層を水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾液を濃縮し得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=9:2:0.2)にて精製し表題化合物32mg(収率69%)を得た。
実施例3(iv)、(v)、(vi)と同様の方法により得た化合物(135から179、429から489)およびその1H-NMR、MSのデータを後述する表(表8〜10、21c〜21f)に示す。
実施例4:
(i) 7-(5-アミノベンゾ[d]チアゾール‐2-イルチオ)-7-デオキシ-7-エピリンコマイシン(化合物180)
化合物4 75mg(0.125mmol)のエタノール(3ml)溶液に、塩化第二スズ二水和物140mg (0.5mmol) および水素化ホウ素ナトリウム4.6mg (0.13mmol) を順次加え、室温で3時間攪拌した。溶媒を留去し得られた残渣を酢酸エチルで希釈し水洗後、溶媒を留去した。得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=20:1:0.1)にて精製し表題化合物32mg(収率45%)を得た。
(ii) 7-(5-アミノピリジン-2-イルチオ)-7-デオキシ-7-エピリンコマイシン(化合物186)
化合物85 108mg(0.2mmol) に塩化第二スズ二水和物170mg(0.6mmol) およびテトラ-n-ブチルアンモニウムブロミド330mgを加え80℃で2時間攪拌した。酢酸エチルで希釈し水洗後、溶媒を留去した。得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=20:1:0.1) にて精製し表題化合物56.2 mg (収率55%)を得た。
実施例4と同様の方法により得た化合物(180から189)およびその1H-NMR、MSのデータを表10に示す。
実施例5:
(i) 7-(4-アミノフェニルチオ)-7-デオキシ-7-エピ-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリルリンコマイシン
化合物187を用い、米国特許第3418414号に記述され方法に準じて2, 3,4位の水酸基をトリメチルシリル化し表題化合物2.8g(収率97%)を得た。
1H-NMR(400 MHz, CDCl3) δ: 0.11 - 0.17 (27H, m), 2.20 (3H, s), 2.42 (3H, s), 5.27 (1H, d, J = 5.6 Hz), 6.55 - 6.57 (2H, m), 7.13 - 7.16 (2H, m).
(ii) 7-デオキシ-7-エピ-7-(4-(プロピオナミド)フェニルチオ)リンコマイシン(化合物204)
実施例5(i)の表題化合物80mg(0.11mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(1ml)溶液にトリエチルアミン0.046ml(0.33mmol) を加えた後、プロピオニルクロリド0.014 ml(0.17mmol) を加え室温で3時間攪拌した。その後メタノール(1ml)-1 N塩酸(2ml)を加え30分攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え反応を停止させた後、酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール :28%アンモニア水=9:2:0.2)にて精製し表題化合物47mg(収率75%)を得た。
(iii) 7-(6-アミノベンゾ[d]チアゾール-2-イルチオ)-7-デオキシ-7-エピ-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリルリンコマイシン
実施例1(i)の表題化合物を用い1N塩酸を使用せず、実施例1(ii)と同様の方法により表題化合物1.7 g (収率87%)を得た。
(iv) 7-(6-(アセタアミド)ベンゾ[d]チアゾール-2-イルチオ)-7-デオキシ-7-エピリンコマイシン(化合物197)
実施例5(iii)の表題化合物100mg(0.13mmol)のピリジン(1ml)溶液に4-ジメチルアミノピリジン3.1mg(0.025mmol)を加えた後、無水酢酸0.018ml(0.19mmol)を加え室温で5時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え反応を停止させた後、酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた残渣にメタノール(1ml)-2 N塩酸(2ml)を加え30分攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え反応を停止させた後、酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。濾液を濃縮し得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=9:2:0.2)にて精製し表題化合物74mg(収率95%)を得た。
(v) 7-デオキシ-7-エピ-7-(6-((4R)-1-メチル-4-プロピルピロリジン-2-カルボキサミド)ベンゾ[d]チアゾール-2-イルチオ)リンコマイシン(化合物196)
実施例5(iii)の表題化合物100mg(0.13mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(1ml)溶液に1-ヒドロキシベンゾトリアゾール25.5 mg(0.019mmol)と1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩36.2mg(0.19mmol)を加えた後、(2S,4R)-1-メチル-4-プロピルピロリジン-2-カルボン酸32.4mg(0.19mmol)を加え室温で3.5時間攪拌した。その後メタノール(4ml)-2N塩酸(1ml)を加え30分攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え反応を停止させた後、酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=9:2:0.2)にて精製し表題化合物41.9mg(2工程収率46%)を得た。
実施例5(v)における1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩をジシクロヘキシルカルボジイミドに代え、2-(ジメチルアミノ)酢酸を用いることによって化合物200を得た。
(vi) 7-(6-((S)-2-アミノ-3-メチルブタナミド)ベンゾ[d]チアゾール-2-イルチオ)-7-デオキシ-7-エピリンコマイシン(化合物198)
実施例5(iii)の表題化合物100mg(0.13mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(1ml)溶液に1-ヒドロキシベンゾトリアゾール25.5 mg(0.019 mmol)とジシクロヘキシルカルボジイミド39.0mg(0.19mmol)を加えた後、(S)-2-tert-ブトキシカルボニルアミノ-3-メチルブタンカルボン酸41.1mg(0.19mmol)を加え室温で3.5時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え反応を停止させた後、酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた残渣を乾燥し、これにトリフルオロ酢酸(1ml)を加え30分攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え反応を停止させた後、酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール :28%アンモニア水=9:2:0.2)にて精製し表題化合物30.3mg(3工程収率36%)を得た。
(vii) 7-デオキシ-7-エピ-7-(6-(2-メチルアミノアセタミド)ベンゾ [d]チアゾール-2-イルチオ)リンコマイシン(化合物201)
実施例5(iii)の表題化合物100mg(0.13mmol)、2-(N-メチル-N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)酢酸35.8mg(0.19mmol)を用い、実施例5(iv)と同様の方法により縮合した後、メタノール(4ml)-2N塩酸(1ml)を加え30分攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え反応を停止させた後、酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた残渣を乾燥し、これにトリフルオロ酢酸(1ml)を加え30分攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え反応を停止させた後、酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=9:2:0.2)にて精製し表題化合物55.0mg(3工程収率68%)を得た。
実施例5と同様の方法により得た化合物(190から210)およびその1H-NMR、MSのデータを表10,11に示す。
実施例6: 7-デオキシ-7-エピ-7-(4-(メチルスルホナミド)フェニルチオ)リンコマイシン(化合物211)
化合物187 83.8 mg (0.16mmol)のN, N-ジメチルホルムアミド(1ml)溶液にトリエチルアミン0.027ml(0.20mmol)を加えた後、塩化メタンスルホニル0.02ml(0.2mmol)を加え室温にて30分攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え反応を停止させた後、酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=9:2:0.2)にて精製し表題化合物28.0mg(収率29%)を得た。
実施例6により得た化合物(211)の1H-NMR、MSのデータを表11に示す。
実施例7:
(i) 7-(6-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ベンゾ[d]チアゾール-2-イルチオ)-7-デオキシ-7-エピ-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリルリンコマイシン
実施例5(iii)の表題化合物12.0g(15.1mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(120ml)溶液にトリエチルアミン3.2ml(22.7mmol)を加えた後、二炭酸-tert-ブチル8.3ml(36.3mmol)を加え室温で18時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え反応を停止させた後、酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)にて精製し表題化合物12.1g(収率91%)を得た。
1H-NMR(400 MHz, CDCl3) δ: 1.54 (9H, s), 2.01 (3H, s), 2.31 (3H, s), 5.34 (1H,d, J = 5.6 Hz), 6.65 (1H, s), 7.16 (1H, dd, J = 8.8, 2.2 Hz), 7.79 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.16 (1H, brs), 8.46 (1H, brd, J = 9.3 Hz).
(ii) 7-(6-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ベンゾ[d]チアゾール-2-イルチオ)-7-デオキシ-7-エピリンコマイシン
実施例7(i)の表題化合物12.1g(13.7mmol)のメタノール(300ml)溶液に1N塩酸(30ml)を加え室温で30分攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え反応を停止させた後、メタノールを減圧下留去した。酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホ
ルム:メタノール:28%アンモニア水=9:1:0.1)にて精製し表題化合物4.7g(収率53%)を得た。
(iii) 7-(6-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)ベンゾ[d]チアゾール-2 -イルチオ)-7-デオキシ-7-エピ-3,4-O-イソプロピリデンリンコマイシン
実施例7(ii)の表題化合物4.4g(6.5mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(17ml)溶液にp-トルエンスルホン酸1水和物1.2g(7.1mmol)を加えた後、アセトンジメチルアセタール3.2 ml(26.1mmol)を加え40℃で24時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え反応を停止させた後、酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1)にて精製し表題化合物4.61g(収率99%)を得た。
1H-NMR(400 MHz, CDCl3) δ: 1.53 (9H, s), 1.62 (3H, s), 1.69 (3H, s), 1.90 (3H, s), 2.35 (3H, s), 5.18 (1H, brd, J = 4.8 Hz), 6.67 (1H, brs), 7.11 (1H, dd, J =8.8, 2.2 Hz), 7.73 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.77 (1H, brd, J = 10.0 Hz), 8.13 (1H, brs).
(iv) 7-(6-(N-アリル-N-tert-ブトキシカルボニル)アミノベンゾ[d] チアゾール-2-イルチオ)7-デオキシ-7-エピ-3,4-イソプロピリデンリンコマイシン
実施例7(iii)の表題化合物100mg(0.14mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(1ml)溶液に水素化ナトリウム(55% in oil)9.2mg(0.21mmol)を加え室温で30分攪拌した。その後ヨウ化アリル0.015 ml(0.17mmol)を加え室温で5時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え反応を停止させた後、酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1)にて精製し表題化合物31.2mg(収率30%)を得た。
1H-NMR(400 MHz, CDCl3) δ: 1.30 (6H, s), 1.44 (9H, s), 1.91 (3H, s), 2.36 (3H,s), 5.13-5.17 (2H, m), 5.20 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.87 - 5.97 (1H, m), 7.28 (1H,brs), 7.62 (1H, s), 7.78 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.80 - 7.84 (1H, m).
MS(FAB+) : 751(M++1).
(v) 7-(6-アリルアミノベンゾ[d]チアゾール-2-イルチオ)-7-デオキシ-7-エピリンコマイシン(化合物212)
実施例7(iv)の表題化合物31.2mg(0.042mmol)にトリフルオロ酢酸を加え室温で30分攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え反応を停止させた後、酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=9:1:0.1)にて精製し表題化合物20.0mg(収率79%)を得た。
実施例7により得た化合物(212)の1H-NMR、MSのデータを表11に示す。
実施例8: 7-(6-カルバモイルベンゾ[d]チアゾール-2-イルチオ)-7-デオキシ-7-エピリンコマイシン(化合物213)
化合物6 100 mg(0.13mmol)を7Nアンモニアメタノール溶液(3ml) に溶解し、封管中80℃で16時間攪拌した。溶媒を留去し得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=20:1:0.1) にて精製し化合物63mg(収率81%) を得た。
実施例8と同様の方法により得た化合物(213から233、490、491)およびその1H-NMR、MSのデータを表11,12,21fに示す。
実施例9: 7-デオキシ-7-エピ-7-(4-ヒドロキシメチルフェニルチオ)リンコマイシン(化合物234)
化合物113 200mg(0.36mmol)のテトラヒドロフラン(2ml)溶液を- 78℃に冷却した後、1M水素化リチウムアルミニウムテトラヒドロフラン溶液を1.1ml加え20分攪拌した。その後反応系を3時間かけて0℃まで昇温させた。飽和酒石酸カリウムナトリウムを加え反応を停止させた後、酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=9:1:0.1)にて精製し表題化合物114mg(収率60%)を得た。
実施例9により得た化合物(234)の1H-NMR、MSのデータを表12に示す。
実施例10:
(i) 7-(4-カルボキシフェニルチオ)-7-デオキシ-7-エピリンコマイシン
化合物113 1.84g(3.31mmol)のメタノール(20ml)溶液に1N水酸化ナトリウム水溶液(5ml)を加え室温で19時間攪拌した。1N塩酸を用いて弱酸性にした後に溶液を濃縮乾固し得られた残渣をダイヤイオン ハイポーラス ポリマー−20にて精製し表題化合物1.61g (収率90%)を得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ: 1.83 (3H, s), 2.97 (3H, s), 3.99 (1H, dq, J = 2.4, 6.8 Hz), 5.26 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.42 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.93 (2H, d, J = 8.6 Hz).
(ii) 7-デオキシ-7-エピ-7-(4-(モルホリノカルボニル)フェニルチオ)リンコマイシン(化合物246)
実施例10(i)の表題化合物200mg(0.37mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(2ml)溶液に1-ヒドロキシベンゾトリアゾール74.7mg(0.55 mmol)と1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩106.0mg(0.55mmol)を加えた後、モルホリン0.048ml(0.55mmol)を加え室温で4時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え反応を停止させた後、酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=9:2:0.2)にて精製し表題化合物142.0mg (収率63%)を得た。
モルホリンに代えて4 - オキソピペリジン1塩酸塩1水和物を用い、トリエチルアミンを塩基として用いて実施例10(ii)と同様の方法により化合物251を得た。
(iii) 7-(4-(N-tert-ブトキシカルボニルピペラジノ)フェニルチオ)-7-デオキシ-7-エピリンコマイシン
実施例10(i)の表題化合物140.9mg(0.26mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(1.4ml)溶液に1-ヒドロキシベンゾトリアゾール52.6 mg (0.39mmol)と1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩74.7mg(0.39mmol)を加えた後、N-tert-ブトキシカルボニルピペラジン72.5mg (0.39mmol)を加え室温で8時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え反応を停止させた後、酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=9:2:0.2)にて精製し表題化合物115mg(収率62%)を得た。
1H-NMR(400 MHz, CD3OD)δ: 1.46 (9H, s), 1.91 (3H, s), 2.42 (3H, s), 3.46 (6H,br), 3.68 (2H, br), 3.97 (1H, dq, J = 2.7, 6.8 Hz), 5.27 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.40 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.47 (2H, d, J = 8.3 Hz).
(iv) 7-デオキシ-7-エピ-7-(4-(ピペラジノカルボニル)フェニルチオ)リンコマイシン(化合物252)
実施例10(iii)の表題化合物115mg(0.16mmol)に予め氷冷したトリフルオロ酢酸を加えた後、室温で1時間攪拌した。減圧下にてトリフルオロ酢酸を留去し得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=9:2:0.2)にて精製し表題化合物29mg(収率29%)を得た。
実施例10と同様の方法により得た化合物(235から262、492から495)およびその1H-NMR、MSのデータを表12,13,21gに示す。
実施例11:
(i) 7-デオキシ-7-エピ-7-(5-(2-ニトロフェニル)チアゾール-2-イルチオ)リンコマイシン(化合物263)
実施例3 (v)と同様に合成した化合物7-(5-ブロモチアゾール-2-イルチオ)-7-デオキシ-7-エピリンコマイシン56.8mg(0.1mmol)のイソプロパノール/水(1ml,40:1)溶液に2-ニトロフェニルボロン酸29.2mg (0.17mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム12.3mg (0.01mmol)および炭酸カリウム31.1mg(0.22 mmol) を加え、80℃で24時間攪拌した。反応液をセライト濾過後、濾液を濃縮し得られた残査を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水 = 10:1:0.1)にて精製し表題化合物33.0mg(収率53%)を得た。
(ii) 7-デオキシ-7-エピ-7-(5-(ピリジン-2-イル)アゾール-2-イルチオ)リンコマイシン(化合物264)
実施例3 (v)と同様に合成した化合物7-(5-ブロモチアゾール-2- イルチオ)-7-デオキシ-7-エピリンコマイシン57.8 mg(0.1mmol)のトルエン(1ml)溶液にトリ-n-ブチル(2-ピリジル)スズ44.0ml(0.12mmol)およびテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム12.5mg (0.01mmol)を加え、100℃で8時間攪拌した。溶媒を留去し得られた残査を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:アセトン:28%アンモニア水=10:4:0.1)にて精製し表題化合物12.8 mg(収率22%)を得た。
実施例11と同様の方法により得た化合物(263から266、496から508)およびその1H-NMR、MSのデータを表13,14,21g,21hに示す。
実施例12: 7-デオキシ-7-(5-(5-ジメチルアミノ-4-フルオロ-2-ニトロフェニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イルチオ)-7-エピリンコマイシン(化合物273)
化合物53の塩酸塩25mg(0.035mmol)に2Mジメチルアミンメタノール溶液1mlを加え封管し、50℃で4時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮後、分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=9:2:0.2)にて精製し表題化合物20mg(収率83%)を得た。
実施例12と同様の方法により得た化合物(267から274)およびその1H-NMR、MSのデータを表14に示す。
実施例13: 7-デオキシ-7-エピ-7-(5-(4-フルオロ-5-メトキシ-2-ニトロフェニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イルチオ)リンコマイシン(化合物276)
化合物53の塩酸塩15mg(0.0204 mmol)のメタノール(0.4ml) 溶液にナトリウムメトキシド3.7mg(0.0678mmol)を加え、室温で15分攪拌した。反応液を酢酸エチル15 mlで希釈後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え中和した。その後10%炭酸水素ナトリウム水溶液15 mlで洗浄し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=9:1:0.1)にて精製し表題化合物10mg(収率69%)を得た。
実施例13と同様の方法により得た化合物(275, 276)およびその1H-NMR、MSのデータを表14に示す。
実施例14:
(i) 7-(アゼチジン-3-イルチオ)-7-デオキシ-7-エピリンコマイシン
tert-ブチル 3-メルカプトアゼチジン-1-カルボキシレートを用い、実施例2(ii)と同様の方法により得た7-(1-(tert-ブトキシカルボニル)アゼチジン-3-イルチオ)-7-デオキシ-7-エピ-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリルリンコマイシン280mg(0.352 mmol)に、氷冷したトリフルオロ酢酸3mlを加え、氷冷下20分攪拌した。減圧下濃縮し、分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=9:2:0.2)にて精製し表題化合物99 mg (収率73%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 1.31 (3H, d, J = 6.9 Hz), 2.18 (3H, s), 2.61 (3H, s), 5.26 (1H, d, J = 5.6 Hz).
MS (EI) m/z: 447 (M+).
(ii) 7-(アゼチジン-3-イルチオ)-7-デオキシ-7-エピ-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリルリンコマイシン
実施例14(i)の表題化合物3.43g(7.18mmol)のピリジン(20ml)溶液に氷冷下塩化トリメチルシリル4.59ml(35.9mmol) およびヘキサメチルジシラザン7.5ml(35.9 mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液を10%炭酸水素水溶液200mlに移し、酢酸エチル200mlで抽出後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた残渣をメタノール30mlに溶解し、6N酢酸3.59mlを加え室温で3.5時間攪拌した。反応液を10%炭酸水素水溶液200mlに移し、酢酸エチル200ml で抽出した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(アミノシリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製し表題化合物3.0 g (収率60%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 0.12 - 0.19 (27H, m), 2.18 (3H, s), 2.43 (3H, s), 5.23 (1H, d, J = 5.6 Hz).
MS (API) m/z: 694 (M++1).
(iii) 7-デオキシ-7-(1-(ジメチルアミノカルバモイル)アゼチジン-3- イルチオ)-7-エピリンコマイシン(化合物277)
実施例14(ii)の表題化合物100mg(0.144mmol)のクロロホルム(0.7ml)溶液に、トリエチルアミン0.0202 ml(0.144mmol)、ジメチルアミノピリジン17.6mg(0.144mmol)、ジメチルカルバミン酸クロリド0.0132ml(0.144mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。酢酸エチル20mlで希釈後、10%炭酸水素ナトリウム水溶液20mlを加え有機層を洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:50-0:100)にて精製し保護体95mgを得た。次いで、メタノール1mlに溶解し、1N塩酸1mlを加え、室温で10分攪拌した。反応液を酢酸エチル15mlで希釈後、10%炭酸水素ナトリウム水溶液15mlで洗浄した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下濃縮し表題化合物55mg(収率68%)を得た。
(iv) 7-デオキシ-7-エピ-7-(1-(2-ニトロフェニル)アゼチジン-3-イルチオ)リンコマイシン(化合物290)
実施例14(ii)の表題化合物100mg(0.144mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(0.5ml)溶液に、トリエチルアミン0.0202 ml(0.144mmol)、1-フルオロ-2-ニトロベンゼン0.0052ml(0.144mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。酢酸エチル20mlで希釈後、10%炭酸水素ナトリウム水溶液20 mlを加え有機層を洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0-85:15)にて精製し保護体67mgを得た。次いで、メタノール1mlに溶解し、1N塩酸1mlを加え、室温で10分攪拌した。反応液を酢酸エチル15mlで希釈後、有機層を10%炭酸水素ナトリウム水溶液15mlで洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下濃縮し表題化合物49mg(収率57%)を得た。
(v) 7-(1-(4-アミノフェニル)アゼチジン-3-イルチオ)-7-デオキシ-7-エピリンコマイシン(化合物295)
化合物291 127mg(0.212mmol)のメタノール(4ml)溶液に、酸化白金 77.2mg(0.318mmol)を加え、水素雰囲気下、1時間攪拌した。反応液をセライト濾過後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=100:0-95:5)にて精製し表題化合物77mg(収率64%)を得た。
(vi) 7-デオキシ-7-エピ-7-(1-(2-モルホリノ-2-オキソエチル)アゼチジン-3-イルチオ)リンコマイシン(化合物289)
実施例14(ii)の表題化合物50mg(0.072mmol)のクロロホルム(0.3ml)溶液に、トリエチルアミン0.0202ml(0.144mmol)、2-クロロ-1-モルホリノエタノン17.7mg(0.108mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。酢酸エチル20mlで希釈後、10%炭酸水素ナトリウム水溶液20mlを加え有機層を洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:50-0:100)にて精製し、保護体34mgを得た。次いで、メタノール1mlに溶解し、1N塩酸1mlを加え、室温で10分攪拌した。反応液を酢酸エチル15mlで希釈後、10%炭酸水素ナトリウム水溶液15mlで洗浄し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下濃縮し表題化合物9mg (収率21%)を得た。
(vii) 7-(1-(2-シアノエチル)アゼチジン-3-イルチオ)-7-デオキシ-7-エピリンコマイシン(化合物285)
実施例14(ii)の表題化合物60mg (0.077mmol) のエタノール(0.5ml)溶液に、アクリロニトリル0.0051ml(0.077mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:50-0:100)にて精製し、保護体53mgを得た。次いで、メタノール1mlに溶解し、1N塩酸1mlを加え、室温で10分攪拌した。反応液を酢酸エチル15mlで希釈後、10%炭酸水素ナトリウム水溶液15mlで洗浄し有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下濃縮し表題化合物40mg (収率98%)を得た。
(viii) 7-デオキシ-7-エピ-7-(1-(ピペリジノカルボニル)アゼチジン -3-イルチオ)リンコマイシン(化合物293)
ジクロロメタン(0.5ml)に、氷冷下、ピリジン0.0205ml(0.254 mmol)、ピペリジン0.0125 ml(0.127mmol)、トリホスゲン12.6 mg(0.0423 mmol)、実施例14(ii)の表題化合物80 mg(0.115mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。酢酸エチル20 mlで希釈後、10%炭酸水素ナトリウム水溶液20mlを加え有機層を洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を減圧下濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0-50:50)にて精製し保護体22mgを得た。次いで、メタノール1mlに溶解し、1N塩酸1mlを加え、室温下10分攪拌した。反応液を酢酸エチル15 mlで希釈後、10%炭酸水素ナトリウム水溶液15mlで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮後、表題化合物16mg (収率23%)を得た。
実施例14(iii)から(viii)と同様の方法により得た化合物(277から295)およびその1H-NMR、MSのデータを表14,15に示す。
実施例15:
(i) ベンジル (S)-1-N-tert-ブトキシカルボニル-5-オキソピロリジン-2-カルボキシレート
(S)-5-オキソピロリジン-2-カルボン酸からTetrahedron Lett., 43, (2002), 3499.と同様の方法により表題化合物200g(2工程収率94%)を得た。
(ii) ベンジル (2S,4R)-4-アリル-1-N-tert-ブトキシカルボニルピロリジン-2-カルボキシレイト
実施例15(i)の表題化合物を用いTetrahedron Lett., 35, (1994), 2053.およびJ. Am.Chem. Soc., 110, (1998), 3894. と同様の方法により表題化合物95.1 g (3工程 収率51%)を得た。
(iii) 1'-tert-ブトキシカルボニル-1'-デメチル-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリルリンコマイシン
アルゴン雰囲気下、実施例15(ii)の表題化合物 30.2g(87.4mmol)のメタノール(350ml)溶液にPd-C(5g)を加えた後、水素雰囲気下、室温で7.5時間攪拌した。不要物をセライト濾過し濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣のピリジン(207ml)溶液に1-ヒドロキシベンゾトリアゾール17.7g(131.1mmol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド27.1g (131.1 mmol)、メチル 1-チオ-α-リンコサミド33.2g (131.1mmol)を順次加え16時間室温で攪拌した。水を加え析出物をろ別し濾液を濃縮乾固した。得られた残渣の半量を用い、実施例1(i)と同様の方法により表題化合物18.2g(4工程)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 0.12 (9H, s), 0.12 (9H, s), 0.15 (9H, s), 1.34 (9H, s), 1.92 (3H, s), 5.05 (1H, brd, J = 5.4 Hz).
(iv) 7-(6-アミノベンゾ[d]チアゾール-2-イルチオ)-1'-デメチル-7-デオキシ-7-エピリンコマイシン(化合物297)
実施例15(iii)の表題化合物200mg(0.28mmol)、6-アミノベンゾ[d]チアゾール-2-チオール79.7mg(0.44mmol)を用い実施例1(ii)に記載した方法に準じて7-(6-アミノベンゾ[d]チアゾール-2-イルチオ)-1'- tert-ブトキシカルボニル-1'-デメチル-7-デオキシ-7-エピリンコマイシンを得た。この化合物のメタノール(2ml)溶液に4 N塩酸酢酸エチル(2.5ml)を加え1.5時間室温にて攪拌した。メタノールで希釈した後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=9:2:0.2)にて精製し表題化合物96.4g(3工程収率58%)を得た。
実施例15と同様の方法により得た化合物(296から311)およびその1H-NMR、MSのデータを表15,16に示す。
実施例16:
(i) 1'-tert-ブトキシカルボニル-1'-デメチル-7-O-メチルスルホニル-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリルリンコマイシン
実施例15(iii)の表題化合物5g(7.1mmol)、クロロホルム(22ml)、トリエチルアミン2.5 ml (17.6 mmol)、メタンスルホニルクロリド1.1ml (14.1mmol)を用い実施例2(i)と同様の方法により粗生成物として表題化合物を得た。
(ii) 1'-tert-ブトキシカルボニル-1'-デメチル-7-デオキシ-7-エピ-7-(4-メトキシカルボニルフェニルチオ)リンコマイシン
実施例16(i)の表題化合物、4-メトキシフェニルチオール2.4g (14.1mmol)を用い100℃にて実施例2(ii)、(iii)と同様の方法により表題化合物1.25g(3工程収率28%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CD3OD)δ: 1.48 (9H, s), 1.79 (3H, s), 3.88 (3H, s), 5.23 (1H, d, J = 5.3 Hz), 7.41 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.91 (2H, d, J = 8.5 Hz).
(iii) 1'-tert-ブトキシカルボニル-7-(4-カルボキシフェニルチオ)-1'-デメチル-7-デオキシ-7-エピリンコマイシン
実施例16(ii)の表題化合物761mg(1.2mmol)を用い実施例10(i)と同様の方法により表題化合物761mg(収率95%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CD3OD)δ: 1.48 (9H, s), 1.81 (3H, s), 5.24 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.41 (2H, d, J = 8.6 Hz), 7.92 (2H, d, J = 8.3 Hz).
(iv) 1'-tert-ブトキシカルボニル-1'-デメチル-7-デオキシ-7-エピ-7-(4-モルホリノカルボニルフェニルチオ)リンコマイシン
実施例16(iii)の表題化合物200mg(0.32mmol)を用い実施例10(ii)と同様の方法により表題化合物215mg(収率97%)を得た。
(v) 1'-デメチル-7-デオキシ-7-エピ-7-(4-モルホリノカルボニルフェニルチオ)リンコマイシン(化合物312)
実施例16(iv)の表題化合物215mg(0.31mmol)に氷冷したトリフルオロ酢酸を加えた後、室温で40分攪拌した。減圧下にてトリフルオロ酢酸を留去し得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=9:2:0.2)にて精製し表題化合物104mg(収率57%)を得た。
実施例16と同様の方法により得た化合物(312から315)およびその1H-NMR、MSのデータを表16に示す。
実施例17:
(i) 7-アセチルチオ-1’-N-tert-ブトキシカルボニル-1’- デメチル-7-デオキシ-7-エピ-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリルリンコマイシン
実施例16 (i)の表題化合物555mg(0.705mmol)を用い実施例3(i)と同様の方法により表題化合物218mg(収率40%)を得た。
1H-NMR (300 MHz,CDCl3)δ: 0.13 - 0.16 (27H, m), 1.51 (9H, s), 1.99 (3H, s), 2.29 (3H, s), 4.02 (1H, dq, J = 2.4, 6.9 Hz), 5.16 (1H, d, J = 5.4 Hz).
MS (API) m/z: 767 (M++1).
(ii) 7-アセチルチオ-1’-N-tert-ブトキシカルボニル-1’-デメチル -7-デオキシ-7-エピリンコマイシン
実施例17(i)の表題化合物218mg(0.284mmol)を用い実施例3 (ii)と同様の方法により表題化合物137mg(収率88%)を得た。
1H-NMR (300 MHz,CD3OD)δ: 1.47 (9H, s), 2.01 (3H, s), 2.32 (3H, s), 3.96 (1H,dq, J = 2.4, 6.9 Hz), 5.21 (1H, d, J = 5.7 Hz).
MS (API) m/z: 551 (M++1).
(iii) 1’-N-tert-ブトキシカルボニル-1’-デメチル-7-デオキシ-7-エピ-7-メルカプトリンコマイシン
実施例17(ii)の表題化合物137mg(0.249mmol)を用い実施例3(iii)と同様の方法により表題化合物120mg(収率95%)を得た。
1H-NMR (300 MHz,CD3OD)δ: 1.47 (9H, s), 2.15 (3H, s), 3.40 - 3.52 (1H, m), 5.25 (1H, d, J = 5.7 Hz).
MS (FAB+) m/z: 509 (M++1).
(iv) 1’-N-tert-ブトキシカルボニル-1’-デメチル-7-デオキシ-7-エピ-7-(4-(ピリジン-3-イル)フェニルチオ)リンコマイシン
実施例17(iii)の表題化合物120mg(0.236mmol)を用い実施例3(v)と同様の方法により表題化合物126mg(収率80%)を得た。
1H-NMR (300 MHz,CD3OD)δ: 1.48 (9H, s), 1.94 (3H, s), 3.86 - 3.94 (1H, m), 5.27 (1H, d, J = 5.7 Hz), 7.50 (1H, d, J = 7.2 Hz), 7.52 (2H, d, J = 8.1 Hz), 7.63(2H, d, J = 8.1 Hz), 8.09 (1H, ddd, J = 1.5, 2.1, 7.8 Hz), 8.66 (1H, dd, J = 1.5, 4.8 Hz), 8.80 (1H, d, J = 1.8 Hz).
MS (FAB+) m/z: 662 (M++1).
(v)1’-デメチル-7-デオキシ-7-エピ-7-(4-(ピリジン-3-イル)フェニルチオ)リンコマイシン(化合物316)
実施例17(iv)の表題化合物126mg(0.190mmol)を用い実施例16(v)と同様の方法により表題化合物99.1mg(収率93%)を得た。
実施例17により得た化合物(316)の1H-NMR、MSのデータを表16に示す。
実施例18:
(i) 1'-tert-ブトキシカルボニル-1'-デメチル-7-デオキシ-7-エピ-7-(5-(2-ニトロフェニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イルチオ)リンコマイシン
実施例15(iii)の表題化合物400mg(0.56mmol)、5-(2-ニトロフェニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-チオール209.2mg(0.87mmol)を用い実施例1(ii)と同様の方法により表題化合物235.3mg(2工程収率58%)を得た。
(ii) 1'-デメチル-7-デオキシ-7-エピ-7-(5-(2-ニトロフェニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イルチオ)リンコマイシン(化合物298)
実施例18(i)の表題化合物235.3mg(0.33mmol)を用い実施例16(v)と同様の方法により表題化合物62.5mg(収率31%)を得た。
(iii) 7-(5-(2-アミノフェニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イルチオ)-1'-デメチル-7-デオキシ-7-エピリンコマイシン(化合物317)
実施例18(ii)の表題化合物62.5mg(0.088mmol)を用い実施例4(i)と同様の方法により表題化合物10.8mg (収率21%)を得た。
実施例18により得た化合物(317)の1H-NMR、MSのデータを表16に示す。
実施例19:
(i) 7-(5-アミノピリジン-2-イルチオ)-1’-N-tert-ブトキシカルボニル-1'-デメチル-7-デオキシ-7-エピリンコマイシン
実施例15(iii)の表題化合物および2-メルカプト-5-ニトロピリジンから、テトラヒドロフランの代わりにトルエンを用いて実施例1(ii)と同様の方法により得た1’-N-tert-ブトキシカルボニル-7-デオキシ -7-エピ-7-(5-ニトロピリジン-2-イルチオ)リンコマイシン667mg (1.06mmol)を用い実施例4 (ii)と同様の方法により表題化合物285mg (収率45%)を得た。
1H-NMR (300 MHz,CD3OD)δ: 1.49 (9H, s), 1.99 (3H, d, J = 20.1 Hz), 5.29 (1H, d, J = 5.1 Hz), 7.05 (1H, ddd, J = 2.7, 3.0, 8.1 Hz), 7.28 (1H, t, J = 8.1 Hz), 8.04 (1H, dd, J = 2.4, 9.3 Hz).
MS (EI) m/z: 600 (M+).
(ii) 7-(5-アミノピリジン-2-イルチオ)-1’-N-tert-ブトキシカルボニル-1'-デメチル-7-デオキシ-7-エピ-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリルリンコマイシン
実施例19(i)の表題化合物285mg(0.474mmol)を用い実施例5(i)と同様の方法により、表題化合物296mg (収率76%)を得た。
1H-NMR (300 MHz,CDCl3)δ: 0.13 - 0.19 (27H, m), 1.45 (9H, d, J = 23.1 Hz), 1.95 (3H, s), 5.19 (1H, d, J = 5.7 Hz), 6.86 (1H, dd, J = 3.0, 8.1 Hz), 7.04 - 7.08 (1H, m), 7.95-7.99 (1H, m).
MS (FAB+) m/z: 817 (M++1).
(iii) 7-(5-アセタミドピリジン-2-イルチオ)-1’-N-tert-ブトキシカルボニル-1'-デメチル-7-デオキシ-7-エピ-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリルリンコマイシン
実施例19(ii)の表題化合物296mg(0.362 mmol)を用い、プロピオニルクロリドの代わりにアセチルクロリドを用い、実施例5(ii)と同様の方法により、表題化合物332mg (収率100%)を得た。
1H-NMR (300 MHz,CDCl3)δ: 0.12 - 0.18 (27H, m), 1.46 (9H, d, J = 25.2 Hz), 1.80 (3H, d, J = 17.4 Hz), 2.18 (3H, s), 5.16 (1H, d, J = 5.4 Hz), 7.81 - 7.95 (1H, m), 7.95 (1H, br), 8.39 (1H, d, J = 2.1 Hz).
MS (API) m/z: 859 (M++1).
(iv) 7-(5-アセタミドピリジン-2-イルチオ)-1’-N-tert-ブトキシカルボニル-1'-デメチル-7-デオキシ-7-エピリンコマイシン
実施例19(iii)の表題化合物332mg(0.387mmol)を用い実施例3(ii)と同様の方法により、表題化合物177mg(収率76%)を得た。
1H-NMR (300 MHz,CD3OD)δ: 1.37 (9H, d, J = 7.2 Hz), 2.08 (3H, s), 5.17 (1H, d, J = 4.8 Hz), 7.26 (1H, dd, J = 9.0, 11.7 Hz), 7.83 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.63 (1H, d, J = 15.9 Hz).
MS (API) m/z: 643 (M++1).
(v) 7-(5-アセタミドピリジン-2-イルチオ)-1’-デメチル-7-デオキシ-7-エピリンコマイシン(化合物318)
実施例19(iv)の表題化合物128mg(0.198 mmol)を用い、実施例16(v)と同様の方法により表題化合物113mg (収率100 %)を得た。
実施例19と同様の方法により得た化合物(318と319)およびその1H-NMR、MSのデータを表16に示す。
実施例20:
1'-デメチル-7-デオキシ-7-エピ-7-(5-(4-フルオロ-5-メトキシ-2 -ニトロフェニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イルチオ)リンコマイシン(化合物320)
化合物307塩酸塩40mg(0.0583mmol)を用い、実施例13と同様の方法により表題化合物14mg(収率36%)を得た。
実施例20により得た化合物(320)の1H-NMR、MSのデータを表16に示す。
実施例21:
(i) 1'-デメチル-7-デオキシ-7-エピ-1'-イソプロピル-7-(5-(2-ニトロフェニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イルチオ)リンコマイシン(化合物321)
化合物298 30.5mg (0.05mmol)の1,2-ジクロロエタン(1ml)溶液にアセトン40.0 ml (0.5 mmol)、トリアセトキシホウ素ナトリウム21.7 mg (0.1mmol)および触媒量の酢酸を加え、室温で24時間攪拌した。溶媒を留去し得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=10:1:0.1) にて精製し表題化合物20.1mg(収率61%)を得た。
(ii) 7-((4-アミノ-5-エトキシカルボニル)ピリミジン-2-イルチオ) -1'-デメチル-7-デオキシ-7-エピ-1'-エチルリンコマイシン(化合物331)
化合物310 116.0mg(0.2mmol)のアセトニトリル(1ml)溶液にヨードエタン24.0ml(0.3mmol)およびトリエチルアミン42.0ml(0.3mmol)を加え、室温で24時間攪拌した。溶媒を留去し得られた残査を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=10:1 :0.1)にて精製し、表題化合物43.5mg(収率36%)を得た。
実施例21と同様の方法により得た化合物(321から333)およびその1H-NMR、MSのデータを表16,17に示す。
実施例22: 7-((4-アミノ-5-エトキシカルボニル)ピリミジン-2-イルチオ)-1'-デメチル-7-デオキシ-7-エピ-1'-(2-ヒドロキシアセチル) リンコマイシン(化合物337)
化合物310 155.1mg(0.27mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(2ml)溶液にヒドロキシ酢酸32.0mg (0.42mmol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド86.3mg(0.42mmmol)および1-ヒドロキシベンゾトリアゾール56.0 mg(0.42mmol)を加え、室温で24時間攪拌した。溶媒を留去し得られた残査を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=10:1:0.1) にて精製し表題化合物70.4mg(収率41%)を得た。
実施例22と同様の方法により得た化合物(334から338)およびその1H-NMR、MSのデータを表17に示す。
実施例23:
(i) ベンジル(2S,4R)-4-((E)-ブト-2-エニル)-1-N-tert-ブトキシカルボニルピロリジン-2-カルボキシレート
実施例15(i)の表題化合物7.5g(23.5mmol)、(E)-1-ブロモ-2-ブテン 2.42ml(23.5mmol)を用い実施例15(ii)と同様の方法により表題化合物5.08g(収率58%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 1.40 - 1.44 (9H, m), 1.61 - 1.67 (3H, m), 1.94 - 2.28 (5H, m), 4.45 - 4.52 (1H, m), 5.15 - 5.24 (2H, m), 5.27 - 5.38 (1H, m), 5.40 - 5.56 (1H, m), 7.32 - 7.40 (5H, m).
MS (FAB+) m/z: 374 (M++1).
(ii) (2S,4R)-4-((E)-ブト-2-エニル)-1-N-(tert-ブトキシカルボニル)ピペリジン-2-カルボン酸
実施例23(i)の表題化合物2.45g(6.82mmol)のメタノール(25ml)溶液に1N水酸化ナトリウム水溶液(25ml)を加え、室温で4.5時間攪拌した。減圧下メタノールを留去し、クエン酸を加えpH3とした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮し表題化合物1.80g(収率98%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 1.47 - 1.53 (9H, br), 2.90 - 3.19 (1H, m), 3.48 - 3.75 (1H, m), 4.27 - 4.43 (1H, m), 5.30 - 5.50 (2H, m).
MS (FAB+) m/z: 270 (M++1).
(iii) 4'-((E)-ブト-2-エニル)-1'-N-tert-ブトキシカルボニル-1'-デメチル-4'-デプロピル-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリルリンコマイシン
実施例23(ii)の表題化合物1.80g(6.68mmol)に、実施例15(iii)中の対応する手法と同様の方法を適用して表題化合物3.94g (3工程収率85%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 0.12 - 0.19 (27H, m), 2.18 (3H, s), 2.43 (3H, s), 5.23 (1H, d, J = 5.6 Hz).
MS (API) m/z: 694 (M++1).
(iv) 7-(5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-イルチオ)-4'-((E)-ブト-2-エニル)-1'-デメチル-7-デオキシ-4'-デプロピル-7-エピリンコマイシン(化合物339)
実施例23(iii)の表題化合物300mg(0.416mmol)とtert-ブチル 5-メルカプト-1,3,4-チアジアゾール-2-イルカルバメート144mg(0.645mmol)より、実施例15(iv)と同様の方法により表題化合物93mg(収率43%)を得た。
実施例23と同様の方法により得た化合物(339と340)およびその1H-NMR、MSのデータを表17に示す。
実施例24: 7-(5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-イルチオ)-4'-((E)-ブト-2-エニル)-7-デオキシ-4'-デプロピル-7-エピリンコマイシン(化合物341)
実施例23(iv)の表題化合物50mg(0.0962mmol)、ホルムアルデヒド液24mg(0.289mmol)を用い、実施例21(i)と同様の方法により表題化合物を23mg(収率45%)を得た。
実施例23と同様の方法により得た化合物(341と342)およびその1H-NMR、MSのデータを表17に示す。
実施例25:
(i) 1'-tert-ブトキシカルボニル-4'-ブチル-1'-デメチル -4-デプロピル-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリルリンコマイシン
実施例23(i)の表題化合物1.80g(5.01mmol)を用い実施例15(iii)と同様の方法により表題化合物3.02g(3工程収率86%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 0.13 - 0.17 (27H, m), 0.88 (3H, t, J = 7.1 Hz), 1.48 (9H, s), 2.06 (3H, s), 5.19 (1H, d, J = 5.4 Hz).
MS (FAB+) m/z: 723 (M++1).
(ii) 7-(5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-イルチオ)-4'-ブチル‐1'-デメチル‐7-デオキシ-4'-デプロピル-7-エピリンコマイシン(化合物343)
実施例25(i)の表題化合物300mg(0.416mmol)とtert-ブチル 5-メルカプト-1,3,4-チアジアゾール-2-イルカルバメート144 mg(0.645 mmol)を用い実施例15(iv)と同様の方法により表題化合物72mg (収率33%)を得た。
実施例25(ii)と同様の方法により得た化合物(343と344)およびその1H-NMR、MSのデータを表17に示す。
実施例26: 7-(5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-イルチオ)-4'-ブチル-7-デオキシ-4'-デプロピル-7-エピリンコマイシン(化合物345)
実施例25(ii)の表題化合物47mg(0.0901mmol)、ホルムアルデヒド液22.5mg(0.270mmol)を用い実施例21(i)と同様の方法により表題化合物19mg (収率39%)を得た。
実施例26と同様の方法により得た化合物(345と346)およびその1H-NMR、MSのデータを表17に示す。
実施例27:
(i) ベンジル (2S,4R)-4-((E)-ペント-2-エニル)-1-N-tert-ブトキシカルボニルピロリジン-2-カルボキシレイト
実施例15(i)の表題化合物5g (15.7mmol)、(E)-1-ブロモ-2-ペンテン1.9 ml(15.7 mmol)を用い実施例15(ii)と同様の方法により表題化合物2.01g(収率34%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 0.95 (3H, t, J = 7.6 Hz), 1.33 (9H, s), 1.80-2.05 (6H, m), 2.27 - 2.32 (1H, m), 3.04 (1H, dd, J = 10.5, 8.3 Hz), 3.70 (1H, dd, J =10.5, 7.7 Hz), 4.29 (1H, dd, J = 9.0, 2.7 Hz), 5.07 - 5.50 (4H, m), 7.34 - 7.35(5H, m).
(ii) 1'-tert-ブトキシカルボニル-1'-デメチル-4'-デプロピル-4'-((E)-ペント-2-エニル)-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリルリンコマイシン
実施例27(i)の表題化合物2.0g(5.8mmol)を用い実施例23(ii)、(iii)と同様の方法により表題化合物3.29g (4工程収率77%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 0.15 - 0.18 (27H, m), 0.97 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.49 (9H, s), 2.01 (2H, dq, J = 7.1, 14.1 Hz), 2.07 (3H, s), 5.20 (1H, d, J = 5.1 Hz), 5.33 (1H, dt, J = 6.8, 14.1 Hz), 5.50 (1H, dt, J = 6.4, 15.1 Hz).
(iii) 1'-デメチル-7-デオキシ-4'-デプロピル-7-エピ-7-(5-(2-ニトロフェニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イルチオ)-4'-((E)-ペント-2-エニル)リンコマイシン(化合物347)
実施例27(ii)の表題化合物400 mg(0.54mmol)、5-(2-ニトロフェニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-チオール201.8 mg(0.84mmol)を用い実施例15(iv)と同様の方法により表題化合物112.8mg(3工程収率32%)を得た。
実施例27と同様の方法により得た化合物(347から350)およびその1H-NMR、MSのデータを表17に示す。
実施例28: 7-デオキシ-4’-デプロピル-7-エピ-7-(5-(2-ニトロフェニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イルチオ)-4’-((E)-ペント - 2 - エニル)リンコマイシン(化合物351)
実施例27(iii)の表題化合物54mg(0.084mmol)、ホルムアルデヒド液を用い実施例21(i)と同様の方法により表題化合物48mg(収率87%)を得た。
実施例28と同様の方法により得た化合物(351と352)およびその1H-NMR、MSのデータを表18に示す。
実施例29:
(i) 1'-tert-ブトキシカルボニル-1'-デメチル-4'-デプロピル-4'-ペンチル-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリルリンコマイシン
実施例27(i)の表題化合物1.7g(4.5mmol)を用い実施例15(iii)と同様の方法により表題化合物2.21g(4工程収率67%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 0.14 - 0.17 (27H, m), 0.86 - 0.90 (3H, m), 1.16 (2H, br), 1.24 - 1.39 (9H, m), 1.48 (9H, s), 2.07 (3H, s), 5.19 (1H, d, J = 5.4 Hz).
(ii) 1'-デメチル-7-デオキシ-4'-デプロピル-7-エピ-7-(5-(2-ニトロフェニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イルチオ)-4'-ペンチルリンコマイシン(化合物353)
実施例29(i)の表題化合物400mg(0.54mmol)、5-(2-ニトロフェニル) -1,3,4-チアジアゾール-2-チオール201.4mg(0.84mmol)を用い実施例15(iv)と同様の方法により表題化合物72.6 mg (収率21%)で得た。
実施例29と同様の方法により得た化合物(353から355)およびその1H-NMR、MSのデータを表18に示す。
実施例30: 7-デオキシ-4'-デプロピル-7-エピ-7-(5-(2-ニトロフェニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イルチオ)-4'-ペンチルリンコマイシン(化合物357)
実施例29(ii)の表題化合物56.1mg (0.087mmol)、ホルムアルデヒド液を用い実施例21(i)に記載した方法に準じて表題化合物49.1mg (収率86%)を得た。
実施例30と同様の方法により得た化合物(356から358)およびその1H-NMR、MSのデータを表18に示す。
実施例31:
(i) メチル 6−N−((2S,4R)−1−tert−ブトキシカルボニル−4−プロピル)ピぺコロイル−2,3,4−トリ−O−トリメチルシリル−1−チオ−α−リンコサミド
文献(J. Med. Chem., 27, (1984), 216.)に記載された方法に準じて得た4-プロピルピリジン-2-カルボン酸塩酸塩1.05g(5.22mmol)の酢酸(8ml)溶液に酸化白金(IV)79.8mg(0.35mmol)を加え、常圧の水素雰囲気下24時間攪拌した。セライト濾過後、溶媒を留去し、4-プロピルピペリジン-2-カルボン酸酢酸塩の粗結晶9.9gを得た。得られた粗結晶のtert-ブタノール(40ml)溶液に二炭酸ジ-tert-ブチル11.9ml(52mmol)および2N水酸化ナトリウム水溶液43mlを順次加え、室温で24時間攪拌した。溶媒留去後、水およびジエチルエーテルを加え、得られた水層に酢酸エチルおよび2N塩酸を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、濾液を留去し1-N-(tert-ブトキシカルボニル)-4-プロピルピぺリジン-2-カルボン酸7.9g(収率68%)を得た。
1-N-(tert-ブトキシカルボニル)-4-プロピルピペリジン-2-カルボン酸7.9g、メチル 1-チオ-α-リンコサミド10.96g(43.5mmol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド8.95g(43.4mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール5.86g(43.4mmol)およびN,N-ジメチルホルムアミド85mlを用い、実施例15(iii)中の対応する手法と同様の方法によりメチル6-N- ((2S,4R)-4-プロピル)ピぺコロイル-1-チオ-α-リンコサミド14.5 g (収率99%)を得た。
メチル 6-N-((2S,4R)-4-プロピル)ピぺコロイル-1-チオ-α-リンコサミド1.35g(2.68mmmol)を用い、実験例1(i)と同様の方法により表題化合物0.8g(収率41%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl3) d: 0.11 (18H, s), 0.16 (9H, s), 1.33 (9H, s), 5.14 (1H, d, J = 5.4 Hz), 6.32 (1H, brd, J = 8.7 Hz).
MS (FAB+) m/z: 724 (M++1).
(ii) メチル 7-デオキシ-7-エピ-7‐(4-フルオロ-2-ニトロフェニル-1,3,4-チアジアゾール-2-イルチオ)-6-N-((2S,4R)-4-プロピル)ピぺコロイル-1-チオ-α-リンコサミド(化合物366)
実施例31(i)の表題化合物358.1mg(0.5mmol)、153.3mg(0.6mmol)、ジエチルアゾカルボキシレート120ml(0.76mmol)、トリフェニルホスフィン195.8mg(0.75mmol)およびテトラヒドロフラン3mlを用い、実施例15(iv)と同様の方法により表題化合物46.2mg(収率14%)を得た。
実施例31と同様の方法により得た化合物(359から367、509から512)およびその1H-NMR、MSのデータを表18,21hに示す。
実施例32:
(i) メチル 6-N-((2S,4R)-1-N-tert-ブトキシカルボニル-4-プロピル)ピペコロイル-7-O-メタンスルホニル-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリル-1-チオ-α-リンコサミド
実施例31(i)の表題化合物500mg(0.693mmol)を用い実施例2(i)と同様の方法により表題化合物530mg(収率95%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 0.13 - 0.18 (27H, m), 0.88 (3H, t, J = 7.1 Hz), 1.43 (3H, d, J = 6.3 Hz), 1.47 (9H, s), 2.06 (3H, s), 3.06 (3H, s), 5.12 (1H, d, J= 5.4 Hz).
(ii) メチル 7-デオキシ-7-(1-(4,5-ジヒドロチアゾール-2-イル)アゼチジン-3-イルチオ)-7-エピ-6-N-((2S,4R)-4-プロピル)ピぺコロイル-1-チオ-α-リンコサミド(化合物368)
実施例32(i)の表題化合物152mg(0.210mmol)を用い、実施例2(ii)、16(v)と同様の方法により表題化合物46mg(収率39%)を得た。
実施例32により得た化合物(368)の1H-NMR、MSのデータを表18、表21hに示す。
実施例33:
(i) メチル 7-アセチルチオ-6-N-((2S,4R)-1-N-tert-ブトキシカルボニル-4-プロピル)ピぺコリル-7-デオキシ-7-エピ-1-チオ-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリル-α-リンコサミド
実施例32(i)の表題化合物530mg(0.662mmol)を用い実施例3(i)と同様の方法により表題化合物357mg(収率69%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 0.13 (18H, m), 0.18 (9H, s), 0.88 (3H, t, J = 6.6 Hz), 1.35 (3H, d, J = 6.2 Hz), 1.49 (9H, s), 1.99 (3H, s), 2.29 (3H, s), 5.15 (1H, d, J = 5.6 Hz).
MS (FAB+) m/z: 781 (M++1).
(ii) メチル 7-アセチルチオ-6-N-((2S,4R)-1-N-tert-ブトキシカルボニル-4-プロピル)ピぺコロイル-7-デオキシ-7-エピ-1-チオ-α-リンコサミド
実施例33(i)の表題化合物341 mg (0.436 mmol)を用い実施例3(ii)と同様の方法により表題化合物250 mg を得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 0.90 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.43 (3H, d, J = 7.3 Hz),1.46 (9H, s), 2.15 (3H, s), 2.36 (3H, s), 5.29 (1H, d, J = 5.6 Hz).
MS (FAB+) m/z: 565 (M++1).
(iii) メチル 6-N-((2S,4R)-1-N-tert-ブトキシカルボニル-4-プロピル)ピぺコロイル-7-デオキシ-7-エピ-7-メルカプト-1-チオ-α-リンコサミド
実施例33(ii)の表題化合物244mg(0.432mmol)を用い実施例3(iii)と同様の方法により表題化合物234mg(収率96%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 0.90 (3H, t, J = 7.1 Hz), 1.47 (9H, s), 2.22 (3H, s), 5.33 (1H, d, J = 5.6 Hz).
MS (FAB+) m/z: 523 (M++1).
(iv) メチル 7-デオキシ-7-エピ-7-(5-(4-フルオロ-5-メトキシ-2-ニトロフェニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イルチオ)-6-N-((2S,4R)-4-プロピル)ピぺコロイル-1-チオ-α-リンコサミド(化合物369)
実施例33(iii)の表題化合物90mg(0.172mmol)、2-クロロ-5-(4-フルオロ-5-メトキシ-2-ニトロフェニル)-1,3,4-チアジアゾール52.4 mg(0.181mmol)を用い、実施例3(iv)、16(v)と同様の方法により表題化合物30 mg (収率26%)を得た。
(v) メチル 1-N-tert-ブトキシカルボニル-7-デオキシ-7-エピ-6-N-((2S,4R)-4-プロピル)ピペコロイル-7-(4-(ピリジン-3-イル)フェニルチオ)-1-チオ-α-リンコサミド
実施例33(iii)の表題化合物123mg(0.236mmol)を用い実施例3(v)と同様の方法により表題化合物141mg(収率88%)を得た。
1H-NMR (300 MHz,CD3OD)δ: 1.46 (9H, s), 1.95 (3H, s), 3.88 (1H, dq, J = 2.7, 6.6 Hz), 5.28 (1H, d, J = 5.4 Hz), 7.53 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.63 (2H, d, J = 8.4 Hz), 8.09 (1H, ddd, J = 1.5, 2.1, 8.1 Hz), 8.51 (1H, dd, J = 1.5, 5.1 Hz), 8.80 (1H, d, J = 2.1 Hz).
MS (API) m/z: 676 (M++1).
(vi) メチル 7-デオキシ-7-エピ-6-N-((2S,4R)-4-プロピル)ピペコロイル-7-(4-(ピリジン-3-イル)フェニルチオ)-1-チオ-α-リンコサミド(化合物370)
実施例33(v)の表題化合物141mg(0.209mmol)を用い実施例16(v)と同様の方法により表題化合物94.7mg(収率79%)を得た。
実施例33(iv)、(vi)により得た化合物(369、370と513から516))およびその1H-NMR、MSのデータを表19、21hに示す。
実施例34:
(i) メチル 7-(5-アミノピリジン-2-イルチオ)-7-デオキシ-7-エピ-6-N-((2S,4R)-1-N-tert-ブトキシカルボニル-4-プロピル)ピペコロイル-1-チオ-α-リンコ
サミド
実施例31(i)の表題化合物、2-メルカプト-5-ニトロピリジン、テトラヒドロフランの代わりにトルエンを用い実施例1(ii)と同様の方法により得た7-デオキシ-7-エピ-7-(5-ニトロピリジン-2-イルチオ)-6-N-((2S,4R)-1-N-tert-ブトキシカルボニル-4-プロピル)ピペコロイル-1-チオ-α-リンコサミド1.20g(1.86mmol)を用いて、実施例4(ii)と同様の方法により表題化合物522mg(収率46%)を得た。
1H-NMR (300 MHz,CD3OD)δ: 1.48 (9H, s), 2.12 (3H, s), 3.77 (1H, dq, J = 2.4, 6.9 Hz), 5.31 (1H, d, J = 5.7 Hz), 7.05 (1H, dd, J = 2.7, 8.4 Hz), 7.30 (1H, d, J = 8.7 Hz), 8.02 (1H, d, J = 2.7 Hz).
MS (FAB+) m/z: 615 (M++1).
(ii) メチル 7-5-アミノピリジン-2-イルチオ)-7-デオキシ-7-エピ -6-N-((2’S, 4’R)-1’-N-tert -ブトキシカルボニル- 4’-プロピル)ピペコロイル-1-チオ-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリル-α-リンコサミド
実施例34(i)の表題化合物522mg(0.849mmol)を用い実施例5(i)と同様の方法により表題化合物692mg(収率98%)を得た。
1H-NMR (300 MHz,CDCl3)δ: 0.13 - 0.19 (27H, m), 1.44 (9H, s), 1.99 (3H, s), 3.98 (1H, dq, J = 2.4, 6.9 Hz), 5.19 (1H, d, J = 5.4 Hz), 6.86 (1H, dd, J = 3.0, 8.4 Hz), 7.97 (1H, d, J = 3.0 Hz).
MS (FAB+) m/z: 831 (M++1).
(iii) メチル 7-(5-アセタミドピリジン-2-イルチオ)-7-デオキシ-7-エピ-6-N-((2’S, 4’R)-1’-N-tert-ブトキシカルボニル-4’-プロピル)ピペコロイル-1-チオ-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリル-α-リンコサミド
実施例34(ii)の表題化合物232mg(0.278mmol)を用い実施例19(iii)と同様の方法により表題化合物242mg(収率99%)を得た。
1H-NMR (300 MHz,CDCl3)δ: 0.12 - 0.19 (27H, m), 1.45 (9H, s), 1.84 (3H, s), 2.18 (3H, s), 4.24 (1H, dq, J = 3.0, 6.9 Hz), 5.16 (1H, d, J = 5.7 Hz), 6.74 (1H,d, J = 9.6 Hz), 7.92 (1H, dd, J = 2.4, 8.7 Hz), 8.46 (1H, d, J = 1.5 Hz).
MS (API) m/z: 873 (M++1).
(iv) メチル 7-(5-アセタミドピリジン-2-イルチオ)-7-デオキシ-7-エピ-6-N-((2S,4R)-1-N-tert-ブトキシカルボニル-4-プロピル)ピペコロイル-1-チオ-α-リンコサミド
実施例34(iii)の表題化合物242mg(0.278mmol)を用い実施例19(iv)と同様の方法により表題化合物115mg (収率63%)を得た。
1H-NMR (300 MHz,CD3OD)δ: 1.42 (9H, s), 1.95 (3H, s), 2.14 (3H, s), 5.24 (1H,d, J = 5.7 Hz), 7.35 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.86 (1H, dd, J = 2.4, 8.4 Hz), 8.75 (1H, d, J = 2.1 Hz).
MS (FAB+) m/z: 657 (M++1).
(v) メチル 7-(5-アセタミドピリジン-2-イルチオ)-7-デオキシ-7-エピ-6-N-((2S, 4R)-4-プロピル)ピペコロイル-1-チオ-α-リンコサミド(化合物371)
実施例34(iv)の表題化合物115mg(0.176mmol)を用い実施例16(v)と同様の方法により表題化合物92.3mg(収率94%)を得た。
実施例34(iii)、(iv)および(v)と同様の方法により得た化合物(371と372)およびその1H-NMR、MSのデータを表19に示す。
実施例35: メチル 7-デオキシ-7-エピ-7-(5-(ピペリジノカルボニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イルチオ)-6-N-((2S,4R)-4-プロピル)ピぺコロイル-1-チオ-α-リンコサミド(化合物373)
メチル 6-N-((2S,4R)-4-プロピル) ピぺコロイル-7-デオキシ-7-エピ-7-(5-エトキシカルボニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イルチオ) -1-チオ-α-リンコサミド50.6mg、エタノール1mlおよびピペリジン0.2 mlを用い、実施例8と同様の方法により表題化合物を38.5mg (収率69%)得た。
実施例35と同様の方法により得た化合物(373と374)およびその1H-NMR、MSのデータを表19に示す。
実施例36:
(i) メチル 7-(5-カルボキシピリジン-2-イルチオ)-7-デオキシ-7-エピ-6-N-((2S,4R)-1-N-tert-ブトキシカルボニル- 4 - プロピル)ピペコロイル-1-チオ-α-リンコサミド
実施例31(i)の表題化合物、4-メトキシカルンボニルピリジン-2- チオール、溶媒にトルエンを用い実施例1(ii)と同様の方法により得たメチル 7-デオキシ-7-エピ-7-(5-メトキシカルボニルピリジン-2-イルチオ)-6-N-((2S,4R)-1-N-tert-ブトキシカルボニル-4-プロピル)ピペコロイル-1-チオ-α-リンコサミド412mg(0.627mmol)を用い、実施例10(i)と同様の方法により表題化合物374mg(収率93%)を得た。
1H-NMR (300 MHz,CD3OD)δ: 1.43 (9H, s), 1.85 (3H, s), 4.28 (1H, dq, J = 3.0, 6.9 Hz), 5.23 (1H, d, J = 5.7 Hz), 7.32 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.09 (1H, dd, J = 2.1, 8.4 Hz), 8.94 (1H, d, J = 2.1 Hz).
MS (FAB+) m/z: 644 (M++1).
(ii) メチル 7-デオキシ-7-エピ-7-(5-(ピペリジノカルボニル)ピリジン-2-イルチオ)-6-N-((2S,4R)-1-N-tert-ブトキシカルボニル- 4-プロピル)ピペコロイル-1-チオ-α-リンコサミド
実施例36(i)の表題化合物100mg(0.156mmol)を用い、モルホリンの代えてピペリジンを用い実施例16(iv)と同様の方法により表題化合物19.4mg (収率18%)を得た。
1H-NMR (300 MHz,CD3OD)δ: 1.44 (9H, s), 1.80 (3H, s), 5.22 (1H, d, J = 5.7 Hz), 7.36 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.92 (1H, dd, J = 2.4, 8.4 Hz), 8.45 (1H, d, J = 2.4 Hz).
MS (FAB+) m/z: 711 (M++1).
(iii) メチル 7-デオキシ-7-エピ-7-(5-(ピペリジンノカルボニル)ピリジン-2-イルチオ)-6-N-((2S, 4R)-4-プロピル)ピペコロイル -1-チオ-α-リンコサミド(化合物376)
実施例36(ii)の表題化合物19.4mg(0.0273mmol)を用い実施例16(v)と同様の方法により表題化合物13.1mg (収率79%)を得た。
実施例36(ii)、(iii)と同様の方法により得た化合物(375から379)およびその1H-NMR、MSのデータを表19に示す。
実施例37:
(i) メチル 6-N-((2S,4R)-1-N-tert-ブトキシカルボニル-4-プロピル)ピぺコロイル-7-デオキシ-7-エピ-7-(5-(5-フルオロ‐2-ニトロフェニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イルチオ)-1-チオ-α-リンコサミド
実施例31(i)の表題化合物180mg(0.25mmol) のテトラヒドロフラン(6ml) 溶液に氷冷下、トリフェニルホスフィン100mg (0.38mmol)、ジエチルアゾジカルボキシレート0.06ml(0.38mmol)および5-(5-フルオロ-2-ニトロフェニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-チオール97 mg (0.38 mmol)を順次加え、室温で16時間攪拌した。溶媒を留去し得られた残査をゲル濾過カラムクロマトグラフィー(CM-セファデックスLH- 20)にて精製した。残渣のメタノール3ml溶液に1N塩酸0.1 mlを加え、溶媒を留去し得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=30:1)にて精製し表題化合物81 mg (収率44%)を得た。
(ii) メチル 7-デオキシ-7-エピ-7-(5-(5-メチルアミノ-2-ニトロフェニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イルチオ) -6-N-((2S,4R)-4-プロピル) ピぺコロイル-1-チオ-α-リンコサミド(化合物380)
実施例37(i)の表題化合物81mg(0.11mmol) のメタノール(1ml)溶解に40%メチルアミンメタノール溶液0.2 mlを加え室温で16時間攪拌した。溶媒を留去し得られた残渣にトリフルオロ酢酸0.5 mlを加え室温で1時間攪拌した。反応液にイソプロピルエーテル5 mlを加え生じた沈殿を濾取し、分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=20:1:0.1) にて精製し表題化合物48mg(収率58%)を得た。
実施例37と同様の方法により得た化合物(380と381)およびその1H-NMR、MSのデータを表19に示す。
実施例38: メチル 7-デオキシ-7-エピ-7-(5-(5-メトキシ‐2-ニトロフェニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イルチオ)-6-N-((2S, 4R)-4-プロピル)ピぺコロイル-1-チオ-α-リンコサミド(化合物382)
実施例37(i)の表題化合物30mg(0.04mmol) のメタノール(0.5ml)溶解に、28%ナトリウムメチラートメタノール溶液0.1mlを加え室温で3時間攪拌した。反応液に1N塩酸を加えた後、溶媒を留去し得られた残査にトリフルオロ酢酸0.2mlを加え室温で1時間攪拌した。反応液にイソプロピルエーテル5mlを加え生じた沈殿を濾取し、分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=20:1:0.1) にて精製し表題化合物21.7mg(収率83%)を得た。
実施例38により得た化合物(382)の1H-NMR、MSのデータを表19に示す。
実施例39: メチル 7-デオキシ-7-エピ-7‐(5-(4-フルオロ-2-ニトロフェニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イルチオ)-6-N-((2S, 4R)-1-メチル-4-プロピル)ピぺコロイル-1-チオ-α-リンコサミド(化合物389)
化合物366 55.4g(0.09mmol)、ホルムアルデヒド液38ml(0.46mmol)、トリアセトキシホウ素ナトリウム58.3mg(0.27mmol)、触媒量の酢酸およびメタノール1mlを用い、実施例21(i)と同様の方法により表題化合物22.2mg(収率37%)を得た。
実施例39と同様の方法により得た化合物(383から393)およびその1H-NMR、MSのデータを表20に示す。
実施例40:
(i) メチル 6-N-((2S, 4R)-1-N-tert-ブトキシカルボニル-4-エチル)ピぺコロイル-1-チオ-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリル-α-リンコサミド
4-エチルピリジン-2-カルボン酸塩酸塩7.65g(40.7mmol)を用い実施例31(i)と同様の方法により表題化合物10.9g(5工程収率38%)を得た。
1H-NMR (300 MHz,CDCl3)δ: 0.15 (18H, m), 0.20 (9H, s), 0.86 (3H, t, J = 7.1 Hz), 1.13 (3H, d, J = 6.6 Hz), 1.42 (9H, s), 2.01 (3H, s), 5.12 (1H, d, J = 5.4 Hz).
MS (FAB+) m/z: 709 (M++1).
(ii) メチル 7-デオキシ-7-エピ-7-(5-(4-フルオロ-2-ニトロフェニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イルチオ)-6-N-((2S,4R)-4-エチル)ピぺコロイル-1-チオ-α-リンコサミド(化合物394)
実施例40(i)の表題化合物180mg(0.25mmol)および4-フルオロ-2-ニトロフェニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-チオール80mg(0.31mmol)を用い実施例15(iv)と同様の方法により表題化合物107 mg (収率45%) を得た。
実施例40と同様の方法により得た化合物(394、395と517)およびその1H-NMR、MSのデータを表20、表21hに示す。
実施例41: メチル 7-デオキシ-7-エピ-7-(5-(4-フルオロ‐2-ニトロフェニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イルチオ)-6-N-((2S, 4R)-1-N-メチル-4-エチル)ピぺコロイル-1-チオ-α-リンコサミド(化合物396)
実施例40 (ii)の表題化合物40mg(0.16mmol)、ホルムアルデヒド液を用い実施例21(i)と同様に表題化合物33.2mg (収率84%)を得た。
実施例41により得た化合物(396)の1H-NMR、MSのデータを表20に示す。
実施例42:
(i) メチル 6-N-((2S,4R)-1-N-tert-ブトキシカルボニル-4-ブチル)ピぺコロイル-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリル-1-チオ-α-リンコサミド
4-ブチルピリジン-2-カルボン酸塩酸塩10.8g(50mmol)を用い実施例31(i)と同様の方法により表題化合物11.4g(5工程収率31%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 0.14 (18H, m), 0.19 (9H, s), 0.88 (3H, m), 1.15 (3H, d, J = 6.6 Hz), 5.17 (1H, d, J = 5.4 Hz).
MS (FAB+) m/z: 737 (M++1).
(ii) メチル 6-N-((2S,4R)-4-ブチル)ピぺコロイル-7-デオキシ-7-エピ-7-(5-(2-ニトロフェニル)-1,3,4-チアジアゾール-2 -イルチオ)- 1-チオ-α-リンコサミド(化合物400)
実施例42(i)の表題化合物500mg(0.678mmol)、5-(2-ニトロフェニル)-1,3,4-チアジアゾール-2-チオール211mg(0.882mmol)を用い実施例15(iv)と同様の方法により表題化合物93mg(収率21%)を得た。
実施例42(ii)と同様の方法により得た化合物(397から402、518)およびその1H-NMR、MSのデータを表21a、表21hに示す。
実施例43:
(i) メチル 6-N-((2S,4R)-1-N-tert-ブトキシカルボニル-4-ブチル)ピペコロイル-7-デオキシ-7-エピ-7-(5-ニトロピリジン-2-イルチオ)-1-チオ-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリル-α-リンコサミド
実施例42(i)の表題化合物2.00g(2.71mmol)のトルエン40mlの溶液に氷冷下、トリフェニルホスフィン1.13g(4.10mmol)、ジエチルアゾジカルボキシレート0.66ml(4.07mmol)および2-メルカプト-5-ニトロピリジン651mg(4.09mmol)を順次加え、室温で7時間攪拌した。溶媒を留去し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:1〜6:1) にて精製し表題化合物2.07g (収率87%) を得た。
1H-NMR (300 MHz,CDCl3)δ: 0.12 - 0.19 (27H, m), 1.48 (9H, s), 2.05 (3H, s), 4.55 (1H, dq, J = 3.3, 6.9 Hz), 5.14 (1H, d, J = 5.4 Hz), 7.24 (1H, d, J = 8.7 Hz), 8.20 (1H, dd, J = 2.7, 8.7 Hz), 9.21 (1H, dd, J = 0.3, 3.3 Hz).
MS (FAB+) m/z: 875 (M++1).
(ii) メチル 7-(5-アミノピリジン-2-イルチオ)-6-N-((2S,4R)-1-N-tert-ブトキシカルボニル-4-ブチル)ピペコロイル-7-デオキシ-7-エピ-1-チオ-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリル-α-リンコサミド
実施例43(i)の表題化合物2.07g(2.37mmol)を用い実施例4 (ii)と同様の方法により表題化合物365mg (収率18%)を得た。
1H-NMR (300 MHz,CDCl3)δ: 0.13 - 0.19 (27H, m), 1.44 (9H, s), 2.05 (3H, s), 3.99 (1H, dq, J = 2.4, 6.9 Hz), 5.19 (1H, d, J = 5.7 Hz), 6.86 (1H, dd, J = 3.0, 8.4 Hz), 7.11 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.98 (1H, d, J = 3.0 Hz).
MS (API) m/z: 845 (M++1).
(iii) メチル 7-(5-アセタミドピリジン-2-イルチオ)-6-N-((2S,4R)-1-N-tert-ブトキシカルボニル-4-ブチル)ピペコロイル-7-デオキシ-7-エピ-1-チオ-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリル-α-リンコサミド
実施例43(ii)の表題化合物365mg(0.432mmol)を用い実施例19(iii)と同様の方法により表題化合物409mg(収率100%)を得た。
1H-NMR (300 MHz,CDCl3)δ: 0.12 - 0.19 (27H, m), 1.45 (9H, s), 1.84 (3H, s), 2.18 (3H, s), 4.23 (1H, dq, J = 3.0, 6.9 Hz), 5.16 (1H, d, J = 5.7 Hz), 7.14 (1H,d, J = 8.4 Hz), 7.92 (1H, dd, J = 2.4, 8.4 Hz), 8.45 (1H, d, J = 2.4 Hz).
MS (API) m/z: 887 (M++1).
(iv) メチル 7-(5-アセタミドピリジン-2-イルチオ)-6-N-((2S,4R)-1-N-tert-ブトキシカルボニル-4-ブチル)ピペコロイル- 7-デオキシ-7-エピ-1-チオ-α-リンコサミド
実施例43(iii)の表題化合物409mg(0.461mmol)を用い実施例3(ii)と同様の方法により表題化合物252mg(収率82%)を得た。
1H-NMR (300 MHz,CD3OD)δ: 1.44 (9H, s), 1.97 (3H, s), 2.17 (3H, s), 5.27 (1H,d, J = 5.4 Hz), 7.29 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.80 (1H, d, J = 10.2 Hz), 8.80 (1H, s).
MS (FAB) m/z: 671 (M++1).
(v) メチル 7-(5-アセタミドピリジン-2-イルチオ)-6-N-((2S, 4R)-4-ブチル)ピペコロイル-7-デオキシ-7-エピ-1-チオ-α-リンコサミド(化合物403)
実施例43(iv)の表題化合物252mg(0.376mmol)を用い実施例16(v)と同様の方法により表題化合物194mg(収率91%)を得た。
実施例43により得た化合物(403)の1H-NMR、MSのデータを表21aに示す。
実施例44: メチル 6-N-((2S, 4R)-4-ブチル-1-メチル)ピぺコロイル-7 -デオキシ-7-エピ-7-(5-(2-ニトロフェニル)-1,3,4-チアジアゾー-2-イルチオ)-1-チオ-α-リンコサミド(化合物406)
実施例42(ii)の表題化合物57mg(0.0888mmol)、ホルムアルデヒド液74μl(0.888mmol)を用い実施例21(i)と同様の方法により表題化合物51mg(収率88%)を得た。
実施例44と同様の方法により得た化合物(404から408)およびその1H-NMR、MSのデータを表21aに示す。
実施例45: 7-(6-アミノベンゾ[d]チアゾール-2-イルチオ)-7-デオキシリンコマイシン (化合物409)
クリンダマイシン塩酸塩231mg(0.5mmol) のN,N-ジメチルホルムアミド(1ml)溶液に炭酸カリウム138 mg(1 mmol)および6-アミノベンゾ[d] チアゾール-2-チオール137mg (0.75mmol)を順次加え、90℃で16時間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈後、2回水洗した。溶媒を留去し得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール :28%アンモニア水=20:1:0.1) にて精製し表題化合物113mg (収率40%)を得た。
実施例45により得た化合物(409)の1H-NMR、MSのデータを表21aに示す。
実施例46:
(i) 3,4-O-イソプロピリデンリンコマイシン
LCMを用いJournal of Medicinal Chemistry, 13, 616,(1970).に記述された方法に準じて表題化合物を得た。
(ii) 2-0-(2,6-ジクロロベンジル)-3,4-O-イソプロピリデンリンコマイシン
実施例46(i)の表題化合物50mg(0.11mmol)のベンゼン(1ml)溶液に、カリウム tert-ブトキシド18.9mg(0.17mmol)を加え室温で30分攪拌した。これに2,6-ジクロロベンジルブロミド32.1mg(0.13 mmol)を加え室温で19時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え反応を停止した後、酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。濾液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=20:1:0.1)にて精製し表題化合物31.9 mg (収率47%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.32 (3H, s), 1.44 (3H, s), 2.09 (3H, s), 2.36 (3H, s), 4.93 (2H, s), 5.32 (1H, d, J = 5.1 Hz), 7.17 - 7.21 (1H, m), 7.32 (2H, d, J = 8.0 Hz).
(iii) 7-(5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,3,4-チアジアゾール -2-イルチオ)-7-デオキシ-2-0-(2,6-ジクロロベンジル)-7-エピ-3,4-O-イソプロピリデンリンコマイシン
実施例46(ii)の表題化合物79.5mg(0.13mmol)、5-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,3,4-チアジアゾール-2-チオール47.5mg(0.2mmol)を用い実施例1(ii)と同様の方法により表題化合物71.8mg(収率67%)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 1.26 (3H, s), 1.40 (3H, s), 1.55 (9H, s), 2.00 (3H, s), 2.38 (3H, s), 4.91 (1H, d, J = 10.8 Hz), 4.95 (1H, d, J = 10.8 Hz), 5.31 (1H, d, J = 5.1 Hz), 7.18 (1H, dd, J = 7.7, 7.7 Hz), 7.31 (1H, d, J = 5.1 Hz), 7.31 (1H, d, J = 5.1 Hz), 7.77 (1H, d, J = 10.2 Hz).
(iv) 7-(5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-イルチオ)-7-デオキシ-2-0-(2,6-ジクロロ
ベンジル) -7-エピリンコマイシン(化合物410)
実施例46(iii)の表題化合物71.8mg (0.088mmol)に予め氷冷したトリフルオロ酢酸(1ml)を加えた後、室温で3時間攪拌した。メタノールを加え、減圧下濃縮乾固し得られた残渣を分取薄層クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=9:1:0.1)にて精製し表題化合物32.7mg (収率55%)を得た。
実施例46と同様の方法により得た化合物(410から412)およびその1H-NMR、MSのデータを表21aに示す。
実施例47:
(i) (S)-メチル 2-(2-ニトロフェニルスルホナミド)ペント-4-エノエート
0℃に冷却したチオニルクロリド3.18ml(43.5mmol)のメタノール(40ml)溶液にL-2-アミノ-4-ペンテン酸を加えた。その後、室温にて24時間攪拌した。反応溶液を減圧下濃縮し乾燥した。この粗生成物のジエチルエーテル(26ml)溶液を0℃に冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(26ml)を加えた。これに2-ニトロベンゼンスルホニルクロリド4.24g(19.14mmol)を加え室温にて7時間攪拌した。その後反応溶液を0℃に冷却しN,N-ジメチルエチレンジアミン(2ml)を加え室温にて30分攪拌した。有機層を分離した後、水層にクエン酸を加えpH3としてジエチルエーテルにて抽出した。合わせて得られた有機層を3%クエン酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製し、表題化合物4.52g(収率83%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 2.58 (2H, dd, J = 5.9, 6.8 Hz), 3.52 (3H, s), 4.30 (1H, dt, J = 5.8, 8.8 Hz), 5.12-5.15 (1H, m), 5.17 (1H, s), 5.62-5.72 (1H, m), 6.09 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.72-7.76 (2H, m), 7.91-7.96 (1H, m), 8.06-8.10 (1H, m).
MS (FAB+) m/z: 315(M++1).
(ii) 3-メチレンヘキサン-1-オール
0℃に冷却したN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン39ml(258mmol)のジエチルエーテル(148ml)溶液にブチルリチウム(2.66Mトルエン溶液)82ml(218.2mmol)を加えた後、室温にて1時間攪拌した。この反応溶液を0℃に冷却し3-メチル-3-ブテン-1-オール10.1ml(99.2mmol)を加えた後、室温にて6時間攪拌した。この反応溶液を-78℃に冷却し、ブロモエタン8.9ml(119mmol)のジエチルエーテル(29.2ml)溶液を加え、室温までゆっくり昇温させ15時間攪拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えジエチルエーテルにて抽出した。得られた有機層を3%クエン酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮後、残渣を減圧蒸留にて精製し、表題化合物1.4g(収率12%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 0.80 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.35 (2H, tq, J = 7.3. 7.5 Hz), 1.89 (2H, t, J = 7.5 Hz), 2.17 (2H, t, J = 6.3 Hz), 3.59 (2H, dt, J = 5.3, 6.1 Hz), 4.70 (1H, dd, J = 0.7, 1.2 Hz), 4.74 (1H, d, J = 1.5 Hz).
MS (GC) m/z: 114(M+).
(iii) (S)-メチル2-(N-(3-メチレンヘキシル)-2-ニトロフェニルスルホナミド)ペント-4-エノエート
実施例47(i)の表題化合物2.27g(7.22mmol)、実施例47(ii)の表題化合物1.07g(9.39mmol)にテトラヒドロフラン(30.2ml)を加え0℃に冷却しトリフェニルホスフィン2.84g(10.8mmol)を加え10分攪拌した。この溶液にジイソプロピルアゾジカルボキシレート2.1ml(10.8mmol)を加えた後、2時間かけて昇温させ19時間攪拌した。減圧下溶媒を除去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製し、表題化合物2.42g(収率82%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 0.90 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.45 (2H, tq, J = 7.3. 7.6 Hz), 1.99 (2H, t, J = 7.5 Hz), 2.32 (1H, dt, J = 5.1, 12.9 Hz), 2.44-2.55 (2H, m), 2.83 (1H, dtt, J = 1.5, 6.0, 15.1 Hz), 3.25 (1H, ddd, J = 5.1, 12.2, 15.4 Hz), 3.53 (1H, ddd, J = 5.1, 12.0, 15.3 Hz), 3.58 (3H, s), 4.71-4.75 (2H, m), 4.79 (1H, d, J = 1.4 Hz), 5.14 (1H, dq, J = 1.5, 10.2 Hz), 5.20 (1H, dq, J = 1.5, 17.1 Hz), 5.82 (ddt, J = 6.8, 10.5, 17.0 Hz), 7.56-7.60 (1H, m), 7.67-7.74 (2H, m), 8.02-8.06 (1H, m).
MS (FAB+) m/z: 411(M++1).
(iv) (S,Z)- メチル 1-(2-ニトロフェニルスルホニル)-5-プロピル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H-アゼピン-2-カルボキシレート
実施例47(iii)の表題化合物2.42g(5.89mmol)の塩化メチレン(295ml)溶液にベンジリデン[1,3-ビス(2, 4, 6 - トリメチルフェニル)-2-イミダゾリジニリデン]ジクロロ(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム250mg(0.295mmmol)を加え1時間加熱還流した。室温まで冷却した後、減圧下溶媒を除去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製し、表題化合物1.84g(収率82%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl3)δ: 0.82 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.22-1.42 (2H, m), 1.91 (3H, t, J = 7.3 Hz), 2.28 (1H, ddd, J = 1.9, 6.1, 16.3 Hz), 2.38-2.47 (1H, m), 2.56-2.64 (1H, m), 2.79 (1H, dt, J = 7.3, 14.9 Hz), 3.45 (1H, ddd, J = 2.2, 10.5, 14.4 Hz), 3.62 (3H, s), 3.83 (1H, ddd, J = 3.2, 6.3, 14.4 Hz), 4.90 (1H, dd, J = 3.4, 6.8 Hz), 5.45 (1H, ddd, J = 1.0, 5.3, 7.3 Hz), 7.61-7.65 (1H, m), 7.66-7.71 (2H, m), 8.05-8.10 (1H, m).
MS (ESI+) m/z: 383(M++1).
(v) メチル 6-N-((2S,Z)-1-(2-ニトロフェニルスルホニル)-5-プロピル -2-(2,3,6,7-テトラヒドロアゼピン)カルボニル)-1-チオ -α-リンコサミド
実施例47(iv)の表題化合物500mg(1.31mmol)の1,4-ジオキサン:水=4:1(7ml)溶液に水酸化リチウム1水和物164.6mg(3.92mmol)を加え4時間室温にて攪拌した。水、ジエチルエーテルを加えて希釈した後、セライト濾過した。有機層を分離し水層に3%クエン酸水溶液を加え酢酸エチルにて抽出した。合わせて得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮し乾燥した。この粗生成物に1-ヒドロキシベンゾトリアゾール265.0mg(1.96mmol)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩375.8mg(1.96mmol)、N,N-ジメチルホルムアミド(5.0ml) を順次加え、室温にて20分攪拌した。その後、メチル 1-チオ-α-リンコサミド496.8mg(1.96mmol)を加え室温にて13時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=50:1)で精製し、表題化合物660mg(収率84%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CD3OD)δ: 0.83 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.15 (3H, d, J = 6.3 Hz), 1.26-1.34 (2H, m), 1.80 (2H, t, J = 7.3 Hz), 2.05 (3H, s), 2.25-2.55 (3H, m), 2.75 (1H, dt, J = 7.5, 15.8 Hz), 3.58 (1H, dd, J = 3.4, 10.2 Hz), 3.75-3.83 (3H, m), 4.03-4.11 (3H, m), 4.38 (1H, d, J = 5.8 Hz), 5.22 (1H, d, J = 5.6 Hz), 5.37-5.42 (1H, m), 7.74-7.78 (1H, m), 7.79-7.86 (2H, m), 8.09-8.14 (1H, m).
MS (FAB+) m/z: 604(M++1).
(vi) メチル 6-N-((2S,5S)-5-プロピル-2-アゼパンカルボニル)-1-チオ-α-リンコサミド
実施例47(v)の表題化合物660mg(1.09mmol)のN,N - ジメチルホルムアミド(5ml)溶液に4-ブロモベンゼンチオール413.4mg(2.19mmol)を加え0℃に冷却した。この溶液に1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-1-メチル-2H-ピリミド[1,2-a]ピリミジンを加え6時間攪拌した。溶媒を減圧下除去し残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1、クロロホルム:メタノール=10:1)で精製した。この粗生成物475mgのメタノール(5ml)溶液にラネーニッケル1gを加え水素雰囲気下37時間攪拌した。反応溶液をセライト濾過後、濾液を減圧下除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=20:1:0.1)で精製し、表題化合物130mg(収率28%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CD3OD)δ: 0.90 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.18 (3H, d, J = 6.6 Hz), 1.19-1.42 (7H, m), 1.61-1.71 (1H, m), 1.80-1.86 (1H, m), 1.95-2.03 (2H, m), 2.08 (3H, s), 2.74-2.82 (1H, m), 3.03 (1H, ddd, J = 2.4, 5.6, 14.2 Hz), 3.57 (1H, dd, J = 3.4, 10.2 Hz), 3.59 (1H, t, J = 5.6 Hz), 3.96 (1H, d, J = 2.7 Hz), 4.06 (1H, q, J = 6.4 Hz), 4.10 (1H, dd, J = 5.6, 10.2 Hz), 4.18 (1H, dd, J = 6.3, 7.8 Hz), 4.24 (1H, d, J = 7.8 Hz), 5.24 (1H, d, J = 5.4 Hz).
MS (FAB+) m/z: 421(M++1).
(vii) メチル7−アセチルチオ−7−デオキシ−7−エピ−6−N−((2S,5S)−1−N−tert−ブトキシカルボニル−5−プロピル−2−アゼパンカルボニル)−2,3,4−トリ−O−トリメチルシリル−1−チオ−α−リンコサミド
実施例47(vi)の表題化合物110mg(0.262mmol)の1,4-ジオキサン:水=4:1(5.5ml)溶液に水酸化リチウム1水和物16.5mg(0.393mmol)を加え室温にて5分攪拌した後、二炭酸-tert-ブチルを加え1時間室温にて攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮後、乾燥し粗生成物としてメチル 6-N-((2S,5S)-1-N-tert-ブトキシカルボニル-5-プロピル-2-アゼパンカルボニル)-1-チオ-α-リンコサミドを得た。この粗生成物とトリメチルシリルクロリド0.166ml(1.31mmol)、ヘキサメチルジシラザン0.275mol(1.31mmol)、ピリジン(5.5ml)、メタノール(5.5ml)、2N 酢酸水溶液0.171ml(0.341mmol)を用い実施例1(i)と同様の方法により、メチル 6-N-((2S,5S)-1-N-tert ブトキシカルボニル-5-プロピル-2-アゼパンカルボニル)-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリル-1-チオ-α-リンコサミドを得た。この粗生成物とトリエチルアミン0.182ml(1.31mmol)、塩化メタンスルホニル0.082ml(1.05mmol)、クロロホルム(3.0ml)を用い実施例2(i)と同様の方法によりメチル6-N-((2S,5S)-1-N-tert-ブトキシカルボニル-5-プロピル-2-アゼパンカルボニル)-7-O-メチルスルホニル-2,3,4-トリ-O-トリメチルシリル-1-チオ-α-リンコサミドを得た。この粗生成物とチオ酢酸カリウム181.3mg(1.59mmol)、N,N - ジメチルホルムアミド(1.5ml)を用い実施例3(i)と同様の方法により表題化合物96mg(46%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CDCl3) d: -0.0043 (9H, s), 0.00 (9H, s), 0.042 (9H, s), 0.76 (3H, t, J = 6.9 Hz), 1.06-1.23 (9H, m), 1.35-1.38 (1H, m), 1.38 (9H, s), 1.50-1.80 (4H, m), 1.85 (3H, s), 2.16 (3H, s), 2.70-2.95 (1H, m), 3.35-3.45 (2H, m), 3.58-4.20 (4H, m), 4.25-4.50 (2H, m), 5.02 (1H, d, J = 5.6 Hz), 6.16 (1H, brd).
MS(FAB+) m/z: 795(M++1).
(viii) メチル6−N−((2S,5S)−1−N−tertブトキシカルボニル−5−プロピル−2−アゼパンカルボニル)−7−デオキシ−7−エピ−7−メルカプト−1−チオ−α−リンコサミド
実施例47(vii)の表題化合物96mg(0.121mmol)のメタノール(2.0ml)溶液に1N 塩酸0.424ml(0.424mmol)を加え室温にて40分攪拌した。減圧下濃縮後乾燥した。得られた粗生成物のメタノール(2ml)溶液に4.1Nナトリウムメトキシドのメタノール溶液0.03mlを加え室温にて30分攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過した。濾液を減圧下濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:28%アンモニア水=20:1:0.1)で精製し、表題化合物40mg(収率62%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CD3OD)δ: 0.91 (3H, t, J = 6.8 Hz), 1.24-1.35 (8H, m), 1.45-1.50 (1H, m), 1.48 (9H, s), 1.60-1.75 (3H, m), 1.90-2.05 (2H, m), 2.15 (3H, s), 3.45-3.59 (3H, m), 3.80-3.90 (1H, m), 4.02-4.15 (2H, m), 4.24-4.34 (1H, m), 4.36-4.32 (2H, m), 5.24 (1H, d, J = 5.6 Hz).
MS(ESI+) m/z: 537(M++1).
(ix) メチル 6−N−((2S,5S)−1−N−tert−ブトキシカルボニル−5−プロピル−2−アゼパンカルボニル)−7−デオキシ−7−エピ−7−(4−(モルホリノカルボニル)フェニルチオ)−1−チオ−α−リンコサミド
実施例47(viii)の表題化合物10mg(0.0186mmol)、参考例8(i)の表題化合物7.5mg(0.0279mmol)、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルザンテン2.2mg(0.00372mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム1.7mg(0.00186mmol)、ジイソプロピルエチルアミン0.0065ml(0.037mmol)、1,4-ジオキサン(0.2ml)を用い実施例3(v)と同様の方法により表題化合物6.1mg(収率45%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CD3OD)δ: 0.91 (3H, t, J = 6.8 Hz), 1.28 - 1.39 (9H, m), 1.49 (9H, s), 1.59 - 1.75 (2H, m), 1.86 - 2.04 (5H, s), 3.45 - 3.80 (9H, m), 3.80 - 4.12 (3H, m), 4.35-4.56 (3H, m), 5.24 (1H, d, J = 5.3 Hz), 7.38 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.46 (2H, d, J = 8.3 Hz).
MS(ESI+) m/z: 726(M++1).
(x) メチル7−デオキシ−7−エピ−7−(4−(モルホリノカルボニル)フェニルチオ)−6−N−((2S,5S)−5−プロピル−2−アゼパンカルボニル)−1−チオ−α−リンコサミド (化合物519)
実施例47(ix)の表題化合物6.1mg(0.0084mmol)、トリフルオロ酢酸0.1mlを用い実施例16(v)と同様の方法により表題化合物5.2mg(収率99%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CD3OD)δ: 0.90 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.20-1.40 (9H, m), 1.43-1.53 (1H, m), 1.63-1.77 (1H, m), 1.85-1.89 (1H, m), 1.90 (3H, s), 1.97-2.05 (2H, m), 2.71-2.82 (1H, m), 3.05-3.15 (1H, m), 3.40-3.80 (10H, m), 3.82-3.85 (1H, m), 3.91-3.99 (1H, qd, J = 7.0, 2.7 Hz), 4.08 (1H, q, J = 5.6 Hz), 4.36 (1H, d, J = 9.8 Hz), 4.52 (1H, dd, J = 9.8, 2.7 Hz), 5.25 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.38 (2H, ddd, J = 8.6, 1.9, 1.9 Hz), 7.46 (2H, ddd, J = 8.6, 1.9, 1.9 Hz).
MS(FAB+) m/z: 626(M++1).
(xi) メチル7−デオキシ−7−エピ−7−(4−(モルホリノカルボニル)フェニルチオ)−6−N−((2S,5S)−N−メチル−5−プロピル−2−アゼパンカルボニル)−1−チオ−α−リンコサミド (化合物520)
実施例47(x)の表題化合物5.2mg(0.00831mmol)、36%ホルムアルデヒド水溶液2.1mg(0.0249mmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリム10.6mg (0.0498mmol)、酢酸0.00142ml(0.0249mmol)、メタノール(0.1ml)を用い実施例21(i)と同様の方法により表題化合物2.3mg(収率43%)を得た。
1H-NMR (400 MHz,CD3OD)δ: 0.90 (3H, t, J = 7.1 Hz), 1.19-1.50 (11H, m), 1.63-1.76 (1H, m), 1.86-2.05 (4H, m), 2.05-2.2 (1H, m), 2.42-2.58 (3H, brs), 2.80-3.05 (2H, m), 3.29-3.32(1H, m), 3.40-3.80 (9H, m), 3.85-3.90 (1H, m), 3.94-4.10 (1H, m), 4.1 (1H, dd, J = 5.6 Hz, J = 10.3 Hz), 4.32-4.39 (1H, m), 4.42-4.54 (1H, m), 5.25 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.40 (2H, d, J = 8.5, Hz), 7.50 (2H, d, J = 8.5 Hz).
MS(ESI+) m/z: 640 (M++1).
本発明の化合物の具体例としては下記の表22〜53に示される化合物が挙げられる。
[試験例1]抗菌活性
以下に、本発明のリンコマイシン誘導体のうちの代表的化合物の各種肺炎球菌に対する最小発育阻止濃度(MIC、μg/ml)をCHEMOTHERAPY, vol. 16, No. 1, 99, 1968. 記載の方法に準じて測定し、結果を表1に示した。測定培地は、SensitivityDisk agar-N + 5% Horse bloodであり、接種菌量は、10CFU/mlである。表1中CLDMはクリンダマイシンを示す。
Figure 0005064237
本発明の一般式(I)のリンコマイシン誘導体は、耐性肺炎球菌に対して強い抗菌力を有することが例証された。
Figure 0005064237
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Claims (19)

  1. 式(I)の化合物、またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物:
    Figure 0005064237
    [式中、
    Aは、
    ベンジル、およびC1−6アルキルからなる群より選択される基により置換されていてもよい、アリール基; または
    1−6アルキル、およびハロゲン化C1−6アルキル基からなる群より選択される基により置換されていてもよい、各環が4〜7員である単環もしくは二環式の複素環基
    (ここでこの複素環基は、窒素原子、酸素原子、および硫黄原子からなる群より選択される1〜4個の異種原子を含む)
    を表し、
    は、
    ハライド;
    シアノ基;
    ニトロ基;
    置換C1−6アルキル基
    (ここで、このC1−6アルキル基は、ヒドロキシ、ハライド、カルバモイル、C1−6アルキルオキシカルボニル、シアノ、ジC1−6アルキルカルバモイル、C1−6アルキルオキシ、複素環カルボニル、および、複素環基からなる群より選択される1以上の基により置換されており、さらにここにおける複素環カルボニル基および複素環基は、ハライド、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ、アミノ、シアノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシ、アシルアミノ、オキソ、カルバモイル、ジC1−6アルキルアミノカルボニル、およびC1−6アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい);
    置換されていてもよい、アミノ基
    (ここでこのアミノ基は、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、およびC1−6アシル、置換されていてもよい複素環基、および置換されていてもよいアリール基からなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよく、このとき、アミノ基を置換し得る前記複素環基は、ハライド、ニトロ、シアノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシ、アシルアミノ、C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ、アミノ、オキソ、カルバモイル、ジC1−6アルキルアミノカルボニル、およびC1−6アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよく、また、前記アリール基は、ハライド、ニトロ、アミノ、C1−6アルキル、シアノ、C1−6アルキルチオ、ハロゲン化C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルアミノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、カルバモイル、ジC1−6アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい);
    N−アミノ−C1−6アルキルカルボニル−N−C1−6アルキルアミノ基;
    N−C1−6アルキルオキシカルボニル−C1−6アルキル−N−C1−6アルキルアミノ基;
    N−C1−6アルキルオキシ置換C1−6アルキルカルボニル−N−C1−6アルキルアミノ基;
    アミノおよびヒドロキシからなる群より選択される1以上の基により置換されている、C1−6アルキルカルボニルアミノ基;
    1−6アルキルアミノ−C1−6アルキルカルボニルアミノ基;
    (ジC1−6アルキルアミノ)−C1−6アルキルカルボニルアミノ基;
    1−6アルキルオキシ−C1−6アルキルカルボニルアミノ基;
    N−C2−6アルケニルカルボニルアミノ基;
    1−6アルキルオキシカルボニルアミノ基;
    1以上のC1−6アルキル基により置換されていてもよい、複素環カルボニルアミノ基;
    1−6アルキルスルホニルアミノ基;
    (S)−2−アミノ−3−スクシナミド基;
    カルバモイル基;
    N−C1−6アルキル置換カルバモイル基 ;
    N−C1−6アルキル−N−C1−6アルキルオキシ置換カルバモイル基;
    N,N−ジC1−6アルキル置換カルバモイル基;
    N−C3−6シクロアルキル置換カルバモイル基;
    N−アダマンチル置換カルバモイル基;
    N−アミノ置換カルバモイル基;
    N−複素環C1−6アルキル置換カルバモイル基;
    N−(ヒドロキシ−C1−6アルキル)置換カルバモイル基;
    N−(ジヒドロキシ−C1−6アルキル)置換カルバモイル基;
    N−(ジC1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル)置換カルバモイル基;
    N,N−ジ(ヒドロキシ−C1−6アルキル)置換カルバモイル基;
    N,N−ジ(C1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル)置換カルバモイル基;
    カルボキシル基;
    1−6アルキルカルボニル基;
    複素環−C1−6アルキルカルボニル基;
    1−6アルキルオキシカルボニル基;
    複素環アミノカルボニル基;
    置換されていてもよい、アリールカルボニル基
    (ここでこのアリールカルボニル基は、ハライド、ニトロ、アミノ、C1−6アルキル、シアノ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルアミノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、カルバモイル、およびジC1−6アルキルアミノカルボニルからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい);
    置換されていてもよい、4〜7員複素環カルボニル基
    (ここでこの複素環カルボニル基は、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、シアノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルオキシ、C2−6アルケニルオキシ−C1−6アルキル、ヒドロキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルチオ−C1−6アルキル、アミノ−C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル、オキソ、C1−6アルキルアミノ、カルバモイル、ジC1−6アルキルアミノカルボニル、C1−6アルキルアミノカルボニル、C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、ジC1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、C1−6アルキルスルホニル−C1−6アルキル、シアノ、ハライド、アミノ、アシルアミノC1−6アルキル、およびアシルアミノからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい);
    アミノもしくはカルバモイルにより置換された、C1−6アルキルチオ基;
    ピリジルチオ基;
    1−6アルキルスルホニル基;
    アリールスルホニル基;
    複素環スルホニル基;
    ピリジルオキシ基;
    置換されていてもよい、アリール基
    (ここでこのアリール基は、フッ素原子、塩素原子、ニトロ、アミノ、C1−6アルキル、シアノ、C1−6アルキルオキシ、ハロゲン化C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシC1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルアミノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルチオカルバモイル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルスルホニルアミノ、ホルミルアミノ、C1−6アルキルオキシカルボニル、およびアゼチジニルからなる群より選択される同一または異なる1以上の基により置換されていてもよい);
    置換されていてもよい、4〜7員の単環式の複素環基
    (ここでこの複素環基は、ハライド、ニトロ、シアノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシ、アシルアミノ、C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ、アミノ、オキソ、カルバモイル、ジC1−6アルキルアミノカルボニル、C1−6アルキルアミノカルボニル、C1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル、およびN−オキシドからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい);または
    各環が4〜7員である、二環式の複素環基
    を表し、
    ここでnが2である場合、各Rは同一または異なっていてもよく、
    は、
    水素原子;
    置換されていてもよい、C1−6アルキル基;
    置換されていてもよい、C2−6アルケニル基;
    置換されていてもよい、アシル基;または
    置換されていてもよい、C1−6アルキルオキシカルボニル基
    (ここで前記C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、アシル基、およびC1−6アルキルオキシカルボニル基は、C1−6アルキル基により置換されていてもよい複素環、アミノ、ヒドロキシ、およびシアノからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい)
    を表し、
    は、
    置換されていてもよい、C1−6アルキル基
    (ここでこのC1−6アルキル基は、ハライド、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、C1−6アルキルオキシカルボニル、カルバモイル、シアノ、C1−6アルキルオキシ、オキソ、複素環、カルバモイル、アジド、C1−6アルキルアミノカルボニル、ジC1−6アルキルアミノカルボニル、置換されていてもよいアリールからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい);または
    2−6アルケニル基
    を表し、
    、R、およびRは、同一または異なっていてもよく
    水素原子;
    置換されていてもよい、C1−6アルキル基;または
    置換されていてもよい、アシル基
    (ここで前記C1−6アルキル基、およびアシル基上の水素原子は、ハライド、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、C1−6アルキルオキシカルボニル、カルバモイル、シアノ、ニトロハライド、C1−6アルキルオキシ、オキソ、複素環、カルバモイル、アジド、C1−6アルキルアミノカルボニル、ジC1−6アルキルアミノカルボニル、および、ハライド、ヒドロキシもしくはC1−4アルキルにより置換されていてもよいアリールからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい)
    を表し、
    は、ハライドおよびヒドロキシからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい、C1−6アルキル基を表し、
    mは、1〜3を表し、かつ
    nは、1または2を表す]。
  2. 式(I)が下記式(II)により表される、請求項1に記載の化合物、またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物:
    Figure 0005064237
    [式中、A、R、R、R、R、R、R、R、m、およびnは、請求項1に記載の式(I)における定義と同義である]。
  3. Aが、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、イミダゾリル、アゼチジニル、オキサゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、チアゾロ[5,4−b]ピリジル、チアゾロ[5,4−b]ピリミジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、および、イミダゾ[5,1−b]チアゾリルからなる群より選択される基である、請求項1または2に記載の化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
  4. Aが、1,3,4−チアジアゾリル基である、請求項1または2に記載の化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
  5. Aが、フェニル基である、請求項1または2に記載の化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
  6. が、
    ハライド、
    シアノ基、
    ニトロ基、
    置換C1−6アルキル基(ここでこの置換基は請求項1において定義の通りである)、
    1−6アシル基により置換されていてもよい、アミノ基、
    N−C1−6アルキルアミノ基、
    N,N−ジC1−6アルキルアミノ基、
    ピリジルアミノ基、
    N−C1−6アルキルオキシ置換C1−6アルキルカルボニル−N−C1−6アルキルアミノ基、
    1−6アルキルカルボニルアミノ基、
    N−C1−6アルキル−N−C1−6アルキルカルボニルアミノ基、
    1−6アルキルオキシ−C1−6アルキルカルボニルアミノ基、
    アミノ置換C1−6アルキルカルボニルアミノ基、
    アミノおよびヒドロキシ置換−C1−6アルキルカルボニルアミノ基、
    1−6アルキルアミノ−C1−6アルキルカルボニルアミノ基、
    (ジC1−6アルキルアミノ)−C1−6アルキルカルボニルアミノ基、
    モルホリノC1−6アルキルカルボニル基
    (S)−2−アミノ−3−スクシナミド基、
    カルバモイル基、
    N−C1−6アルキル置換カルバモイル基、
    N,N−ジC1−6アルキル置換カルバモイル基、
    1−6アルキルオキシカルボニル基、
    アゼチジン−1−イルカルボニル基、
    置換されていてもよい、4〜7員複素環カルボニル基(ここでこの置換基は請求項1において定義の通りであり、かつ、この基中の複素環基は、モルホリノ、1,4−パーハイドロオキサゼピニル基、ピペリジル基、およびピロリジル基からなる群より選択される)、
    置換されていてもよい、フェニル基(ここでこの置換基は請求項1において定義の通りである)、および
    置換されていてもよい、4〜7員複素環基(ここでこの置換基は請求項1において定義の通りであり、かつ、この複素環基は、ピリジル基、フリル基、チアゾリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、テトラゾリル基、チアゾリル基、1,2,3−チアジアゾリル基、および、1,3,6−トリアジニル基からなる群より選択される)、
    からなる群から選択される基である、請求項1または2に記載の化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
  7. が、
    ハライド、
    ニトロ基、
    ヒドロキシ、ハライド、またはC1−6アルキルオキシにより置換されている、C1−6アルキル基、
    1−6アシル基により置換されていてもよい、アミノ基、
    ピリジルアミノ基、
    1−6アルキルオキシカルボニル基、
    モルホリノC1−6アルキルカルボニル基
    カルバモイル基、
    N−C1−6アルキル置換カルバモイル基、
    N,N−ジC1−6アルキル置換カルバモイル基、
    置換されていてもよい、4〜7員複素環カルボニル基(ここでこの複素環カルボニル基は、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル、オキソ、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、アミノ−C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、ジC1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、C2−6アルケニオキシ−C1−6アルキルおよび、およびC1−6アルキルチオ−C1−6アルキルからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよく、かつ、この基中の複素環基は、モルホリノ、1,4−パーハイドロオキサゼピニル基、ピペリジル基、およびピロリジル基からなる群より選択される)、
    置換されていてもよい、フェニル基(ここでこのフェニル基は、フッ素原子、塩素原子、ニトロ、アミノ、C1−6アルキル、シアノ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、カルバモイル、ジC1−6アルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、およびアゼチジニルからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい)、および
    置換されていてもよい、4〜7員複素環基(ここでの複素環基は、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ、アミノ、C1−6アルキルオキシ、N−オキシド、C1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル、ハライド、およびオキソからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよく、かつ、この複素環基は、ピリジル基、フリル基、チアゾリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、テトラゾリル基、チアゾリル基、1,2,3−チアジアゾリル基、および、1,3,6−トリアジニル基からなる群より選択される)、
    からなる群から選択される基である、請求項6に記載の化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
  8. 式(I)または式(II)における−A−(R)が、下記からなる群から選択される基を表す、請求項1または2に記載の化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物:
    置換されていてもよいフェニル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、
    置換されていてもよいフェニルオキサゾール−2−イル、
    置換されていてもよいピラゾリル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、
    置換されていてもよいピリジルオキサゾール−2−イル、
    置換されていてもよいフェニルチアゾール−2−イル、
    置換されていてもよいピロリジルカルボニルフェニル、
    置換されていてもよいイミダゾリル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、
    置換されていてもよいイミダゾリルフェニル、
    置換されていてもよい1,3,6−トリアジニルフェニル、
    置換されていてもよいチアゾリル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、
    置換されていてもよいチアゾリル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、
    テトラゾリルフェニル、
    1,4−パーハイドロオキサゼピンカルボニルフェニル、
    1,2,3−チアジアゾリルオキサゾール−2−イル、
    イミダゾ[5,1−b]チアゾリルフェニル、
    フェニルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル、
    置換されていてもよいフェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、
    置換されていてもよいピリジル−1,3,4−チアジアゾール−2−イル、
    置換されていてもよいピリジルフェニル、
    置換されていてもよいピリジルチアゾール−2−イル、
    置換されていてもよいピリジルオキサゾール−2−イル、
    置換されていてもよいフェニルオキサゾール−2−イル、
    置換されていてもよいビフェニル、
    置換されていてもよいモルホリノカルボニルフェニル、
    置換されていてもよいピリジルチオフェン−2−イル、
    置換されていてもよいピラゾリルフェニル、
    置換されていてもよいフェニルピリジル、
    置換されていてもよいモルホリルフェニル、および、
    ピリジルカルボニルフェニル。
  9. が、
    水素原子;
    置換されていても良い、C1−6アルキル基
    (ここでこのC1−6アルキル基は、アミノ、ヒドロキシ、C1−6アルキル置換複素環、およびシアノからなる群より選択される1以上の基で置換されていてもよい);
    2−6アルケニル基;
    1−6アシル基
    (ここでこのアシル基は、ヒドロキシ、複素環、およびアミノからなる群より選択される1以上の基で置換されていてもよい);または
    1−6アルキルオキシカルボニル基
    を表す、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
  10. が、n−C1−6アルキル基、またはC2−6アルケニル基を表す、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
  11. Aが、1,3,4−チアジアゾリル基であり、
    が、
    アシル基により置換されていてもよい、アミノ基、
    1−6アルキルオキシカルボニル基、
    1−6アルキルにより置換されていてもよい、4〜7員複素環カルボニル基、
    置換されていてもよい、アリール基
    (ここでこのアリール基は、フッ素原子、塩素原子、ニトロ、アミノ、C1−6アルキル、シアノ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルスルホニル、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルアミノ、ジC1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルスルフィニル、C1−6アルキルオキシカルボニル、カルバモイル、ジC1−6アルキルアミノカルボニル、ヒドロキシ、および、アゼチジニルからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい)、および
    置換されていてもよい、4〜7員の単環式の複素環基
    (ここでこの複素環基は、ニトロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ、およびアミノからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい)
    からなる群から選択される基であり、
    が、
    水素原子、または
    置換されていてもよい、C1−6アルキル基
    (ここでこのC1−6アルキル基は、アミノ、ヒドロキシ、およびC1−6アルキル置換複素環、からなる群より選択される1以上の基で置換されていてもよい)
    であり、
    が、n−C1−6アルキル基であり、
    、R、Rが、共に水素原子であり、
    が、C1−6アルキル基であり、
    mが、1または2であり、かつ
    nが、1である、
    請求項1または2に記載の化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
  12. Aが、フェニル基であり、
    が、
    ハライド、
    ニトロ基、
    ヒドロキシ、ハライド、またはC1−6アルキルオキシにより置換されている、C1−6アルキル基、
    アシル基により置換されていてもよい、アミノ基、
    複素環アミノ基
    1−6アルキルオキシカルボニル基、
    複素環−C1−6アルキルカルボニル基、および、
    N−(ヒドロキシ−C1−6アルキル)置換カルバモイル基、
    N−(ジヒドロキシ−C1−6アルキル)置換カルバモイル基、
    N−(ジC1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル)置換カルバモイル基、
    N,N−ジ(ヒドロキシ−C1−6アルキル)置換カルバモイル基、
    N,N−ジ(C1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル)置換カルバモイル基、
    置換されていてもよい、4〜7員複素環カルボニル基
    (ここでこの複素環カルボニル基は、この複素環カルボニル基は、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル、オキソ、C1−6アルキルオキシ、ヒドロキシ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、アミノ−C1−6アルキル、C1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、ジC1−6アルキルアミノ−C1−6アルキル、C2−6アルケニオキシ−C1−6アルキル、および、C1−6アルキルチオ−C1−6アルキルからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい)、
    置換されていてもよい、アリール基
    (ここでこのアリール基は、シアノ、アミノ、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、およびジC1−6アルキルアミノからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい)、および
    置換されていてもよい、4〜7員の単環式の複素環基
    (ここでこの複素環基は、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、N−オキシド、ニトロ、C1−6アルキルオキシ−C1−6アルキル、アミノ、ハライド、およびオキソからなる群より選択される1以上の基により置換されていてもよい)
    からなる群から選択される基であり、
    が、水素原子、または、C1−6アルキル基であり、
    が、n−C1−6アルキル基であり、
    、R、Rが、共に水素原子であり、
    が、C1−6アルキル基であり、
    mが、1または2であり、かつ
    nが、1である、
    請求項1または2に記載の化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物と、薬学上許容されうる担体とを含んでなる、医薬組成物。
  14. 製剤用添加剤をさらに含んでなる、請求項13に記載の医薬組成物。
  15. 抗菌剤として用いられる、請求項13または14に記載の抗菌剤組成物。
  16. 呼吸器における細菌感染症の予防または治療に用いられる、請求項13または14に記載の医薬組成物。
  17. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物の予防上または治療上の有効量を、薬学上許容されうる担体と共に、ヒトを除く哺乳類に投与することを含んでなる、細菌感染症の予防または治療方法。
  18. 感染症が、呼吸器における細菌感染症である、請求項17に記載の方法。
  19. 細菌感染症の予防または治療用の医薬組成物の製造のための、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物またはその薬理学的に許容されうる塩もしくは溶媒和物の使用。
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