JP5064111B2 - 複合放熱板およびその製造方法並びに、それに用いる熱応力緩和プレート - Google Patents

複合放熱板およびその製造方法並びに、それに用いる熱応力緩和プレート Download PDF

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本発明は、パワーIC等の発熱する半導体を放熱するための複合放熱板およびそれに用いる熱応力緩和プレートに関する。さらには、そのろう付け性の改良に関する。
パワーICやパワーモジュールパッケージ等は、発熱量が大きな発熱体であり、それらの裏面側はセラミック絶縁層に接続され、そのセラミック絶縁層が金属製の放熱板に接合されて、その放熱板を介しパワーIC等からの発熱を放熱するものである。このような複合放熱板は、パワーICの繰り返しON−OFF操作に伴い温度サイクルが数千回繰り返される場合があり、その際にセラミックの熱膨張係数と放熱板の熱膨張係数との差により、セラミックに割れが生じるおそれがある。また、セラミックと放熱板が高温でろう付け固定されるものにおいては、ろう付け後の冷却工程で前記熱膨張係数の差によりセラミックに割れが生ずることがある。
そこで、その割れを防止するため下記特許文献1及び特許文献2の発明が提案されている。
前者は、金属からなる放熱板にインサート層を介してセラミック絶縁層が接合され、放熱板のセラミック側の第1の層とそれに接合された第2の層とを有し、第1の層を第2の層より熱膨張率が大きくなるようにしたものである。
後者は、セラミック基板の表面にAl−Si系等のろう材を介して金属層が積層され、その金属層の硬度及び厚さと、セラミック基板の厚さ及び抗折強度との関係を特定の値にしたものである。
特開2004−241567号公報 特開2001−144234号公報
上記各特許文献に記載の提案は、その機械的強度および信頼性のいずれにも欠けるおそれがあった。
また、アルミニューム製の複合放熱板を真空ろう付けによりろう付け固定する際、外周部のろう付けに比べて内部のろう付け性が低下する傾向にある。これはアルミニュームの真空ろう付けにおいては、ろう材中に添加したMgによって材料表面の酸化皮膜を破壊しつつ、良好な濡れ性を確保してアルミニューム板どうしを良好に接合することに基づく。複合放熱板の如く、比較的ろう付け面の大きな平板どうしを接合する際、外周に比べて内部のMgの蒸発が悪くなり、その内部のろう付けが充分に行われないおそれがある。
そのようなろう付け不良が生じると、電子部品の発熱を迅速に放熱できないおそれがある。そこで本発明は、係る各種の問題点を解決することを課題とする。
請求項1に記載の本発明は、厚み方向にセラミック(1) と金属製の放熱板(2) とが接合され、そのセラミック(1) に発熱体(3) が取り付けられる複合放熱板において、
前記セラミック(1) と放熱板(2) との間に、金属製の熱応力緩和プレート(4) がろう付けにより介装され、
その熱応力緩和プレート(4) の平面には、中心部から同心円上に多数の弧状スリット(5) が半径方向に互いに離間して形成され、
それぞれの弧状スリット(5) には、その両端間に非スリット部として橋部(6) を付属し、半径方向に隣接する各弧状スリット(5) に付属した前記各橋部(6) は、周方向に互いに異なった位置に配置されていることを特徴とする複合放熱板である。
請求項2に記載の本発明は、請求項1において、
前記熱応力緩和プレート(4) の前記各弧状スリット(5) が、同一円周上に複数存在すると共に、同数の前記橋部(6) が各スリット(5) 間に存在する複合放熱板である。
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2において、
前記熱応力緩和プレート(4) の前記各弧状スリット(5) 内に、そのスリット(5) の幅より小なる幅を有すると共に、そのプレート(4) と同一厚みを有する弧状材(7) が内装された複合放熱板である。
請求項4に記載の本発明は、請求項3において、
前記熱応力緩和プレート(4) に、半径方向の隣接する各弧状スリット(5) の間を連結する連結スリット(9) が設けられ、
複数の前記弧状材(7) が夫々平面C字状に形成され、各弧状材(7) 間が半径方向に接続部(8) で互いに連結されて伝熱プレート(10)を構成し、
その伝熱プレート(10)の各接続部(8) の幅が前記連結スリット(9) の幅より狭く形成され、
その連結スリット(9) 内に前記接続部(8) が配置されるように、前記伝熱プレート(10)が熱応力緩和プレート(4) に内装された複合放熱板である。
請求項5に記載の本発明は、請求項4において、
前記熱応力緩和プレート(4) の各弧状スリット(5) の内周面に位置決め用の突起(11)が設けられ、
その突起(11)が、前記伝熱プレート(10)の前記弧状材(7) の周面に接触するように構成した複合放熱板である。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかにおいて、
前記セラミック(1) は、その両面または片面に全面に渡り平板状の金属板(15)が張り合わされた複合放熱板である。
請求項7に記載の本発明は、請求項1〜請求項6のいずれかにおいて、
その熱応力緩和プレート(4)の各弧状スリット(5)は、その熱応力緩和プレート(4)の平面の外周縁にガス抜き用スリット(16)を介して開口されたことを特徴とする複合放熱板である。
請求項8に記載の本発明は、請求項7において、
前記熱応力緩和プレート(4)が平面方形に形成され、その一以上の辺に前記ガス抜き用
スリット(16)が開口された複合放熱板である。
請求項9に記載の本発明は、請求項8において、
前記熱応力緩和プレート(4)の四周に前記ガス抜き用スリット(16)が開口された複合放熱板である。
請求項10に記載の本発明は、請求項7〜請求項9のいずれかにおいて、
前記放熱板(2) および熱応力緩和プレート(4)がアルミニューム製であり、
前記ろう付けが、Mgを含むアルミニューム合金からなるろう材により真空ろう付けで行われた複合放熱板である。
請求項11に記載の本発明は、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の複合放熱板に用いられる熱応力緩和プレートである。
請求項12に記載の本発明は、請求項4に記載の複合放熱板の製造方法において、
プレートを切断加工または打ち抜き加工により、前記各弧状スリット(5)及び連結スリット(9)を有する熱応力緩和プレート(4)が形成され、その各弧状スリット(5)及び連結スリット(9)の形成の際にプレートから抜け落ちた抜け落ち片を前記伝熱プレート(10)として用い、その伝熱プレート(10)を熱応力緩和プレート(4)内に配置したことを特徴とする複合放熱板の製造方法である。
請求項13に記載の本発明は、請求項12において、
その熱応力緩和プレート(4)の各弧状スリット(5)を、その熱応力緩和プレート(4)の平面の外周縁にガス抜き用スリット(16)を介して開口した複合放熱板の製造方法である。
本発明の複合放熱板は、セラミック1と放熱板2との間にろう付けにより介装された応力緩和プレート4を有し、その応力緩和プレート4に多数の弧状スリット5が同心円上に形成されているから、セラミック1と放熱板2との熱膨張係数の差に基づく熱応力を応力緩和プレート4によって効果的に吸収することができる。それと共に、金属製の応力緩和プレート4により、セラミック1の伝熱を放熱板2に効率よく伝え、放熱することができる。また、同一円周上で弧状スリット5の両端間には非スリット部としての橋部6を付属しているから、応力緩和プレート4を一体的にプレス成形体で形成することができる。また、半径方向に隣接する弧状スリット5の各橋部6は周方向に互いに異なっているため、橋部6の存在によるその部分の伸びを、隣接する弧状スリット5で確実に吸収するこができる。そして、その応力緩和プレートは金属材よりなり、セラミックおよび金属性の放熱板に各弧状スリット5間の多数の部分でろう付け固定されているので、機械的強度の強い複合放熱板となる。
上記構成において、応力緩和プレート4の弧状スリット5を同一円周上で複数存在させると共に、同数の橋部6をその弧状スリット5間に存在させることができる。このようにすることにより、さらに熱応力を効果的に吸収できる。
上記構成において、さらに応力緩和プレート4の各弧状スリット5内に、弧状スリット5の幅より小なる幅を有すると共に、応力緩和プレート4の厚みと同一の厚みを有する弧状材7を内装することができる。この場合は、弧状材7の存在により、伝熱面積が広くなり、セラミック1と放熱板2との伝熱性をさらに向上できる。
上記構成において、応力緩和プレート4に半径方向に隣接する弧状スリット5間を連結する連結スリット9を設け、夫々平面C字状に形成された複数の弧状材7間を半径方向に接続部8で連結して伝熱プレート10を構成し、その伝熱プレート10を応力緩和プレート4の弧状スリット5に内装することができる。この場合には、応力緩和プレート4と伝熱プレート10とを夫々プレス成形体で構成し、それらの組合せにより、製造容易で伝熱性がよく且つ熱応力を効果的に吸収できる複合放熱板を提供できる。
上記構成において、応力緩和プレート4の弧状スリット5の内周面に位置決め用の突起11を設け、その突起11が伝熱プレート10の弧状材7の周面に接触するように構成することができる。この場合には、応力緩和プレート4と伝熱プレート10との組み立てを容易にし、量産性の高いものとすることができる。
上記構成において、前記セラミックの両面または片面に、全面に渡り平板状の金属板15を張り合わせることができる。この場合には複合放熱板の強度を高めると共に、外観のよいものとなる。
上記構成において、その熱応力緩和プレート4に同心上に設けた各弧状スリット5が、熱応力緩和プレート4の縁にガス抜き用スリット16を介して開口されたものでは、ろう付けの際に弧状スリット5内のガスを外部に放出し、内部までろう付けを確実に行い、それによりセラミック1と放熱板2との伝熱性を良好に保持し得る。
また、熱応力緩和プレート4の縁に開口されたガス抜き用スリット16の存在により、熱応力緩和プレート4の周方向への変形を容易に行い、セラミック1と熱応力緩和プレート4との間に生じる熱応力を有効に吸収して、セラミック1の割れを防止することができる。
上記構成において、熱応力緩和プレート4の四周にガス抜き用スリット16を開口した場合には、ろう付け時により有効にガス抜きを行うと共に、四周に存在するガス抜き用スリット16により、周方向への熱応力をより効果的に吸収し得る。
上記何れかの構成において、放熱板2および熱応力緩和プレート4がアルミニューム製であり、ろう材がMgを含むアルミニューム合金からなり、真空ろう付けによりろう付けされた場合には、ろう材中のMgの蒸発を促し、放熱板2および熱応力緩和プレート4の表面の酸化皮膜をプレートの内部まで充分に破壊して、内部までも良好なろう付けを行うことができる。それにより、アルミニューム製複合放熱板における伝熱性を良好にすることができる。
逆にいえば、アルミニュームの真空ろう付けにおいては、熱応力緩和プレート4にガス抜き用スリット16が存在しないと、熱応力緩和プレート4の外周に比べて内部のMgの蒸発が少なくなり、ろう付け中に熱応力緩和プレート4等の表面に生じる酸化皮膜を充分破壊しきれず、その部分のろう付け不良を起こす。しかしながら本発明は、ガス抜き用スリット16の存在により熱応力緩和プレート4のより内部までMgの蒸発を促し、酸化皮膜を破壊して、ろう付け性を良好に保ち得る。
上記構成において、複合放熱板に用いられる応力緩和プレート4は、複合放熱板の熱応力を効果的に吸収できる。
請求項12に記載の複合放熱板の製造方法は、プレートを切断加工または打ち抜き加工により、前記各弧状スリット5及び連結スリット(9)を有する熱応力緩和プレート4が形成され、その各弧状スリット5及び連結スリット(9)の形成の際にプレートから抜け落ちた抜け落ち片を前記伝熱プレート10として用い、その伝熱プレート10を熱応力緩和プレート4内に配置したものであり、このような方法によれば、材料の無駄がなく、複合放熱板を迅速かつ容易に製造できる。
上記製造方法において、その熱応力緩和プレート4の各弧状スリット5を、その熱応力緩和プレート4の平面の外周縁にガス抜き用スリット16を介して開口した場合には、そのガス抜き用スリット16の存在により熱応力緩和プレート4のより内部までMgの蒸発を促し、酸化皮膜を破壊して、ろう付け性を良好に保ち得る。
次に、図面に基づき本発明の実施の形態につき説明する。
図1は本発明の複合放熱板に用いられる応力緩和プレート4の平面図及びそのB−B,C−C断面矢視図である。そして図2は同複合放熱板の断面略図である。
この複合放熱板14は、図2に示す如く、セラミック1の表面にろう材13を介し発熱体3が接合されている。発熱体3としては、一例としてパワーICやパワーモジュールパッケージその他の電器部品が取付けられる。
セラミック1は、Si,Al等により形成される。このセラミック1には、ろう材13により応力緩和プレート4を介して放熱板2が接合されている。即ち、応力緩和プレート4の両面にろう材13が配置され、それらが一体にろう付けされる。
なお、放熱板2には放熱促進用のフィンが取付けられることがある。そして、図示しないファンにより放熱板2に冷却風を送風し、それを冷却するものである。
応力緩和プレート4は、この例では図1に示す多数の弧状スリット5が半径方向に互いに離間し且つ、それが周方向に形成されている。この例では、弧状スリット5は円弧状に形成され、そして各弧状スリット5は同一円周上に複数(この例では4つ)配置され、その弧状スリット5間に橋部6が付属して設けられている。そして半径方向に隣り合う弧状スリット5の橋部6は、互いに重ならないように位置ずれされている。それにより、応力緩和プレート4を一体にプレス成形できると共に、セラミック1と放熱板2との熱膨張差に基づく平面方向の熱応力を効果的に吸収している。
この例では、応力緩和プレート4は外周が方形に形成され、その中心部の外側に多数の弧状スリット5を配置し、このような応力緩和プレート4は金属板のプレス成形加工により、弧状スリット5の部分を打ち抜くことで製造できる。応力緩和プレート4の材質は一例としてアルミニューム板、ステンレス鋼板、鋼板等を用いることができる。
次に、図3は応力緩和プレート4の他の例を示す平面図及びB−B,C−C断面図である。
この例の応力緩和プレート4は、図4の伝熱プレート10を内部に組込み、図5の如く組合せプレート12として使用される。係る組合せプレート12の組合せは、多数のスリットを有しつつ、伝熱プレート10の存在により伝熱面積を大きくしてセラミック1と放熱板2との伝熱性を向上させるものである。
応力緩和プレート4は、夫々C字状に形成された弧状スリット5と、そのC字状の中間部間を夫々接続する連結スリット9とを有する。弧状スリット5の内周面には、複数の位置決め用の突起11が突出している。さらには、応力緩和プレート4の四隅に弧状スリット5が設けられ、その弧状スリット5とC字状の弧状スリット5との間も連結スリット9で連通されている。
次に、図4に示す伝熱プレート10は、夫々C字状に形成された弧状材7が同心円上に配置され、各弧状材7間を接続部8によって連結する。さらには、応力緩和プレート4の四隅に配置された弧状スリット5に整合する位置に、短い四つの弧状材7が設けられる。その短い弧状材7とC字状の弧状材7との間が、接続部8によって連結されている。各弧状材7の幅は、応力緩和プレート4の弧状スリット5の幅よりも狭く且つ、対向する突起11間の幅に等しい。また、接続部8の幅は応力緩和プレート4の連結スリット9の幅よりも狭く形成されている。また、伝熱プレート10の厚みは応力緩和プレート4の厚みと等しく形成され、夫々金属板で形成されている。好ましくは、応力緩和プレート4及び伝熱プレート10の両面にろう材が被覆されたアルミニューム製クラッド材を用いる。
そして図5の如く、両者を組合せ、それを図2においてセラミック1と放熱板2との間にろう材13を介して一体的にろう付け固定するものである。応力緩和プレート4及び伝熱プレート10は、夫々プレス成形体よりなる。
このような伝熱プレート10と応力緩和プレート4とからなる組合せプレート12で複合放熱板14を構成することにより、セラミック1と放熱板2との伝熱性を良好にしつつ且つ、半径方向に多数のより細い弧状の溝を同心円上に形成し、熱膨張差に基づく熱応力を効果的に吸収できる。
次に、図6は組合せプレート12の表面側及び裏面側に夫々図示しないセラミック,放熱板を有して、セラミック1の表面側に発熱体3を配置したときの熱応力の吸収状態を示す説明図である。
発熱体3によって生じた熱は、図2におけるセラミック1と応力緩和プレート4と同図にはない図4の伝熱プレート10とを介し放熱板2に伝熱される。このときのセラミック1と放熱板2との熱膨張差に基づく熱応力は、弧状の細い溝の間隔の変化により吸収される。
次に、図7は本発明のさらに他の実施例であり、この例の複合放熱板は、セラミックの両面に全面に渡り平板状の金属板15が張り合わされたものである。その金属板15には熱応力緩和プレート4のようなスリットがない。この金属板15の一例としては、アルミニューム板を用い、その表面に防錆用のメッキ皮膜を設けたものを利用できる。このような構造の複合放熱板は、強度が高く、体裁のよいものとなる。なお、金属板15はセラミックの片面のみに貼着してもよい。
図8は本発明の複合放熱板に用いる他の熱応力緩和プレート4を示し、(A)はその平面図、(B)は(A)のB−B矢視断面図、(C)は(A)のC−C矢視断面図である。また、図9はこの熱応力緩和プレート4を用いた複合放熱板14の横断面図であって、図8のB−Bにおける断面図である。
この複合放熱板14は図9に示す如く、厚み方向に絶縁性のセラミック1と金属製の放熱板2とが熱応力緩和プレート4を介してろう付け接合され、そのセラミック1に発熱体3が取付けられるものである。
そして熱応力緩和プレート4は図8に示す如く、その平面に中心部から同心円上に多数の弧状スリット5がその周方向および半径方向に互いに離間して形成されている。この例では、各一対づつの内側の弧状スリット5と外側の弧状スリット5とが夫々周方向に90°互いに離間して配置されている。各内側の弧状スリット5および外側の弧状スリット5は方形の熱応力緩和プレート4の各辺にガス抜き用スリット16を介して連通し、そのガス抜き用スリット16が熱応力緩和プレート4の外周に開口されている。この例では、熱応力緩和プレート4および放熱板2はアルミニューム材またはその合金材からなり、その表面にろう材がクラッドされたものが用いられる。
そしてアルミニューム製の放熱板2上に熱応力緩和プレート4およびセラミック1を順に積層し、真空炉において3者間を一体的にろう付け固定する。このとき弧状スリット5内に存在する空気は、各ガス抜き用スリット16を介して完全に外部に放出される。このように、内側の各弧状スリット5もガス抜き用スリット16を介して外周に開放されているため、熱応力緩和プレート4の中心部までろう材中のMgが蒸発し、材料表面の酸化皮膜を破壊し、ろう材の濡れ性を向上させ、確実なろう付けを行うことができる。
次に、図10は熱応力緩和プレート4の他の例を示すものであり、この例の熱応力緩和プレート4は内側の一対の弧状スリット5と外側の各弧状スリット5とが連通部9を介して互いに連通され、その外側の一対の弧状スリット5と熱応力緩和プレート4の外周とが一対のガス抜き用スリット16によって外周に開放されている。
さらに、図11の例においては、中心側の一つの弧状スリット5のみがガス抜き用スリット16を介して熱応力緩和プレート4の外周に開口され、その内側の弧状スリット5に夫々連通部9を介して各弧状スリット5が連通されている。
なお、各弧状スリット5にガス抜き用スリット16を連通させることにより、弧状スリット5内の空気を真空炉中で完全に放出させて、真空炉の真空度を向上させ、真空ろう付けの信頼性をより向上させることができる。
次に、図12は本発明の複合放熱板の製造方法に用いる他の熱応力緩和プレート4および伝熱プレート10の平面図であり、図13はその組合せ状態を示す平面図である。 この発明は、プレートをレーザ等による切断加工または、プレス機械の打ち抜き加工により、前記各弧状スリット5及び連結スリット9を有する熱応力緩和プレート4を形成する。そして、その熱応力緩和プレート4の各弧状スリット5及び連結スリット9の形成の際にプレートから抜け落ちた抜け落ち片を前記伝熱プレート10として用い、その伝熱プレート10を熱応力緩和プレート4内に配置することにより複合放熱板の製造するものである。
それにより、製造が容易となりかつ、材料の無駄をなくすことができる。レーザによる切断加工では、そのレーザが照射された部分がとけ落ちるため、プレートから抜け落ちた伝熱プレート10の幅は、熱応力緩和プレート4の各弧状スリット5及び連結スリット9の幅より狭い。そのため、伝熱プレート10を熱応力緩和プレート4内に配置すると、両者間に僅かの隙間が生じる。プレス成形の場合には、予め隙間ができるように金型を形成することができる。なお、その熱応力緩和プレート4の各弧状スリット5は、その熱応力緩和プレート4の平面の外周縁にガス抜き用スリット16を介して開口してある。そのガス抜き用スリット16に対応して、伝熱プレート10には凸部17が形成される。
本発明の複合放熱板の一部を構成する応力緩和プレート4の平面図及びそのB−B並びにC−C断面矢視図。 同複合放熱板の横断面略図。 本発明の第2の複合放熱板の一部を構成する応力緩和プレート4の平面図及びそのB−B並びにC−C断面図。 同複合放熱板を構成する伝熱プレート10の平面図。
図4の各弧状スリット5内に伝熱プレート10を配置した組合せプレート12の平面図。 同組合せプレート12に図示しないセラミックを介して発熱体3を配置したときの熱応力の吸収の状態を示す説明図。 本発明の他の複合放熱板の横断面略図。 本発明の他の複合放熱板に用いる熱応力緩和プレート4を示し、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B矢視断面図、(C)は(A)のC−C矢視断面図。
本発明の複合放熱板の横断面図であって、図8におけるB−Bにおける断面図。 本発明の複合放熱板に用いる他の熱応力緩和プレート4の平面図。 本発明の複合放熱板に用いるさらに他の熱応力緩和プレート4の平面図。 本発明の複合放熱板に用いる他の熱応力緩和プレート4および伝熱プレート10の平面図。 同複合放熱板の平面図。
符号の説明
1 セラミック
2 放熱板
3 発熱体
4 応力緩和プレート
5 弧状スリット
6 橋部
7 弧状材
8 接続部
9 連結スリット
10 伝熱プレート
11 突起
12 組合せプレート
13 ろう材
14 複合放熱板
15 金属板
16 ガス抜き用スリット
17 凸部

Claims (13)

  1. 厚み方向にセラミック(1) と金属製の放熱板(2) とが接合され、そのセラミック(1) に発熱体(3) が取り付けられる複合放熱板において、
    前記セラミック(1) と放熱板(2) との間に、金属製の熱応力緩和プレート(4) がろう付けにより介装され、
    その熱応力緩和プレート(4) の平面には、中心部から同心円上に多数の弧状スリット(5) が半径方向に互いに離間して形成され、
    それぞれの弧状スリット(5) には、その両端間に非スリット部として橋部(6) を付属し、半径方向に隣接する各弧状スリット(5) に付属する前記各橋部(6) は、周方向に互いに異なった位置に配置されていることを特徴とする複合放熱板。
  2. 請求項1において、
    前記熱応力緩和プレート(4) の前記各弧状スリット(5) が、同一円周上に複数存在すると共に、同数の前記橋部(6) が各スリット(5) 間に存在する複合放熱板。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記熱応力緩和プレート(4) の前記各弧状スリット(5) 内に、そのスリット(5) の幅より小なる幅を有すると共に、そのプレート(4) と同一厚みを有する弧状材(7) が内装された複合放熱板。
  4. 請求項3において、
    前記熱応力緩和プレート(4) に、半径方向の隣接する各弧状スリット(5) の間を連結する連結スリット(9) が設けられ、
    複数の前記弧状材(7) が夫々平面C字状に形成され、各弧状材(7) 間が半径方向に接続部(8) で互いに連結されて伝熱プレート(10)を構成し、
    その伝熱プレート(10)の各接続部(8) の幅が前記連結スリット(9) の幅より狭く形成され、
    その連結スリット(9) 内に前記接続部(8) が配置されるように、前記伝熱プレート(10)が熱応力緩和プレート(4) に内装された複合放熱板。
  5. 請求項4において、
    前記熱応力緩和プレート(4) の各弧状スリット(5) の内周面に位置決め用の突起(11)が設けられ、
    その突起(11)が、前記伝熱プレート(10)の前記弧状材(7) の周面に接触するように構成した複合放熱板。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかにおいて、
    前記セラミック(1) は、その両面または片面に全面に渡り平板状の金属板(15)が張り合わされた複合放熱板。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかにおいて、
    その熱応力緩和プレート(4)の各弧状スリット(5)は、その熱応力緩和プレート(4)の平面の外周縁にガス抜き用スリット(16)を介して開口されたことを特徴とする複合放熱板。
  8. 請求項7において、
    前記熱応力緩和プレート(4)が平面方形に形成され、その一以上の辺に前記ガス抜き用
    スリット(16)が開口された複合放熱板。
  9. 請求項8において、
    前記熱応力緩和プレート(4)の四周に前記ガス抜き用スリット(16)が開口された複合放熱板。
  10. 請求項7〜請求項9のいずれかにおいて、
    前記放熱板(2) および熱応力緩和プレート(4)がアルミニューム製であり、
    前記ろう付けが、Mgを含むアルミニューム合金からなるろう材により真空ろう付けで行われた複合放熱板。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれかに記載の複合放熱板に用いられる熱応力緩和プレート。
  12. 請求項4に記載の複合放熱板の製造方法において、
    プレートを切断加工または打ち抜き加工により、前記各弧状スリット(5)及び連結スリット(9)を有する熱応力緩和プレート(4)が形成され、その各弧状スリット(5)及び連結スリット(9)の形成の際にプレートから抜け落ちた抜け落ち片を前記伝熱プレート(10)として用い、その伝熱プレート(10)を熱応力緩和プレート(4)内に配置したことを特徴とする複合放熱板の製造方法。
  13. 請求項12において、
    その熱応力緩和プレート(4)の各弧状スリット(5)を、その熱応力緩和プレート(4)の平面の外周縁にガス抜き用スリット(16)を介して開口した複合放熱板の製造方法。
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