JP5061424B2 - スクラブ剤 - Google Patents
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東洋精機キャピログラフ1Bにより樹脂の溶融粘度を測定した。なお、サンプル投入から測定開始までの樹脂の貯留時間は10分とした。
Perkin Elaer DSC−7を用いて2nd runで樹脂の融解を示すピークトップ温度を樹脂の融点とした。この時の昇温温度は16℃/分、サンプル量は10mgとした。
水に分散させたスクラブ剤1滴を走査型電子顕微鏡(SEM)の観察台に滴下し、乾燥した後に白金−パラジウム合金を蒸着しスクラブ剤を観察した。観察の倍率は視野内に20本程度のスクラブ剤が入る程度とし、視野内の5本のスクラブ剤の太さを測定し、これを異なる5箇所で行い、合計25本のスクラブ剤の太さを平均することにより求めた。
D.凝集したスクラブ剤の太さ
凝集したスクラブ剤をエポキシ樹脂で包埋し、リンタングステン酸で染色した後、ミクロトームを用いて厚さ100nmの超薄切片を作製した。この切片を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、個々のスクラブ剤の断面積を測定した後、その面積と同じ面積をもつ円の直径を計算することでスクラブ剤の太さを求めた。スクラブ剤の平均太さは視野内の5本のスクラブ剤の太さを測定し、これを異なる5箇所で行い、合計25本のスクラブ剤の太さを平均することにより求めた。
溶融粘度296Pa・s(235℃、剪断速度121.6sec−1)、融点220℃のナイロン6(N6)(40重量%)と溶融粘度91Pa・s(235℃、剪断速度121.6sec−1)、融点170℃のポリL乳酸(PLA)(60重量%)を230℃に設定した2軸混練押出機で混練してアロイ樹脂を得た。なお、このPLAの225℃、1216sec−1での溶融粘度は52Pa・sであった。
溶融粘度120Pa・s(260℃、121.6sec−1)、融点225℃のポリブチレンテレフタレート(PBT)(20重量%)と溶融粘度140Pa・s(260℃、121.6sec−1)の2−エチルヘキシルアクリレートを22%共重合したポリエスチレン(co−PS)(80重量%)とを、混練温度を240℃として2軸混練押出機を用いて溶融混練し、アロイ樹脂を得た。なお、このco−PSの245℃、1216sec−1での溶融粘度は60Pa・sであった。
溶融粘度451Pa・s(220℃、剪断速度121.6sec−1)、融点162℃のポリプロピレン(PP)(20重量%)と実施例1で使用したPLA(80重量%)を220℃に設定した2軸混練押出機で混練してアロイ樹脂を得た。なお、このPLAの220℃、121.6sec−1における溶融粘度は107Pa・sであり、215℃、1216sec−1での溶融粘度は86Pa・sであった。
実施例1で使用したものと同じN6とPLAを用い、図1に示す複合紡糸装置のホッパー1にPS、ホッパー2にPLAのチップを投入し、エクストルーダー3を240℃、エクストルーダー4を220℃に設定し、240℃に設定した紡糸パック5にそれぞれの樹脂を溶融供給して、断面形状が図2のようになった繊維を得た。このとき、繊維全体に対する島成分の分量は35重量部とした。得られた繊維を液浴延伸機を用いて延伸温度90℃、熱セット温度130℃、延伸倍率2.7倍の条件で延伸し、58dtex、24フィラメントの複合繊維とした。この時、該複合繊維中におけるN6成分の単糸繊度は0.085dtexである。この複合繊維を4万dtexに引きそろえ、枷に巻きつけた後、95℃の3重量%水酸化ナトリウム水溶液にて2時間浸漬することで樹脂アロイ繊維中のco−PET成分の99%以上を加水分解除去した。さらに酢酸で中和後、水洗、乾燥することで極細繊維束を作製した。
実施例1で使用したものと同じN6を単独で用い、図3に示す紡糸装置に供給して75dtex、48フィラメントの繊維を得た。この繊維を延伸温度90℃、熱セット温度130℃、延伸倍率1.5倍で延伸を行い、50dtex、48フィラメントの繊維を作製した。
粉砕したクルミの殻を60メッシュのふるいを通し、更に80メッシュのふるいにかけてふるい上に残った粒子をスクラブ剤として使用した。このスクラブ剤を光学顕微鏡で観察し、25個の粒子の直径を測定したところ、平均粒子径は200μmであった。
(株)モリテックス製のケイ酸アルミニウム粒子(粒径分布:0.2〜6μm)をスクラブ剤として利用した。
<肌の洗浄テスト>
被験者の左手の甲部分に青色マジック(サクラペンタッチ#36:サクラクレパス株式会社)で長さ1cmの線を引き、各スクラブ剤を10g乗せ、水道水で湿らせて右手の人差し指と中指を用いて20回こすって洗浄し、その後5秒間水道水で洗い流した。その後、ビデオマイクロスコープ(VHX−100:キーエンス(株))で50倍に拡大して観察し、マジックの落ち具合とスクラブ剤のすすぎ性を確認した。また、洗浄から5分後の肌の状態と使用感を記録した。判断基準は下記の通りである。結果を表1にまとめる。
・汚れ落ち :◎ 毛穴や溝内部の汚れが80%以上落ちている
○ 毛穴や溝内部の汚れが50%以上落ちている
△ 毛穴や溝内部の汚れが30%以上落ちている
× 毛穴や溝内部の汚れが70%を超える範囲で残っている。
ここで、△以上であれば丁寧に洗浄を行うことで汚れをほとんど落とすことが可能であるが、×であると汚れを落とすためには非常に長い時間が必要となるため実用的とは言えない。
・すすぎ性 :○ スクラブ剤が全く観測されない
△ 視野内に10個以下の残留スクラブ剤が認められる
× 視野内に11個以上の残留スクラブ剤が認められる
ここで、△以上で有れば通常の洗浄動作によりほとんどのスクラブ剤を落とすことが可能であるが、×であると非常に長い時間すすぎを行う必要があり好ましくない。
・肌への刺激:○ 洗浄時の刺激がほとんど無く洗浄5分後に肌の色の変化が観測されない
△ 洗浄時に僅かな刺激を感じるが洗浄5分後に肌の色の変化が観測されない
× 洗浄時に痛みを感じ、洗浄5分後に肌の色が赤変しているのが観測される
ここで、△以上で有れば洗浄後5分で肌の色の変化が収まるため、肌への損傷は非常に少ないと判断できるが、×であると5分後においても肌の変色が収まらず、実質的な損傷が起こっていると判断される。
実施例1,4、比較例1,3のスクラブ剤を用いて以下のテストを行った。
<ガラスレンズの洗浄テスト>
スクラブ剤10重量部と、界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)10重量部にイオン交換水80重量部を加えてファイバーミキサーMX−X103(ナショナル製)に投入し、5分間撹拌してスクラブ剤入り洗剤を作製した。
・汚れ落ち :○ 汚れが完全に落ちている
× レンズ表面に汚れの残留が見られる
・すすぎ性 :○ スクラブ剤が全く観測されない
× スクラブ剤の残留が認められる
・レンズ損傷:○ SEMによる観測でも傷が観測されない
△ SEMによる観察では傷が観測されるが、マイクロスコープによる察察では傷が観測されない
× マイクロスコープによる観察でも傷が観測される
ここで、△以上であれば実質的な光学性能の低下は無いが、×であると光学的な性能低下が発生するため好ましくない。
実施例1と同様に溶融紡糸を行い、延伸した後にアルカリ処理を行うことで極細繊維束を得た。得られた極細繊維束を0.5mm間隔でカットし、スクラブ剤を作成した。このスクラブ剤の断面をTEM観察したところ、この極細繊維束は平均太さ0.11μmの極めて細い繊維状のスクラブ剤が束状に会合したものであった。このスクラブ剤0.5gと界面活性剤(EA−87:第一工業製薬製)0.5g、水99gをファイバーミキサーMX−X103(ナショナル製)に投入し、5分間拡販してスクラブ剤を0.5重量%含有した洗剤を作製した。作製した分散液の一部を5倍に希釈した後、ガラスセルに入れて観察したところ、色調が不均一でありスクラブ剤が凝集していることが示された。
実施例1と同様に溶融紡糸を行い、延伸した後にアルカリ処理をおこなうことで極細繊維束を作製した。得られた超極細繊維束を長さ0.5mmに切断して、超極細繊維のカット繊維を得た。その後、タッピースタンダードナイヤガラ試験ビータ(東洋精機製)に水23Lと先ほど得られたカット繊維30gを仕込み、5分間予備叩解し、その後余分な水を切って繊維を回収した。この繊維の重量は250gであり、その含水率は88%であった。含水状態の繊維250gをそのまま自動式PFIミル(熊谷理機製)に仕込み、回転数1500回転、クリアランス0.2mmで6分間叩解した。
スクラブ剤を加えず、界面活性剤(シャロールAN−103:第一工業製薬製)0.5gと水99.5gをファイバーミキサーMX−X103(ナショナル製)に投入し、5分間拡販して洗剤を作製した。
比較例2のスクラブ剤0.5gを加えた以外は比較例7と同様に洗剤を作成した。
比較例3のスクラブ剤0.5gを加えた以外は比較例7と同様に洗剤を作成した。
<肌の洗浄テスト>
被験者の左手の甲部分にマックスファクター501アクアラッシュウォータープルーフマスカラ(ブラック)(商標)で長さ1cmの線を引き、実施例7,8および比較例7の洗剤を3cc滴下して右手の指でこするように洗浄し、その後5秒間水道水で洗い流した。その後、ビデオマイクロスコープ(VHX−100:キーエンス(株))で50倍に拡大して観察し、マスカラの落ち具合とスクラブ剤のすすぎ性を確認した。また、洗浄時の使用感を記録した。結果を表3にまとめる。
・汚れ落ち :◎ 毛穴や溝内部の汚れが80%以上落ちている
○ 毛穴や溝内部の汚れが50%以上落ちている
△ 毛穴や溝内部の汚れが30%以上落ちている
× 毛穴や溝内部の汚れが70%を超える範囲で残っている。
ここで、△以上であれば丁寧に洗浄を行うことで汚れをほとんど落とすことが可能であるが、×であると汚れを落とすためには非常に長い時間が必要となるため実用的とは言えない。
・すすぎ性 :○ スクラブ剤が全く観測されない
△ 視野内に10個以下の残留スクラブ剤が認められる
× 視野内に11個以上の残留スクラブ剤が認められる
ここで、△以上で有れば通常の洗浄動作によりほとんどのスクラブ剤を落とすことが可能であるが、×であると非常に長い時間すすぎを行う必要があり好ましくない。
・肌への刺激:○ 洗浄時の刺激がほとんど無く洗浄5分後に肌の色の変化が観測されない
△ 洗浄時に僅かな刺激を感じるが洗浄5分後に肌の色の変化が観測されない
× 洗浄時に痛みを感じ、洗浄5分後に肌の色が赤変しているのが観測される
ここで、△以上で有れば洗浄後5分で肌の色の変化が収まるため、肌への損傷は非常に少ないと判断できるが、×であると5分後においても肌の変色が収まらず、実質的な損傷が起こっていると判断される。
2:島成分樹脂用ホッパー
3:海成分樹脂用エクストルーダー
4:島成分樹脂用エクストルーダー
5:複合紡糸用パック
6:チムニー
7:集束給油ガイド
8:糸条
9:引き取りローラー
10:巻き取り糸
11:アロイ樹脂用ホッパー
12:アロイ樹脂用エクストルーダー
13:単成分紡糸用パック
Claims (7)
- 平均太さ0.5μm以下の繊維状である熱可塑性樹脂からなるスクラブ剤。
- 繊維長が0.05mm以上20mm以下であることを特徴とする請求項1記載のスクラブ剤。
- 請求項1〜2のいずれか1項記載のスクラブ剤を含有することを特徴とする洗剤。
- 洗剤中にスクラブ剤が分散した状態で含まれていることを特徴とする請求項3記載の洗剤。
- 洗剤中のスクラブ剤が凝集した状態で含まれていることを特徴とする請求項3記載の洗剤。
- 洗剤中に平均太さ3μm以下の繊維状である熱可塑性樹脂からなるスクラブ剤が凝集した状態で含まれていることを特徴とする洗剤。
- 繊維長が0.05mm以上20mm以下であることを特徴とする請求項6記載の洗剤。
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