JP5059501B2 - ヘッドホン - Google Patents

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Description

本発明は、外部の騒音を低減することができるヘッドホンに関するものである。
携帯型音楽プレーヤの普及に伴い、個人的に楽音を聴くためのヘッドホンも広く普及している。携帯型音楽プレーヤは騒音レベルの高い街中や、電車、バスなどの乗り物の中で使用されることが多く、プレーヤを再生される楽音とともに外部騒音もヘッドホンを通して聞こえる。騒音の中で楽音を聴くと、楽音が外部騒音でかき消されることがあるため、ユーザーは音量を上げて楽音を聴こうとし、音量を上げすぎてヘッドホンから外部に音が漏れ、周囲の人たちに不愉快な思いをさせることがある。また、ヘッドホンで高品質の楽音が再生されても、外部から進入する騒音が楽音に影響を与え、ユーザーが聴くことができる再生音の品質を低下させることもある。
そこで、外部から進入してくる騒音を打ち消し、ユーザーの耳には楽音のみが聴こえるようにしたノイズキャンセル方式のヘッドホンが普及しつつある。ノイズキャンセル方式のヘッドホンの原理は、ヘッドホンに進入してくる騒音をマイクロホンで検知し、検知した騒音信号と逆位相のキャンセルノイズを発生させ、キャンセルノイズで騒音を打ち消すものである。一般的なノイズキャンセル方式のヘッドホンは一つのスピーカ、したがって一つのボイスコイルを備えている。マイクロホンで集音し電気信号に変換した騒音信号をさらにフィルターや遅延回路に通すことによって、騒音信号とは逆位相のノイズキャンセル信号を生成し、このノイズキャンセル信号と目的の楽音信号を合成(加算)したあと電力増幅し、上記一つのスピーカの一つのボイスコイルを入力するようになっている。
スピーカから出力される音声は、ノイズキャンセル信号と楽音信号の合成信号が音声に変換されたものであり、ノイズキャンセル信号が変換された音声はヘッドホンに進入する外部騒音を打ち消し、ユーザーの耳に入る音声は楽音信号が変換された音声のみとなる。
あるいは、ノイズキャンセル信号と楽音信号を個別に電力増幅したあと、上記一つのボイスコイル直前でノイズキャンセル信号と楽音信号を合成する方法もある。しかし、二つの電力増幅器がボイスコイルに直列あるいは並列に接続されることになるため、二つの電力増幅器が互いに負荷になるなどの不具合がある。
図4は従来のノイズキャンセル方式ヘッドホンの例を示す。図4において、有底の筒型のヘッドホンハウジング1の開口端にはフランジ部材(バッフル板ともいう)2が結合されていて、フランジ部材2の外側(図4において左側)の面にはヘッドパッド3が固着されている。ユーザーがこのヘッドホンを使用するとき、ヘッドパッド3の外端面がユーザーの頭部側面に当たり、ヘッドパッド3で囲まれる空間内にユーザーの耳13が位置するようになっている。フランジ部材2は中心に窓孔を有していてリング状に形成され、フランジ部材2の内方の面には上記窓穴を塞ぐようにしてヘッドホンユニット5が固定されている。ヘッドホンユニット5は、扁平なシャーレ状のベース6と、ベース6の内底部に嵌め込まれたベース6より小径でより扁平なシャーレ状のヨーク7と、ヨーク7の内底部中心に固着された扁平なマグネット8と、マグネット8の端面に固着された板状のポールピース9と、円筒状に巻き回されたボイスコイル10と、ドーム状の振動板12と、を有してなる。
シャーレ状のヨーク7の開放側端面とポールピース9の端面とはほぼ同一面にあり、かつ、ポールピース9の外周面とヨーク7の開放端側内周面との間にはリング状の隙間が生じていて、この隙間内に上記ボイスコイル10が進入している。上記リング状の隙間にはマグネット8を源とする磁界が形成され、この磁界の中にボイスコイル10が存在している。上記振動板12は中心部のドーム部を囲んで断面アーチ形のエッジ部が形成され、エッジ部の外周がベース6に固着されて、振動板12が前後方向に振動可能に支持されている。振動板12の上記中心ドーム部とエッジ部の境界にボイスコイル10の一端が固着され、ボイスコイル10はヨーク7にもポールピース9にも接触しないように支持されている。外部のプレーヤの電力増幅器(ドライバ)からボイスコイル10に楽音信号が入力され、ボイスコイル10が各音信号に従って前後に駆動され、これに伴い振動板12が振動することにより振動板12から音声が発せられる。この音声は、フランジ部材2の中心窓孔を通して、ヘッドパッド3で囲まれているユーザーの耳13に達する。
以上の説明は一般的なヘッドホンの説明で、ノイズキャンセル方式ヘッドホンには、上記の構成に、周辺の雑音を検出するマイクロホンと、このマイクロホンで検出された騒音の逆位相のノイズキャンセル信号を生成する回路、生成したノイズキャンセル信号を楽音信号と合成(加算)してボイスコイル10に入力する合成回路などの信号処理回路が付加される。マイクロホンの位置や信号処理回路の構成には各種の工夫が施されている。図4において、M1〜M4は騒音検出用マイクロホンの配置位置の各種の例を示す。M1はヘッドホン内部に配置した例で、振動板12の直前の空間に外側を向けて配置した例である。M2〜M4はヘッドホンの外側に配置した例で、M2はフランジ部材2の上部に、M3はフランジ部材2の下部に、M4はハウジング1の外側面に配置した例である。
ノイズキャンセル方式ヘッドホンにおいて、より効果的に外部騒音をキャンセルするために各種の工夫がなされている。例えば、特許文献1記載のヘッドホンは、比較的一定の周波数応答を有しながら雑音を低減するために、ダイヤフラム(スピーカの振動板)と外耳道との間に小さな空洞を設け、その空洞に、ダイヤフラムに近接してマイクロホンを配置し、ヘッドホンによって再生される入力電気信号に、上記マイクロホンの出力に基づくフィードバック信号を結合し、その結合信号を電力増幅しダイヤフラムを駆動するように構成されている。図4に示す従来例において、符号M1で示す位置にマイクロホンを配置した例である。
特許文献2には、雑音キャンセル効果を高めるために、外耳付近の合成音をマイクロホンで収音してこの合成音を位相反転し、この位相反転した音声信号と音源からの楽音信号を第1の加算回路で加算し、この加算結果に音源からの楽音信号を第2の加算回路で加算し、この加算結果を増幅してスピーカから外耳道付近に出力するように構成したアクティブノイズイレーサに関する発明が記載されている。
特許文献1、2記載の発明も、ノイズキャンセル方式ヘッドホンの性能向上を目指したものであるが、後述の本願発明の目的を達成することはできない。また、技術思想も異なる。
本発明に関連のある公知の発明として、アクティブノイズを低減するアクティブノイズ低減信号処理経路と、トークスルー機能を提供するトークスルー信号処理経路と、アクティブノイズ低減信号処理経路およびトークスルー信号処理経路の一方または両方を使用不可にするためのスイッチング素子を備えた、ノイズ低減ヘッドセットが提案されている(特許文献3参照)。この特許文献3を参照すると、上記スイッチング素子は、スイッチング素子に供給される電源がノイズ低減信号経路を動作させるには不十分であるとき、ノイズ低減信号経路を使用不可にする旨の記載がある。この点で、後述の本願発明の作用効果の一部と関連するが、課題の解決手段が本願出願とは全く異なる。
特開平6−343195号公報 特開平9−54592号公報 特開2006−14307号公報
本発明は、前記従来のノイズキャンセルヘッドホンの問題点を解消することを目的とする。すなわち、従来のノイズキャンセルヘッドホンは騒音をキャンセルするための信号と楽音信号が電気的に合成されて結合し、信号処理回路を通過するため、楽音信号がノイズキャンセル信号の影響を受けて音質が劣化する。または、はなはだしい場合は、ノイズキャンセル動作をさせた場合と、動作させない場合とで音質差が発生し、ユーザーに違和感を与えるという不具合がある。
本発明は、ヘッドホン内部において、楽音とキャンセル音と外部騒音とを音響空間にて音響的に結合することによって、磁気的結合、静電的結合を含む電気的な結合関係をほとんど無くしながらノイズをキャンセルするという発想である。それによりノイズキャンセル信号が楽音信号に与える影響をなくし、ノイズキャンセル信号の電力増幅回路と楽音信号の電力増幅回路が互いに抵抗となることがなく、加えて音質の良好なノイズキャンセル方式のヘッドホンを提供することを目的とする。また、ノイズキャンセル回路が動作しなくても、ノイズキャンセル機能のない一般のヘッドホンと同様に楽音信号に基づく再生音を聴くことができるヘッドホンを提供することを目的とする。
本発明は、楽音信号によって駆動される楽音用スピーカユニットと、周辺の騒音を検出して騒音信号を出力するマイクロホンと、上記騒音信号に基づいて生成されるノイズキャンセル信号によって駆動されてキャンセルを出力するノイズキャンセル用スピーカユニットと、上記楽音用スピーカユニットと上記ノイズキャンセル用スピーカユニットとが設けられているハウジングと、を備えているヘッドホンであって、上記ハウジングは、上記楽音用スピーカユニットの前面側音響空間と上記ノイズキャンセル用スピーカユニットの前面側音響空間を連通する第1音孔と、上記楽音用スピーカユニットの前面側音響空間と上記ハウジングの外部空間とを連通する第2音孔と、を有し、上記第2音孔を介して上記楽音用スピーカユニットの前面側音響空間に侵入する騒音は、上記楽音用スピーカユニットの前面側音響空間において上記キャンセル音と音響的に結合されて相殺される、ことを最も主要な特徴とするヘッドホンである。
楽音用スピーカユニットは音楽プレーヤなどの音源から入力される楽音のみを再生する。ノイズキャンセル用スピーカユニットは、周辺の騒音を検出するマイクロホンで検出される騒音信号に基づいて生成されるノイズキャンセル信号が入力され、キャンセル音を出力する。外部からの騒音と上記キャンセル音が、ヘッドホン内部の空間において音響的に結合し相殺しあうことにより、外部からの騒音の低減を実現している。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。図1はヘッドホンの断面図であり、符号21はヘッドホン本体を示している。ヘッドホン本体21はハウジング22を有しており、ハウジング22は有底円筒形状である。ハウジング22内の底部(図1ではハウジング22内の右側)に後面音響空間24を設けて、ノイズキャンセル用スピーカユニット25がハウジング22の中心軸線上に固着されている。ハウジング22内の前部(図1ではハウジング22内の左側)であり、かつ、ノイズキャンセル用スピーカユニット25の前側(図1ではハウジング22内の左側)において、ノイズキャンセル用スピーカユニットの前面音響空間26を設けて、楽音用スピーカユニット27が、ハウジング22の中心軸線上において、バッフル板23に固着されている。楽音用スピーカユニット27は、バッフル板23に一体に結合された有底円筒状のハウジング38を有し、このハウジング38の背面側、したがって楽音用スピーカユニット27の背面側には後面音響空間30が設けられている。上記ハウジング38は、その背面側のノイズキャンセル用の前面音響空間26と上記楽音用スピーカユニット27の後面音響空間30とを間仕切りしている。楽音用スピーカユニット27の前面には前面音響空間31がある。この前面音響空間31の周囲を囲むようにヘッドパッド28がバッフル板23に取り付けられている。ヘッドホン本体をユーザーが装着した際に、ヘッドパッド28の外端面がユーザーの頭部側面に当たり、ユーザーの耳が前面音響空間31内に位置するようになっている。
バッフル板23は円形状で中心には貫通孔が形成されており、これを囲むように周方向に複数の貫通孔33が等間隔で形成されており、さらにその外側の周方向に複数の貫通孔34が等間隔で形成されている。バッフル板23には、貫通孔33の背面方向を塞ぐ位置に音響抵抗体29と、貫通孔34の背面方向を塞ぐ音響抵抗体32が貼り付けられている。バッフル板23の中心にある貫通孔の後端部には中心方向に向かって内向きフランジ状の突堤45が形成されている。楽音用スピーカユニット27はユニットフレーム39に以下のように各部材が組み込まれることによって構成されている。ユニットフレーム39は円形状で、中心には貫通孔が形成され、この貫通孔の後面方向に一体に延びた円筒部を備えており、ユニットフレーム39の外周前縁に沿って突堤を備えている。ユニットフレーム39には中心の貫通孔を囲むように、周方向に複数の貫通孔41が等間隔で形成されている。上記貫通孔41の背面側には、貫通孔を塞ぐ位置に音響抵抗体43が貼り付けてある。バッフル板23の中心貫通孔に、ユニットフレーム39が嵌り、上記バッフル板23の中心方向に向いた上記突堤45にユニットフレーム39が固着され、ユニットフレーム39がバッフル板23に支持されている。
ユニットフレーム39の上記円筒部にヨーク7が嵌合されて固定されている。ヨーク7は、永久磁石8、ポールピース9と共に磁気回路を構成している。ヨーク7は有底円筒形で、その内側の底面には扁平な円柱形の磁石8が設置されており、その上に円柱形状のポールピース9が設置されている。ヨーク7の内周面とポールピース9の外周面との間には円形の磁気ギャップが形成されている。ユニットフレーム39の前面側には振動板12が配置されている。振動板12は円形状で中心がドーム状になっており、それを囲むように、半径方向に断面アーチ型のエッジ部が形成されており、エッジ部の外周がユニットフレーム39の前面外周縁部に固着されている。振動板12には中心のドーム部とエッジ部の境界にボイスコイル10の一端が接着されている。ボイスコイル10は上記磁気ギャップ内に配置され、ボイスコイル10が振動板12と共に前後方向に振動しても、ボイスコイル10がヨーク7とポールピース9に接触しないように設計されている。プロテクター11は振動板12とほぼ同じ形状をしており、また、複数の孔が形成され、振動板12の前面に、振動板12との間に空間を保って振動板12を覆う位置で、プロテクター11の外周縁部が上記ユニットフレーム39外周前縁部に接着されている。プロテクター11の外周縁部は、振動板12の外周縁部を押さえ込んでユニットフレーム39の外周前縁部に接着されると共に、ユニットフレーム39の外周前縁部に形成されている前記突堤の内周側に嵌っている。
ノイズキャンセル用スピーカユニット25の構成は、上記楽音用スピーカユニット27と略同様の構成である。ノイズキャンセル用スピーカユニット25は、楽音用スピーカユニット27の背面側のハウジング38を覆うようにして、ハウジング22の内底部近傍にて中心方向に向かって伸びた内向きフランジ42によって、外周部が固着されている。ノイズキャンセル用スピーカユニット25は、そのユニットフレーム40に以下のように各部材が組み込まれることによって構成されている。ユニットフレーム40は円形状で中心には貫通孔が形成され、この貫通孔の後面方向に一体に延びた円筒部を備えており、ユニットフレーム40の前面側外周縁部に、前面方向に突出した突堤を備えている。ユニットフレーム40には、周方向に複数の貫通孔58が等間隔で形成されている。上記貫通孔58の背面側には、貫通孔を塞ぐ位置に音響抵抗60が貼り付けてある。
上記ユニットフレーム40の円筒部にヨーク46が嵌合されて固定されている。ヨーク46は、永久磁石48、ポールピース46と共に磁気回路を構成している。ヨーク46は有底円筒形で、その内側の底面には扁平な円柱形の磁石48が設置されており、その上に円柱形状のポールピース50が設置されている。ヨーク46の内周面とポールピース50の外周面との間には円形の磁気ギャップが形成されている。ユニットフレーム40の前面側には振動板52が配置されている。振動板54は円形状で中心がドーム状になっており、それを囲むように、半径方向に断面アーチ型のエッジ部が形成されており、エッジ部の外周がユニットフレーム40の前面外周縁部に固着されている。振動板54には中心のドーム部とエッジ部の境界にボイスコイル52の一端が接着されている。ボイスコイル52は上記磁気ギャップ内に配置され、ボイスコイル52が振動板54と共に前後方向に振動しても、ボイスコイル52がヨーク46とポールピース50に接触しないように設計されている。プロテクター56は振動板54とほぼ同じ形状をしており、また、複数の孔が形成され、振動板52の前側に、振動板52との間に空間を保って振動板52を覆う位置で、プロテクター56の外周縁部が上記ユニットフレーム40外周前縁部に接着されている。プロテクター56の外周縁部は、振動板54の外周縁部を押さえ込んでユニットフレーム40の外周前縁部に接着されると共に、ユニットフレーム40の外周前縁部に形成されている前記突堤の内周側に嵌っている。
このヘッドホンは、周辺の騒音を検出するマイクロホン70を備えている。マイクロホン70の設置位置は任意で、外部騒音を検出することができる位置であれば、ハウジング22の外側であっても、ヘッドホンの内部空間であってもよい。マイクロホン70で電気信号に変換された騒音信号は、増幅器71で増幅され、ノイズキャンセル用スピーカユニット25のボイスコイル52に入力されるように構成されている。
図示されない音楽プレーヤなどから出力された楽音信号は増幅器に入力されて入力信号を増幅し、また信号レベルを調節して出力する。この楽音信号は楽音用スピーカユニット27のボイスコイル10に入力され、ボイスコイル10に流れる電流と前記磁気ギャップ内の磁束とによって発生する電磁力によって振動板12を振動させ、楽音信号が音波に変換されて出力される。楽音用スピーカユニット27は楽音信号のみ処理するため、例えば、ノイズキャンセル用スピーカユニット25が何らかの原因で故障して機能しなくなった場合でも、楽音用スピーカユニット27さえ正常に機能すれば通常の楽音として聴くことが可能である。
一方、ノイズキャンセル用スピーカユニット25は以下のように動作する。マイクロホン70が外部騒音を騒音信号に変換し、騒音信号を増幅器71が増幅し、また騒音信号レベルを調整する。さらに、騒音信号を逆位相にすることでノイズキャンセル信号として、ノイズキャンセル用スピーカユニット25のボイスコイル52に入力する。ボイスコイル25に流れる電流とボイスコイル52が配置されている磁気ギャップ内の磁束とによる電磁力で振動板54が駆動されキャンセル音を出力する。
外部騒音は上記音響抵抗体32を通り、貫通孔34からヘッドホン内部に向かう。ノイズキャンセル用スピーカユニット25からは、上記のとおり、外部騒音の逆位相のノイズキャンセル音が出力される。このキャンセル音は、音響抵抗体29と貫通孔33を通り、ヘッドホン内部に向かう。外部騒音が進入する上記貫通孔34とキャンセル音が通る貫通孔33はヘッドホン内部の合流空間35で合流しているため、外部騒音はキャンセル音で打ち消され、あるいは外部騒音のレベルが低減される。ノイズキャンセル用スピーカユニット25で生成されるキャンセル音が外部騒音の逆位相であるということは、上記貫通孔34からヘッドホン内部に侵入しようとする外部騒音が、上記貫通孔33からノイズキャンセル用スピーカユニット25の前面音響空間26に取り込まれ、結果としてヘッドホン内部に到達する外部騒音レベルがキャンセルされることになる。さらに言えば、外部からの騒音とノイズキャンセル用スピーカユニット25から出力されるキャンセル音がヘッドホン内部において音響的に結合するように、外部空間とヘッドホン内部とが合流空間35で連通し、キャンセル音と外部騒音が音響的に結合されることにより外部騒音が相殺される仕組みになっている。
ヘッドホン内部に侵入する外部騒音のレベル調整は、上記音響抵抗体32によってある程度行うことが可能である。音響抵抗体32の音響抵抗を高くすれば、ヘッドホン内部に侵入する外部騒音レベルが低くなり、逆に、音響抵抗体32の音響抵抗を低くすれば、外部騒音レベルが高くなる。また、キャンセル音の調整は、音響抵抗体29およびノイズキャンセル用スピーカユニット25に騒音信号を入力する増幅器71のゲインを調整することで調整することができる。キャンセル音の調整は、音響抵抗体29の音響抵抗値を、上記の外部騒音のレベル調整と同様の方法で調整することによって可能である。さらに、楽音用スピーカユニット27とノイズキャンセル用スピーカユニット25とが個別に増幅器を備えており、ノイズキャンセル用スピーカユニット25の増幅器71が、楽音信号への電気的な影響を与えることはない。従って、楽音信号がノイズキャンセル信号の影響を受けて音質が劣化するという問題が解消される。
図2は本発明にかかるヘッドホンおける音響空間についての等価回路図である。図3は図2で示した等価回路図の符号を本発明の上記実施例の構成に照合させて示したヘッドホンの断面図である。図2、図3を共に参照しながら説明する。各部の音響インピーダンス、空気のスチフネス、質量などを以下のように定義する。
E1 楽音用スピーカユニット27で再生される楽音
E2 ノイズキャンセル用スピーカユニット25で生成されるキャンセル音
P0 外部騒音の音圧
P1 ヘッドホン内部に導かれる外部騒音の音圧
P2 ヘッドホン内部に導かれるキャンセル音の音圧
sb 楽音用スピーカユニット27の後部音響室のスチフネス
r01 音響抵抗体43の音響抵抗
m01 楽音用スピーカユニット27の振動板12の音響質量
s01 楽音用スピーカユニット27の振動板12のスチフネス
Ze 耳の音響インピーダンス
se 耳の前方のヘッドホンとの間に形成される空間のスチフネス
r1 音響抵抗体32の音響抵抗
r2 音響抵抗体29の音響抵抗
s2 ノイズキャンセル用スピーカユニット25の後部音響室のスチフネス
m02 ノイズキャンセル用スピーカユニット25の振動板54の音響質量
s02 ノイズキャンセル用スピーカユニット25の振動板54のスチフネス
r02 音響抵抗体60の音響抵抗
図2の左側の約半分は楽音用スピーカユニット27の等価回路、右側の約半分はノイズキャンセル用スピーカユニット25によって生成されるキャンセル信号と外部騒音との音響的な結合を示す等価回路を示している。図2の右側の約半分を参照すれば明らかなように、音圧P0の外部騒音は音響抵抗32を通ってヘッドホン内部の合流空間35に音圧P1で侵入しようとする。ノイズキャンセル用スピーカユニット25で生成されるキャンセル音E2は、音響抵抗体29を通ってヘッドホン内部の合流空間35に音圧P2で侵入しようとする。ヘッドホン内部に侵入しようとする外部騒音とキャンセル音は互いに逆相であることから、図2の符号P1,P2に付した矢印のように、外部騒音がキャンセル音によってノイズキャンセル用スピーカユニット25側に引き込まれることになる。よって、ヘッドホン内部では外部騒音レベルがキャンセル音によって低減される。一方、楽音用スピーカユニット27は、図2の左側の約半分に示されているように、独立のヘッドホンとして動作し、ノイズキャンセル用スピーカユニット25からは電気的になんらの影響も受けない。
以上の説明からわかるとおり、図示の実施例によれば、楽音信号がノイズキャンセル信号によって電気的な影響を受けないため、入力される楽音信号に忠実な楽音を再生することができる。一方ではヘッドホン内に進入しようとする外部騒音のレベルがノイズキャンセル用スピーカユニット25によって低減されるため、騒音レベルの高い環境においても、楽音のみを、かつ、高音質で再生することができる。
本発明にかかるヘッドホンの実施例を示す縦断面図である。 上記ヘッドホンの等価回路図である。 上記実施例の縦断面図であって図2の等価回路図に付した符合を記載した縦断面図である。 従来のヘッドホンの例を示す断面図である。
符号の説明
8 磁石
9 ポールピース
10 ボイスコイル
12 振動板
23 バッフル板
25 ノイズキャンセル用スピーカユニット
27 楽音用スピーカユニット
29 音響抵抗体
r1 音響抵抗
Po 外部騒音
se 音響空間
Ze 耳のインピーダンス

Claims (7)

  1. 楽音信号によって駆動される楽音用スピーカユニットと、周辺の騒音を検出して騒音信号を出力するマイクロホンと、上記騒音信号に基づいて生成されるノイズキャンセル信号によって駆動されてキャンセルを出力するノイズキャンセル用スピーカユニットと、上記楽音用スピーカユニットと上記ノイズキャンセル用スピーカユニットとが設けられているハウジングと、を備えているヘッドホンであって、
    上記ハウジングは、
    上記楽音用スピーカユニットの前面側音響空間と上記ノイズキャンセル用スピーカユニットの前面側音響空間を連通する第1音孔と、
    上記楽音用スピーカユニットの前面側音響空間と上記ハウジングの外部空間とを連通する第2音孔と、を有し、
    上記第2音孔を介して上記楽音用スピーカユニットの前面側音響空間に侵入する騒音は、上記楽音用スピーカユニットの前面側音響空間において上記キャンセル音と音響的に結合されて相殺される、ことを特徴とするヘッドホン。
  2. 楽音信号によって駆動される楽音用スピーカユニットと、周辺の騒音を検出して騒音信号を出力するマイクロホンと、上記騒音信号に基づいて生成されるノイズキャンセル信号によって駆動されてキャンセル音を出力するノイズキャンセル用スピーカユニットと、上記楽音用スピーカユニットと上記ノイズキャンセル用スピーカユニットとが設けられているハウジングと、を備えているヘッドホンであって、
    上記楽音用スピーカユニットの前面側音響空間と上記ノイズキャンセル用スピーカユニットの前面側音響空間を連通する第1音孔と、
    上記楽音用スピーカユニットの前面側音響空間と上記ハウジングの外部空間とを連通する第2音孔と、を有し、
    上記第2音孔を介して上記楽音用スピーカユニットの前面側音響空間に侵入する騒音は、
    上記キャンセル音によって上記第1音孔を介して上記ノイズキャンセル用スピーカユニットの前面側音響空間に引き込まれて低減される、ことを特徴とするヘッドホン。
  3. 上記第1音孔には第1音響抵抗体が配置され、上記第1音響抵抗体の抵抗値により上記キャンセル音のレベルを調整できる、請求項1または2に記載のヘッドホン。
  4. 上記第2音孔には第2音響抵抗体が配置され、上記第2音響抵抗体の抵抗値により上記騒音のレベルを調整できる、請求項1乃至3のいずれかに記載のヘッドホン。
  5. 上記楽音用スピーカユニットはバッフル板に固着され、上記ノイズキャンセル用スピーカユニットは上記バッフル板に固着されたハウジングに固着されている請求項1乃至4のいずれかに記載のヘッドホン。
  6. 上記ノイズキャンセル信号を生成する増幅器を備え、この増幅器のゲインは調整可能である請求項1乃至5のいずれかに記載のヘッドホン。
  7. 上記ノイズキャンセル信号は、上記騒音信号の逆相である請求項1乃至6のいずれかに記載のヘッドホン。
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