JP5610903B2 - 電気音響変換器 - Google Patents

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Description

本発明は、振動板の背面側に空気室を備えた電気音響変換器に関するもので、上記空気室が小さな容積のものであっても、この空気室内に発生する音圧を能動的に消去することにより、大きな空気室を備えているものと等価にし、低音域における応答性を高めることができる電気音響変換器に関するものである。
例えば、単一指向性ダイナミックマイクロホン、無指向性ダイナミックマイクロホン、ヘッドホン、スピーカなどの電気音響変換器には、外からの音波が入り込まないようにするために空気室を備えているものがある。これらの電気音響変換器は、音波を受けて振動し、あるいは音声信号で駆動されて音波を発する振動板を備えていて、この振動板の背面側に空気室が設けられている。この空気室は音響容量として動作するようになっていて、空気室の容積が大きい場合は弾力の小さいばねとして動作し、空気室の容積が小さい場合は弾力の大きいばねとして動作する。したがって、スチフネスの小さい音響容量を必要とする場合、すなわち振動板を動きやすくする場合には大きな容積の空気室が必要になる。
ここでは、無指向性または単一指向性ダイナミックマイクロホンを例に挙げて、上記空気室に関してさらに説明する。無指向性または単一指向性ダイナミックマイクロホンでは、無指向性成分を得るために振動板の後部すなわち背面側に音響抵抗と空気室を設ける必要がある。低い周波数帯域では、空気室のスチフネスが支配的になり、空気室の容積が小さいとそのスチフネスが大きくなって指向周波数応答が劣化するので、空気室の容積を大きくしてスチフネスを小さくする必要がある。
ハンドヘルドすなわち手持ち式のワイヤレスマイクロホンを想定すると、グリップ部に送信機の回路部分を収納するとともに電源電池を収納する必要があるため、ワイヤードマイクロホンのように大きな空気室を設けることはできない。そのため、振動板の後部に設ける空気室の容積が制限され、小さな空気室によって無指向性成分を得る必要があり、低音域における指向周波数応答と音質が劣化する。要するに、上記空気室の容積が小さいと、低音に応答して振動板が振動しようとするとき振動板に大きな背圧がかかり、振動板が振動しにくくなって、応答する最低周波数が高くなるとともに、低音域での出力レベルが低くなる。
そこで、本発明者は、背部空気室の容積が小さい場合であっても、背部空気室の音響インピーダンスを等価的に低くすることにより、低音域の収音を可能にしたダイナミックマイクロホンに関して先に特許出願した(特許文献1参照)。特許文献1記載の発明は、主マイクロホンユニットを支持するケースが、上記主マイクロホンユニットの振動板の背面側に背部空気室を有しており、上記主マイクロホンユニットの前面側に副マイクロホンユニットを備え、背部空気室に設けた圧電素子からなる膜板を、上記副マイクロホンユニットから出力される音声信号(電圧信号)で駆動することにより、背部空気室の音響インピーダンスを等価的に小さくするように構成したものである。
特開2009−232176号公報
特許文献1記載の発明は、主マイクロホンユニットの前面側に配置された副マイクロホンユニットに導かれた音源からの音波が副マイクロホンユニットで音声信号に変換され、この音声信号で、背部空気室に設けた圧電素子からなる膜板を駆動するようになっている。すなわち、主マイクロホンユニットの振動板の前に配置された副マイクロホンユニットの出力信号で、圧電素子からなる膜板をいわばフィードフォワード制御するものである。したがって、副マイクロホンユニットに到来する音源からの音波を受けて背部空気室の圧力変化を予測し、予測に基づいて膜板を駆動するため、背部空気室の圧力変化に忠実に対応して膜板を駆動することができず、精度のよい背部空気室の音響インピーダンス制御を行うにはさらなる改良を加える必要がある。
本発明は、上記従来技術の課題を解決すること、すなわち、電気音響変換ユニットの振動板の振動によって変化する空気室の音圧変化に忠実に対応して空気室の容積を変化させるように制御することにより、精度のよい空気室の音響インピーダンス制御を行うことができる電気音響変換器を提供することを目的とする。
本発明係る電気音響変換器は、
音声信号により駆動されて振動し音声を生成する振動板を備えた電気音響変換ユニットと、
上記電気音響変換ユニットの上記振動板が配置され上記振動板の振動によって容積が変化する空気室と、を備え、
上記空気室には、この空気室内の音圧を検出する音圧検出部材と、この音圧検出部材の出力信号で駆動されこの出力信号に応じて上記空気室の容積を変化させて上記空気室の音響インピーダンスを制御する容積調整器が配置され、
上記音圧検出部材の出力信号と音源からの楽音信号を加算する加算器を有し、
上記電気音響変換ユニットはスピーカユニットであり、
上記加算器による加算出力で上記スピーカユニットが駆動されるように構成されて上記スピーカユニットが上記容積調整器を兼ねていることを最も主要な特徴とする。
本発明に係る電気音響変換器は、以下のような態様に展開することができる。
記電気音響変換器はヘッドホンであって、このヘッドホンが使用者に装着された態様で、使用者の側頭部とイヤーパッドとスピーカユニットの振動板を含む構成部分が空気室を形成し、この空気室に配置された音圧検出部材の出力信号で上記スピーカユニットが駆動されるようにしてもよい。
上記マイクロホンユニットはユニットケースを有し、上記ユニットケースはマイクロホンケースに組み込んでもよい。
上記マイクロホンケースに電源電池室を設けてもよい。
上記マイクロホンユニットは、ダイナミックマイクロホンユニットであってもよい。
音圧検出部材の検出信号はローパスフィルタを通して容積調整器に入力されるようにしてもよい。
電気音響変換ユニットの振動板の振動によって空気室の容積が変化し空気室の音圧が変化するが、この音圧変化を音圧検出部材が検出し、この検出信号で容積調整器を駆動して音圧変化をなくすように制御する。この制御によって上記空気室の音響インピーダンスを等価的に小さくすることができ、特に低音域の指向周波数応答を高めることができる。したがって、電気音響変換器がスピーカあるいはヘッドホンの場合、空気室あるいはエンクロージャの容積が小さくても、低音域まで十分な音圧レベルで再生することができる。
本発明に係る電気音響変換器の一実施例を模式的に示す断面図である。 上記実施例の音響等価回路図である。 電気音響変換器の特性試験装置の例を模式的に示す断面図である。 上記試験装置による測定結果の一例を示すグラフである。 上記試験装置による測定結果の別の例を示すグラフである。 上記試験装置による測定結果のさらに別の例を示すグラフである。 本発明に係る電気音響変換器の別の実施例を模式的に示す断面図である。 本発明に係る電気音響変換器のさらに別の実施例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明に係る電気音響変換器の実施例を、図面を参照しながら説明する。
まず、本発明の技術思想をヘッドホンに適用した例である図1の実施例について説明する。図1において、符号10で示すヘッドホンは、椀状のハウジング12と、ハウジング12の開放端寄りの内周側に固着されたバッフル板13と、このバッフル板13に取り付けられハウジング12で囲まれたドライバユニットであるスピーカユニット11と、ハウジング12の開放端に装着されたイヤーパッド14を備えている。ヘッドホン10は、周知のように、イヤーパッド14で利用者の耳21を囲み、かつ、利用者の側頭部にイヤーパッド14を押しつけて使用する。図1では利用者の片方の耳にヘッドホン10を装着した状態を示しているが、一般的なヘッドホンは左右の耳に装着する左右のヘッドホンを有し、左右のヘッドホンがヘッドバンドあるいはネックバンドなどで連結されている。また、図1にはイヤーパッド14が耳21を囲む耳覆い型のヘッドホンの例が描かれているが、イヤーパッド14を耳21に載せる耳載せ型であってもよい。
図1に示すように、ヘッドホン10を使用者の側頭部に装着すると、バッフル板13と、スピーカユニット11が有している図示されない振動板と、ハウジング12の一部と、イヤーパッド14と、使用者の側頭部とによって囲まれた空気室15が形成される。この空気室15に向かってスピーカユニット11から放音され、音波が使用者の耳の奥の鼓膜に届くようになっている。上記音波にしたがって空気室15の圧力すなわち音圧が変化する。空気室15には上記音圧を検出する音圧検出部材16が配置されている。音圧検出部材16としては、例えば無指向性のマイクロホンが適しているが、単一指向性のマイクロホンを用いることもできる。
スピーカユニット11は、CDプレーヤ、MP3プレーヤその他の音源から入力される音声信号により駆動されて音声を生成する一方、上記音圧検出部材16の検出信号によっても駆動される。図1に示す例では、音圧検出部材16の検出信号が増幅器などの回路ブロック17を経て加算器18に入力され、加算器18で楽音信号20に加算され、さらに増幅器19を経てスピーカユニット11に入力されるように構成されている。増幅器19はスピーカユニット11の駆動回路ということができ、加算器18で加算された音圧検出部材16の検出信号と楽音信号20によってスピーカユニット11を駆動するようになっている。
以上のように構成された図1に示す実施例によれば、スピーカユニット11が楽音信号20によって駆動されることにより、楽音信号にしたがってスピーカユニット11から音声が放音される。放音される音声に従い空気室15内の音圧が変化する。この音圧の変化を音圧検出部材16が検出し、音圧に対応した検出信号を出力する。この検出信号は回路ブロック17、加算器18、増幅器19を経てスピーカユニット11に入力され、スピーカユニット11が上記検出信号に応じて駆動され、空気室15内の音圧が一定に保たれる。
要するに、図1に示す実施例は、音声信号により駆動されて振動し音声を生成する振動板を備えた電気音響変換ユニットすなわちスピーカユニット11と、このスピーカユニット11の上記振動板が配置され上記振動板の振動によって容積が変化する空気室15と、を備え、空気室15には、この空気室15内の音圧を検出する音圧検出部材16と、この音圧検出部材16の出力信号で駆動されこの出力信号に応じて空気室15の容積を変化させて上記空気室15の音響インピーダンスを制御する容積調整器(スピーカユニット11)が配置されている。したがって、空気室15内の音圧が音圧検出部材16で検出されてスピーカユニット11にフィードバックされ、空気室15内の音圧が変動しないようにスピーカユニット11が制御される。
具体的には、空気室15内の音圧が上がったことを音圧検出部材16が検出したときは、スピーカユニット11の振動板が空気室15から後退するように制御され、空気室15の音響インピーダンスを等価的に小さくする。このようにして、空気室15の容積が小さくても、低音域の音声信号に応じてスピーカユニット11の振動板を抵抗なく振動させることができ、低音域の指向周波数応答特性を改善することができる。
以上説明した図1に示す電気音響変換器の実施例の音響等価回路を図2に示す。図2において、P1は前方音源すなわち前方の空気室15の音圧、P2は後方音源すなわちスピーカユニット11の振動板の背面側空気室の音圧、m0は上記振動板の質量、s0は上記振動板のスチフネス、m1は上記背面側空気室の質量、r1は上記背面側空気室の音響抵抗、s1は上記背面側空気室のスチフネス、Ps1は上記スチフネスs1によって生じる音圧を示している。背面側空気室が小さく、そのスチフネスs1が大きい場合は、低音域においてスチフネスs1が支配的となって上記Ps1が大きくなり、上記振動板が動きにくくなって低音域の指向周波数応答が劣化する。したがって、上記背面側空気室のスチフネスs1をなるべく小さくして上記音圧Ps1をなるべく小さくし、音響抵抗r1のみが有効に作用するようにしたい。そのためには、背面側空気室の容積を可能な限り大きくすればよいのであるが、すでに説明したように、背面側空気室の容積を制限する多くの要因がある。
その点、図1に示す本発明の実施例によれば、電気音響変換ユニットであるスピーカユニット11の振動板の振動によって空気室15の音圧が変化すると、この音圧の変化を音圧検出手段であるマイクロホンユニット16が検出し、この検出信号でスピーカユニット11を駆動して上記空気室15の音響インピーダンスを等価的に小さくするように制御するため、上記スチフネスs1を等価的に小さくし、上記音圧Ps1を小さくすることができ、もって、低音域の指向周波数応答を高めることができる。また、空気室15の音圧を検出し、この音圧検出信号を、容積調整器を兼ねるスピーカユニット11にフィードバックし、空気室15の音圧変動が生じないように制御するため、空気室15の等価的な音響インピーダンス制御を高い精度で行うことができる。
本発明の技術思想を採り入れることによって得られる効果を実証するために周波数特性試験を行った。試験装置は、EIAJ RC−8160の規格に則っていて、その概略を図3に示している。符号29は被検体としての単一指向性ダイナミックマイクロホンを示しており、このダイナミックマイクロホン29の前方50cmに配置されたスピーカから試験用の音波がマイクロホン29に向かって発せられ、この音波をマイクロホン29で受けて電気音響変換し、この変換信号を記録するようになっている。
マイクロホン29の背部に、これまで説明してきた空気室に相当する空間を形成するための装置が装着されている。この空間形成装置は、ハウジング24と、ハウジング24に内蔵されたダイナミック型スピーカユニット25を備え、スピーカユニット25は振動板26を有している。また、ハウジング24は上記振動板26により前側の空気室27と背部空気室に区切られていて、空気室27に音圧検出部材としてのマイクロホンユニット28が配置されている。マイクロホンユニット28の検出信号は、増幅器などを含む回路ブロック30を介して容積調整器としての上記スピーカユニット25にフィードバックされ、上記検出信号でスピーカユニット25を駆動するように構成されている。このフィードバック制御系は任意にオン、オフすることができる。上記フィードバック制御系をオフにした、スピーカユニット25が駆動されない自然状態での空気室27の容積は、例えばダイナミックマイクロホン29の装着位置を変えるなどの手法によって任意に調整することができるようになっている。
上記試験装置を用いて、以下の3つの仕様について試験を行った。
(1)通常のダイナミックマイクロホンを想定し、空気室27の容積を30ccに設定した。上記フィードバック制御系はオフとし、空気室の音響インピーダンス制御は行わない。
(2)空気室27の容積を2ccに設定した。上記フィードバック制御系はオフとし、空気室の音響インピーダンス制御は行わない。
(3)空気室27の容積を2ccに設定した。上記フィードバック制御系をオンとし、空気室の音響インピーダンス制御を行った。
上記(1)の試験結果を図4に、上記(2)の試験結果を図5に、上記(3)の試験結果を図6にそれぞれ示している。各図において、太線で示すグラフは中心軸線に対する角度0度方向、すなわち正面に試験用の音波を発するスピーカを配置した場合、中間の大きさの線で示すグラフは中心軸線に対する角度90度方向に上記スピーカを配置した場合、細線で示すグラフは中心軸線に対する角度180度方向に上記スピーカを配置した場合の測定結果を示している。
図5と図6を対比すると明らかなように、上記フィードバック制御系をオンすることにより、低音域における指向周波数応答が改善され、応答周波数が低域側に拡大されるとともに低域側の出力レベルが高くなっている。また、図と図を対比することによって、上記フィードバック制御系をオンすると、空気室27の容積を大きくしたものよりも、低音域において周波数応答が改善されていることが分かる。
次に、本発明の技術思想をスピーカシステムに適用した図7に示す実施例について説明する。図7に示す電気音響変換器の実施例は、スピーカユニット41がエンクロージャ40内に組み込まれてなるスピーカシステムの例である。エンクロージャ40の内部は仕切り板46によって区切られ、エンクロージャ40の前板はバッフル板44になっている。このバッフル板44と仕切り板46の間に空気室43が形成されている。バッフル板44に電気音響変換ユニットとしてのスピーカユニット41が取り付けられ、スピーカユニット41は上記空気室43内に位置し、スピーカユニット41の振動板42の背面側に空気室43が位置している。仕切り板46に容積調整器47が取り付けられている。容積調整器47は、スピーカユニット41と同様に、例えばダイナミック型スピーカユニットと同様の構造を備えている。容積調整器47は振動板48を有し、この振動板48の前面は空気室43に面している。空気室43に音圧検出部材としてのマイクロホンユニット45が配置されている。
マイクロホンユニット45の検出信号は増幅器49を経て容積調整器47に入力され、上記検出信号で容積調整器47を駆動するように構成されている。スピーカユニット41は図示されない音声信号源からの音声信号により駆動されて振動板42が振動し音声を生成する。上記振動板42の振動によって空気室43の容積が変化するとともに空気室43の音圧が変化し、この音圧の変化をマイクロホンユニット45が検出する。このマイクロホンユニット45から出力される音圧検出信号によって、増幅回路を含む回路ブロック49を経て容積調整器47が駆動され、容積調整器47の振動板48が振動し、空気室43の容積が変化するように構成されている。
このように、音圧検出部材であるマイクロホンユニット45で検出される空気室43の音圧変化信号を容積調整器47に入力し、空気室43の音圧変化をキャンセルするフィードバック制御系が形成されている。その結果、空気室43の音響インピーダンスを等価的に小さくすることができ、空気室43の容積が小さくても、低音域の音声信号に応じてスピーカユニット41の振動板42を抵抗なく振動させることができ、低音域の指向周波数応答特性を改善することができる。音圧検出部材としてのマイクロホンユニット45は空気室43に配置されて空気室43の音圧を直接検出し、この検出信号でフィードバック制御しているため、空気室43の音響インピーダンス制御を高い精度で行うことができる。
図7では、楽音再生用のスピーカユニット41が、スピーカユニットからなる空気室43の音響インピーダンス制御用容積調整器47よりも小さい例が示されているが、両者の大きさは任意で、両者が同じ大きさであってもよいし、容積調整器47の方が小さくてもよい。容積調整器47の振動板48を動きやすくするために、容積調整器47が配置されている空間を大気に開放する孔を設けてもよい。
図8は、本発明の技術思想をダイナミックマイクロホンに適用した実施例を示している。図8において、ダイナミックマイクロホン50は、グリップを兼ねたマイクロホンケース51を有し、マイクロホンケース51の先端部内方には電気音響変換ユニットであるダイナミックマイクロホンユニット52が適宜の取り付け構造によって取り付けられている。上記マイクロホンユニット52はユニットケース54を有し、ユニットケース54の前端部内周側に音波を受けて振動する振動板53が配置されている。振動板53はボイスコイルを有し、このボイスコイルは永久磁石やヨークなどの磁気回路構成部材によって形成された磁気ギャップ内に配置されている。振動板53が音波を受けて上記ボイスコイルとともに振動すると、ボイスコイルが電磁変換作用によって音波に対応した音声信号を出力するようになっている。
ユニットケース54には、上記振動板53や磁気回路構成部材の背後に空気室56が形成されている。振動板53の背面は適宜の孔などを経て空気室56に連通している。空気室56内には、例えば無指向性マイクロホンユニットからなる音圧検出部材55が配置されている。また、空気室56には、音圧検出部材55の出力信号で駆動されこの出力信号に応じて空気室56の容積を変化させて空気室56の音響インピーダンスを制御する容積調整器57が配置されている。容積調整器57は、前述の実施例における容積調整器と同様に、ダイナミック型のスピーカと同等の構造のものを用いることができる。音圧検出部材55の出力信号は増幅器58で増幅され、この増幅信号で容積調整器57を駆動するようになっている。
マイクロホンケース51の後端部にはケーブルコネクタを結合するためのコネクタ部59が設けられ、また、マイクロホンケース51内にはマイクロホンユニット52とコネクタ部59との間に電源電池室60が設けられている。このダイナミックマイクロホン50は、電源電池室60を備えていることから明らかなように、ワイヤレスマイクロホンのような電源を必要とするマイクロホンであって、電源電池室60を備えているため、上記空気室56の容積が制限される。そのため空気室56のスチフネスが高く、マイクロホンユニット52振動板53が低音域で動きにくくなり、低音域での指向周波数応答が低下する。特に、例えばピンタイプのワイヤレスマイクロホンの場合は全体の大きさが小さく、これに電源電池を装填する必要があるため、空気室の容量がますます小さくなり、低音域での指向周波数応答がますます低下する。そこで、図8に示す実施例では、空気室56に容積調整器57を設け、上記音圧検出部材55の出力信号で増幅器58を介して容積調整器57を駆動するようになっている。音圧検出部材55から増幅器58を介して容積調整器57に至る制御系は、空気室56の音圧が上昇すると容積調整器57が空気室56の容積を拡大して空気室56の音響インピーダンスを等価的に小さくするように制御するフィードバック制御系を構成している。
このように、図8に示すマイクロホンの実施例によれば、ダイナミックマイクロホンユニット52の振動板53が音波を受けて振動することにより空気室56の容積が変動し、空気室56の音圧が変動すると、この音圧変動が容積調整器57にフィードバックされて容積調整器57が駆動され、空気室56の音圧が一定に制御される。この結果、空気室56の容積が小さくても、空気室56の音響インピーダンスが等価的に小さくなり、上記振動板53は音圧に対して忠実に振動することができ、指向周波数応答に優れたマイクロホンを得ることができる。
空気室の容積が小さいために指向周波数応答が低下するのは主として低音域であるから、以上説明した各実施例において、音圧検出部材の検出信号は、これを、ローパスフィルタを通して容積調整器に入力するようにして、空気室の低音域における音響インピーダンスを等価的に小さくするようにするとよい。
本発明の技術思想をスピーカに適用すれば、スピーカを取り付けたエンクロージャの容積が小さくても、低音域の音量ないしは音圧を十分大きくすることができ、小型で高性能のスピーカシステムを提供することができる。
また、本発明の技術思想をマイクロホンに適用すれば、例えばピンタイプのワイヤレスマイクロホンのように、電気音響変換ユニットであるマイクロホンユニットの振動板の背後に形成されている空気室がきわめて小さな空気室であっても、低音域まで高いレベルで電気音響変換することが可能な高性能のマイクロホンを得ることができる。
本発明に用いる容積調整器は、図示の各実施例で用いられているダイナミック型スピーカと同様の構成のもののほかに、空気室に面する振動板を電磁的なアクチュエータに類する部材によって駆動して空気室の容積を制御するもの、あるいは、例えば圧電バイモルフのような圧電素子を用いて空気室の容積を制御するものなどを用いることができ、駆動方式によって限定されるものではない。
10 ヘッドホン
11 容積調整器(スピーカユニット)
12 ハウジング
13 バッフル板
14 イヤーパッド
15 空気室
16 音圧検出部材(マイクロホンユニット)
26 振動板
40 エンクロージャ
41 スピーカユニット
42 振動板
43 空気室
45 音圧検出部材(マイクロホンユニット)
47 容積調整器
53 振動板
54 ユニットケース
55 音圧検出部材(マイクロホンユニット)
56 空気室
57 容積調整器

Claims (3)

  1. 音声信号により駆動されて振動し音声を生成する振動板を備えた電気音響変換ユニットと、
    上記電気音響変換ユニットの上記振動板が配置され上記振動板の振動によって容積が変化する空気室と、を備え、
    上記空気室には、この空気室内の音圧を検出する音圧検出部材と、この音圧検出部材の出力信号で駆動されこの出力信号に応じて上記空気室の容積を変化させて上記空気室の音響インピーダンスを制御する容積調整器が配置され、
    上記音圧検出部材の出力信号と音源からの楽音信号を加算する加算器を有し、
    上記電気音響変換ユニットはスピーカユニットであり、
    上記加算器による加算出力で上記スピーカユニットが駆動されるように構成されて上記スピーカユニットが上記容積調整器を兼ねている電気音響変換器。
  2. 電気音響変換器はヘッドホンであって、このヘッドホンが使用者に装着された態様で、使用者の側頭部とイヤーパッドとスピーカユニットの振動板を含む構成部分が空気室を形成し、この空気室に配置された音圧検出部材の出力信号で上記スピーカユニットが駆動される請求項1記載の電気音響変換器。
  3. 音圧検出部材の検出信号はローパスフィルタを通して容積調整器に入力される請求項1または2記載の電気音響変換器。
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