JP5059082B2 - 基板の処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、基板上にレジストパターンを形成する基板の処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体に関する。
例えば半導体デバイスの製造プロセスにおけるフォトリソグラフィー工程では、例えばウェハ表面の被処理膜上にレジスト液を塗布してレジスト膜を形成するレジスト塗布処理、ウェハ上のレジスト膜に所定パターンの光を照射してレジスト膜を露光する露光処理、露光されたレジスト膜を現像する現像処理等が順次行われて、ウェハ上に所定のレジストパターンが形成される。そして、このレジストパターンの形成処理後に、そのレジストパターンをマスクとして被処理膜がエッチングされ、当該被処理膜に所定のパターンが形成される。
上述したレジストパターンを形成する際には、半導体デバイスのさらなる高集積化を図るため、レジストパターンの微細化が求められている。これを受けて従来より露光光源の短波長化が進められている。しかしながら、露光光源の短波長化には技術的、コスト的な限界があり、光の短波長化を進める方法のみでは、例えば数ナノメートルオーダーの微細なレジストパターンを形成するのが困難な状況にある。
そこで、2回のフォトリソグラフィー工程を行い、2つのレジストパターンを合成して、微細なレジストパターンを形成する方法(以下、「ダブルパターニング」という。)が考えられている。このダブルパターニングの方法として、1回目の第1のレジスト膜の形成、露光、現像により、第1のレジスト膜に第1のレジストパターンを形成し、その後2回目の第2のレジスト膜の形成、露光、現像により、第2のレジスト膜に第2のレジストパターンを形成することが提案されている(特許文献1)。そして、これら第1のレジストパターンと第2のレジストパターンの合成により、微細なレジストパターンが実現されている。
特開2009−3160号公報
上述したダブルパターニングにおいて、第2のレジスト膜を形成する際には、例えば第1のレジストパターンが形成されたウェハ上にレジスト液を供給し、ウェハの回転の遠心力によりレジスト液を拡散させて、ウェハ全面に第2のレジスト膜を形成する。しかしながら、この場合、第1のレジストパターンに対するレジスト液の接触角が大きく、レジスト液が拡散し難いため、多量のレジスト液を必要とする。
そこで、発明者らは、レジスト液の供給量を抑えるため、例えばプリウェットを行うことを試みた。このプリウェットは、第2のレジスト膜形成用のレジスト液を供給する前に、ウェハ上、すなわち第1のレジストパターン上にレジスト液の溶剤、例えばシクロヘキサノンを供給してレジスト液を拡散させ易くする方法である。しかしながら、ダブルパターニングにおいてプリウェットを行った場合、レジスト液の溶剤により第1のレジストパターンが溶解してしまい、当該第1のレジストパターンが所定の寸法に形成されない場合があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、ダブルパターニングにおける2回目のレジスト液の供給量を少量に抑えつつ、基板上に所定のレジストパターンを形成することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、基板上にレジストパターンを形成する基板の処理方法であって、基板上にレジスト液を塗布して第1のレジスト膜を形成した後、当該第1のレジスト膜を選択的に露光し、現像して第1のレジストパターンを形成する第1のパターニング工程と、その後、前記第1のレジストパターンの表面にエーテル化合物又はメチルイソブチルカルビノールである表面改質剤を塗布し、前記表面改質剤によって、前記第1のレジストパターンの表層を除去し、かつ新たに露出した前記第1のレジストパターンの表面を改質する表面改質工程と、その後、前記第1のレジストパターンが形成された基板上にレジスト液を塗布して第2のレジスト膜を形成した後、当該第2のレジスト膜を選択的に露光し、現像して、前記第1のレジストパターンと同じ層に第2のレジストパターンを形成する第2のパターニング工程と、を有することを特徴としている。なお、本発明の基板には、基板表面に所定の被処理膜、例えばレジストパターンをマスクとしてエッチングされる被処理膜が形成されている基板も含まれる。
発明者らが調べたところ、基板上に第1のレジストパターンを形成した後、第1のレジストパターン上にエーテル化合物又はメチルイソブチルカルビノールである表面改質剤を塗布すると、第1のレジストパターンの表面が改質し、第1のレジストパターンに対するレジスト液の接触角が小さくなることが分かった。そうすると、その後第2のレジスト膜を形成する際に、第1のレジストパターン上のレジスト液の流動性が向上する。すなわち、本発明によればレジスト液の供給量が少量であっても、当該レジスト液は基板上を円滑に拡散し、第2のレジスト膜を所定の膜厚で適切に形成することができる。そして、さらにその後、第1のレジストパターンと同じ層に第2のレジストパターンを形成しているので、これら第1のレジストパターンと第2のレジストパターンを合成することで、基板上に微細なレジストパターンを所定の寸法で形成することができる。
お、この表面改質工程において、表面改質剤は、例えば第1のレジストパターンの線幅や高さなどの寸法に影響のない範囲で第1のレジストパターンの表層を薄く除去する。すなわち、表面改質剤によって第1のレジストパターンの表層が除去されても、当該第1のレジストパターンは所定の寸法で形成される。
前記第2のパターニング工程において、前記第2のレジスト膜は、基板を静止させた状態で当該基板の中心部にレジスト液を供給した後、基板を回転させて前記レジスト液を基板全面に拡散させて形成されるようにしてもよい。
記表面改質剤は、プロピレングリコールブチルエーテルであってもよい。
別な観点による本発明によれば、前記基板の処理方法を基板処理装置によって実行させるために、当該基板処理装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラムが提供される。
また別な観点による本発明によれば、前記プログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体が提供される。
本発明によれば、ダブルパターニングにおける2回目のレジスト液の供給量を少量に抑えつつ、基板上に微細なレジストパターンを所定の寸法で形成することができる。
本実施の形態にかかる基板の処理方法を実行する塗布現像処理システムの構成の概略を示す平面図である。 本実施の形態にかかる塗布現像処理システムの正面図である。 本実施の形態にかかる塗布現像処理システムの背面図である。 レジスト塗布装置の構成の概略を示す縦断面図である。 レジスト塗布装置の構成の概略を示す横断面図である。 ウェハ処理の各工程を示したフローチャートである。 ウェハ処理の各工程におけるウェハ上の膜の状態を示す説明図であり、(a)はウェハ上に予め被処理膜が形成された様子を示し、(b)はウェハ上に第1のレジスト膜が形成された様子を示し、(c)はウェハ上に第1のレジストパターンが形成された様子を示し、(d)は第1のレジストパターンの表面が表面改質剤によって改質された様子を示し、(e)はウェハ上に第2のレジスト膜が形成された様子を示し、(f)はウェハ上に第2のレジストパターンが形成された様子を示している。 他の実施の形態におけるウェハ上の膜の状態を示す説明図であり、(a)は第1のレジストパターンの表層が表面改質剤によって除去された様子を示し、(b)は第1のレジストパターンの表面が表面改質剤によって改質された様子を示している。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる基板の処理方法を実行する基板処理装置としての塗布現像処理システム1の構成の概略を示す平面図である。図2は、塗布現像処理システム1の正面図であり、図3は、塗布現像処理システム1の背面図である。
塗布現像処理システム1は、図1に示すように例えば25枚のウェハWをカセット単位で外部から塗布現像処理システム1に対して搬入出したり、カセットCに対してウェハWを搬入出したりするカセットステーション2と、フォトリソグラフィー工程の中で枚葉式に所定の処理を施す複数の各種処理装置を多段に配置している処理ステーション3と、この処理ステーション3に隣接して設けられている露光装置4との間でウェハWの受け渡しをするインターフェイスステーション5とを一体に接続した構成を有している。
カセットステーション2には、カセット載置台6が設けられ、当該カセット載置台6は、複数のカセットCをX方向(図1中の上下方向)に一列に載置自在になっている。カセットステーション2には、搬送路7上をX方向に向かって移動可能なウェハ搬送体8が設けられている。ウェハ搬送体8は、カセットCに収容されたウェハWのウェハ配列方向(Z方向;鉛直方向)にも移動自在であり、X方向に配列された各カセットC内のウェハWに対して選択的にアクセスできる。
ウェハ搬送体8は、Z軸周りのθ方向に回転可能であり、後述する処理ステーション3側の第3の処理装置群G3に属する温度調節装置60やウェハWの受け渡しを行うためのトランジション装置61に対してもアクセスできる。
カセットステーション2に隣接する処理ステーション3は、複数の処理装置が多段に配置された、例えば5つの処理装置群G1〜G5を備えている。処理ステーション3のX方向負方向(図1中の下方向)側には、カセットステーション2側から第1の処理装置群G1、第2の処理装置群G2が順に配置されている。処理ステーション3のX方向正方向(図1中の上方向)側には、カセットステーション2側から第3の処理装置群G3、第4の処理装置群G4及び第5の処理装置群G5が順に配置されている。第3の処理装置群G3と第4の処理装置群G4の間には、第1の搬送装置A1が設けられており、第1の搬送装置A1の内部には、ウェハWを支持して搬送する第1の搬送アーム10が設けられている。第1の搬送アーム10は、第1の処理装置群G1、第3の処理装置群G3及び第4の処理装置群G4内の各処理装置に選択的にアクセスしてウェハWを搬送できる。第4の処理装置群G4と第5の処理装置群G5の間には、第2の搬送装置A2が設けられており、第2の搬送装置A2の内部には、ウェハWを支持して搬送する第2の搬送アーム11が設けられている。第2の搬送アーム11は、第2の処理装置群G2、第4の処理装置群G4及び第5の処理装置群G5内の各処理装置に選択的にアクセスしてウェハWを搬送できる。
図2に示すように第1の処理装置群G1には、ウェハWに所定の液体を供給して処理を行う液処理装置、例えばウェハWにレジスト液を塗布するレジスト塗布装置20、21、22、露光処理時の光の反射を防止する反射防止膜を形成するボトムコーティング装置23、24が下から順に5段に重ねられている。第2の処理装置群G2には、液処理装置、例えばウェハWに現像液を供給して現像処理する現像処理装置30〜34が下から順に5段に重ねられている。また、第1の処理装置群G1及び第2の処理装置群G2の最下段には、各処理装置群G1、G2内の液処理装置に各種処理液を供給するためのケミカル室40、41がそれぞれ設けられている。
図3に示すように第3の処理装置群G3には、温度調節装置60、トランジション装置61、精度の高い温度管理下でウェハWを温度調節する高精度温度調節装置62、63及びウェハWを高温で加熱処理する高温度熱処理装置64〜67が下から順に8段に重ねられている。
第4の処理装置群G4には、レジスト塗布処理後のウェハWを加熱処理するプリベーキング装置70〜73及び現像処理後のウェハWを加熱処理するポストベーキング装置74〜77が下から順に8段に重ねられている。
第5の処理装置群G5には、ウェハWを熱処理する複数の熱処理装置、例えば高精度温度調節装置80〜82、ポストエクスポージャーベーキング装置83〜87が下から順に8段に重ねられている。
図1に示すように第1の搬送装置A1のX方向正方向側には、複数の処理装置が配置されており、図3に示すようにウェハWを疎水化処理するための疎水化処理装置90、91、ウェハWを加熱する加熱装置92、93が下から順に4段に重ねられている。図1に示すように第2の搬送装置A2のX方向正方向側には、例えばウェハWのエッジ部のみを選択的に露光する周辺露光装置94が配置されている。
インターフェイスステーション5には、図1に示すようにX方向に向けて延伸する搬送路100上を移動するウェハ搬送体101と、バッファカセット102が設けられている。ウェハ搬送体101は、Z方向に移動可能でかつθ方向にも回転可能であり、インターフェイスステーション5に隣接した露光装置4と、バッファカセット102及び第5の処理装置群G5に対してアクセスしてウェハWを搬送できる。
次に、上述したレジスト塗布装置20、21、22の構成について説明する。レジスト塗布装置20は、図4に示すように側面にウェハWの搬入出口(図示せず)が形成された処理容器110を有している。
処理容器110内の中央部には、ウェハWを保持して回転させるスピンチャック120が設けられている。スピンチャック120は、水平な上面を有し、当該上面には、例えばウェハWを吸引する吸引口(図示せず)が設けられている。この吸引口からの吸引により、ウェハWをスピンチャック120上に吸着保持できる。
スピンチャック120は、例えばモータなどを備えたチャック駆動機構121を有し、そのチャック駆動機構121により所定の速度に回転できる。また、チャック駆動機構121には、シリンダなどの昇降駆動源が設けられており、スピンチャック120は上下動可能になっている。
スピンチャック120の周囲には、ウェハWから飛散又は落下する液体を受け止め、回収するカップ122が設けられている。カップ122の下面には、回収した液体を排出する排出管123と、カップ122内の雰囲気を排気する排気管124が接続されている。
図5に示すようにカップ122のX方向負方向(図5の下方向)側には、Y方向(図5の左右方向)に沿って延伸するレール130が形成されている。レール130は、例えばカップ122のY方向負方向(図5の左方向)側の外方からY方向正方向(図5の右方向)側の外方まで形成されている。レール130には、例えば二本のアーム131、132が取り付けられている。
第1のアーム131には、図4及び図5に示すようにウェハWにレジスト液を供給するレジスト液ノズル133が支持されている。第1のアーム131は、図5に示すノズル駆動部134により、レール130上を移動自在である。これにより、レジスト液ノズル133は、カップ122のY方向正方向側の外方に設置された待機部135からカップ122内のウェハWの中心部上方まで移動でき、さらに当該ウェハWの表面上をウェハWの径方向に移動できる。また、第1のアーム131は、ノズル駆動部134によって昇降自在であり、レジスト液ノズル133の高さを調整できる。
レジスト液ノズル133には、図4に示すように、レジスト液供給源136に連通する供給管137が接続されている。レジスト液供給源136内には、レジスト液が貯留されている。供給管137には、レジスト液の流れを制御するバルブや流量調節部等を含む供給機器群138が設けられている。
第2のアーム132には、エーテル類の表面改質剤を供給する表面改質剤ノズル140が支持されている。第2のアーム132は、図5に示すノズル駆動部141によってレール130上を移動自在であり、表面改質剤ノズル140を、カップ122のY方向負方向側の外方に設けられた待機部142からカップ122内のウェハWの中心部上方まで移動させることができる。また、ノズル駆動部141によって、第2のアーム132は昇降自在であり、表面改質剤ノズル140の高さを調節できる。なお、本実施の形態では、表面改質剤として例えばメチルイソブチルカルビノール(Methyl IsoButyl Carbinol;以下、「MIBC」という。)が用いられる。
表面改質剤ノズル140には、図4に示すように表面改質剤供給源143に連通する供給管144が接続されている。表面改質剤供給源143内には、上述したエーテル類の表面改質剤が貯留されている。供給管144には、表面改質剤の流れを制御するバルブや流量調節部等を含む供給機器群145が設けられている。なお、以上の構成では、レジスト液を供給するレジスト液ノズル133と溶剤を供給する表面改質剤ノズル140が別々のアームに支持されていたが、同じアームに支持され、そのアームの移動の制御により、レジスト液ノズル133と表面改質剤ノズル140の移動と供給タイミングを制御してもよい。
なお、レジスト塗布装置21、22の構成は、上述したレジスト塗布装置20の構成と同様であるので説明を省略する。
以上の塗布現像処理システム1には、図1に示すように制御部200が設けられている。制御部200は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、レジスト塗布装置20、21、22におけるウェハWのレジスト塗布処理を実行するプログラムが格納されている。またこれに加えて、プログラム格納部には、カセットステーション2、処理ステーション3、露光装置4、インターフェイスステーション5間のウェハWの搬送や、処理ステーション3における駆動系の動作などを制御して、塗布現像処理システム1におけるウェハ処理を実行するプログラムが格納されている。なお、このプログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、その記憶媒体Hから制御部200にインストールされたものであってもよい。
本実施の形態にかかる塗布現像処理システム1は以上のように構成されている。次に、その塗布現像処理システム1で行われるウェハ処理について説明する。図6は、このウェハ処理の主な処理工程を示したフローチャートである。図7は、このウェハ処理の各工程におけるウェハW上の膜の状態を示す説明図である。
なお、図7(a)に示すようにカセットC内のウェハWの表面には、予め被処理膜Fが形成されている。被処理膜Fは、後述するレジストパターンをマスクとしてエッチングされる被処理膜である。
塗布現像処理システム1では、先ず、ウェハW上に第1のレジストパターンを形成する、1回目のパターニング処理が開始される。先ず、カセット載置台6上のカセットC内のウェハWが、ウェハ搬送体8によって一枚ずつ取り出され、第3の処理装置群G3の温度調節装置60に搬送される。温度調節装置60に搬送されたウェハWは、所定温度に温度調節される。その後ウェハWは、第1の搬送装置A1によってボトムコーティング装置23に搬送され、ウェハWの被処理膜F上に反射防止膜(図示せず)が形成される。反射防止膜が形成されたウェハWは、第1の搬送装置A1によって加熱装置92、高精度温度調節装置62、疎水化処理装置90に順次搬送され、各装置で所定の処理が施される。その後ウェハWは、第1の搬送装置A1によってレジスト塗布装置20に搬送される。
レジスト塗布装置20に搬入されたウェハWは、先ず、スピンチャック120に吸着保持される。続いて第1のアーム131により待機部135のレジスト液ノズル133がウェハWの中心部上方まで移動する。その後、ウェハWを所定の回転数で回転させながら、レジスト液ノズル133から所定量のレジスト液が供給される。供給されたレジスト液は、ウェハWの回転によりウェハWの被処理膜F上を拡散する。こうして、いわゆるダイナミック塗布法によって、図7(b)に示すようにウェハW上に第1のレジスト膜R1が形成される。
第1のレジスト膜R1が形成されたウェハWは、第1の搬送装置A1によってプリベーキング装置70に搬送され、プリベーク処理が施される。続いて第2の搬送装置A2によって周辺露光装置94、高精度温度調節装置82に順次搬送されて、各装置において所定の処理が施される。その後ウェハWは、インターフェイスステーション5のウェハ搬送体101によって露光装置4に搬送され、ウェハW上の第1のレジスト膜R1に所定のパターンが選択的に露光される。
露光処理の終了したウェハWは、ウェハ搬送体101によってポストエクスポージャーベーキング装置83に搬送され、露光後ベーク処理が施される。その後ウェハWは、第2の搬送装置A2によって高精度温度調節装置81に搬送されて温度調節される。
その後ウェハWは、第2の搬送装置A2によって現像処理装置30に搬送される。現像処理装置30では、ウェハW上の第1のレジスト膜R1が現像され、第1のレジスト膜R1の露光部分が溶解して、図7(c)に示すようにウェハW上に第1のレジストパターンP1が形成される。その後ウェハWは、第2の搬送装置A2によってポストベーキング装置74に搬送され、ポストベーク処理が施された後、第1の搬送装置A1によって高精度温度調節装置63に搬送され温度調節される。こうして、1回目のパターニング処理(第1のパターニング工程)が終了する(図6の工程S1)。
次にウェハWは、第1の搬送装置A1によってレジスト塗布装置21に搬送される。なお、ウェハWは、1回目のパターニング処理の終了後、ウェハ搬送体8によって一旦カセットCに戻された後、所定のタイミングでレジスト塗布装置21に搬送されてもよい。
レジスト塗布装置21に搬入されたウェハWは、先ず、スピンチャック120に吸着保持される。続いて第2のアーム132により待機部142の表面改質剤ノズル140がウェハWの中心部の上方まで移動する。次に、ウェハWが停止している状態で、表面改質剤ノズル140からウェハWの中心部に所定量の表面改質剤が供給される。その後、チャック駆動機構121を制御してスピンチャック120によりウェハWを回転させ、その回転数を例えば3000rpmまで上昇させる。この3000rpmの回転数でウェハWを例えば2秒間回転させることにより、ウェハWの中心部に供給された表面改質剤はウェハW全面に拡散する。このとき、図7(d)に示すように第1のレジストパターンP1の表面P1aは、表面改質剤によって改質される(図6の工程S2)。そして、発明者らが調べたところ、このように第1のレジストパターンP1の表面P1aが改質されることによって、当該表面P1aに対するレジスト液の接触角が小さくなることが分かった。例えば第1のレジストパターンの表面を改質しない場合、レジスト液の接触角は29.6度であったが、本実施の形態のMIBCを用いて第1のレジストパターンP1の表面P1aを改質すると、レジスト液の接触角は15.9度まで小さくできることが分かった。
その後さらにウェハWを例えば15秒間回転させることにより、第1のレジストパターンP1上の表面改質剤が乾燥する。このようにウェハW上の表面改質剤を乾燥させている間に、表面改質剤ノズル140がウェハWの中心部上方から移動すると共に、第1のアーム131により待機部135のレジスト液ノズル133がウェハWの中心部上方まで移動する。
その後ウェハWの回転を停止させ、レジスト液ノズル133からウェハWの中心部に所定量のレジスト液が供給される。続いてウェハWを所定の回転数で回転させ、ウェハW上のレジスト液を拡散させる。このとき、第1のレジストパターンP1の表面P1aは表面改質剤によって改質され、表面P1aに対するレジスト液の接触角が小さくなっているため、ウェハW上に供給されたレジスト液は表面P1a上を円滑に拡散する。こうして、いわゆるスタティック塗布法によって、図7(e)に示すようにウェハW上に第2のレジスト膜R2が形成される。なお、第2のレジスト膜R2は、例えば第1のレジストパターンP1を覆うように形成される。
第2のレジスト膜R2が形成されたウェハWは、第1の搬送装置A1によってプリベーキング装置71に搬送され、プリベーク処理が施される。続いて第2の搬送装置A2によって周辺露光装置94、高精度温度調節装置80に順次搬送されて、各装置において所定の処理が施される。その後ウェハWは、インターフェイスステーション5のウェハ搬送体101によって露光装置4に搬送され、ウェハW上の第2のレジスト膜R2に所定のパターンが選択的に露光される。この2回目の露光は、1回目の露光と未露光部分がずらされて行われる。
露光処理の終了したウェハWは、ウェハ搬送体101によってポストエクスポージャーベーキング装置84に搬送され、露光後ベーク処理が施される。その後ウェハWは、第2の搬送装置A2によって高精度温度調節装置82に搬送されて温度調節される。
その後ウェハWは、第2の搬送装置A2によって現像処理装置31に搬送される。現像処理装置31では、ウェハW上の第2のレジスト膜R2が現像され、第2のレジスト膜R2の露光部分が溶解して、図7(f)に示すように第1のレジストパターンP1と同じ層に第2のレジストパターンP2が形成される。すなわち、第1のレジストパターンP1と第2のレジストパターンP2が、被処理膜F上で位置をずらして形成され、所望のレジストパターンPが形成される。その後ウェハWは、第2の搬送装置A2によってポストベーキング装置75に搬送され、ポストベーク処理が施された後、第1の搬送装置A1によって高精度温度調節装置62に搬送され温度調節される。こうして、2回目のパターニング処理(第2のパターニング工程)が終了する(図6の工程S3)。
その後ウェハWは、第1の搬送装置A1によってトランジション装置61に搬送され、ウェハ搬送体8によってカセットCに戻されて一連のフォトリソグラフィー工程が終了する。なお、一連のフォトリソグラフィー工程の終了後、ウェハWは、例えば塗布現像処理システム1からエッチング装置(図示せず)に搬送され、レジストパターンPをマスクとして被処理膜Fがエッチングされる。
以上の実施の形態によれば、工程S1においてウェハW上に第1のレジストパターンP1を形成した後、工程S2において第1のレジストパターンP1上にエーテル類の表面改質剤を塗布しているので、第1のレジストパターンP1の表面P1aが改質され、当該表面P1aに対するレジスト液の接触角を小さくすることができる。このため、後続の工程S3において第2のレジスト膜R2を形成する際に、第1のレジストパターンP1上のレジスト液の流動性が向上する。すなわち、本実施の形態によればレジスト液の供給量が少量であっても、当該レジスト液はウェハW上を円滑に拡散し、第2のレジスト膜R2を所定の膜厚で適切に形成することができる。そして、さらにその後、第1のレジストパターンP1と同じ層に第2のレジストパターンP2を形成しているので、これら第1のレジストパターンP1と第2のレジストパターンP2を合成することで、ウェハWの被処理膜F上に微細なレジストパターンPを所定の寸法で形成することができる。
なお、発明者らが調べたところ、例えば本実施の形態のMIBCを用いて第1のレジストパターンP1の表面P1aを改質した場合には、第1のレジストパターンの表面を改質しない場合に比べて、第2のレジスト膜R2を適切に形成するために必要なレジスト液の供給量を約20%削減できることが分かった。
以上の実施の形態では、工程S3において、ウェハWを停止させた状態でウェハWの中心部にレジスト液を供給し、その後ウェハWを回転させてレジスト液をウェハW全面に拡散させるスタテッィク塗布法によって第2のレジスト膜R2を形成したが、ダイナミック塗布法によって形成してもよい。すなわち、ウェハWを回転させながらレジスト液を供給して、当該レジスト液をウェハW上に拡散させて第2のレジスト膜R2を形成してもよい。いずれの場合でも、工程S2において第1のレジストパターンP1の表面P1aが改質されるので、第1のレジストパターンの表面を改質しない場合に比べて、第2のレジスト膜R2を形成するためのレジスト液をウェハW上に円滑に拡散させることができる。したがって、レジスト液の供給量を削減することができる。なお、スタティック塗布法とダイナミック塗布法を比較した場合には、スタテッィク塗布法の方がさらにレジスト液の供給量を削減することができる。
また、工程S1では、ウェハWを回転させながらレジスト液を供給して、当該レジスト液をウェハW上に拡散させるダイナミック塗布法によって第1のレジスト膜R1を形成したが、スタテッィク塗布法によって第1のレジスト膜R1を形成してもよい。すなわち、ウェハWを回転させる前にレジスト液を塗布し、その後ウェハWを回転させてレジスト液をウェハW上に拡散させ、第1のレジスト膜R1を形成してもよい。
以上の実施の形態では、表面改質剤としてMIBCを用いていたが、エーテル類の表面改質剤であればこれに限定されない。例えば表面改質剤として、プロピレングリコールブチルエーテル(Propylene Glycol Butyl ether;以下、「PGB」という。)を用いてもよい。
表面改質剤にPGBを用いた場合、工程S2において第1のレジストパターンP1の表面P1aを改質する際には、先ず、ウェハWが停止している状態で、表面改質剤ノズル140からウェハWの中心部に所定量の表面改質剤が供給される。その後、ウェハWを例えば3000rpmの回転数で2秒間回転させることにより、ウェハWの中心部に供給された表面改質剤はウェハW全面に拡散する。そうすると、図8(a)に示すように表面改質剤によって第1のレジストパターンP1の表層P1bが薄く除去される。このとき除去される表層P1bの厚みは、極めて微小、例えば4.4nmであって、第1のレジストパターンP1の寸法に影響はない。すなわち、表面改質剤によって表層P1bが除去されても、第1のレジストパターンP1は、所定の線幅、所定の高さに形成される。そして、図8(b)に示すように新たに露出した第1のレジストパターンP1の表面P1aが、表面改質剤によって改質される。その後、さらにウェハWを例えば40秒間回転させることにより、第1のレジストパターンP1上の表面改質剤が乾燥する。なお、その他の工程S1と工程S3は、前記実施の形態と同様であるので説明を省略する。
発明者らが調べたところ、本実施の形態のように表面改質剤にPGBを用いた場合のレジスト液の接触角は、例えば第1のレジストパターンの表面を改質しない場合のレジスト液の接触角よりも小さくでき、さらに前記実施の形態のMIBCを用いた場合のレジスト液の接触角よりも小さくできることが分かった。具体的には、前記実施の形態で述べたように例えば第1のレジストパターンの表面を改質しない場合のレジスト液の接触角は29.6度であり、表面改質剤としてMIBCを用いた場合のレジスト液の接触角は15.9度であった。これに対して、本実施の形態のPGBを用いて第1のレジストパターンP1の表面P1aを改質すると、レジスト液の接触角は3.0度まで小さくなった。
なお、このように表面改質剤にMIBCを用いた場合に比べてPGBを用いた場合の方がレジスト液の接触角を小さくできるのは、工程S2において表面改質剤が第1のレジストパターンP1の表層P1bを除去するためであると考えられる。すなわち、工程S1では、第1のレジスト膜R1を形成後、露光処理、現像処理を行って第1のレジストパターンP1を形成するが、この現像処理の際に第1のレジストパターンP1の表層P1bが変質し、第1のレジストパターンP1は表面改質剤によって改質され難くなると考えられる。この点、MIBCは表層P1bをほとんど除去しないが、本実施の形態のPGBはこの表層P1bを除去するため、新たに露出した表面P1aを改質し易く、レジスト液の接触角が小さくなる。
以上のように、本実施の形態によれば、工程S2において第1のレジストパターンP1の表面P1aが改質され、当該表面P1aに対するレジスト液の接触角をさらに小さくすることができる。このため、後続の工程S3においてレジスト液の供給量が少量であっても、当該レジスト液はウェハW上を円滑に拡散し、第2のレジスト膜R2を適切に形成することができる。発明者らが調べたところ、例えば本実施の形態のPGBを用いて第1のレジストパターンP1の表面P1aを改質した場合には、第1のレジストパターンの表面を改質しない場合に比べて、第2のレジスト膜R2を適切に形成するために必要なレジスト液の供給量を約60%削減できることが分かった。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。本発明はこの例に限らず種々の態様を採りうるものである。例えば前記実施の形態において、レジストパターンを形成するパターニングの回数は2回であったが、3回以上の場合にも本発明を適用できる。また本発明は、基板がウェハ以外のFPD(フラットパネルディスプレイ)、フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板である場合にも適用できる。
本発明は、例えば半導体ウェハ等の基板にレジストパターンを形成する際に有用である。
1 塗布現像処理システム
20、21、22 レジスト塗布装置
120 スピンチャック
133 レジスト液ノズル
140 表面改質剤ノズル
200 制御部
F 被処理膜
R1 第1のレジスト膜
R2 第2のレジスト膜
P レジストパターン
P1 第1のレジストパターン
P1a 表面
P1b 表層
P2 第2のレジストパターン
W ウェハ

Claims (5)

  1. 基板上にレジストパターンを形成する基板の処理方法であって、
    基板上にレジスト液を塗布して第1のレジスト膜を形成した後、当該第1のレジスト膜を選択的に露光し、現像して第1のレジストパターンを形成する第1のパターニング工程と、
    その後、前記第1のレジストパターンの表面にエーテル化合物又はメチルイソブチルカルビノールである表面改質剤を塗布し、前記表面改質剤によって、前記第1のレジストパターンの表層を除去し、かつ新たに露出した前記第1のレジストパターンの表面を改質する表面改質工程と、
    その後、前記第1のレジストパターンが形成された基板上にレジスト液を塗布して第2のレジスト膜を形成した後、当該第2のレジスト膜を選択的に露光し、現像して、前記第1のレジストパターンと同じ層に第2のレジストパターンを形成する第2のパターニング工程と、を有することを特徴とする、基板の処理方法。
  2. 前記第2のパターニング工程において、前記第2のレジスト膜は、基板を静止させた状態で当該基板の中心部にレジスト液を供給した後、基板を回転させて前記レジスト液を基板全面に拡散させて形成されることを特徴とする、請求項1に記載の基板の処理方法。
  3. 前記表面改質剤は、プロピレングリコールブチルエーテルであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の基板の処理方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の基板の処理方法を基板処理装置によって実行させるために、当該基板処理装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラム。
  5. 請求項4に記載のプログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体。
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