JP5058204B2 - 光スポット位置制御装置、光スポット位置制御方法 - Google Patents
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また再生時には、ホログラム記録媒体に対して参照光を照射する。このように参照光が照射されることで、上記のようにしてホログラム記録媒体に形成された干渉縞に応じた回折光が得られる。すなわち、これによって記録データに応じた再生光(再生信号光)が得られる。このようにして得られた再生光を例えばCCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどのイメージセンサによって検出することで、記録データを再生するようにされる。
この図22においては、反射膜を有する反射型のホログラム記録媒体100の構造例を示している。
図示されるように、ホログラム記録媒体100には、上述した信号光と参照光との干渉縞によるホログラムの記録が行われる記録層(106)と、基板110上の凹凸断面構造により位置制御のためのアドレス情報等の記録が行われた位置制御情報記録層とがそれぞれ別々に形成されたものとなっている。
記録層106の下層に形成される反射膜107は、再生時においてホログラムの再生のためのレーザ光(上述した参照光)が照射され、上記記録層106に記録されたホログラムに応じた再生像が得られた際に、これを反射光として装置側に戻すために設けられる。
また、上記基板110には、スパイラル状又は同心円状に、上記記録層106におけるホログラムの記録/再生位置を案内するためのトラックが形成されている。例えばトラックは、ピット列によるアドレス情報等の情報記録が行われることにより形成される。
基板110の上層に形成された反射膜109は、上記ピット列に応じた反射光を得るために設けられる。なお、中間層108は、例えばレジンなどの接着材料である。
ここで仮に、1つの光のみを用いてこれをホログラムの記録再生と位置制御とに兼用しようとすると、再生時において、ホログラムの再生像に対して基板110(反射膜109)上の凹凸断面形状に応じた成分がノイズとして重畳してしまい、それによって再生性能を悪化させてしまう虞がある。このために、ホログラム記録再生システムにおける位置制御には、ホログラムの記録再生光と共に、上記位置制御情報記録層からの反射光を得るための位置制御光を別途に照射するようにされている。
例えばホログラムの記録再生光としては波長λ=405nm程度の青紫色レーザ光が、また位置制御光としては例えば波長λ=650nm程度の赤色レーザ光が用いられる。
一方で、上記反射膜107としては、記録層106に記録されたホログラムに応じた再生像が反射光として装置側に戻されるべく、ホログラムの記録再生光は反射する必要がある。
このようにホログラムの記録再生光と位置制御光とを同一光軸上に合成してホログラム記録媒体100に照射するようにした上で、位置制御光の反射光に基づく位置制御を行うことにより、ホログラムの記録再生位置を、ホログラム記録媒体100に形成されたトラック(ピット列)に沿った位置に制御するようにされている。
本発明の課題は、上記により説明したホログラム記録再生システムのように、第1の光による情報の記録再生が行われる情報記録層と、該情報記録層における情報記録再生位置を案内するためのトラックが形成された記録媒体について、上記位置制御情報記録層に上記第1の光とは異なる第2の光を照射して記録再生位置の制御を行う場合において、上記位置制御情報記録層に形成されたトラックのピッチとは異なる任意のスパイラルピッチで上記情報記録層における記録再生を可能とすることである。
つまり、第1の光源と第2の光源とを備える。
また、上記第2の光源から出射された光をメインビーム光、第1サブビーム光、第2サブビーム光の3ビームに分割するビーム分割部を備える。
また、半径方向において同一幅によるグルーブとランドとが交互に形成されるようにして上記グルーブがスパイラル状又は同心円状に形成されたディスク状記録媒体に対して、上記第1の光源から出射された第1の光と、上記ビーム分割部により生成された3つのビーム光とを共通の対物レンズを介して照射する光学系であって、上記3つのビーム光の上記ディスク状記録媒体上でのそれぞれの照射スポットの上記半径方向における間隔が、上記グルーブの形成に伴い上記ディスク状記録媒体に形成されるトラックのピッチの1/3となるようにして上記3つのビーム光を照射する光学系を備える。
また、上記対物レンズを介して照射される光の光軸と上記ディスク状記録媒体との上記半径方向における相対的な位置関係を変化させて、上記対物レンズを介して照射される光についてのトラッキング制御を行うように構成されたトラッキング制御機構を備える。
また、上記対物レンズを介して照射され上記ディスク状記録媒体を介した上記メインビーム光、上記第1サブビーム光、上記第2サブビーム光をそれぞれ個別に受光する受光部を備える。
また、上記受光部により得られるそれぞれの受光信号に基づき、上記ディスク状記録媒体に形成された上記トラックに対する上記メインビーム光、第1サブビーム光、第2サブビーム光のスポット位置の上記半径方向における位置誤差をそれぞれ表す誤差信号を生成する誤差信号生成部を備える。
また、上記誤差信号生成部により生成された上記誤差信号のうちから1の誤差信号を選択する誤差信号選択部を備える。
また、上記誤差信号選択部により選択された上記誤差信号に基づき、上記対物レンズを介して照射される光についてのトラッキングサーボが行われるように上記トラッキング制御機構を制御するサーボ制御部を備える。
また、所定のタイミングごとに、上記誤差信号選択部が選択する誤差信号が予め定められた順序で切り換えられるように指示を行う切り換え指示部を備える。
また、上記誤差信号の切り換え周期に応じた波形周期を有する鋸歯状波を生成する鋸歯状波生成部を備える。
さらに、上記鋸歯状波生成部により生成される上記鋸歯状波に従って、トラッキングサーボループに対してオフセットを与えるオフセット付与部を備えるようにした。
しかしながら、このように単にオフセットを与える手法はいわゆるオープンループ制御であり、精度に欠くものとなってしまう。
そこで本発明では、
1)半径方向において同一幅によるグルーブとランドとが交互に形成されたディスク状記録媒体を用いる
2)3分割した第2の光の各照射スポットの半径方向における間隔が、上記ディスク状記録媒体のトラックピッチの1/3となるようにする
3)3分割した第2の光の各ビームをそれぞれ個別に受光して、各ビームのスポット位置のトラックに対する上記半径方向における位置誤差をそれぞれ表す誤差信号を生成すると共に、それらの反転信号を生成して計6つの誤差信号を生成する
4)生成した上記誤差信号のうちから1の誤差信号を選択し、該選択した誤差信号に基づいてトラッキングサーボをかける
ものとしている。
ここで、上記1)2)の条件が満たされることにより、或るトレース位置を対象としてトラッキングサーボをかけているときに、同時に他のトレース位置についてのトラッキング誤差信号を得ることができるようになる。そして上記3)による誤差信号の生成が行われることで、上記ランド又はグルーブの形成ピッチとなるトラックピッチを6等分するそれぞれの位置についてのトラッキング誤差信号を得ることができる。このとき、上記のように他のトレース位置についてのトラッキング誤差信号を同時に得ることができるということは、トラッキングサーボに用いるトラッキング誤差信号の切り換えによってトレース位置の切り換えを行うことができるということを意味する。従って上記本発明によれば、トレース位置の選択は、トラッキングサーボを継続しながらいわばクローズドループ制御で行うことができる。
そして、本発明では、スパイラル状の変位を実現するための連続的なスポット移動を可能とするために、所定のタイミングごとにトラッキングサーボに用いるトラッキング誤差信号を順次切り換えつつ(つまりサーボ対象とする位置を順次切り換えつつ)、これと並行して、上記トラッキング誤差信号(サーボ対象位置)の切り換え周期に応じた周期を有するように生成した鋸歯状波に基づいてトラッキングサーボループに対するオフセットの付与を行うものとしている。
つまりこれにより、上記オフセットの付与により外周側に連続的に移動するスポットは、同時にトラッキングサーボにより記録媒体(トラック)に対する相対的な位置関係が制御された状態にあるようにでき、結果、任意のスパイラルピッチを、クローズドループ制御により実現することができる。
この結果、オープンループ制御とする場合と比較してより高精度な位置制御とすることができ、結果、任意のスパイラルピッチをより高精度に実現することができる。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
〜第1の実施の形態〜
<1.記録媒体の構成>
[1-1.断面構造]
[1-2.位置制御情報記録層の構造]
[1-3.アドレス情報のフォーマット]
<2.記録再生装置の構成>
[2-1.ホログラムの記録再生系及び位置制御のための光学系]
[2-2.任意スパイラルピッチの実現手法]
[2-3.スポット位置制御のための構成]
<3.第1の実施の形態のまとめ>
〜第2の実施の形態〜
<4.第2の実施の形態の手法>
<5.第2の実施の形態の構成>
〜変形例〜
<1.記録媒体の構成>
[1-1.断面構造]
図1は、本発明で用いるディスク状記録媒体の一実施形態としてのホログラム記録媒体HMの断面構造を示している。
先ず、本実施の形態のホログラム記録媒体HMは、反射型の記録媒体とされ、図示されるように反射膜L3と反射膜L5とを有している。また、このホログラム記録媒体HMには、ホログラムの記録/再生が行われる記録層L2と、図中の基板L6上の凹凸断面構造により位置制御のためのアドレス情報等の記録が行われた位置制御情報記録層とがそれぞれ別々に形成されている。
また、本実施の形態のホログラム記録媒体HMは、ディスク状の記録媒体とされる。
上記カバー層L1は、例えばプラスチック基板やガラス板などで構成され、記録層L2の保護のために設けられている。
また、反射膜L3は、再生時において上記青紫色レーザ光による参照光が照射され上記記録層L2に記録された干渉縞(データ)に応じた再生光が得られた際に、これを反射光として記録再生装置側に戻すために設けられる。
基板L6には、スパイラル状又は同心円状に、上記記録層L2におけるホログラムの記録/再生位置を案内するためのピット列が形成されている。この場合、上記ピット列は、後述するようにしてピットの形成有無のパターンによってアドレス情報等の情報記録が行われることにより形成される。
一方で、反射膜L3としては、記録層L2に記録されたホログラムに応じた再生光が反射光として記録再生装置側に戻されるべく、青紫色レーザ光を反射する必要がある。
これらの点から、上記反射膜L3としては、ホログラムの記録/再生のための青紫色レーザ光は透過し、位置制御用の赤色レーザ光は透過するという、波長選択性を有する反射膜を用いるようにされている。すなわち、上記青紫色レーザ光としての特定の波長帯による光は反射し、それ以外の波長帯の光は透過するという波長選択性を有するものである。
このような波長選択性を有する反射膜L3とされることで、赤色レーザ光が適正に反射膜L5に到達して位置制御のための反射光が記録再生装置側にて適正に検出されると共に、記録層L2に記録されたホログラムの再生光が記録再生装置にて適正に検出されるように図られている。
図2は、ホログラム記録媒体HMにおける位置制御情報記録層(基板L6上の凹凸が反射膜L5に反映されて形成される)の表面を一部拡大して示した図(平面図)である。
この図2において、紙面の横方向はホログラム記録媒体HMの半径方向であり、後述するグルーブGの形成に伴って形成されることになる、スポット位置をガイドするためのトラックの配列方向となる。
また、上記半径方向と直交する方向(紙面の縦方向)は、上記トラックの形成方向(トラック形成方向:周回方向)を表す。上述した位置制御のための赤色レーザ光のスポットは、ホログラム記録媒体HMの回転駆動に伴い、当該トラック形成方向に平行な方向に移動する。
ここで、ランドLの形成ピッチは、上記グルーブGの形成ピッチ=2nと等しくなる。このことからも理解されるように、この場合においてトラックの形成ピッチ(トラックピッチ)は2nとなる。
ここで、位置制御情報記録層に対する再生波長(この場合は上述した赤色レーザ光の波長となる)をλとすると、本実施の形態においては、図のようにグルーブGの深さはλ/8、ピットの深さはλ/4に設定するものとしている。
後述するように、本実施の形態では、トラッキング誤差信号としてPush Pull信号を生成するが、当該Push Pull信号は、その信号振幅に関して、深さλ/8の設定が最も有利となり、また深さλ/4の設定が最も不利となる。
後述もするが、このようなグルーブGとピットの深さの設定により、安定したトラッキングサーボを実現できる。
続いて、図4により、位置制御情報記録層に記録するアドレス情報のフォーマットの一例について説明する。
図4において、図4(a)は、ランドLに対するピットの形成手法について説明するための図である。
先ず前提として、本実施の形態では、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などのように、ピット/スペースの長さにより情報を記録するという手法は採らずに、予め定められたピットの形成可能位置におけるピットの形成有無のパターンによって情報記録を行うものとしている。
具体的に、先ず本実施の形態では、ピットがトラッキング誤差信号に与える影響を最小限に抑えるため、ピットの長さを最短長に設定するものとしている。本例の場合、位置制御情報記録層に対する記録再生条件はDVDの場合と同様(波長λ=650nm程度、開口数NA=0.60程度)としているので、最短ピット長は3Tとしている。
そして、本実施の形態では、このような最短ピット長を1つの単位区間長として、複数の単位区間ごとに1つのピット形成可能位置を設定するものとしている。具体的にこの場合は、6つの単位区間ごと(つまり5つの単位区間おき)にピット形成可能位置を設定するものとしている。
図4(a)では、「*」マークがピット形成可能位置としての上記単位区間を表しており、「*」マークの間の各「0」がピット形成可能位置ではない上記単位区間を表している。
具体的に本例では、図4(b)に示されるように、チャネルビット4つ分でデータビットの「0」「1」を表現するものとし、例えば4チャネルビットのパターン「1011」がデータビット「0」、4チャネルビットのパターン「1101」がデータビット「1」を表すものとしている。
例えばシンクパターンについては、図示するように12チャネルビットで表現するものとし、前半の8ビットを上記データビットの定義に当てはまらないチャネルビットパターン「11111111」とし、その後の4チャネルビットのパターンでシンクの別(種類)を表すものとしている。具体的に、上記8ビットに続く4チャネルビットのパターンが「1011」であればSync1、「0111」であればSync2としている。
ここでアドレス情報としては、少なくとも半径位置の情報、及び角度位置の情報を記録する。
[2-1.ホログラムの記録再生系及び位置制御のための光学系]
図5は、上記により説明した実施の形態としてのホログラム記録媒体HMに対応してホログラムの記録再生を行う記録再生装置の内部構成として、主にホログラムの記録再生系、及び位置制御のための光学系の構成のみを抽出して示した図である。
このように保持されるホログラム記録媒体HMに対して、図中の第1レーザ2を光源とするレーザ光が照射されることによってホログラムページの記録/再生が行われることになる。
なお、IS機能部4については後述する。
この図6に示されるように、SLM8においては、その中心部に円形による信号光エリアA2が形成され、その外周部分には輪状のギャップエリアA3を介して、同じく輪状による参照光エリアA1が設定される。上記信号光エリアA2は信号光の生成領域として設定されたエリアである。同様に上記参照光エリアA1は、参照光の生成領域として設定されたエリアである。
なお、上記ギャップエリアA3は、参照光エリアA1と信号光エリアA2を介した光が互いに干渉してノイズとなってしまうことを防止するための、緩衝領域として設定されるものである。
上記変調制御部27は、記録時には、SLM8における信号光エリアA2内の画素パターン(例えば各画素ごとのON/OFFパターン)が、入力される記録データに応じたパターンとなるようにして画素ごとの駆動信号値を設定する。また、これと共に、参照光エリアA1内の画素パターンは予め定められた所定のパターンとなるようにし、さらにギャップエリアA3を含むそれ以外のエリアは全てOFFとするような画素ごとの駆動信号値を設定する。そして、このようにして設定した値による駆動信号DSを、SLM8に供給する。これにより、記録時においてSLM8からは、記録データに応じた光強度パターンを有する信号光と、所定の光強度パターンを有する参照光とが生成される。
また再生時には、参照光エリアA1内の画素パターンのみが予め定められた所定のパターンとなるようにし、それ以外のエリアは全てOFFとするような駆動信号値を設定してSLM8の各画素を駆動することで、SLM8から参照光のみが出力されるようにする。
従って上記リレーレンズ系を介した記録再生用レーザ光は、当該ダイクロイックミラー12を透過する。
トラッキングアクチュエータ16A、フォーカスアクチュエータ16Bに対しては、後述するサーボ回路38(図14を参照)からのトラッキングドライブ信号TD、フォーカスドライブ信号FDがそれぞれ供給される。これにより、対物レンズ15を介してホログラム記録媒体HMに照射される光とホログラム記録媒体HMとのトラッキング方向における相対位置関係の制御、及び対物レンズ15を介してホログラム記録媒体HMに照射される光のフォーカシング制御が行われ、フォーカス・トラッキングの各サーボ動作やトラックジャンプなどの動作が実現されるようになっている。
なお、図示の都合により省略したが、実際には、上記対物レンズ15を含む図中の光学ピックアップOPとホログラム記録媒体HMとのトラッキング方向における位置関係を変化させるためのスライド機構も設けられるものとなる。
この戻り光は、対物レンズ15を介して平行光となるようにされた後、1/4波長板14→ミラー13を経てさらにダイクロイックミラー12→リレーレンズ11→リレーレンズ10を介した後、偏光ビームスプリッタ9に入射する。
偏光ビームスプリッタ9で反射された上記戻り光は、図示するようにしてリレーレンズ17→リレーレンズ18によるリレーレンズ系を介してイメージセンサ19に入射する。
なお、イメージセンサ19にて得られた上記読出信号(画像信号)は、読出信号D-imgとする。
なお、このような「0」「1」による記録データを再生するにあたっては、イメージセンサ19による読出信号D-imgについて、SLM8のデータピクセル単位で「0」「1」のデータ識別を行うための信号処理が行われる。このようにイメージセンサ19の出力から「0」「1」の記録データを再生するための再生信号処理の手法としては各種が存在し、ここで特に限定されるべきものではない。
本実施の形態の場合のようにホログラム記録媒体HMを回転駆動してホログラムの記録/再生を行うとした場合には、記録再生用レーザ光が記録媒体上の同じ位置に対して所定時間照射され続けるようにするために、記録再生用レーザ光を一定間隔ごとにスキャンするといったことが行われる。すなわち、このようなレーザ光のスキャンを行うことで、例えば記録時には干渉縞の形成がより確実に行われるように図ることができ、また再生時には検出光量を増大してより確実な読み出しが行われるように図ることができる。このようにして、所定時間だけ記録再生用レーザ光が記録媒体上の同じ位置に対して照射されるようにして上記のような一定間隔ごとのスキャンを行う機能は、IS(イメージスタビライズ)機能と呼ばれる。
AOM4Aは、例えば百数十MHz程度の高周波信号により駆動され、当該高周波信号の振幅の変化に応じ透過率が変化する素子(音響光学媒体)を備えて構成される。すなわち、このような透過率の変化により、シャッタとしての機能を実現する。
このためにIS機能の実現にあたっては、レーザ光を走査させるための手段(AOD4B)と共に、上記ブランキング期間においてレーザ光の透過率を著しく低下させて記録材料の反応を防止するためのシャッタ(AOM4A)とが必要となるものである。
なお図示もしているように、上記AOM4Aに代えてメカシャッタを用いることもできる。
図5において、このような位置制御のための光学系は、第2レーザ20、グレーティング21、コリメーションレンズ22,偏光ビームスプリッタ23、集光レンズ24、レンズ25、及び受光部26で構成される。
上記グレーティング21は、上記第2レーザ20からの出射光をメインビーム光、第1サブビーム光、第2サブビーム光の3ビームに分割する。上記コリメーションレンズ22に対してはこれら3つのビームが入射することになる。
なお、図5では図示の都合上、これら3ビームによる位置制御用レーザ光を1つの光束にまとめて示している。
先にも述べたように、ダイクロイックミラー12は、第2レーザ20からの位置制御用レーザ光は反射するように構成されている。ダイクロイックミラー12で反射された位置制御用レーザ光は、先に説明した記録再生用レーザ光の場合と同様に、ミラー13→1/4波長板14→対物レンズ15を介してホログラム記録媒体HMに照射される。
なおこの説明からも理解されるように、上記ダイクロイックミラー12は、記録再生用レーザ光と上記メインビーム光とが同一光軸上に合成されてホログラム記録媒体HMに対して照射させるために設けられた素子となる。
ここで、本実施の形態では、上記のように位置制御用レーザ光は3ビームに分割されており、これに対応して上記受光部26は、後述もするようにこれら3ビームのそれぞれの反射光を個別に受光するための3つのディテクタ(フォトディテクタ26M,26S1,26S2)を備えている。このことに応じ、受光部26による上記受光信号D-pdとしては、これらそれぞれのディテクタからの個別の受光信号D-pdM,D-pdS1、D-pdS2が得られる。
なお、実施の形態としてのスポット位置制御及びアドレス情報の検出等を行うための具体的な構成については後に改めて説明する。
上記による記録再生装置の構成の説明を踏まえた上で、以下、本実施の形態としての任意スパイラルピッチの実現手法について説明する。
先ずは図7〜図10を参照して、実施の形態としての任意スパイラルピッチの実現手法に必要な前提事項について説明しておく。
先ず図7は、図5にて説明した3つのビーム光(メインビーム光,第1サブビーム光、第2サブビーム光)の各照射スポット位置とホログラム記録媒体HMに形成されるランドL・グルーブGとの関係を示している。
ここで、以下の説明において、上記メインビーム光の位置制御情報記録層に対する照射スポットについてはメインビームスポットMと表記する。また、上記第1サブビーム光の位置制御情報記録層に対する照射スポットは第1サブビームスポットS1、上記第2サブビーム光の位置制御情報記録層に対する照射スポットは第2サブビームスポットS2と表記する。
この場合、トラックピッチは2nであるので、図のようにメインビームスポットMに対する第1サブビームスポットS1、第2サブビームスポットS2のそれぞれの半径方向配置間隔は「2n/3」となる。
具体的には、上記メインビームスポットMでの反射光に基づくトラッキング誤差信号TE−m、上記第1サブビームスポットS1での反射光に基づくトラッキング誤差信号TE−s1、第2サブビームスポットS2での反射光に基づくトラッキング誤差信号TE−s2をそれぞれ生成するものである。
なお図8(a)では、半径方向に移動するスポットM,S1,S2の組が各移動位置にある状態を一紙面上に同時に示している。
またこの図8以降において、スポットM,S1,S2の形状は、図示の都合上楕円形状により示している。
つまりこの場合のトラッキング誤差信号TEは、ランドL間の1回の横断(1トラックの横断)で1つの波形周期が得られるものとなる。
このようにして、ランドLの間の各位置は、位相0°〜360°の何れかの位置として定義できる。このようにトラッキング誤差信号TEの位相に基づき定義できるランドL(トラック)の間の各位置の位相0°〜360°を、以下、「トラック位相」と称する。例えばトラック位相0°(=360°)はランドLの中心、トラック位相180°はグルーブGの中心を表すことになる。
このことに伴い、図8(a)のようにビームスポットM,S1,S2の組が半径方向に移動したときのトラッキング誤差信号TE−m,TE−s1,TE−s2としては、図8(b)に示されるように、それぞれの位相が120°ずつずれたものとなる。
具体的に、図8(a)ではビームスポットM,S1,S2の組が紙面の右方向に移動しているので、メインビームスポットMの左側に配置される第1サブビームスポットS1のトラッキング誤差信号TE−s1は、トラッキング誤差信号TE−mに対して位相が120°遅れており、またメインビームスポットMの右側に配置される第2サブビームスポットS2のトラッキング誤差信号TE−s2はトラッキング誤差信号TE−mに対して位相が120°進むものとなる。
ここで、図8(a)では、半径方向の移動に伴い、メインビームスポットMの中心がトラック位相0°の位置、120°の位置、240°の位置、360°の位置にある状態をそれぞれ示しているが、上記のようにビームスポットM,S1,S2がそれぞれトラック位相120°ずつずれた位置に配置されることで、メインビームスポットMがトラック位相120°の位置(つまりトラックピッチの1/3の位置)にある状態では、第1サブビームスポットS1の中心がトラック位相0°の位置、すなわちランドLの中心と一致した状態となる。また、メインビームスポットMがトラック位相240°の位置(トラックピッチの2/3の位置)にある状態では、第2サブビームスポットS2の中心がトラック位相360°(=0°)の位置、すなわちランドLの中心と一致した状態となる。
同様にして、第2サブビームスポットS2の反射光から生成したトラッキング誤差信号TE−s2に基づいて当該第2サブビームスポットS2中心がランドL中心と一致するようにトラッキングサーボをかけることで、メインビームスポットMの位置が、トラック位相240°の位置上をトレースする状態を得ることができる。
なお、メインビームスポットMの反射光から生成したトラッキング誤差信号TE−mに基づくトラッキングサーボを行えば、メインビームスポットM中心がランドL中心をトレースすることは言うまでもない。
上記のような3種のトラッキング誤差信号TE−m,TE−s1,TE−s2の選択によるサーボ対象位置の選択を基本とした上で、本実施の形態では、さらに、次の図9に示されるようにこれら3種のトラッキング誤差信号TE−m,TE−s1,TE−s2のそれぞれの反転信号を生成することで、計6種のトラッキング誤差信号TEを得るものとする。そして、これら6種のトラッキング誤差信号TEのうちから1のトラッキング誤差信号TEを選択してトラッキングサーボを行うことで、トラックピッチを6等分するそれぞれの位置を対象としたサーボ位置の選択が可能となるようにする。
このことからも理解されるように、上記トラッキング誤差信号TE−moに基づくトラッキングサーボを行えば、メインビームスポットM1の位置は、元信号であるトラッキング誤差信号TE−mに基づくトラッキングサーボを行った場合のトラック位相0°の位置からトラック位相180°だけずれた位置とすることができる。
また、上記トラッキング誤差信号TE−s1oに基づくトラッキングサーボを行えば、メインビームスポットMの位置は、元信号であるトラッキング誤差信号TE−s1に基づくトラッキングサーボを行った場合のトラック位相120°の位置から180°だけずれた、トラック位相300°の位置とすることができる。
同様に、上記トラッキング誤差信号TE−s2oに基づくトラッキングサーボを行えば、メインビームスポットMの位置は、元信号であるトラッキング誤差信号TE−s2に基づくトラッキングサーボを行った場合のトラック位相240°の位置から180°だけずれたトラック位相60°の位置とすることができる。
この図10に示されるようにして、上記6種のトラッキング誤差信号TEのうちから1の誤差信号TEを選択してトラッキングサーボを行うことによっては、メインビームスポットMの位置を、トラック位相0°(360°)、60°、120°、180°、240°、300°の6つの位置から選択できる。
具体的には、
・トラッキング誤差信号TE−mの選択によりトラック位相0°(360°)の位置
・トラッキング誤差信号TE−s2oの選択によりトラック位相60°の位置
・トラッキング誤差信号TE−s1の選択によりトラック位相120°の位置
・トラッキング誤差信号TE−moの選択によりトラック位相180°の位置
・トラッキング誤差信号TE−s2の選択によりトラック位相240°の位置
・トラッキング誤差信号TE−s1oの選択によりトラック位相300°の位置
をそれぞれ選択することができる。
図11は、第1の実施の形態としての任意スパイラルピッチ実現のための具体的な手法について説明するための図として、任意スパイラルピッチを実現するためにトラッキングサーボループに対して与えるオフセット、選択すべきトラッキング誤差信号TE、ホログラム記録媒体HMの位置制御情報記録層におけるメインビームスポットMの移動軌跡の関係を示している。
なおこの図11において、メインビームスポットMの移動軌跡はトラック位相0°〜360°までの範囲(つまり1トラック分の範囲)のみを示している。
このようなことを繰り返すことで、トラッキングサーボが継続された状態を維持しつつ、オフセットの付与によるビームスポットの外周側への移動を行うことができる。すなわち、任意スパイラルピッチの実現のための光スポット位置制御を、クローズドループ制御で行うことができるものである。
このとき、トラッキングサーボループに与える上記オフセットの傾きの設定により、スパイラルピッチを任意に設定することができる。
本実施の形態において、サーボ対象位置の切り換え位置は、隣接関係にあるサーボ対象位置間の中間点となる位置(半径方向における)に設定するものとしている。
本実施の形態においては、このようにして予め計算などにより求められた上記中間点としての位置(どのアドレスブロックの何クロック目)に至ったことに応じて、サーボ対象位置をそれまで対象としていた位置に対し外側隣接する位置に切り換えを行う。換言すれば、上記予め定められた中間点としての位置に至ったことに応じて、トラッキングサーボに用いる誤差信号TEを、それまで選択していた誤差信号TEから次に選択すべき誤差信号TE(上記外側隣接する位置に対応した誤差信号TE)に切り換えるものである。
これまでの説明からも理解されるように、選択中の誤差信号TEの次に選択すべき誤差信号TEは、「誤差信号TE−m→TE−s2o→TE−s1→TE−mo→TE−s2→TE−s1o→TE−m」の順で予め定められているものである。
具体的に、この場合におけるオフセットは、上述のように光スポットが隣接関係にあるサーボ対象位置間の中間点に至るタイミングごとに順次サーボ対象位置の切り換えを行う関係から、上記中間点ごとに極性が変化する波形となる。つまり、上記中間点となる位置に光スポットを移動させるために必要なオフセット量は、例えばトラック位相0°による位置を対象としたサーボ時には「+α」、これと外側隣接するトラック位相60°による位置を対象としたサーボ時には「−α」となるので、上記中間点に至るタイミングとしてのサーボ対象位置の切り換えタイミングにおいては、上記オフセットの極性を反転させる必要がある。この点から、この場合において与えるべきオフセットの波形は、図のような鋸歯状波による波形となるものである。
本実施の形態では、オフセットの付与は、トラッキング誤差信号TEを対象として行うものとしている(図14を参照)。従って図11に示す波形によるオフセットについては、その極性を反転させた上でトラッキング誤差信号TEに対して加算することになる。すなわち、「誤差信号TE−オフセット」による演算によりオフセットの付与を行うものである。
この図12では、図11に示したオフセットを太線矢印により示しているが、このような鋸歯状波によるオフセットがトラッキング誤差信号TEに対して与えられることによっては、光スポットの位置が実際に外周側に移動されることに伴って、各トラッキング誤差信号TEとしても上記太線矢印になぞられる部分のようにその振幅値が変化していくことになる。具体的に、トラック位相0°の位置を対象としたトラッキングサーボ時において、与えられるオフセット値が徐々に上昇していくことによっては、トラッキング誤差信号TE−mの振幅値としても与えられたオフセットと同じ傾きにより上昇していくことになる。
同様にして、上記トラック位相0°の位置からトラック位相60°の位置への切り換え後におけるオフセットの付与によっては、トラッキング誤差信号TE−s2oの振幅値は与えられたオフセットと同じ傾きで上昇していくことになる。
これにより上記本実施の形態の手法によれば、鋸歯状波によるオフセットの付与とサーボ対象位置の切り換えとによる任意スパイラルピッチ実現のための位置制御を、より安定的に行うことができる。
ここで、上記により説明したような任意スパイラルピッチ実現のための手法を採る場合においては、光スポットは時間経過と共に徐々に外周側に移動していくことになるので、1つのスポットを使用して継続的にアドレス情報の読み出しを行うといったことはできず、従って時間経過と共にアドレス読出に最適とされる位置にあるスポットを適宜選択するということが必要となってくる。
この図13においては、オフセットの付与に応じて半径方向に移動する各スポットM,S1,S2のトラックに対する位置関係を示すと共に、図中の色付きのスポットによりアドレス情報の読み出しに用いるべきスポットを表している。
なおこの図では、オフセットの付与に伴い半径方向に移動する各ビームスポットM,S1,S2について、中央のメインビームスポットMがトラック位相0°〜330°の間におけるトラック位相30°ずつずれた位置にそれぞれあるときの各ビームスポットM,S1,S2の様子を示している。
またメインビームスポットMがトラック位相60°より大で且つトラック位相150°以下の範囲内にあるときは、アドレス読出には第1サブビームスポットS1を用いる。
また、メインビームスポットMがトラック位相150°より大で且つトラック位相210°未満の範囲内にあるときは、アドレス読出には第1サブビームスポットS1又は第2サブビームスポットS2の何れかを用いる。
また、メインビームスポットMがトラック位相210°以上270°以下の範囲内にあるときは、アドレス読出には第2サブビームスポットS2を用いる。
また、メインビームスポットMがトラック位相270°より大で且つトラック位相330°未満の範囲内にあるときは、アドレス読出にはメインビームスポットM又は第2サブビームスポットS2の何れかを用いる。
本実施の形態の記録再生装置では、このように予め定められた対応関係の情報に基づいて各スポットM,S1,S2の反射光信号(後述するsum信号)のうちの1の反射光信号を選択し、該選択した反射光信号に基づいてアドレス情報の読み出し(及びクロックの生成)を行う。
なお、図13に示す対応関係においては、アドレス読出に用いるべきスポットが2つ定められているところがあるが、このようにアドレス読出に用いるべきスポットが2以上とされる場合には、それら2つのスポットの反射光信号のうち信号品質が良好とされる方の信号をアドレス読出(及びクロック生成)に用いるものとする。
例えば本実施の形態では、トラック位相0°の位置を基準位置として、メインビームスポットMの中心が当該トラック位相0°の位置と一致した時点からの経過時間(クロック数)によってメインビームスポットMの半径方向における位置(トラック位相)を特定する。
そしてこれに対応して、上記のような対応関係情報としては、このような基準位置と一致する時点からの経過時間により上記の各トラック位相範囲を表した各期間の情報と、その期間内にて選択されるべきスポット(反射光信号)との対応関係を定めた情報としておく。
続いて、上記により説明した第1の実施の形態としての任意スパイラルピッチ実現のためのスポット位置制御を実現するための構成について説明する。
図14は、第1の実施の形態の記録再生装置の内部構成のうち、主に上記スポット位置制御を実現するための信号処理系の構成のみを抽出して示している。
本実施の形態において、これらメインフォトディテクタ26M、第1サブフォトディテクタ26S1、第2サブフォトディテクタ26S2としては、それぞれ4分割ディテクタを用いる。
さらに、上記光学ピックアップOPの外部には、反転回路33,反転回路34,反転回路35、セレクタ36、アドレス検出・クロック生成回路37、サーボ回路38,制御部39、加算器40、及び鋸歯状波生成回路41が設けられている。
具体的に、上記sum信号は上記各受光素子による受光信号の和信号となる。また、上記トラッキング誤差信号TEとしては、Push Pull信号を生成する。
この第1信号生成回路31にて生成された上記トラッキング誤差信号TEは、先に説明したトラッキング誤差信号TE−s1となる。図示するように当該トラッキング誤差信号TE−s1はセレクタ36と反転回路34とに供給される。
第2信号生成回路32にて生成された上記トラッキング誤差信号TEは先に説明したトラッキング誤差信号TE−s2となり、当該トラッキング誤差信号TE−s2はセレクタ36と反転回路35とに供給される。
また、第2信号生成回路32にて生成された上記sum信号は、sum−S2信号と称し、当該sum−S2信号はアドレス検出・クロック生成回路37に対して供給される。
ここで、上述もしたように、オフセット値の上昇に応じて光スポットを外周側に移動させるためには、トラッキング誤差信号TEに対しては、極性を反転させたオフセット値を加算することになる。つまり上記加算器40は、「トラッキング誤差信号TE−オフセット値」による演算を行う減算器として機能させるものである。
この鋸歯状波生成回路41には、予め求められた任意のスパイラルピッチ実現のための鋸歯状波を生成するための情報として、クロック単位でトラッキング誤差信号TEに対して与える(この場合は減算)すべき値の情報が設定されている。鋸歯状波生成回路41はこのようにクロック単位で設定された値を順次、上記加算器40に対して出力する。
このようなトラッキングドライブ信号TDに基づき上記トラッキングアクチュエータ16Aが駆動制御されることで、メインビームスポットMが、先の図11に示したようなトラックピッチを6分割する各位置のうちの何れか1つの位置から、付与されたオフセットに応じた分だけ外周側に離れた位置にあるように制御されることになる。
アドレス情報の検出及びクロックの生成は、上記sum−m信号、sum−S1信号、sum−S2信号のうちから、制御部39からの指示に基づく1のsum信号を選択し、該選択したsum信号に基づき行うことになる。
ここで、先の図4を参照して説明したように、本実施の形態の場合、アドレス情報は、ランドL上の所定間隔ごとに設定されたピット形成可能位置におけるピット形成有無を1チャネルビットの情報として記録されている。これに応じアドレス検出・クロック生成回路37は、上記選択したsum信号における、上記所定間隔ごとの上記ピット形成可能位置でのピットの有無の識別(H/Lの識別)を行うことで、1チャネルビットの「0」「1」のデータ識別を行う。そしてその結果に基づき、先の図4で説明したフォーマットに従ったアドレスデコード処理を行うことで、記録されたアドレス情報の検出(読出)を行う。アドレス検出・クロック生成回路37で得られたアドレス情報は、制御部39に対して供給される。
また、上記クロックの生成は、上記選択した1のsum信号を入力信号(基準信号)としたPLL処理を行って生成することになる。図示は省略したが、アドレス検出・クロック生成回路37にて生成された上記クロックは、必要な各部の動作クロックとして供給される。
先ず、図中のステップS101とステップS102の処理によっては、所定の切り換えタイミングに至った、又は記録(又は再生)終了の何れかの条件が満たされるまで待機するようにされる。
先に説明したように、本実施の形態では予めディスク上の所定位置(どのアドレスブロックの何クロック目)がサーボ対象位置の切り換え位置としてそれぞれ設定されている。このためステップS101における所定の切り換えタイミングに至ったか否かの判別は、アドレス検出・クロック生成回路37にて検出されるアドレス情報とクロックとによって特定される現在の光スポット位置が、予め定められた上記所定位置と一致したか否かを判別することで行う。
このステップS101において、所定の切り換えタイミングに到達したとして肯定結果が得られた場合は、ステップS103に進み、現在選択中のトラッキング誤差信号TEの次に選択すべきトラッキング誤差信号TEの選択指示を行う。つまり、先に説明したように本実施の形態では6種のトラッキング誤差信号TEについての選択順序が予め定められていることから、この選択順序の情報に従って、セレクタ36に対し、現在選択中のトラッキング誤差信号TEの次に選択すべきトラッキング誤差信号TEの選択指示を行う。
このステップS103の処理を実行すると、図のようにステップS101に戻るようにされる。
制御部39は、上記のようなサーボ対象位置の切り換えのための制御と共に、アドレス検出・クロック生成回路37に対し、現在の光スポットの半径位置に応じたsum信号を選択させるための指示も行う。
制御部39には、先の図13にて説明したような、スポットの半径位置とアドレス読出に用いるスポットとの対応関係を定めた対応関係情報が設定されている。具体的には、基準位置(トラック位相0°の位置)と一致する時点からの経過時間により光スポットが位置する範囲を表した各期間の情報と、その期間内にて選択されるべきスポット(sum信号)との対応関係を定めた情報である。
制御部39は、アドレス検出・クロック生成回路37からのクロック(及びアドレス情報)と上記対応関係情報とに基づき、図13に示した各範囲のうちでメインビームスポットMが現在位置している範囲に対応するsum信号の選択をアドレス検出・クロック生成回路37に対して指示する。
アドレス検出・クロック生成回路37は、このように2つのsum信号が指示された場合は、それらのうち信号品質の良好な方を選択する。具体的に、アドレス検出・クロック生成回路37は、指示された2つのsum信号をモニタリングして信号品質が良好な1のsum信号を選択する。
以上で説明してきたように本実施の形態では、
1)半径方向において同一幅によるグルーブとランドとが交互に形成されたホログラム記録媒体HMを用いる
2)3分割した位置制御用レーザ光の各ビームスポットの半径方向における間隔が、上記ホログラム記録媒体HMのトラックピッチの1/3となるようにする
3)3分割した位置制御用レーザ光の各ビームをそれぞれ個別に受光して、各ビームのスポット位置ごとのトラッキング誤差信号(TE−m,TE−s1,TE−s2)と、それらの反転信号(TE−mo,TE−s1o,TE−s2o)とによる計6種のトラッキング誤差信号を生成する
ものとしている。
上記1)2)の条件が満たされることにより、或るトレース位置を対象としてトラッキングサーボをかけているときに、同時に他のトレース位置についてのトラッキング誤差信号TEを得ることができるようになる。そして上記3)によるトラッキング誤差信号の生成により、上記ランド又はグルーブの形成ピッチとなるトラックピッチを6等分するそれぞれの位置についてのトラッキング誤差信号TEを得ることができる。このとき、上記のように他のトレース位置についてのトラッキング誤差信号TEを同時に得ることができるということは、トラッキングサーボに用いるトラッキング誤差信号TEの切り換えによってトレース位置の切り換えを行うことができるということを意味する。つまりこれにより本実施の形態では、トレース位置の選択(サーボ対象位置の選択)を、トラッキングサーボを継続しながらいわばクローズドループ制御で行うことができるようにしている。
これにより、任意のスパイラルピッチが実現されるように光スポットの位置を制御することができる。
この点より本実施に形態によれば、任意のスパイラルピッチを実現するために必要な光スポット位置の制御を、例えばオフセットの付与のみで行うようなオープンループ制御で行う場合と比較してより高精度に行うことができる。
つまりこの結果、より安定したトラッキングサーボを実現できる。
<4.第2の実施の形態の手法>
続いて、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、光学系や記録媒体の個体ごとのバラツキに起因してトラッキング誤差信号TEの振幅にバラツキが生じる場合にも適正に任意スパイラルピッチ実現のための光スポット位置制御が行われるように図るものである。
この図16において、図16(a)、図16(b)の各図ではトラッキング誤差信号TEに対して与えられるオフセットの波形(鋸歯状波形)について、或るサーボ対象位置からその隣接サーボ対象位置への切り換えタイミング付近での波形を示している。
ここで、第2の実施の形態においては、選択中のトラッキング誤差信号TEの符号は「TE−x」と表記し、当該選択中のトラッキング誤差信号TE−xの次に選択されるべきトラッキング誤差信号TEの符号は「TE−x+1」と表記する。
先の第1の実施の形態での説明からも理解されるように、計6種のトラッキング誤差信号TEを生成し且つ「中間点」でサーボ対象位置の切り換えを行う場合は、サーボ対象位置の切り換え(トラッキング誤差信号TEの切り換え)前のトラッキング誤差信号TE−xの波形(傾き)は、付与されるオフセットの波形(傾き)と一致するものとなる。同様に、サーボ対象位置の切り換え後のトラッキング誤差信号TE−x+1の波形としても付与されるオフセットの波形と一致するものとなる。図中における括弧書きの「TE−x」「TE−x+1」はこのことを表しているものである。
このように光学系やホログラム記録媒体HMの個体差に起因してトラッキング誤差信号TEの振幅にバラツキが生じる場合には、予め定められた波形によるオフセットを与えたのでは、理想通りのピッチによるスパイラルを描くように光スポット位置を制御することができなくなってしまう。
この場合には、設定されたオフセットの傾きは、実際に必要な傾きよりも大きなもとなってしまうので、図示するようにして、実際に光スポットが上記中間点に至るタイミングは、予め設定された上記中間点に至る理想的なタイミング(計算で求められた中間点に至るタイミング)よりも早まってしまうことになる(図中の誤差ΔT)。
例えば図16の例において、光スポットが現在選択中のサーボ対象対象位置とその外側隣接のサーボ対象位置との間の中間点に位置する状態では、選択中のトラッキング誤差信号TE−xの振幅値は上述したβとなり、次に選択されるべきトラッキング誤差信号TE−x+1の振幅値は−βとなる。
この図17からも明らかなように、本例の場合は、6種のトラッキング誤差信号TEのすべてについて、隣接関係にある各組のサーボ対象位置間の中間点におけるトラッキング誤差信号TE−xとトラッキング誤差信号TE−x+1の振幅の絶対値が同値となるものである。
第2の実施の形態では、先の<1>のように実際の中間点でサーボ対象位置の切り換えを行うとした上で、図中の<2>と示すようにして、理想タイミングからの誤差ΔTに応じて、オフセットの傾き補正を行う。
すなわち、上記<1>で検出した実際の中間点のタイミングと、該中間点に至るタイミングとして予め定められた理想タイミングとの間の誤差ΔTを求め、該誤差ΔTに応じてオフセットの傾き補正を行うものである。
具体的に、このような誤差ΔTに応じたオフセットの傾き補正は、実際の中間点に至るタイミングが理想タイミングよりも早い場合には上記誤差ΔTの量に応じた分だけオフセットの傾きが小となるようにし、逆に実際の中間点に至るタイミングが理想タイミングよりも遅い場合には上記誤差ΔTの量に応じた分だけオフセットの傾きが大となるようにして行う。
図18は、上記により説明した第2の実施の形態としてのスポット位置制御手法を実現するための、第2の実施の形態としての記録再生装置の内部構成(主に位置制御のための信号処理系の構成のみを抽出)を示した図である。
なお、第2の実施の形態においても記録再生装置におけるホログラムの記録再生系及び位置制御のための光学系の構成は先の図5に示したものと同様となるので改めての説明は省略する。
また図18において、既にこれまでで説明した部分と同様となる部分については同一符号を付して説明を省略する。
また図中には反映されていないが、第2の実施の形態の場合、制御部39が行う処理内容が第1の実施の形態の場合から変更されるものとなる。
中間点検出回路42は、これら入力される6種のトラッキング誤差信号TEのうちから制御部39により指示された2つのトラッキング誤差信号TEを選択し、該選択した2つのトラッキング誤差信号TEの振幅値に基づきメインビームスポットMが中間点に至ったタイミングを検出する。
図示するように中間点検出回路42内部には、セレクタ50、反転回路51、及びコンパレータ52が備えられている。
中間点検出回路42においては、上記セレクタ50に対し、上記6種のトラッキング誤差信号TEが入力される。このセレクタ50に対しては、制御部39より、選択中のトラッキング誤差信号TE−xと次に選択されるべきトラッキング誤差信号TE−x+1を選択出力させるための指示が行われる。セレクタ50は、上記入力される6種のトラッキング誤差信号TEのうちから、上記制御部39からの指示により特定される2つのトラッキング誤差信号TEを選択出力する。
また上記セレクタ50により選択出力されたトラッキング誤差信号TE−x+1は、反転回路51にてその極性が反転された上でコンパレータ52に対して入力される。
コンパレータ52は、上記のように入力されたトラッキング誤差信号TE−xの振幅値とトラッキング誤差信号TE−x+1の振幅値の反転値とが同値となることに応じて、光スポット(メインビームスポットM)が実際に上記中間点に至ったことを表す中間点検出信号を出力する。
位相比較回路43は、このようにして検出した実際の中間点タイミングと理想タイミングとの誤差ΔTに応じた値をゲイン調整回路44に与える。
具体的に、上記ゲイン調整回路44は、実際の中間点に至るタイミングが理想タイミングよりも早かった場合(つまり上記誤差ΔTの値が正の値となる場合)には、上記誤差ΔTの値に応じた分だけ小としたゲインを上記鋸歯状波生成回路41に対して与える。逆に、実際の中間点に至るタイミングが理想タイミングよりも遅かった場合(上記誤差ΔTの値が負の値となる場合)には、上記誤差ΔTの値に応じた分だけ大としたゲインを上記鋸歯状波生成回路41に対して与える。
これにより、実際の中間点が理想の中間点と一致するように補正を行うことができ、結果、トラッキング誤差信号TEの振幅にバラツキが生じる場合にも、設定したスパイラルピッチが正確に実現されるようにできる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明としてはこれまでに説明した具体例に限定されるべきものではない。
例えば、これまでの説明では、アドレス情報の記録をランドLを対象として行う場合を例示したが、アドレス情報の記録はグルーブGを対象として行うこともできる。
但し、第2の実施の形態においては、中間点検出回路42にて、選択中のトラッキング誤差信号TE−xと次に選択されるべきトラッキング誤差信号TE−x+1の振幅値に基づいて実際の中間点の検出を行うため、この場合においては、上記2種のトラッキング誤差信号TEのうち一方にのみオフセットが付与されているという状態は避けられる必要性がある。従って第2の実施の形態においては、このような状態を避けるようにして上記オフセットを与える位置を設定する必要がある。
また確認のために述べておくと、トラッキングドライブ信号TDに対してオフセット付与を行う場合には、加算するオフセット値の極性を、トラッキング誤差信号TEに対してオフセット付与する場合とは異なるものとすることになる。
つまり、中央のメインビーム光についてのフォーカスエラー信号FE単体を用いたフォーカスサーボを行う場合には、トラック中心(トラック位相0°)となる位置以外では実際のフォーカス点と理想フォーカス点とに誤差が生じる虞があるので、例えばその場合には、トラック中心以外の位置ではその位置に応じて予め定められたオフセットをフォーカスサーボループに対して与えるものとすればよい。
具体的にこの場合は、グレーティングにより得られる0次光(メインビームスポット)と各1次光(各サイドビームスポット)と共に、さらに2次光も利用する。5つの各ビームスポットについては、内周側から順にビームスポットSL2、SL1、M(メイン)、SR1、SR2とおく。なお図中では各ビームスポットの中心(黒丸)を示している。
この場合、5つのビームスポットのそれぞれの半径方向の間隔は、図のようにトラックピッチ=2nとしたとき「2n/5」となるようにしておく。
図のようにこの場合の各トラッキング誤差信号TEの位相差は、360°÷5=72°となる。
この場合も各トラッキング誤差信号の位相差は90°以内となり、従ってオフセットが付与される区間は、この場合もトラッキング誤差信号の振幅値の変化がほぼ線形となる区間(つまりデトラック量が少ない区間)に合わせることができる。つまりこの場合も、任意スパイラルピッチ実現のための位置制御は安定的に行うことができる。
ここで、このことからも理解されるように、鋸歯状波によるオフセットの付与とトラッキング誤差信号の切り換えとを並行して行って任意スパイラルピッチ実現のためのスポット位置制御を行う場合においては、トラッキング誤差信号TEの切り換えは、内周側に隣接するスポットの誤差信号に順次切り替えを行っていき、最も内周側に配置されるスポットの誤差信号を選択した後は、最も外周側に配置されるスポットの誤差信号を選択し、以降は再び内周側に隣接するスポットの誤差信号を順次選択する、ということを繰り返せばよい。
この場合においてもトラッキング誤差信号TEの切り換えタイミングは、第1の実施の形態のように理想タイミングとすることもできるし、或いは第2の実施の形態のように実際のタイミングとすることもできる。例えば実際の中間点でトラッキング誤差信号TEの切り換えを行うとしたときは、この場合も選択中の誤差信号と次に選択すべき誤差信号の振幅値(絶対値)が同値となったタイミングで切り換えを行えばよい。
この場合は、トラックピッチを10等分した各位置をトラッキングサーボによって選択可能となる(トラック位相で言えば72°÷2=36°ごとという細かさでサーボ対象位置の選択が可能となる)。また、この場合の各トラッキング誤差信号TEの位相差は36°となるので、オフセットの付与が行われる区間は、トラッキング誤差信号における振幅値の変化がより線形に近い状態となる区間(デトラック量がより少ない区間)に合わせることができ、従って任意スパイラルピッチ実現のためのスポット位置制御はより安定的且つ高精度とすることができる。
ここで、トラッキング誤差信号TE−m,TE−sl1,TE−sl2,TE−sr1,TE−sr2のそれぞれの反転信号をトラッキング誤差信号TE−mo,TE−sl1o,TE−sl2o,TE−sr1o,TE−sr2oとおくと、計10種のトラッキング誤差信号TEの位相は、トラッキング誤差信号TE−mの位相を0°としたとき,TE−sr2o=36°,TE−sl1=72°,TE−sr1o=108°,TE−sl2=144°,TE−mo=180°,TE−sr2=216°,TE−sl1o=252°,TE−sr1=288°,TE−sl2o=324°となる。
このことからも理解されるように、この場合のトラッキング誤差信号TEの切り換えは、「TE−m→TE−sr2o→TE−sl1→TE−sr1o→TE−sl2→TE−mo→TE−sr2→TE−sl1o→TE−sr1→TE−sl2o→TE−m・・・」の順で行うことになる。
Claims (6)
- 第1の光源と、
第2の光源と、
上記第2の光源から出射された光をメインビーム光、第1サブビーム光、第2サブビーム光の3ビームに分割するビーム分割部と、
半径方向において同一幅によるグルーブとランドとが交互に形成されるようにして上記グルーブがスパイラル状又は同心円状に形成されたディスク状記録媒体に対して、上記第1の光源から出射された第1の光と、上記ビーム分割部により生成された3つのビーム光とを共通の対物レンズを介して照射する光学系であって、上記3つのビーム光の上記ディスク状記録媒体上でのそれぞれの照射スポットの上記半径方向における間隔が、上記グルーブの形成に伴い上記ディスク状記録媒体に形成されるトラックのピッチの1/3となるようにして上記3つのビーム光を照射する光学系と、
上記対物レンズを介して照射される光の光軸と上記ディスク状記録媒体との上記半径方向における相対的な位置関係を変化させて、上記対物レンズを介して照射される光についてのトラッキング制御を行うように構成されたトラッキング制御機構と、
上記対物レンズを介して照射され上記ディスク状記録媒体を介した上記メインビーム光、上記第1サブビーム光、上記第2サブビーム光をそれぞれ個別に受光する受光部と、
上記受光部により得られるそれぞれの受光信号に基づき、上記ディスク状記録媒体に形成された上記トラックに対する上記メインビーム光、第1サブビーム光、第2サブビーム光のスポット位置の上記半径方向における位置誤差をそれぞれ表す誤差信号を生成すると共に、それらの反転信号を生成して計6つの誤差信号を生成する誤差信号生成部と、
上記誤差信号生成部により生成された上記誤差信号のうちから1の誤差信号を選択する誤差信号選択部と、
上記誤差信号選択部により選択された上記誤差信号に基づき、上記対物レンズを介して照射される光についてのトラッキングサーボが行われるように上記トラッキング制御機構を制御するサーボ制御部と、
所定のタイミングごとに、上記誤差信号選択部が選択する誤差信号が予め定められた順序で切り換えられるように指示を行う切り換え指示部と、
上記誤差信号の切り換え周期に応じた波形周期を有する鋸歯状波を生成する鋸歯状波生成部と、
上記鋸歯状波生成部により生成される上記鋸歯状波に従って、トラッキングサーボループに対してオフセットを与えるオフセット付与部と
を備える光スポット位置制御装置。 - 上記ディスク状記録媒体においては、
上記グルーブ又は上記ランドの何れか一方における周回方向の所定間隔おきの位置がピットの形成可能位置として設定された上で、当該ピットの形成可能位置におけるピットの形成有無のパターンによってアドレス情報の記録が行われており、
上記受光部により得られた受光信号に基づき上記ピットの有無を反映したピット有無反映信号を生成するピット有無反映信号生成部と、
上記ピット有無反映信号に基づいて上記ピットの形成可能位置における上記ピットの形成有無のパターンを検出することで、上記アドレス情報の検出を行うアドレス検出部とをさらに備える
請求項1に記載の光スポット位置制御装置。 - 上記ピット有無反映信号生成部は、
上記受光部により得られたそれぞれの受光信号から上記メインビーム光、第1サブビーム光、第2サブビーム光のそれぞれのスポット位置での上記ピットの有無を反映するピット有無反映信号をそれぞれ生成し、
上記アドレス検出部は、
予め定められた上記メインビーム光のスポットの半径位置とアドレス読出に用いるべき上記ピット有無反映信号との対応関係を表す対応関係情報に基づき、上記ピット有無反映信号生成部により生成された上記ピット有無反映信号のうちから1のピット有無反映信号を選択し、該選択したピット有無反映信号に基づいて上記アドレス情報の検出を行う
請求項2に記載の光スポット位置制御装置。 - 上記誤差信号生成部により生成された誤差信号のうち、上記誤差信号選択部にて選択中の誤差信号と、当該選択中の誤差信号の次に上記誤差信号選択部にて選択されるべき誤差信号とを入力し、これらの誤差信号に基づき、上記オフセット付与部によるオフセットの付与に伴い上記半径方向に移動する上記対物レンズを介した照射光のスポットの位置が、上記選択中の誤差信号に基づくトラッキングサーボによりサーボ対象とされる選択中サーボ対象位置と上記次に選択されるべき誤差信号に基づくトラッキングサーボによりサーボ対象とされる次選択サーボ対象位置との間の所定位置に到達したタイミングを検出するタイミング検出部をさらに備えると共に、
上記切り換え指示部は、
上記タイミング検出部により検出されたタイミングで上記誤差信号選択部が選択する誤差信号の切り換え指示を行い、
さらに、上記アドレス検出部で検出される上記アドレス情報に基づき特定される、上記スポットが上記所定位置に至る理想タイミングと、上記タイミング検出部により検出された上記スポットが上記所定位置に到達したタイミングとの誤差を検出し、当該検出した誤差に基づき上記鋸歯状波生成部が生成する上記鋸歯状波の傾きを補正する傾き補正部をさらに備える
請求項2に記載の光スポット位置制御装置。 - 上記タイミング検出部は、
上記選択中の誤差信号と上記次に選択されるべき誤差信号との絶対値が同値となったタイミングを検出することで、上記スポットが上記選択中サーボ対象位置と上記次選択サーボ対象位置との間の中間点に到達したタイミングを検出する
請求項4に記載の光スポット位置制御装置。 - 第1の光源と、第2の光源と、上記第2の光源から出射された光をメインビーム光、第1サブビーム光、第2サブビーム光の3ビームに分割するビーム分割部と、半径方向において同一幅によるグルーブとランドとが交互に形成されるようにして上記グルーブがスパイラル状又は同心円状に形成されたディスク状記録媒体に対して、上記第1の光源から出射された第1の光と、上記ビーム分割部により生成された3つのビーム光とを共通の対物レンズを介して照射する光学系であって、上記3つのビーム光の上記ディスク状記録媒体上でのそれぞれの照射スポットの上記半径方向における間隔が、上記グルーブの形成に伴い上記ディスク状記録媒体に形成されるトラックのピッチの1/3となるようにして上記3つのビーム光を照射する光学系と、上記対物レンズを介して照射される光の光軸と上記ディスク状記録媒体との上記半径方向における相対的な位置関係を変化させて、上記対物レンズを介して照射される光についてのトラッキング制御を行うように構成されたトラッキング制御機構とを備える光スポット位置制御装置における光スポット位置制御方法であって、
上記対物レンズを介して照射され上記ディスク状記録媒体を介した上記メインビーム光、上記第1サブビーム光、上記第2サブビーム光をそれぞれ個別に受光する受光手順と、
上記受光手順により得られるそれぞれの受光信号に基づき、上記ディスク状記録媒体に形成された上記トラックに対する上記メインビーム光、第1サブビーム光、第2サブビーム光のスポット位置の上記半径方向における位置誤差をそれぞれ表す誤差信号を生成すると共に、それらの反転信号を生成して計6つの誤差信号を生成する誤差信号生成手順と、
上記誤差信号生成手順により生成した上記誤差信号のうちから、所定のタイミングごとに予め定められた順序で1の誤差信号を選択し、当該選択した1の誤差信号に基づき上記対物レンズを介して照射される光についてのトラッキングサーボが行われるように上記トラッキング制御機構を制御すると共に、上記誤差信号の切り換え周期に応じた波形周期を有する鋸歯状波に従ってトラッキングサーボループに対してオフセットを与えるサーボ対象位置切換・オフセット付与手順と
を有する光スポット位置制御方法。
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