JP5172755B2 - 光スポット位置制御装置、光スポット位置制御方法 - Google Patents

光スポット位置制御装置、光スポット位置制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、ディスク状記録媒体に照射した光のスポット位置を制御する光スポット位置制御装置、及びその方法に関し、特に、情報の記録/再生光とは別途に照射した光に基づき情報の記録/再生位置の制御が行われる場合に好適な光スポット位置制御装置、及びその方法に関する。
特開2005−250038号公報 特開2007−79438号公報
例えば上記各特許文献にあるように、信号光と参照光との干渉縞によりデータ記録を行うホログラム記録再生システムが知られている。このホログラム記録再生システムにおいて、記録時には、記録データに応じた空間光変調(例えば光強度変調)を与えた信号光と、この信号光とは別の参照光とをホログラム記録媒体に対して照射し、それらの干渉縞をホログラム記録媒体に形成することでデータ記録を行う。
また再生時には、ホログラム記録媒体に対して参照光を照射する。このように参照光が照射されることで、上記のようにしてホログラム記録媒体に形成された干渉縞に応じた回折光が得られる。すなわち、これによって記録データに応じた再生光(再生信号光)が得られる。このようにして得られた再生光を例えばCCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどのイメージセンサによって検出することで、記録データを再生するようにされる。
ここで、ホログラム記録再生システムとしても、例えばCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの従来の光ディスクの記録再生システムと同様に、記録媒体上に形成されたトラックに沿ってデータを記録することが考えられている。すなわち、従来の光ディスクの場合と同様に上記トラックを対象としたトラッキングサーボなどの記録/再生位置制御を行うことで、ディスク上の然るべき位置にデータの記録を行っていくというものである。
このような記録再生位置の制御を行う場合に用いられるホログラム記録媒体の構造の一例を、図19の断面構造図を用いて説明する。
この図19においては、反射膜を有する反射型のホログラム記録媒体100の構造例を示している。
図示されるように、ホログラム記録媒体100には、上述した信号光と参照光との干渉縞によるホログラムの記録が行われる記録層(106)と、基板110上の凹凸断面構造により位置制御のためのアドレス情報等の記録が行われた位置制御情報記録層とがそれぞれ別々に形成されたものとなっている。
具体的に、ホログラム記録媒体100には、上層から順にカバー層105、記録層106、反射膜107、中間層108、反射膜109、基板110が形成されている。
記録層106の下層に形成される反射膜107は、再生時においてホログラムの再生のためのレーザ光(上述した参照光)が照射され、上記記録層106に記録されたホログラムに応じた再生像が得られた際に、これを反射光として装置側に戻すために設けられる。
また、上記基板110には、スパイラル状又は同心円状に、上記記録層106におけるホログラムの記録/再生位置を案内するためのトラックが形成されている。例えばトラックは、ピット列によるアドレス情報等の情報記録が行われることにより形成される。
基板110の上層に形成された反射膜109は、上記ピット列に応じた反射光を得るために設けられる。なお、中間層108は、例えばレジンなどの接着材料である。
上記のような断面構造を有するホログラム記録媒体100に対しては、記録層106におけるホログラムの記録再生を行うのための記録再生光と、位置制御情報記録層からの反射光を得るための位置制御光とをそれぞれ別々に照射するということが行われる。
ここで仮に、1つの光のみを用いてこれをホログラムの記録再生と位置制御とに兼用しようとすると、再生時において、ホログラムの再生像に対して基板110(反射膜109)上の凹凸断面形状に応じた成分がノイズとして重畳してしまい、それによって再生性能を悪化させてしまう虞がある。このために、ホログラム記録再生システムにおける位置制御には、ホログラムの記録再生光と共に、上記位置制御情報記録層からの反射光を得るための位置制御光を別途に照射するようにされている。
また、このようにホログラムの記録再生光と別途の位置制御光とを照射する場合においては、それぞれ波長帯の異なる光を用いるようにされる。これは、位置制御光と記録再生光として同波長帯の光を用いた場合には、位置制御光の照射によっても記録層106が感光してしまう虞があり、その防止を図るためである。
例えばホログラムの記録再生光としては波長λ=405nm程度の青紫色レーザ光が、また位置制御光としては例えば波長λ=650nm程度の赤色レーザ光が用いられる。
ここで、上記位置制御光の照射により位置制御情報記録層からの反射光を得るためには、基板110の凹凸断面形状が反映された反射膜109に上記位置制御光が到達しなければならない。つまり、位置制御光は、上記反射膜109よりも上層側に形成されている反射膜107を透過する必要があることになる。
一方で、上記反射膜107としては、記録層106に記録されたホログラムに応じた再生像が反射光として装置側に戻されるべく、ホログラムの記録再生光は反射する必要がある。
これらの点を考慮し、上記反射膜107には、上記記録再生用の青紫色レーザ光は反射し、位置制御用の赤色レーザ光は透過するという、波長選択性を有する反射膜が用いられる。このことで、位置制御光が反射膜109に到達して位置制御のための反射光が装置側に適正に戻されるようにすると共に、記録層106に記録されたホログラムの再生像が反射膜107にて反射されて適正に装置側に戻されるようにすることができる。
ここで確認のために述べておくと、上記のようにホログラムの記録再生光とは別途の光を用いて記録再生位置の制御を行う場合、記録再生装置側では、次の図20に示すようにして、ホログラムの記録再生光と位置制御光とが同一光軸上に配置されるようにして合成し、該合成光をホログラム記録媒体100に対して照射するようにされている。そしてその上で、位置制御光の反射光に基づくトラッキングサーボ制御を行うようにされている。
このようにホログラムの記録再生光と位置制御光とを同一光軸上に合成してホログラム記録媒体100に照射するようにした上で、位置制御光の反射光に基づく位置制御を行うことにより、ホログラムの記録再生位置を、ホログラム記録媒体100に形成されたトラック(ピット列)に沿った位置に制御するようにされている。
ここで、ホログラムの記録を行うとき、スパイラルピッチとしては比較的大きなピッチが要求される場合がある。例えば現状において、位置制御情報記録層に形成されるトラックのピッチは、およそ1.2μm程度とされている。これに対し、ホログラム記録において最適とされるトラックピッチは、数十μm程度(例えば40μm〜60μm程度)とされている。
例えばこのようにして、位置制御情報記録層に形成されるトラックのピッチ(スパイラルピッチ)と、実際に要求されるスパイラルピッチとが異なるケースが生じ得る。
本発明の課題は、上記により説明したホログラム記録再生システムのように、第1の光による情報の記録再生が行われる情報記録層と、該情報記録層における情報記録再生位置を案内するためのトラックが形成された記録媒体について、上記位置制御情報記録層に上記第1の光とは異なる第2の光を照射して記録再生位置の制御を行う場合において、上記位置制御情報記録層に形成されたピット列(トラック)のピッチとは異なる任意のスパイラルピッチで上記情報記録層における記録再生を可能とすることである。
上記の課題に鑑み、本発明では光スポット位置制御装置として以下のように構成することとした。
つまり、本発明の光スポット位置制御装置は、1周回におけるピットの形成可能位置の間隔が所定の第1の間隔に制限されたピット列がスパイラル状又は同心円状に形成されていると共に、半径方向に配列されるピット列において、上記ピットの形成可能位置のピット列形成方向における間隔が所定の第2の間隔ずつずれた位置に設定されて、複数のピット列位相を有しているディスク状記録媒体に対し、第1の光を照射するための第1の光源を備える。
また、上記ディスク状記録媒体に対し第2の光を照射するための第2の光源を備える。
また、上記第1の光と上記第2の光とが入射され、これら第1の光及び第2の光の上記ディスク状記録媒体に対する出力端となる対物レンズを備える。
また、上記対物レンズを介して照射される上記第1及び第2の光の光軸と上記ディスク状記録媒体との上記半径方向における相対的な位置関係を変化させ、上記第1及び第2の光についてのトラッキング制御を行うように構成されたトラッキング制御機構を備える。
また、上記第2の光が上記ディスク状記録媒体に照射されることに応じて得られる、上記ピットの形成パターンを反映したピット反映光を受光する受光部を備える。
また、上記受光部により得られた受光信号に基づき、上記ディスク状記録媒体に形成されたピットに対する上記第2の光のスポットの上記半径方向における位置誤差を表す誤差信号を生成する誤差信号生成部を備える。
また、上記受光部により得られた受光信号に基づき、上記ピットの形成可能位置の間隔に応じたクロックを生成するクロック生成部を備える。
さらに、上記クロック生成部により生成されたクロックに基づき、上記ディスク状記録媒体に形成されたそれぞれ異なるピット列位相を有する複数のピット列のそれぞれにおける上記ピットの形成可能位置のタイミングをそれぞれ表す複数のタイミング選択信号を生成するタイミング選択信号生成部を備える。
また、上記タイミング選択信号生成部により生成された上記複数のタイミング選択信号から、指示された1のタイミング選択信号を選択するタイミング選択信号選択部を備える。
また、上記タイミング選択信号選択部によって選択された上記タイミング選択信号に基づき上記誤差信号生成部により生成された上記誤差信号をサンプルホールドする誤差信号サンプルホールド部を備える。
また、上記誤差信号サンプルホールド部によるサンプルホールド後の上記誤差信号に基づき、上記第2の光のスポットのトラッキングサーボが行われるように上記トラッキング制御機構を制御するサーボ制御部を備える。
その上で、予め定められた所定のタイミングで、上記タイミング選択信号選択部が選択するタイミング選択信号が、選択中のタイミング選択信号から、当該選択中のタイミング選択信号によりそのピットの形成可能位置のタイミングが表されているピット列に隣接するピット列に応じたタイミング選択信号に切り換えられるように指示を行う切り換え指示部を備える。
さらに、上記タイミング選択信号の切り換え周期に応じた波形周期を有する鋸歯状波を生成する鋸歯状波生成部と、上記鋸歯状波生成部により生成される上記鋸歯状波に従って、トラッキングサーボループに対してオフセットを与えるオフセット付与部とを備えるものである。
ここで、先ず前提として、本発明にて用いるディスク状記録媒体を「1周回におけるピットの形成可能位置の間隔が所定の第1の間隔に制限されたピット列がスパイラル状又は同心円状に形成されていると共に、半径方向に配列されるピット列において、上記ピットの形成可能位置のピット列形成方向における間隔が所定の第2の間隔ずつずれた位置に設定されて、複数のピット列位相を有しているディスク状記録媒体」としているのは、本発明が、トラッキングサーボループに対する上記オフセットの付与により光スポットがサーボ対象のピット列から半径方向に或る程度離間したところで、サーボ対象とするピット列を隣接ピット列に切り換えるという手法を採ることに依る。
すなわち、トラッキングサーボループに対する上記オフセットの付与により任意のスパイラルピッチを実現する場合には、上記オフセットの付与に伴って光スポットがサーボ対象ピット列から離間していく状態を放置するのではなく、サーボ対象ピット列を順次隣接トラックに切り換えていくことが、安定したスパイラル制御を実現する上で重要となる。
後に説明するように、上記本発明で用いるディスク状記録媒体によれば、半径方向に配列されるピット列が、それぞれの位相がずらされて形成されていることで、各ピット列についてのトラッキング誤差信号をそれぞれ個別に得ることができる。このように半径方向に隣接するピット列についてのトラッキング誤差信号を個別に得ることができることで、トラッキングサーボの対象とするピット列を或るピット列からその隣接ピット列へと切り換えることができる。
このような事情より、本発明では上記構成によるディスク状記録媒体を用いることが前提となっている。
そして本発明の光スポット位置制御装置(及びその方法)では、上記ディスク状記録媒体に対応して、所定のタイミングでサーボ対象とするピット列の切り換えを行いつつ、一方で、上記ピット列の切り換え周期に応じた周期を有するように生成した鋸歯状波に基づき、トラッキングサーボループに対するオフセットの付与を行うものとしている。これによれば、上記第2の光のスポット位置は、その近傍におけるピット列を対象としたトラッキングサーボにより記録媒体上のピット列に対する相対的な位置関係が制御された上で、上記鋸歯状波によるオフセットの付与によって順次半径方向(ピット列間)を連続的に移動していくことになる。これにより、記録媒体に形成されたピット列のピッチに依らぬ任意のスパイラルピッチを、高精度に実現することができる。
つまり、上記本発明によれば、任意のスパイラルピッチを実現するために必要な光スポット位置の制御は、サーボ対象ピット列を順次切り換るトラッキングサーボ制御を基本として行われているものであり、従ってその制御手法はクローズドループ制御となる。この点より、上記本発明によれば、任意のスパイラルピッチを実現するために必要な光スポット位置の制御を、例えばオフセットの付与のみで行うようなオープンループ制御で行う場合と比較してより高精度に行うことができるものである。
本発明によれば、例えばホログラム記録再生システムの場合のように、第1の光による情報の記録再生が行われる情報記録層と、該情報記録層における情報記録再生位置を案内するためのトラックが形成された記録媒体について上記位置制御情報記録層に上記第1の光とは異なる第2の光を照射して記録再生位置の制御を行う場合において、上記位置制御情報記録層に形成されたピット列(トラック)のピッチとは異なる任意のスパイラルピッチで上記情報記録層における記録再生を行うことができる。
また本発明は、所定のタイミングでサーボ対象とするピット列の切り換えを行いつつ、一方で、上記ピット列の切り換えの周期に応じた周期を有するように生成した鋸歯状波に基づきトラッキングサーボループに対するオフセットの付与を行うものとしたことで、任意のスパイラルピッチを実現するために必要な光スポットの位置制御は、クローズドループ制御で実現できる。
この結果、オープンループ制御とする場合と比較してより高精度な位置制御とすることができ、結果、任意のスパイラルピッチをより高精度に実現することができる。
実施の形態で用いるディスク状記録媒体の断面構造図である。 実施の形態で用いるディスク状記録媒体に形成される位置制御情報記録層の表面を一部拡大して示した図(平面図)である。 位置制御情報記録層全体におけるピットの形成態様について説明するための図である。 アドレス情報のフォーマットについて説明するための図である。 本発明の実施の形態としての記録再生装置の主にホログラムの記録再生系、及び位置制御のための光学系の構成について示したブロック図である。 空間光変調(SLM)に設定される各エリアについて説明するための図である。 実施の形態の任意スパイラルピッチの実現手法の概要について説明するための図である。 記録媒体の回転駆動に伴い位置制御情報記録層上を位置制御光のスポットが移動する様子と、その際に得られるsum信号、sum微分信号、及びPP(Push Pull)信号の波形との関係を模式的に示した図である。 クロックの生成にあたってsum微分信号とsum信号とに基づき生成されるタイミング信号について説明するための図である。 タイミング信号から生成されたクロックと、該クロックに基づき生成された各selector信号の波形と、位置制御情報記録層に形成された各ピット列(の一部)との関係を模式化して示した図である。 第1の実施の形態としての任意スパイラルピッチ実現のための具体的な手法について説明するための図である。 第1の実施の形態としての記録再生装置全体の内部構成を示したブロック図である。 クロック生成回路の内部構成を示したブロック図である。 1周回ごとに行われる位相調整処理の手順を示したフローチャートである。 サーボ対象ピット列の切り換え制御処理の手順を示したフローチャートである。 第2の実施の形態としての任意スパイラルピッチの実現手法について説明するための図である。 第2の実施の形態としての記録再生装置(全体)の内部構成を示したブロック図である。 中間点検出回路の内部構成を示したブロック図である。 従来例としてのホログラム記録媒体の断面構造を示した図である。 ホログラム記録媒体に照射される記録再生光と位置制御光との関係を示した図である。
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について説明していく。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。

〜第1の実施の形態〜
<1.記録媒体の構成>
[1-1.断面構造]
[1-2.位置制御情報記録層の構造]
[1-3.アドレス情報のフォーマット]
<2.記録再生装置の構成>
[2-1.ホログラムの記録再生系及び位置制御のための光学系]
[2-2.任意スパイラルピッチの実現手法]
[2-3.スポット位置制御のための構成]
<3.第1の実施の形態のまとめ>
〜第2の実施の形態〜
<4.第2の実施の形態の手法>
<5.第2の実施の形態の構成>
〜変形例〜
〜第1の実施の形態〜
<1.記録媒体の構成>
[1-1.断面構造]

図1は、本発明で用いるディスク状記録媒体の一実施形態としてのホログラム記録媒体HMの断面構造を示している。
先ず、本実施の形態のホログラム記録媒体HMは、反射型の記録媒体とされ、図示されるように反射膜L3と反射膜L5とを有している。また、このホログラム記録媒体HMには、ホログラムの記録/再生が行われる記録層L2と、図中の基板L6上の凹凸断面構造により位置制御のためのアドレス情報等の記録が行われた位置制御情報記録層とがそれぞれ別々に形成されている。
また、本実施の形態のホログラム記録媒体HMは、ディスク状の記録媒体とされる。
図示するようにホログラム記録媒体HMには、上層から順にカバー層L1、記録層L2、反射膜L3、中間層L4、反射膜L5、基板L6が形成されている。
上記カバー層L1は、例えばプラスチック基板やガラス板などで構成され、記録層L2の保護のために設けられている。
上記記録層L2は、その材料として例えばフォトポリマーが選定され、後の図5にて説明する第1レーザ2を光源とする青紫色レーザ光(例えば波長λ=405nm程度)によるホログラムの記録/再生が行われることになる。
また、反射膜L3は、再生時において上記青紫色レーザ光による参照光が照射され上記記録層L2に記録された干渉縞(データ)に応じた再生光が得られた際に、これを反射光として記録再生装置側に戻すために設けられる。
基板L6と反射膜L5は、記録/再生位置制御のために設けられている。
基板L6には、スパイラル状又は同心円状に、上記記録層L2におけるホログラムの記録/再生位置を案内するためのピット列が形成されている。この場合、上記ピット列は、後述するようにしてピットの形成有無のパターンによってアドレス情報等の情報記録が行われることにより形成される。
上記基板L6における上記ピット列が形成された面(表面)に対しては、反射膜L5が、例えばスパッタリングや蒸着などによって成膜される。この反射膜L5と上述した反射膜L3との間に形成される中間層L4は、例えばレジンなどの接着材料とされる。
ここで、後述もするように、本実施の形態では、図5に示す第2レーザ20を光源とする赤色レーザ光(例えば波長λ=650nm程度)をホログラム記録媒体HMに照射し、これにより上記反射膜L5から得られる反射光を利用した位置制御(トラッキングサーボ制御など)を行うことで、上記青紫色レーザ光によるホログラムの記録/再生位置の制御が行われる。
この場合において、適正に位置制御が行われるようにするためには、上記赤色レーザ光が、位置制御のための凹凸断面形状が与えられた反射膜L5まで到達しなければならい。すなわち、上記赤色レーザ光は、上記反射膜L5よりも上層に形成される反射膜L3を透過する必要がある。
一方で、反射膜L3としては、記録層L2に記録されたホログラムに応じた再生光が反射光として記録再生装置側に戻されるべく、青紫色レーザ光を反射する必要がある。
これらの点から、上記反射膜L3としては、ホログラムの記録/再生のための青紫色レーザ光は透過し、位置制御用の赤色レーザ光は透過するという、波長選択性を有する反射膜を用いるようにされている。すなわち、上記青紫色レーザ光としての特定の波長帯による光は反射し、それ以外の波長帯の光は透過するという波長選択性を有するものである。
このような波長選択性を有する反射膜L3とされることで、赤色レーザ光が適正に反射膜L5に到達して位置制御のための反射光が記録再生装置側にて適正に検出されると共に、記録層L2に記録されたホログラムの再生光が記録再生装置にて適正に検出されるように図られている。
[1-2.位置制御情報記録層の構造]

図2は、ホログラム記録媒体HMにおける位置制御情報記録層(基板L6上の凹凸が反射膜L5に反映されて形成される)の表面を一部拡大して示した図(平面図)である。
本実施の形態のホログラム記録媒体HMは、位置制御情報記録層におけるピット列の配列に特徴を有するものである。
先ず、図2においては、紙面の左側から右側に向かう方向をピット列の形成方向、つまりはトラックの形成方向としている。上述した位置制御のための赤色レーザ光のスポットは、ホログラム記録媒体HMの回転駆動に伴い、紙面の左側から右側に移動するものとする。
また、ピット列の形成方向と直交する方向(紙面の縦方向)は、ホログラム記録媒体HMの半径方向である。
また図2において、図中の白丸で示すA〜Fは、ピットの形成可能位置を表す。すなわち、位置制御情報記録層において、ピットは、当該ピットの形成可能位置においてのみ形成されるものであって、ピットの形成可能位置以外にはピットの形成が行われない。
また、図中のA〜Fの符号の別はピット列の別(半径方向において配列されるピット列の別)を表し、これらA〜Fの符号に付される数字はピット列上におけるピットの形成可能位置の別を表す。
ここで、図中の黒太線で表す間隔は、従来のホログラム記録媒体100において実現可能な最小トラックピッチ(従来限界のトラックピッチ)を表している。このことからも理解されるように、本実施の形態のホログラム記録媒体HMでは、A〜Fの計6本のピット列が、半径方向において、従来限界の1トラックの幅内に配列されていることになる。
但し、従来限界の1トラック幅内にこれら複数のピット列を単純に配列したのみでは、ピット列形成方向においてピットの形成位置が重なってしまう虞があり、つまりはピット列形成方向におけるピットの間隔が光学限界を超えてしまう虞がある。
また本実施の形態では、後述する任意スパイラルピッチの実現手法を採る関係から、記録再生装置側においてA〜Fの各ピット列についてのトラッキング誤差信号を、それぞれ個別に得ることが可能とされている必要がある。
つまりこの点においても、各ピット列の配列には工夫が施される必要がある。
そこで本実施の形態においては、位置制御情報記録層に形成される各ピット列について、以下のような条件を定めている。
すなわち、

1)A〜Fの各ピット列において、ピットの形成可能位置の間隔を所定の第1の間隔に制限する。
2)このようにピットの形成可能位置の間隔が制限されたA〜Fの各ピット列を、それぞれのピットの形成可能位置がピット列形成方向において所定の第2の間隔ずつずれたものとなるようにして配列する(つまり上記第2の間隔で各ピット列の位相をずらす)。

というものである。
ここで、半径方向に配列されるA〜Fのピット列におけるそれぞれのピットの形成可能位置のピット列形成方向における間隔(上記第2の間隔)をnとおく。このとき、上記2)の条件が満たされるようにA〜Fの各ピット列が配列されることで、ピット列A−B、ピット列B−C、ピット列C−D、ピット列D−E、ピット列E−F、及びピット列F−Aの各ピット形成可能位置間の間隔は、図示するように全てnとなる。
また、A〜Fの各ピット列におけるピット形成可能位置の間隔(上記第1の間隔)は、この場合はA〜Fまでの計6つのピット列位相を実現するものとしているので、6nとなる。
このことからも理解されるように、本実施の形態のホログラム記録媒体HMにおいては、それぞれが異なるピット列位相を有するA〜Fの複数のピット列は、それぞれ、その基本周期は上記6nとされた上で、それぞれの位相が上記nだけずらされて形成されることになる。
これにより、後述する「任意スパイラルピッチの実現手法」において、A〜Fの各ピット列についてのトラッキング誤差信号をそれぞれ個別に得ることが可能とされる。
また同時に、本例の場合のようにA〜Fの各ピット列を従来限界の1トラック幅内に配列する場合において、ピット列形成方向におけるピットの間隔が光学限界を超えてしまうことの防止が図られる。
なお確認のために述べておくと、上記のようにA〜Fのピット列を従来限界の1トラック幅内に配列し、各ピット列の半径方向における形成ピッチを狭めているのは、後述する「任意スパイラルピッチの実現手法」によるスポット位置制御が、より高精度に行われるように図るためである。
ここで、本実施の形態において、位置制御情報記録層における情報再生は、DVD(Digital Versatile Disc)の場合と同様の波長λ=650、開口数NA=0.65の条件で行うものとしている。このことに対応して本実施の形態では、具体的には、各ピット形成可能位置の区間長はDVDにおける最短マークと同じ3T分の区間長とし、またピット列形成方向におけるA〜Fの各ピット形成可能位置のエッジ間の間隔も、同様の3T分の長さに設定している。
この結果、上記1)2)の条件が満たされるものとなっている。
続いて、位置制御情報記録層全体におけるピットの形成態様について理解するために、次の図3を参照してより具体的なピット列の形成手法について説明する。
なお図3では、ホログラム記録媒体HMの位置制御情報記録層にて形成されるピット列の一部(7本分)を模式的に示している。図中において、黒丸はピット形成可能位置を表す。
この図3を参照して分かるように、本実施の形態のホログラム記録媒体HMにおいては、ピット列をスパイラル状に形成するものとしている。
そして、本実施の形態では、ピット列の1周ごとに、ピット列位相が上記第2の間隔(「n」)の分だけずらされるようにしてピット形成可能位置を定めることで、半径方向に配列されるピット列に関して、先に挙げた1)及び2)の条件が満たされるようにしている。
例えば、図3に示す例では、ピット列の1周目ではピット列Aとしてのピット列位相が得られるようにピット形成可能位置が定められており、図中の1周開始位置(所定の角度位置)を基準としたピット列の2周目には、ピット列Bとしてのピット列位相が得られるようにピット形成可能位置が定められている。以降も同様に、3周目にはピット列Cとしてのピット列位相が得られるようにピット形成可能位置が定められ、4周目にはピット列D、5周目にはピット列E、6周目にはピット列F、7周目には再びピット列Aといったように、ピット列の1周ごとに、ピット列位相が第2の間隔nの分だけずらされるように、ピット列の各周におけるピット形成可能位置が定められている。
[1-3.アドレス情報のフォーマット]

続いて、図4により、位置制御情報記録層に記録するアドレス情報のフォーマットの一例について説明する。
図4において、先ず図4(a)は、それぞれ異なるピット列位相を有するようにされた各ピット列(A〜F)のピット形成可能位置の関係を模式化して示している。なお図4(a)においては「*」マークによりピット形成可能位置を表している。
ここで、後に説明するように、本実施の形態の記録再生装置(記録再生装置1)は、これらA〜Fのピット列のうちから1つのピット列を選択し、該選択した1つのピット列を対象としてトラッキングサーボをかけるということを行う。
但し、このとき問題となるのは、上述したホログラム記録媒体HMにおける位置制御情報記録層において、光スポットがトラック上を移動(走査)して得られるトラッキング誤差信号としては、A〜Fの全てのピットを反映したものとなってしまうという点である。すなわちこの場合において、光スポットが位置制御情報記録層を走査して得られるトラッキング誤差信号そのものに基づいてトラッキングサーボをかけたとしても、選択した1つのピット列を追従することはできないものとなる。
このために本実施の形態の記録再生装置は、後述するように、選択したピット列におけるピット形成可能位置の区間のトラッキング誤差信号を抽出し、該抽出したトラッキング誤差信号に基づいて(いわば間欠的に)トラッキングサーボをかけるという手法を採るものとしている。
そして、これと同様に、アドレス情報を読む場合にも、選択したピット列に記録される情報のみが選択的に読み出されるように、該選択したピット列のピット形成可能位置の区間の和信号(後述のsum信号)を抽出し、該抽出した和信号に基づきアドレス情報を検出するという手法が採られる。
このような情報検出の手法に対応するために、本実施の形態では、ピット形成可能位置におけるピットの形成有無により、チャネルデータの「0」「1」を表現するフォーマットを採用するものとしている。すなわち、1つのピット形成可能位置が、1チャネルビット分の情報を担うものである。
その上で本実施の形態では、このようなチャネルビットの複数個による「0」「1」のデータパターンにより、データビットの1ビットを表現するものとしている。
具体的に本例では、図4(b)に示されるように、チャネルビット4つ分でデータビットの「0」「1」を表現するものとし、例えば4チャネルビットのパターン「1011」がデータビット「0」、4チャネルビットのパターン「1101」がデータビット「1」を表すものとしている。
このとき重要であるのは、チャネルビット「0」が連続しないという点である。つまり、チャネルビット「0」が連続してしまうということは、上述のようにトラッキング誤差信号を間欠的に用いてサーボを行うとしたときに、誤差信号が得られない期間が連続してしまうということ意味するので、これに伴い、トラッキングサーボの精度を確保することが非常に困難となってしまうためである。
このために本実施の形態では、例えば上記のようなデータビットの定義により、チャネルビット「0」が連続しないという条件が満たされるようにしている。すなわち上記のようなデータビットの定義により、トラッキングサーボの精度低下が最小限に抑えられるようにしているものである。
図4(c)は、シンクパターンの一例を示している。
例えばシンクパターンについては、図示するように12チャネルビットで表現するものとし、前半の8ビットを上記データビットの定義に当てはまらないチャネルビットパターン「11111111」とし、その後の4チャネルビットのパターンでシンクの別(種類)を表すものとしている。具体的に、上記8ビットに続く4チャネルビットのパターンが「1011」であればSync1、「1101」であればSync2としている。
本実施の形態のホログラム記録媒体HMにおいては、アドレス情報が、上記のようなシンクの後に続けて記録されているものとする。
ここでアドレス情報としては、少なくとも半径位置の情報、及び角度位置の情報を記録する。
なお確認のために述べておくと、本例では従来限界の1トラック幅内にA〜Fの複数本のピット列を配列するものとしているが、アドレス情報の記録は、各ピット列の半径位置が個別に表されるように、ピット列ごとに個別の情報が割り振られるようにして行う。すなわち、従来限界の1トラック幅内に配列されるA〜Fの各ピット列に対し同じアドレス情報を記録するものではない。
<2.記録再生装置の構成>
[2-1.ホログラムの記録再生系及び位置制御のための光学系]

図5は、上記により説明した実施の形態としてのホログラム記録媒体HMに対応して情報の記録再生を行う記録再生装置1の内部構成として、主にホログラムの記録再生系、及び位置制御のための光学系の構成のみを抽出して示した図である。
先ず、本実施の形態の記録再生装置1は、ホログラム記録再生方式として、いわゆるコアキシャル方式を採用するものである。すなわち、信号光と参照光とを同一軸上に配置し、それらを共に所定位置にセットされたホログラム記録媒体HMに照射して干渉縞による情報記録を行い、また再生時には参照光をホログラム記録媒体HMに対して照射することで干渉縞により記録された情報の再生を行うものである。
図5において、記録再生装置1内には、ホログラム記録媒体HMを回転駆動するためのスピンドルモータ29が設けられている。記録再生装置1内にホログラム記録媒体HMが装填されると、上記スピンドルモータ29によってホログラム記録媒体HMが回転駆動可能な状態に保持される。
このように保持されるホログラム記録媒体HMに対して、図中の第1レーザ2を光源とするレーザ光が照射されることによってホログラムページの記録/再生が行われることになる。
上記第1レーザ2は、例えば外部共振器付きレーザダイオードとされ、波長λ=405nm程度による青紫色レーザ光を出力する。以下、当該第1レーザ2を光源とするレーザ光は、記録再生用レーザ光、或いは第1レーザ光とも称する。
上記第1レーザ2から出射された記録再生用レーザ光は、アイソレータ3を介してIS(イメージスタビライズ)機能部4内に備えられるAOM(音響光学変調器)4A→AOD(音響光学偏向器)4Bを介した後、エキスパンダ5で所要のビーム径に調整され、ミラー6→ミラー7を介してSLM(空間光変調器)8に入射する。
なお、IS機能部4については後述する。
SLM8は、入射される記録再生光に対し、上述した参照光と信号光を生成するための空間光変調を行う。このSLM8としては、例えば複数の微少ミラーを配列した回折型の空間光変調器や、液晶パネルを用いたものなど、画素単位で空間光変調を施す素子が選定される。このことで、記録データを反映した信号光や、所定の強度パターンを有する参照光を生成することができる。
ここで、ホログラム記録再生方式としてコアキシャル方式が採用される場合、SLM8においては、次の図6に示されるような各エリアが設定される。
この図6に示されるように、SLM8においては、その中心部に円形による信号光エリアA2が形成され、その外周部分には輪状のギャップエリアA3を介して、同じく輪状による参照光エリアA1が設定される。上記信号光エリアA2は信号光の生成領域として設定されたエリアである。同様に上記参照光エリアA1は、参照光の生成領域として設定されたエリアである。
なお、上記ギャップエリアA3は、参照光エリアA1と信号光エリアA2を介した光が互いに干渉してノイズとなってしまうことを防止するための、緩衝領域として設定されるものである。
図5に戻り、上記SLM8は、図中の変調制御部27からの駆動信号DSに基づき、記録時に上記信号光と参照光、再生時には参照光を生成するようにされる。
上記変調制御部27は、記録時には、SLM8における信号光エリアA2内の画素パターン(例えば各画素ごとのON/OFFパターン)が、入力される記録データに応じたパターンとなるようにして画素ごとの駆動信号値を設定する。また、これと共に、参照光エリアA1内の画素パターンは予め定められた所定のパターンとなるようにし、さらにギャップエリアA3を含むそれ以外のエリアは全てOFFとするような画素ごとの駆動信号値を設定する。そして、このようにして設定した値による駆動信号DSを、SLM8に供給する。これにより、記録時においてSLM8からは、記録データに応じた光強度パターンを有する信号光と、所定の光強度パターンを有する参照光とが生成される。
また再生時には、参照光エリアA1内の画素パターンのみが予め定められた所定のパターンとなるようにし、それ以外のエリアは全てOFFとするような駆動信号値を設定してSLM8の各画素を駆動することで、SLM8から参照光のみが出力されるようにする。
上記SLM8にて空間光変調が施された光は、図示するようにして偏光ビームスプリッタ9に入射する。偏光ビームスプリッタ9は、このようにSLM8から入射した記録再生用レーザ光を透過する。
上記偏光ビームスプリッタ9を透過したレーザ光は、リレーレンズ10→リレーレンズ11によるリレーレンズ系を介した後、ダイクロイックミラー12に入射する。
ダイクロイックミラー12は、波長選択性を有し、上記リレーレンズ系を介して入射する記録再生用レーザ光は透過し、後述する第2レーザ20を光源とする位置制御用レーザ光は反射するように構成されている。
従って上記リレーレンズ系を介した記録再生用レーザ光は、当該ダイクロイックミラー12を透過する。
ダイクロイックミラー12を透過した記録再生用レーザ光は、図示するようにミラー13でその光軸が90°折り曲げられて1/4波長板14に入射する。そして1/4波長板14を介した記録再生用レーザ光は、対物レンズ15を介してホログラム記録媒体HMに照射される。
対物レンズ15は、フォーカスアクチュエータ16Bによってフォーカス方向(ホログラム記録媒体HMに接離する方向)に変位可能に保持される。また、[対物レンズ15・フォーカスアクチュエータ16B・1/4波長板14・ミラー13]は、トラッキングアクチュエータ16Aにより一体的にトラッキング方向(ホログラム記録媒体HMの半径方向)に変位可能とされている。
トラッキングアクチュエータ16A、フォーカスアクチュエータ16Bに対しては、後述するサーボ回路35(図11を参照)からのトラッキングドライブ信号TD、フォーカスドライブ信号FDがそれぞれ供給される。これにより、対物レンズ15を介してホログラム記録媒体HMに照射される光とホログラム記録媒体HMとのトラッキング方向における相対位置関係の制御、及び対物レンズ15を介してホログラム記録媒体HMに照射される光のフォーカシング制御が行われ、フォーカス・トラッキングの各サーボ動作やトラックジャンプなどの動作が実現されるようになっている。
なお、図示の都合により省略したが、実際には、上記対物レンズ15を含む図中の光学ピックアップOPとホログラム記録媒体HMとのトラッキング方向における位置関係を変化させるためのスライド機構も設けられるものとなる。
ここで、先に説明したSLM8による記録時の空間光変調によっては、第1レーザ2を光源とする記録再生用レーザ光に基づき信号光と参照光とが生成されることになる。すなわち、記録時においては、これら信号光と参照光とがホログラム記録媒体HMに対して照射され、これに応じホログラム記録媒体HM(記録層L2)には、これら信号光と参照光との干渉縞(ホログラム)によってデータが記録されることになる。
また、再生時には、SLM8によって参照光のみが生成され、これが上記により説明した光路によってホログラム記録媒体HMに対して照射されることになる。このようにホログラム記録媒体HMに対して参照光が照射されることに応じては、上記干渉縞に応じた回折光(再生像)が得られる。このようにして得られた再生像は、ホログラム記録媒体HMに形成された反射膜L3からの反射光として装置側に戻されるようになる。
この戻り光は、対物レンズ15を介して平行光となるようにされた後、1/4波長板14→ミラー13を経てさらにダイクロイックミラー12→リレーレンズ11→リレーレンズ10を介した後、偏光ビームスプリッタ9に入射する。
ここで、このように偏光ビームスプリッタ9に入射したホログラム記録媒体HMからの戻り光は、1/4波長板14とホログラム記録媒体HMに形成された反射膜(L3)との作用により、往路において偏光ビームスプリッタ9を透過した直線偏光とは偏光方向が直交する直線偏光となっている。このことで、上記ホログラム記録媒体HMからの戻り光は、偏光ビームスプリッタ9を反射する。
偏光ビームスプリッタ9で反射された上記戻り光は、図示するようにしてリレーレンズ17→リレーレンズ18によるリレーレンズ系を介してイメージセンサ19に入射する。
イメージセンサ19は、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどとされ、上記のようにして入射されるホログラム記録媒体HMからの戻り光(再生像)を受光し、これを電気信号に変換して画像信号を得る。このようにして得られた画像信号は、記録時に信号光に対して与えた光強度パターン(つまり「0」「1」パターン)を反映したものとなる。すなわち、このようにしてイメージセンサ19で検出される画像信号が、ホログラム記録媒体HMに対して記録されたデータの読出信号となる。
なお、イメージセンサ19にて得られた上記読出信号(画像信号)は、読出信号D-imgとする。
データ再生部28は、上記イメージセンサ19にて得られた読出信号D-imgを入力し、所定の信号処理(デコード処理)を行うことで、「0」「1」の2値の組み合わせから成る記録データの再生を行う。
なお、このような「0」「1」による記録データを再生するにあたっては、イメージセンサ19による読出信号D-imgについて、SLM8のデータピクセル単位で「0」「1」のデータ識別を行うための信号処理が行われる。このようにイメージセンサ19の出力から「0」「1」の記録データを再生するための再生信号処理の手法としては各種が存在し、ここで特に限定されるべきものではない。
ここで、上記により説明したホログラムの記録/再生手法を踏まえた上で、先に触れたIS機能部4について説明しておく。
本実施の形態の場合のようにホログラム記録媒体HMを回転駆動してホログラムの記録/再生を行うとした場合には、記録再生用レーザ光が記録媒体上の同じ位置に対して所定時間照射され続けるようにするために、記録再生用レーザ光を一定間隔ごとにスキャンするといったことが行われる。すなわち、このようなレーザ光のスキャンを行うことで、例えば記録時には干渉縞の形成がより確実に行われるように図ることができ、また再生時には検出光量を増大してより確実な読み出しが行われるように図ることができる。このようにして、所定時間だけ記録再生用レーザ光が記録媒体上の同じ位置に対して照射されるようにして上記のような一定間隔ごとのスキャンを行う機能は、IS(イメージスタビライズ)機能と呼ばれる。
図5において、IS機能部4には、図のようにAOM4AとAOD4B、及びこれらを駆動制御するためのIS制御部4Cが設けられる。
AOM4Aは、例えば百数十MHz程度の高周波信号により駆動され、当該高周波信号の振幅の変化に応じ透過率が変化する素子(音響光学媒体)を備えて構成される。すなわち、このような透過率の変化により、シャッタとしての機能を実現する。
また、AOD4Bは、AOM4Aと同様に高周波信号により駆動されるが、高周波信号の周波数の変化に応じて、光の偏向角度を変化させるように構成された音響光学媒体を備えて構成される。AOD4Bは、このような偏向角度の制御により、入射するレーザ光を走査させる。
ここで、IS機能としてレーザ光を順次各位置に一定時間照射するためには、レーザスポットを或る位置から次の位置に移動させる間の、ブランキング期間が必要となる。そして、このブランキング期間において、レーザ光が照射され続けてしまうと、少なからず記録材料が反応してしまうため、特に記録時には、記録済みのホログラム(回折格子)にレーザスポットの移動に伴う残像が付加されるなどして、ノイズの原因となってしまう。
このためにIS機能の実現にあたっては、レーザ光を走査させるための手段(AOD4B)と共に、上記ブランキング期間においてレーザ光の透過率を著しく低下させて記録材料の反応を防止するためのシャッタ(AOM4A)とが必要となるものである。
IS機能部4において、IS制御部4Cは、上述したイメージスタビライズ機能を実現するためのレーザ光の偏向角度・透過率の変化が与えられるようにして、AOM4A、AOD4Bを駆動制御する。具体的に、AOD4Bに対しては、上述した一定間隔ごとのスキャン動作が得られるようにするための鋸歯状波形による駆動信号を供給し、一方、AOM4Aに対しては、AOD4Bによるスキャン期間にはレーザ光が透過し、該スキャン期間の合間のブランキング期間にはレーザ光が遮断されるようにするための矩形波形による駆動信号を供給する。これによりIS機能が実現される。
なお図示もしているように、上記AOM4Aに代えてメカシャッタを用いることもできる。
続いて、記録再生用レーザ光による記録/再生位置の制御を行うための光学系について説明する。
図5において、このような位置制御のための光学系は、第2レーザ20、レンズ21、コリメーションレンズ22,偏光ビームスプリッタ23、集光レンズ24、レンズ25、及びフォトディテクタ26で構成される。
上記第2レーザ20は、第1レーザ2を光源とする記録再生用レーザ光とは波長の異なるレーザ光を出力するように構成される。具体的にこの場合は、DVDなどと同様の波長650nm程度の赤色レーザ光を出力するように構成されている。
第2レーザ20からの出射光は、レンズ21→コリメーションレンズ22を介した後、偏光ビームスプリッタ23を透過してダイクロイックミラー12に入射する。
先にも述べたように、ダイクロイックミラー12は、第2レーザ20からの位置制御用レーザ光は反射するように構成されている。ダイクロイックミラー12で反射された位置制御用レーザ光は、先に説明した記録再生用レーザ光の場合と同様に、ミラー13→1/4波長板14→対物レンズ15を介してホログラム記録媒体HMに照射される。
なお、この説明からも理解されるように、上記ダイクロイックミラー12は、記録再生用レーザ光と位置制御用レーザ光とが同一光軸上に合成されてホログラム記録媒体HMに対して照射されるようにして設けられた素子となる。
上記のようにしてホログラム記録媒体HMに対して照射された位置制御用レーザ光は、先に説明した反射膜L3が波長選択性を有することで、その下層側に設けられた反射膜L5(位置制御情報記録層)に到達する。つまりこれにより、位置制御情報記録層に形成されたピット列を反映した反射光が得られる。反射膜L5からの上記反射光(戻り光)は、対物レンズ15を介して装置側に戻される。
対物レンズ15を介した位置制御用レーザ光の戻り光は、1/4波長板14→ミラー13を介してダイクロイックミラー12に入射する。ダイクロイックミラー12では、上記位置制御用レーザ光の戻り光が反射され、その反射光は偏光ビームスプリッタ23に入射する。先の偏光ビームスプリッタ9の場合と同様に、偏光ビームスプリッタ23では、このようにして入射した戻り光が反射されることになる。この結果、位置制御用レーザ光の戻り光は、図のように集光レンズ24→レンズ25を介してフォトディテクタ26に対して照射されることになる。
フォトディテクタ26は、上記のようにして照射された位置制御用レーザ光の戻り光を受光して、ホログラム記録媒体HMにおける位置制御情報記録層に形成されたピット列に応じた受光信号D-pdを得る。
このようにしてフォトディテクタ26で得られた位置制御用レーザ光の受光信号(反射光信号)D-pdに基づき、以下において説明するような実施の形態としてのスポット位置の微調整制御や、アドレス情報の検出などを行うことができる。
なお、実施の形態としてのスポットの位置微調整及びアドレス情報の検出を実現するための具体的な構成については後に改めて説明する。
[2-2.任意スパイラルピッチの実現手法]

上記による記録再生装置1の構成の説明を踏まえた上で、以下、実施の形態としての任意スパイラルピッチの実現手法について説明する。
先ずは図7を参照して、任意スパイラルピッチの実現手法の概要について説明しておく。
なお図7は、ホログラム記録媒体HMに形成されるそれぞれ異なるピット列位相を有するA〜Fの1セットのピット列(の一部)と、光スポットの移動軌跡とを示している。
この図7に示されるように、予め形成されたピット列のピッチに依らぬ任意のスパイラルピッチを実現するにあたっては、ホログラム記録媒体HMの回転に伴い移動する光スポットが、順次ピット列を跨いでいく(渡っていく)ようにすればよい。すなわち、このようにピット列を渡っていく間隔を、実現したいスパイラルピッチに応じて予め定めておくことで、任意のスパイラルピッチを実現することができる。
本実施の形態において、上記のような光スポットの移動は、トラッキングサーボループに対してオフセットを与えることで実現する。具体的には、トラッキングサーボをオンとした状態で、時間経過と共にその値が上昇していくオフセットをトラッキングサーボループに対し与えることで、光スポットがサーボ対象のピット列から徐々に離間していくようにする。そして、光スポットがサーボ対象のピット列から或る程度離間したところで、サーボ対象ピット列を外周側に隣接するピット列に切り換えて、同様にトラッキングサーボループに対して時間経過と共に値が上昇するオフセットを与えることで、光スポットが新たにサーボ対象に切り換えられたピット列から徐々に外周側に離間していくようにする。
このようなトラッキングサーボループに対するオフセットの付与と、サーボ対象ピット列の順次の切り換えとを繰り返し行い、いわば綱渡り的に光スポットが各ピット列を跨いでいくようにすることで、形成されたピット列のピッチによらぬスパイラルピッチを実現できる。このとき、トラッキングサーボループに与える上記オフセットの傾きの設定により、スパイラルピッチを任意に設定できる。
ここで、上記説明からも理解されるように、本実施の形態の手法においては、サーボ対象とするピット列をピット列A→ピット列B→ピット列C・・・のように外周側に隣接するピット列に順次切り替えていくことが必要となる。
このとき、上記のようにサーボ対象とするピット列を順次切り替えていくという動作を実現するためには、A〜Fの各位相によるピット列についてのトラッキング誤差信号が、それぞれ個別に得られるようにすることが必要となる。すなわち、A〜Fの各ピット列に対するトラッキング誤差信号を区別できなければ、そもそもサーボ対象とするピット列を切り換えるということはできないものとなる。
以下では先ず、図8〜図10を参照して、上記のようなA〜Fの各ピット列ごとのトラッキング誤差信号を個別に得るための手法について説明する。
図8は、ホログラム記録媒体HMの回転駆動に伴い位置制御情報記録層上を位置制御光のスポットが移動する様子と、その際に得られるsum信号、sum微分信号、及びPP(Push Pull)信号の波形との関係を模式的に示している。
上記sum信号は、図5に示したフォトディテクタ26としての複数の受光素子で得られた受光信号D-pdの和信号であり、上記sum微分信号はsum信号を微分して得られる信号である。上記PP信号は、上記フォトディテクタ26の受光信号から、ピットに対するスポット位置のトラッキング方向における位置ずれ量を表すように計算されたトラッキング誤差信号となる。
ここで、この図8では説明の便宜上、図中の各ピット形成可能位置の全てにピットが形成されているものとする。
図示するようにして、ホログラム記録媒体HMの回転に伴い位置制御光のビームスポットが移動することに伴っては、sum信号は、A〜Fの各ピットのピット列形成方向における配置間隔に応じた周期でその信号レベルがピークを迎えることになる。つまりこのsum信号は、A〜Fの各ピットのピット列形成方向における間隔(形成周期)を表していることになる。
ここで、この図の例では光スポットがピット列A上に沿って移動するものとしているので、上記sum信号は、ピット列形成方向におけるピットAの形成位置の通過時にピーク値が最大となり、またピットB〜ピットDの各形成位置にかけて徐々にピーク値が減少していく傾向となる。そしてその後、ピットEの形成位置→ピットFの形成位置の順でピーク値は上昇傾向に転じ、再びピットAの形成位置に至ることでピーク値が最大となる。すなわち、ピット列形成方向における上記ピットE、Fの形成位置においては、内周側に隣接するピット列E、Fにおけるピットの影響を受けるので、sum信号のピーク値はピットE、Fの形成位置ごとで順に上昇することになる。
また、上記sum信号を微分して生成されるsum微分信号、及びトラッキング誤差信号としてのPP信号としては、それぞれ図示するような波形が得られる。
ここで注目すべきは、トラッキング誤差信号としてのPP信号は、先の図2で説明した如く所定の間隔nずつ離間されたA〜Fの各ピット形成可能位置ごとに、光スポットとピット列との相対的な位置関係を表すようにして得られるという点である。これは、本実施の形態のホログラム記録媒体HMでは、例えばA〜Fのピット列を従来の1トラック幅内に配列するなど、各ピット列を半径方向において近接して配列することができることによる。
また、上記sum微分信号は、以下で説明するようにして各ピット列A〜Fのピット形成位置(厳密にはピット形成可能位置である)のピット列形成方向における間隔に応じたクロックCLKを生成するために用いることになる。
図9は、上記クロックCLKの生成にあたって上記sum微分信号と上記sum信号とに基づき生成されるタイミング信号について説明するための図である。
本実施の形態では、クロックCLKとして、各ピットのセンター位置(ピークポジション)に相当する位置(タイミング)を立ち上がり位置(タイミング)とする信号を生成するものとしている。具体的には、先の図8にも示した所定の閾値Th1でsum信号をスライスした信号と、同様に所定の閾値Th2でsum微分信号をスライスした信号とを生成し、これらのANDをとることで上記ピークポジションに相当する立ち上がりタイミングを有するタイミング信号を生成するものである。
図10は、上記手順により生成したタイミング信号から生成されたクロックCLKと、該クロックCLKに基づき生成された各selector信号の波形と、ホログラム記録媒体HMの位置制御情報記録層に形成された各ピット列(の一部)との関係を模式化して示している。
この図に示すように、クロックCLKとしては、各ピット(ピット形成可能位置)のピークポジションに対応したタイミングで立ち上がり、且つ各立ち上がり位置間の中間点が立ち下がり位置とされた信号となる。
このようなクロックCLKは、上記のように生成されたタイミング信号を入力信号(基準信号)としたPLL(Phase Locked Loop)処理を行って生成する。
そして、本実施の形態では、このようにしてピットA〜Fの形成間隔に応じた周期を有するクロックCLKから、A〜Fの個々のピット形成可能位置のタイミングを表す6種のselector信号を生成する。具体的にこれらselector信号としては、それぞれ上記クロックCLKを1/6に分周して生成されたものとなっており、且つそれぞれの位相が1/6周期ずつずらされたものとなっている。換言すれば、これら各selector信号は、それぞれの立ち上がりタイミングが1/6周期ずつずれたものとなるように、クロックCLKをそれぞれのタイミングで1/6に分周して生成されるものである。
これらselector信号は、それぞれ、A〜Fの対応するピット列のピット形成可能位置のタイミングを表す信号となる。本実施の形態では、これらselector信号を生成した上で、任意のselector信号を選択し、該選択したselector信号が表す期間内におけるPP信号に従ってトラッキングサーボ制御を行うことで、A〜Fのピット列のうちの任意のピット列上に位置制御光のビームスポットをトレースさせる。つまりこのようにすることで、A〜Fの各ピット列のうちから、サーボ対象とするピット列を任意に選択することができるものである。
このようにして、A〜Fの対応するピット列のピット形成可能位置のタイミングを表す各selector信号を生成し、これらのうち任意のselector信号を選択し、該選択したselector信号が表す期間内のトラッキング誤差信号(PP信号)に基づいてトラッキングサーボ制御を行うことで、A〜Fのうちの任意のピット列を対象としたトラッキングサーボを実現することができる。つまり上記selector信号の選択により、サーボ対象とするピット列についてのトラッキング誤差信号の切り換えを行うことができ、これによってサーボ対象とするピット列の切り換えが実現されるものである。
図11は、本実施の形態としての任意スパイラルピッチ実現のための具体的な手法について説明するための図として、任意スパイラルピッチを実現するためにトラッキングエラー信号TEに対して与えるオフセットと、ホログラム記録媒体HMの位置制御情報記録層における光スポットの移動軌跡との関係を示している。
ここで、上記トラッキングエラー信号TEは、先に説明したselector信号に基づきPP信号をサンプルホールドした信号である。すなわち、サーボ対象とするピット列についてのPP信号(トラッキング誤差信号)である。
なおこの図11では、オフセットの付与により光スポットがピット列A→ピット列Bを渡っていく様子を示している。
先ず、任意のスパイラルピッチを実現するにあたりサーボ対象のピット列を順次切り替えていくという手法を採る場合、その切り換え位置(タイミング)を予め定めておくことになる。本実施の形態では、このようなサーボ対象ピット列の切り換え位置を、隣接関係にあるピット列間の中間点となる位置(半径方向における)に設定するものとしている。
ここで、或るスパイラルピッチを実現しようとしたとき、そのスパイラルピッチの実現のために光スポットをディスク上のどの位置を通過させていけばよいかは、位置制御情報記録層のフォーマットから予め計算により求めておくことができる。つまりこのことからも理解されるように、上記のように光スポットが隣接ピット列間の中間点に至る位置は、予め計算によって求めておくことができるものとなる。
本実施の形態においては、このようにして予め計算などにより求められた上記中間点としての位置(どのアドレスブロックの何クロック目)に至ったことに応じて、サーボ対象とするピット列をそれまで対象としていたピット列の外側に隣接するピット列に切り換える。
そして本実施の形態において、光スポットのピット列間の移動は、トラッキングエラー信号TEに対して図示するような鋸歯状波によるオフセットを与えることで実現する。すなわち、このオフセットの傾きの設定により、スパイラルピッチを任意のピッチに設定できるものである。
ここで、スパイラル状のトレースを実現するためには、上記オフセットの値の上昇により光スポットが外周側に移動されるべきものとなる。
本実施の形態では、オフセットの付与は、トラッキング誤差信号TEを対象として行うものとしている。従って図11に示す波形によるオフセットについては、その極性を反転させた上でトラッキング誤差信号TEに対して加算することになる。すなわち、「誤差信号TE−オフセット」による演算によりオフセットの付与を行うものである。
本実施の形態において、このように任意スパイラルピッチ実現のために与えるオフセットは、上述のように光スポットが隣接ピット列間の中間点に至るタイミングて順次サーボ対象ピット列の切り換えを行う関係から、上記中間点ごとに極性が変化する波形となる。つまり、上記中間点となる位置に光スポットを移動させるために必要なオフセット量は、例えばピット列Aを対象としたサーボ時には「+α」、隣接するピット列Bを対象としたサーボ時には「−α」となるので、上記中間点に至るタイミングとしてのサーボ対象ピット列の切り換えタイミングにおいては、上記オフセットの極性を反転させる必要がある。この点から、この場合において与えるべきオフセットの波形は、上記のように鋸歯状波による波形となるものである。
確認のために述べておくと、このようなオフセットの波形としても、実現しようとするスパイラルピッチの情報と、位置制御情報記録層のフォーマットの情報とに基づき予め計算などにより求めるものとなる。
このようにして本実施の形態では、予め定められた鋸歯状波によるオフセットをトラッキングエラー信号TEに対して与えつつ、光スポットが、上記中間点としての予め定められた隣接ピット列間の所定位置に至るタイミングごとに、トラッキングサーボの対象とするピット列をそれまで対象としていたピット列の外側に隣接するピット列に切り換えるということを行う。
これにより、任意のスパイラルピッチが実現されるように光スポットの位置を制御することができる。
[2-3.スポット位置制御のための構成]

図12は、上記により説明した実施の形態としての任意スパイラルピッチの実現手法を実現するための、実施の形態としての記録再生装置1全体の内部構成を示している。
なお図12において、光学ピックアップOP、変調制御部27、データ再生部28、スピンドルモータ29については既に図5において説明済みであるので改めての説明は省略する。
図12において、先の図5で説明した光学ピックアップOP内のフォトディテクタ26により得られた受光信号D-pdは、マトリクス回路30に入力される。
マトリクス回路30は、上記受光信号D-pdに基づき、上述した和信号としてのsum信号、及びトラッキング誤差信号としてのPP信号、及びフォーカスエラー信号FEを生成する。
マトリクス回路30により生成された上記PP信号はサンプルホールド回路SH1に供給される。
また、上記sum信号は、クロック生成回路31に供給されると共に、アドレス検出回路34に対しても供給される。
また上記フォーカスエラー信号FEはサーボ回路34に供給される。
クロック生成回路31は、先に説明した手順に従ってクロックCLKを生成する。
図13は、クロック生成回路31の内部構成を示している。この図13に示すようにクロック生成回路31内にはスライス回路40、sum微分回路41、スライス回路42、ANDゲート回路43、及びPLL回路44が設けられている。
上記マトリクス回路30からのsum信号は、図示するようにスライス回路40とsum微分回路41とに供給される。上記スライス回路40は、設定された閾値Th1に基づき上記sum信号をスライスし、その結果を上記ANDゲート回路43に出力する。
上記sum微分回路41は、上記sum信号を微分して先に説明したsum微分信号を生成する。上記スライス回路42は、設定された閾値Th2に基づき、上記sum微分回路41により生成されたsum微分信号をスライスし、その結果を上記ANDゲート回路43に出力する。
ANDゲート回路43は、上記スライス回路41からの出力と上記スライス回路42からの出力とのANDをとり、これによって先に説明したタイミング信号を生成する。
PLL回路44は、このようにANDゲート回路43で得られたタイミング信号を入力信号としてPLL処理を行って、先に説明したクロックCLKを生成する。
図12に戻り、上記クロック生成回路31により生成された上記クロックCLKは、selector信号生成回路32に供給される。また図示の都合上省略しているが、当該クロックCLKは、必要な各部の動作クロックとしても用いられることになる(例えば制御部35、鋸歯状波生成回路37など)。
selector信号生成回路32は、上記クロックCLKに基づき、A〜Fの各ピット列のそれぞれのピット形成可能位置のタイミングを表す6種のselector信号を生成する。具体的にselector信号生成回路32は、上記クロックCLKを1/6に分周した信号として、それぞれ位相が1/6周期ずつずれた信号を生成することで、上記6種のselector信号を得る。
selector信号選択・位相調整回路33は、上記selector信号生成回路32により生成された上記6種のselector信号のうちから、後述する制御部35により指示された1つのselector信号を選択して出力する。このようなselector信号の選択指示は、制御部35が供給する図中の選択信号SLCTにより行われる。このように選択信号SLCTに基づき選択された1つのselector信号については、図のようにselector-xとも表記する。
ここで、selector信号選択・位相調整回路33は、上記制御部35が供給する調整信号ADJに基づき、selector信号の位相を調整する処理も行うものとなるがこのことについては後述する。
上記selector信号選択・位相調整回路33により選択されたselector信号(selector-x)は、サンプルホールド回路SH1、及びアドレス検出回路34に対して供給される。
サンプルホールド回路SH1は、A/D変換器を備え、マトリクス回路30から供給されたPP信号を、上記selector信号選択・位相調整回路33により選択されたselector信号の立ち上がりエッジでサンプルホールドする。
このようにしてサンプルホールド回路SH1によって上記選択されたselector信号の立ち上がりエッジでサンプルホールドされたPP信号については、図のようにトラッキングエラー信号TEと表記する。
上記トラッキングエラー信号TEは、加算器38に入力される。
上記加算器38に対しては、上記トラッキングエラー信号TEと共に、鋸歯状波生成回路37の出力信号が入力される。加算器38は、上記トラッキングエラー信号TEに対して上記鋸歯状波生成回路37の出力信号を加算し、その結果をサーボ回路36に対して出力する。
ここで、上述もしたように、オフセット値の上昇に応じて光スポットを外周側に移動させるためには、トラッキング誤差信号TEに対しては、極性を反転させたオフセット値を加算することになる。つまり上記加算器38は、「トラッキング誤差信号TE−オフセット値」による演算を行う減算器として機能させるものである。
上記鋸歯状波生成回路37は、先の図11にて説明したようにして予め計算により求めることのできる任意のスパイラルピッチ実現のための鋸歯状波を生成する。
この鋸歯状波生成回路37には、予め求められた任意のスパイラルピッチ実現のための鋸歯状波を生成するための情報として、クロック単位でトラッキングエラー信号TEに対して加算すべき値の情報が設定されている。鋸歯状波生成回路37はこのようにクロック単位で設定された値を順次、上記加算器38に対して出力する。
これにより、先の図11に示したような、トラッキングエラー信号TEに対する鋸歯状波によるオフセットの付与が実現されるようになっている。
サーボ回路36は、上記加算器38によりオフセットが付与されたトラッキングエラー信号TEに基づくサーボ演算を行ってトラッキングサーボ信号を生成すると共に、該トラッキングサーボ信号に基づき生成したトラッキングドライブ信号TDを、光学ピックアップOP内のトラッキングアクチュエータ16Aに対して供給する。
このようなトラッキングドライブ信号TDに基づき上記トラッキングアクチュエータ16Aが駆動制御されることで、第2レーザ20を光源とする位置制御用レーザ光のスポット位置は、A〜Fのピット列のうちのサーボ対象とした1のピット列から上記オフセットの付与分だけ離間した位置となるように制御される。
また、サーボ回路36は、制御部35からのジャンプ指令(ピット列ジャンプ指令)に応じて、トラッキングサーボループをオフとし、上記トラッキングドライブ信号TDとしてジャンプパルスを出力することで、ピット列間のジャンプ動作も実行させることができる。
また、サーボ回路36は、マトリクス回路30から供給されるフォーカスエラー信号FEに基づくサーボ演算を行ってフォーカスサーボ信号を生成し、これに応じたフォーカスドライブ信号FDを光学ピックアップOP内のフォーカスアクチュエータ16Bに与えることで、フォーカスサーボ制御を行う。
なお、図示は省略したが、先にも述べたように実際には光学ピックアップOP全体をトラッキング方向に移動させるためのスレッド機構が設けられ、これに対応してサーボ回路36は、トラッキングエラー信号TEに基づき生成したスレッドエラー信号や制御部35からのシーク動作制御などに基づき、上記スレッド機構を駆動制御して、光学ピックアップOP全体をトラッキング方向へ移動させるといったことも行う。
アドレス検出回路34は、上述したselector信号選択・位相調整回路33から供給されたselector信号(selector-x)が表すタイミングに従ってマトリクス回路30から供給されるsum信号のH/Lを識別した結果に基づき、ピット列により記録されたアドレス情報の検出を行う。
ここで、先の図4を参照して説明したように、本実施の形態の場合、各ピット列のアドレス情報は、そのピット列におけるピット形成可能位置でのピット形成有無を1チャネルビットの情報として記録されるものである。これに応じアドレス検出回路34は、上記selector信号の立ち上がりタイミングでsum信号のH/Lを識別することで、1チャネルビットの「0」「1」のデータ識別を行い、その結果に基づき、先の図4で説明したフォーマットに従ったアドレスデコード処理を行うことで、記録されたアドレス情報の検出(再生)を行う。
アドレス検出回路34で検出されたアドレス情報は、制御部35に対して供給される。
制御部35は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備えたマイクロコンピュータで構成され、例えば上記ROM等に格納されたプログラムに基づく各演算処理・制御処理を実行することで、記録再生装置1の全体制御を行う。
具体的に、上記制御部35は、トラッキングサーボがONの状態において、ピット列の1周回ごとにselector信号の位相を調整するための制御処理も行う。
ここで、先の図4での説明からも理解されるように、本実施の形態のホログラム記録媒体HMでは、ピット列の1周ごとにピット列位相が異なるものとなる。つまりこのことより、ピット列の1周が終了する位置(つまり次の1周の開始位置)以降では、各selector信号の位相にずれが生じる。
このため本実施の形態においては、このような1周回ごとのselector信号の位相ずれを調整するための処理を行うものとしている。具体的に制御部35は、予め定められた各周回ごとの位相調整量の情報に基づき、各周回ごとに、該当する位相調整量を図中の調整信号ADJによりselector信号選択・位相調整回路33に対して指示する。
selector信号選択・位相調整回路33は、上記調整信号ADJにより指示された位相調整量の分だけ各selector信号の位相を調整する。これにより、1周回ごとにselector信号に生じる位相ずれを補正することができる。
確認のため、図14のフローチャートにより制御部35が行う1周回ごとの位相調整制御処理の手順を示しておく。
先ず、図中のステップS101とステップS102の処理により、1周終了位置に到達、或いは記録(又は再生)終了の何れかの条件が満たされるまで待機するようにされる。
ここで、先に説明したように本実施の形態では所定の角度位置が1周回の開始位置に設定されているので、ステップS101における1周終了位置に到達したか否かの判別は、アドレス検出回路34にて検出されるアドレス情報に基づき行うことができる。
上記ステップS101において、1周終了位置に到達したとして肯定結果が得られた場合は、ステップS103に進み、現在の半径位置に応じた位相調整量を指示する調整信号ADJを出力する処理を行った後、ステップS101に戻る。
すなわち、上記「予め定められた各周回ごとの位相調整量の情報」として、この場合は各ピット列(半径位置)に対応づけてそれに対応する位相調整量の情報が格納されたテーブル情報を用いるものとしており、上記ステップS103では、当該テーブル情報に基づき、現在の半径位置に応じた位相調整量の情報を取得し、これを調整信号ADJによりselector信号選択・位相調整回路33に対して指示する。
また、上記ステップS102において、記録(又は再生)が終了したとして肯定結果が得られた場合には、この図14に示す処理動作は終了となる。
なお、上記では1周回ごとの位相調整量を予め定めておくものとしたが、例えば周回ごとの位相ずれ量に規則性がある場合などには、周回ごとに位相調整量を計算して求めるようにすることもできる。
図12に戻り、制御部35は、上記の位相調整のための制御処理と共に、任意スパイラルピッチの実現のためのサーボ対象ピット列の切り換え制御も行う。
図15は、制御部35が行うサーボ対象ピット列の切り換え制御処理の手順を示している。
先ず、図中のステップS201とステップS202の処理によっては、所定の切り換えタイミングに至った、又は記録(又は再生)終了の何れかの条件が満たされるまで待機するようにされる。
先に説明したように、本実施の形態では予めディスク上の所定位置(どのアドレスブロックの何クロック目)がサーボ対象ピット列の切り換え位置としてそれぞれ設定されている。このためステップS201における所定の切り換えタイミングに至ったか否かの判別は、アドレス検出回路34にて検出されるアドレス情報とクロックCLKとによって特定される現在の光スポット位置が、予め定められた上記所定位置と一致したか否かを判別することで行う。
このステップS201において、所定の切り換えタイミングに到達したとして肯定結果が得られた場合は、ステップS203に進み、隣接ピット列に対応する位相のselector信号の選択を指示する選択信号SLCTを出力する。すなわち、サーボ対象ピット列がそれまで選択されていたピット列から該ピット列の外側に隣接するピット列に切り換えられるべく、それまで選択されていたselector信号に対して位相が所定周期nに応じた分だけ遅れたselector信号の選択を指示する選択信号SLCTを出力するものである。
このステップS203の処理を実行すると、図のようにステップS201に戻るようにされる。
また、上記ステップS202において、記録(又は再生)が終了したとして肯定結果が得られた場合には、この図15に示す処理動作は終了となる。
<3.第1の実施の形態のまとめ>

以上のように本実施の形態では、予め定められた鋸歯状波によるオフセットをトラッキングエラー信号TEに対して与えつつ、光スポットが、隣接ピット列間における予め定められた所定位置に至るタイミングごとに、トラッキングサーボの対象とするピット列をそれまで対象としていたピット列の外側に隣接するピット列に切り換えるということを行うものとしている。
これにより、任意のスパイラルピッチが実現されるように光スポットの位置を制御することができる。
また、本実施の形態において任意のスパイラルピッチを実現するための光スポット位置制御は、トラッキングサーボがオン状態のまま行われるものであり、従ってこの場合の位置制御はクローズドループによる制御で行われるものとなる。
この点より本実施に形態によれば、任意のスパイラルピッチを実現するために必要な光スポット位置の制御を、例えばオフセットの付与のみで行うようなオープンループ制御で行う場合と比較してより高精度に行うことができる。
〜第2の実施の形態〜
<4.第2の実施の形態の手法>

続いて、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、光学系や記録媒体の個体ごとのバラツキに起因してトラッキング誤差信号の振幅にバラツキが生じる場合にも適正に任意スパイラルピッチ実現のための光スポット位置制御が行われるように図るものである。
図16は、第2の実施の形態としての任意スパイラルピッチの実現手法について説明するための図である。
この図16において、図16(a)、図16(b)の各図ではトラッキングエラー信号TEに対して与えられるオフセットの波形(鋸歯状波形)について、或るピット列からその隣接ピット列への切り換えタイミング付近での波形を主に抽出して示している。
先ず、先の第1の実施の形態で説明したように、実施の形態においては、トラッキングエラー信号TEに与えるオフセットの波形が、実現しようとするスパイラルピッチに応じて予め定められる。図16(a)は、このようにして予め定められたオフセットの波形を示している。
但し、ここで注意すべき点は、光学系の個体差やホログラム記録媒体HMの個体差などにより、PP信号(トラッキングエラー信号TE)の振幅にバラツキが生じる可能性が皆無ではないことである。
このように光学系やホログラム記録媒体HMの個体差に起因してトラッキングエラー信号TEの振幅にバラツキが生じる場合には、予め定められた波形によるオフセットを与えたのでは、理想通りのピッチによるスパイラルを描くように光スポット位置を制御することができなくなってしまう。
例えば、オフセットの波形設定時において、光スポットをピット列間の中間点に移動させるために必要なオフセット量をαと見積もったとする。これに対し、上記のようなトラッキングエラー信号TEのバラツキが生じることに起因して、光スポットを上記中間点に移動させるために必要なオフセット量が、実際には上記αよりも小さなβであったとする。
この場合には、設定されたオフセットの傾きは、実際に必要な傾きよりも大きなもとなってしまうので、図示するようにして、実際に光スポットが上記中間点に至るタイミングは、予め設定された上記中間点に至る理想的なタイミング(計算で求められた中間点に至るタイミング)よりも早まってしまうことになる(図中の誤差ΔT)。
このことからも理解されるように、光学系やホログラム記録媒体HMの個体差などによりトラッキングエラー信号TEの振幅にバラツキが生じる場合には、先の第1の実施の形態で説明した手法でスポット位置制御を行ったとしても、実現しようとするスパイラルピッチで光スポットを移動させることができなくなってしまう。
そこで第2の実施の形態では、以下で説明するようなスポット位置制御手法を採ることで、トラッキングエラー信号TEの振幅がばらつく場合にも正確に任意スパイラルピッチが実現できるようにする。
先ず、第2の実施の形態では、図16(b)中の<1>と示すように、実際の中間点でピット列の切り換えを行うものとしている。すなわち、光スポットが隣接ピット列間の中間点に至った実際のタイミングを検出し、該検出した実際の中間点タイミングでサーボ対象ピット列の切り換えを行うものである。
ここで、このように光スポットが実際に中間点に至るタイミングの検出は、サーボ対象とされているピット列についてのトラッキングエラー信号TEの振幅値と、このサーボ対象ピット列の外周側に隣接するピット列についてのトラッキングエラー信号TEの振幅値との絶対値の一致点を検出することで行うことができる。
例えば図16の例において、光スポットがサーボ対象ピット列とその外周側隣接ピット列との間の中間点に位置する状態では、上記サーボ対象ピット列についてのトラッキングエラー信号TEの振幅値は上述したβ、上記外周側隣接ピット列についてのトラッキングエラー信号TEの振幅値は−βとなる。
このことからも理解されるように、光スポットが実際に上記中間点に至るタイミングの検出は、サーボ対象ピット列についてのトラッキングエラー信号TEの振幅値と外周側隣接ピット列についてのトラッキングエラー信号TEの振幅値との絶対値の一致点を検出することで行うことができる。
そして第2の実施の形態では、このように実際の中間点でピット列の切り換えを行うとした上で、<2>と示すようにして、理想タイミングからの誤差ΔTに応じて、オフセットの傾き補正を行うものとしている。
すなわち、上記<1>で検出した実際の中間点のタイミングと、該中間点に至るタイミングとして予め定められた理想タイミングとの間の誤差ΔTを求め、該誤差ΔTに応じてオフセットの傾き補正を行うものである。
具体的に、このような誤差ΔTに応じたオフセットの傾き補正は、実際の中間点に至るタイミングが理想タイミングよりも早い場合には上記誤差ΔTの量に応じた分だけオフセットの傾きが小となるようにし、逆に実際の中間点に至るタイミングが理想タイミングよりも遅い場合には上記誤差ΔTの量に応じた分だけオフセットの傾きが大となるようにして行う。
このようなオフセットの傾き補正によれば、該補正後における実際の中間点に至るタイミングと理想タイミングとが一致するようにオフセットの傾きを補正することができる。つまりこれにより、上述のようなトラッキングエラー信号TEの振幅のバラツキを吸収することができ、結果、このようなトラッキングエラー信号TEの振幅バラツキが生じる場合においても、設定したスパイラルピッチが正確に実現されるようにできる。
<5.第2の実施の形態の構成>

図17は、上記により説明した第2の実施の形態としてのスポット位置制御手法を実現するための、第2の実施の形態としての記録再生装置50の内部構成を示した図である。
なおこの図17において、既にこれまでで説明した部分と同様となる部分については同一符号を付して説明を省略する。
この図17と先の図12とを比較して分かるように、第2の実施の形態の記録再生装置50は、第1の実施の形態の記録再生装置1の構成と比較して、selector信号選択・位相調整回路33がselector信号選択・位相調整回路51に変更され、また中間点検出回路52、位相比較回路53、及びゲイン調整回路54が追加された点が異なる。
また図中には反映されていないが、第2の実施の形態の場合、制御部35が行う処理内容が第1の実施の形態の場合から変更されるものとなる。
先ず、selector信号選択・位相調整回路51は、図12に示したselector信号選択・位相調整回路33と同様に制御部35からの選択信号SLCTにより指示された位相によるselector信号(selector-x)を選択・出力する点は同様となる。但しこのselector信号選択・位相調整回路51は、上記指示されたselector信号(selector-x)と共に、該selector信号(selector-x)に対して所定間隔nに応じた分だけ位相が遅れているselector信号(selector-x+1とする)を出力するようにされている。つまりサーボ対象ピット列についてのselector信号(selector-x)と共に、該サーボ対象ピット列の外周側に隣接するピット列(つまり切り換えにより次にサーボ対象ピット列となるピット列)についてのselector信号(selector-x+1)を出力するようにされているものである。
上記selector信号選択・位相調整回路51により出力されたselector信号(selector-x)は、サンプルホールド回路SH1に対して供給される。
また、selector信号選択・位相調整回路51により出力されたselector信号(selector-x+1)は、中間点検出回路52に対して供給される。
中間点検出回路52には、上記selector信号(selector-x+1)と共に、マトリクス回路30からのPP信号、及びサンプルホールド回路SH1からのトラッキングエラー信号TEが供給される。
中間点検出回路52は、これらselector信号(selector-x+1)、PP信号、及びトラッキングエラー信号TEに基づき、光スポットが隣接ピット列間の中間点に至った実際のタイミングを検出する。
図18は、上記中間点検出回路52の内部構成を示している。
図示するように中間点検出回路52内には、サンプルホールド回路SH2、反転回路55、及びコンパレータ56が設けられている。
中間点検出回路52に供給された上記selector信号(selector-x+1)は、上記サンプルホールド回路SH2に対して入力される。またこのサンプルホールド回路SH2に対してはマトリクス回路30からのPP信号も入力される。
サンプルホールド回路SH2は、上記selector信号(selector-x+1)の立ち上がりエッジで上記PP信号をサンプルホールドする。つまりこれにより、サーボ対象として選択中のピット列の外側に隣接する、次の切り換え候補(選択候補)としてのピット列についてのトラッキングエラー信号TEを得ているものである。
サンプルホールド回路SH2によるサンプルホールド処理で得られた上記次の切り換え候補ピット列についてのトラッキングエラー信号TEは、反転回路55によりその値が反転されてコンパレータ56に入力される。
コンパレータ56に対しては、上記次の切り換え候補ピット列についてのトラッキングエラー信号TEと共に、図17に示したサンプルホールド回路SH1からのトラッキングエラー信号TE(つまりサーボ対象として選択中のピット列についてのトラッキングエラー信号TE)が入力され、当該コンパレータ56は、これらの入力信号が同値となることに応じて、光スポットが実際に上記中間点に至ったことを表す中間点検出信号を出力する。
図17に戻り、上記のようにして中間点検出回路52にて得られる中間点検出信号は、制御部35と位相比較回路53とにそれぞれ供給される。
この場合の制御部35は、先の図14を参照して説明した1周回ごとの位相調整処理を行う点は、先の図12に示した制御部35と同様となる。
但しこの場合の制御部35は、サーボ対象ピット列の切り換え制御処理として、理想タイミングでの切り換え指示を行うのではなく、上記中間点検出回路52にて検出された実際の中間点のタイミングで切り換え指示を行うものとなる。すなわち、先の図15においては、ステップS201の判別処理として、予め定められたピット列切り換えタイミングとしての理想タイミングに至ったか否かを判別するものとしたが、この場合の制御部35は、当該ステップS201における所定の切り換えタイミングに至ったか否かの判別処理として、上記中間点検出回路52から上記中間点検出信号が入力されたか否かを判別する点が第1の実施の形態の場合とは異なる。
また、この場合の制御部35は、位相比較回路53に対して、予め定められた理想タイミングを逐次指示する処理も行うものとなる。つまり、制御部35には、予め定められた、光スポットが隣接ピット列間の中間点に至る位置の情報が設定されているので、該情報が示す位置と、アドレス検出回路34からのアドレス情報とクロックCLKとによって特定される現在の光スポット位置とが一致するタイミングを逐次上記位相比較回路53に対して指示することで、上記理想タイミングの指示を行う。
位相比較回路53は、中間点検出回路52から供給される中間点検出信号により示されるタイミングと、上記制御部35から指示された上記理想タイミングとの位相差を検出する。すなわち、先の図16(b)にて説明した誤差ΔTを検出するものである。
位相比較回路53は、このようにして検出した実際の中間点タイミングと理想タイミングとの誤差ΔTに応じた値をゲイン調整回路54に与える。
ゲイン調整回路54は、上記位相比較回路53から供給される上記誤差ΔTに応じた値に基づき、鋸歯状波生成回路37のゲインを調整する。
具体的に、上記ゲイン調整回路54は、実際の中間点に至るタイミングが理想タイミングよりも早かった場合(つまり上記誤差ΔTの値が正の値となる場合)には、上記誤差ΔTの値に応じた分だけ小としたゲインを上記鋸歯状波生成回路37に対して与える。逆に、実際の中間点に至るタイミングが理想タイミングよりも遅かった場合(上記誤差ΔTの値が負の値となる場合)には、上記誤差ΔTの値に応じた分だけ大としたゲインを上記鋸歯状波生成回路37に対して与える。
上記のようなゲイン調整により、実際の中間点に至るタイミングが理想タイミングよりも早い(つまり予め設定された傾きが大きかった)場合には、鋸歯状波(オフセット)の傾きを小とするように補正が行われ、また実際の中間点に至るタイミングが理想タイミングよりも遅い(予め設定された傾きが小さかった)場合には、鋸歯状波の傾きを大とするように補正が行われるようにすることができる。
これにより、実際の中間点が理想の中間点と一致するように補正を行うことができ、結果、トラッキングエラー信号TEの振幅にバラツキが生じる場合にも、設定したスパイラルピッチが正確に実現されるようにできる。
〜変形例〜

以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明としてはこれまでに説明した具体例に限定されるべきものではない。
例えばこれまでの説明では、それぞれが異なるピット列位相を有する複数のピット列として、A〜Fの計6つを設定するものとし、半径方向においてはこれら6つのパターン(ピット列位相)によるピット列が繰り返し形成されるものとしたが、上記複数のピット列の数は6つに限定されるべきものではなく、より多くの本数、或いはより少ない本数とすることもできる。
また、これまでの説明では、ピット列における各ピット形成可能位置の区間長は3T分の区間長とし、またピット列形成方向における各ピット形成可能位置のエッジ間の間隔も同様の3T分の長さに設定する場合を例示したが、これらはあくまで一例を示したものに過ぎない。これら各ピット形成可能位置の区間長、及びピット列形成方向における各ピット形成可能位置のエッジ間の間隔については、先に挙げた1)2)の条件が満たされるようにして設定されればよいものである。
またこれまでの説明では、それぞれが異なるピット列位相を有する複数のピット列に関して、内周側ほどピット列位相が進み外周側ほどピット列位相が遅れるようにピット列を配列したが、例えば逆に外周側ほどピット列位相が進み内周側ほどピット列位相が遅れるようにピット列を配列するなど、上記複数のピット列の配列パターンは、ピット列形成方向において光学限界を超えないという条件の下で様々なパターンの設定が可能である。
また、これまでの説明では、ピット列がスパイラル状に形成される場合を例示したが、同心円状に形成することもできる。
なお確認のために述べておくと、このようにピット列を同心円状に形成する場合においても、任意スパイラルピッチの実現のためのスポット位置制御手法としては、先に説明したスパイラル状とする場合と同様でよい。
また、これまでの説明では、トラッキング方向の誤差を表すトラッキング誤差信号としてPP(Push Pull)信号を用いるものとしたが、これに代えて、例えばDPD(Differential Phase Detection)トラッキング信号(位相差トラッキング信号)など、ピット位置に対するスポット位置の誤差方向(極性)が表現される信号であれば、他の信号を用いることもできる。
またこれまでの説明では、サンプルホールド後のトラッキング誤差信号(トラッキングエラー信号TE)に対して鋸歯状波によるオフセットを与えるものとしたが、鋸歯状波によるオフセットは、例えばトラッキングドライブ信号TDに与えてもよく、上記オフセットは、少なくともトラッキングサーボループ内において与えるようにすればよい。なお確認のために述べておくと、トラッキングドライブ信号TDに対してオフセット付与を行う場合には、加算するオフセット値の極性を、トラッキング誤差信号TEに対してオフセット付与する場合とは異なるものとすることになる。
また、第2の実施の形態においては、中間点検出回路52にて、サーボ対象ピット列についてのトラッキングエラー信号TEと隣接ピット列についてのトラッキングエラー信号TEの振幅値に基づいて実際の中間点の検出を行うため、この場合においては、上記2種のトラッキングエラー信号TEのうち一方にのみオフセットが付与されているという状態は避けられる必要性がある。従って第2の実施の形態においては、このような状態を避けるようにして上記オフセットを与える位置を設定する必要がある。
またこれまでの説明では、本発明の光スポット位置制御装置がホログラムの記録再生装置に適用される場合を例示したが、本発明のスポット位置制御装置としては、第1の光の照射により情報の記録(及び再生)を行うと共に、第2の光を照射した結果に基づき上記第1の光による情報の記録(及び再生)位置を制御するように構成されるものであれば、他の装置にも好適に適用することができる。
HM ホログラム記録媒体、L1 カバー層、L2 記録層、L3,L5 反射膜、L4 中間層、L6 基板、1,50 記録再生装置、2 第1レーザ、3 アイソレータ、4 IS(イメージスタビライズ)機能部、4A AOM、4B AOD、4C IS制御部、5 エキスパンダ、6,7,13 ミラー、8 SLM(空間光変調器)、9,23 偏光ビームスプリッタ、10,11,17,18 リレーレンズ、12 ダイクロイックミラー、14 1/4波長板、15 対物レンズ、16A トラッキングアクチュエータ、16B フォーカスアクチュエータ、19 イメージセンサ、20 第2レーザ、21,25 レンズ、22 コリメーションレンズ、24 集光レンズ、26 フォトディテクタ、OP 光学ピックアップ、27 変調制御部、28 データ再生部、29 スピンドルモータ、30 マトリクス回路、31 クロック生成回路、32 selector信号生成回路、33,51 selector信号選択・位相調整回路、34 アドレス検出回路、35 制御部、36 サーボ回路、SH1,SH2 サンプルホールド回路、37 鋸歯状波生成回路、38 加算器、40,42 スライス回路、41 sum微分回路、43 ANDゲート回路、44 PLL回路、52 中間点検出回路、53 位相比較回路、54 ゲイン調整回路、55 反転回路、56 コンパレータ

Claims (6)

  1. 1周回におけるピットの形成可能位置の間隔が所定の第1の間隔に制限されたピット列がスパイラル状又は同心円状に形成されていると共に、半径方向に配列されるピット列において、上記ピットの形成可能位置のピット列形成方向における間隔が所定の第2の間隔ずつずれた位置に設定されて、複数のピット列位相を有しているディスク状記録媒体に対し、第1の光を照射するための第1の光源と、
    上記ディスク状記録媒体に対し第2の光を照射するための第2の光源と、
    上記第1の光と上記第2の光とが入射され、これら第1の光及び第2の光の上記ディスク状記録媒体に対する出力端となる対物レンズと、
    上記対物レンズを介して照射される上記第1及び第2の光の光軸と上記ディスク状記録媒体との上記半径方向における相対的な位置関係を変化させ、上記第1及び第2の光についてのトラッキング制御を行うように構成されたトラッキング制御機構と、
    上記第2の光が上記ディスク状記録媒体に照射されることに応じて得られる、上記ピットの形成パターンを反映したピット反映光を受光する受光部と、
    上記受光部により得られた受光信号に基づき、上記ディスク状記録媒体に形成されたピットに対する上記第2の光のスポットの上記半径方向における位置誤差を表す誤差信号を生成する誤差信号生成部と、
    上記受光部により得られた受光信号に基づき、上記ピットの形成可能位置の間隔に応じたクロックを生成するクロック生成部と、
    上記クロック生成部により生成されたクロックに基づき、上記ディスク状記録媒体に形成されたそれぞれ異なるピット列位相を有する複数のピット列のそれぞれにおける上記ピットの形成可能位置のタイミングをそれぞれ表す複数のタイミング選択信号を生成するタイミング選択信号生成部と、
    上記タイミング選択信号生成部により生成された上記複数のタイミング選択信号から、指示された1のタイミング選択信号を選択するタイミング選択信号選択部と、
    上記タイミング選択信号選択部によって選択された上記タイミング選択信号に基づき上記誤差信号生成部により生成された上記誤差信号をサンプルホールドする誤差信号サンプルホールド部と、
    上記誤差信号サンプルホールド部によるサンプルホールド後の上記誤差信号に基づき、上記第2の光のスポットのトラッキングサーボが行われるように上記トラッキング制御機構を制御するサーボ制御部と、
    定められた所定のタイミングで、上記タイミング選択信号選択部が選択するタイミング選択信号が、選択中のタイミング選択信号から、当該選択中のタイミング選択信号によりそのピットの形成可能位置のタイミングが表されているピット列に隣接するピット列に応じたタイミング選択信号に切り換えられるように指示を行う切り換え指示部と、
    上記タイミング選択信号の切り換え周期に応じた波形周期を有する鋸歯状波を生成する鋸歯状波生成部と、
    上記鋸歯状波生成部により生成される上記鋸歯状波に従って、トラッキングサーボループに対してオフセットを与えるオフセット付与部と
    を備える光スポット位置制御装置。
  2. 上記ディスク状記録媒体においては、上記ピットの形成可能位置におけるピットの形成有無のパターンによってアドレス情報の記録が行われており、
    上記受光部により得られた受光信号に基づき、上記ピットの有無を反映したピット有無反映信号を生成するピット有無反映信号生成部と、
    上記タイミング選択信号選択部によって選択された上記タイミング選択信号が表すタイミングに従って上記ピット有無反映信号を検出した結果に基づき、上記アドレス情報の検出を行うアドレス検出部とをさらに備える
    請求項1に記載の光スポット位置制御装置。
  3. 上記タイミング選択信号生成部により生成される上記タイミング選択信号のうちから、上記タイミング選択信号選択部で選択中のタイミング選択信号によりそのピットの形成可能位置のタイミングが表されているピット列に隣接するピット列に応じたタイミング選択信号を入力し、当該入力したタイミング選択信号に基づき上記誤差信号生成部により生成された上記誤差信号をサンプルホールドする隣接ピット列誤差信号サンプルホールド部と、
    上記誤差信号サンプルホールド部によるサンプルホールド後の上記誤差信号と、上記隣接ピット列誤差信号サンプルホールド部によるサンプルホールド後の上記誤差信号とに基づき、上記オフセット付与部によるオフセットの付与に伴い上記半径方向に順次移動する上記第2の光のスポットの位置が、上記タイミング選択信号選択部によるタイミング選択信号の選択に伴いトラッキングサーボの対象とされているサーボ対象ピット列と当該サーボ対象ピット列に隣接する隣接ピット列との間の所定位置に到達したタイミングを検出するタイミング検出部と
    をさらに備えると共に、
    上記切り換え指示部は、
    上記タイミング検出部により検出されたタイミングで上記タイミング選択信号選択部が選択するタイミング選択信号の切り換え指示を行い、
    さらに、上記アドレス検出部で検出される上記アドレス情報に基づき特定される、予め上記スポットが上記所定位置に至る理想タイミングとして求められたタイミングと、上記タイミング検出部により検出された上記スポットが上記所定位置に到達したタイミングとの誤差を検出し、当該検出した誤差に基づき上記鋸歯状波生成部が生成する上記鋸歯状波の傾きを補正する傾き補正部をさらに備える
    請求項2に記載の光スポット位置制御装置。
  4. 上記タイミング検出部は、
    上記誤差信号サンプルホールド部によるサンプルホールド後の上記誤差信号と、上記隣接ピット列誤差信号サンプルホールド部によるサンプルホールド後の上記誤差信号との絶対値が同値となったタイミングを検出することで、上記スポットが上記サーボ対象ピット列と上記隣接ピット列との間の中間点に到達したタイミングを検出する
    請求項3に記載の光スポット位置制御装置。
  5. 上記ディスク状記録媒体においては、
    上記ピット列が、ピット列形成方向において一周ごとにピット列位相が上記第2の間隔の分だけずらされるように形成されており、
    上記アドレス検出部により検出されるアドレス情報に基づき、上記ピット列の一周ごとに上記タイミング選択信号の位相を調整する位相調整部をさらに備える
    請求項1に記載の光スポット位置制御装置。
  6. 1周回におけるピットの形成可能位置の間隔が所定の第1の間隔に制限されたピット列がスパイラル状又は同心円状に形成されていると共に、半径方向に配列されるピット列において、上記ピットの形成可能位置のピット列形成方向における間隔が所定の第2の間隔ずつずれた位置に設定されて、複数のピット列位相を有しているディスク状記録媒体に対し、第1の光を照射するための第1の光源と、上記ディスク状記録媒体に対し第2の光を照射するための第2の光源と、上記第1の光と上記第2の光とが入射され、これら第1の光及び第2の光の上記ディスク状記録媒体に対する出力端となる対物レンズと、上記対物レンズを介して照射される上記第1及び第2の光の光軸と上記ディスク状記録媒体との上記半径方向における相対的な位置関係を変化させ、上記第1及び第2の光についてのトラッキング制御を行うように構成されたトラッキング制御機構と、上記第2の光が上記ディスク状記録媒体に照射されることに応じて得られる、上記ピットの形成パターンを反映したピット反映光を受光する受光部とを備える光スポット位置制御装置における光スポット位置制御手法であって、
    上記受光部により得られた受光信号に基づき、上記ディスク状記録媒体に形成されたピットに対する上記第2の光のスポットの上記半径方向における位置誤差を表す誤差信号を生成する誤差信号生成手順と、
    上記受光部により得られた受光信号に基づき、上記ピットの形成可能位置の間隔に応じたクロックを生成するクロック生成手順と、
    上記クロック生成手順により生成したクロックに基づき、上記ディスク状記録媒体に形成されたそれぞれ異なるピット列位相を有する複数のピット列のそれぞれにおける上記ピットの形成可能位置のタイミングをそれぞれ表す複数のタイミング選択信号を生成するタイミング選択信号生成手順と、
    上記タイミング選択信号生成手順により生成した上記複数のタイミング選択信号から、指示された1のタイミング選択信号を選択するタイミング選択信号選択手順と、
    上記タイミング選択信号選択手順によって選択した上記タイミング選択信号に基づき上記誤差信号生成手順により生成した上記誤差信号をサンプルホールドする誤差信号サンプルホールド手順と、
    上記誤差信号サンプルホールド手順によるサンプルホールド後の上記誤差信号に基づき、上記第2の光のスポットのトラッキングサーボが行われるように上記トラッキング制御機構を制御するサーボ制御手順と、
    定められた所定のタイミングで、上記タイミング選択信号選択手順で選択するタイミング選択信号が、選択中のタイミング選択信号から、当該選択中のタイミング選択信号によりそのピットの形成可能位置のタイミングが表されているピット列に隣接するピット列に応じたタイミング選択信号に切り換えられるように指示を行う一方で、上記タイミング選択信号の切り換え周期に応じた波形周期を有する鋸歯状波に従ってトラッキングサーボループに対してオフセットを与えるピット列切換・オフセット付与手順と
    を有する光スポット位置制御方法。
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