JP2010250908A - ホログラム装置、チルト検出方法、チルト補正方法 - Google Patents

ホログラム装置、チルト検出方法、チルト補正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ホログラム記録再生システムにおいて、チルトセンサに依らぬチルト検出を行うと共に高精度なチルトサーボの実現化を図る。
【解決手段】コアキシャル方式によるホログラム記録再生システムにおいてはチルトの発生に伴い像シフトが生じる。この点を利用し、記録/再生のための光とは別途のマーカ光を生成してホログラム記録媒体に照射し、その反射光を受光部で受光した結果に基づき、上記マーカ光の理想受光位置と実際の受光位置との位置誤差を検出する。これにより、チルトセンサなど記録媒体の傾きを直接検出する構成を追加せずに、チルト角に相関する情報(チルト角の理想角度からの誤差を表すチルト誤差信号)を得ることができる。さらにこのようにして得られたチルト誤差信号に基づきチルト角の調整を行うことで、例えば再生光量を評価指標とするような山登り法によるチルト補正を行う場合と比較して高精度なチルトサーボを実現できる。
【選択図】図12

Description

本発明は、信号光と参照光との干渉縞により情報記録が行われるホログラム記録媒体に対して記録及び/又は再生を行うホログラム装置に関する。また、上記ホログラム記録媒体の情報記録面と対物レンズを介した照射光の光軸とが為す角度としてのチルト角を検出するチルト検出方法、及び上記チルト角の補正を行うためのチルト補正方法に関する。
特開2007−79438号公報
例えば上記特許文献1にあるように、ホログラムの形成によりデータ記録を行うホログラム記録再生方式が知られている。このホログラム記録再生方式において、記録時には、記録データに応じた空間光強度変調(強度変調)を与えた信号光と、予め定められた所定の光強度パターンを与えた参照光とを生成し、これらをホログラム記録媒体に照射することによって、記録媒体にホログラムを形成してデータ記録を行う。
また再生時には、記録媒体に対して上記参照光を照射する。このようにして、記録時に信号光と参照光との照射に応じて形成されたホログラムに対し、記録時と同じ参照光(記録時と同じパターンを有する)が照射されることによって、記録された信号光成分に応じた回折光が得られる。すなわち、これによって記録データに応じた再生像(再生光)が得られる。このようにして得られた再生光を例えばCCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどのイメージセンサで検出することで、記録されたデータの再生を行うようにされる。
また、このようなホログラム記録再生方式としては、参照光と信号光とを同一光軸上に配置してこれらを共通の対物レンズを介してホログラム記録媒体に照射する、いわゆるコアキシャル方式が知られている。
図14、図15は、コアキシャル方式によるホログラム記録再生について説明するための図として、図14は記録手法、図15は再生手法を模式的に示している。
なお、これら図14、図15では、反射膜を備える反射型のホログラム記録媒体100が用いられる場合を例示している。
先ず、ホログラム記録再生システムでは、図14、図15に示されるようにして記録時に信号光と参照光、再生時において参照光を生成するために、SLM(空間光変調器)101が設けられる。このSLM101としては入射光に対し画素単位で光強度変調を行う強度変調器を備える。この強度変調器としては、例えば液晶パネルなどで構成することができる。
図14に示す記録時には、SLM101の強度変調により、記録データに応じた強度パターンを与えた信号光と、予め定められた所定の強度パターンを与えた参照光とを生成する。コアキシャル方式では、図のように信号光と参照光とが同一光軸上に配置されるようにして入射光に対する空間光変調を行う。このとき、図のように信号光は内側、参照光はその外側に配置するのが一般的とされている。
SLM101にて生成された信号光・参照光は、対物レンズ102を介してホログラム記録媒体100に照射される。これによりホログラム記録媒体100には、上記信号光と上記参照光との干渉縞により、記録データを反映したホログラムが形成される。つまり、このホログラムの形成によりデータの記録が行われる。
一方、再生時においては、図15(a)に示されるようにして、SLM101にて参照光を生成する(このとき参照光の強度パターンは記録時と同じである)。そして、この参照光を対物レンズ102を介してホログラム記録媒体100に照射する。
このように参照光がホログラム記録媒体100に照射されることに応じては、図15(b)に示すようにして、ホログラム記録媒体100に形成されたホログラムに応じた回折光が得られ、これによって記録されたデータについての再生像(再生光)が得られる。この場合、再生像はホログラム記録媒体100からの反射光として、図示するように対物レンズ102を介してイメージセンサ103に対して導かれる。
イメージセンサ103は、上記のようにして導かれた再生像を画素単位で受光し、各画素ごとに受光光量に応じた電気信号を得ることで、上記再生像についての検出画像を得る。このようにイメージセンサ103にて検出された画像信号が、記録されたデータについての読み出し信号となる。
ここで、上記のようなホログラム記録再生システムとしても、例えばCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの現行の光ディスクシステムの場合と同様に、いわゆるチルト(tilt)の発生に伴って再生性能が悪化してしまう問題を有している。
ホログラム記録再生システムの場合、チルトの発生に応じては再生像の像シフトが発生するものとなり、再生性能の悪化を招くことになる。
また、チルトが生じた場合、ホログラムを記録したときの参照光の照射角度と当該ホログラムの再生時に照射される参照光の照射角度とにずれが生じるものとなって、回折による再生像の取得を適正に行うことができなくなってしまう虞がある。すなわちこの点でも再生性能の悪化を招くことになる。
ここで、このようなチルトを補正するにあたっては、先ずはチルト角の検出(つまりチルト角=0°からの誤差の検出)を行うことが考えられる。すなわち、検出したチルト角をキャンセルするようにして補正を行うというものである。
チルト角の検出には、いわゆるチルトセンサとしての、記録媒体の傾きを直接的に検出するセンサを用いる手法を挙げることができる。
或いは、チルト角の検出を特に行わずにチルト補正を行う手法も考えられる。
具体的には、再生光量をチルト角についての評価指標として用いるものとし、最も再生光量の得られるチルト角に補正を行うというものである。
しかしながら、上記のようにチルトセンサを用いる補正手法を採るとした場合には、記録/再生のための構成に加えて別途のセンサを設ける必要があり、この点で装置の小型化や装置製造コスト削減が図られないものとなる。
また、上述のように再生光量をチルト角について評価指標とする手法は、いわゆる山登り法の手法であり、補正に要する時間が比較的多くなってしまう。
ここでチルト補正としては、記録媒体の回転に伴う順次のチルト角の変化に追従すべく、チルトサーボとして行うことが考えられるが、上記のような山登り法の補正手法は応答性の面で問題があり、従ってサーボ精度の低下を招いてしまう。
上記のような課題の解決を図るべく、本発明ではホログラム装置として以下のように構成することとした。
つまり、信号光と参照光との干渉縞によって情報記録が行われる記録層を有するホログラム記録媒体に対し、光を照射するための光源を備える。
また、上記光源からの光に対し空間光変調を施すことで、上記信号光及び/又は上記参照光の生成と、上記光源からの光の入射面内の所定位置におけるマーカ光の生成とを行う空間光変調部を備える
また、上記空間光変調部による空間光変調の施された光を対物レンズを介して上記ホログラム記録媒体に照射する光照射部を備える。
また、上記対物レンズを介して照射され上記ホログラム記録媒体を介した光を受光する受光部を備える。
また、上記受光部における上記マーカ光の理想受光位置と、上記受光部による実際の上記マーカ光の受光位置との誤差を検出した結果に基づき、上記対物レンズを介した照射光の上記ホログラム記録媒体の情報記録面に対する入射角としてのチルト角の理想角度からの誤差を表すチルト誤差信号を得るチルト検出部を備えるようにした。
また、本発明ではチルト検出方法として以下のようにすることとした。
すなわち、本発明のチルト検出方法は、信号光と参照光との干渉縞によって情報記録が行われる記録層を有するホログラム記録媒体に対し光を照射するための光源と、上記光源からの光に対し空間光変調を施すことで上記信号光及び/又は上記参照光の生成を行う空間光変調部と、上記空間光変調部による空間光変調の施された光を対物レンズを介して上記ホログラム記録媒体に照射する光照射部と、上記対物レンズを介して照射され上記ホログラム記録媒体を介した光を受光する受光部とを備えるホログラム装置におけるチルト検出方法であって、上記空間変調部により、上記光源からの光の入射面内の所定位置においてマーカ光を生成させるマーカ光生成手順を有する。
また、上記受光部における上記マーカ光の理想受光位置と、上記受光部による実際の上記マーカ光の受光位置との誤差を検出した結果に基づき、上記対物レンズを介した照射光の上記ホログラム記録媒体の情報記録面に対する入射角としてのチルト角の理想角度からの誤差を表すチルト誤差信号を得るチルト検出手順を有するものである。
また、本発明ではチルト補正方法として以下のようにすることとした。
つまり、本発明のチルト補正方法は、信号光と参照光との干渉縞によって情報記録が行われる記録層を有するホログラム記録媒体に対し光を照射するための光源と、上記光源からの光に対し空間光変調を施すことで上記信号光及び/又は上記参照光の生成を行う空間光変調部と、上記空間光変調部による空間光変調の施された光を対物レンズを介して上記ホログラム記録媒体に照射する光照射部と、上記対物レンズを介して照射され上記ホログラム記録媒体を介した光を受光する受光部とを備えるホログラム装置におけるチルト検出方法であって、上記空間変調部により、上記光源からの光の入射面内の所定位置においてマーカ光を生成させるマーカ光生成手順を有する。
また、上記受光部における上記マーカ光の理想受光位置と、上記受光部による実際の上記マーカ光の受光位置との誤差を検出した結果に基づき、上記対物レンズを介した照射光の上記ホログラム記録媒体の情報記録面に対する入射角としてのチルト角の理想角度からの誤差を表すチルト誤差信号を得るチルト検出手順を有する。
また、上記チルト検出手順で得られた上記チルト誤差信号に基づき、上記チルト角の補正を行うチルト補正手順を有するものである。
ここで、後述もするようにホログラム装置においては、チルトの発生に伴って実像面において形成される像のシフトが生じる。従って、上記のようにしてマーカ光を生成し、該マーカ光をホログラム記録媒体に照射して受光部で受光した上で、該受光部における上記マーカ光の理想受光位置と実際の受光位置との誤差を検出するものとすれば、チルト角に相関する情報を得ることができる。換言すれば、このように受光部における上記マーカ光の理想受光位置と実際の受光位置との誤差を検出した結果に基づき、チルト角の理想角度からの誤差を表すチルト誤差信号を得ることができる。
そして本発明のチルト補正方法によれば、このようにしてマーカ光の受光位置の誤差から得られたチルト誤差信号に基づき、チルト角の補正が行われるものとなる。つまりこれにより、チルト角を上記理想角度と一致させるようにして補正を行うことができる。
上記のようにして本発明によれば、マーカ光の受光結果に基づきチルト角(チルト誤差)の検出を行うことができる。
これによれば、チルトの検出は、受光部による受光信号についての信号処理の追加のみで実現でき、従ってチルト検出にあたりチルトセンサを設けるなどの別途の構成の追加は不要とできる。
つまりこの点で、装置の小型化や装置製造コストの削減が図られる。
また、上記本発明によれば、チルト角の理想角度からの誤差を表すチルト誤差信号に基づきチルト補正を行うことができる。これによれば、例えば再生光量を評価指標とするような山登り法による補正を行う場合と比較して、補正の応答性は格段に高めることができる。
また、上記本発明において、上記チルト誤差信号としては振幅値ゼロを基準としてその振幅の増減がチルト誤差の量及び極性を表す信号として得ることができる。すなわち、いわゆるプッシュプル信号で得ることができる。
このようなプッシュプル信号によるチルト誤差信号を得ることができれば、当該チルト誤差信号が表す誤差をキャンセルするようにチルト補正を行うことで、チルトサーボを実現できる。
実施の形態としてのホログラム装置の内部構成を示した図である。 実施の形態で用いるホログラム記録媒体の構造例を示した断面図である。 偏光方向制御型の空間光変調器と偏光ビームスプリッタとの組合せで実現される強度変調について説明するための図である。 空間光変調器に設定される参照光エリア、信号光エリア、ギャップエリアの各エリアについて説明するための図である。 図1に示す光学系全体での光の振る舞いについて説明するための図である。 図1に示す光学系における実像面以降の光の振る舞いを詳細に示した図である。 チルトの発生に応じて再生像の像シフトが発生することについて説明するための図である。 マーカ光について説明するための図である。 チルトの発生に伴うマーカ光の受光位置の変化の様子を示した図である。 各マーカ光についての理想受光位置と実際の受光位置との誤差を示した図である。 マーカ光の中心の受光位置の具体的な検出手法について説明するための図である。 実施の形態のホログラム装置が備える傾き制御部の内部構成を示した図である。 マーカ光の生成に係る変形例について説明するための図である。 コアキシャル方式によるホログラムの記録手法について説明するための図である。 コアキシャル方式によるホログラムの再生手法について説明するための図である。
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について説明していく。
なお、説明は以下の順序で行う。

<1.実施の形態のホログラム記録再生システム]
<2.チルトと像シフトの関係について>
[2-1.光学系中における光の振る舞い]
[2-2.チルトによる像シフトの発生原理]
<3.実施の形態としてのチルト検出及び補正手法>
[3-1.マーカ光の生成]
[3-2.チルト検出手法]
[3-3.チルト補正手法]
[3-4.チルト検出及び補正手法実現のための構成]
[3-5.実施の形態のまとめ]
<4.変形例>
<1.実施の形態のホログラム記録再生システム>

図1は、本発明のホログラム装置の一実施形態としての記録再生装置の内部構成を示した図である。
図1では、実施の形態の記録再生装置の主に光学系の構成を重点的に示している。
図1において、ホログラム記録媒体HMは、信号光と参照光との干渉縞により情報記録が行われる記録媒体とされる。また、このホログラム記録媒体HMは円盤状(ディスク状)の記録媒体とされ、ホログラムの記録/再生は、当該ホログラム記録媒体HMを回転駆動しながら行うことになる。
ここで、図2を参照して、ホログラム記録媒体HMの構造について簡単に説明しておく。なおこの図2では、ホログラム記録媒体HMの断面構造を示している。
図2に示されるように、ホログラム記録媒体HMには、上層側から下層側にかけてカバー層L1→記録層L2→反射膜L3→基板L4が形成されている。
なお確認のために述べておくと、ここで言う「上層」「下層」は、記録/再生のための光が入射される面を上面、この上面とは逆側の面を下面として、上記上面側を上層、上記下面側を下層とするものである。
上記カバー層L1は、例えばプラスチックやガラスなどで構成され、その下層に形成される記録層L2の保護のために設けられた保護基板である。
上記記録層L2は、その材料として、例えばフォトポリマーなどの、照射光の強度分布に応じた屈折率変化が生じることで情報記録が可能な材料が選定され、後述するレーザダイオード(LD)1を光源とするレーザ光によるホログラムの記録/再生が行われる。
また、上記反射膜L3は、再生時の参照光の照射に応じて記録層L2に記録されたホログラムに応じた再生像(再生光)が得られた際に、これを反射光として装置側に戻すために設けられる。
反射膜L3の下層に形成される基板L4は、例えばプラスチックやガラスなどで構成された保護基板である。
説明を図1に戻す。
記録再生装置内において、ホログラム記録媒体HMは、図中のスピンドルモータ(SPM)16によって回転駆動可能に保持される。記録再生装置では、上記スピンドルモータ16により回転駆動されるホログラム記録媒体HMに対してホログラムの記録/再生のためのレーザ光照射が行われる。
本実施の形態の場合、上記スピンドルモータ16は、図中のチルト機構17によりその傾きが調整可能に保持されている。具体的に、上記チルト機構17は、それぞれが直交する関係となる2方向の傾きを調整可能に構成されており、該チルト機構17が、スピンドルモータ16により保持されるホログラム記録媒体HMのラジアル方向及びタンジェンシャル方向における傾きが調整可能となるようにして上記スピンドルモータ16を保持している。
ここで、上記ラジアル方向は、上記ホログラム記録媒体HMの半径方向に一致する方向である。また上記タンジェンシャル方向は、上記半径方向に直交する方向と一致する方向(ホログラム記録媒体HMの周方向、ホログラム記録列の形成方向に相当)である。
上記チルト機構17に対しては、後述する傾き制御部18より、ラジアル方向駆動信号D-rad、タンジェンシャル方向駆動信号D-tanがそれぞれ供給される。チルト機構17は、これらラジアル方向駆動信号D-rad、タンジェンシャル方向駆動信号D-tanに応じてスピンドルモータ16のそれぞれの方向の傾きを調整することで、ホログラム記録媒体HMのラジアル方向、タンジェンシャル方向のそれぞれの傾きを調整するようにされている。
図1において、ホログラム記録媒体HMに対してホログラムの記録/再生のためのレーザ光を照射するための光学系を含む光学ピックアップは、図中において破線で囲った部分が該当する。具体的に、光学ピックアップ内には、レーザダイオード1、コリメーションレンズ2、偏光ビームスプリッタ3、SLM4、偏光ビームスプリッタ5、リレーレンズ6、アパーチャー12、リレーレンズ7、ミラー8、部分回折素子9、1/4波長板10、対物レンズ11、及びイメージセンサ13が設けられている。
上記レーザダイオード1は、ホログラムの記録再生のためのレーザ光として、例えば波長λ=405nm程度の青紫色レーザ光を出力する。このレーザダイオード1から出射されたレーザ光は、コリメーションレンズ2を介して偏光ビームスプリッタ3に入射する。
偏光ビームスプリッタ3は、入射するレーザ光のそれぞれ直交する直線偏光成分のうち、一方の直線偏光成分を透過、他方の直線偏光成分を反射する。例えばこの場合、p偏光成分は透過しs偏光成分は反射するように構成される。
従って偏光ビームスプリッタ3に入射したレーザ光は、そのs偏光成分のみが反射されてSLM4に導かれる。
上記SLM4は、例えばFLC(Ferroelectric Liquid Crystal:強誘電性液晶)としての反射型液晶素子を備えて構成され、入射光に対し、画素単位で偏光方向を制御するように構成されている。
このSLM4は、図中の変調制御部14からの駆動信号に応じて、各画素ごとに入射光の偏光方向を90°変化させる、又は入射光の偏光方向を不変とするようにして空間光変調を行う。具体的には、駆動信号がONとされた画素については偏光方向の角度変化=90°、駆動信号がOFFとされた画素については偏光方向の角度変化=0°となるように、駆動信号に応じ画素単位で偏光方向制御を行うように構成されている。
図示するようにして、上記SLM4からの出射光(SLM4にて反射された光)は、偏光ビームスプリッタ3に再度入射する。
ここで、図1に示す記録再生装置では、上記SLM4による画素単位の偏光方向制御と、入射光の偏光方向に応じた偏光ビームスプリッタ3の選択的な透過/反射の性質とを利用して、画素単位の空間光強度変調(光強度変調、或いは単に強度変調とする)を行うようにされている。
図3は、このようなSLM4と偏光ビームスプリッタ3との組み合わせにより実現される強度変調のイメージを示している。図3(a)はON画素の光について、図3(b)はOFF画素の光についてそれぞれその光線状態を模式的に示している。
上述もしたように、偏光ビームスプリッタ3はp偏光を透過、s偏光を反射するので、上記SLM4に対してはs偏光が入射することになる。
この前提を踏まえると、SLM4にて偏光方向が90°変化された画素の光(駆動信号ONの画素の光)は、偏光ビームスプリッタ3に対しp偏光で入射することになる。このことで、SLM4におけるON画素の光は、偏光ビームスプリッタ3を透過することになり、ホログラム記録媒体HM側に導かれることになる(図3(a))。
一方、駆動信号がOFFとされ偏光方向が変化されなかった画素の光は、偏光ビームスプリッタ3にs偏光で入射する。つまり、SLM4におけるOFF画素の光は偏光ビームスプリッタ3にて反射されて、ホログラム記録媒体HM側には導かれないようになっている(図3(b))。
このようにして、偏光方向制御型による空間光変調器としてのSLM4と、偏光ビームスプリッタ3との組み合わせにより、画素単位で光強度変調を施す強度変調部が形成されている。
ここで、実施の形態の記録再生装置は、ホログラム記録再生方式としてコアキシャル方式を採用する。すなわち、信号光と参照光とを同一光軸上に配置し、それらを共に所定位置にセットされたホログラム記録媒体に対し共通の対物レンズを介して照射することでホログラムの形成によるデータ記録を行い、また再生時には、上記参照光を対物レンズを介してホログラム記録媒体に対して照射することでホログラムの再生像を得て、記録されたデータの再生を行うものである。
コアキシャル方式が採用される場合、SLM4においては、信号光と参照光とを同一光軸上に配置するために、次の図4に示すような各エリアが設定されることになる。
この図4に示されるようにして、SLM4においては、その中心(光軸中心と一致)を含む円形の所定範囲のエリアが、信号光エリアA2として設定される。そして、この信号光エリアA2の外側には、ギャップエリアA3を隔てて、輪状の参照光エリアA1が設定されている。
上記信号光エリアA2、参照光エリアA1の設定により、信号光と参照光とを同一光軸上に配置するようにして照射することができる。
なお、上記ギャップエリアA3は、上記参照光エリアA1にて生成される参照光が信号光エリアA2に漏れ込んで信号光に対するノイズになることを避けるための領域として定められている。従って当該ギャップエリアA3は、基本的には入射光を遮断する非透過領域となるべきものである。
なお確認のために述べておくと、SLM4の画素形状は矩形状であるため、信号光エリアA2は厳密には円形とはならい。同様に参照光エリアA1、ギャップエリアA3としても厳密には輪状にはならい。その意味で信号光エリアA2は略円形のエリアとなり、参照光エリアA1、ギャップエリアA3もそれぞれ略輪状のエリアとなる。
図1において、変調制御部14は、上記SLM4に対する駆動制御を行うことで、記録時には信号光と参照光を、また再生時には参照光を生成させる。
具体的に、記録時において上記変調制御部14は、上記SLM4における信号光エリアA2の画素は供給される記録データに応じたオン/オフパターンとし、参照光エリアA1の画素は予め定められた所定のオン/オフパターンとし、且つそれ以外の画素はすべてオフとするための駆動信号を生成し、これをSLM4に供給する。この駆動信号に基づきSLM4による空間光変調(偏光方向制御)が行われることで、偏光ビームスプリッタ3からの出射光として、それぞれが同じ中心(光軸)を持つように配置された信号光と参照光とが得られる。
また、再生時において上記変調制御部14は、上記参照光エリアA1内の画素を上記所定のオン/オフパターンとし、それ以外の画素は全てオフとする駆動信号によりSLM4を駆動制御し、これによって上記参照光のみを生成させる。
ここで、本実施の形態の記録再生装置は、ホログラムの記録時/再生時のそれぞれにおいて、チルト検出を行うためのマーカ光を生成することになる。
このようなマーカ光の生成は、上記変調制御部14によるSLM4の駆動制御により実現されるものとなるが、この点については後に改めて説明する。
なお、記録時において上記変調制御部14は、入力される記録データ列の所定単位ごとに上記信号光エリアA2内のオン/オフパターンを生成し、これによって上記記録データ列の所定単位ごとのデータを格納した信号光が順次生成されるように動作する。これにより、ホログラム記録媒体HMに対しホログラムページ単位(信号光と参照光の1度の干渉により記録することのできるデータ単位)によるデータの記録が順次行われるようになっている。
偏光ビームスプリッタ3及びSLM4による強度変調部にて強度変調が施されたレーザ光は、偏光ビームスプリッタ5に入射する。この偏光ビームスプリッタ5としてもp偏光を透過、s偏光を反射するように構成され、従って上記強度変調部からの出射されたレーザ光(偏光ビームスプリッタ3を透過した光)は、当該偏光ビームスプリッタ5を透過することになる。
偏光ビームスプリッタ5を透過したレーザ光は、リレーレンズ6,リレーレンズ7によるリレーレンズ系に入射する。この場合、リレーレンズ系における上記リレーレンズ6とリレーレンズ7との間には、アパーチャー12が挿入されている。
図示するようにリレーレンズ6によっては、偏光ビームスプリッタ5を透過したレーザ光の光束が所定の焦点位置に集光するようにされ、リレーレンズ7によっては集光後の拡散光としての上記レーザ光束が平行光となるように変換される。アパーチャー12は、上記リレーレンズ6による焦点位置(フーリエ面:周波数平面)に設けられ、光軸を中心とする所定範囲内の光を透過、それ以外の光を遮断するように構成される。
なお本実施の形態において、アパーチャー12のサイズ(光透過領域のサイズ)は、後述するマーカ光を透過できるサイズに設定することは言うまでもない。
上記リレーレンズ7を介したレーザ光は、ミラー8によってその光軸が90°折り曲げられて、部分回折素子9→1/4波長板10を介して対物レンズ11に導かれる。
上記部分回折素子9及び1/4波長板10は、再生時においてホログラム記録媒体HMにて反射された参照光(反射参照光)が、イメージセンサ13に導かれて再生像に対するノイズとなってしまうことを防止するために設けられている。
なお、これら部分回折素子9及び1/4波長板10による反射参照光の抑圧作用については後述する。
対物レンズ11に入射したレーザ光は、ホログラム記録媒体HMに集光するようにして照射される。
ここで、先にも述べたように、記録時には、強度変調部(SLM4及び偏光ビームスプリッタ3)による強度変調により信号光と参照光とが生成され、これら信号光・参照光が上記により説明した経路によりホログラム記録媒体HMに照射される。これにより、ホログラム記録媒体HMの記録層L2には、これら信号光と参照光との干渉縞により記録データを反映したホログラムが形成され、データ記録が実現される。
また、再生時には、強度変調部により参照光が生成され、上記した経路によりホログラム記録媒体HMに照射される。このように参照光が照射されることで、記録層L2に形成されたホログラムに応じた再生像(再生光)が反射膜L3からの反射光として得られる。この再生像は、対物レンズ11を介して装置側に戻される。
ここで、再生時にホログラム記録媒体HMに対して照射される参照光(往路参照光とする)は、先の強度変調部の動作によれば、p偏光で部分回折素子9に入射することになる。後述もするように部分回折素子9は往路の光は全て透過するように構成されているので、p偏光による往路参照光は、1/4波長板10を介することになる。このように1/4波長板10を介したp偏光による往路参照光は、所定回転方向による円偏光に変換されてホログラム記録媒体HMに照射される。
ホログラム記録媒体HMに照射された参照光は、反射膜L3にて反射され、反射参照光(復路参照光)として対物レンズ11に導かれる。このとき、反射膜L3での反射により、復路参照光の円偏光回転方向は上記所定回転方向とは逆回転方向に変換されるので、復路参照光は、1/4波長板10を介することで、s偏光に変換されることになる。
ここで、このような偏光状態の遷移を踏まえた上で、部分回折素子9と1/4波長板10とによる反射参照光の抑圧作用について説明する。
部分回折素子9は、参照光が入射する領域(中心部を除く領域)に例えば液晶回折素子などの、直線偏光の偏光状態に応じた選択回折特性(一方の直線偏光成分は回折し、他方の直線偏光成分は透過する)を有する偏光選択回折素子が形成されて成る。具体的にこの場合、部分回折素子9が備える上記偏光選択回折素子は、p偏光を透過、s偏光を回折するように構成されている。このことで、往路の参照光は部分回折素子9を透過し、復路の参照光のみが部分回折素子9にて回折(抑圧)されるようになっている。
この結果、復路光としての反射参照光が再生像に対するノイズ成分として検出されてSN比が低下してしまうといった事態の防止が図られる。
なお確認のために述べておくと、部分回折素子9における信号光が入射する領域(再生像が入射する領域)は、例えば透明材料で構成される、或いは穴部とされるなどして、往路光・復路光の双方を透過するように構成されている。このことで、記録時の信号光と再生時の再生像とが当該部分回折素子9を透過するように図られている。
またこの場合は、後述するようにしてギャップエリアA3内にて生成されるマーカ光がイメージセンサ13によって受光されるように、上記部分回折素子9としては、信号光が入射する領域と参照光が入射する領域との間の領域も透明材料で構成される、或いは穴部とされるなどして、上記マーカ光の往路光・復路光の双方を透過できるように構成しておく。
ここで、これまでの説明からも理解されるように、ホログラム記録再生システムでは、記録されたホログラムに対して参照光を照射して、回折現象を利用して再生像を得るようにされるが、この際の回折効率は、一般に数%〜1%未満とされる。このことから、上記のように反射光として装置側に戻される参照光は、再生像に対して非常に大きな強度を有することになる。つまり、上記反射光としての参照光は、再生像の検出にあたって無視できないノイズ成分となる。
従って、上記のような部分回折素子9及び1/4波長板10によって反射参照光の抑圧が図られることで、SN比の大幅な改善が図られる。
上述のように再生時に得られた再生光は、部分回折素子9を透過することになる。部分回折素子9を透過した再生光は、ミラー8にて反射された後、先に説明したリレーレンズ7→アパーチャー12→リレーレンズ6を介し、偏光ビームスプリッタ5に入射する。これまでの説明からも理解されるように、ホログラム記録媒体HMからの反射光は、1/4波長板10を介してs偏光に変換されるので、このように偏光ビームスプリッタ5に入射した再生光は、当該偏光ビームスプリッタ5にて反射され、イメージセンサ13に対して導かれることになる。
イメージセンサ13は、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどの撮像素子を備えて構成され、上記のようにして導かれたホログラム記録媒体HMからの再生光を受光し、これを電気信号に変換して画像信号を得る。このようにして得られた画像信号は、記録時に信号光に対して与えたオン/オフパターン(つまり「0」「1」のデータパターン)を反映したものとなっている。すなわち、このようにしてイメージセンサ13で検出される画像信号が、ホログラム記録媒体HMに対して記録されたデータの読み出し信号となる。
イメージセンサ13により得られた上記読み出し信号としての画像信号は、データ再生部15に対して供給される。
データ再生部15は、上記イメージセンサ13からの画像信号中に含まれるSLM4の画素単位の値ごとに、「0」「1」のデータ識別、及び必要に応じて記録変調符号の復調処理等を行って、記録データを再生する。
また、本実施の形態の場合、イメージセンサ13による上記読み出し信号は、傾き制御部18に対しても供給される。
傾き制御部18は、上記読み出し信号に基づくチルト角の検出を行い、その結果に基づきチルト機構17によるスピンドルモータ16の傾き調整動作(ホログラム記録媒体HMの傾き調整動作)を制御することで、ホログラム記録媒体HMのラジアル方向及びタンジェンシャル方向の傾きが予め定められた所定の傾き(光学系の設計時に設定した理想的な傾き:この場合は0°)で一定となるように制御を行う。すなわち、チルトサーボ制御を行うものである。
なお、この傾き制御部18により実現される本実施の形態としての傾き制御の具体的な手法、及び傾き制御部18の内部構成については後に改めて説明する。
<2.チルトと像シフトの関係について>
[2-1.光学系中における光の振る舞い]

図5は、図1に示した記録再生装置の光学系中における光の振る舞いを、SLM4のピクセル単位の光線ごとに表している。
この図5においては、光学系全体の構成のうち、SLM4、リレーレンズ6,7、対物レンズ11、及びイメージセンサ13のみを抽出して示している。図中の平面Spbsは偏光ビームスプリッタ5の反射面を、また平面Smはミラー8の反射面を表すものである。またこの図ではホログラム記録媒体HMも併せて示している。
また、この図5において、ピクセル単位の光線については、信号光及び再生光は3つのみ、参照光は2つのみを代表して示している。具体的に、信号光・再生光に関しては、信号光エリアA2の中心に位置するピクセルの光線(レーザ光束全体の光軸を含む光線)と、信号光エリアA2のそれぞれ最外周部に位置する各ピクセルの光線とを代表して示している。また、参照光については、参照光エリアA1のそれぞれ最外周部に位置する各ピクセルの光線を代表して示している。
先ず、図示するように、SLM4の各ピクセルから出射された光線は、拡散光の状態で平面Spbs(偏光ビームスプリッタ5)を介してリレーレンズ6に入射する。このとき、各ピクセルからの出射光線は、それぞれの光軸が平行な状態にある。
リレーレンズ6に入射した各ピクセルの光線は、図のように拡散光から平行光となるように変換されると共に、レーザ光軸(レーザ光束全体の光軸)上の光線を除く各光線の光軸が上記レーザ光軸側に折り曲げられる。このことで、平面SFにおいては、各光線が平行光の状態でレーザ光軸を含む中心部に集光されることになる。
ここで、上記平面SFは、対物レンズ11による焦点面と同様、平行光による各ピクセルの光線がレーザ光軸上に集光する面であり、フーリエ面(周波数平面)と呼ばれる。
ここで、先の図1で説明したように、アパーチャー12は、リレーレンズ6による焦点面に設けられる。すなわちこれを換言すれば、アパーチャー12は、光学系中における上記フーリエ面SFとなる位置に対して設けられるものとなる。
上記のようにフーリエ面SFにて平行光の状態で集光した各光線は、リレーレンズ7に入射するが、このとき、リレーレンズ6から出射された各光線(レーザ光軸を含む中央のピクセルの光線は除く)はフーリエ面SF上でレーザ光軸と交差することになる。このことからリレーレンズ6とリレーレンズ7とにおける各光線の入出射位置の関係は、レーザ光軸を中心として軸対称な関係となる。
各光線は、リレーレンズ7を介することで図のように収束光に変換されると共に、各光線の光軸がそれぞれ平行となる。リレーレンズ7を介した各光線は、平面Sm(ミラー8)にて反射され、実像面SR上のそれぞれの位置に集光することになる。この実像面SRは、対物レンズ11にとっての物体面となる。
このとき、リレーレンズ7を介した各光線は、上記のようにしてそれぞれの光軸が平行な状態とされるので、上記実像面SR上において、各光線の集光位置は重ならずそれぞれ別々の位置となる。
上記実像面SR上で集光した各光線は、図示するように拡散光の状態で対物レンズ11に入射する。これら拡散光による各光線は、対物レンズ11を介することで平行光となるようにされ、且つ、各光線(レーザ光軸上の光線は除く)の光軸が、上記レーザ光軸側に折り曲げられる。これにより、各光線は、ホログラム記録媒体HMに形成される対物レンズ11の焦点面上において、レーザ光軸を含む中心部に集光することになる。
ここで、このように対物レンズ11の焦点面では、各光線が平行光の状態とされ、且つ各光線が一箇所に集光する。このことからも理解されるように、対物レンズ11による焦点面と上述したフーリエ面SFとは、共役な関係となるものである。
なお、図5においては、平面Spbsにて反射されイメージセンサ13に導かれる再生光の各光線を示しているが、図示するようにイメージセンサ13に再生光のみが導かれているのは、先に説明した部分回折素子9(及び1/4波長板10)により反射参照光が抑圧されるためである。
確認のために述べておくと、部分回折素子9は、実像面SRとなる位置に設けられるものである。これは、部分回折素子9は先にも述べたように信号光の領域と参照光の領域とで選択的に光を透過/回折する必要があるため、SLM4の変調面(像生成面)と同等の像が得られる位置に配置されなければ適切な選択透過/回折の作用を得ることができなくなってしまうためである。
また、再生時において、再生光は、記録時に照射した信号光の各光線と同じ光線領域に得られる。つまり再生光の各光線は、図中の信号光の各光線と同じ位置を辿って平面Spbsに到達し、該平面Spbsにて反射されてイメージセンサ13に導かれる。このとき、リレーレンズ6から平面Spbs側に出射される再生光の各光線は、図のように収束光の状態で且つそれぞれの光軸が平行な状態となっており、これら各光線は、イメージセンサ13の検出面(受光面)上の別々の位置に集光するようになっている。このことで、イメージセンサ13の検出面上では実像面SRにおける再生像と同様の像が得られる。
このようにして図1に示した記録再生装置における光学系では、SLM4の変調面、実像面SR、イメージセンサ13の検出面のそれぞれが共役な関係となるようにされている。
図6は、図5における実像面SR以降の光の振る舞いを詳細に示した図である。
なお、この図6では、対物レンズ11、ホログラム記録媒体HMにおけるカバー層L1、記録層L2、及び反射膜L3の反射面のみを抽出して示すと共に、ホログラム記録媒体HMに照射される信号光、参照光の光線の様子を併せて示している。
先の図1の説明からも明らかなように、実際には、反射膜L3の反射面で反射された光(=復路光)は、往路光が入射する側に戻っていくことになるが、図6においては図示の都合上、復路光については、記録層L2、カバー層L1、対物レンズ11も併せて、上記反射面を境に往路光が入射する側とは逆側に折り返して示している。
また、図6における実像面SRは、図5に示した実像面SRと同じである。すなわち、リレーレンズ系(6,7)によって形成されるSLM4の実像面(対物レンズ11にとっての物体面)を表すものである。
また、図中の平面Sobは、対物レンズ11の瞳面を表す。
なお、この図6においても、信号光については、信号光エリアA2内の各ピクセルのうちレーザ光軸と一致する中央の1ピクセル分の光線と、それぞれ最外周部に位置する2ピクセルの光線との計3ピクセル分の光線のみを抽出して示している。また、参照光についても、参照光エリアA1内のそれぞれ最外周部に位置する2つのピクセルの光線のみを抽出して示している。
先の説明からも理解されるように、この場合の光学系では、信号光・参照光の焦点位置を反射膜L3の反射面上に設定している。すなわち、対物レンズ11の焦点距離fは、対物レンズ11の瞳面Sobから上記反射面までの距離となっている。
この場合、信号光の各光線、及び参照光の各光線は、図のように反射面上の一点に集光する。
このとき、信号光、参照光の各光線(ピクセルごとの光線)は、先の図5で説明した如く実像面SRで一旦集光した後、拡散光の状態で対物レンズ11に入射する。そして、対物レンズ11に入射した各光線は、平行光の状態でホログラム記録媒体HMの反射面上の一点に集光することになる。
ここで、この場合の光学系においては復路光と往路光の光路長は等しく、従って往路光・復路光の各光線は、図のように反射面を中心軸として対称な形状となり、これに伴い、記録層L2にて形成されるホログラムとしても、図中の太枠で囲うように、反射面を中心軸として対称な形状で形成される。
なお確認のために述べておくと、ホログラムは、信号光と参照光の干渉により形成されるものである。従ってホログラムは、記録層L2中にて信号光と参照光とが重なっている部分に形成される。コアキシャル方式では、信号光・参照光の光束は一点(この場合は反射面上)に収束するように記録媒体に照射されるので、この場合において形成されるホログラムの形状は、図のように砂時計のような形状となる。
なお、図6では、本来は往路光側に戻っていく反射光を反対側に折り返して示しているので、ホログラムの形状は上記のような砂時計の形状で示されるものとなるが、実際には、図中の右半分のホログラム(台形形状)は、図中の左半分のホログラムと重なるようにして形成されるものである。
[2-2.チルトによる像シフトの発生原理]

前述もしたように、ホログラム記録再生システムにおいては、ホログラム記録媒体HMの反りなどに起因してチルトが発生すること、すなわち、ホログラム記録媒体HMの傾き角が理想角度からずれることに応じて、再生像の像シフトが発生する。
この点について、次の図7を参照して説明しておく。
なお以下の説明において、「チルト角」と言ったときは、ホログラム記録媒体HMの情報記録面(この場合は上記反射面)に対する対物レンズ11を介した照射光の入射角(レーザ光軸を基準とする)を指すものとする。理想的には、チルト角は0°である。
図7は、チルトの発生に応じて再生像の像シフトが発生することについて説明するための図として、実像面SR、対物レンズ11の瞳面Sob、及びホログラム記録媒体HMの反射面と共に、これらの面を介する信号光領域内の3つの光線の各光軸を抽出して示している。
なお図7において、信号光領域内の3つの光線(ピクセル単位の光線)については、レーザ光軸と一致する光軸を有する光線と、それ以外の2つの光線とを代表して示しており、図中の破線で示す光軸がホログラム記録媒体HMの傾きが無い場合(つまり傾き=0°:理想角度の場合)の各光線の光軸(往路及び復路)を示し、図中の実線矢印で示す光軸がホログラム記録媒体HMがθ°だけ傾いたときの復路光光(反射光)としての各光線の光軸をそれぞれ示している。
この図7に示されるようにして、ホログラム記録媒体HMが理想角度からθ°傾いた場合(チルト角=θ°の場合)、各光線の反射光は、2θ°だけ傾くことになる。このことは、平面鏡を傾けたときの光の反射角の変化を考慮すれば明らかである。
このことからも理解されるように、ホログラム記録媒体HMがθ°傾くことによっては、再生時においてホログラム記録媒体HMから得られる再生像の各光線は、理想角度時の場合よりも2θ°だけ傾くことになる。
ここで、先の図6においても示した通り、ホログラム記録媒体HMの反射面から対物レンズ11の瞳面Sobまでの距離は「f」であるので、実像面SR上において、再生像の各光線の集光点は、ホログラム記録媒体HMの傾き角が理想角度である場合の集光点に対して2θ×fだけずれることになる。
つまり、ホログラム記録媒体HMのθ°の傾きに応じては、再生像に2θ・fの像シフトが生じるものである。
確認のために述べておくと、上記実像面SRは、イメージセンサ13の受光面に共役な面である(図5を参照)。すなわち、上記実像面SRにて生じた像シフトは、イメージセンサ13の受光面上においても同様に生じるものであり、従ってホログラム記録媒体HMがθ°傾くことによっては、イメージセンサ13の受光面上においても再生像の2θ・f分の像シフトが発生することになる。
また、当然のことながらこのような像シフトは、ラジアル方向、タンジェンシャル方向のそれぞれの方向で生じ得るものである。
また、チルト角が−θであれば、再生像の像シフトとしても−2θ・fとなる。
<3.実施の形態としてのチルト検出及び補正手法>
[3-1.マーカ光の生成]

上記のようにしてコアキシャル方式によるホログラム記録再生系においては、チルトの発生に伴って、再生像に像シフトが生じてしまう。
先に述べたように、従来よりこのような再生像の像シフトに起因した再生性能の悪化の防止を図るべく、記録媒体の傾きを補正(チルト補正)するということが行われている。
しかしながら従来において、このようなチルト補正を行うにあたっては、チルトセンサを設けて記録媒体の傾きを直接的に検出するようにされていた。このようなチルトセンサを用いる補正手法を採る場合には、記録/再生のための構成に加えて別途のセンサを設ける必要があり、装置の小型化や装置製造コスト削減が図られないものとなってしまう。
また、再生光量をチルト角についての評価指標として用いることで、チルト角の検出を特に行わずにチルト補正を行う手法も考えられる。しかしながらこのように再生光量をチルト角について評価指標とする手法は、いわゆる山登り法の手法であり、補正に要する時間が比較的多くなってしまう。そして、このような山登り法の補正手法は応答性の面で問題があり、従ってチルトサーボを行うとした場合の精度低下を招いてしまう。
そこで本実施の形態では、先の図7にて説明したようなチルトの発生に応じた像シフトの性質を利用して、受光像のシフト量の情報からチルトの検出を行い、その検出結果に基づきチルト補正を行うという手法を採るものとしている。
具体的には、ホログラム記録媒体HMの傾き角が理想角度(0°)である場合の像の受光位置(理想受光位置)を基準として、該理想受光位置と実際の像受光位置との誤差からチルト誤差信号(理想角度からの誤差を表す信号)を得る。そして当該チルト誤差信号がゼロとなるようにチルト角の調整を行うことで、ホログラム記録媒体HMの傾きが上記理想角度で一定となるように補正を行うものである。
本実施の形態では、上記のような受光位置の誤差を検出するにあたって、次の図8に示すようなマーカ光を生成するものとしている。
この図8においては、SLM4にて設定される各エリア(A1〜A3)を示しているが、上記マーカ光としては、その生成位置を予め所定位置に定めておく。具体的に本実施の形態では、上記マーカ光は参照光エリアA1と信号光エリアA2との境界領域であるギャップエリアA3内の所定位置で生成するものとしている。
なお且つ、本実施の形態では、マーカ光としては複数を生成するものとしている。具体的には、マーカ光M1,マーカ光M2,マーカ光M3,マーカ光M4の4つを生成するものとしている。
これら4つのマーカ光については、それぞれの生成位置が充分に離間したものとなるようにして生成する。具体的にこの場合は、略正方形状とされるSLM4の有効画素範囲の一方の対角線上にマーカ光M1とマーカ光M2の生成位置を設定し、他方の対角線上にマーカ光M3とマーカ光M4の生成位置を設定している。なお且つ、マーカ光M1とマーカ光M2の組、マーカ光M3とマーカ光M4の組が、それぞれ、レーザ光軸を基準に軸対象な関係となる位置に配置されるようにしている。
ここで、紙面の横方向をx方向とし、紙面の縦方向(つまり上記横方向と直交する方向)をy方向とすると、この場合のマーカ光は、図のようにマーカ光M1とマーカ光M3はSLM4のy方向における位置は同位置とされた上で、x方向における位置が離間するものとなる。同様にマーカ光M2とマーカ光M4はSLM4のy方向における位置は同位置とされた上で、x方向における位置が離間するものとなる。そして、マーカ光M1とマーカ光M4はSLM4のx方向における位置が同位置とされた上で、y方向における位置が離間するものとなり、また、マーカ光M2とマーカ光M3もSLM4のx方向における位置が同位置とされた上でy方向における位置が離間したものとなる。
このようにして本実施の形態では、x方向、y方向にそれぞれ充分に離間して配置された4つのマーカ光を生成するものとしている。
なお確認のために述べておくと、この図8では参照光エリアA1と信号光エリアA2を白色で示しているが、これは該エリアA1・A2を全てオン(透過)することを意味しているものではなく、先の図1の説明からも理解されるように、信号光エリアA2は記録時には逐次記録データに応じたオン/オフパターンが与えられ再生時は全域オフとされるものとなり、また参照光エリアA1は、記録時には予め定められた所定オン/オフパターンが与えられ再生時には記録時と同じオン/オフパターンが与えられるものとなる。
なお当然のことながらマーカ光のみを生成するとした場合には、上記の各エリアA1、A2は全てオフとすることになる。
また、本実施の形態において、上記マーカ光M1,M2,M3,M4のサイズは、例えば4ピクセル×4ピクセルに設定するものとしている。
ここで、マーカ光のサイズは、大きいほどその受光位置の検出の容易さの面で有利とできる。但し、サイズが大となると迷光の発生を助長し、記録/再生性能の悪化を招く虞がある。マーカ光のサイズは、このようなトレードオフの関係を考慮して、実際の光学系の構成などに応じて適宜最適とされるサイズを設定すればよい。
[3-2.チルト検出手法]

本実施の形態では、上記のようにして生成したマーカ光M1,M2,M3,M4をホログラム記録媒体HMに照射し、その反射光をイメージセンサ13にて受光した結果に基づき、ホログラム記録媒体HMのラジアル方向(半径方向)、及びタンジェンシャル方向(周方向)の傾きを検出する。
図9は、チルトの発生に伴うマーカ光M1,M2,M3,M4の受光位置の変化の様子を示した図である。
図9(a)はホログラム記録媒体HMのラジアル方向とタンジェンシャル方向の傾き角がそれぞれ理想角度=0°のときのイメージセンサ13の受光面におけるマーカ光M1,M2,M3,M4のそれぞれの照射スポットm1,m2,m3,m4の様子を示し、図9(b)はホログラム記録媒体HMがラジアル方向とタンジェンシャル方向においてそれぞれ上記理想角度からθ°だけ傾いたときの上記受光面における上記照射スポットm1,m2,m3,m4の様子を示している。
なお、これら図9(a)(b)では図中の「A2」により信号光(再生時においては再生像)の照射スポットも併せて示している。
先ず、図9(a)において示される、ホログラム記録媒体HMの傾きが理想角度にある状態での受光面上におけるマーカ光M1,M2,M3,M4の照射スポットが形成される位置(各マーカ光の受光位置)のことを、それぞれ理想受光位置m1-id,m2-id,m3-id,m4-idとおく。
これら理想受光位置m1-id,m2-id,m3-id,m4-idは、例えばシステムを設計した段階で求まるものであり、従って既知の情報とすることができる。
ここで、図中に黒丸で示すように、本実施の形態において「受光位置」は、照射スポットが形成される領域の中心位置を基準とする。従って上記理想受光位置m1-id,m2-id,m3-id,m4-idの情報としては、少なくとも理想状態において受光面上に形成されるマーカ光M1,M2,M3,M4の照射スポットの中心位置の情報が分かっていればよい。
図9(a)に示す状態からホログラム記録媒体HMがラジアル方向、タンジェンシャル方向にそれぞれθ°だけ傾くことによっては、図9(b)に示されるように、マーカ光M1,M2,M3,M4の照射スポット(受光位置)m1,m2,m3,m4は、それぞれ理想受光位置m1-id,m2-id,m3-id,m4-idに対してx方向、y方向に「2θ・f」だけシフトすることになる。
ここで受光面上における上記x方向、y方向は、SLM4におけるx方向、y方向とそれぞれ一致するものである(SLM4の変調面とイメージセンサ13の受光面とは共役な関係にあるため)。
確認のために述べておくと、図1に示した光学系の構成によると、受光面上におけるx方向の像シフトがタンジェンシャル方向の傾きを表し、y方向における像シフトがラジアル方向の傾きを表すことになる。
すなわち、図1に示した光学系では、SLM4の変調面から出力されたレーザ光がミラー8にてその光軸が90°折り曲げられた後にホログラム記録媒体HMに対して照射されるので、これに伴って対物レンズ11を介して照射される像のx方向がホログラム記録媒体HMの周方向(タンジェンシャル方向)と一致し、y方向がホログラム記録媒体HMの半径方向(ラジアル方向)に一致するためである。
なおこのことからも理解されるように、上記ミラー8を省略するなどしてSLM4の出力像を光軸の90°の折り曲げを介在させずにホログラム記録媒体HMに照射する場合には、受光面上におけるx方向の像シフトがラジアル方向の傾き、y方向の像シフトがタンジェンシャル方向の傾きを表すものとなる。
ここで、先の図7を参照して説明したチルトと像シフトとの関係によれば、チルトの検出は、原理的には1つのマーカ光についてその理想受光位置と実際の受光位置との誤差を検出することで行うことができる。
しかしながら実際においては、光学系の特性などに起因した像の歪み等が生じる関係で、1つのマーカ光についての受光位置誤差のみを検出したのでは、チルト検出の精度の低下を招いてしまう虞がある。
そこで本実施の形態では、次の図10に示されるようにして、複数のマーカ光のそれぞれについて個別に受光位置誤差を求めた上で、それら受光位置誤差の値の平均をとることで、像の歪みを考慮した適正なチルト誤差信号が得られるようにしている。
図10において、図10(a)(b)(c)(d)は、それぞれ、マーカ光M1についての理想受光位置m1-idと実際の受光位置m1との関係、マーカ光M2についての理想受光位置m2-idと実際の受光位置m2との関係、マーカ光M3についての理想受光位置m3-idと実際の受光位置m3との関係、マーカ光M4についての理想受光位置m4-idと実際の受光位置m4との関係を例示している。
図10(a)に示すように、マーカ光M1の理想受光位置m1-idと実際の受光位置m1とのx方向における位置誤差は「m1Δx」とし、y方向における位置誤差は「m1Δy」とする。
同様に、マーカ光M2の理想受光位置m2-idと実際の受光位置m2とのx方向における位置誤差は「m2Δx」、y方向における位置誤差は「m2Δy」とし(図10(b))、マーカ光M3の理想受光位置m3-idと実際の受光位置m3とのx方向における位置誤差は「m3Δx」、y方向における位置誤差は「m3Δy」とし(図10(c))、マーカ光M4の理想受光位置m4-idと実際の受光位置m4とのx方向における位置誤差は「m4Δx」、y方向における位置誤差は「m4Δy」とする(図10(d))。
図示もしているように、本実施の形態では、各マーカ光についての理想受光位置と実際の受光位置との位置誤差は、それらの中心間の誤差として求めるものとする。
また確認のために述べておくと、x方向の位置誤差を表すm1Δx〜m4Δx、y方向の位置誤差を表すm1Δy〜m4Δyは、それぞれ、タンジェンシャル方向におけるチルトの方向(極性)、ラジアル方向におけるチルトの方向(極性)に応じてその正/負の極性が変化するものとなる。
図11は、マーカ光の中心の受光位置の具体的な検出手法について説明するための図である。
図11(a)は、イメージセンサ13の受光面上における実際のマーカ受光領域(照射スポット)及びマーカ中心受光位置と、理想マーカ中心受光位置との関係を模式的に示している。この図11(a)では、上記受光面を、理想マーカ中心受光位置の座標(x,y)を(0,0)とした2次元平面にて表している。図示するように横軸がx方向ピクセル数、縦軸がy方向ピクセル数である。
本実施の形態では、マーカ光中心の受光位置の検出は、いわゆる相関検出方式により行う。すなわち、検出対象とするマーカ光と同パターン(この場合は4×4ピクセルが全てオンのベタパターン)を有するテンプレート(画像)を用い、該テンプレートを移動させたときの各移動位置での検出画像と上記テンプレートとの相関値を計算し、最も相関性の高い位置を実際のマーカ中心受光位置とするものである。
この場合の相関計算は、検出対象のマーカ光についてのイメージセンサ13上での理想マーカ中心受光位置をマーカ探索基準位置として、該探索基準位置を中心として上記テンプレートを移動させて行う。
具体的に、本実施の形態では、上記テンプレートを上記マーカ探索基準位置(理想マーカ中心受光位置)を中心としてx方向、y方向のそれぞれの方向に移動させたときの各移動位置での検出画像とテンプレートとの相関値をそれぞれ計算するものとしている。つまり、このようなそれぞれの方向における相関値の計算により、x方向における相関値のピーク位置と、y方向における相関値のピーク位置とを求め、それらx方向におけるピーク位置とy方向におけるピーク位置とで定まる座標(x、y)を、検出対象とするマーカ光のマーカ中心受光位置の検出結果とするものである。
図11(b)は、図11(a)に示すテンプレートを上記理想マーカ中心受光位置(マーカ探索基準位置)としての座標(0,0)を基準としてx方向、y方向のぞれぞれの方向に移動させたときの各移動位置での相関値の計算結果をプロットした結果を示している。
この図11(b)からも明らかなように、テンプレートを上記探索基準位置を基準としてx方向、y方向にそれぞれ移動させたとき、x方向の相関値のピーク位置は実際のマーカ中心受光位置のx座標と一致し、またy方向の相関値のピーク位置は実際のマーカ中心受光位置のy座標と一致することになる。
このことから、上記のようにしてx方向におけるピーク位置とy方向におけるピーク位置とを求めることで、これらのピーク位置で定まる座標(x、y)を、検出対象とするマーカ光のマーカ中心受光位置の検出結果とすることができるものである。
なお、図11の例ではx方向、y方向の相関値のピーク位置がピクセル単位で求まる場合を例示したが、マーカ光のサイズとイメージセンサ13のオーバーサンプリングレートとの関係によっては、上記ピーク位置がピクセル単位で求まらない場合も有り得る。その場合には、x方向の各移動位置での相関値の計算結果、y方向の各移動位置での相関値の計算結果に基づき、それぞれのピーク位置を補間計算によりピクセル単位以下の単位で求めるものとすればよい。
ここで、上記により説明した手法でマーカ中心受光位置としての座標(x、y)を求めることによっては、対象とするマーカ光の理想受光位置と実際の受光位置とのx方向、y方向の誤差を求めることができる。
本実施の形態では、上記のようなマーカ中心受光位置の検出処理で求まったx座標の値、y座標の値を、それぞれ理想受光位置と実際の受光位置とのx方向の誤差値、y方向の誤差値として得る。
このようにして、マーカ光M1〜マーカ光M4のぞれぞれについてのx方向における受光位置誤差(この場合はタンジェンシャル方向の傾きに相当)及びy方向における受光位置誤差(ラジアル方向の傾きに相当)を求めることができる。
先に述べたように、本実施の形態では、このようにしてマーカ光M1〜M4のそれぞれについて個別に求めたx方向の受光位置誤差、y方向の受光位置誤差の値に関して、それぞれその平均を計算するものとしている。具体的に、x方向の受光位置誤差に関しては、
(m1Δx+m2Δx+m3Δx+m4Δx)/4
を計算し、またy方向の受光位置誤差に関しては、
(m1Δy+m2Δy+m3Δy+m4Δy)/4
を計算するものとしている。
これらの計算結果を、それぞれタンジェンシャル方向の傾きを表すチルト誤差信号値、ラジアル方向の傾きを表すチルト誤差信号値として得る。
なお本例において、ホログラム記録媒体HMの傾きの理想角度は0°(チルト角=0°)であり、従ってホログラム記録媒体HMの傾きは上記理想角度=0°からの誤差として表現することができる。この意味で、ホログラム記録媒体HMのタンジェンシャル方向、ラジアル方向のそれぞれの傾きを表す信号については、チルト誤差信号と称する。
[3-3.チルト補正手法]

本実施の形態では、上記のようにして計算したラジアル方向のチルト誤差信号、及びタンジェンシャル方向のチルト誤差信号に基づき、チルト角の補正を行うことで、いわゆるチルトサーボを実現する。
ここで、これまでの説明からも理解されるように、上記のようにして計算された各チルト誤差信号は、ラジアル方向、タンジェンシャル方向のそれぞれのチルト角の理想角度からの傾き方向(傾きの値の極性)とその量とを表すと共に、チルト角が上記理想角度と一致する場合において振幅値が「0」となる信号となる。
このことに応じ、本実施の形態では、ラジアル方向、タンジェンシャル方向のそれぞれのチルト誤差信号について、それらの値を「0」とするようにチルト角の補正を行う。これにより、チルト角が上記理想角度で一定に保たれるようにすることができ、チルトサーボを実現することができる。
[3-4.チルト検出及び補正手法実現のための構成]

上記により説明した本実施の形態としてのチルト検出及びチルト補正の手法を実現するための構成について、図1、及び図12を参照して説明する。
先ず、本実施の形態の記録再生装置では、マーカ光M1〜M4の生成のための空間光変調を行うことになる。
具体的に、図1に示した変調制御部14は、先の図8に示したようにギャップエリアA3内の所定位置に設定されたマーカ光M1の生成位置、マーカ光M2の生成位置、マーカ光M3の生成位置、及びマーカ光M4の生成位置のそれぞれの画素をオンとするための駆動制御を行う。すなわち、記録時においては、先に説明した信号光エリアA2内の記録データに応じたオン/オフパターン及び参照光エリアA1の所定のオン/オフパターンと共に、ギャップエリアA3内における上記マーカ光M1〜M4の各生成位置(この場合は各々4×4ピクセルである)をオン、それ以外の残りの全画素(参照光エリアA1の外側領域も含む)をオフとするパターンを併せて、SLM4の全有効画素分のオン/オフパターンを生成する。そしてこのように生成したSLM4の全有効画素分のオン/オフパターンに応じて、SLM4の各画素を駆動制御する。
また、再生時には、参照光エリアA1内を記録時と同じオン/オフパターンとし、上記マーカ光M1〜M4の各生成位置の画素をオンとし、且つこれら参照光エリアA1・マーカ光M1〜M4の各生成位置以外の全画素をオフとするSLM4の全有効画素分のオン/オフパターンを生成して、該オン/オフパターンに応じてSLM4の各画素を駆動制御する。
ここで、マーカ光を利用したチルト検出及びチルト補正は、ホログラムページの記録/再生中以外のタイミングにおいても行うこともできる。その場合、変調制御部20は、信号光、参照光の生成のための駆動制御は行わず、マーカ光M1〜M4のみの生成のための駆動制御を行うものとすればよい。
図12は、図1に示した傾き制御部18の内部構成を示している。
なおこの図12では傾き制御部18の内部構成と共に、図1に示したイメージセンサ13も併せて示している。
図示するようにして傾き制御部18には、シフト量計算部20、誤差信号生成部21x、誤差信号生成部21y、サーボ信号生成部22x、サーボ信号生成部22y、tan方向ドライバ23x、及びrad方向ドライバ23yが備えられている。
図示するようにしてイメージセンサ13からの読み出し信号(画像信号)は、上記シフト量計算部20に対して入力される。
シフト量計算部20は、先の図11にて説明した相関検出方式によるマーカ光M1,マーカ光M2,マーカ光M3,マーカ光M4のそれぞれのマーカ中心受光位置の検出を行うことで、これらマーカ光M1〜M4のそれぞれについてのx方向の受光位置誤差(m1Δx〜m4Δx)、及びy方向の受光位置誤差(m1Δy〜m4Δy)の値を得る。
この場合、シフト量計算部20には、各マーカ光の中心受光位置検出のために必要な情報として、マーカ光M1〜M4のそれぞれについての理想マーカ中心受光位置(図11におけるマーカ探索基準位置)の情報と、マーカ光M1〜M4についてのテンプレート(この場合は4×4ピクセルが全てオンのパターンで共通である)が設定されている。シフト量計算部20は、イメージセンサ13からの読み出し信号と、上記マーカ光M1〜M4のそれぞれの理想マーカ中心受光位置の情報と、上記テンプレートとに基づき、マーカ光M1〜M4のそれぞれについて先の図11にて説明した手法によるマーカ中心受光位置(x、y)の検出を行う。
これにより、マーカ光M1〜M4のそれぞれについてのx方向の受光位置誤差m1Δx〜m4Δx、及びy方向の受光位置誤差m1Δy〜m4Δyの値が得られる。
上記シフト量計算部20により得られた受光位置誤差m1Δx〜m4Δxの各値は、誤差信号生成部21xに供給され、また受光位置誤差m1Δy〜m4Δyの各値は誤差信号生成部21yに供給される。
誤差信号生成部21xは、上記シフト量計算部20より供給された受光位置誤差m1Δx〜m4Δxの平均値を計算し、その結果をサーボ信号生成部22xに対して供給する。
また誤差信号生成部21yは、上記シフト量計算部20より供給された受光位置誤差m1Δy〜m4Δyの平均値を計算し、その結果をサーボ信号生成部22yに対して供給する。
サーボ信号生成部22xは、上記誤差信号生成部21xから供給される上記平均値(タンジェンシャル方向チルト誤差信号)について、ゲイン合わせや位相補償などの必要な処理を行って、タンジェンシャル方向のチルトサーボを実現するためのチルトサーボ信号(タンジェンシャル方向チルトサーボ信号)を生成し、これをtan方向ドライバ23xに対して供給する。
また、サーボ信号生成部22yは、上記誤差信号生成部21yから供給される上記平均値(ラジアル方向チルト誤差信号)について、ゲイン合わせや位相補償などの必要な処理を行ってラジアル方向のチルトサーボを実現するためのチルトサーボ信号(ラジアル方向チルトサーボ信号)を生成し、これをrad方向ドライバ23yに対して供給する。
tan方向ドライバ23xは、上記サーボ信号生成部22xより供給されたタンジェンシャル方向チルトサーボ信号に基づき、図中のタンジェンシャル方向駆動信号D-tanにより図1に示したチルト機構17を駆動制御する。
また、rad方向ドライバ23yは、上記サーボ信号生成部22yより供給されたラジアル方向チルトサーボ信号に基づき、図中のラジアル方向駆動信号D-radによりチルト機構17を駆動制御する。
上記のような構成により、誤差信号生成部21xにて得られたタンジェンシャル方向チルト誤差信号の値、誤差信号生成部21yにて得られたラジアル方向チルト誤差信号の値をそれぞれ「0」とするように、ホログラム記録媒体HMのタンジェンシャル方向、ラジアル方向のぞれぞれの傾きが補正される。つまりこれにより、ホログラム記録媒体HMの傾き角が理想角度で一定となるように(つまりチルト角が理想角度=0°で一定となるように)制御するという、チルトサーボが実現される。
[3-5.実施の形態のまとめ]

以上のようにして本実施の形態では、コアキシャル方式によるホログラム記録再生システムにおいて、チルトの発生に伴い生じる像シフトを利用したチルト検出を行うものとしている。具体的には、記録/再生のための光とは別途のマーカ光を生成してホログラム記録媒体HMに照射し、その反射光をイメージセンサ13で受光した結果に基づき、上記マーカ光の理想受光位置と実際の受光位置との位置誤差を検出する。これにより、チルト角に相関する情報(理想角度=0°を基準とした傾きの極性、及び傾き量を表す)を得ることができる。換言すれば、チルト角の理想角度からの誤差を表すチルト誤差信号を得ることができる。
また本実施の形態では、上記のようにして得られたチルト誤差信号に基づきチルト機構17によるチルト角の調整動作を制御するものとしている。これにより、チルト角を理想角度と一致させるようにして補正することができる。
上記本実施の形態によれば、ホログラム記録媒体HMに照射したマーカ光の受光結果に基づきチルト角(チルト誤差)の検出を行うことができるので、チルト検出は、イメージセンサ13による受光信号(読み出し信号)についての信号処理の追加のみで実現することができる。すなわち、従来のようにチルト検出にあたりチルトセンサを設けるなどの別途の構成の追加は不要とできる。
この点で、装置の小型化や装置製造コストの削減が図られる。
また、本実施の形態によれば、チルト角の理想角度からの誤差を表すチルト誤差信号に基づいてチルト補正を行うことができるので、例えば再生光量を評価指標とするような山登り法による補正を行う場合と比較して、補正の応答性は格段に高めることができる。
また、上記チルト誤差信号は、振幅値ゼロを基準としてその振幅の増減がチルト誤差の量及び極性を表す信号として得ることができる。すなわち、いわゆるプッシュプル信号で得ることができる。
このようなプッシュプル信号によるチルト誤差信号を得ることができれば、当該チルト誤差信号が表す誤差をキャンセルするようにチルト補正を行うことで、チルトサーボを実現できる。
また、本実施の形態では、マーカ光を複数生成し、各マーカ光について個別に受光位置誤差を求めた上で、それらの平均をチルト誤差信号として得るようにしている。これにより、像の歪みに伴う誤差信号の信頼性低下の抑制を図ることができる。すなわち、チルトサーボの精度向上を図ることができる。
特に本実施の形態では、各マーカ光を変調面内のx方向、y方向にそれぞれ離間した位置にて生成し、それらの受光位置誤差の平均を計算するものとしているが、このことで、像の歪みに対する誤差信号の信頼性低下のさらなる抑制を図ることができ、結果、チルトサーボ精度のさらなる向上を図ることができる。
また、本実施の形態では、マーカ光をギャップエリアA3内にて生成するものとしているが、これによりチルト検出及びチルト補正を、信号光や再生光が無い状態でも行うことができる。すなわち、記録時/再生時を問わずチルト検出及びチルト補正を行うことができる。
また、マーカ光をギャップエリアA3内にて生成することで、記録容量を犠牲にせずにチルト検出及びチルト補正を行うことができる。また同時に、部分回折素子9による反射参照光の抑圧効果を通常通り得ることができる。
<4.変形例>

以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明としてはこれまでに説明した具体例に限定されるべきものではない。
例えば、これまでの説明で例示したマーカ光の生成数、及びその生成位置はあくまで一例であり、例えば次の図13に示すような変形例も可能である。
この図13に示す変形例は、先の図8に示したマーカ光M1〜M4のうちから1のマーカ光を省略した例である。具体的にこの変形例では、マーカ光M2を省略するものとしている。
これら3つのマーカ光M1,M3,M4によれば、[M1,M3]の組、[M1,M4]のがそれぞれx方向に離間、y方向に離間していることになる。つまりこのことからも理解されるように、マーカ光としては、少なくとも3つを生成するものとすれば、像の歪みに対応するためのx方向、y方向への離間配置を実現することができる。具体的に、3つのマーカ光により像の歪みに対応するとした場合には、3つのマーカ光を、x方向にて離間する2つ1組のマーカ光の組とy方向にて離間する2つ1組のマーカ光の組とが得られるようにして生成するものとすればよい。
確認のために述べておくと、この場合としても、各マーカ光について個別に受光位置誤差を求めて、それらの平均値を計算してチルト誤差信号を得る点については実施の形態の場合と同様でよい。
或いは、このように3つのマーカ光を生成するとした場合において像の歪みについて考慮するとしたときには、実施の形態で例示したように全てのマーカ光の受光位置誤差を対象とした平均値計算を行うものとはせず、少なくとも、x方向に離間するマーカ光の組、y方向に離間するマーカ光の組でそれぞれの方向の位置誤差を個別に検出し、それら各方向の位置誤差の平均値を個別に計算してタンジェンシャル方向のチルト誤差信号、ラジアル方向のチルト誤差信号をそれぞれ得るといったこともできる。
具体的には、x方向にて離間するマーカ光については、x方向における理想受光位置との位置誤差をそれぞれ計算しそれらの平均値計算によりタンジェンシャル又はラジアル方向のうち一方のチルトに対応するチルト誤差信号を得、またy方向にて離間するマーカ光についてy方向における理想受光位置との位置誤差をそれぞれ計算しそれらの平均値計算によりタンジェンシャル又はラジアル方向のうちの他方のチルトに対応するチルト誤差信号を得るというものである。
また、これまでの説明では、マーカ光を複数生成する場合を例示したが、本発明において、マーカ光は少なくとも1つのみを生成するものとすればよい。この場合、チルト誤差信号は、当該1つのマーカ光についての受光位置誤差を検出して得ることになる。確認のために述べておくと、この場合もタンジェンシャル方向の誤差信号を得るにあたっては受光面上の一方向(図1の光学系とする場合にはx方向)における位置誤差を検出し、ラジアル方向の誤差信号を得るにあたっては受光面上の上記一方向とは直交する方向(図1の光学系とする場合はy方向)における位置誤差を検出することになる。
ここで、上記「一方向」は、タンジェンシャル方向又はラジアル方向の何れか一方のチルトに伴い像シフトが生じる方向として定義される方向である。
なお、実施の形態で例示したようにして複数のマーカ光について個別に検出した受光位置誤差の値の平均をとる手法とする方が、上述した像の歪みなどに対する耐性の面で有利とできることについては言うまでもない。
また、これまでの説明では、マーカ光の生成位置をギャップエリアA3内に設定する場合を例示したが、マーカ光の生成位置はこれに限定されるべきものではなく、例えば参照光エリアA1よりも外側の領域とするなど他の生成位置とすることもできる。
またこれまでの説明では、マーカ光のパターンは全てオンのいわゆるベタパターンを設定するものとしたが、マーカ光に設定する空間光変調パターンはこのようなベタパターンに限定されるべきものではなく、他のパターンとすることもできる。
またこれまでの説明では、マーカ光を受光するための受光部が、ホログラムの再生像を受光するためのイメージセンサ13と共用とされる場合を例示したが、マーカ光検出のために用いる受光部はイメージセンサ13とは別途に設けられたものであってもよい。
また、これまでの説明では、チルト角を調整するためのチルト機構(チルト角調整部)が、ホログラム記録媒体の傾きを調整するように構成される場合を例示したが、チルト角調整部としては、他にも、
1)光学系全体の傾きを調整する
2)対物レンズをスライド駆動する
3)液晶素子による波面補正を行う
の何れかを行う構成でも実現できる。
例えば1)の構成とする場合、図1の破線により示す光学ピックアップ全体の傾きを調整する構成を挙げることができる。
また2)の構成とする場合は、図1における対物レンズ11をホログラム記録媒体HMの半径方向及び/又は周方向に平行な方向にスライド駆動するアクチュエータを設ければよい。
また3)の構成とする場合は、対物レンズ11への入射光の波面補正を行う液晶素子を設けるものとすればよい。
また、これまでの説明では、本発明が反射型のホログラム記録媒体HMについて再生を行う場合に適用される場合を例示したが、本発明としては、反射膜を有さない透過型のホログラム記録媒体について再生を行う場合にも好適に適用することができる。
透過型のホログラム記録媒体に対応するとした場合、再生光は、ホログラム記録媒体全体を透過して参照光の照射側とは逆側に出力されるので、この場合の光学系には、ホログラム記録媒体の裏側に位置し上記透過光として再生光が入射する対物レンズと、該対物レンズを介した再生光を入射し受光部に対して導く光学系(再生光学系)とを設けることになる。
また、これまでの説明では、本発明がホログラム記録媒体に対する記録/再生の双方を行う場合に適用される場合を例示したが、本発明は記録のみ、又は再生のみを行う場合にも好適に適用できる。
記録のみを行う場合、ホログラム装置が備える空間光変調部としては、マーカ光の生成と共に、信号光と参照光の双方の生成が可能となるように構成すればよい。一方、再生のみを行う場合、空間光変調部としてはマーカ光と参照光の生成が可能となるように構成されればよい。
また、これまでの説明では、マーカ光や参照光・信号光生成のための強度変調を、偏光方向制御型の空間光変調器と偏光ビームスプリッタとの組合せで実現する場合を例示したが、強度変調を実現するための構成はこれに限定されるべきではない。例えば、図14や図15で説明した透過型液晶パネルによるSLM101やDMD(Digital Micro mirror Device:登録商標)など、単体で強度変調が可能な空間光変調器を用いて実現することもできる。
1 レーザダイオード、2 コリメーションレンズ、3,5 偏光ビームスプリッタ、4 SLM(空間光変調器)、6,7 リレーレンズ、8 ミラー、9 部分回折素子、10 1/4波長板、11 対物レンズ、12 アパーチャー、13 イメージセンサ、14 変調制御部、15 データ再生部、16 スピンドルモータ、17 チルト機構、18 傾き制御部、20 シフト量計算部、21x,21y 誤差信号生成部、22x,22y サーボ信号生成部、23x tan方向ドライバ、23y rad方向ドライバ

Claims (14)

  1. 信号光と参照光との干渉縞によって情報記録が行われる記録層を有するホログラム記録媒体に対し、光を照射するための光源と、
    上記光源からの光に対し空間光変調を施すことで、上記信号光及び/又は上記参照光の生成と、上記光源からの光の入射面内の所定位置におけるマーカ光の生成とを行う空間光変調部と、
    上記空間光変調部による空間光変調の施された光を対物レンズを介して上記ホログラム記録媒体に照射する光照射部と、
    上記対物レンズを介して照射され上記ホログラム記録媒体を介した光を受光する受光部と、
    上記受光部における上記マーカ光の理想受光位置と、上記受光部による実際の上記マーカ光の受光位置との誤差を検出した結果に基づき、上記対物レンズを介した照射光の上記ホログラム記録媒体の情報記録面に対する入射角としてのチルト角の理想角度からの誤差を表すチルト誤差信号を得るチルト検出部と
    を備えるホログラム装置。
  2. 上記チルト検出部は、
    上記マーカ光の理想受光位置と実際の受光位置との、上記受光部の受光面内の第1の方向における位置誤差を検出した結果に基づき、タンジェンシャル方向又はラジアル方向の何れか一方のチルトに対応する上記チルト誤差信号を得る
    請求項1に記載のホログラム装置。
  3. 上記チルト検出部は、
    上記マーカ光についての理想受光位置と実際の受光位置との、上記受光面内の第1の方向における位置誤差と、上記受光面内の上記第1の方向とは直交する第2の方向における位置誤差とをそれぞれ検出した結果に基づき、上記タンジェンシャル方向及び上記ラジアル方向の双方のチルトに対応する上記チルト誤差信号を得る
    請求項2に記載のホログラム装置。
  4. 上記信号光の生成領域と上記参照光の生成領域との間には両領域を隔てるためのギャップ領域が設定されており、
    上記空間光変調部は、上記ギャップ領域内において上記マーカ光を生成する
    請求項3に記載のホログラム装置。
  5. 上記空間光変調部は、
    上記マーカ光を複数生成し、
    上記チルト検出部は、
    上記受光部で受光された上記複数のマーカ光のそれぞれについての理想受光位置と実際の受光位置との上記位置誤差を検出する
    請求項4に記載のホログラム装置。
  6. 上記空間光変調部は、
    上記複数のマーカ光として、上記入射面内の第1の方向にて離間する2つ1組のマーカ光の組と上記第1の方向とは直交する第2の方向にて離間する2つ1組のマーカ光の組とが得られるようにして、少なくとも3以上のマーカ光を生成する
    請求項5に記載のホログラム装置。
  7. 上記空間光変調部は、
    それぞれの生成位置が上記光源からの光の光軸を基準として軸対称の関係となるマーカ光の組が2組得られるようにして計4つのマーカ光を生成し、
    上記チルト検出部は、
    上記受光部で受光された上記4つのマーカ光のそれぞれについて、上記第1の方向における理想受光位置と実際の受光位置との位置誤差をそれぞれ検出し、それらの平均値を計算することで上記タンジェンシャル方向又は上記ラジアル方向のうちの一方のチルトに対応するチルト誤差信号を得ると共に、
    上記4つのマーカ光のそれぞれについて上記第2の方向における理想受光位置と実際の受光位置との位置誤差をそれぞれ検出し、それらの平均値を計算することで上記タンジェンシャル方向又は上記ラジアル方向のうちの他方のチルトに対応するチルト誤差信号を得る
    請求項6に記載のホログラム装置。
  8. さらに、上記チルト角の調整を行うチルト角調整部と、
    上記チルト検出部により得られた上記チルト誤差信号に基づき、上記チルト角が補正されるようにして上記チルト角調整部を制御するチルト補正制御部とを備える
    請求項1に記載のホログラム装置。
  9. 上記チルト角調整部は、
    上記ホログラム記録媒体を傾けることで上記チルト角の調整を行う
    請求項8に記載のホログラム装置。
  10. 上記チルト角調整部は、
    上記光照射部を含む光学系全体を傾けることで上記チルト角の調整を行う
    請求項8に記載のホログラム装置。
  11. 上記チルト角調整部は、
    上記対物レンズを上記ホログラム記録媒体の半径方向及び/又は周方向に平行な方向にスライド駆動することで上記チルト角の調整を行う
    請求項8に記載のホログラム装置。
  12. 上記チルト角調整部は、
    上記対物レンズに入射する光に対し液晶素子による波面補正を行うことで上記チルト角の調整を行う
    請求項8に記載のホログラム装置。
  13. 信号光と参照光との干渉縞によって情報記録が行われる記録層を有するホログラム記録媒体に対し光を照射するための光源と、上記光源からの光に対し空間光変調を施すことで上記信号光及び/又は上記参照光の生成を行う空間光変調部と、上記空間光変調部による空間光変調の施された光を対物レンズを介して上記ホログラム記録媒体に照射する光照射部と、上記対物レンズを介して照射され上記ホログラム記録媒体を介した光を受光する受光部とを備えるホログラム装置におけるチルト検出方法であって、
    上記空間変調部により、上記光源からの光の入射面内の所定位置においてマーカ光を生成させるマーカ光生成手順と、
    上記受光部における上記マーカ光の理想受光位置と、上記受光部による実際の上記マーカ光の受光位置との誤差を検出した結果に基づき、上記対物レンズを介した照射光の上記ホログラム記録媒体の情報記録面に対する入射角としてのチルト角の理想角度からの誤差を表すチルト誤差信号を得るチルト検出手順と
    を有するチルト検出方法。
  14. 信号光と参照光との干渉縞によって情報記録が行われる記録層を有するホログラム記録媒体に対し光を照射するための光源と、上記光源からの光に対し空間光変調を施すことで上記信号光及び/又は上記参照光の生成を行う空間光変調部と、上記空間光変調部による空間光変調の施された光を対物レンズを介して上記ホログラム記録媒体に照射する光照射部と、上記対物レンズを介して照射され上記ホログラム記録媒体を介した光を受光する受光部とを備えるホログラム装置におけるチルト検出方法であって、
    上記空間変調部により、上記光源からの光の入射面内の所定位置においてマーカ光を生成させるマーカ光生成手順と、
    上記受光部における上記マーカ光の理想受光位置と、上記受光部による実際の上記マーカ光の受光位置との誤差を検出した結果に基づき、上記対物レンズを介した照射光の上記ホログラム記録媒体の情報記録面に対する入射角としてのチルト角の理想角度からの誤差を表すチルト誤差信号を得るチルト検出手順と、
    上記チルト検出手順で得られた上記チルト誤差信号に基づき、上記チルト角の補正を行うチルト補正手順と
    を有するチルト補正方法。
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