JP5057803B2 - 差動制限機構付き差動装置における電動モータの初期停止位置設定方法 - Google Patents

差動制限機構付き差動装置における電動モータの初期停止位置設定方法 Download PDF

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本発明は、内燃機関の出力を左右の駆動輪へ駆動力として分配する差動機構と;前記差動機構の差動動作を制限する差動制限機構としての摩擦多板クラッチと;第1カムプレートおよび第2カムプレートと、これらカムプレートの各々に相対向するように形成されたカム溝に収納されるボールとを備え、電動モータの回転力を直線方向の押力に変換して摩擦多板クラッチを係合させるボールカム機構と;電動モータの実モータ回転角を検出する回転角センサと;電動モータへ目標モータ回転角を指示するとともに、電動モータの実モータ回転角が目標モータ回転角に一致するように制御する制御装置とを備える差動制限機構付き差動装置における電動モータの初期停止位置設定方法に関する。
ディファレンシャルケースに入力される原動機の駆動力を二つの出力軸に配分して出力する差動機構と、二つの出力軸間の差回転を制限する摩擦多板クラッチとを備えた差動制限機構付き差動装置において、先ず第1工程で摩擦多板クラッチを係合させる押力が減少する方向に電動モータを駆動し、目標モータ回転角に実モータ回転角が追従しなくなる第1駆動位置で停止させ、続く第2工程で電動モータを前記第1駆動位置から前記押力が増加する方向に駆動し、目標モータ回転角に実モータ回転角が追従しなくなる第2駆動位置で停止させることで、摩擦多板クラッチを完全に係合させた後、第3工程で電動モータを前記第2駆動位置から前記押力が減少する方向に所定回転角だけ駆動して停止させた第3駆動位置を初期停止位置として設定することで、電動モータの初期停止位置を精度良く設定するものを、本出願人が特願2006−101519号により既に提案している。
しかしながら、上記特願2006−101519号で提案されたものは,電動モータの実回転角を初期停止位置に合わせる度に、第2工程において摩擦多板クラッチを係合させる必要があるため、駆動輪に駆動力を伝達させながら操舵しているときに電動モータの実回転角を初期停止位置に合わせる動作が実行されると、操舵トルクが変動して運転者に不快感を与える可能性があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、差動制限機構付き差動装置の電動モータの初期停止位置を設定する際に、操舵トルクが変動する不具合を最小限に抑えることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、内燃機関の出力を左右の駆動輪へ駆動力として配分する差動機構と;前記差動機構の差動動作を制限する差動制限機構としての摩擦多板クラッチと;第1カムプレートおよび第2カムプレートと、これらカムプレートの各々に相対向するように形成されたカム溝に収納されるボールとを備え、電動モータの回転力を直線方向の押力に変換して摩擦多板クラッチを係合させるボールカム機構と;電動モータの実モータ回転角を検出する回転角センサと;電動モータへ目標モータ回転角を指示するとともに、電動モータの実モータ回転角が目標モータ回転角に一致するように制御する制御装置とを備える差動制限機構付き差動装置において、電動モータを前記押力が減少する方向に駆動し、ボールカム機構のボールがカム溝の端部に突き当たって、目標モータ回転角に実モータ回転角が追従しなくなる第1駆動位置を検出する第1工程と;電動モータを前記押力が増加する方向に駆動し、摩擦多板クラッチが係合して、目標モータ回転角に実モータ回転角が追従しなくなる第2駆動位置を検出する第2工程と;前記第1駆動位置から前記第2駆動位置に至るまでに要するモータ回転角から所定回転角を減じたモータ回転角を電動モータの初期停止位置における前記第1駆動位置からのモータ回転角として記憶する第3工程とを含み、前記第1工程での前記電動モータの回転速度は、前記第2工程および前記第3工程での前記電動モータの回転速度よりも小さいことを特徴とする、差動制限機構付き差動装置における電動モータの初期停止位置設定方法が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、車両の停止時に前記第1工程から前記第3工程までを実行することを特徴とする、差動制限機構付き差動装置における電動モータの初期停止位置設定方法が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、内燃機関が始動してから車両が所定距離以上走行し、差動機構が暖機している状態で前記第1工程から前記第3工程までを実行することを特徴とする、差動制限機構付き差動装置における電動モータの初期停止位置設定方法が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか1項の構成に加えて、所定の積算走行距離毎に前記第1工程から前記第3工程までを実行することを特徴とする、差動制限機構付き差動装置における電動モータの初期停止位置設定方法が提案される。
尚、実施の形態の電子制御ユニットUは本発明の制御装置に対応する。
請求項1の構成によれば、先ず第1工程で摩擦多板クラッチを係合させる押力が減少する方向に電動モータを駆動し、目標モータ回転角に実モータ回転角が追従しなくなる第1駆動位置を検出することで、摩擦多板クラッチの係合を完全に解除して摩擦係合部材の係合による噛み付きを解放することができる。続く第2工程で電動モータを第1駆動位置から押力が増加する方向に駆動し、目標モータ回転角に実モータ回転角が追従しなくなる第2駆動位置を検出し、更に第3工程で第1駆動位置から第2駆動位置に至るまでに要するモータ回転角から所定回転角を減じたモータ回転角を電動モータの初期停止位置における第1駆動位置からのモータ回転角として記憶するので,第1駆動位置からの実モータ回転角を前記記憶されたモータ回転角に一致させるだけで、電動モータの実モータ回転角を初期停止位置に正しく合わせることができる。
しかも、前記モータ回転角が一旦記憶されると、それ以後は電動モータの実回転角を初期停止位置に合わせる度に摩擦多板クラッチを係合させる必要がないため、摩擦多板クラッチの係合による操舵トルクの変動が発生して運転者に不快感を与えるのを最小限に抑えることができる。
更に、第1工程での電動モータの回転速度を低くすることで、ボールカム機構が突き当たりに達したときにボールが第1、第2カムプレートのカム溝に噛み込むのを防止することができるだけでなく、第2工程および第3工程での電動モータの回転速度を高くすることで、電動モータの初期停止位置の設定に要する時間を短縮することができる。
また請求項2の構成によれば、車両の停止時に第1工程から第3工程までを実行するので,第2工程における摩擦多板クラッチの係合が車両の走行中に行われることがなくなり、車両の走行中に意図せぬ摩擦多板クラッチの係合による操舵トルクの変動が発生して運転者に不快感を与えるのを防止することができる。
また請求項3の構成によれば、内燃機関が始動してから車両が所定距離以上走行し、差動機構が暖機している状態で第1工程から第3工程までを実行するので、差動装置の温度が略一定になって各部品の熱膨張が定常状態に達し、第1駆動位置から第2駆動位置に至るまでに要するモータ回転角が安定した状態で初期停止位置の設定を精度良く行うことができる。
また請求項4の構成によれば、所定の積算走行距離毎に第1工程から第3工程までを実行するので、摩擦多板クラッチの摩耗が走行距離の増加に伴って増加し、第1駆動位置から第2駆動位置に至るまでに要するモータ回転角が変化しても、その回転角の変化が極端に増加する前に初期停止位置を確実に再設定することができる。
以下、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて説明する。
図1〜図15は本発明の実施の形態を示すもので、図1は自動車用内燃機関の後面図、図2は差動機構およびアクチュエータの拡大断面図、図3は差動機構の構造を示す図2の3部拡大図、図4はアクチュエータの構造を示す図3の4部拡大図、図5は摩擦多板クラッチの構造を示す図3の5部拡大図、図6は図3の6−6線断面図、図7は図3の7−7線断面図、図8は図4の8−8線断面図、図9は電動モータの制御系のブロック図、図10は実施の形態の作用を説明するメインルーチンのフローチャート、図11はメインルーチンのステップS6,S7のサブルーチンのフローチャート、図12はメインルーチンのステップS12のサブルーチンのフローチャート、図13は初期停止位置制御時の電動モータの回転角の説明図、図14は電動モータの初期停止位置制御の作用説明図、図15は電動モータの回転方向および回転速度を示すグラフである。
図1に示すように、フロントエンジン・フロントドライブの自動車の車体前部に横置きに搭載された内燃機関Eは、その左側面に変速機Tが一体に結合され、変速機Tの後面に差動機構Dが設けられる。車体中心線から左方向にずれて配置された差動機構Dから右方向にハーフシャフト11(インターミディエイトシャフト)が延びており、ハーフシャフト11に右駆動輪(図示せず)を駆動する右車軸12が接続され、また差動機構Dから左方向に延びる左車軸13を介して左駆動輪(図示せず)が駆動される。ハーフシャフト11の右端はエンジンブロック22に固定したステー10に支持される。
図2を併せて参照すると明らかなように、差動機構Dを収納するハウジング14は、変速機Tのケーシングと一体に形成されたハウジング本体15と、ハウジング本体15の左端開口部を覆うように複数本のボルト16…で固定されたカバープレート17とを備える。差動機構Dの右側に離間して取り付けられたアクチュエータAは、差動機構Dのハウジング本体15の右端開口部に嵌合するアクチュエータケース18と、アクチュエータケース18の右端開口部を覆うように複数本のボルト19…で固定されたアクチュエータカバー20とを備えており、アクチュエータケース18を貫通する複数本のボルト21…でエンジンブロック22に固定される。差動機構DおよびアクチュエータAは差動装置を構成する。
ハウジング14の内部に収納された差動機構Dは、ハウジング本体15にローラベアリング23で支持された右側の第1ケース24と、カバープレート17にローラベアリング25で支持された左側の第2ケース26とを複数本のボルト27…で結合したディファレンシャルケース28を備えており、第1ケース24の外周に変速機Tにより駆動されるアクスルドライブギヤ29が複数本のボルト30で固定される。
次に、図3および図5〜図7を参照して差動機構Dの構造を説明する。
ハウジング14内に収納される差動機構Dは、十字状に交差するように一体化された4本のピニオンシャフト31…を備える。円形断面を有するピニオンシャフト31…は端部に面取31a…が形成されており、その面取31a…が第1ケース24の内周面に形成された4本の支持溝24a…に嵌合する。4本のピニオンシャフト31…には4個のピニオン32…が回転自在に支持される。ピニオン32…と第1ケース24の内周面との間にスペーサ33…が配置されており、これらのスペーサ33…によってピニオン32…の径方向の位置が規制される。
第1ケース24の内部に挿入されたハーフシャフト11の外周は、右側のサイドギヤ34Rにスプライン結合されてスナップリング35で抜け止めされる。また第2ケース26を貫通して第1ケース24の内部に挿入された左車軸13の右端は、クラッチインナー37にスプライン結合されてスナップリング38で抜け止めされる。クラッチインナー37の右側面に左側のサイドギヤ34Lが一体に形成される。左右のサイドギヤ34L,34Rは4個のピニオン32…に噛み合っている。
クラッチインナー37の外周に対向するように第1ケース24の内周にクラッチアウター40が一体に形成されており、クラッチアウター40の内周面に複数枚(実施の形態では5枚)のクラッチプレート41…の外周部がスプライン嵌合するとともに、クラッチインナー37の外周面に複数枚(実施の形態では6枚)のクラッチディスク42…の内周部がスプライン嵌合する。クラッチディスク42…の両面に貼り付けた摩擦材43…がクラッチプレート41…に接触するように、クラッチプレート41…およびクラッチディスク42…は交互に配置される。
クラッチアウター40の内周面にプレッシャプレート44の外周部がスプライン嵌合し、このプレッシャプレート44の左側面は最右端に位置するクラッチディスク42の右側面に当接可能に対向する。プレッシャプレート44の右側面に対向する第1ケース24の内面に、径方向に延びる複数個(実施の形態では4個)の梃子レバー収納凹部24bが形成されており、各々の梃子レバー収納凹部24bの径方向外端に梃子レバー45の径方向外端の支点45aが揺動自在に係合する。
アクチュエータケース18の内部において、ハーフシャフト11の外周にニードルベアリング46(図1参照)を介して第1中空軸47が相対回転自在かつ軸方向移動自在に嵌合する。第1ケース24の内部において、第1中空軸47の左端に第2中空軸48の右端が相対回転不能に凹凸係合し、更に第2中空軸48の左端に第3中空軸49の右端が相対回転不能に凹凸係合する。第2中空軸48の左端側に第1ケース24の内周面に沿うように拡径した拡径部48aが形成されており、第3中空軸49の直径は拡径部48aの最大直径に一致している。
第2中空軸48の拡径部48aに複数個(実施の形態では6個)の貫通孔48bが形成されており、第1ケース24の内面から突出する4個の延出部24c…が貫通孔48bを緩く貫通して拡径部48aの内側に突出する。各々の延出部24cの先端は摩擦ワッシャ50を介して右側のサイドギヤ34Rの背面に当接する。尚、左側のサイドギヤ34Lの背面、つまりクラッチインナー37の左側面は、摩擦ワッシャ51を介して第2ケース26の内面に当接する。
第3中空軸49には、その左端側に開口するU字状の切欠49a…が90°間隔で4個形成されている。これらの切欠49a…によって4本のピニオンシャフト31…と、その外周に嵌合するスペーサ33…との干渉を回避しながら、第3中空軸49は軸方向に移動することができる。そして第3中空軸49の左端に、梃子レバー45の径方向内端に設けられた力点45bを押圧する押圧部49bが形成される。そして梃子レバー45の中間部に、プレッシャプレート44の右側面に当接する作用点45cが設けられる。
このようにして、クラッチインナー37、クラッチアウター40、クラッチプレート41…、クラッチディスク42…、プレッシャプレート44および梃子レバー45…により、左車軸13をディファレンシャルケース28に締結するための摩擦多板クラッチ52が構成される。
次に、図2、図4および図8に基づいて、第1〜第3中空軸47,48,49を介して摩擦多板クラッチ52を係合させるアクチュエータAの構造を説明する。
アクチュエータケース18およびアクチュエータカバー20の内部に延びる第1中空軸47の右端にフランジ部材61が摺動自在に嵌合しており、第1中空軸47にクリップ62で係止したスプリングシート63とフランジ部材61の背面との間にコイルスプリング64が圧縮状態で配置される。
フランジ部材61およびアクチュエータカバー20の内壁面20a間のハーフシャフト11上に、第1カムプレート67および第2カムプレート68がそれぞれニードルベアリング69,70を介して回転自在、かつ軸方向移動自在に支持される。第1カムプレート67はスラストベアリング85を介してフランジ部材61に当接し、第2カムプレート68はスラストベアリング86を介してアクチュエータカバー20の内壁面20aに当接する。第1、第2カムプレート67,68の対向面に傾斜したカム溝67a…,68a…が形成されており、相対向するカム溝67a…,68a…にそれぞれボール71…が収納される。第1、第2カムプレート67,68およびボール71…はボールカム機構72を構成する。
アクチュエータケース18に、第1軸73がボールベアリング74およびニードルベアリング75を介して支持され、また第2軸76がボールベアリング77,78を介して支持される。アクチュエータケース18に支持した電動モータ79の出力軸79aに直列に接続された第1軸73に設けられた第1ギヤ80が、第2軸76に設けられた第2、第3ギヤ81,82のうちの第2ギヤ81に噛合する。また第1、第2カムプレート67,68の外周にそれぞれ第4、第5ギヤ83,84が形成されており、第4ギヤ83が第2軸76の第2ギヤ81に噛合するとともに、第5ギヤ84が第2軸76の第3ギヤ82に噛合する。第2ギヤ81および第4ギヤ83間のギヤ比と、第3ギヤ82および第5ギヤ84間のギヤ比は僅かに異なっている。
図9に示すように、アクチュエータAの電動モータ79の作動を制御する電子制御ユニットUは、LSD(差動制限)制御部91と、モータ制御部92とを備える。例えばアンチロックブレーキ装置の電子制御ユニットから車輪速信号が入力されたLSD制御部91は、車両の加減速、旋回方向、ヨーレート等に基づいて差動機構Dに発生させるべき目標差動トルクを算出し、この目標差動トルクを電動モータ79の目標モータ回転角に変換する。LSD制御部91が出力する電動モータ79の目標モータ回転角と、レゾルバよりなる回転角センサ65(図4参照)で検出した電動モータ79の実モータ回転角との偏差が入力されるモータ制御部92は、その偏差がゼロに収束するように、モータドライバー93を介して電動モータ79の実モータ回転角をフィードバック制御する。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用について説明する。
差動機構Dは通常の差動機能に加えて差動制限機能を発揮するもので、その差動制限機能により発生する差動制限トルクはアクチュエータAの作動により発生する。
先ず、差動機構Dの通常の差動機能について説明する。
内燃機関Eの駆動力が変速機Tを介して差動機構Dのアクスルドライブギヤ29に入力されると、アクスルドライブギヤ29にボルト30…で結合されたディファレンシャルケース28が回転する。車両が直進状態にあるとき、4個のピニオン32…はピニオンシャフト31…に対して回転せず、ピニオン32…に噛み合う左側のサイドギヤ34Lと一体の左車軸13と、ピニオン32…に噛み合う右側のサイドギヤ34Rと一体のハーフシャフト11とは同速で回転し、左右の駆動輪に駆動力が均等に配分される。
例えば、車両が左旋回状態にあるとき、左側の駆動輪に連なる左車軸13が減速されて右側の駆動輪に連なるハーフシャフト11が増速されるため、左右のサイドギヤ34L,34Rに差回転が発生するが、その差回転は左右のサイドギヤ34L,34Rに噛み合うピニオン32…の回転により吸収される。同様に、車両が右旋回状態にあるとき、左側の駆動輪に連なる左車軸13が増速されて右側の駆動輪に連なるハーフシャフト11が減速されるため、左右のサイドギヤ34L,34Rに差回転が発生するが、その差回転は左右のサイドギヤ34L,34Rに噛み合うピニオン32…の回転により吸収される。
次に、アクチュエータAの作動により発生する差動制限機能について説明する。
アクチュエータAの電動モータ79を駆動すると、その出力軸79aに結合した第1軸73の第1ギヤ80の回転が第2ギヤ81に伝達されて第2軸76が回転する。第2軸76が回転すると、第2ギヤ81および第4ギヤ83を介して第1カムプレート67が回転し、かつ第3ギヤ82および第5ギヤ84を介して第2カムプレート68が回転するが、第2ギヤ81および第4ギヤ83間のギヤ比と、第3ギヤ82および第5ギヤ84間のギヤ比とが僅かに異なっているため、ボールカム機構72の第1、第2カムプレート67,68が相対回転する。その結果、第1、第2カムプレート67,68のカム溝67a…,68a…の相対位置が、図8(A)の状態から図8(B)の状態に変化し、ボール71…によって第1、第2カムプレート67,68が相互に離反する方向に駆動される。
ボールカム機構72により発生する右向きの荷重を受けた第2カムプレート68は、アクチュエータカバー20によって右方向への移動を阻止される。従って、ボールカム機構72により発生する左向きの荷重、つまり摩擦多板クラッチ52を係合させる押力を受けた第1カムプレート67は左方向に移動し、スラストベアリング85およびフランジ部材61を介して第1中空軸47を左方向に押圧する。
アクチュエータAによって第1中空軸47に左向きの押力が作用すると、第1中空軸47に結合された第2中空軸48および第3中空軸49が左方向に移動し、第3中空軸49の左端に設けた押圧部49b…が4個の梃子レバー45…の力点45b…を押圧する。その結果、各梃子レバー45は支点45aを中心に揺動し、その作用点45cがプレッシャプレート44を左方向に押圧することで、クラッチプレート41…およびクラッチディスク42…が相互に密着し、クラッチインナー37およびクラッチアウター40が一体に結合される。
梃子レバー45の支点45aおよび力点45b間の距離L1は、支点45aおよび作用点45c間の距離L2よりも大きく設定されているため、梃子レバー45に入力される押力F1をL1/L2倍に倍力した押力F2でプレッシャプレート44を押圧することができ、これによりアクチュエータAの電動モータ79を小型化しても摩擦多板クラッチ52に充分な押力を加えることができる。
このようにして摩擦多板クラッチ52が係合すると、クラッチインナー37と一体の左車軸13がディファレンシャルケース28と一体化されることで、左車軸13とハーフシャフト11とが、つまり左車軸13と右車軸12とが相対回転不能に一体化され、差動機構Dの差動機能が制限されてぬかるみ等の軟弱地からの脱出を可能にしたり、高速直線走行時の安定性を高めたりすることができる。このとき、電動モータ79を駆動する電流を制御してアクチュエータAが発生する押力を変化させ、摩擦多板クラッチ52に所定のスリップを発生させることで、差動機構Dに任意の大きさの差動制限トルクを発揮させることができる。
以上のように、アクチュエータAが発生した摩擦多板クラッチ52の押力を、内燃機関Eの駆動力が伝達されるハーフシャフト11を介さずに、そのハーフシャフト11の外周に軸方向移動可能かつ相対回転可能に配置された第1〜第3中空軸47,48,49を介して伝達するので、内燃機関Eの駆動力を伝達することでハーフシャフト11のスプライン結合部に作用する摩擦力でアクチュエータAが発生する押力が減じられることがなくなり、摩擦多板クラッチ52を安定良く係合させることが可能になる。
ところで、摩擦多板クラッチ52の係合応答性をできるだけ高めるには、差動機構Dに差動制限力を付与しないときの電動モータ79の停止位置である初期停止位置を、クラッチプレート41…およびクラッチディスク42…が接触しない範囲で両者間のクリアランスができるだけ小さくなるように設定することが望ましい。摩擦多板クラッチ52は使用に伴ってクラッチディスク42…に貼り付けた摩擦材43…が次第に摩耗するため、非係合時のクラッチプレート41…およびクラッチディスク42…間のクリアランスを常時最適の大きさに設定し、係合時にクラッチプレート41…およびクラッチディスク42…が速やかに係合するように電動モータ79の初期停止位置を制御する必要がある。以下に、電動モータ79の初期停止位置の制御手法を説明する。
先ず、図10のフローチャートに基づいて、電動モータ79の初期停止位置(以下、ゼロ点とも言う)の設定条件を説明する。尚、このルーチンはシステムの通電中に1msec周期で実行される。
ステップS1で今回イグニッションスイッチがONでなく、かつステップS2で今回イグニッションスイッチがOFFであるとき、つまり内燃機関Eが運転状態から停止状態に切り換わったとき、ステップS3で第1走行距離カウンタを第1所定距離(例えば、5km)と比較する。第1走行距離カウンタは内燃機関Eの始動時にリセットされるもので、第1所定距離は差動機構Dを含む内燃機関Eの暖機が完了する走行距離として設定される。
前記ステップS3で第1走行距離カウンタが第1所定距離以上になって暖機が完了すると、ステップS4で第2走行距離カウンタを第2所定距離(例えば、2万km)と比較する。第2走行距離カウンタは不揮発メモリに記憶される車両の積算走行距離であり、差動機構Dの摩擦多板クラッチ52の摩耗が進行してゼロ点の自動再学習が必要になる走行距離として設定される。
前記ステップS4で第2走行距離カウンタが第2所定距離以上になってゼロ点の自動再学習が必要になり、続くステップS5で車両が停止すると、ステップS6でゼロ点の自動再学習を実行する。車両が停止したことの判定は、車速がゼロになったこと、シフトポジションがNポジションあるいはPポジションになったこと、パーキングブレーキが作動していること、内燃機関Eが停止していること等により判断される。尚、前記ステップS6の内容は後から詳述する。
そしてステップS7で現在の電動モータ79の回転位置をゼロ点として記憶し、ステップS8で第2走行距離カウンタをリセットし、ステップS9でフェイル状態をクリアする。フェイル状態とは、システムが異常であると判断して運転者に故障を報知するとともに、システムを停止させる状態である。尚、前記ステップS7の内容は後から詳述する。
前記ステップS3〜ステップS9は、イグニッションスイッチOFF後に30sec程度電子制御ユニットUが作動状態にあり、その作動期間に実行される。
前記ステップS1で今回イグニッションスイッチがONしたとき、つまり内燃機関Eが始動した瞬間に、ステップS10でゼロ点の記憶が無ければ、ステップS11で異常が発生したと判断してフェイル状態をセットする。一方、前記ステップS10でゼロ点の記憶があれば、ステップS12で電動モータ79の回転位置を記憶しているゼロ点に一致させた後、ステップS13でフェイル状態をクリアする。尚、前記ステップS12の内容は後から詳述する。
前記ステップS2で今回イグニッションスイッチOFFでないとき、つまり内燃機関Eを始動した瞬間でない内燃機関Eの運転時、あるいは内燃機関Eを停止した瞬間でない内燃機関Eの停止時に、ステップS14で手動取得要求があれば、前記ステップS5に移行する。手動取得要求とは、工場での組立時や、アクチュエータAの組換時に強制的にゼロ点を記憶させるためのトリガである。
上述した図10のフローチャートのルーチンの実行後に差動制限制御に移行するが、内燃機関Eの始動後の差動制限力を付与しないときの電動モータ79の位置(実モータ回転角)を初期停止位置(ゼロ点)に対応した目標モータ回転角I0 に合わせる動作は、この差動制限制御の中で行われる。
次に、図10のフローチャートのステップS6およびステップS7のサブルーチンを、図11のフローチャートに基づいて説明する。
先ず、図11のフローチャートのステップS21で電動モータ79の目標モータ回転角(モータ指令値)および実モータ回転角(回転角センサ65の出力)を共にゼロにリセットした後、ステップS22で目標モータ回転角を−5deg、−10deg、−15deg、−20deg…と負方向に次第に増加させると、フィードバック制御によって実モータ回転角が前記目標モータ回転角に追従することで、電動モータ79は逆方向(摩擦多板クラッチ52の係合を解除する方向)に回転する。このときの電動モータ79の回転速度は、比較的に低速(例えば、300deg/sec)に設定される。電動モータ79の逆回転によりボールカム機構72の第1、第2カムプレート67,68は相互に接近するように移動し、それ以上接近できない限界位置に達すると実モータ回転角が目標モータ回転角に追従できなくなり、両者の偏差が次第に増加する。そしてステップS23で前記偏差が第1閾値(例えば、45deg)を越えると、ステップS24でボールカム機構72が突き当たりに達したと判断し、その第1駆動位置で電動モータ79を停止させ、目標モータ回転角および実モータ回転角を共にゼロにリセットする(図13のa位置および図14(A)参照)。
上記ステップS21〜ステップS24は、本発明の第1工程に対応する。
このように、電動モータ79を逆回転させてボールカム機構72を一旦突き当たり位置に戻して摩擦多板クラッチ52の係合を完全に解除することで、クラッチプレート41…およびクラッチディスク42…の係合による噛み付きを解放することができる。
続くステップS25で目標モータ回転角を+5deg、+10deg、+15deg、+20deg…と正方向に次第に増加させると、フィードバック制御によって電動モータ79の実モータ回転角が前記目標モータ回転角に追従することで、電動モータ79は正方向(摩擦多板クラッチ52が係合する方向)に回転する。電動モータ79の正回転によりボールカム機構72の第1、第2カムプレート67,68は相互に離反するように移動し、前述したように摩擦多板クラッチ52のクラッチプレート41…およびクラッチディスク42…が係合して密着する方向に圧縮される。そしてクラッチプレート41…およびクラッチディスク42…がそれ以上圧縮できない限界位置に達すると実モータ回転角が目標モータ回転角に追従できなくなり、両者の偏差が次第に増加する。そしてステップS26で前記偏差が第2閾値(例えば、60deg)を越えると、ステップS27で摩擦多板クラッチ52が完全に係合したと判断し、その第2駆動位置で電動モータ79を停止させるとともに、目標モータ回転角をA−Cに設定する(図13のb位置および図14(B)参照)。
ここで、Aは第2駆動位置での実モータ回転角であり、Cは予め設定された所定回転角(設定戻し角、例えば255deg)である。このときの電動モータ79の回転速度は、比較的に高速(例えば、1000deg/sec)に設定される。
上記ステップS25〜ステップS27は、本発明の第2工程に対応する。
このように、クラッチプレート41…およびクラッチディスク42…の係合による噛み付きを解放した状態で、電動モータ79を正回転させて摩擦多版クラッチ52を係合させるので、上述した第2駆動位置を精度良く検出することができる。
続くステップS28で電動モータ79は逆方向(摩擦多板クラッチ52の係合を解除する方向)に駆動する。このときの電動モータ79の回転速度は、比較的に高速(例えば、1000deg/sec)に設定される。そしてステップS29で実モータ回転角が前記A−C、つまり第2駆動位置から設定戻し角である255deg戻った位置に達すると、ステップS30で電動モータ79が第3駆動位置(初期停止位置)に達したと判断して回転を停止させ、前記A−Cの値を電動モータ79の初期停止位置における第1駆動位置からのモータ回転角I0 の値として記憶する(I0 ←A−C)。そしてステップS31で電動モータ79の初期停止位置の設定を完了する(図13のc位置および図14(C)参照)。
上記ステップS30は、本発明の第3工程に対応する。
尚、電動モータ79を逆回転させる前記設定戻し角は、実験的に設定される。即ち、第2カムプレート68とアクチュエータカバー20の内壁面20aとの間に実験用のロードセルを仮に配置しておき、摩擦多版クラッチ52が係合させる前記第2駆動位置から電動モータ79を逆回転させてロードセルにより検出される荷重を監視し、その荷重がゼロになったときの電動モータ79の逆回転角を前記設定戻し角とする。
次に、図10のフローチャートのステップS12のサブルーチンを、図12のフローチャートに基づいて説明する。
先ず、図12のフローチャートのステップS41で電動モータ79の目標モータ回転角(モータ指令値)および実モータ回転角(回転角センサ65の出力)を共にゼロにリセットした後、ステップS42で目標モータ回転角を−5deg、−10deg、−15deg、−20deg…と負方向に次第に増加させると、フィードバック制御によって実モータ回転角が前記目標モータ回転角に追従することで、電動モータ79は逆方向(摩擦多板クラッチ52の係合を解除する方向)に回転する。このときの電動モータ79の回転速度は、比較的に低速(例えば、300deg/sec)に設定される。電動モータ79の逆回転によりボールカム機構72の第1、第2カムプレート67,68は相互に接近するように移動し、それ以上接近できない限界位置に達すると実モータ回転角が目標モータ回転角に追従できなくなり、両者の偏差が次第に増加する。そしてステップS43で前記偏差が第1閾値(例えば、45deg)を越えると、ステップS44でボールカム機構72が突き当たりに達したと判断し、その第1駆動位置で電動モータ79を停止させ、目標モータ回転角および実モータ回転角を共にゼロにリセットする。
続くステップS45で目標モータ回転角を正方向に増加させ、ステップS46で実モータ回転角が前記目標モータ回転角I0 =A−Cに達すれば、ステップS47で電動モータ79の初期停止位置の設定を完了する。
このように、内燃機関Eの始動直後であって、目標モータ回転角I0 が既に記憶されている場合には、第1駆動位置の確認(原点確認)を行い、そこからの実モータ回転角が既に記憶されている目標モータ回転角I0 に一致するようにフィードバック制御するだけで良い、原点確認を行う理由は、回転角センサ65は、回転角360degのどの位置にあるのかは検出可能であるが、第1駆動位置から何回転目にあるかは検出不能であるため、一旦第1駆動位置に戻してそこを原点として目標モータ回転角I0 までのカウントを行うためである。
以上のように、先ず第1工程で摩擦多板クラッチ52を係合させる押力が減少する方向に電動モータ79を駆動し、目標モータ回転角に実モータ回転角が追従しなくなる第1駆動位置を検出するので、摩擦多板クラッチ52の係合を完全に解除して摩擦係合部材の係合による噛み付きを解放することができる。続く第2工程で電動モータ79を第1駆動位置から押力が増加する方向に駆動し、目標モータ回転角に実モータ回転角が追従しなくなる第2駆動位置を検出する。そして第3工程で第1駆動位置から第2駆動位置に至るまでに要するモータ回転角から所定回転角を減じたモータ回転角を電動モータ79の初期停止位置における第1駆動位置からのモータ回転角として記憶する。よって第1駆動位置からの実モータ回転角を前記記憶されたモータ回転角に一致させるだけで、電動モータ79の実モータ回転角を初期停止位置に正しく合わせることができる。
そして電動モータ79の実回転角を初期停止位置に合わせる度に摩擦多板クラッチ52を係合させる必要がないため、摩擦多板クラッチ52の係合による操舵トルクの変動が発生して運転者に不快感を与えるのを最小限に抑えることができる。
また車両の停止時に第1工程から第3工程までを実行するので,第2工程における摩擦多板クラッチ52の係合が車両の走行中に行われることがなくなり、車両の走行中に意図せぬ摩擦多板クラッチ52の係合による操舵トルクの変動が発生して運転者に不快感を与えるのを防止することができる。
また内燃機関Eが始動してから車両が所定距離(実施の形態では5km)以上走行し、差動機構Dが暖機している状態で第1工程から第3工程までを実行するので、差動装置Dの温度が略一定になって各部品の熱膨張が定常状態に達し、第1駆動位置から第2駆動位置に至るまでに要するモータ回転角が安定した状態で初期停止位置の設定を精度良く行うことができる。
また所定の積算走行距離(実施の形態では2万km)毎に第1工程から第3工程までを実行するので、摩擦多板クラッチ52の摩耗が走行距離の増加に伴って増加し、第1駆動位置から第2駆動位置に至るまでに要するモータ回転角が変化しても、その回転角の変化が極端に増加する前に初期停止位置を確実に再設定することができる。
しかして、電動モータ79の初期停止位置の設定が完了した状態では、クラッチプレート41…およびクラッチディスク42…が接触しない範囲で、両者間のクリアランスが最小に設定されるため、摩擦多板クラッチ52の係合時の応答性が確保される。そして電動モータ79の実モータ回転角を検出する回転角センサ65を利用して電動モータ79の初期停止位置を設定することができるので、アクチュエータカバー20の内壁面20aに配置される従来のロードセルを廃止することができ、これによりアクチュエータAの軸方向寸法の短縮を図ることができる。
図15に示すように、電動モータ79を最初に図13のa位置まで逆転させる第1工程(図11のステップS21〜S24参照)では、その回転速度を低速の300deg/secに設定するので、ボールカム機構72が突き当たりに達したときに、ボール71…が第1、第2カムプレート67,68のカム溝67a…,68a…に噛み込むのを防止することができる。また電動モータ79を図13のa位置からb位置まで正転させる第2工程(図11のステップS25〜S27参照)と、b位置からc位置まで逆転させる第3工程(図11のステップS30参照)とでは、その回転速度を高速の1000deg/secに設定するので、電動モータ79の初期停止位置の設定に要する時間を短縮することができる。
尚、b位置およびc位置はボールカム機構72の突き当たり位置ではないため、そのb位置およびc位置に向けて電動モータ79を高速で回転させても噛み込みが発生する虞はない。
以上、本発明の実施の形態を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態では回転角センサ65を電動モータ79の出力軸79aに設けているが、電動モータ79の出力軸79aからボールカム機構72のへの動力伝達経路の任意の位置に配置することができる。
自動車用内燃機関の後面図 差動機構およびアクチュエータの拡大断面図 差動機構の構造を示す図2の3部拡大図 アクチュエータの構造を示す図3の4部拡大図 摩擦多板クラッチの構造を示す図3の5部拡大図 図3の6−6線断面図 図3の7−7線断面図 図4の8−8線断面図 電動モータの制御系のブロック図 実施の形態の作用を説明するメインルーチンのフローチャート メインルーチンのステップS6,S7のサブルーチンのフローチャート メインルーチンのステップS12のサブルーチンのフローチャート 初期停止位置制御時の電動モータの回転角の説明図 電動モータの初期停止位置制御の作用説明図 電動モータの回転方向および回転速度を示すグラフ
52 摩擦多板クラッチ
65 回転角センサ
67 第1カムプレート
67a カム溝
68 第2カムプレート
67b カム溝
71 ボール
72 ボールカム機構
79 電動モータ
D 差動機構
E 内燃機関
U 電子制御ユニット(制御装置)

Claims (4)

  1. 内燃機関(E)の出力を左右の駆動輪へ駆動力として分配する差動機構(D)と;
    前記差動機構(D)の差動動作を制限する差動制限機構としての摩擦多板クラッチ(52)と;
    第1カムプレート(67)および第2カムプレート(68)と、これらカムプレート(67,68)の各々に相対向するように形成されたカム溝(67a,67b)に収納されるボール(71)とを備え、電動モータ(79)の回転力を直線方向の押力に変換して摩擦多板クラッチ(52)を係合させるボールカム機構(72)と;
    電動モータ(79)の実モータ回転角を検出する回転角センサ(65)と;
    電動モータ(79)へ目標モータ回転角を指示するとともに、電動モータ(79)の実モータ回転角が目標モータ回転角に一致するように制御する制御装置(U)と;
    を備える差動制限機構付き差動装置において、
    電動モータ(79)を前記押力が減少する方向に駆動し、ボールカム機構(72)のボール(71)がカム溝(67a,67b)の端部に突き当たって、目標モータ回転角に実モータ回転角が追従しなくなる第1駆動位置を検出する第1工程と;
    電動モータ(79)を前記押力が増加する方向に駆動し、摩擦多板クラッチ(52)が係合して、目標モータ回転角に実モータ回転角が追従しなくなる第2駆動位置を検出する第2工程と;
    前記第1駆動位置から前記第2駆動位置に至るまでに要するモータ回転角から所定回転角を減じたモータ回転角を電動モータ(79)の初期停止位置における前記第1駆動位置からのモータ回転角として記憶する第3工程と;
    を含み、
    前記第1工程での前記電動モータ(79)の回転速度は、前記第2工程および前記第3工程での前記電動モータ(79)の回転速度よりも小さいことを特徴とする、差動制限機構付き差動装置における電動モータの初期停止位置設定方法。
  2. 車両の停止時に前記第1工程から前記第3工程までを実行することを特徴とする、請求項1に記載の差動制限機構付き差動装置における電動モータの初期停止位置設定方法。
  3. 内燃機関を始動してから車両が所定距離以上走行し、差動機構(D)が暖機している状態で前記第1工程から前記第3工程までを実行することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の差動制限機構付き差動装置における電動モータの初期停止位置設定方法。
  4. 所定の積算走行距離毎に前記第1工程から前記第3工程までを実行することを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の差動制限機構付き差動装置における電動モータの初期停止位置設定方法。
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